「空き家所有者不明土地問題関連研修会」

講 師:上原浩一空き家所有者不明土地対策特別委員、渡口慎也委員

訴訟で解決を図る場合

・不動産登記法 74条 1項 2号

所有権を有することが確定判決によつて確認された者

・土地 (墓地)所有権確認の訴え

戦争前より所有権を有していた。

戦前の資料がない。

立証は、不可能に近い。

・民法 162条 1項の取得時効の主張

占有の開始時と今現在の占有の証明

1.終戦直後の土地所有権認定作業について

・1945年に発布した「ニミッツ布告」。

・1946年「土地所有権関係資料蒐集」を発布 (米 国海軍軍政本部指令第121号)

・各市町村の各宇に字土地所有権委員会が設置

・各市町村土地所有権委員会を設置

・沖縄諮詢会 (琉球政府の前身)に報告。

・1950年には「土地所有権確定証明中央委員会」が設置、30日間一般の縦覧に供し、異議のない土地つき、1951年 4月 1日 付で各市町村長よりー斉に土地所有権証明書を交付。

・市町村長は、土地所有権証明書を交付、通知用謄本 3通 を作成し、税務署、土地中央事務所、登記所に送付。

・沖縄に登記所がなかつたので、 1951年特別布告によつて同年 7月 1日から登記所が再開、沖縄の登記簿が回復。

・滅失登記簿の回復が、旧不動産登記法23条の規定違反。

・復帰特別措置法第 15条 2項により、法令の相当規定による登記簿とみなされ、復帰前登記簿と復帰後の登記簿の法的牽連は確保されており、現在の登記簿の法的有効性が確保。

第 15条 (登記簿及び登記簿に関する経過措置)

沖縄法令によりした登記は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

2 沖縄法令の規定による登記簿は、別段の定めある場合を除き、本土法令の相当規定による登記簿とみなす。

所有者不明土地

所有者不明土地とは、次のように解することができる。

・戦後の所有権認定作業の際に、私有地であるにもかかわらず申告がなかったために管理地となつた土地で、誰が所有者であるか分からない土地

・戦後の所有権認定作業における測量手続等の不備を補うためになされた地籍調査により新たに発生した私有地で、誰が所有者であるか分からない土地

所有者不明地が存在する理由

これらの所有者不明地が発生した事実上の原因。

・沖縄県外に居住していたため、所有権申請がなされなかった。

・支障を感じていないので所有権の申請がされなかつた。

・一家全減のため。

・戦争で両親が死亡したため、幼年者のみが生き残り。

・所有権証明書の交付は受けたが、登記所で登記手続きをしなかった。

・琉球政府が行つた土地調査の際に、登録地成とされた場合。

・無主の不動産であるため所有権申請が為されなかった場合。

・現地に居住していたが、戦争で土地の地形の変化等で事実上の自己の土地として確認できないため、所有権の申請がなされなかった場合。

所有者不明地の管理者

所有者不明地についての管理についての法的根拠

所有者不明地の管理者は、土地の存在する長 (特別布告第 36号第8条)

琉球政府と市町村とが管理 (布告第 16号第3条)

「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」)第 62条により、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県または当該所有者不明土地の所在する市町村が管理。

 この布告 16号第 3条により、所有者不明土地のうち、墓地・社寺用敷地・霊地・聖地については、その土地の存在する市町村が管理することになっている。それ以外は、沖縄県が管理することになっている。

民法上の不在者財産管理人

 管理権限としては、権限の定めなき管理人として民法 103条により、保存行為に限られることになり、管理義務としては、他人の財産を管理するのであるから、善管注意義務を負う。管理者である県及び市町村の所有権確認訴訟における当事者適格は、民法103条の保存行為 (財産の現状を維持する)であることから導かれる。

.管理解除

管理者 (行政)の立場から真実の所有者に返還する。管理を解除すること。管理解除が成立した場合には、表題部所有者表示更正登記をなし不動産登記法 74条 1項の手続きにより所有権保存登記を申請する。

図表等の出典

内閣府  沖縄県における所有者不明土地に起因する問題の解決に向けた調査

令和元年度報告書

平成30年度報告書(PDF形式:3,617KB)

https://www8.cao.go.jp/okinawa/9/kyougikai/humeitochi/humeitochi.html

 全国的には、相続未登記や通常と違う登記がされていて現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。沖縄県では、戦争の影響で戸籍、土地関係記録の焼失などにより、現在の所有者に連絡が出来ない(現在の所有者を特定出来ない)。戦後70年を超えて、全国と同じ不動産登記制度である限り、相続未登記の不動産も増える可能性がある。

・平成30年度

私は墓地と公共(地方公共団体)の項目が気になりました。

・令和元年度

A類型は管理の解除につながる可能性が高いと考えられるもの

B類型は現状において所有者不明土地を利用・占有している人、法人等が存在する 又は把握される。

C類型は、B類型の人、法人等が存在しないまたは把握が困難な土地(C類型は掲載されていません。)。諦める、後から手を付ける、立法に任せる、という意味でしょうか。

歴史

県管理地のみの数字なので、市町村、民間を合わせると増えます。

面積にすると1K㎡ない、というのは意外でした。もっと大きいのではないでしょうか。

登記簿(登記記録)が天災などで失くなった場合の処理方法。

墓地及埋葬取締規則(明治17年太政管布告25号)

私は初めてしりましたが、太政管は、「だじょうかん」と読むようです。

明治太政官制成立過程に関する研究 2田  村  安  興 

https://core.ac.uk/download/pdf/70356113.pdf

墓地及埋葬取締規則を廃止し、下の規則制定(上位規範の墓地埋葬法は墓地、埋葬等に関する法律。)。

寺院墓地の整理・再利用と墓地使用権

竹内 康博(愛媛大学法文学部)

http://religiouslaw.org/cgi/search/pdf/201002.pdf

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年7月13日厚生省令第24号)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei16/

不明地から管理者の名義へ

沖縄の復帰に伴う民事行政事務の取扱いについて

昭和47年5月15日民事甲第1783号那覇地方法務局長あて民事局長通達

不動産登記関係

9 市町村非細分土地登記簿及び所有者不明土地登記簿は、政令第15条第2項の適用を受けるものではないが当分の間各登記所において保存するものとする。なお、附属書類についても同様とする。

(沖縄登記関係法令集 平成4年12月 那覇地方法務局P193)

市町村非細分土地について

不明地には言及されていないが、出来ないとは決まっていない。

沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)

施行日: 令和二年十二月一日(平成三十年法律第九十五号による改正)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346AC0000000129

(所有者不明土地の管理)

第六十二条 沖縄法令の規定による所有者不明土地で、この法律の施行の際琉球政府又は沖縄の市町村が管理しているものは、当分の間、従前の例に準じ、沖縄県又は当該所有者不明土地の所在する市町村が管理するものとする。

