令和4年度業務研修会「デジタル遺産と関連法律実務」

日本司法書士会連合会司法書士中央研修所

北川綜合法律事務所北川祥一(きたがわ しょういち)弁護士

第1講 デジタル遺産総論/前提となる社会状況

第2講 関連実務対応

第3講 想定紛争事例

第4講 規約の効力/今後の展望

1 デジタル遺産とは?

現状におけける、デジタル遺産の定義

『故人のデジタルデータ』

〇オフラインのデジタルデータ

〇オンラインのデジタルデータ

 デジタルとは、計算機、計算機で処理する情報、遺産は、民法896条などに規定されている被相続人の財産に属した一切の権利義務ことを指しているものと思われます。遺品とすると有体物を想起される可能性。

• パソコン、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ等々あらゆるデジタル機器内のデジタルデータ

〇オフラインのデジタルデータ

• 暗号資産(仮想通貨)、NFT、SNSアカウント、動画サイトアカウント、Eメールアカウント、WEBサイト及びそれらアカウントに蓄積されたデータ等

日本銀行 電子マネーとは何ですか?

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/c26.htm/

 電子マネー等は、現在の相続実務で対応可能であることが多い。航空社のマイル、事業者のポイントなどは、民法上の債権として、現在の相続実務で対応可能であると考えられる。

〇オンラインのデジタルデータ

広義のデジタル遺産

 動画サイト、SNS、WEBサイト、オンラインオフライン、デジタル機器(有体物)、暗号資産、メール、NFT、クラウドストレージ、デジタル機器内のデータなど。

狭義のデジタル遺産

アフィリエイト

デジタルデータの法的権利

暗号資産の統一的な見解は現状、ない。債権か。物権又はこれに準ずるもの、財産権、事実状態。

財産的価値の高い可能性があるデジタルデータ

暗号資産(仮想通貨)、NFT(Non-Fungible Token)、動画投稿サイト、SNS等のアカウント及び関連データ、WEBサイト及び関連データ

 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの。

 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの。

(資金決済に関する法律第2条5項)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=421AC0000000059

(定義)

第二条5 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する電子記録移転権利を表示するものを除く。

一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

暗号資産の保有方法は、相続財産としての探知に関わる

多くは暗号資産交換業者(マイニング業者)を通じた保有

マイニング、ウォレット間の送金

分散型台帳技術を用いた金融取引に関する調査研究

ブロックチェーンを用いた金融取引における技術リスクに関する調査研究報告 書2018年 3月

金融庁  株式会社電通国際情報サービス

金融庁(5)  暗号資産に関する相談事例等及びアドバイス等

https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/advice05.html

国税庁 別添3 残高証明書等を活用した仮想通貨残高に係る相続税申告手続の簡便化(イメージ)

https://nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/faq/index.htm

秘密鍵の保管

Hot(オフライン)ウォレット、ウェブウォレット、モバイルウォレット、デスクトップウォレット、Cold(オフライン)ウォレット、ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット(紙、QRコード)

暗号資産の公開鍵方式

アドレスAさんの秘密鍵の送金情報に署名し、アドレスBさんに送金。

LINEウォレットの管理体制

https://terms2.line.me/linexenesis_walletmanagement

金融庁 暗号資産に関する制度について

https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html

NFT

デジタルアート、トレーディングカード、ゲームアイテム

NFT(ノンファンジブルトークン)の譲渡による所得は譲渡所得か?もしそうであれば非課税所得か?―NFT の「生活に通常必要な動産」該当性―

泉絢也千葉商大論叢 第59巻第3号(2022 年3月)p143-174

金融庁 デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会

https://www.fsa.go.jp/singi/digital/index.html

2022/3/30追記 (一社)日本暗号資産ビジネス協会

「コンテンツNFT」の法的整理

https://cryptocurrency-association.org/subcommittee/nft/

2022/3/31NFTビジネスに関するガイドライン第2版

NFTを構成するデータ

インデックスデータ、メタデータ、コンテンツデータ

特徴:他のデータと識別可能な・固有性をもったデジタルデータ、保有証明、プログラマビリティ

「トークン」:しるし、象徴、記念品、(交通料金等に使用される)代用貨幣

「非代替性」:識別可能・固有性

・個人のM&Aサイトを、数百万円から数億円で購入する企業がある。

WEBサイトの法的性質・・・著作権の可能性、レンタルサーバ、プロバイダーとの関係

さくらインターネット

基本約款

第9条

利用者であった個人が死亡した場合、利用契約は終了するものとします。ただし、相続の開始から14日以内に、その利用契約上の地位を単独で承継するとして相続人が当社所定の届出を行った場合、当該相続人は利用契約上の地位を承継できるものとします。

https://www.sakura.ad.jp/agreement/

事前対応• 相談者への助言、遺言作成、契約など

事後対応• デジタル遺産の調査、相続や情報開示に関する任意交渉・訴訟。

遺言において、デジタル機器の帰属の明示+デジタル機器内のデジタルデータの帰属も明示・・・特定が必要ではないかと思われますが、その後にデジタル機器を買い替えた場合の規定も出来るのか、その規定は有効なのか気になりました。

デジタルデータの帰属の明示

オフラインのデジタル遺産

 例えば、アカウントの規約確認。要請される相続手続の内容が規約により要求される文言の記載を行うことが検討される。各アカウントに関連する規約・契約内容の確認は重要。オフラインのデジタル遺産と同様、当該アカウント及びアカウントに関連する。デジタルデータの帰属について、遺言で明示。

 例えば、デジタル機器及びその内部に保存された一切のデジタルデータ(ただし、オンライン上にも同一のデータが保存されている場合は当該オンライン上のデジタル上のデジタルデータ並びに関連するデータを除く)~を相続させる。

 利用のオンラインサービスに応じて、それを承継した相続人が適切な管理を行うに必要な情報(アカウント名、パス等)の伝達により、要望どおりのデータ処分を期待できる。負担付き遺贈は放棄される可能性がある。

「自己の死後の事務を含めた法律行為等の委任契約が○○と上告人との間に成立したとの原審の認定は、当然に、委任者○○の死亡によっても右契約を終了させない旨の合意を包含する趣旨のものというべく、民法六五三条の法意がかかる合意の効力を否定するものでないことは疑いを容れないところである。」(最判平成4年9月22日。掲載誌:金融法務事情1358号55頁)

「委任者の死亡後における事務処理を依頼する旨の委任契約においては、委任者は、自己の死亡後に契約に従って事務が履行がされることを想定して契約を締結しているのであるから、その契約内容が不明確又は実現困難であったり、委任者の地位を承継した者にとって履行負担が加重であるなど契約を履行させることが不合理と認められる特段の事情がない限り、委任者の地位の承継者が委任契約を解除して終了させることを許さない合意をも包含する趣旨と解することが相当である。」(東京高判平成21年12月21日。掲載誌:判例タイムズ1328号134頁、判例時報2073号32頁)

PCのデータ処分は専用ソフトウェアの利用など。

スマートフォンのデータ処分はローカルワイプ機能など。

ドコモ 遠隔初期化

https://www.docomo.ne.jp/service/initialization/compatible_model/

オンラインアカウントに用意された機能の利用

デジタル遺産の調査

デジタル機器内の調査、ロック解除

情報が集約されているブラウザのブックマーク・履歴、各サービス専用のアプリケーション・ソフトウェア等を調査。

 クレジットカード明細、銀行口座の取引履歴などの、携帯電話料金と一括請求される請求明細などを読むことにより、暗号資産取引等の取引のための入出金記録を発見できる可能性がある。アフリエイト収入の銀行口座への入金すると、法的紛争や訴訟問題発生等の際に利用される、デジタルデータの調査・解析(データ復元などを含む)を行う技術・手法のこと。

確定申告書類から分かることは?

デジタルフォレンジック

消去データの復元(ファイル、WEBサイトの閲覧履歴等)

故障機器からのデータ取得・解析

パソコンの電源オンオフデータ、WIFI接続履歴の取得

パスワードがロックされている場合、壊れて起動しない場合は現状難しい。専門業者に依頼する場合、処分行為、管理行為、保存行為のどの行為に当たるかの検討が必要。実務的には相続人全員の同意の取得。

デジタルフォレンジック研究会

証拠保全ガイドライン第8版

デジタル遺産の歴史

アカウントの相続の可否等について、判例などが少ない。

保有者の年齢層が低い。

デジタル遺産の経済的価値が分かりづらい。

ドイツにおける事案の概要における法的論点

 データ保護法、通信の秘密、死者人格権、被相続人のデータ保護法上の利益の有無、通信相手のデータ保護法上の利益の有無、契約関係の移転。

各審級で判断が分かれた

SNSアカウントの利用契約上の地位の承継が否定された場合の、データ開示請求の可否

 SNSの利用契約に関する準委任的性格、データの保管に関する帰宅契約的性格等の観点から情報の開示請求の可能性を模索する。もし日本で起こった場合、SNSの利用契約上の地位についても、相続による包括的な承継の対象となるか。明確な規約がある場合、適切に契約に組み込まれた規約の内容による。ただし、規約は絶対ではない。明確な規約がない場合、解釈上、一身専属的契約とされる可能性がある。

 利用契約上の地位の承継が否定された場合としても、何等かデータの開示請求を法的に根拠づけることが可能ではないか?などの契約の複合的性格・要素から、情報の開示請求の可能性を模索する見解では、善管注意義務(民法644条)の一内容として、委任契約の不随義務として情報の返還義務を根拠とする可能性。委任事務の処理状況の報告義務、委任契約終了に伴う報告義務(民法645条、656条)を根拠とする見解もある。寄託類似の性質から導かれる寄託物の返還義務を根拠とする見解もある。

電気通信事業法4条1項(秘密の保護)

電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=359AC0000000086

 定型約款とは、定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体。定型取引とは、ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なもの(民法548条の2第1項)。

定型約款に関する改正民法の適用関係

 旧法下において締結されたものであっても、改正民法※施行日(2020年4月1日)以後は、改正民法が適用。改正前民法の適用を望む場合には、当事者は書面又は電磁的記録によって反対の意思表示をすることができる。反対の意思表示は、施行日前にしなければならない。民法の一部を改正する法律平成29年6月2日法律第44号

平成29年法律第44号附則

第33条(定型約款に関する経過措置)

1 新法第五百四十八条の二から第五百四十八条の四までの規定は、施行日前に締結された定型取引(新法第五百四十八条の二第一項に規定する定型取引をいう。)に係る契約についても、適用する。ただし、旧法の規定によって生じた効力を妨げない。

2 前項の規定は、同項に規定する契約の当事者の一方(契約又は法律の規定により解除権を現に行使することができる者を除く。)により反対の意思の表示が書面でされた場合(その内容を記録した電磁的記録によってされた場合を含む。)には、適用しない。

3 前項に規定する反対の意思の表示は、施行日前にしなければならない。

定型約款の契約組入れ

民法548条の2第1項(定型約款の合意)

定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。

一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。

二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

定型約款を契約の内容とする旨の合意があった場合、取引に際して定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ相手方「表示」していた場合。

 例えば、アカウント作成時に、契約の内容とすることを目的として作成された利用規約の表示及びこれについて「当該規約を契約内容とすることに同意」とのチェックボックスの表示がなされ、これにユーザーが同意した場合。

経済産業省令和4年4月改訂

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(令和4年4月1日)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/

旧法下

(サイト利用規約が契約に組み入れられると考えられる場合)

・例えばウェブサイトで取引を行う際に申込みボタンや購入ボタンとともに利用規約へのリンクが明瞭に設けられているなど、サイト利用規約が取引条件になっていることが利用者に対して明瞭に告知され、かつ利用者がいつでも容易にサイト利用規約を閲覧できるようにウェブサイトが構築されていることによりサイト利用規約の内容が開示されている場合

(サイト利用規約が契約に組み入れられないであろう場合)

・ウェブサイト中の目立たない場所にサイト利用規約が掲載されているだけで、ウェブサイトの利用につきサイト利用規約への同意クリックも要求されていない場合」

規約の効力

定型約款に関する合意不成立(民法548条の2第2項)、消費者契約法(消費者契約法8条~10条)、公序良俗違反(民法90条)、信義則違反(民法1条2項)

