渋谷陽一郎先生の著書[1]が発刊されました。第2版ということで、初版との違いを私が気づいた範囲で書いてみたいと思います(新しい判例や通達、実務、学説、注釈文献の増加は触れません。)。
・田中和明氏(法制審議会信託法部会臨時委員)、遠藤英嗣弁護士の寄稿があること。
・各種条項例の削除(書式は有り)。
・民事信託・家族信託・個人信託の用語の使い分けの整理。
・【図28】民事信託の独断論の立場からの営業信託批判。
・【図69】特別の事務の削除。
・責任財産限定特約の記載場所の変更。
・守秘義務、合意管轄の削除。
・【図73】緊急対応、【図79】信託不動産の修繕の報告・承諾・指図―第4章 受益者の指図権行使に関する実務より―
・災害の具体名(P190,P241)
・【図86、図87】信託の終了についての図
・清算事務の一部の代行受任
・信託法164条2項について
・民事信託のベストプラクティス⑮から標準化の語が消える。
・P277の「信託口」口座の開設・維持についての具体的な記述。
・【書式46】「信託口」口座開設のための確認票(資格者専門職用)の変更
・第8章 司法書士による民事信託支援業務の法的根拠論と手続準則の追加。
→最初にここを読もうと思います。
・全体的に感じたこと
「~すべきである。」「~されよう。」から「~としたい。」「~となる。」「とされる。」へ。
信託の終了に関する文章の増加。
何となく民事信託の利害関係者の合意に関する記述が多くなったような気がします。
文章・書式例のメリハリ 短くなっているところもあれば、確認の事項を付け足しているところもある(署名押印をもって確認した、としていない)。
[1] 令和2年8月 民事法研究会