以前

日司連公的個人認証有効性確認システムを使ってみました。

PDF文書に、Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用してマイナンバーカードで電子署名をしてみました。

2021年(令和03年)02月15日、日司連公的個人認証有効確認システムが構築されたようなので、試しに利用してみました。

下の事が出来るようです。

・司法書士が依頼者のマイナンバーカードの有効性を確認できる。

・登記申請の際の添付情報等に付された電子証明書が,依頼者のマイナンバーカードの電子証明書と一致しているか即時に司法書士が確認できる。

ログイン画面

https://www.nkys.nisshiren.jp/

まずは、個人会員ログインをしてみます。

・個人会員ログインをクリック

・ID・初期パスワード・メールアドレスを登録すると、次のメールが送られてきます。

・「こちらからアクセスしてください」をクリックして、パスワードを自身で再設定。

・「暗証番号を送信」をクリック。

・暗証番号を入力してログイン。

・マイナンバーカードの有効性確認と、情報に付された電子証明書が,マイナンバーカードの電子証明書と一致しているか確認出来る画面に切り替わりました。

一旦、日司連公的個人認証有効性確認システムの画面に戻って、スマートフォンからマイナンバーカードの電子証明書を読み取ります。

・QRコードを読み込みます。

・スマートフォンアプリケーションが表示されたので、マイナンバーカードの読み取りをします。

ここで私が何度も間違ったこと。マイナンバーカードをアプリケーションに認識させた後、署名用パスワードを入力するのですが、3回も4回も「PINコードが違います」のエラー表示が出てきます。ヘルプデスクに問い合わせました。

最初は、アプリケーションを再インストール(削除して,再度入れなおす)すると改善する可能性があります。とのメールが届きました。

 アプリケーションを再インストールしても、「PINコードが違います」のエラー表示が出てきます。そこでヘルプデスクさんが教えてくれたのが、総務省のページです。

「パスワード入力から読み取り完了までスマートフォンとマイナンバーカードをピッタリあて続けてください」。これをしていなかったのです。私は、スマートフォンがマイナンバーカードを認識した後、マイナンバーカードを外して署名用パスワードを入力していました。「ピッタリ」あて続けた結果、読み取りが完了しました。

マイナンバーカードの有効性を確認してみます。

次は、PDFファイルの文書に、マイナンバーカードを利用してPDF文書に、Acrobat DC / Acrobat Reader DCを利用してマイナンバーカードで電子署名をしてみます。

参考

PDF ファイルで電子署名を利用する方法

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cq07131410.html

・ファイル/その他の形式で保存/証明済み PDF を選択。

・ツール/証明書/電子署名 を選択。

・署名フィールドをクリック。

・署名に使用するデジタル ID の設定

・署名のプロパティを表示。

公的個人認証サービス  ポータルサイト

署名用認証局の運営に関する情報

https://www.jpki.go.jp/ca/ca_rules3.html

会報信託「信託経済カンファレンス」

 会報「信託」[1]の記事からです。翁百合「コロナ後の日本社会の課題―選択する未来2.0を踏まえて―」。

選択する未来 2.0中間報告 2020 年7月1日 内閣府

https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/chuukan.pdf

選択する未来2.0 翁座長報告資料

https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/purezen.pdf

内閣府アンケート調査結果

・家族の重要性を意識するようになった人たちが約半分を占めた。

・20歳代の東京23区に住んでいる人の35.4%の人々については、地方移住への関心が高まっている。

・テレワーク実施率約34%。

・60歳以上のビデオ通話の利用希望・・・約6割が今後も利用したい。

・日本の行政手続きのオンライン利用率7.3%・・・OECD諸国中30位。

提言

・無形資産への投資拡大が必要

・働き方

・経済

・地方活性化

 この記事でいう無形資産というのは、企業にとって、将来の利益を生む現在の労働力・資本・現在の利益のことのようです。

その他のデータ

・非正規雇用では、何年働いても年収300万円を超えるのは難しい。

・労働の質の上昇の要因が近年、非常に少なくなっている?

・女性の非正規雇用率が一番高いのが20代。

・生産性の高い中小企業が退出し、低い中小企業が残ってしまっている。?

提言

・知育アプリ等のコンテンツの充実

・STEM人材の女性比率を上げる。→STEAM人材?

・企業の付加価値生産性を上げていく。

・コーポレートガバナンス改革。

・AIアクティブ・プレイヤー?の割合を上げる。

・地方大学の活性化。

・都市と地方の2地域就労。

・シングルマザー等に対する所得再分配機能を提供。

STEM人材、STEM教育というのは、STEAM教育などと変化があるようです。AIアクティブプレイヤ―、というのは、「一部の業務をAIに置き換えている」または「一部の業務でAIのパイロット運用を行っている」のいずれかに該当し、かつ自社のAI導入を「概ね成功している」と評価した企業、のことで人ではないようです。

参考 総務省HP 

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd112220.html

信託の活用試案

・離職する従業員に、株式を割り当てる(委託者企業(または従業員)、受託者信託銀行、受益者離職従業員)。

・受託者が提供するセキュリティトークン?の基盤を利用して、非上場企業にも社外に出る旧従業員への受益権発行を可能にして、無形資産(将来の利益)の共有と雇用の分離を実現。

 この信託の形は、信託銀行が受託者であることが前提です。非上場企業といっても、ある程度の規模、歴史がある企業(中堅企業)を想定していると思います。私は、信託銀行に管理費用を年間1千万円支払うことが出来る企業だと思います。 中間報告を読んでみると、抽象的な表現が多いという印象を受けました。南場 智子 株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役会長、松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科教授などが委員を務めています。最終報告では、具体的な数字が出てくるのではないかと思います。

宮川努「生産性から見た日本経済」

・就業者1人当たりのGDPは、30年以上世界20位前後で推移している。

・建設業、製造業、情報通信業など垂直的な取引が多い産業は、大企業と中小企業で大きな格差がある。情報通信業については、失くすべき。

・複数生産性(財の入れ替え)・・・例:富士フィルム

・2019年のデジタル競争力は23位(世界経営開発研究所)。

・生産性向上と研究開発費、IT投資

・この記事での無形資産投資は、人材投資、組織改革。

・PCR検査数と生産性

 就業者1人当たりのGDPを計算して数字として把握しておくのは良いと思うのですが、何の基準になるのか、良く分かりませんでした。この記事の中で富士フィルムに関しては納得できましたが、他については視点が大き過ぎて、私の周りでご飯を配っている人の方が凄いんじゃないか、あの人の生産性はどのくらいで計算されるのか、10億円くらいはいくのではないか、と想像します。PCR検査数で生産性を計るのは、少し違うと感じます。保健師1人当たりのPCR検査数をどれだけ上げるか、という生産性の問題に置き換えて考えることができる、とありますが置き換えることは出来ないと考えます。保健所の他の業務、政策、感染状況、地理的要因、各都道府県での保健所と医療、行政との関係など、様々な要素がある中で生産性が用いられることは、あまり意味を持たないのではないかと考えます。