具体的な裁判における適用除外等

民法548条の2 (定型約款の合意)

1項定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。

一定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。

二定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。

2項前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。

適格消費者団体からゲーム運営会社へ、利用規約の使用差止を求める訴訟提起。消費者契約法8条1項1号、3号などへの抵触の有無。

適格消費者団体とは、不特定かつ多数の消費者の利益のためにこの法律の規定による差止請求権を行使するのに必要な適格性を有する法人である消費者団体として第十三条の定めるところにより内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。

(消費者契約法2条4項)

事例の概要

「消費者契約法(以下「法」という。なお,平成30年法律第54号(以下「本件改正法」という。)による改正前の法を,以下「改正前法」という。)13条1項所定の適格消費者団体である原告が,被告が不特定かつ多数の消費者との間でポータルサイト「○○○」に関するサービス提供契約(以下「本件契約」という。)を締結するに当たり,法8条1項に規定する消費者契約の条項に該当する条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を現に行い,又は行うおそれがあると主張して,被告に対し,法12条3項に基づき,別紙契約条項目録1及び2記載の契約条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示の停止を求めるとともに,これらの行為の停止又は予防に必要な措置として,上記意思表示を行うための事務を行わないことを被告の従業員らに指示するよう求めた事案」(さいたま地方裁判所令和2年2月5日判決)

消費者契約法8条1項

次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。

一事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項

二事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項

三消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項

四消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項

消費者契約法12条3項

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000061

適格消費者団体は、事業者又はその代理人が、消費者契約を締結するに際し、不

 特定かつ多数の消費者との間で第八条から第十条までに規定する消費者契約の条項(第八条第一項第一号又は第二号に掲げる消費者契約の条項にあっては、同条第二項の場合に該当するものを除く。次項において同じ。)を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い又は行うおそれがあるときは、その事業者又はその代理人に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。ただし、民法及び商法以外の他の法律の規定によれば当該消費者契約の条項が無効とされないときは、この限りでない。

問題となった会員規約

『法12条3項の適用上,本件規約7条3項は,「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除」する条項に当たり,また,「消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除」する条項に当たるから,法8条1項1号及び3号の各前段に該当するというべきである。』(さいたま地方裁判所令和2年2月5日判決)

『被告は,消費者との間で,被告が運営するポータルサイト「○○」のサービス利用契約を締結するに際し,別紙契約条項目録1記載の契約条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を行ってはならない。』。ちなみに、被告は、『被告の「合理的な根拠に基づく合理的な判断」により,本件規約7条1項c号又はe号が適用され,会員資格取消措置等をとった場合,被告は,当該会員に対して,サービスを提供する債務を負わず,そうである以上,債務不履行もあり得ず,損害賠償責任を負うこともないのであるから,本件規約7条3項は,同条1項c号又はe号の適用により,被告に損害賠償責任が発生しないことを確認的に定めたものであり,免責条項ではない』と主張するも、これについては、『しかしながら,上記各号の文言から読み取ることができる意味内容は,著しく明確性を欠き,複数の解釈の可能性が認められ,被告は上記の「判断」を行うに当たって極めて広い裁量を有し,客観性を十分に伴う判断でなくても許されると解釈する余地があることは,上記イで判示したとおり』(さいたま地方裁判所令和2年2月5日判決)

控訴審においても、『原判決第3の1(2)イにおいて説示したとおり,本件規約7条1項c号及びe号にいう「合理的に判断した」の意味内容は極めて不明確であり,控訴人が「合理的な」判断をした結果会員資格取消措置等を行ったつもりでいても,客観的には当該措置等が控訴人の債務不履行又は不法行為を構成することは十分にあり得るところであり,』『控訴人は,上記の「合理的な判断」を行うに当たって極めて広い裁量を有し,客観的には合理性がなく会員に対する不法行為又は債務不履行を構成するような会員資格取消措置等を「合理的な判断」であるとして行う可能性が十分にあり得るが,会員である消費者において,訴訟等において事後的に客観的な判断がされた場合は格別,当該措置が「合理的な判断」に基づかないものであるか否かを明確に判断することは著しく困難である』(東京高等裁判所令和2年11月5日判決)

消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

「法令中の公の秩序に関しない規定」とは、いわゆる任意規定のこと。

研修会「Web3、NFT、メタバース等を巡る動向と法的課題」

令和4年10月23日

日本司法書士会連合会

長島・大野・常松法律事務所 殿村桂司パートナー弁護士

デジタル庁 Web3.0研究会

https://www.digital.go.jp/councils/

自民党・政調、デジタル社会推進本部・NFT政策検討PT合同会議/プレゼン「WEB3.0とNFTについて」

Joichi Ito

経済産業省 新規事業・スタートアップ

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/index.html

経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/

Web3

 分散、現段階において規模が小さいため手数料が高額の傾向、Google等はWeb2。Web2と呼ばれているものは、プラットフォーム事業者の判断で、どのような情報を受信するか、発信できるか、が強くなる傾向。事業だから。

総務省 

P2Pネットワークの在り方に関する作業部会

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/network_churitsu/wg2_070618_1.html

スマートコントラクト(取引における契約を自動で行う仕組み)の実装

代理の場合は?

三菱総合研究所

ブロックチェーン技術とQRコード※1を活用したデジタル乗車券をスマートフォンのアプリ上で発行し、自動改札機で利用する実証実験を、近鉄難波線「近鉄日本橋」駅と近鉄大阪線「近鉄八尾」駅において、参画各社の関係者を対象に行います。

本実験は、総務省※2が行う「地域経済の活性化に資するブロックチェーン技術による情報の安全かつ円滑な流通及び『スマートコントラクト※3』による省力化等の検証および社会実装に向けた調査研究」の一環として、ブロックチェーン技術がもつデータの信頼性や耐改ざん性といった特徴を活かし、セキュリティ面の強化のほか、お客さまの利便性向上や駅業務の効率化など、同技術の新たな利用可能性を検証するものです。

https://www.mri.co.jp/news/press/20200129.html

DApps・・・ブロックチェーンとスマートコントラクトを利用したアプリケーション。

axie-infinity

https://dappradar.com/ethereum/games/axie-infinity

トークン・・・ブロックチェーン上で発行される電子証票の総称

電子証票?

ERC20・・・トークンの規格

https://docs.ethhub.io/built-on-ethereum/erc-token-standards/what-are-erc-tokens/

金融規制が重要

2号暗号資産

金融庁 暗号資産関係

https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/index.html

第三者対抗要件?

ウォレット・・・トークンを管理するための財布

『J-KISSと連動したトークン付与覚書』の雛形を4者で共同公開

Skyland Ventures(本社:東京都渋谷区、パートナー・CEO:木下慶彦、以下SV)は、Web3時代におけるトークン投資に際して、国内法人として設立されたスタートアップを主な対象とする『J-KISSと連動したトークン付与覚書』の雛形を・Infinity Ventures Crypto(IVC)、Headline Asia、Skyland Ventures、増島 雅和氏の4者にて共同で公開

https://skyland.vc/

DEX・・トークンの取引所

UNISWAP PROTOCOL

https://uniswap.org/

NFT

・・・世界に一つだけのトークン。メタバース上の土地に活用。データの所有はメタデータ。ブロックチェーンの外。データの流通はインデックスデータ。ブロックチェーンの中。インデックスデータがNFT。コピーが困難で創作者を保護できる。

登記情報と現物の不動産、法人の事業との類比。

国内初!千葉工業大学で学修歴証明書をNFTで発行

千葉工業大学(千葉県習志野市 学長:松井孝典)と株式会社PitPa(本社:東京都渋谷区 代表取締役:石部達也、以下「PitPa」)は、共同でweb3時代を見据えたグローバル人材の育成を測るため、様々なツールの開発・推進を行っております。この度、第一弾として伊藤穰一がセンター長を務める千葉工業大学変革センターにて、NFT(非代替性トークン)による学修歴証明の発行を開始したことを発表いたします。

 

https://www.it-chiba.ac.jp/topics/pr20220818/

IPFS docs(所有権や著作権の細かい記述)

https://docs.ipfs.tech/

課題

デジタルデータの消失?、保険?、当然対抗制度?転売?賭博?不当表示?資金洗浄など。

経済的機能(決済)がなければ、原則として金融規制の対象とならない。

スポーツエコシステム推進協議会

「NFTのランダム型販売に関するガイドライン」を共同公表~関係4団体と連携して策定~

得はしても損はしない、という整理?

https://www.c-sep.jp/2022/10/12/nft_guideline_random/

自由民主党

NFT政策検討PTが提言(案)を取りまとめ

https://www.jimin.jp/news/information/203135.html

塩崎 彰久(しおざき あきひさ)HP

DAO・・・中央管理者のいない分散型、トークン所持者内、スマートコントラクト活用の組織。

山古志DAO

https://nishikigoi.on.fleek.co/

私たちの目的

私たちは、800人の実際の山古志住民と10,000人のグローバルなデジタル住民が一緒になって、独自の自律的なコミュニティと場所を作成しようとしています。村自体は日本の山奥に位置し、錦鯉産業を通じて世界とつながってきましたが、今回、さらに世界に開かれた仮想村「山古志」を世界で初めて作る試みとなります。錦鯉NFTのある世界です。

10,000人のデジタル居住者の知識、ネットワーク、すべてのリソースが集まって、社会の実際のガバナンスシステムに関係なく、独自の財源と独自のガバナンスを備えた持続可能な山古志村を作成します。錦鯉などの自然資源や独自の文化を維持するリアルと、物理的な制約を超えて無限に広がるメタバースを組み合わせることで、私たち山古志の人々とデジタル山古志の住民は、私たちの生活遺産を共有財産として発展させることができます。

法的不確実性、法形式の選択?合同会社型、有限責任事業組合型、権利能力なき社団型、、、、。

メタバース

明確な定義はない。使われ方としては、仮想空間において、アバターを用いて、参加者が相互交流する。

decentraland

https://decentraland.org/

Mesh for Microsoft Teams

https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/11/04/211104-mesh-for-microsoft-teams/

目的

広告、売買などの収益目的の可能性。

法的関係性

消費者契約法、金融商品取引法、民法上の不法行為との関係。各々の利用する立場による契約関係・利用規約の有無。独占禁止法。税法。Web2のプラットフォーム事業者はいる。所有権はない、支配権の可能性。著作権、商標権などの対象となり得る。

Q メタバース上の土地に信託を設定して、その受益権を譲渡する場合の、準拠法は日本ン法で良いのか?・・・メタバース上の土地に所有権が認められていないのに、土地のどのような権利に信託を設定するのか分かりませんでした。

DIGITAL ASSETS AND PRIVATE LAW

https://www.unidroit.org/work-in-progress/digital-assets-and-private-law/

Online Dispute Resolution

https://ec.europa.eu/consumers/odr/main/?event=main.home2.show

オンライン紛争解決

日司連年次制研修会グループディスカッション

20221022

8月

司法書士もにょもにょ。

決済、登記のための本人確認・・・健康保険証でBの本人確認。B宅で面談。「この土地を売ってもいい?」に対して頷いたように見えた。

Bの本人確認方法として良いか。・・・犯罪収益移転防止法防止法、同規則上は良い。日本司法書士会連合会依頼者等の本人確認等に関する規定基準上、不足。

Bの意思確認方法として良いか。・・・不足。

Dの本人確認で足りないか。・・・包括での委任、というところで躊躇する。

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420M60000f5a001

(本人確認書類)

第七条 前条第一項(第十二条第一項において準用する場合を含む。)に規定する方法において、特定事業者が提示又は送付を受ける書類は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める書類のいずれかとする。ただし、第一号イ及びハに掲げる本人確認書類(特定取引等を行うための申込み又は承諾に係る書類に顧客等が押印した印鑑に係る印鑑登録証明書を除く。)並びに第三号に定める本人確認書類並びに有効期間又は有効期限のある第一号ロ及びホ並びに第二号ロに掲げる本人確認書類並びに第四号に定める本人確認書類にあっては特定事業者が提示又は送付を受ける日において有効なものに、その他の本人確認書類にあっては特定事業者が提示又は送付を受ける日前六月以内に作成されたものに限る。

