令和3年度業務研修会(企業法務分野)「株式管理の問題点と実務対応」ノート

日本司法書士会連合会 司法書士中央研修所

令和3年11 月20 日(土)

■第1講 「株式管理の問題点」

■第2講 「株式管理の実務対応」

第1講「株式管理の問題点」尾方 宏行司法書士

第1 総論1. 株式管理の問題点

・自益権(経済的利益を受ける権利)・共益権(経営に関与し、あるいは会社の経営を監督・是正する権利)・単独株主権・少数株主権(田中亘『会社法〔第3版〕』64頁、東京大学出版会、2021年。)。

・株式会社には株主名簿の作成が義務付け(会社法121条1項)。

・平成28年10月1日から、商業登記の添付書面として、「株主リスト」の提出が必要(商業登記規則61条2項・3項)。「株主リスト」の提出に際し、依頼者の株主名簿を確認。

(1) 経営者の認識

・専門家のアドバイス不足。・株主名簿の作成義務を経営者に案内する専門家。

・設立段階で関与する専門家としては、司法書士や税理士。

・設立後も商業登記手続において「株主リスト」の内容について確認するときは、株主名簿の作成について適宜案内し、株式管理の法令上の規定についても案内。

・ 法令遵守に対する認識の低さ

中小企業においては「同族企業などで仲がよい間は事なくすんでいるが、いったん仲違いが起こると、法律の不遵守を喧嘩の道具に使う。判例にはこういう事件が多い。裁判に持ち出された以上、法律に従って判断しなければならず、実態に合わせるにも限度がある。」との指摘(龍田節=前田雅弘『会社法大要[第2版]』18頁脚注1、有斐閣、2017年。)。

・ 取引が発生しないと重要性を認識しない

事業承継、M&A、IPO(株式公開)等の取引に際し、取引の相手方から法務デューデリジェンスを受けることがある。その時になって初めて経営者が株式管理の重要性を認識することも有り。取引が成立しないこともある。

(2) 株式管理が困難になっている事情

・経営者が認識しているにも関わらず、適切な株式管理が困難になっている場合。

・名義株、株券の交付のない株式譲渡、所在不明株主、不適法な自己株取得、相続手続。

1 株式が分散してしまい適切な株式管理を半ば諦めている。

税務対策で親族に株式を保有させている場合、名義株がある場合、株主に相続が度々発生している場合、経営参画意識を持たせるため役職員に株式を保有させている場合、取引先との関係強化のために政策的に株式を保有させている場合。

2 株主の判断能力に疑義がある

・大株主の判断能力に疑義がある場合

事後対応としての、成年後見人による議決権代理行使の限界の問題(大株主の場合)、事前対策としての、任意代理契約、任意後見制度、家族信託、種類株式、株主ごとに異なる取扱いの活用、株主間契約が考えられるとの見解(後藤孝典ほか『中小企業における株式管理の実務』93頁、日本加除出版、2015年)。

・M&A 取引の際の解決策として、表明保証・特別補償による対応、登記されていないことの証明書の取得、自署を求める、当該株主の家族からの確認書の取得といった措置の組み合わせによる対応があるとの見解(柴田堅太郎『中小企業買収の法務』57頁、中央経済社、2019年。)。

3 会社側は株主の清算、破産などを認識しているが、株主名簿の名義書換がなされていない

・社歴のある会社。調査の結果、株主の関係者と連絡できる場合は関係者と協議。当時の状況を知る者や株式の移動に係る証拠書類が残っていれば、状況に応じた対応を実施。状況がつかめない場合、所在不明株主としての対応を行うことを検討。

2. 株式管理の必要性

(1) 経営の安定

・ 適法な株主総会の開催

株主総会の決議が適法に行われていない場合は、株主総会決議の不存在又は無効(会社法830条)や株主総会等の決議取消し(会社法831条)の訴えを起こされる可能性。役員の選解任や役員報酬の額を決定。定款変更や増減資など。