 信託に関する記載を探すことは出来ませんでした。

平田卓也「中小企業の事業承継を巡る状況について」

・承継準備

・親族内承継と親族外承継

・承継後の後押し(事業承継補助金・事業承継税制)

・事業承継ネットワーク(事業引継ぎ支援センターなど、売上高で分けて小規模企業)。民間M&A業者との連携構築。

・事業承継税制の要件緩和・・・法人版については、緩和前の10年間の適用件数に対して、緩和後3年間で3倍の申請件数。

・中小企業M&Aガイドライン 2020/3/31

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200331001/20200331001.html

・中小企業経営力強化支援ファンド

・承継実証トライアル事業

 事業承継の話は、私が司法書士になった2007年からずっと聞かされてきました。中小の企業にとっては、事情が千差万別なのでそれぞれの経営者の考え方で良いのかなと思います。事業を誰にも引き継がず廃業を選択する方もいますが、話を聞いているとなるほど、と思うことが多いです。法人版事業承継税制は、適用件数と申請件数なので一概に比較は出来ないけれど、結果が出ている、といえると思います。税制ありきではないですが、承継直後は大変なことも多そうなので、適切な補助は必要なのかなと感じます。特に町の風景の一部になっているような企業、銭湯のような許認可の問題がある企業は、事業が無くなる以上の損失があるのかなと考えます。

 中小企業庁からも信託の話は出てきませんでした。

児島哲郎「With/Afterコロナ時代の事業承継と信託」

・事業承継が進まない一番の原因は経営承継。

・財産の問題(主に自社株評価)

・コロナ後は事業承継についての関心が高くなった。する/しないを含めて。

・所属のみずほグループ全体で支援

・事業承継信託・・・株価が安くなったコロナ禍のうちに。指図権付。生前贈与タイプと遺言代用タイプがある。

・特別目的会社(SPC)と黄金株を利用した事業承継。

・M&A仲介と信託(株式を売却した代金について、一定金額を一定期間に分けて交付)を利用した事業承継。

 経営承継、コロナ禍、グループ全体で、の部分はそうなんだろうなと思います。自社株の評価額については、高いなーと思うことも多いです。信託銀行が受託者になる事業承継信託については、私には規模が大きくついていけません。

参考:みずほ信託銀行自社株承継サービス【遺言代用タイプ・生前贈与タイプ】

 設定時信託報酬…550,000円(税抜500,000円)~

 税務上のお取扱については、今後税制が変更された場合に取扱自体が変わる可能性があります。みずほ信託銀行はお客さまに対して税務上の取扱を保証するものではありません。税務上のお取扱については、事前に顧問税理士・所轄税務署等にご確認ください。

https://www.mizuho-tb.co.jp/souzoku/jigyoushoukei.html

 特別目的会社(SPC)と黄金株を利用した事業承継は、金融機関の協力なくして出来ないことなので、みずほグループとしての強みが活かされるのだろうと思います。

柳川範之、吉野直行「アフターコロナ時代に企業に求められるもの」

柳川範之

・デジタル化と生産性はリンク。

・社会コストをなるべくかけずに、産業転換(企業の入れ替わりを含む。)が必要。

・その役割としての信託・金融機関。

・子育てをしながら仕事ができる。?

・他の仕事も一緒にできる?

・事業承継の後継者も場所を問わない?

・働く場所を問わなくなったことはチャンス?あまり活躍場所のない都市部の大企業で働いている人材は圧倒的に多いので、地方の企業で活躍してもらう?

・金融機関による斡旋。

・経営は組織の改革。

・事業承継時のお金(業種転換、相続)について信託の利用が有効。

 難しかったです。デジタル化と生産性はある程度リンクしていると思います。効率化を除けば、まだ伸びる余地はあると思いますが、私にはその方法が未だ分かりません。社会コストをなるべくかけずに、産業転換(企業の入れ替わりを含む。)が必要で、その役割としての信託・金融機関があるというのは、ある程度納得感があります。

 子育てをしながら仕事ができる?。実際にやっているのかな、という感想を持ちました。出来るのですが、それが仕事に良い影響を与えるかは各家庭違うとおもいますし、私は負担が大きかったです。他の仕事も一緒にできる?。通勤時間に充てていた時間を、という意味だと思います。確かにそのような面もあると思いますが、業種は限られます。

 事業承継の後継者も場所を問わない?東京に居ても地方の企業経営が出来るか、といっても各企業によって違うと思いますし、地方の企業経営ってそんな感覚で出来るんだっけ?と感じます。働く場所を問わなくなったことはチャンス?あまり活躍場所のない都市部の大企業で働いている人材は圧倒的に多いので、地方の企業で活躍してもらう?本当にそうなんでしょうか。都市の大企業に勤めていると、地方の企業で活躍出来るのでしょうか。金融機関による斡旋は、あり得る、というかもうやっていると思います。

参考

金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート

令和2年 10 月 金融庁

https://www.fsa.go.jp/news/r2/ginkou/20201014-1/01.pdf

吉野直行

・米国(レバレッジ・バイアウト、プライベート・エクイティ・ファンド)との比較。M&Aとは違う。

・日本にも米国のように活発になるのが良い。

・中小企業の技能を伝えていくデジタル。

・デジタル教育。

・中小企業のお金に関して、信託銀行は応援できる(出資、融資)。

・人材の信託、商談会の信託(情報の信託)。

・土地の所有権と使用権を分離する信託→道路整備など。

 米国の事例は、東京のスタートアップと呼ばれるような企業(沖縄にもあります。)の一部が目指しているような形だと思います。第〇シードとかいうやつでしょうか。中小企業の技能を伝えていくデジタル、デジタル教育については、記載の通り大切だと思います。ここで記載されている中小企業に関しては、信託銀行が選ぶような中小企業、という意味だと思います。私が関わっている信託とは別のものだと考えています。人材の信託に関して興味はありませんが、商談会の信託については、どのような仕組みにするのか興味があり可能であればやってみたいと思います。所有権と使用(利用)権の分離は、信託の基本です。


