信託終了に伴い、受託者が帰属権利者として 残余財産を取得する場合の登記

令和 2 年 9 月 1 日民事信託推進センターテーマ別実務研究会「民事信託登記」 ~信託終了に伴い、受託者が帰属権利者として 残余財産を取得する場合の登記についての考察 

東京司法書士会実務研修(研究?)会と東京法務局は、定期的に照会・回答や意見交換を行っていると教えてもらいました。沖縄県でもあるのですが、東京法務局だと、法務省民事局と直接繋がりやすい、通達になりやすいとかあるんだろうか?などと考えていました。

参考文献等 

横山 横山亘著「信託に関する登記(第二版)」(テイハン 2013) 

藤原 藤原勇喜著「信託登記の理論と実務(第三版)」(民事法研究会 2014)

実務研究会 信託登記実務研究会編著「第三版 信託登記の実務」(日本加除出版 2016)

 寺本 寺本昌広著「逐条解説 新しい信託法」(商事法務 2007) 

条解 道垣内弘人編著「条解信託法」(弘文堂 2017) 

登記記録例 不動産登記記録例の改正について (平成 28 年 6 月 8 日法務省民二第 386 号民事局長通達)

【事例1】東京法務局と協議された不統一な登記事務取扱事例 

1.甲・乙共有名義の建物につき、甲持分について次の信託の登記 委託者 甲 受託者 乙(甲の子) 受益者 甲 信託の終了事由 甲の死亡 帰属権利者 乙 

2.甲の死亡により信託が終了 

3.以下のとおり登記申請(事前相談済み) 登記の目的 受託者乙持分全部移転及び信託登記抹消 登記の原因 平成30年●月●日 信託財産引継 (信託登記抹消の原因 信託財産引継) 権利者兼義務者 乙 登録免許税 登録免許税法7条2項を適用し、1000 分の 4 

4.登記官より次の指摘 A.同一人への所有権移転登記はできないため、登記の目的は『受託者の固有財産とな った旨の登記』となる。 B.登録免許税につき、『受託者の固有財産となった旨の登記』には登録免許税法第7条 第2項の適用がないので、登録免許税の税率は 1000 分の 20 となる。 

5.次のとおり登記完了 a.登記の目的は「受託者の固有財産となった旨の登記」に補正した。 b.登録免許税は、登録免許税法7条2項を適用し、税率は 1000 分の 4 とした。

[協議内容] 

1.登記の目的について(㋑または㋺いずれによるべきか。)

 ㋑ 「信託財産引継」を原因として『受託者の固有財産となった旨の登記』として申請 する。 

㋺ 「信託財産引継」を原因として『所有権移転』登記として申請する。 

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ロが相応しいと思いました。信託設定の際の登記の目的が所有権移転だからです。

2.登記申請人について(㋩または㋥いずれの者によるべきか。)

 ㋩ 上記㋑㋺のいずれの方法による場合でも、登記申請人は「登記権利者 兼 義務者 乙」 である。 

㋥ 上記㋑の方法による場合は、不動産登記法第104条の2第2項を根拠として、受 益者甲の死亡を基因として信託が終了する場合にはその受益者甲の相続人全員が登 記義務者となる。 

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ハだと考えました。

ニの「受益者甲の相続人全員が登記義務者となる。」という場合は、第2受益者、第3受益者、第4受益者と、残余財産の帰属権利者(残余財産の受益者)を特定できない場合に限られると思います。信託契約書やその変更証明書で手当ては可能だと思います。

(参考:日本司法書士会連合会編「条解不動産登記法」P633~P635)

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3.登録免許税について 上記㋑の方法による場合でも、登録免許税法7条2項の要件を充たす場合は、その税率 は 4/1000 であるか。

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登録免許税法7条2項の要件の1つは、委託者の相続人なので、イ、ロの登記の目的、登記原因及びその日付に縛られないと考えます。