・招集手続き、定足数要件を満たしているか。・ 適法な議決権行使。

・株主総会において株主の議決権行使が適法に行われていない場合にも、株主総会決議の不存在又は無効(会社法830条)や株主総会等の決議取消し(会社法831条)の可能性。

・遺産分割未了の共有に属する株式について適法な株式の権利行使者の指定を欠いたまま、民法の共有に関する規程に従ったものでない議決権の行使は適法ではないとして、株主総会決議取消が認められた事例(最高裁平成27年2月19日第一小法廷判決(事件番号:最高裁判所平成25年(受)第650号・株主総会決議取消請求事件。)。

・株券の交付のない無効な株式譲渡が過去に行われていたようなときに、株券の再交付をして株式譲渡をやり直すことでこの問題を解消した場合、この解消の効果は遡及しないことから、当該無効な譲渡から解消までの間に行われた株主総会決議の有効性や法律上の株主の権利が害されていないかなどの法律関係の検討が必要となるといった見解(長島・大野・常松法律事務所『M&A を成功に導く法務デューデリジェンスの実務〔第3版〕』154頁、中央経済社、2014年6。)。

・名義株に関する判例(最判昭和42年11月17日民集21巻9号2448頁)では形式上の名義に関わらず、実質的な出資者(引受人)が株主。

・会社法では、株主名簿に記載された株主が権利を行使できる株主(会社法124条1項・130条)。

・事業承継・M&A・IPO

・法務デューデリジェンスを受ける際、真の株主が誰であるか、隠れた株主が存在するリスクの有無や程度を把握しておかなければ、株式取得後に紛争となり、株式取得者は損害を被る(【法務デューデリジェンスの目的】柴田堅太郎『中小企業買収の法務』16頁、中央経済社、2019年。)

・対象会社にM&A 取引実行の障害となる法的な問題点はないか。

・対象会社の価値に影響を与える法的な問題点はないか。

・当該M&A 取引において必要となる手続きはないか。

・その他買主として把握しておくべき対象会社の法的な問題点はないか。

また、IPO を予定している株式会社においても、適切な株式管理が強く求められます。株式に関する調査は極めて重要(佐藤義幸『法務デューデリジェンスチェックリスト-万全のIPO 準備とM&A のために-』23頁、masterpeace、2016年。)。

(4) 少数株主の権利行使リスク

経営陣の利益相反取引等を理由として、株主代表訴訟(会社法847条)、株主総会決議不存在確認訴訟・取消訴訟(会社法830条・831条)、株主総会招集請求(会社法297条)、株主総会における多数の質問権の行使(会社法314条)、会計帳簿の閲覧謄写請求(会社法433条)など、様々な株主権を行使されるリスクが存在。

第2 名義株主

1. 名義株の問題点

(1) 名義株の概要

名義株とは、一般的に、出資者が自己の名義ではなく承諾を得て他人名義としていた株式(加藤真朗『弁護士・公認会計士の視点と実務 中小企業のM&A』270頁、日本加除出版、2018年。)。平成2年改正前旧商法では、株式会社の設立に当たり7名以上の発起人が必要とされていた(後藤孝典ほか『中小企業における株式管理の実務』34頁、日本加除出版、2015年。)。

・ 相続の際、名義借人である被相続人の相続財産の把握が困難になり相続財産の承

継が適正に行われない可能性。

・事業承継、M&A 等による株式の売却、会社の清算における残余財産の分配及び組

織再編等。

・名義株が同族会社の判定にまで影響する場合は同族会社の留保金課税、グループ法人税制、組織再編における適格・非適格の判定などの税務上。・自称株主から、突然株主の権利が主張され、実質的な株主との間で紛争となる可能性。・将来的にM&A 等を行おうとした場合、名義株主が真の株主であることを主張して譲渡拒否、対価を要求する等、様々な問題が生じ得る。・名義株の真の株主。