一 自然人(第三号及び第四号に掲げる者を除く。) 次に掲げる書類のいずれか

イ 運転免許証等(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証及び同法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)、出入国管理及び難民認定法第十九条の三に規定する在留カード、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条第一項に規定する特別永住者証明書、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第二条第七項に規定する個人番号カード、前条第一項第二号に規定する旅券等(この場合において、同号中「当該顧客等」とあるのは、「当該自然人」とする。)若しくは船舶観光上陸許可書又は身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳若しくは戦傷病者手帳(当該自然人の氏名、住居及び生年月日の記載があるものに限る。)

ロ イに掲げるもののほか、官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該自然人の氏名、住居及び生年月日の記載があり、かつ、当該官公庁が当該自然人の写真を貼り付けたもの

ハ 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書若しくは母子健康手帳(当該自然人の氏名、住居及び生年月日の記載があるものに限る。)又は特定取引等を行うための申込み若しくは承諾に係る書類に顧客等が押印した印鑑に係る印鑑登録証明書

ニ 印鑑登録証明書(ハに掲げるものを除く。)、戸籍の謄本若しくは抄本(戸籍の附票の写しが添付されているものに限る。)、住民票の写し又は住民票の記載事項証明書(地方公共団体の長の住民基本台帳の氏名、住所その他の事項を証する書類をいう。)

ホ イからニまでに掲げるもののほか、官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該自然人の氏名、住居及び生年月日の記載があるもの(国家公安委員会、カジノ管理委員会、金融庁長官、総務大臣、法務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣が指定するものを除く。)

(Identification documents)

Article 7 In the method prescribed in paragraph (1) of the preceding Article (including the cases where it is applied mutatis mutandis pursuant to Article 12, paragraph (1)) Article 8 In the method prescribed in paragraph (1) of the preceding article (including the cases where it is applied mutatis mutandis pursuant to Article 12, paragraph (1)), the documents to be presented or sent by a Specified Business Operator shall be any of the documents specified in the following items for the categories listed in the respective items. (i) Identity Confirmation Documents prescribed in item (i) (excluding the certificate of seal registration pertaining to the seal affixed by the customer, etc. to the documents pertaining to the application for or acceptance of the Specified Transactions, etc.); and (ii) Identification documents prescribed in item (i)(b) and (e) and item (ii)(b) with a valid period or expiration date, and identification documents prescribed in item (iv), which are valid as of the date on which they are presented or sent by the Specified Business Operator, and other identification documents, which are valid as of the date on which they are presented or sent by the Specified Business Operator. (i) Natural persons (limited to those who are not a natural person (excluding those set forth in item (iii) and item (iv))

(i) Natural persons (excluding those listed in items (iii) and (iv)) Any of the following documents

(a) Driver’s license, etc. (a driver’s license prescribed in Article 92, paragraph 1 of the Road Traffic Act (Act No. 105 of 1960) and a driving record certificate prescribed in Article 104-4, paragraph 5 of the same Act (including the cases where it is applied mutatis mutandis under Article 105, paragraph 2 of the same Act). (meaning a driving record certificate prescribed in Article 104-4, paragraph 5 of the same Act (including cases where it is applied mutatis mutandis pursuant to Article 105, paragraph 2 of the same Act)) (iii) The residence card prescribed in Article 19-3 of the Immigration Control and Refugee Recognition Act, the special permanent resident certificate prescribed in Article 7, paragraph (1) of the Act on Special Provisions Concerning Immigration Control for Persons, etc. who have Renounced Japanese Nationality under the Treaty of Peace with Japan (Act No. 71 of 1991), and the number used to identify a specific individual in administrative procedures (2) The personal identification number card prescribed in Article 2, paragraph (7) of the Act on the Utilization of the Number to Identify Specific Individuals in Administrative Procedures, etc., the passport, etc. prescribed in paragraph (1), item (ii) of the preceding Article (in this case, the term “said customer, etc.” in the same item shall be deemed to be replaced with “said natural person”) (a) A personal number card, a passport, etc. prescribed in paragraph (1), item (ii) of the preceding Article (in this case, “said customer, etc.” in the same item shall be deemed to be replaced with “said natural person”) or a certificate of landing permission for ship tourism, or a physical disability certificate, mental disability health welfare certificate, medical care booklet or war injury and sickness certificate (limited to those which contain the name, residence and date of birth of said natural person)

(b) In addition to those listed in (a) above, a document issued or issued by a government or municipal office or other similar document that contains the name, residence, and date of birth of the natural person concerned and to which the government or municipal office has affixed a photograph of the natural person concerned

(c) National health insurance, health insurance, seamen’s insurance, late-stage medical care for the elderly or long-term care insurance, health insurance day worker’s special health insurance certificate, membership card of national public officers’ mutual aid association or local public officers’ mutual aid association, membership card of private school teachers’ mutual aid system, child support allowance certificate, special child support allowance certificate or maternal and child health handbook ( (limited to one that includes the name, residence, and date of birth of the natural person concerned) (d) A certificate of seal registration pertaining to a seal affixed by the customer, etc. to a document pertaining to an application for or acceptance of the Specified Transactions, etc. or a document pertaining to an application for or acceptance of the Specified Transactions, etc.

(d) A certificate of seal registration (excluding those listed in (c)) (d) A copy or extract of a family register (limited to one to which a copy of the supplementary copy of the family register is attached) (d) A copy of a certificate of residence or a certificate of matters stated in a certificate of residence (a document certifying the name, address, and other matters in the basic resident register of the head of a local public entity)

(e) In addition to those listed in (a) through (d) above, documents issued or issued by public offices or other similar documents that contain the name, residence, and date of birth of the natural person concerned (documents issued by the National Public Safety Commission, Casino Control Commission, Commissioner of the Financial Services Agency, Minister of Internal Affairs and Communications, Minister of Justice, Minister of Finance, Minister of Health, Labor and Welfare, Minister of Agriculture, Forestry and Fisheries, Minister of Economy, Trade and Industry Minister of Agriculture, Forestry and Fisheries, Minister of Economy, Trade and Industry, and Minister of Land, Infrastructure, Transport and Tourism).

・旧代表者の運転免許証の写しをもらう。

・代表者等とは?・・・会社代表者や代理人など、現に特定取引の任に当たっている自然人が顧客などではない場合における「特定取引等の任に当たっている自然人」。

・書面決議を用いる。会社法(書面による議決権の行使)第三百十一条、(取締役会の決議の省略)第三百七十条

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則

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三 法人である顧客等 次に掲げる方法のいずれか

イ 当該法人の代表者等から本人確認書類のうち次条第二号又は第四号に定めるものの提示を受ける方法

ロ 当該法人の代表者等から当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の申告を受け、かつ、電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成十一年法律第二百二十六号)第三条第二項に規定する指定法人から登記情報(同法第二条第一項に規定する登記情報をいう。以下同じ。)の送信を受ける方法(当該法人の代表者等(当該顧客等を代表する権限を有する役員として登記されていない法人の代表者等に限る。)と対面しないで当該申告を受けるときは、当該方法に加え、当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法)

ハ 当該法人の代表者等から当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の申告を受けるとともに、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第三十九条第四項の規定により公表されている当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地(以下「公表事項」という。)を確認する方法(当該法人の代表者等と対面しないで当該申告を受けるときは、当該方法に加え、当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法)

ニ 当該法人の代表者等から本人確認書類のうち次条第二号若しくは第四号に定めるもの又はその写しの送付を受けるとともに、当該本人確認書類又はその写しに記載されている当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法

ホ 当該法人の代表者等から、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項の規定に基づき登記官が作成した電子証明書並びに当該電子証明書により確認される電子署名法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法

(iii) A customer, etc., who is a juridical person, by any of the following methods

(a) Receiving from the Representative of the juridical person, etc. the presentation of identification documents specified in item (ii) or (iv) of the following Article

(b) Receiving a report of the name and the location of the head office or principal office of the Customer, etc. from the Representative of the juridical person, and receiving registration information (meaning registration information prescribed in Article 2(1) of the Act on Provision of Registration Information through Telecommunication Lines (Act No. 226 of 1999)) from a designated juridical person prescribed in Article 3(2) of the said Act. The same shall apply hereinafter).  (c) Receiving a report from a representative person, etc. of the juridical person (limited to a representative person, etc. of a juridical person who is not registered as an officer authorized to represent the said customer, etc.) by sending the transaction-related document by registered mail, etc. as a forwarding-free mail, etc.)

(c) Receiving a report on the name and the location of the head office or principal office of the Customer, etc. from the representative person, etc. of the juridical person, as well as the name and the location of the head office or principal office of the Customer, etc. that have been made public pursuant to Article 39, paragraph 4 of the Act on the Use of Identification Number to Identify Specific Individuals in Administrative Procedures (hereinafter referred to as the “Public Matters”) (hereinafter referred to as “publicly announced matters”) (d) Confirming the name and address of the head office or principal office of the customer, etc. (when receiving a report without meeting the representative, etc. of the juridical person, by sending a transaction-related document by registered mail, etc., by way of forwarderless mail, etc., addressed to the head office, etc. of the customer, etc., in addition to said method

(d) By receiving from the Representative of the juridical person, etc. the identification documents specified in item (ii) or (iv) of the following Article or a copy thereof, and sending the transaction-related documents by registered mail, etc., by which the forwarding is not required, to the head office, etc. of the Customer, etc. stated in the identification documents or the copy thereof.

(e) Receiving from the Representative of the juridical person, etc. an electronic certificate prepared by the registrar pursuant to the provisions of Article 12-2, paragraph (1) and paragraph (3) of the Commercial Registration Act (Act No. 125 of 1963) and information on the specified transactions, etc. for which an electronic signature prescribed in Article 2, paragraph (1) of the Electronic Signature Act has been executed, which is confirmed by said electronic certificate Method

ううう・・・「いが取得していいよ。」

えええ・・・「法定相続分は欲しいよ。」

・戸籍収集の可否、誰から、どこまで、委任状と職務上請求書の使い分け。

・法制相続情報一覧図の作成業務なら契約書不要?、目的が預貯金口座の解約ならOK?、遺産承継業務?

・紛争になったら辞任します、の委任契約?

・えええに対する通知書の作成は?・・・弁護士法72条違反とならない業務の在り方。税務申告の期限考慮

令和3年改正民法・不動産登記法研修会

「相続登記義務化関連法の解説」~改正不動産登記法が司法書士実務に与える影響について~

講師 海野禎子(神奈川県司法書士会会員)

司法書士法施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=353M50000010055

(司法書士法人の業務の範囲)

第三十一条 法第二十九条第一項第一号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。

一、二略

三 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

法務省 不動産登記法新旧対照表

https://www.moj.go.jp/content/001347358.pdf

成立日及び公布日

令和3年4月21日

「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律悦第25号成立(同月28日公布。)。

施行期日

原則として公布後2年以内の政令で定める日(相続登記の申請の義務化関係の改正については公布後3年,住所等変更登記の申請の義務化関係の改正については公布後5年以内の政令で定める日。)。

不動産登記法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123

(建物の表題登記の申請)

第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。

民法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

(共同相続における権利の承継の対抗要件)

第八百九十九条の二 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

2 前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。

所有者不明土地の発生の予防と利用の円滑化の両面

発生の予防・・・不動産登記法を改正。新法を制定し,相続等によって土地の所有権を取得した者が,一定の要件を満たすことによりその土地の所有権を国庫に帰属させる制度を創設。