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 4.登記記録及び登記識別情報の通知の有無について

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登記識別情報通知書に関しては、通知がないと後続登記に影響が出て、厳しいんじゃないかなと感じました。

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 5.共有名義と単独所有の相違点について 上記1~4について、本件のように甲乙の共有名義である場合と甲単独所有の不動産で ある場合とで違いはあるか。 

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違いがあるとちょっと困るかなと感じました。

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[東京法務局の回答] 

信託登記については、先例等がいまだ少ない状況であり、本事例と同種の事例について も、現在法務省民事局に照会中であり取扱いが確立していないことから、現時点での回答 は差し控えたい。

 [検討] ※[事例1]において、甲単独所有だった場合を考える。

 1.登記の目的について 本登記の目的について、次のいずれの目的にするべきか法務局によって見解が異なる。

 ㋐ 所有権移転及び信託登記抹消

 ㋑ 受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記抹消 

➢ 報告事例①(山﨑芳乃司法書士「登記情報 686 号 43 頁」) 信託条項どおりに解釈すれば、受託者が帰属権利者となったのですから『信託財産引 継』が登記原因とも考えられます。私が事前相談した法務局では、同一人物であっても、 立場が異なるので、『所有権移転』とし、権利者兼義務者として実質単独申請となりまし た。 

➢ 報告事例② ある法務局からは、登記記録例に「信託財産引継」を原因とする受託者の固有財産と なった旨の登記記録例がないため、「信託財産引継」を原因とする場合には、登記の目的 を所有権移転として申請しなければ受理できないとの回答を得たとも聞き及んでいる。 

➢ 「自己信託」について 委託者自身が受託者となり、委託者が自己の有する一定の財産の管理・処分を自ら(受 託者として)すべき旨の意思表示を書面等によりする方法である(信託法3③)。そのた め、当該信託の対象となる権利は、自己信託がされても、受託者(同一人)の属するも のである点は変わらず、権利の移転は伴わないが、受託者の固有財産から信託財産に属 することとなる点で、権利の「変更」に該当し、当該権利が信託財産となった旨の権利 の変更の登記をすることとされた(平成 19 年 9 月 28 日法務省民二第 2048 号民事局長 通達第二5(1))。 

➢ 寺本 380 頁 信託財産は受託者の所有に属するものであり、信託財産と固有財産との区別は、こ の点を踏まえた上で信託財産に関する対内的・対外的法律関係を規律するために設け られている区別であるにすぎない。

2.登記の原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう)について 本登記の原因について、次のいずれの原因となるのか法務局によって見解が異なる。

 ㋐ 委付

 ㋑ 信託財産引継 ➢ 旧信託法22Ⅰ 受託者ハ何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス信託財産ヲ固有財産ト為シ又ハ之ニ付権利ヲ 取得スルコトヲ得ス但シ已ムコトヲ得サル事由アル場合ニ於テ裁判所ノ許可ヲ受ケ信託 財産ヲ固有財産ト為スハ此ノ限ニ在ラス

 ➢ 「委付」について(登記研究 624 号 126 頁) 「委付」とは,自己の所有物又は権利を相手方に交付し,自己と相手方との間の法律関 係を消滅させるとの意味であり,昭和 50 年法律第 94 号による改正前の商法 691 条1項に おいて,船舶所有者は海産を債権者に「委付」して責任を免れることができることを規定 していたことから,受託者の固有財産とした場合にも,「委付」という登記原因が用いられ るようになった 。

 ➢ 「委付」の3つの説(横山 584-587 頁)

 第1説 受託者が権限に基づき、信託財産に属する財産を売却する場合で、その売却 が困難なときに、委託者が受託者から融資を受ける見返りとして、金銭債務の 返済に代えて、委託者の一方的な意思表示で受託者の固有財産とすることによ って、委託者が免責されるものとして、あらかじめ当事者間でその旨の契約を 締結しておく必要があり(委付条項)、裁判所の許可を要件として認めされる特 殊な事例(旧信託法22Ⅰただし書)