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2016/161205shoukei1.pdf

最判昭和42年11月17日民集21巻9号2448頁。

名義株の真の株主について、判例では、「他人の承諾を得てその名義を用い株式を引き受けた場合においては、名義人すなわち名義貸与者ではなく、実質上の引受人す

なわち名義借用者がその株主となるものと解するのが相当である」と解しています。

また、裁判例では、名義株主か否かは、次のような状況を考慮し、判断。

・株式取得資金の拠出者・名義貸与者と名義借用者との関係及びその間の合意内容

・株式取得(名義変更)の目的・取得後の利益配当金や新株等の帰属状況

・名義貸与者及び名義借用者と会社との関係・名義借りの理由の合理性

・株主総会における議決権の取扱い及び行使の状況・名義株の議決権行使者

・会社法では、株主名簿に記載又は記録が会社に対する対抗要件(会社法130条)。

・会社が株主に対して通知などするときは、株主名簿に記載又は記録されている株主の住所に宛てて発すれば足りる(会社法126条)、(後藤孝典ほか『中小企業における株式管理の実務』42頁、日本加除出版、2015年、田中亘『会社法〔第3版〕』108頁、東京大学出版会、2021年。)。

2. 名義株の実務対応

・合意による名義株の解消

株式の譲渡承認請求、譲渡承認手続、株主名簿の書換請求を株式会社に対して実施。

・真の株主が名義借主であると双方の当事者が認めている場合、この名義株の解消が、株式の譲渡と言えるのかどうか若干の疑義。株主名簿の名義書換を行うため、譲渡承認手続を実施した方が無難(後藤孝典ほか『中小企業における株式管理の実務』46頁、日本加除出版、2015年。)。

判例・・・原始株主の株主名簿記載請求権(他人の承諾を得て他人名義で株式の引受けの申込みがされた場合)については、会社法133条ではなく、会社法132条1項の規定により、株式会社に対して単独で株主名簿記載事項を株主名簿に記載することを請求することができると判断(東京高判令和元年11月20日金判1584号26頁。)。

・名義書換の対価(いわゆるハンコ代)を求められる場合や、名義株主が真の株主であると主張される場合。対価を支払う旨を合意書に記載、自己が真の株主であると主張された場合、株式の売買契約と譲渡手続を行う。

・名義株主が真の株主であることを認めない場合・・・株主の実質性について、訴訟等で処理。

(2) 強制的な名義株の解消

・相続時売渡請求、株式併合、特別支配株主の株式等売渡請求による強制的な取得を検討。

(3) 名義株主が所在不明となっている場合

名義株は、名義貸与者側において、所在不明となっている場合・・・所在不明株主の実務対応を検討。

(4) 名義株の状態を継続させる場合

名義株の状況を継続せざるを得ない場合・・・合意書をとりかわし、名義株の状況であることを明らかにしておく。

第3 株券の交付のない株式譲渡

1. 株券の交付のない株式譲渡の問題点

株券発行会社(会社法117条7項)でありながら、株券を交付せずに株式譲渡を行っている場合。

(1) 法令改正

株券不発行制度が導入された平成16年改正商法以前は、全ての株式会社において、株式譲渡には株券の交付が必要とされていた(平成16年改正前商法)。会社法の施行に際し、会社法整備法により、会社法施行日(平成18年5月1日)時点で、株券を発行しない旨の定款の定めがある場合を除き、株券を発行する旨の定めがあるとみなされ(整備法76条4項)、会社法施行日に株券発行会社である旨の登記がなされた(整備法113条4項)。

会社法施行前に設立された中小企業では、株券不発行会社(株券発行会社(会社法117条7項)でも振替株式を発行している株式会社でもない株式会社を言います。以下同じです。)とする定款変更が行われないまま、会社法上の株券発行会社となっていること場合。

