嵐田志保「司法書士による民事信託支援業務の実際―成年後見制度・遺言と併用検討―」
日本司法書士会連合会民事信託支援業務推進委員会委員
月報司法書士の記事[1]を読みました。各事例の紹介があって、「こんな利用方法もあるんだ。」と感じました。
・自動車事故で意識不明になり成年後見制度を利用したが、意識が戻ったので後見開始の審判が取り消され、民事信託の利用に切り替えた。
・金銭を追加信託する旨の確認書を作成した。
・民事信託の受託者を、委託者の親族と交流のある、委託者が経営する会社の後継者にした。
松井秀樹「シンガポールにおける信託を利用した障害者等への財産管理サービス」
日本司法書士会連合会後見制度対策部利用促進WT部委員
同じ月報司法書士の記事です。シンガポールの信託会社SNTCへの視察の報告です。
https://www.sntc.org.sg/Pages/sntc_about.aspx?MainMenu=What%20Drives%20Us
・公的受託者がお金を管理して、直接サービスパロバイダーにお金が流れるので、SNTCにお金が通ることはない(委託者や受益者に、財産管理状況を報告する)。
・信託の運用開始したものは20件程度(2008年設立)。
公的受託者とは誰なんだろう、サービスプロバイダーは何をするんだろう、と感じました。
後見制度支援信託と少し似ている気がします。
記事でも触れられていますが、健康保険、介護保険、年金など社会保障費が増加している現在の日本で、政府が80~90%の補助をするスペシャルニーズトラストは、当事者の声が多くないと厳しいのかなと感じます。
[1] 日本司法書士会連合会2020.7 №581 P42~