[1] 2021年季刊第1号(一社)信託協会

隂山克典「司法書士実務における電子署名の留意点」

 月報司法書士[1]の記事からです。電子化の流れに付いていけるように、考えてみたいと思います。

電子署名の類型

当事者署名型電子署名

 「当事者署名型」がマイナンバーカードや電子ファイルを利用して署名するもの、ということは知っていましたが、何で当事者署名型、と呼ばれているのでしょうか。法令では、当事者署名型という用語を探すことは出来ませんでした。いつから使われるようになったのかも私には探すことが出来ませんでした。おそらく事業者署名型電子署名のサービスが登場するときに当事者署名型電子署名という用語が作られたのではないでしょうか。

下の法令を読むと、当事者署名型電子署名が原則だと考えられます。

・電子署名をする人(個人、法人の代表者)がいる。

・電子署名をした情報については、変更できないように設定され、それが確認出来るようになっていること。

電子署名及び認証業務に関する法律

(定義)

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

電子署名及び認証業務に関する法律施行規則

(利用者の真偽の確認の方法)

第五条 法第六条第一項第二号の主務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。

一 認証業務の利用の申込みをする者(以下「利用申込者」という。)に対し、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項に規定する住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本(現住所の記載がある証明書の提示又は提出を求める場合に限る。)若しくは領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。)の在留証明又はこれらに準ずるものとして主務大臣が告示で定める書類の提出を求め、かつ、次に掲げる方法のうちいずれか一以上のものにより、当該利用申込者の真偽の確認を行う方法。ただし、認証業務の利用の申込み又はハに規定する申込みの事実の有無を照会する文書の受取りを代理人が行うことを認めた認証業務を実施する場合においては、当該代理人に対し、その権限を証する利用申込者本人の署名及び押印(押印した印鑑に係る印鑑登録証明書が添付されている場合に限る。)がある委任状(利用申込者本人が国外に居住する場合においては、これに準ずるもの)の提出を求め、かつ、次に掲げる方法のうちいずれか一以上のものにより、当該代理人の真偽の確認を行うものとする。

参考

・本人確認の意味とリスクの高低による本人確認方法。身元確認と当人認証の違い。司法書士にとって、リスクが低いのは金融機関が設定した担保権の抹消登記申請の業務などでしょうか。一部業務を除くと、司法書士が行う業務は全てリスクが高いと考えられます。

オンラインサービスにおける身元確認手法の整理に関する検討報告書(概要版)

2020年4月17日

https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200417002/20200417002.html

事業者署名型電子署名

まずは、2020年に公表されたQ&Aです。

利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法2条1項に関するQ&A)

令和2年7月 17 日

総務省 法務省 経済産業省

https://www.meti.go.jp/covid-19/denshishomei_qa.html

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/denshishomei_qa.pdf

利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法3条に関するQ&A)

令和2年9月4日

総務省  法務省  経済産業省

https://www.meti.go.jp/covid-19/denshishomei3_qa.html

 私がよく聞くのは、クラウド型電子署名です。要件の一つとして、サービス提供事業者の意思が介在する余地がなく、利用者の意思のみに基づいて機械的に暗号化されたもの、があります。立会人として電子情報の存在を確認した、というのは意思の介在が観念できるか、という問いが立てられています。事業者は電子情報(と電子署名)の存在を確認しないと仕事が完成しないので、その過程を意思の介在と捉えられると、事業者署名型電子署名という業務は成立しないのかなと感じます。Q&Aにも、「電子文書について行われた当該措置が利用者の意思に基づいていることが明らかになる場合には、これらを全体として1つの措置と捉え直すことにより」と記載されており、利用者の意思のみにより事業者によって電子署名が行われれば、これらの過程を1つの措置として捉え直すとされています。

参考

オンラインによる本人確認

平成30年改正犯罪収益移転防止法施行規則(平成30年11月30日公布)に関する資料

https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/law_com_24.htm

電子署名の検証

司法書士が依頼者の電子署名の検証を行う場合・・・日司連公的個人認証有効性確認システム

https://www.nkys.nisshiren.jp/login/individual

本人性の確認・・・電子署名が付与されたとき、付与された情報を受け取ったときに検証。

・電子証明書の発行主体が正当な認証局

・有効期間が切れていない

・失効していない

署名値の検証

・「【氏名】によって押印されました」

・署名パネルの表示確認

電子署名の有効性検証の継続

 たとえば、電子署名が付与された情報を受け取って登記申請までに期間がある場合。

電子契約システム活用の際の留意点は、私が気付かないことばかりでした。

長期署名対応、認定タイムスタンプ局、アーカイブスタンプ、種類の違う電子署名付与の順序、国際規格への対応などです。


[1] 2021.2 №588 P38~

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案

 第204回通常国会に、2月9日、デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案が提出されました。

https://www.cas.go.jp/jp/houan/204.html?fbclid=IwAR22CqmxpBk4PLkN9hr19COy0OFUk5XixMc6nIUYy29PwWinCsFrbLGMhAc

 今回は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案について考えてみたいと思います。

概要

・個人情報の保護に関する法律を3法を1本の法律に統合し、地方公共団体を含めた全体の所管を、個人情報保護委員会に一元化。施行日:公布から1年以内→今年の国会で成立すれば、来年から実施。

・マイナンバーカードについて、郵便局での発行・更新、スマートフォンでの管理、引っ越しの際の転入届に活用。施行日:郵便局は成立日、その他は成立から2年以内に実施。

・押印・書面の交付等を求める手続を見直す(押印を廃止、または署名のみ、署名か電子証明書に変更)ための48法律の改正。施行日:令和3年9月1日(施行までに一定の準備期間が必要なものを除く。)→施行日しか記載していないということは、成立することが前提となっている?

 

・案文・理由から気になる項目を拾っていきます。

(民法の一部改正)

第一条民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

第四百八十六条の見出し中「交付請求」を「交付請求等」に改め、同条に次の一項を加える。

2弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。

第九百八十四条に後段として次のように加える。

この場合においては、第九百六十九条第四号又は第九百七十条第一項第四号の規定にかかわらず、遺言者及び証人は、第九百六十九条第四号又は第九百七十条第一項第四号の印を押すことを要しない。

 

 例えば、支払った人がパソコンやプリンタを持っていたら、領収書をデータ(必要によって電子署名を付けたもの)で送ってもよい、ということだと思われます。外国にいる日本人が領事館で公正証書遺言や秘密証書遺言を作成する場合は、押印が不要になる。領事が立ち会っていること、外国にいることで印鑑証明書などの準備が難しいので、署名のみで足りる、という判断だと考えられます。

(戸籍法の一部改正)

第七条戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。

第二十九条中「左の」を「次の」に、「署名し、印をおさなければ」を「署名しなければ」に改める。

第三十三条中「署名し、印をおさなければ」を「署名しなければ」に改める。

第三十七条第二項中「且つ」を「かつ」に、「署名させ、印をおさせなければ」を「署名させなければ」に改め、同条第三項ただし書中「但し」を「ただし」に、「乃至第七十二条」を「から第七十二条まで」に改める。