全株式譲渡制限会社においては、株主からの請求があるまでは、株式会社は株券を発行しないことが認められており(会社法215条4項)、株券発行会社であっても現実には株券が発行されていないケースが多くある。

(2) 株券の交付のない株式譲渡の法的効力

株券発行会社においては、株式譲渡に際し株券の交付が必要(会社法128条1項)。会社法に規定されているとおり、株券の交付はなく、権利移転の効力発生要件。株券の交付は、現実の引渡し(民法182条1項)、簡易の引渡(民法182条2項)、占有改定(民法183条)、指図による占有移転(民法184条)のいずれかの方法(山下友信『会社法コンメンタール3-株式(1)』311頁(前田雅弘)、商事法務、2013年。)。

・株券の交付のない株式譲渡が行われた後に株式譲渡が行われても、過去の株式譲渡の瑕疵が治癒されることはない。株券発行会社から株券不発行会社に定款の変更を行ったとしても、株券発行会社の時点で行われた株券の交付のない株式譲渡が有効となるわけではない。

・過去に株券の交付のない株式譲渡が行われている場合には、株主名簿に記載された株主が真の株主ではなく、株主名簿の記載と実際の株主とが相違(柴田堅太郎『中小企業買収の法務』60頁、中央経済社、2019年。)。

2. 株券の交付のない株式譲渡の実務対応

(1) 株券交付をやり直す

株券交付を欠いた過去の株式譲渡について株券交付をやり直す(過去の株式譲渡に関する株券交付手続きだけを実施する)方法。

現在株主とされている者に対して、物理的に株券を交付した後、本来の株主と現在株主とされている者との間で、本来の株主から現在株主とされている者に対して簡易の引渡しが行われたことについて確認する書面を締結する方法(山下友信『会社法コンメンタール3株式(1)』311頁(前田雅弘)、商事法務、2013年)。

株券の交付をやり直したからといって、株式譲渡の瑕疵が必ずしも遡及的かつ完全に治癒されるというわけではなく、あくまでとり得る措置として次善の対応策であることには留意が必要。

(2) 時効取得の検討

株主権を時効取得したとして整理することとし、株主権を主張する第三者が現れた際に、取得時効を援用するという考え方(柴田堅太郎『中小企業買収の法務』63頁、中央経済社、2019年。)。

(3) その他の対応(M&A 取引の場合の補償や、組織再編を利用したスキーム)

・売主である株主に対して特別の補償をあらかじめ契約内容として合意する方法。特別の補償を合意したとしても、株式の有効な取得を担保するものとはならない点には注意(【組織再編手続を利用した取引スキームの種類】(柴田堅太郎『中小企業買収の法務』65頁、中央経済社、2019年、加藤真朗『弁護士・公認会計士の視点と実務 中小企業のM&A』283頁、日本加除出版、2018年。)。

・新設分割により新設会社を設立したうえで、当該新設会社の株式を譲渡する方法

・吸収分割により、対象会社の事業に係る権利義務の全てを買主又はその組成する買収ビークルとしてのSPCに移転させる方法

・ 金銭を対価とし、買主を完全親会社、対象会社を完全子会社とする株式交換を実施して対象会社を完全子会社化する方法

・買主が買収ビークルとしてのSPCを組成した上で、金銭を対価とし、SPCを存続会社、対象会社を消滅会社とする吸収合併を実施する方法

第4 所在不明株主

1. 所在不明株主の問題点

(1) 所在不明株主の発生

・当初の株主から相続等が発生し、誰が株主(相続人)なのか不明となっている場合。

・株主の当初の住所・氏名については把握しているものの疎遠となって連絡がつかない場合。

・名義株主がいるが、疎遠となってしまって連絡がつかない場合。

・株式が分散してしまい、顔の見えない株主が多数存在しており、連絡がつかない場合。

・株主が清算や破産していることを把握しているが、株主名簿の書換がなされていない場合。

(2) 所在不明株主の問題点

・所在不明株主は株主総会に出席(委任状による出席を含め)しないため、株主総会の定足数を満たさず、株主総会が適法に成立しない可能性。

・株主全員の同意を必要とする場合(株主総会の招集通知の発送期間を短縮したい場合、発行済株式の一部を種類株式に変更する場合、定款で自己株取得の売り主追加請求権を排除したい場合等)に、所在不明株主の同意が得られないために、手続を実施できない。

