令和4年9月3日(土)
【テーマ】 「司法書士の可能性~多様なニーズに応えうる法律家を目指して~」
【内 容】 我々の業界には、社会の多様性や地域の特殊性、または多様化する市民のニーズに応える形で、新たな業務を発掘し拡大させてきたトップランナー達が全国津々浦々に存在する。彼らは、職域の制限を抱えつつ、市民からの要望には最大限応えるという信念や情熱に従い、業務範囲拡大の観点から司法書士制度の発展に尽くしてきた。我々司法書士には、こうしたポテンシャル(潜在能力)があるはずだが、それを100%使いこなせているのであろうか。
今回、司法書士制度150年を迎えるにあたって、多様化する社会のニーズに応える形で30 年前には考えられなかった新たな業務を発掘し、最前線を走って来られた先生方をお招きした。司法書士が今後開拓していく新しい業務分野においてもビジネスチャンスを掴む指標となるよう、先生方にはその分野での業務を始めたきっかけや業務実績などをご報告いただき、司法書士の潜在能力を活かすための方策や、AIやロボットによる自動化が進む中での司法書士の社会における存在意義を、業務の多様化を踏まえて議論いただく。
12:40~ 開場・受付開始
13:00~13:10 九B会長挨拶・研修部長主旨説明等
78%司法書士の業務はAIに置き換わる。コンサルティングは残る。AIが何を指すのか、コンサルティングが何を指すのかは分かりませんでした。マーケティングに関する研修はあまりない。今回は業務開拓にも役立たて欲しい。
13:10~14:40 第一部 講演
「司法書士の可能性~多様なニーズに応えうる法律家を目指して~」(仮題)
講師 湯淺 墾道(明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授・日司連理事)
14:55~16:55 第二部 パネルディスカッション
「司法書士のマーケティング戦略~制度150年を迎えて~」
コーディネーター 安河内肇(福岡県司法書士会副会長)
コメンテーター 湯淺墾道(明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授・日司連理事)
パネリスト 工藤克彦(日司連民事信託等財産管理業務対策部部委員)
パネリスト 谷口毅(日司連民事信託等財産管理業務対策部部委員)
パネリスト 河野将也(九州ブロック司法書士会協議会 研修部部長)
個々の司法書士としてのマーケティングと、司法書士会としてのマーケティング。情報提供。
司法書士であれば出来る業務は可能な限りやってきた。司法書士法施行規則31条に基づく業務を司法書士業務として確立したかった。不動産6割、法人4割。
司法書士試験に出てこない法律に基づく業務、債務整理、民事保全法改正に基づく処分の制限の登記、仮処分の登記、後見人選任審判前の保全処分、遺産承継管理業務の開始時期、など。民事信託は、誰もやっていなかった。平成28年頃から流行りものとなってきた。社会の目、弁護士さんの目も厳しくなってきた。個々の司法書士がプロボノとしてやってきたことが、会のマーケティングとして上手くいっている。
谷口毅司法書士への質問
・信託の学校というのは、非営利事業か営利事業か、どちらでしょうか。有料会員に司法書士はいるのでしょうか?・・・回答なし。
谷口先生から、信託の学校はシステムを作るのに何百万もかけたから同業者相手にやる、と直接聴きましたが、それはマーケティング・ブランディングではないのでしょうか。プロボノでしょうか。・・・回答なし。
谷口毅司法書士
月報司法書士が言論活動として、結果としてマーケティングの役割を果たしている。司法書士を応援してくれる学者、人を増やしていく。政治の場に持っていく。司法書士は元々、同業からお金を取ったりせず、こういう仕事をした、と教えたくなる。福祉信託株式会社が営業許可を受けたのは、組織として活動したから。寄付について議論がない。草の根活動を会が拾っていく。リーガルテックサービスでは、権利や公示制度を保証してくれない。現在は、登記制度を壊し、登記官の負担を増やしている。法定相続証明情報一覧図の作成、住所変更登記や氏名変更登記は、単純な情報処理の仕事なので、消える可能性がある。価値を作る。信託、簡裁代理、遺産承継業務、成年後見業務は情報処理ではない。
価値を作るとは?
工藤克彦司法書士
司法書士法施行規則31条業務に懸かっている。法律改正にアンテナを張る。所有者不明土地の管理者の養成研修。
司法書士の可能性~多様なニーズに応えうる法律家を目指して~
湯淺墾道明治大学教授・日本司法書士会連合会理事
「死者の個人情報の保護」
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/handle/10291/22386
「故人のデジタルデータの扱い」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/71/11/71_491/_article/-char/ja/
「個人情報保護法制の最新動向:3.個人情報保護法改正と学術研究への影響」
1. デジタルトランスフォーメーション
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
DX に関係する法改正
今後のDX 化の方向性
2025年の崖、Zoomのような企業が日本にはない、このままだと日本は敗者になる、経済産業省と総務省のDXは異なる。
2. デジタル化で何が変わるのか
・行政のデジタル化の例と今後の方向
情報処理の促進に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000090
デジタル庁は、他の省庁に勧告することが出来る。
デジタル庁設置法
・行政のデジタル化と規制緩和
現在司法書士であることの証明(IDなどで電子的に。)。これまで各省庁で執行していた事務に対してデジタル庁も権限を持つことが多くなった。
子育てワンストップサービス(行政から通知が来るプッシュ型)
各種行政手続におけるオンライ化の推進~ 子育てワンストップサービについて~2022 年4月 19 日(火)国民向けサービスグループ
マイナンバーカード・ワンストップサービス( OSS )班
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_kanshi/siryo/pdf/ka14-10.pdf
引っ越しワンストップ
死亡・相続ワンストップ(暗号資産、デジタル通貨、海外事業者はどのように探すのか。)
「エンディングノートのデータ標準α版」の公開
https://cio.go.jp/onestop-sibousouzoku
・デジタル化と対面手続のオンライン化
・NFT、メタバース等の新たな技術と法手続
・有体物と自然人という実定法の前提は変わるか
3. AI(人工知能)と士業
AI でなくなる職業、生き残る職業
「日本におけるコンピューター化と仕事の未来」
人工知能が人工知能を超える人工知能のためのプログラムを書く繰り返し。
司法書士(パラリーガル)AI置き換えられる可能性。創造性がないから。創造性が発揮できると生き残ることが出来る。
創造性がよく分かりませんでした。提案業務が創造性?
・第五世代コンピュータと法律人工知能、エキスパートシステム
法律エキスパートシステム
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/5/3/5_369/_article/-char/ja/
知識エンジンでは、スジとスワリ、暗黙知の解明は出来なかった。
・法律関係業務におけるAI 利用の例
・裁判所における例
顔認証、テキスト認識、会話処理
・弁護士の例
法律家ロボット
利用(注意義務など)
・AI による法的推論
4. デジタル化・AI 時代の司法書士の役割
・他業種の現状
弁護士 専門化、コンサルティング、紛争防止
行政書士 協業
ロングテール理論?
・インターネット・コマースからの教訓
・「馬の法律」論から考える
社会が変わるから司法書士が変わるのか、司法書士が変わって社会を変えるのか
・司法書士に期待される今後の役割
創造性
開業している地域による。
以上