利用の円滑化・・・民法等を改正,所有者不明土地の管理に特化した所有者不明土地管理制度を創設するなどの措置を講じる。

民法改正の概要

令和5年(2023年)4月1日施行

隣地使用権・・・改正209条

竹木の枝の切除等・・・改正233条

継続的給付を受けるための設備設置権及び設備使用権・・・改正213条の2,213条の3

共有物を使用する共有者と他の共有者との関係等・・・改正249条2項・3項

共有物の変更行為・・・改正251条

共有物の管理・・・改正252条

共有物の管理者・・・改正252条の2

変更・管理の決定の裁判の手続・・・改正非訟事件手続法85条

裁判による共有物分割・・・改正258条

相続財産に属する共有物の分割の特則・・・改正258条の2

所在等不明共有者の持分の取得・・・改正262条の2、非訟事件手続法87条

所在等不明共有者の持分の譲渡・・・改正262条の3、非訟事件手続法88条

相続財産についての共有に関する規定の適用関係・・・改正898条2項

所有者不明土地管理命令・・・改正264条の2

所有者不明土地管理人の権限・・・改正264条の3

所有者不明土地等に関する訴えの取扱い・・・改正264条の4

所有者不明土地管理人の義務・・・改正264条の5

所有者不明土地管理人の解任及び辞任・・・改正264条の6

所有者不明土地管理人の報酬等・・・改正264条の7

所有者不明土地管理制度における供託等及び取消し・・・改正非訟事件手続法90条

所有者不明建物管理命令・・・改正264条の8

管理不全土地管理命令・・・改正264条の9

管理不全土地管理人の権限・・・改正264条の10

管理不全土地管理人の義務・・・改正264条の11

管理不全土地管理人の解任及び辞任・・・改正264条の12

管理不全土地管理人の報酬等・・・改正264条の13

管理不全土地管理制度における供託等及び取消し・・・改正非訟事件手続法91条

管理不全建物管理命令・・・改正264条の14

相続財産の管理・・・改正897条の2

相続の放棄をした者による管理・・・改正940条

不在者財産管理制度及び相続財産管理制度における供託等及び取消し・・・改正家事事件手続法146条の2,147条,190条の2第2項

相続財産の清算、相続財産の清算人への名称の変更・・改正936条,952条~958条

20230425官報

民法第952条以下の清算手続の合理化・・・改正952条2項,957条1項

期間経過後の遺産の分割における相続分・・・改正904条の3

遺産の分割の調停又は審判の申立ての取下げ・・・改正家事事件手続法199条2項,273条2項・3項

遺産の分割の禁止・・・改正908条2項~5項

所有権の登記名義人に係る相続の発生を不動産登記に反映させるための仕組み

相続登記等の申請の義務付け

令和6年(2024年)4月1日施行

 不動産の所有権の登記名義人が死亡し,相続等による所有権の移転が生じた場合において,下記の場合に公法上の登記申請義務が課される。不動産の所有権の登記名義人について相続(特定財産承継遺言を含む。)や遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)の開始があったときは,当該相続等により当該不動産の所有権を取得した者は,自己のために相続の開始があったことを知り,かつ,当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に,所有権の移転の登記を申請しなければならない(改正不動産登記法76条の2第1項(以下改正法という))。(注1・2)

 法定相続分での相続登記がされた後に遺産の分割があったときは,当該遺産の分割によって法定相続分を超えて所有権を取得した者は,当該遺産の分割の日から3年以内に,所有権の移転の登記を申請しなければならない(改正法76条の2第2項)。(注2)相続人申告登記の申出をした者が,その後の遺産の分割によって所有権を取得したときは,当該遺産の分割の日から3年以内に,所有権の移転の登記を申請しなければならない(改正法76条の3第4項)。

(注1)相続人申告登記の申出をした場合には登記申請義務を履行したものとみなす(改正法76条の3第2項)。

(注2)代位者その他の者の申請又は嘱託により,当該各規定による登記がされた場合には,適用しない(つまり,自ら申請していない者についても登記申請義務を免れる)(改正法76条の2第3項)。

登記申請義務の対象

対象となる財産・・・土地及び建物(法2条1号に規定する不動産)。

対象となる権利・・・所有権に限る。

相続登記等の申請義務違反の効果

 申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは,10万円以下の過料に処する(改正164条1項)。なお,当該過料の罰則については登記官が裁判所に対して過料事件の通知(過料通知)を行うことになるが,この具体的手続きについては,法務省令等に所要の規定を設けるものとされている。

 過料は本気?一筆、一棟単位?まず、相続人申告登記申請。登記申請単位だと不公平感もあると感じます。

正当な理由があると考えられる例

 数次相続が発生して相続人が極めて多数に上り,戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要する場合。遺言の有効性や遺産の範囲等が争われている場合。申請義務を負う相続人自身に妊娠・出産・重病・介護等の事情がある場合。

3年以内に遺産分割が成立しなかった場合

所有権移転登記(相続人申告登記をした場合)・・・申出を受けて登記官が職権で登記(単独申出可・登記申請より簡易)。持分は登記されない。

法定相続分による相続登記・・・第三者が代位申請したケースは義務履行があったとみなされる。

法定相続分の割合で共有相続開始に遡ってA単独所有

遺産分割成立・・・「相続」による所有権移転登記(相続人申告登記をした場合)、「遺産分割」による単有とする所有権更正登記 (法定相続分による相続登記をした場合)

遺言書があった場合・・・遺贈又は相続による移転登記申請か、相続人申告登記申出

・申出を受けて登記官が職権で登記(単独申出可・登記申請より簡易)

・持分は登記されない

・遺言発見前に相続人申告登記がされていれば,重ねて相続人申告登記等をする必要はない

(*)改正法により,特定財産承継遺言,相続人に対する遺贈のいずれによるものかを問わず,その所有権の移転の登記は単独申請可能とされた(改正法63条3項)。

相続放棄者がいる場合の取り扱い

相続放棄者の相続登記申請義務・・・負わない。初めから相続人ではないから。

 登記申請義務を履行すべき期間の始期・・・自己のために相続の開始があったことを知った日とは被相続人である所有権登記名義人の死亡を知った日であり,「当該所有権を取得したことを知った日」とは相続放棄により(当該相続放棄をした者を除いた上で算定される。)。

相続放棄をする前に相続人申告登記をしていた場合・・・Aの登記申請義務は履行したものと扱われる(改正法76条の3第2項。)。

 相続放棄をする前にAが法定相続分に従った相続登記をしていた場合・・・相続人をAのみとする相続登記の更正登記をしなくても,当初の法定相続分の登記(相続放棄前の法定相続分による登記)をしていればAの申請義務違反はないと考えられる(正しい割合による相続登記を申請しない「正当な理由」があるとして過料の罰則の適用はない)。

施行の際に所有権の登記名義人が死亡している不動産についての経過措置

 今回の改正法施行日前に相続が発生していたケースについても,登記の申請義務は課される。具体的には,施行日と自己のために相続の開始があったことを知り,かつ所有権を取得したことを知った日のいずれか遅い日から法定の期間(3年間)が開始する(改正法附則5条6項)。

相続人申告登記の創設

令和6年(2024年)4月1日施行

死亡した所有権の登記名義人の相続人による申出を受けて登記官がする登記として,相続人申告登記を創設する(改正法76条の3)。

・所有権の登記名義人について相続が開始した旨

・自らがその相続人である旨

を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることで,申請義務を履行したものとみなされる(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになる。)

 所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は,法務省令で定めるところにより,登記官に対し,所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる(注1)。

 登記官は,前記の規定による申出があったときは,職権で,その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる(注2)。

(注1)これは,相続を原因とする所有権の移転の登記ではなく,各事実についての報告的な登記として位置付けられるものである。

(注2)相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申出可(他の相続人の分も含めた代理申出も可)

付記1号 相続人申告 原因 年月日相続

氏名の申告相続人

住所氏名

年月日付記

付記2号相続人申告 原因 年月日相続

氏名の申告相続人

住所氏名

年月日付記

相続人による申出の際の添付書類

 申出人は当該登記名義人の法定相続人であることを証する情報(その有する持分の割合を証する情報を含まない。)を提供しなければならない。具体的には,単に申出人が法定相続人の一人であることが分かる限度での戸籍謄抄本を提供すれば足りる(例えば,配偶者については現在の戸籍謄抄本のみで足り,子については被相続人である親の氏名が記載されている子の現在の戸籍謄抄本のみで足りる)(部会資料P53・6)。

相続人申告登記の処分性

 相続人申告登記の申出を却下した登記官の判断には,処分性を有すると解されている。よって,審査請求や抗告訴訟の対象となる(ガイドブックP37)。その申出に対する却下事由や登記官が却下をする際の手続きに関する具体的な規律については法務省令に委任することが想定(部会資料 P57~58)。

相続人申告登記後の住所変更

 相続人申告登記後に,申出者の氏名又は住所について変更があった場合には,表示変更登記を申請する必要はない。

相続人申告登記の申出と法定単純承認事由

 民法921条1号では,「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし保存行為は除く)」と規定していることから,相続人申告登記の申出が本号の「処分」に該当するかが問題となる。この点,相続人申告登記は,所有権の登記名義人に相続が発生した事及び自らが法定相続人である旨を申し出てこれを公示する報告的な登記に留まる為,同号の「処分」には該当しないと解される(ガイドブックP38)。

相続登記等の簡略化

令和5年(2023年)4月1日施行

遺贈による所有権の移転の登記手続の簡略化

相続人に対する遺贈による所有権の移転の登記手続を簡略化するため,共同申請主義(法60)の例外を規定を設ける。具体的には,遺贈(相続人に対する遺贈に限る)による所有権の移転の登記は,不動産登記法第60条の規定にかかわらず,登記権利者が単独で申請することができる(改正法63条3項)。

遺贈登記単独申請が適用される対象

対象となる受遺者・・・相続人に限る。

対象となる権利・・・所有権に限る。

昭和33年4月28日民甲779局長通達の変更。

法定相続分での相続登記がされた場合における登記手続の簡略化

 法定相続分での相続登記がされた場合における登記手続を簡略化するため,法定相続分での相続登記がされている場合において,次に掲げる登記をするときは,更正の登記申請によることができるものとした上で,登記権利者が単独で申請することができるものとした。

遺産の分割の協議又は審判若しくは調停による所有権の取得に関する登記申請

他の相続人の相続の放棄による所有権の取得に関する登記申請

特定財産承継遺言による所有権の取得に関する登記申請

相続人が受遺者である遺贈による所有権の取得に関する登記申請

改正法

登記の目的 更正登記

遺産分割、相続放棄、特定財産承継遺言、相続人への遺贈

申請構造 単独申請

登録免許税 不動産1個当たり1000円

登記の目的 更正登記

申請構造 単独申請

登録免許税 不動産1個当たり1000円

所有権移転

年月日相続

共有者住所持分氏名

共有者住所持分氏名

共有者住所持分氏名

付記1号

何番所有権更正

年月日遺産分割

住所氏名

 権利能力を有しないこととなったと認めるべき所有権の登記名義人についての符号の表示

 公布後5年以内施行(2026年予定)

 所有権登記名義人の相続に関する不動産登記情報の更新を図る方策の一つとして,登記官が他の公的機関(住基ネットなど)から取得した死亡情報に基づいて法務省令で定めるところにより,職権で,当該所有権の登記名義人について死亡の事実を示す符号を表示することができる制度を新設した(改正法76条の4)。なお,符号の表示を広く実施していく観点から,住基ネット以外の情報源(固定資産課税台帳等)からも死亡情報の把握の端緒となる情報を取得する予定である(改正法151条参照)。

対象となる登記名義人・・自然人(部会資料 P53・11)

対象となる権利・・・所有権

・所有不動産記録証明制度の創設

公布後5年以内施行(2026年予定)

自然人及び法人を対象とする所有不動産記録証明制度として,次のような規律を設けるものとする(改正法119条の2)。

 何人も,登記官に対し,手数料を納付して,自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。後記②において同じ。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは,その旨)を証明した書面(以下「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる(改正法119条の2第1項)。(注1・2)

 所有権の登記名義人について相続その他の一般承継があったときは,相続人その他の一般承継人は,登記官に対し,手数料を納付して,当該所有権の登記名義人の所有不動産記録証明書の交付を請求することができる(改正法119条の2第2項)。(注2)交付の請求は,法務大臣の指定する登記所の登記官に対し,法務省令で定めるところにより,することができる(改正法119条の2第3項)。

 不動産登記法第119条第3項及び第4項の規定は,所有不動産記録証明書の手数料について準用する(改正法119条の2第4項)。

(注1)自然人だけではなく法人についても対象となる。

(注2)代理人による交付請求も許容することを前提としている。

所有不動産記録証明制度の限界

 現在の登記記録に記録されている所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所は過去の一定時点のものであり,必ずしもその情報が更新されているものではないことなどから,請求された登記名義人の氏名又は名称及び住所等の情報に基づいてシステム検索を行った結果を証明する所有不動産記録証明制度は,あくまでもこれらの情報に一致したものを一覧的に証明するものであり,不動産の網羅性等に関しては技術的な限界があることが前提である(要綱案P21)。