第三十八条第一項中「添附しなければ」を「添付しなければ」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「附記させて、署名させ、印をおさせる」を「付記させて、署名させる」に改め、同条第二項中「添附しなければ」を「添付しなければ」に改める。

第五十五条第一項中「署名し、印をおさなければ」を「署名しなければ」に改め、同条第二項及び第三項中「著いた」を「到着した」に改める。

 戸籍請求などについての押印廃止です。ただ、以前から押印がなくても発行されていたので、法令の整備に留まるという印象です。

(宅地建物取引業法の一部改正)

第十七条宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の一部を次のように改正する。

第三十四条の二に次の二項を加える。

11宅地建物取引業者は、第一項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情

報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)であつて同項の規定による記名押印に代わる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面に記名押印し、これを交付したものとみなす。

 

12宅地建物取引業者は、第六項の規定による書面の引渡しに代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、当該書面において証されるべき事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面を引き渡したものとみなす。

 宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約書について、依頼者(買主、売主、貸主、借主など)の承諾を得た場合は、書面ではなく契約データに電子署名を付けて渡すことが出来る。

 宅地建物取引業者は、依頼者(買主、売主、貸主、借主など)の承諾を得た場合は、宅地建物取引士の登録を証する書面の代わりにデータを渡すことが出来る。その他の自らが売主、買主となる契約などについて同じ。

(住民基本台帳法の一部改正)

第二十七条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

第二十四条の二第五項中「前二項」を「第三項の規定による通知は、総務省令で定めるところにより、第一項又は第二項の規定による転出届を受けた市町村長の使用に係る電子計算機から電気通信回線を通じて相手方である転入予定地市町村長の使用に係る電子計算機に送信することによつて、前二項」に、「行う」を「、それぞれ行う」に改め、同項を同条第七項とし、同条第四項中「政令で定める」を「第三項に規定する」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「最初の転入届又は最初の世帯員に関する転入届」を「最初の転入届等」に、「は、その旨を当該最初の転入届に係る転出届又は当該最初の世帯員に関する転入届」を「が第三項の規定による通知を受けていない場合又は同項の規定により通知された事項を前項の規定により消去している場合には、当該転入地市町村長は、最初の転入届等を受けた旨を当該最初の転入届等」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。

3 前二項の規定による転出届を受けた市町村長は、政令で定める事項を前条の規定により届け出られた転出先に係る市町村の長(以下この条において「転入予定地市町村長」という。)に通知しなければならない。

4 転入予定地市町村長は、第一項又は第二項の規定による転出届をした者が当該転入予定地市町村長に最初の転入届又は最初の世帯員に関する転入届(次項において「最初の転入届等」という。)をすることなく、前項の規定による通知があつた日から政令で定める期間が経過したときは、同項の規定により通知された事項を消去しなければならない。

 マイナンバーカードを持っている人(世帯主など)が市区町村役場に転出届を提出した場合、引っ越し先の住所の市区町村役場に対して、通知する。転入届時に、住所氏名や世帯員など、記入する項目が少なくなる、ということだと思われます。

(借地借家法の一部改正)

第三十五条借地借家法(平成三年法律第九十号)の一部を次のように改正する。

第二十二条に次の一項を加える。

2前項前段の特約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十八条第二項及び第三十九条第三項において同じ。)によってされたときは、その特約は、書面によってされたものとみなして、前項後段の規定を適用する。

第三十八条中第七項を第九項とし、第四項から第六項までを二項ずつ繰り下げ、同条第三項中「前項を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。

4 建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。

この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。

第三十八条第一項の次に次の一項を加える。

2前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。

第三十九条に次の一項を加える。

3第一項の特約がその内容及び前項に規定する事由を記録した電磁的記録によってされたときは、その特約は、同項の書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。

 定期借地契約、定期建物賃貸借契約を締結する際の事前書面、取壊し予定の建物の賃貸借契約について、書面ではなくデータによって契約を締結することが出来る。

押印・書面の見直しに係る法改正事項について

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/seicho/20210212/210212seicho06.pdf

横山亘「照会事例から見る信託の登記実務(8)」

登記情報[1]の記事からです。

現在の登記実務では、信託行為中に受託者の権限として明確に定められる必要があると考えるのが一般的です。信託条項に反する登記の申請は、受理されない(昭和43年4月12日民事甲第664号民事局長回答)とする先例があるように、登記官としては、かかる登記が信託目的等に違反するものではないことを審査した上で後続の登記の申請の受否を決することになります。

 「現在の登記実務では、信託行為中に受託者の権限として明確に定められる必要があると考えるのが一般的です。」という部分に関して、文言をそのまま受け取ると、信託条項中のその他の事項、信託財産の管理方法に登記の目的を全て(信託時の所有権移転及び信託などを除きます。)記録申請し、登記の原因及び日付となり得る事実に関しては、法令上の任意規定を全て記録申請しなければならない、となってしまうように考えられます。また、先例の考え方を採ると信託条項に反する登記申請が受理されないのであれば、信託条項には保存・管理・処分と記録申請し、その他に何も記録申請しない方が良い、とも考えることができます。前半の文と後半の先例がどのように繋がっているのか、私には分かりませんでした。

問2 信託契約書に信託の終了事由として「1、信託目的に反しないことが明らかである場合で、受託者及び受益者が合意したとき」と記載されているにもかかわらず、信託目録には、「1、受託者及び受益者が合意したとき」と記録され、「信託目的に反しないことが明らかである場合で、」の文言が胃婁している場合に、これを更生することは認められると考えますがいかがでしょうか(照会者B)―中略―登記の更生が認められれるものと考えられます。―中略―登記申請人である受託者の作成に係る報告的な登記原因証明情報で十分と考えます。

 1つ、登記の更生が認められる、という明確な考え方を示していただいているので、実務を行う側からするとやりやすくなります。ただ、報告的な登記原因証明情報で足りるのか、私には分かりませんでした。

問3信託目録に記録すべき「その他の信託の条項」(不動産登記法97条1項11号)は、契約書等に記載された文言をそのまま記録しなければならないのでしょうか。(照会者C)―略―照会者の具体的な照会内容は明らかではありませんが、契約書等の条項の趣旨を逸脱しない範囲でのアレンジは、当然に必要とされるものと考えます。近時、信託契約の内容を延々と信託目録に転記する傾向にありますが、その要因として、信託目録に記録すべき情報が体系的に整理されておらず、公示のルールが存在していないことが考えられます。