 第2説 委付条項がない場合であっても、受託者が支出した費用等の支払いを信託財 産で行ったときや、委託者が受託者に報酬を支払うべき場合に、委託者が支払 いをできず、信託財産そのものを与えること

 第3説 信託財産が、受託者の固有財産となるすべての場合

 本事例の検討:各説の固有の財産となった旨の登記及び信託抹消の原因

 第1説 年月日信託財産引継 ⇐横山氏※

 第2説 年月日信託財産引継

 第3説 年月日委付 ⇐登記記録例 No.564

 ※ 委付とは、本来、委付条項に基づき委付行為を行った場合に用いられるべき用語 であり(第1説)、それ以外の原因により信託財産が受託者に帰属するのであれば、 『信託財産の処分』、『信託財産の引継』等の原因を用いることが相当である。

【事例2】 委託者 甲 受託者 乙(甲の子) 受益者 甲 信託の終了事由 甲の死亡 残余財産の帰属 ①A土地は丙(甲の子)に ②B土地は乙(甲の子)に帰属させる

 ①登記申請(帰属権利者≠受託者) A土地につき、甲の死亡を基因として信託が終了し、丙に帰属された場合

 登記の目的 所有権移転及び信託登記抹消

 登記の原因 所有権移転 年月日信託財産引継 

信託登記抹消 信託財産引継

 ②登記申請(帰属権利者=受託者)

 B土地につき、甲の死亡を基因として信託が終了し、乙に帰属された場合 

登記の目的 受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記抹消

登記の原因 変更の登記 年月日信託財産引継(委付?) 

信託登記抹消 信託財産引継 (委付?)

 3.登記原因の日付(登記原因である法律行為又はその他の法律事実の発生した日)につ いて

 信託の終了事由が生じたことによる残余財産の帰属主体への権利移転時期については、 学説上争いがあるが、新法では、この点については特段の規定を設けず、解釈に委ねるこ ととしている(寺本 380 頁注1)。

 ㋐ 対象財産の特定 信託終了日 ㋑ 対象財産の特定+清算受託者の意思表示(受託者の行為) 信託財産の引継日 ⇐横山氏、

藤原氏 ➢ 信託法177条 信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務 を行う。 ① 現務の結了 ② 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 ③ 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済 ④ 残余財産の給付  ➢ 信託法181条 清算受託者は、第 177 条第2号及び第3号の債務を弁済した後でなければ、信託財 産に属する財産を次条第2項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場 合は、この限りでない。

 ➢ 裁判例 ①知的財産高等裁判所平成 24 年 2 月 14 日判決 信託の解除の事例だが、信託終了事由が発生したので(信託財産は著作権)、その時 点で当然に権利が帰属権利者に移転し、受託者の信託財産管理の権限も消滅すると判 断した。

 ②名古屋高等裁判所金沢支部平成 21 年 7 月 22 日判決 残余財産の帰属すべき者に対して帰属すべき残余財産が特定されれば、その時点で 即時に、残余財産の帰属すべき者に対して権利移転が生じるものと判示した。

 ➢ 福田修平司法書士「≪土地の調査で知っておきたい≫不動産登記簿(登記事項証明書) 等の読み方のキホン」税務QA2020 年6月号 36 頁 信託終了原因が発生した日

 ➢ 条解 802 頁 いずれの立場にあっても、所有権等の権利移転が生じるには目的財産の特定が必要 である。そして、残余財産は、信託債権等(に係る債務)の弁済の後でなければ具体 的な内容が確定しないのが原則であり、たとえ信託行為において特定の財産が指定さ れていても、清算段階においてその売却が必要となることもあるため、181 条の要件を 勘案し残余財産として給付すべき財産として具体的に特定することが必要であると考 えられる。その特定においては、清算受託者の行為が必要と考えられ、それは、対外 的な意思表示である必要はなく、内部的な処理で足りると解される。 