所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所の情報の更新を図るための仕組み

所有権登記名義人の氏名又は名称及び住所の変更登記申請の義務化

公布後5年以内施行(2026年予定)

 所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは,当該所有権の登記名義人は,その変更があった日から2年以内に,氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければならない(改正法76条の5)。前記の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは,5万円以下の過料に処する(改正法164条2項)(注)。

(注)裁判所に対する過料事件の通知の手続等に関して法務省令等に所要の規定を設けるものとする。

 なお,相続登記の申請義務違反過料罰則と同様に,登記官が裁判所に対して過料事件の通知(過料通知)を行うことになるが,この具体的手続きについては,法務省令等に所要の規定を設けるものとされている。

住所変更登記等の申請の義務化に関する経過措置について

施行日前に住所等変更が発生していたケースについても,登記の申請義務は課される。具体的には,施行日と所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があった日のいずれか遅い日から法定の期間(2年間)が開始する(改正法附則第5条第7項)。

職権による所有権登記名義人の氏名又は名称及び住所の変更登記

公布後5年以内施行(2026年予定)

 改正法は,登記官が住民基本台帳ネットワークシステム又は商業・法人登記のシステムから所有権の登記名義人の氏名及び住所についての変更の情報を取得し,これを不動産登記に反映させるため,次のような規律を設けるものとする(改正法76条の6。)。上記により,登記官が職権登記をした場合は,表示変更登記申請の義務は履行済みと取り扱われる。住所等の変更があったときは,法務局側から所有権の登記名義人に対し,住所等の変更登記をすることについて確認を行い,その了解(「申出」と扱う)を得たときに,登記官が職権的に変更の登記をする。(注1)

 法務省内のシステム間連携により,法人の住所等に変更が生じたときは,商業・法人登記のシステムから不動産登記のシステムにその変更情報を通法人の場合 知することにより,住所等の変更があったことを把握する。(注2)取得した情報に基づき,登記官が職権で変更登記をする。

(注1)最新の住所を公示することに支障がある者(DV被害者等)も存在し得ることや,個人情報(プライバシー)保護の観点から住民基本台帳を閲覧することができる事由を制限している住民基本台帳制度の趣旨等を踏まえ,法務局側から,所有権の登記名義人に変更登記をすることについて確認を行い,その了解を得たときに,登記官が職権的に変更登記をすることとしている。

(注2)改正法では,所有権の登記名義人が法人であるときは,その会社法人等番号を登記事項とすることとされており(改正法73条の2第1項第1号),この情報連携においても会社法人等番号の利用を想定している。

不動産登記の公示機能をより高める観点等からの改正

所有権の登記の登記事項の追加

令和6年(2024年)4月1日施行

登記名義人の特定に係る登記事項の見直し

 所有権の登記名義人が法人であるときは,会社法人等番号(商業登記法7条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるものを登記事項とする(改正法73条の2第1項第1号)。なお,施行前に既に所有権の登記名義人となっている法人については,法務省令で定めるところにより,登記官が職権で改正法73条の2第1項第1号に規定する会社法人等番号を登記することを予定している(具体的には,法人から申出をしてもらい,登記官が職権で登記する流れが想定されている)。

現行法改正法

申請情報として提供(改正法73条の2第1項第1号)

会社法人等番号を添付情報として提供(中間試案の補足説明P210)。

外国に住所を有する所有権登記名義人の国内における連絡先となる者の登記

 海外在留邦人の増加や海外投資家による不動産投資の増加により,不動産の所有者が国内に住所を有しないケースが増加しつつある。こうしたケースにおける所有者の把握は,基本的に登記記録上の氏名・住所を手掛かりとするほかないが,日本以外の国においては,その住所等の情報を詳細に管理していないこともあり得,その所在の把握や連絡を取ることに困難を伴うことが少なくない。そこで,改正法は,所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは,その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるものを登記事項とする旨改正した(改正法73条の2第1項第2号)。

 国内連絡先となる者については自然人でも法人でも可能でとされるが,不動産関連業者や司法書士等であることが期待されている(部会資料 P57・16)。施行後,この制度が定着するまでの間は「連絡先がない旨の登記」も許容する予定である(詳細は法務省令で定めることとされる)。連絡先として第三者の氏名又は名称及び住所を登記する場合には,当該第三者の承諾があることが必要である(要綱案P20)。

要件

・当該第三者は国内に住所を有するもの(要綱案P20)。

 連絡先となる者の氏名又は名称及び住所等の登記事項に変更があった場合には,所有権の登記名義人のほか,連絡先として第三者が登記されている場合には当該第三者が単独で変更の登記の申請をすることができるものとする(要綱案 P20)。国内に居住していた所有権の登記名義人が海外へ転居した場合には,国内居住者の海外へ 所有権登記名義人住所変更登記の申請が義務とされるので(改正法76の転居 条の5),その申請の際に併せて国内における連絡先に関する登記事項の登記の申請も必要となる(部会資料P35・15)。

外国に住所を有する外国人についての住所証明情報の見直し

 外国に住所を有する外国人(法人を含む。)が所有権の登記名義人となろうとする場合に必要となる住所証明情報については,次のいずれかとする(要綱案 P20)。具体的には,法務省令又は通達等で対応されるものと予想。

 外国政府等の発行した住所証明情報

  住所を証明する公証人の作成に係る書面(外国政府等の発行した本人確認書類(住所記載の旅券や身分証明書等)の写しが添付されたものに限る。)

登記義務者の所在が知れない場合等における登記手続の簡略化

令和5年(2023年)4月1日施行

公示催告及び除権決定の手続による単独での登記の抹消手続の特例

 登記記録上存続期間が満了している地上権等の権利や,買戻期間が経過している買戻特約など,既にその権利が実体的には消滅しているにもかかわらず,その登記が抹消されることなく放置され,権利者(登記義務者)が不明となったり,その抹消手続きに手間やコストを要するケースが少なからず存在する。

 不動産登記法第70条1項の登記が地上権,永小作権,質権,賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり,かつ,登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において,相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは,その者の所在が知れないものとみなして,公示催告の申立てをすることを認める旨の改正(改正法70条1・2項)。

仮登記は入らない。

改正法70条2項

 登記権利者は,共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは,非訟事件手続法99条に規定する公示催告の申立てをすることができる。(注)

公示催告の申立ての要件

地上権,永小作権,質権,賃借権若しくは採石権に関する登記

 登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないとみなして公示催告の申立てをすることができる(改正70条2項)。具体的には実際に現地を訪れての調査までしなくても良いものと考えられる(中間試案の補足説明P206)。登記権利者は単独で抹消登記を申請することができる(改正法70条3項。)。

(注)登記義務者の相続人の所在が判明しない場合にも適用するため,「登記義務者」を「共同して登記の抹消の申請をすべき者」に改めた(部会資料P53・16)。

買戻しの特約に関する登記の抹消手続の簡略化

 買戻しの特約に関する登記がされている場合において,その買戻しの特約がされた売買契約の日から10年を経過したときは,実体法上その期間が延長されている余地がないことを踏まえ,登記権利者(売買契約の買主)単独で当該登記の抹消を申請することができる(改正法69条の2)。なお,登記された買戻しの期間が10年より短い場合で,その期間を満了したときは,可能。

 登記官が買戻特約の登記を抹消したときは登記義務者に対しその旨通知することが予定。法務省令に規定を設けることが予定。(部会資料P 60・8。)。

解散した法人の担保権に関する登記の抹消手続の簡略化

令和5年(2023年)4月1日施行

 解散した法人の担保権に関する登記の抹消手続を簡略化する方策として,次の要件を満たす場合,不動産登記法第60条の規定にかかわらず,登記権利者は単独で担保権の登記の抹消を申請することができるものとした(改正法70条の2)。

・担保権の登記義務者が解散した法人であること(注1・2)

・相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお法人の清算人の所在が判明しないこと(注3・4)

・被担保債権の弁済期から30年経過したこと

・その法人の解散の日から30年経過したこと

(注1)担保権とは,先取特権,質権又は抵当権のことである。

(注2)通常の法人解散の手続きを経た場合のみならず,休眠会社又は休眠法人として解散したとみなされた場合(会社法472条1項,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律149条1項,203条1項)や,法人に関する根拠法の廃止等に伴い解散することとされた法人も含まれる(中間試案の補足説明P208)。

(注3)法務省令で定める方法としては,清算人が登記された住所に居住していないことを証する「不在住証明書」や,当該(住所省略)を本籍とする戸籍がないことを証する「不在籍証明書」等の公的な書類を調査したり,住所地への郵便等の不到達等で居住していないことの証明するをすることなどで足り,現地調査までは必要ないと考えられている(ガイドブック P80)。

(注4)清算人が存在しない場合には,裁判所に対してその選任等を請求することは不要(中間試案の補足説明 P209)。

その他の改正

附属書類の閲覧制度の見直し

令和5年(2023年)4月1日施行

登記簿の附属書類(不動産登記法121条1項の図面を除く)の閲覧制度に関し,閲覧可否の基準を合理化する観点等から,次のような規律を設けるものとする(改正法121条)。

 何人も,登記官に対し,手数料を納付して,自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類(不動産登記法121条1項の図面を除く)(電磁的記録にあっては,記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。後記において同じ)の閲覧を請求することができる。登記簿の附属書類(不動産登記法121条1項の図面及び前記に規定する登記簿の附属書類を除く)(電磁的記録にあっては,記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧につき正当な理由があると認められる者は,登記官に対し,法務省令で定めるところにより,手数料を納付して,その全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る)の閲覧を請求することができる。(注)

(注)「正当な理由」の内容は通達等で明確化することを予定している。

 例えば,過去に行われた分筆の登記の際の隣地との筆界等の確認の方法等について確認しようとするケース,不動産を購入しようとしている者が登記名義人から承諾を得た上で,過去の所有権の移転の経緯等について確認しようとするケースなどが想定されている(令和3年民法・不動産登記法改正,相続土地国庫帰属法のポイント(法務省)P20)

 被害者保護のための住所情報の公開の見直し

 令和6年(2024年)4月1日施行

 DV被害者等についても相続登記や住所変更登記等の申請義務化の対象となることに伴い,不動産登記法119条に基づく登記事項証明書の交付等に関し,次のような規律を設けるものとされた(改正法119条6項)。

対象者

 DV防止法,ストーカー規制法,児童虐待防止法上の被害者等を想定(具体的な範囲は今後法務省令で規定予定)

 登記官は,不動産登記法119条1項及び2項の規定にかかわらず,登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより,人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において,その者からの申出があったときは,法務省令で定めるところにより,同条1項及び2項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。(注)

(注)対象者が載っている登記事項証明書等を発行する際に,現住所に代わる事項を記載(委任を受けた弁護士等の事務所や被害者支援団体等の住所,あるいは法務局の住所などを記載する事を想定している)(令和3年民法・不動産登記法改正,相続土地国庫帰属法のポイント(法務省)P20)。

共有物の管理の範囲の拡大・明確化

所在等不明共有者がいる場合の変更・管理

管轄裁判所

共有物の所在地の地方裁判所

所在等不明の証明

 例えば、不動産の場合には、裁判所に対し、登記簿上共有者の氏名等や所在が不明であるだけではなく、住民票調査など必要な調査を尽くしても氏名等や所在が不明であることを証明することが必要。

対象行為の特定

加えようとしている変更や、決定しようとする管理事項を特定して申立てをする必要

共有物の管理者

(活用例)共有物の使用者が決定していないケースで、管理者が第三者に賃貸したりするなどして使用方法を決定。

共有者が使用する共有者を決定していたのに、管理者が決定に反して第三者に賃貸した場合には、前記※により善意者を保護。

(例) 遺産として土地があり、A、B、Cが相続人(法定相続分各3分の1)であるケースでは、土地の管理に関する事項は、具体的相続分の割合に関係なく、A・Bの同意により決定することが可能。