 「契約書等の条項の趣旨を逸脱しない範囲」と書いてしまうと、その基準を作る必要が出てきてしまうのかなと感じ、かえって煩雑になってしまわないか気になります。

信託契約書を法令文のように記載しておけば、信託目録に記録申請するときにも、契約書そのままの文言を利用することが出来ます。「信託目録に記録すべき情報が体系的に整理されておらず、公示のルールが存在していないことが考えられます。」については、同意です。不動産登記法、規則、準則などで定めだ法が良いのではないかと思います。


[1] 711号 2021.2きんざいP14~

民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案

     令和3年(2021年)2月2日、民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案が発出されました。おそらくこの後、要綱案に関する補足説明が発出されるのではないかと思います。要綱案を基に考えてみます。

 

・民法等の見直し

相隣関係

209条 隣の土地を使用する目的が具体的になっています。

233条 根に関する記載が削除されるようです。竹林と土地の所有者が違う場合、竹林が共有である場合の対処方法が明確に定められることになりそうです。

継続的給付を受けるための設備設置権及び設備使用権の創設・・・水道管などライフラインが他の土地を通って設置されている場合は、修繕・新たに設置することが出来ることが、民法上の権利となります。

共有等

共有物に関して、使用している人としていない人との対価に関する定めと使用していない人も含めた共有者の使用に対する善管注意義務の創設。(民法249条)

共有物の変更・管理についての裁判の創設(連絡が取れない人がいる場合)。(民法251条)

民法252条 共有者のうち、連絡が取れない人がいる場合は、その人を外して共有物の管理を行うことが出きることの明記。共有者が短期賃貸借契約を締結することが出来ることを明記(民法602条)。共有物を管理する者(共有物の管理者)の規定の設定。

変更・管理の決定の裁判の手続の進め方(申立て・公告後1カ月の経過・裁判所による裁判。)。

民法258条 現物分割、全面的価格賠償(最判平成8年10月31日)の明記。相続開始の時から10年を経過したときは、相続人の異議がない限り、相続財産に属する共有物の持分について、民法258条の規律による分割請求をすることができる。

所在等不明共有者の持分の取得

要件

  • 共有者の中に所在不明の者がいる。
  • 裁判所へ持分所得の請求を求めて、裁判を行う。
  • 所在不明の者から異議が出ない。
  • 不動産に関する権利のうち、準共有(民法264条)についても準用する。

手続

1 共有者からの裁判の申立て

2 裁判所による公告(一定の期間(3か月以内)に異議を申し立てることが出来ること)

3 裁判所が所在が判明している共有者に対して、公告したことを通知。

4 申立人は、裁判所が定めた金額を供託。

所在等不明共有者の持分の譲渡

要件

・所在等不明共有者以外の共有者が、特定の者に対して持分を譲渡したときに、所在等不明共有者の共有持分を特定の者に対して譲渡する権利を与えることを内容とする(共有状態の解消)。

手続

・裁判所から、所在等不明共有者の共有持分を特定の者に対して譲渡する権利を与える裁判を得てから、原則として2か月以内に実行する必要がある。

所有者不明土地管理命令「等」・・・所有者不明建物管理命令を含む。(非訟事件)

裁判所は、利害関係人の請求により、1か月の公告経過後に所有者不明土地管理人を選任し、管理を命ずる処分(所有者不明土地管理命令)を行うことが出来る。命令の効力は、所有者不明土地の上にある動産(固定されていない倉庫など)に及ぶ。

所有者不明土地管理命令は、何度でも発令することが出来る。

所有者不明土地管理人の権限・・・管理、処分(売却など)。

所有者不明土地管理命令の登記の嘱託と、所有者不明土地管理命令の登記の抹消の嘱託・・・登記原因は?登記権利者、登記義務者?申請人?添付情報は?

所有者不明土地等に関する訴えについては、所有者不明土地管理人が原告又は被告。弁護士を想定?

所有者不明土地管理人の義務

・善管注意義務・忠実義務・公平義務。

・解任・・・利害関係人の請求により、裁判所が判断

・辞任・・・裁判所の許可を得ることが条件

・所有者不明土地管理人の報酬・業務上の費用・・・裁判所が定める。

・所有者不明土地から収益が出た場合(貸土地などの賃料)、供託可能で供託した場合は公告義務。

所有者不明土地管理命令の取消し事由

・管理すべき財産がなくなったとき(売却して、代金は全額供託したなど)。

・財産の管理を継続することが相当でなくなったとき・・・想像できません。

・所在不明だった所有者が、裁判所で自己に帰属することを証明したとき。

所有者不明建物管理命令

・所有者不明土地管理命令とほぼ同じ規律。マンション(建物の区分所有等に関する法律)は対象外。

管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令

・管理不全・・・所有者による土地・建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合。

・所有者は、裁判所の命令によって管理人が管理することに同意するのでしょうか?

・管理不全土地管理命令の対象とされた土地・建物について、保存行為・管理行為を超える処分を行うには、その所有者の同意がなければならない。

その他は所有者不明土地・建物管理命令とほぼ同じ。

相続等

民法918条2項、3項、926条、940条1項、2項。

・家庭裁判所が、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができない場合(原則として可能。相続財産の清算人)・・・相続人が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき又は民法第952条第1項の規定により相続財産の清算人が選任されているとき。

・不在者財産管理人(民法27条から29条まで)、限定承認をした人、相続放棄をした人についても同じ規律に揃える。

・相続放棄をした人が相続財産を占有している場合、管理する期間・・・相続人か相続財産の清算人に対して財産を引き渡すまでの間。

・不在者財産管理人、相続財産の清算人(管理する財産が全て金銭のとき)について、管理すべき財産の全部を供託・公告したときを取消し(退任)事由とする。

・相続財産の管理人から相続財産の清算人への名称変更(民法936条1項、民法952条)。

民法第952条第2項、957条。

・家庭裁判所は、相続財産の清算人が選任されてから、6カ月以内の公告。家庭裁判所の公告があった場合は、相続財産管理人も全ての相続財産債権者と受遺者に公告する義務。

民法第903条から第904条の2(特別受益、寄与分)

・原則・・・相続開始の時から10年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。

例外・・・相続開始の時から10年を経過する前(6か月の個別猶予有り)に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。

・遺産の分割の調停又は審判の申立て・申立ての取下げの要件・・・相続開始の時から10年を経過した後にあっては、相手方の同意を得ることが必要。

遺産の分割の禁止(民法907条など)

・共同相続人は、5年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割をしない旨の契約をすることができる(相続開始の時から10年以内。)。更新の契約も同じ。

・民法第907条第2項家庭裁判所による遺産分割の禁止(相続開始の時から10年以内)。更新も同じ。

不動産登記法等の見直し

所有権の登記名義人に係る相続の発生を不動産登記に反映させるための仕組み

・不動産の「所有権」の登記名義人が「死亡」(自然人)し、相続等による所有権の移転が生じた場合における公法上の「登記申請」義務・・・自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内。相続人に対する特定遺贈・包括遺贈についても同じ。

「登記申請」・・・法定相続分、相続人申告登記(仮称)の申出も登記申請に含まれる。

・相続登記等の申請義務違反の効果・・・10万円以下の過料。

・相続人申告登記(仮称)・・・登記官にたいして、相続開始の事実と自らが相続人であることを申し出ること。添付情報は戸(除)籍謄本等。遺産の分割の日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請する義務。→この仕組みが機能すると、所有権については、相続開始後13年以内に相続登記が行われる。

登記官は職権で付記登記を行う。登記の目的、登記原因は?

・遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記手続(不動産登記法60条)・・・登記権利者が単独で申請。

・法定相続分での相続登記がされた場合における登記手続(不動産登記法60条)・・・登記権利者が単独で申請(他の相続人の相続の放棄、特定財産承継遺言、相続人が受遺者である遺贈など。)。

・権利能力を有しない所有権の登記名義人についての符号の表示・・・登記官は職権で符号を表示することができる。どんな符号?

所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所の情報の更新を図るための仕組み

・変更があった日から2年以内の登記申請義務。5万円以下の過料。

・登記官は、職権(自然人は申出があったとき)で氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。法人は職権。

登記所が他の公的機関から所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するための仕組み

・所有権の登記名義人が登記官に、検索用情報を提供。住民票?

・登記官は、住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会を行うなどして自然人である登記名義人の死亡の事実や氏名又は名称及び住所の変更の事実を把握。

登記義務者の所在が知れない場合等における登記手続の簡略化

・不動産登記法70条の条件追加

法務省令で定める方法により調査を行った場合

買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したとき・・・登記権利者は、単独申請。

解散した法人の担保権に関する登記の単独抹消手続

1法務省令で定める方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しない。

2被担保債権の弁済期から30年を経過

3法人の解散の日から30年を経過

その他の見直し事項

・所有権について、会社法人等番号が登記事項。

・所有権について、登記名義人の住所が日本でないときは、日本における連絡先と人の氏名住所その他の法務省令で定めるものが登記事項。

・外国に住所を有する自然人、法人についての住所証明情報

外国政府等の発行した住所証明情報か、住所を証明する公証人の作成に係る書面(外国政府等の発行した本人確認書類の写しが添付されたものに限る。)の2つに限定する。

所有不動産記録証明制度

・誰でも(自然人、法人問わず)登記官に対して、所有権(と法務省令で定めるもの)に関して名寄せの証明書請求が出来る。相続人は、被相続人に関する名寄せが出来る。

・所有不動産記録証明書の請求・取得は、「代理人」による交付請求も許容。

被害者保護のための住所情報の公開の見直し

不動産登記法第119条・・・登記官は、申出があったときは、法務省令で定める措置をする。

参考

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/dv_shien.html

土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度の創設

共有の場合・・・共有者の全員行うときに限定

法務大臣が国庫帰属を承認する場合

  • 建物がない。
  • 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されていない。
  • 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれていない。
  • 土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限る。)により汚染されていない

⑤ 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがない土地

⑥ 崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要しないもの

⑦ 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存しない。

⑧ 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存しない土地

⑨ 隣接する土地の所有者その他の者との争訟がない。

⑩ ①から⑨までに掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をすることができる。

・承認は、土地の一筆ごと。

・承認申請者は、承認があったときは、国有地の種目ごとにその管理に要する「10年分の標準的な費用の額を納付」。

登記の目的、登記原因は?

参考

法務省 法制審議会―民法不動産登記法部会

「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」

https://www.okinawa-shiho-shoshi.net/wp-content/uploads/9d75ff4ad984aa158df82f0d97986134.pdf

・商業登記規則等の一部を改正する省令(法務省令第2号)

概要

対象

・株式会社、特例有限会社、合同会社、合資会社、合名会社、各種法人、投資事業有限責任事業責任組合、有限責任事業組合、限定責任信託

書面・オンラインで申請する場合、押印・電子署名が不要に変更されたもの

・主要な株主の氏名、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)

・資本金の額の計上に関する証明書

・還付請求を行う書類(株主総会議事録、取締役会議事録、社員総会議事録など)

・取締役等の就任承諾書について、運転免許証の両面コピーに,本人が「原本と相違がない。」と記載し、記名して添付する場合

・株主総会議事録、取締役会議事録、社員総会議事録、理事会議事録などが複数毎の場合、契印不要(商業登記規則35条2項、3項)。

 

目的別に使用することが出来る電子証明書の種類

(1) 商業・法人登記の申請をオンラインで行う場合に使用することができる電子証明書

(2) 印鑑証明書の請求をオンラインで行う場合に使用することができる電子証明書

(3) 商業・法人登記の申請書の添付書面を電磁的記録(CD-R等)に記録して提出する場合に使用することができる電子証明書

法務省HP

時系列

会社法改正 2019年12月4日成立、2019年12月11日公布、2021年3月1日施行(一部を除く)

会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和元年法律第71号)附則第2号に掲げる規定 2021年2月15日施行

内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2020(2020年7月17日 閣議決定)

内閣府 規制改革実施計画(2020年7月17日 閣議決定)

 

改正内容

全般・・・成年後見人と保佐人が、会社の役員に就任することが出来ることによる改正。

商業登記規則9条

被証明事項・・・法人の印鑑を法務局に提出する場合に、証明を求められる事実。法務局に印鑑を提出していない法人がいることを前提とした用語の整理。

法人の印鑑証明書を取得する際に、会社法人番号を記載している場合は、登記事項証明書(3か月以内)などを添付する必要はない。

商業登記規則33条の6

法人の電子証明書を法務局に請求する場合には、申請する人か代理人が記名する(押印の記載削除)。別途、電子署名を行った証明書発行申請ファイルの提出は必要。

商業登記規則33条の10

電子証明書の使用を廃止する手続きも商業登記規則33条の6と同じ。

商業登記規則36条5項

法務省が有効と認める電子証明書について、告示の対象ではなくなったので、法律、命令、規則、準則などでは出てこない。通達、法務省ホームページなどでの案内となる。

商業登記規則36条の2

登記申請書に後見人・管財人の登記事項証明書を添付する場合には、登記申請書に会社法人番号を記載している場合は、3か月以内という有効期限を廃止。

商業登記規則48条

縦書き以外は、アラビア数字を利用しなければならない。

商業登記規則101条

登記の申請などと同時に行う、印鑑の提出又は廃止の届出や電子証明書による証明の請求は、インターネットを利用して行うことが出来る。

商業登記規則103条

法人の設立登記申請時に添付する取締役等の就任承諾書に、電子署名を行い電子証明書を提供したときは、市区町村に登録している印鑑の押印と市区町村が発行する印鑑証明書の添付は不要。