➢ 横山 564 頁 信託の終了事由の発生日と、信託財産の引継日及び信託の終了日は、別の法律行為 に基づくものであり、これらが同一日行われるとは限らない。 

➢ 藤原 513 頁、横山 564 頁 所有権の移転及び信託の抹消においては、信託の終了事由及びその年月日、信託財 産の引継ぎ年月日及び帰属権利者等が信託行為において指定されたものであるときは その旨を記載した書面(報告形式の登記原因証明情報)を提出する必要がある。 

 4.登記義務者について 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合に おける権利の変更の登記については、「受託者」を登記権利者とし、「受益者」を登記義務 者とするとされている(不登法 104 の2Ⅱ前段)。本登記の登記義務者については次の二通 りの考え方がある。 なお、信託の登記の抹消そのものは、受託者単独申請である(不登法 104Ⅱ)。 ㋐ 受益者甲の相続人全員 ㋑ 帰属権利者 乙

 ➢ 報告事例③(谷口毅司法書士 当センタ-令和元年度実務入門講座「補足資料」5頁) 帰属権利者等と清算受託者が同一人なので、登記権利者と登記義務者が同一として手 続を進めてよいと私見では考えているが、不動産登記法第 104 条の2第2項を根拠に、 受益者(受益者の死亡を基因として信託が終了する場合にはその相続人全員)を登記義 務者とする法務局も存在する。

 ➢ 売主死亡の場合の売買登記の登記義務者 売買登記未了のまま売主が死亡した後、買主が売主の共同相続人と共に所有権移転登記 を申請するには、売主の共同相続人全員が登記義務者となるべきである(昭和 27 年 8 月 23 日民事甲第 74 号民事局長回答)。 ➢ 受益者としての権利権能 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなされ(信託法 183Ⅵ)、受益者としての権 利・権能を有する。

 Cf. 自己信託の方法によってされる信託の登記の申請に当たっては、申請人が申請権限を 有する者であること(登記名義人であること)を担保するため、登記識別情報を提供し なければならない(不登令 8Ⅰ⑧)。 登記の目的 登記識別情報の提供 (不登法 22) 登記識別情報の通知 (不登法 21) 自己信託 〇 (不登令 8Ⅰ⑧) 〇 所有権移転 (権利者兼義務者 甲) 〇 〇 受託者の固有財産 となった旨の登記 × (不登法 102 の 2Ⅱ後段) × 8 

5.登録免許税について 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合の 登録免許税は次のいずれとなるのか。 ㋐ 変更の登記 不動産1個につき 1,000 円(登録免許税法別表第 1,1,(14)) ㋑ 所有権移転の登記(登録免許税法7条2項は適用外) 不動産の価額の 1000 分の 20(登録免許税法別表第 1,1,(2)ハ) ㋒ 所有権移転の登記 登録免許税法7条2項の要件を充たす場合 不動産の価額の 1000 分の4(登録免許税法別表第 1,1,(2)イ)

 ➢ 昭和 41 年 12 月 13 日民事甲第 3513 民事局長電報回答 ここにいわゆる所有権の変更の登記とは、受託者名義になされた信託による所有権移転 の登記を、委付を原因とする通常の所有権移転の登記に変更する登記である。すなわち、 本件の事例では、委付によって委託者の潜在的所有権が受託者に移転し、信託による所有 権の移転が通常の所有権の移転に変更することによって信託が終了することになるのであ るから、このような所有権の変更の登記をすべきものとされているのであって、その実質 は不動産登記法第 56 条第1項の規定による権利の変更の登記ではなく、所有権移転の登記 である。しかもその所有権の移転は、委付によって委託者がまぬがれた債務と対価関係に たつのであり、無償名義による移転ではない。したがって、登録税法第2条第1項第3号 の規定を適用し、不動産価格の千分の 50(現在の 20)の税率による登録税を徴収すべきも とされたのである。

 ➢ 登録免許税法7条2項 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合(要件1)であつて、かつ、当該信託の 効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合(要件2) において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者 が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立 された法人)であるとき(要件3)は、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相 続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併) による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。 