裁判による共有物分割

※ 賠償金取得者が同時履行の抗弁を主張しない場合であっても、共有物分割訴訟の非訟事件的性格(形式的形成訴訟)から、裁判所の裁量で引換給付を命ずることも可能。

※ この他に、共有物の分割について共有者間で協議をすることができない場合(例:共有者の一部が不特定・所在不明である場合)においても、裁判による共有物分割をすることができることを明確化(新民法258Ⅰ)

債務名義になるか。

不明相続人の不動産の持分取得・譲渡

 共有者(相続人を含む。)は、相続開始時から10年を経過したときに限り、持分取得・譲渡制度により、所在等不明相続人との共有関係を解消することができる。共有者は、裁判所の決定を得て、所在等不明相続人(氏名等不特定を含む)の不動産の持分を、その価額に相当する額の金銭の供託をした上で、取得することができる(新民法262の2Ⅲ)

 共有者は、裁判所の決定を得て、所在等不明相続人以外の共有者全員により、所在等不明相続人の不動産の持分を含む不動産の全体を、所在等不明相続人の持分の価額に相当する額の金銭の供託をした上で、譲渡することができる(新民法262の3Ⅱ)

※ 異議届出期間満了前に家庭裁判所に遺産分割の請求がされ、異議の届出があれば、遺産分割手続が優先され、持分取得の裁判の申立ては却下

(例)相続人が、やむを得ない事由があることを理由に、具体的相続分による遺産の分割を求めて遺産分割の請求を行い、異議の届出をしたケースなど

※ 共有者が取得する所在等不明相続人の不動産の持分の割合、所在等不明相続人に対して支払うべき対価(供託金の額)は、具体的相続分ではなく、法定相続分又は指定相続分を基準とする(新民法898Ⅱ)。

※ 相続開始時から10年が経過する前でも、所在等不明相続人の土地・建物の持分につき、所有者不明土地・建物管理人を選任することは可能

林野庁

https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/sinrin_keikaku/kyouyuurin.html?s=09

共有者不確知森林制度

共有林の所有者の一部が不明で共有者全員の合意が得られない場合に、一定の裁定手続き等を経て、伐採や造林ができるようにする制度です。

共有林の所有者の一部が特定できない又は所在不明で共有者全員の同意が得られない場合に、市町村長による公告、都道府県知事の裁定等の手続きを経た上で、その者が所有する立木の持ち分を移転すること、共有者に土地の使用権を設定することにより、当該共有林において立木の伐採及び伐採後の造林が可能となります。

・安達敏男・吉川樹士・須田啓介・安藤啓一郎『改正民法・不動産登記法実務ガイドブック』(日本加除出版,2021)

・民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案

・民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案の補足説明

・令和3年民法・不動産登記法改正,相続土地国庫帰属法のポイント(法務省)

https://www.moj.go.jp/content/001355930.pdf

・荒井達也『Q&A 令和3年民法・不動産登記法改正の要点と実務への影響』日本加除出版,2021年

・七戸克彦『新旧対照解説改正民法・不動産登記法』ぎょうせい,2021年

・松嶋 隆弘『民法・不動産登記法改正で変わる相続実務・財産の管理・分割・登記』ぎょうせい,2021年

・松尾 弘『物権法改正を読む:令和3年民法・不動産登記法改正等のポイント』慶応義塾大学出版会,2021年

・岡信太郎『改正のポイントからオンライン申請手続きまで図解でわかる改正民法・不動産登記法の基本』日本実業出版社,2021年

・ジュリスト2021年09 月号[雑誌] 有斐閣,2021年

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令案(仮称)に関する意見募集の結果について

 

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public

案件番号300080275

結果の公示日2022年9月29日

提出意見数59

所管省庁法務省

番号

御意見の概要

御意見に対する考え方

政令案第1条関係

・政令案第1条のとおり規定することに賛成する。

・本政令案への賛同意見として承ります。

・承認申請は、申請人の予測可能性が担保されるよう、限定的かつ明確に規定する必要があると考えるため、賛成する。

・本政令案への賛同意見として承ります。

3    

・承認申請ができない通路について、「現に」用途に供されている土地とすることに賛成する。

・本政令案への賛同意見として承ります。

4    

・通路と崖は国で引き取ることができるようにすべきである。

・通路に関する御意見については、法律の規定についての内容であり本意見照会の対象外ではありますが、御意見として承ります。崖に関する御意見については、法第5条第1項第1号(政令案第3条第1項)の要件に該当しない崖であれば、国庫への帰属が承認される場合もあります。

・原野・山林などの一部に、現に通路に使用されている部分があることだけで、承認申請ができないとされることがないようにしてほしい。

・原野・山林にある道には様々なものが想定されますが、法律の趣旨に従って個別の事案ごとに通路の該当性が判断されることが想定されます。

・「現に通路の用に供されている土地」について、町村道、県道、国道の相互を繋ぐ『公衆用道路』は、積極的に国庫への帰属ができるようにするべきである。

・「現に通路の用に供されている土地」は、当該土地が公衆用道路であっても、国の管理又は処分に当たって、土地の使用者との調整が必要となり、過分の費用又は労力を要する土地であることから承認申請ができない土地に該当します。いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。

7    

・政令案第2条第1号及び第4号の通路、水道用地、用悪水路について、現に当該用途に供されている土地と定めることに賛成する。同条第2号及び第3号の墓地及び境内地について、各法令に規定する土地と定めることに賛成する。

・本政令案への賛同意見として承ります。

8    

・政令案第2条第2号及び第4号について、現にその用途に供されているか否かを判断基準としている点について賛成し、これに関連して法第5条第1項第2 号の不承認要件の適用判断においても、現に供されている用途に基づいて判断すべきである。

・本政令案への賛同意見として承ります。法第5条第1項第2号の不承認要件の適用判断については、本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の検討の参考とさせていただきます。

9     

・政令案第2条第1号、第4号の「現に」の判定はどのように行うのか。とりわけ通路やため池は現地調査をしても外観だけではわからないのではないか。具体的な想定があれば公開すべきである。

・政令案第2条第1号及び第4号の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断を行うことを予定しています。

10    

・境内地についても、現に境内地として使用されているものに限定すべきである。

・境内地は、宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号から第7号までに掲げるような宗教法人の目的のために必要な固有の土地をいい、基本的には宗教上の儀式行事のため(同条第4号)や庭園(同条第5号)などとして用いられている土地が想定されています。

11    

・政令案第2条第4号のため池については、現に当該用途に供されている土地と定めることに賛成する。ただし、所有者以外の者による使用が予定されていないものは、本規律の対象外とすべきである。

・本政令案への賛同意見として承ります。なお、ため池については現に第三者がその土地を利用していない場合は、国庫帰属後も第三者による使用が予定されないため、政令案第2条第4号の要件に該当しないこととなります。

政令案第3条関係

12   

・政令案第3条第1項の崖の基準は、傾斜地法で急傾斜地崩壊危険区域の基準の一つとなるものであり、妥当なものと考える。

・本政令案への賛同意見として承ります。

13

・崖の要件該当性はどのように判断するのか。現地確認では正確な状況を確認できるのか。具体的な想定があれば公開すべきである。

・崖の基準の該当性については、法第6条に規定する事実の調査によって、判断を行うことを予定しています。実際の審査における計測の方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

14

・崖の傾斜の具体的な計算方法を知りたい(崖が2筆以上にまたがる場合、階段となっている場合など)。

・崖の基準の該当性については、法第6条に規定する事実の調査によって、判断を行うことを予定しています。実際の審査における計測の方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

15

・崖地と併せて、平坦地を帰属させる場合には、 政令案は、崖の基準を明らかとするものであり、これに該当する一部に崖地を含んでいても、承認できるようにしてほしい。

・崖がある土地のうち、通常の管理に当たり過分な費用又は労力を要するものについて、承認することができないものとされています(法第5条第1項第 1 号)ので、同号の要件に該当しない崖であれば、国庫への帰属が承認される場合もあります。

16

・政令案第3条第2項各号の要件該当性はどのように判断するのか。公図を基礎に現地調査で判断するという理解でよいか。具体的な想定があれば公開すべきである。

・政令案第3条第2項各号の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断を行うことを予定しています。また、地図や地図に準ずる図面も、審査における資料として活用することを予定しています。要件該当性の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

17

・政令案第3条第2項各号の要件該当性はどのように判断するのか。公図を基礎に現地調査で判断するという理解でよいか。具体的な想定があれば公開すべきである。

・「民法第210条第1項に規定する他の土地に囲まれて公道に通じない土地」であったとしても、現に同条の規定による通行が妨げられていない場合は、政令案第3条第2項第1号には該当しないことから、本規定は公道に通じない土地を一律に承認対象から除外するものではありません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。

18

・政令案第3条第2項第2号の妨害の程度について、軽微であることはどのように判断されるのか。軽微なものを除くのではなく、本号本文において妨害の程度が重大であることを明示すべきではないか。

・所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている場合は、基本的には土地の通常の管理又は処分を阻害するものに該当すると考えられますが、妨害の程度が軽微なものについては、土地の通常の管理又は処分を阻害するものではないと考えられることから、軽微なものを除くこととしています。軽微であることの具体的な判断方法や例などについては、引き続き検討してまいります。

19

・政令案第3条第2項第2号について、相隣関係の規定の改正により、樹木の越境がある場合でも簡易迅速に問題が解消できることとなったことを踏まえ、ガイドライン等で「妨害」の中にこのように簡易に解消できる樹木の越境については含まないことを明確にしてほしい。

簡易に解消できるような樹木の越境といったケースについては、個別の事案にもよりますが、妨害の程度が軽微なものに該当し、政令案第3条第2項第2号に基づく不承認事由には該当しないと考えられます。

20

・政令案第3条第3項第1号の「その他の土地の状況に起因する災害」とある部分について、「その他周辺土地の状況に起因する災害」という表記が分かりやすいと思う。

・政令案第3条第3項第1号の「その他の土地の状況」とは、周辺土地のみならず、申請対象土地において土砂の崩壊等が発生している場合も含めた状況を指すことから、原案どおりとさせていただきます。

21

政令案第3条第2項第2号、第3項第1号及び同項第2号の各括弧書きにおいて、その程度が軽微なものを除く旨の規定がされることについて賛成する。

本政令案への賛同意見として承ります。

22    

・政令案第3条第3項1号及び2号の軽微性はどのように判断されるのか。具体的な判断方法を規定すべきである。軽微なものを除くのではなく、第1号本文において重大な変更を加える措置であることを、第2号本文においてその程度が重大であることを明示すべきではないか。

・政令案第3条第3項第1号及び第2号の要件に規定する土地については、基本的には通常の管理又は処分に当たり過分の費用又は労力を要する土地に該当すると考えられますが、その程度が軽微なものについては、通常の管理又は処分に当たり過分の費用又は労力を要するものではなくなると考えられることから、軽微なものを除くこととしています。

23    

・政令案第3条第3項各号の要件該当性をどのように判断するのか。とりわけ、申請者は申請時に各号への該当性をどのように確認すればよいか。審査手数料の無駄を避ける観点からも、判断基準・判断資料を通達等で明示するべきである。

・政令案第3条第3項各号の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定しています。要件該当性の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

24    

・政令案第3条第3項2号の被害については、被害の生ずるおそれがあるものまで含めてしまうと、ほとんど全ての山林や原野などが対象になる可能性があるため、現に被害が生じている土地に限定すべきである。

・政令案第3条第2項第2号の「被害が生ずるおそれ」とは、具体的な危険性があることをいい、抽象的な危険性があるにすぎないものは含まれません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。

25    

・政令案第3条第3項2号の要件については、土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるものを除くということはもちろん、相当程度重篤な被害の場合に適用するようにお願いしたい。

運用に関する御意見として承ります。

26

・政令案第3条第3項第3号について、個人が所有する森林の場合、適切な造林や間伐、保育ができていないことが通常である。そもそも自治体において、市町村森林整備計画の内容が所有者に広報されていたのか、その実施促進の取組がなされていたのかという疑問がある。この要件についても、相当に柔軟な適用をする必要があると考える。

運用に関する御意見として承ります。

27    

・政令案第3条第3項第3号の森林について、追加的に造林、間伐又は保育を実施する必要があると認められるものであっても、地域の森林組合等が主体となって造林、間伐又は保育を無償で実施している森林などで、国にその負担が生じないものは、国庫帰属の対象とするべきである。