 

・情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の改正 

オンライン印鑑提出等・・・登記の申請などと同時に行う、インターネットを利用して行う印鑑の提出又は廃止。

電子証明書オンライン請求・・・登記の申請などと同時に行う、インターネットを利用して届け出る電子署名の電子証明書による証明の請求。

印鑑提出等情報・・・電子署名の提出が「等」に含まれる。

印鑑提出等添付書面情報・・・法務局に電子署名を届け出る際の添付情報に、電子署名を行った情報。

電子証明書申請書情報・・・法務局に電子証明書を請求する際の申請情報に、電子署名を行った情報。

・押印必要

定款

取締役会議事録・取締役の一致が会ったことを証する書面(互選書)

不正登記防止申出書及び取下げ書

登記された事項につき無効の原因があることを証する書面

紙で申請を行う場合の申請書が、複数枚の場合の契印(商業登記規則35条2項、3項)

 

・押印の有無を審査しない

主要な株主の氏名、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)

資本金の額の計上に関する証明書

還付請求を行う書類(株主総会議事録、取締役会議事録など)

取締役等の就任承諾書に、運転免許証の両面コピーに,本人が「原本と相違がない。」と記載し、記名して添付する場合

・契印不要

株主総会議事録、取締役会議事録などが複数毎の場合(商業登記規則35条2項、3項)

/・印鑑(改印)届書【オンライン専用様式】

 

 

参考

内閣府HP 経済財政運営と改革の基本方針2020(令和2年7月17日 閣議決定)

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/decision0717.html

内閣府HP令和2年:「規制改革実施計画」(令和2年7月17日 閣議決定)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html

法務省民商第10号 令和3年1月29日

商業登記等事務取扱手続準則の一部改正について(通達)2021年2月15日施行

法務省民商第10号 令和3年1月29日

会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律のの施行に伴う商業・法人事務の取扱いについて(通達)2021年2月15日施行

法務省民商第11号 令和3年1月29日

商業登記における印鑑関係事務取扱要領の制定について(通達)2021年2月15日施行

法務省民商第12号 令和3年1月29日

商業登記オンライン申請等事務取扱規定の一部改正について(通達)2021年2月15日施行

法務省民商第13号 令和3年1月29日

商業登記の一部を改正する法律等の施行に伴う電子認証事務の取扱いについて(平成12年9月29日付け法務省民四第2274号民事局長通達)」の一部改正について(通達)2021年2月15日施行

法務省民商第15号 令和3年1月29日

「法務局及び地方法務局における商業・法人登記事務の集中化の実施後の商業・法人登記事務に関する取扱要領」の一部改正について(通達)2021年2月15日施行

総務省 電子署名・電子スタンプ/グレーゾーン解消制度 令和3年2月5日回答

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/ninshou-law/law-index.html

内閣府番号制度担当室 法人設立ワンストップサービス

https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/

家族信託の相談会その31

2021年2月26日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え

1組様 5000円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

渋谷陽一郎「民事信託支援業務のための執務支援案100条(5)」

 

市民と法[1]の記事からです。

【表】の信託組成相談の業務の法的性格の中に「誰でもできる相談」という項目が加わっているのが印象に残りました。金融機関の職員などを指しているのでしょうか。

信託契約書を作成する段階、不動産、商業・法人登記申請を代理する段階で個別に委任契約を締結する、というのは司法書士法3条に照らして妥当だと考えます。包括受任を行うこと自体が双方代理→利益相反と事実認定されてしまいかねないのは業務を行う上で、1つのリスクとして覚えておく必要があると感じました。

最も注意すべきことは、民事信託支援業務において、信託組成支援に関する部分は、その対象財産たる不動産の価額からして(簡裁訴訟代理の範囲を超えて)、法律整序事務であることである。

 私がこれまで取り扱ってきた民事信託業務においても、不動産、自社株式、お金、借地権など140万円未満という事例はありません。民事信託業務の性格からしても法律整序事務を超えることは難しいのかなと感じます。極端に考えると、司法書士が不動産仲介業を行っても良いのか、という問いに置き換えることも出来ると思います。

最近では、一部の士業者の説得によって、依頼者が、信託の枠だけをつくっておくような信託組成が、信託銀行の担当者から警告されている。

 資産を分散させるために、とりあえず管理会社を作っておく、というような発想に近いのかなと感じました。ただ、それが絶対に駄目なのかというと、現在のところ私には分かりません。とりあえずお墓を買っておく、とりあえず保険に入っておく、ということは普段聞く話です。また信託銀行の富裕層と呼ばれている方に対する営業で、そのようなお話を聞くこともあります。

 他に懸念するのは、依頼者からの申立てを除いて司法書士会からの懲戒処分があるとすれば、司法書士関連団体の役員や日本司法書士会連合会の委員・役員ではなく、少数派の、言う事を聞かない自分の頭で考えて行動する司法書士じゃないかということです。

 私に届く(一社)民事信託推進センターからの通知や対応、岡根昇法書士などからの陰湿な攻撃で既に表面化しています。まだ懲戒事例が蓄積されていないので、切っても影響が少ない司法書士や司法書士法人は、処分しやすいのかもしれません。司法書士会、日司連に完全な自浄作用はもとから希望していませんが、街の、市民の法律家を名乗るのであれば法令に基づいて処分して欲しいところです。

 説得、セールス、過剰宣伝、他人の法律関係への介入。この線引きが私にはなかなか難しいです。私はホームページで情報発信をしていますが、ホームページの記事で既に説得、セールスしているんじゃないか、と言われれば、違います、とはいえません。「信託は、法律家であれば誰でもできるものではありません。」、「これまで100件以上実行しています。」「民事信託の担い手である専門家は、日々の業務の合間に、手探りで民事信託を勉強せざるを得ない方が多いのが実情です。」などは使わないようにしていますが、注意するのはそれぐらいです。

 司法書士の家族信託コンサルティングの過剰報酬額についての指摘には、適切な計算方法が明示されてこそだと思います。これからはホームページで明示していく士業も増えていくと思いますし、見積書を他の士業にみてもらう依頼者も増えていくのではないかと思います。

 私はどちらかというと、司法書士が司法書士に対する家族信託支援を行う際の報酬を受け取る根拠や理論構成について興味があります。法律相談・法律事務以外で構成出来ないと思います。出来るのであれば教えて下さい。ただ、以前から家族信託だけではなく、司法書士から司法書士に対する集客、業務、経営コンサルティングはあって、学校や研究会・法人という形で月3000円から4万円の会費を徴収してそれなりに成り立っている様子をみると、そういう時代なんだろうなと諦めます。

 

 

 

[1] 127号2021年2月P31~民事法研究会