財務省 マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議 令和3年8月19日開催
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/aml_cft_policy/index.html
・マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画(令和3年8月30日)
P2、4.法人、信託の悪用防止
(1) 法人・信託の悪用防止
法人及び信託がマネロン・テロ資金供与に悪用されることを防ぐため、法人及び信託に関する適切なリスク評価を実施し、リスクの理解を向上させる。
期限・令和 4 年春 担当府庁等 法務省、警察庁
(2) 実質的支配者情報の透明性向上
・全ての特定事業者が、期限を設定して、既存顧客の実質的支配者情報を確認するなど、実質的支配者に関する情報源を強化する。
期限・令和 6 年春 担当府庁等 法務省、警察庁、特定事業者、所管行政庁
・株式会社の申出により、商業登記所が実質的支配者情報を保管し、その旨を証明する制度を今年度中に開始するとともに、実質的支配者情報を一元的に管理する仕組みの構築に向け、関係省庁が連携して利用の促進等の取組みを進める。
期限・令和 4 年秋 担当府庁等 法務省、警察庁、特定事業者、所管行政庁
実質的支配者リストについて
実質的支配者リスト制度の創設(令和4年1月31日運用開始)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00116.html
(3) 民事信託・外国信託に関する実質的支配者情報の利用・正確性確保
信託会社に設定・管理されていない民事信託及び外国信託に関する実質的支配者情報を利用可能とし、その正確性を確保するための方策を検討し、実施する。
期限・令和 4 年秋 担当府庁等 法務省、その他関係省庁
実質的支配者リストの対象法人は、株式会社(特例有限会社を含む。)となっています。民事信託における実質的支配者とは誰なのでしょうか。対策を読む限り、信託会社に設定管理されていない、とあるので一般社団法人が受託者の場合の民事信託について、受益者が一般社団法人の場合で指図権を持っている場合、などが思い浮かびましたが、実質的に信託を支配する者の判断は、信託行為により変わり得るのかなと思います。
(4) 法人・信託に関するガイダンス作成
都道府県警や国税庁等の法執行機関向けに、法人及び信託の実質的支配者情報に適時にアクセスするためのガイダンスを作成する。
期限・令和 4 年秋 担当府庁等 警察庁、財務省及びその他関係省庁
FATF(金融活動作業部会)対日相互審査報告書令和3年8月30日財務省
概要部分の日本語版
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/convention/fatf/fatfhoudou_20210830_1.html
P3
日本は、リスクのある非営利団体(以下、NPO 等)についての理解が十分ではなく、そのため、NPO 等の テロ資金供与対策のための予防的措置を強化するために、当局がターゲットを絞ったアウトリーチを行うことができない。このため、日本の NPO 等は、知らず知らずのうちに、テロ資金供与の活動に巻き込まれる危険性がある。
P8 大規模銀行(より高いリスクを有するとされている GSIB 等)を含む一定数の金融機関及び資金移動業者は、マネロン・テロ資金供与リスクについて適切な理解を有している。その他の金融機関は、自らのマネロン・テロ資金供与リスクの理解がまだ限定的である。一定数の金融機関は、自らのリスク評価を開始しているが、その他の金融機関はリスクに基づいた低減措置を適用していない。これらの金融機関は、継続的顧客管理、取引モニタリング、実質的支配者の確認・検証等の、最近導入・変更された義務について、十分な理解を有していない。
P10
日本は、法人が悪用される可能性についてある程度理解しているが、この理解は深度を欠いており、様々な種類の法人に関連する脆弱性についての十分な理解が示されていない。法的取極めの悪用に関連するリスクについての理解はない。法執行機関の間では、捜査に役立つ基本情報や実質的支配者情報の情報源について、ある程度の理解が不足しているようである。
司法書士として
駿河台法学第34巻2号 司法書士による民事信託(設定)支援業務の法的根拠論について : (続)民事信託業務の覚書 : 「民事信託」実務の諸問題⑸