・帰属後の土地については国が管理することになるため、追加的に造林、間伐又は保育を実施する場合の費用は国が負担することになることから、政令案第3条第3項第3号の要件に該当することになると考えます。その場合、そのような森林を国庫帰属の対象とすることは困難と考えます。

28    

・所有権を放棄したい森林とは、木材の搬出、製材の不採算性等による国内全体の林業の衰退により、管理が不十分または放棄された山林であることが多いものと想定され、このような状況で、政令案第3条第3項第3号をもって法第5条第1項第5号に該当することとしては、承認を過度に抑制しうるものであると考える。また、現状すでに十分な管理がされていない山林を民有林のままとすることは、さらなる放置により後年の土砂災害等を誘発する温床となりうる。したがって、政令案第3条第3項第3号を「市町村森林整備計画(中略)に掲げる事項に適合していないことにより、当該土地又は周辺の土地に存する人の生命若しくは身体、農作物、樹木、又は施設に被害が(現に)生じており、これを防止するため(直ち)に追加的に造林、間伐、保育又は被害の防除施設の設置を実施する必要があるもの」など限定的な表現とし、法務大臣による承認を緩和し、国有林としての管理を促進するよう改められたい。

・管理が不十分又は放棄された山林などについては、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要することとなり、承認することは困難であるため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。なお、所有者による経営管理が行われていない森林については、森林経営管理法(平成30年法律第35号)に基づき、市町村が所有者の意向を確認した上で、経営管理を行うことが必要かつ適当な森林を市町村が公的に管理する又は林業経営者に繋ぐ仕組みが措置されているところです。

29    

・「適切な造林・間伐・保育」についての判断を明確にしてほしい。また、適切な造林・間伐・保育が実施されてこなかった山林においても、国庫帰属を行えるルールを新設してほしい。適切な造林・間伐・保育を行ってきた山林であれば、第三者への売却が可能であることから、特に今回の国庫帰属を検討すべき対象は「適切な造林・間伐・保育を行っていない山林」と考える。当該ケースを「帰属の承認ができない土地」とするのであれば、山林に関して結局のところ国庫帰属はほぼできない法律施行令案になっていると感じる。また、相続により山林を取得した場合、当該山林の場所すら分からないケースが多い。更に適切な造林・間伐・保育を過去に実施しているかなどは相続人が知りえない可能性が高い。相続人が地番以外の何も分からない場合、どういう事務処理となるのか、また、「適切な造林・間伐・保育」の実績を誰が確認・判断するのか、明確にしてほしい。

適切な造林・間伐・保育を行っていない山林は、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要することとなり、承認をすることは困難であるため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。なお、所有者による経営管理が行われていない森林については、森林経営管理法(平成30年法律第35号)に基づき、市町村が所有者の意向を確認した上で、経営管理を行うことが必要かつ適当な森林を市町村が公的に管理する又は林業経営者に繋ぐ仕組みが措置されているところです。

また、山林を取得した相続人が当該山林の場所を把握していないような場合については、法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」に該当するものとして、承認申請ができない可能性があります。

・なお、要件の有無についての判断は、法務大臣において行いますが、政令案第3条第3項第3号の該当性を判断するに当たっては、法第6条に規定する事実の調査において林野庁に調査協力を依頼したり、法第7条に基づいて地方公共団体に資料の提供要求等をしたりすることを予定しています。

30    

・政令案第3条第3項1号から3号までのような危険な土地こそ、国の管理において、災害の発生や人の生命若しくは身体又は財産に生ずる被害等の拡大又は発生の防止に努めるべきである。

・いただいた御意見については、今後の検討の参考とさせていただきます。

31    

・政令案第3条第3項第4号は「国が通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務を負担することが確実と認められる土地」と定めているが、通常の管理に要する費用以外の費用があればわずかなものでも不承認事由になるとすれば、法第5条第5号が「過分」と規定していることから妥当とは言えないので、政令案第3条第3項第4号についても、過分な金銭債務を負担するものでないものは除くこととすべきではないか。「通常の管理に要する費用以外の費用(軽微なものを除く)」とするべきではないか。

・土地の管理については費用がかかるところ、通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務をさらに負担することは、それがわずかなものであっても、通常の管理に要する費用を上回る負担となり、過分な費用を要することとなると考えられるため、「(軽微なものを除く。)」といった適用除外規定を設けていません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。

32    

・政令案第3条第3項第4号及び第5号の対象となる土地を例示的に列挙するなどして、国民が事前に予測できる程度に具体的に明示すべきである。

・要件該当性の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

33    

・別荘地等の民間の管理費等の金銭債務の負担のある土地については、その実際の管理状況を踏まえて判断すべきである。管理費等を要する別荘地等であることをもって直ちに政令案第3条第3項第4号や第5号の不承認事由になるわけではないという理解でよいか。

管理費等を要する別荘地であることをもって、直ちに政令案第3条第3項第4号や第5号の不承認事由に該当するものではないと考えます。その上で、法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由に照らして、承認の可否が判断されることとなります。

34    

・政令案第3条第3項第5号に「国が法令の規定により当該金銭債務を承継することとなるもの」とあるが、これは法第5条第5号の具体化と言えないのではないか。また、仮に具体化であるとした場合は、法律同号に「過分」とあることから、政令案第3条第3項第4号についても、過分な金銭債務を負担するものでないものは除くこととすべきではないか。「当該金銭債務(金銭債務の額が軽微なものを除く)」とするべきではないか。

・土地の管理については費用がかかるところ、国が法令の規定により承継した金銭債務をさらに負担することは、それがわずかなものであっても、通常の管理に要する費用を上回る負担となり、過分な費用を要することとなると考えられるため、「(軽微なものを除く。)」といった適用除外規定を設けていません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。

35    

・土地改良区内の農地(賦課金がないもの)は、その点をもって直ちに政令案第3条第3項第4号の不承認事由にならないという理解でよいか。

・御理解のとおりです。

36

土地改良区内の農地で賦課金の支払が近い将来必要となる土地は政令案第3条第3項第4号に該当するという理解でよいか。土地改良区内の農地で賦課金の支払が現に必要な土地は政令案第3条第3項第5号に該当するという理解でよいか。

・御理解のとおりです。

37    

・土地改良区の賦課金がかかるとしても、弁済後は、本件制度が利用できるようにしてほしい。また、一時的債務があったとしても、弁済後は、本件制度が利用できるようにしてほしい。

・土地改良区の賦課金が発生する土地であっても、国庫への帰属申請前にこれらの金銭債務が弁済されている場合は、政令案第3条第3項第5号には該当しないものと判断されます。

38    

・仮差押、仮処分、仮登記、買戻特約、譲渡担保権設定登記等の甲区に特殊な登記がある土地を法第5条第1項第4号の対象とする必要はないか。

・御指摘のような土地については、法第2条第3項第2号や政令案第3条第2項第2号に該当し得るものと考えられます。

39    

・農用地土壌汚染防止法上の農用地土壌汚染対策地域内の農地を法第5条第1項第5号の対象とする必要はないか。

・農用地土壌汚染防止法上の農用地土壌汚染対策地域内の農地は、国による通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地ではないことから、特に必要はないと考えます。

40    

・「その他の通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地」について、登記簿上の「原野」のうちどのような状態のものが該当するのか、判断基準を示していただきたい。

・「その他の通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地」としてどのような土地が該当するかについては、政令案3条第3項各号に規定しています。この基準は、登記記録上の地目が「原野」であるか否かによって変わるものではありません。

政令案第4条関係

41    

・政令案第4条第1項第1号の「直ちに建物の敷地の用に供することができると認められる土地」は、建築ができる土地(建築基準法上の道路に接し、間口が2m以上ある土地)をいうのか。宅地に建物がない場合は、「雑種地」となるのではないか。

・政令案第4条第1項第1号における宅地である「直ちに建物の敷地の用に供することができると認められる土地」の該当性については、登記記録上の地目だけでなく、その現況及び従前の使用状況に照らして判断することを想定しています。

42    

・政令案第4条第1項第2号の「主に農地として利用されている土地」とは現に耕作されている農地を指すという理解でよいか。相続したが耕作や草刈り等の管理を行っていない農地はここに該当しないという理解でよいか。

・政令案第4条第1項第2号の「主に農地として利用されている土地」の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定していますが、必ずしも現に耕作されている農地に限定するものではありません。

43    

・政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」とは地目にかかわらず、現況で判断するという理解でよいか。また、相続人が管理を行っておらず、森林として利用していない山林は含まれないという理解でよいか。

・政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定しています。相続人が管理を行っていない山林についても、調査等の結果、政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」に該当する可能性もあります。

44    

・1筆複数地目がある場合の地目区分はどうなるのか。また、面積について、登記面積と現況面積が異なる場合、どうするのか。地積測量図の作成時期により精度が異なるのであるが、現地復元性が乏しい地積測量図でも面積として認めるのか。

・具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

45    

・政令案の負担金算定表による負担金額は、相当であり、費用面では利用しやすいと評価できる。その一方で、必ずしも要件を充足しない申請案件が急増し、人員不足等により、真に国庫帰属されるべき土地の要件審査等の手続が遅延しないか懸念される。手続を担当する職員等の体制整備も急務であろう。

・本政令案への賛同意見として承ります。また、本意見照会の対象外ではありますが、土地の要件審査等の手続を担当する職員等の体制整備についても、引き続き検討してまいります。

46    

・負担金額をさらに減額すべきである。

・政令案における負担金額は、法律の規定に基づき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して規定したものであり、原案どおりとさせていただきます。

47    

・負担金については上限を設ける等の措置を講ずるべきである。

・政令案における負担金額は、法律の規定に基づき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して規定したものであり、上限を設けることは適当でないため、原案どおりとさせていただきます。

48    

・土地の評価額に応じた負担金額の設定とすべきではないか。

・負担金額の算定は、土地の種目や地域の性質に応じてそれぞれ管理に要する標準的費用を踏まえたものとなっており、当該管理に要する費用は土地の評価額に応じて上下するものではないため、原案どおりとさせていただきます。

49    

・政令案第4条第1項第4号も一律20万円ではなく、面積に応じた負担金額の設定とすべきではないか。

・政令案第4条第1項第4号に該当する粗放的管理行為で足りる土地の場合、標準的な管理行為は巡回であり、当該管理に要する費用は面積に応じて上下するものではないため、原案どおりとさせていただきます。

50    

・市街化区域や用途地域内、農用地区域内の土地がその他の土地より負担金を高く設定されていることに消極である。帰属後の土地の売却等を考えると指定区域内の土地の方が需要があり、売却しやすく、早めの処分が可能である。過疎地域の指定区域外の土地は、ほとんど利用価値がなく、その管理が半永久的に続き、管理費用が嵩むと考える。

・市街化区域や用途地域、農用地区域内に存する土地は、それらの指定区域の性質に鑑み、周辺住民の生活環境に支障を生じさせないようにする要請等が強いことから、これらの指定区域以外の土地と異なり、草刈りなどの管理行為が必要となります。そのため、これらの管理に要する費用として、国有地の管理に要する標準的な費用等を踏まえ、地積の区分に応じて負担金の額を算定しています。

51    

・農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域内及び土地改良法第2条第2項に規定する土地改良事業などの区域内の農地の負担金については、政令案第4条第1項第3号又は第4号の負担金と同程度とするべきである。

・農用地区域内や土地改良事業の施行区域内に存する土地は、良好な営農条件を備えた優良農地が周辺に存するために病害虫の発生等による周辺農地の営農条件に支障が生じないよう細心の注意を払うことを要する区域であることから、これらの指定区域以外の土地と異なり、草刈りなどの管理行為が必要となります。そのため、これらの管理に要する費用として、国有地の管理に要する標準的な費用等を踏まえ、地積の区分に応じて負担金の額を算定しています。

52    

・管理費については仕方のない面はあるとは思うが、所有者不明土地問題の解決という問題の解決を考えるなら、申請人の資力や年齢、法定相続人の関係による負担の軽減や、そもそもの要件の緩和などが必要であると思う。