Cf. 事例2 ➢ 平成 30 年 12 月 18 日名古屋国税局審理課長回答「信託の終了に伴い、受託者兼残余財 産帰属権利者が受ける所有権の移転登記に係る登録免許税法第 7 条第 2 項の適用関係 について」 

登記記録及び登記識別情報の通知について 受託者の固有の財産となった旨の登記における受託者が 1 人の場合においては、信託法 等の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(平成 19 年 9 月 28 日法務省民二第 2048 号民事局長通達)の第3登記の記録例 22 において「原因 年月日委付、所有者 何市何町 何番地 乙某」と記録されることとなっているが、登記記録例 No.564 においては、「所有 者 何市何町何番地 乙某」の記録がない。 なお、受託者が複数の場合には、前記平成 19 年通達の記録例 23 及び登記記録例 No.565 ともに、「共有者住所氏名 持分」を記載することとなる。

 ➢ 平成 19 年 9 月 28 日法務省民二第 2048 号民事局長通達の第3登記の記録例 22 ➢ 登記記録例 No.564 (注1)所有者名は記録すべきと考える(実務研究会 436 頁(注4))。

➢ 平成 30 年 12 月 18 日民二第 759 号民事局民事第二課長回答 複数の委託者のうちの一部の者を受託者とする信託の登記については、自己信託(信 託法第3条第3号)には直ちに該当せず、信託契約(同条第1号)によるものとして、 共有者全員持分全部移転及び信託の登記の方法により登記をすることが相当である。 この「信託行為全体を一体とみなして判断すべきであり、信託行為の一部のみを切り 出して個別に判断することは相当ではない」との考えは、信託設定時のみならず、信託 終了後に帰属権利者等へ残余財産を引き継ぐ場合についても同様であると考えられる。 

2 受託者持分の特定について 乙は、順位3番で固有財産として持分9分の4[A]を、順位4番で信託財産として受 託者持分3分の1[B]を取得している。本件受託者持分移転の「登記の目的」について は次の3通りが考えられる。 ㋒ 乙持分一部(順位4番で登記した持分)移転 及び 4番信託登記抹消 (登記記録例 No.211 参照) ㋓ 受託者乙持分3分の1(順位4番で登記した持分)移転 及び 4番信託登記抹消 (登記記録例 No.553 参照) ㋔ 受託者乙持分全部移転 及び 4番信託登記抹消 上記㋓㋔の方が受託者持分の移転である旨がより明確ではあるが、「受託者の固有財産と なった旨の登記」等の権利の変更の登記等の登記の目的の記録例であるため、移転登記に おいては「受託者乙持分3分の1」「受託者乙持分全部移転」と記録することはできないと も思われる。

登記記録例によると、自己の固有財産である持分[A]と信託財産である受 託者持分[B]をあわせた 乙の持分の一部が移転する旨、つまり上記㋒のとおりに記載し て登記申請しなければならないと考えるが・・・ 

 ※上記のいずれも登録免許税法7条2項の要件を充たす場合は、その税率は 4/1000 

※統一見解が出ていないため、各法務局によって対応は異なる。

以下チャットです。

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信託不動産を売買契約後、決済前に委託者兼受益者が死亡した場合、受託者は清算受託者として登記義務を果たし、」決済できるとの考えた方でよろしいでしょうか?

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経験ないですが、売買契約していたら、決済できるんじゃと思います。

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私は、何故当初受益者の相続人全員が出てくるのか講義を聴いても分かりませんでした。

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受益者(帰属権利者)が登記義務者でも、信託を終了されることについて不利益ともいえるので、義務者であることに問題はないのかなと感じます。

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信託行為で、委託者の地位について定める、信託の終了日(所有権移転の日)を特定可能に設定する、残余財産の帰属権利者を信託終了の日に特定出来るようにしておけば、受益者の相続人全員、委託者の相続人全員という問題は、出てこないのではないかと思います。間違っているかもしれませんが。