・負担金の納付については、賛同意見として承ります。その他の御意見については、今後の参考とさせていただきます。

53    

・国が行う管理内容の明示がないため、負担金の額の多寡については、判断できない。耕作放棄地や原野化した空き家除却後の跡地のような更地であれば、年2回程度の草刈りは最低限必要と思われるが、概ね10年の管理費用としては、不足を生ずるのではないか。土地評価額に着目せず管理費用を設定したことは、国民に分かりやすく評価できるが、一律費用を20万円よりも高額に設定したうえで、換価価値に応じ負担軽減を図る仕組みとした方が、利用者の納得性を得られるのではないか。この制度により国庫帰属する土地は、基本的に利用の需要が低く、国が永続的に管理しなければならないものが想定されています。他方、承認を受けた者は、国庫帰属がなければ負担すべきであった土地の管理費を免れることができることになります。このような構造に鑑みれば、負担金を求める年数については、数十年とすることも考えられますが、それでは制度自体が利用されない懸念があるため、国の負担を軽減させつつ、承認を受けた者の負担を適正な程度とする趣旨から、10年分とされたものです。

・負担金額の算定は、土地の種目や指定地域の性質に応じてそれぞれ管理に要する標準的費用を踏まえたものとなっており、当該管理に要する費用は土地の換価価値に応じて上下するものではないため、原案どおりとさせていただきます。

54    

・表示登記の変更は、所有者申請により簡易に変更可能なため、相続前に手続きし、負担金の軽減を図ることが推察される。宅地から雑種地へ、田・畑から原野への変更が容易なため、市街化区域又は農用地区域内の加算については、雑種地・原野についても適用すべきではないか。

・負担金算定に当たっての種目の判断は、登記記録上の地目のみで判断されるものではありません。市街化区域又は農用地区域内の雑種地・原野について、同区域内の宅地等と同様に草刈り等が必要な場合もあり得ますが、円滑な制度運営の観点から可能な限り定型的で簡明な算定方法とするため、一律20万円としたところです。

55    

・申請者が市街化区域に該当するか、土地改良区に該当するか等を調査することは相応に煩雑さが伴うことが予想されるため、一般的な照会方法やチェックリストを整理し、法務局にて公開・備置するべきである。

・いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。

政令案第5条関係

56    

・隣接する2筆以上の土地については軽減のため申請金が軽減される仕組みとなっているが、隣接土地以外も同じ地名の地域であれば良いとするといったような柔軟な方法を検討してほしい。

・いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。

57    

・隣接する二筆以上の承認申請において、土地の所有者が異なる場合も含め、二筆以上の承認申請に係る土地を一筆の承認申請に係る土地とみなして負担金を算定するべき旨の申出ができるとすることに賛成する。本規律の申出の終期については、法務大臣による承認又は不承認、若しくは却下の時とすべきである。また、撤回についても同様とすべきである。

・本政令案への賛同意見として承ります。なお、政令案第5条第1項の申出は、法務大臣による承認又は不承認、若しくは却下の時まで可能であり、申出の撤回についても同様と考えています。

58    

・政令案第5条第2項の共同申請の場合、審査手数料は1申請分になるのか。

・本意見照会の対象外ではありますが、共同申請の場合の審査手数料は、引き続き検討を行ってまいります。

その他

59    

・隣接する二筆以上の承認申請において、土地の主な利用状況が一団であると評価しうる場合には、法第2条第3項各号及び法第5条第1項各号の土地の該当性については、隣接する二筆以上の土地を、一筆の土地とみなして判断すべき旨の承認申請ができるようすべきである。

・一筆の土地とみなすことによって、本来であれば承認可能な土地が、他の土地に問題があるために承認できなくなることも考えられるため、御提案については慎重な検討が必要と考えます。

60    

・いわゆる原野商法により不自然に細分化された山林等については、その点をもって直ちに却下・不承認事由にならないという理解でよいか。

・御理解のとおりです。

61    

・土地の国庫帰属の申請権者は相続人に限る必要はなく、相続開始前であっても、被相続人が申請を行うことができるとすべきである。相続人が承継したがらない不動産を相続財産から除外できるようにすることにより、相続手続の予見性を高めることができる。遺留分侵害その他相続人の権利を害する事例への配慮は、推定相続人全員の同意を必要とする等の措置が考えられる。

・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、今後の参考とさせていただきます。

62    

・国庫に帰属された土地はどのように処理されていくのか。負担金は必要だと思うが、その土地の活用を十分に行えば負担以上に収益も見込めると思う。最低限の管理でなく、資産として活用できる体制の整備も求める。

・本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。

63

・国庫に帰属した後、農地の管理管轄はどこになるのか。帰属後の農地が外国資本に渡ったり、太陽光パネルが立てられたりすることがないようにしてほしい。

・本意見照会の対象外ではありますが、国庫に帰属した農地の管理管轄は農林水産大臣となります。

64    

・法第2条第3項各号の承認申請ができない事由に該当するもの以外ならば、千差万別の土地形態や位置の土地の申請が予測される。この時をチャンスと捉え、多くの業者(中には悪徳業者と言われるものまで)が困った相続人達を目当てに営業をかけてくることが既にみられるところである。新たな被害者を出さない施策が必要と考える。対処案としては、かつて土地を先行取得した土地開発公社のような公的専門機関を国土交通省と協力して窓口、ないしは管理者とし、その仲介者はこの法律の国家資格のある専門業者に当たらせ、土地の管理をすべきとすることである。現在でも森林の価値が見直され、全国的に多くの業者が取得に走っている。この中で最も危惧されるのが外国人(当初は日本人が取得)投資家等の行動である。外国の所有者が多くなるのは時代の趨勢だが、所有者不明予備軍でもあり、国土保全、領土の安全保障問題にもなりかねず、既に地域的にはいわゆる風紀問題も起こっており、将来のために秩序ある土地管理が国の手で導かれるよう期待する。

・意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。

65    

・要件さえ満たせば国は必ず引き取ってくれるのであるから、相続した土地の管理に手が回らず、土地を所有していることに負担を感じ、お金を払ってでも、その“いらない土地”を手放したいと考えている方にとって、いらない土地・希望した土地だけを国に引き取ってもらえることを含め、ニーズに応える制度だと思う。

・本制度への賛同意見として承ります。

66    

・要件審査・承認に先立ち、法務局による実地調査があると予測される。この調査費用を手数料名目で申請者に負担させるのは適切ではない。申請手数料は定額かつ低廉にしてほしい。利用者負担という面もあるとは思うが、この制度を利用するほとんどの人が、税金を払うのに困っている人たちであると思うので、そのあたりを十分考慮しなければ、国の制度としては欠陥ということになると思う。

・本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、申請手数料の検討に当たって参考とさせていただきます。

67

・国が申請を却下・不承認とできる期間を限定し、その期間内に当該処分がなされない場合は、自動的に承認されたものとみなされる(それ以前に承認することも可能)というものにすべきである。相続人が相続放棄・限定承認をしようとする場合、原則として相続を知ってから3か月以内に家庭裁判所への申述をしなければならない。国庫帰属の申請が却下、不承認とされるリスクがいつまでも残ると、相続人が相続放棄・限定承認の判断をすることが難しくなるケースも考えられる。

・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、可能な限り早期に処理ができるよう、検討してまいります。

68    

・政令案第3条に規定されている土地はいわば売却が困難な土地である。売却不可能な土地にこそ、この制度を使えるようにすべきである。法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の検討の参考とさせていただきます。

69    

・法第2条第3項第1号の「建物の存する土地」について、空き家が存在する場合、一律に本制度の利用ができないこととするのではなく、空き家の規模・状態・解体費用の多寡によっては、費用を予納すること等により、本制度を利用できるようにしてほしい。

・建物があっても土地の利活用の余地が少しでもあるものであれば承認され得るように、例外規定又は建物が存する土地の中である範囲のものとの条件を付した規定を加えるべきと考える。法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、今後の検討の参考とさせていただきます。

70    

・法第2条第3項第2号の「担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地」について、相続した送電線下の土地の地役権については、権利や実物の撤去の難しさ、そのインフラとしての有用性、土地を国が所有・利用する際、現状変更や特段の金銭負担がないことなどを考慮して、実情に応じ、国庫帰属制度の申請を認める検討をお願いしたい。

・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

71    

・法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」について、隣地所有者との境界確認書を必要とせず、境界について具体的争いがない場合には国庫帰属を可能としてほしい。政令案において具体的要件を明確にしてほしい。

・本意見照会の対象外ではありますが、「境界が明らかでない土地」の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

72    

・法第2条第3項各号及び法第5条第1項各号がどのようなものを指すのか、基準を明らかにするか、それが困難な場合には、事案の例を示すなどして、明確にしてほしい。

・本意見照会の対象外ではありますが、具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

73    

・当該制度は、不動産の処分に困っている方には、大変ありがたい制度である。法第2条第3項第1号の「建物の存する土地」については、建物がある場合、全て解体し更地にすれば承認されるということで間違いないか。法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地」については、専門家を交え、境界線確定が完了していれば、承認されるということで間違いないか。

・本制度への賛同意見として承ります。なお、本意見照会の対象外ではありますが、法第2条第3項第1号の「建物の存する土地」については、当該建物が解体され更地になった場合、その他の法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由に該当しないと判断されれば、帰属が承認されることとなります。また、法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。

74    

・事前に国庫帰属ができるかどうかはっきりさせる仕組みにしてほしい。

・本意見照会の対象外ではありますが、個別の事案における法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由の有無について、可能な範囲で事前に確認することができるようにするための相談窓口を設置することを予定しています。

75    

・省令及び通達を定めるにあたっては、司法書士等の実務専門家の意見を取り入れた上で、早期にその内容を定めていただくよう求める。

・本意見照会の対象外ではありますが、具体的な運用の検討に当たっては、広く国民の皆様の意見を聞きながら検討を進めてまいります。

76    

・申請手続代理を行うことができる士業の範囲を示されたい。

・本意見照会の対象外ではありますが、申請代理に関する考え方とその周知方法については、引き続き検討してまいります。

77    

・本制度の利用の要件や手続について、国民に分かりやすく広報することは極めて重要であるから、要件や手続について法令の内容を具体化したガイドラインを作成するとともに、具体的事案や申請方法を例示したパンフレットなどを作成して広報してほしい。

加えて、自治体関係者の理解を深めるために、自治体が取得を希望した場合には負担金がかからない点なども含めて、本制度を利用するための要件や手続について、自治体関係者向けの説明資料を作成して公表してほしい。

・本意見照会の対象外ではありますが、本制度を国民に皆様に広く理解・活用していただけるよう、地方公共団体や関係団体も含めた効果的な周知・広報の対応について、引き続き検討してまいります。

78    

・相続人が複数存在し、その一部に行方不明者がいる場合、所在等不明共有者の持分取得制度を利用するなどして行方不明者の持分を取得することにより、共有者全員(所在等判明者全員)が共同して申請することにより、本制度を利用できることを広報してほしい。

・本意見照会の対象外ではありますが、本制度を国民の皆様に広く理解・活用していただけるよう、所在等不明共有者の持分取得制度を併せて利用できることも含め、効果的な周知・広報の対応について、引き続き検討してまいります。

80    

・相続放棄の方法がある以上、負担金を高くしたり、要件を厳しくしても意味がなく、かえって長期間にわたり不動産の効率的な利用を阻害したり、登記懈怠や事実上の所有権放棄の事例を生み出すおそれがある。不動産の国庫帰属へのハードルを低くしつつ、国庫に帰属した不動産に関する情報を公開し、それら不動産を集約して再開発することについて民間企業が提案、参画できる制度をつくることにより、新規ビジネスの創設や土地の効率利用を促すことができる。

・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、今後の運用の参考とさせていただきます。

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・申請された物件を民間の希望者が取得できるよう情報公開の仕組みを整備するべきである。

・本意見照会の対象外ではありますが、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。

22021209追記

月刊 登記情報

2022年12月1日号(733号)

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令の解説

法務省民事局付 森下宏輝
法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗
法務省民事局民事第二課法務専門官 手塚久美子
法務省民事局民事第二課法務専門官 河瀬貴之
法務省民事局民事第二課不動産登記第三係長 清水玖美

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