・全株式譲渡型のM&A 取引の場合に、発行済株式の総数を買主が取得できない

ことから、M&A が成立しない可能性。

・IPO 準備段階で所在不明株主が存在することで、IPO審査で障害となる可能性がある。

2. 所在不明株主の実務対応

(1) 会社法による所在不明株主の実務対応

・ 株主に対する通知の省略(会社法126条1項)(会社法196条1項)

・不到達の継続

・通知・催告の懈怠

通知・催告の不到達期間中、会社は法定の通知・催告を全て発する(山下友信『会社法コンメンタール4株式(2)』235頁(山本為三郎)、商事法務、2009年。)。

単元未満株主の場合・・・(始関正光『Q&A 平成一四年改正商法』239頁、商事法務、2003年。)。

・株式分割、株式無償割当て、組織再編と不到達の継続

通知・催告が継続して不到達であるが未だ不到達継続期間が5年に達していない時点で、株式分割や株式無償割当てがなされた場合(所有株式数が増加する)にも、すでに不到達である期間を含めて当該株主に対する不到達が5年継続すれば所在不明株主として扱われる(山下友信『会社法コンメンタール4株式(2)』236頁(山本為三郎)、商事法務、2009年。)。また、不到達期間中に合併があった場合には、合併時まで消滅会社において不到達が継続していた株主について、合併後の存続会社で不到達が継続した場合には、その期間を通算することができる。

一方、不到達継続中に会社分割があり、分割会社の株主が吸収分割承継会社又は新設分割設立会社の株式の交付を受けた場合では、分割承継会社あるいは分割設立会社においてその株主を所在不明株主として扱う際、分割会社での不到達の期間を通算することができないと解されています(山下友信『会社法コンメンタール4株式(2)』237頁(山本為三郎)、商事法務、2009年。)。

・配当金の交付・受領と不到達の継続

配当金の交付自体は、通知・催告には該当しませんが、例えば現金書留で配当金を株主に送付したが到達しなかったような場合は、通知不到達に該当。また、通知・催告は5年以上継続して到達しないが配当金は受領されているような場合であっても、通知不到達に該当する(山下友信『会社法コンメンタール4株式(2)』238頁(山本為三郎)、商事法務、2009年。)。

・所在不明株主の株式の競売等(会社法197条1項、198条)。(会社法197条5項)。(会社法230条4項)。

会社が配当金を振込みの方法で支払っている場合で、所在不明株主の口座に配当金の振込みができている間は配当金の不受領とはならない。

競売に代わる売却の方法(会社法197条2項)。

・利害関係人の異議申述のための公告及び催告(会社法198条1項、会社法施行規則39条)。(会社法198条3項)、(会社法198条5項)。

・所在不明株主その他の利害関係人が一定の期間内(3 か月以上)に異議申述できる旨。

・所在不明株主の株式を競売又は売却する旨。

・ 所在不明株主の株主名簿上の氏名又は名称及び住所。

・対象株式の数(種類株式発行にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数)。

・対象株式につき株券が発行されているときは、当該株券の番号。

(イ) 株式会社による買取り

(会社法197条3項)、(会社法197条4項)、(会社法461条1項6号)。

(ウ) 所在不明株主の株式売却許可申立

・(会社法197条2項)、(会社法197条2項)。・管轄(会社法868条1項)。・申立人(会社法197条2項)。・申立手数料(民訴費法別表第1,16項)

・申立ての趣旨「別紙株式目録記載の株式を金●●●●円で任意売却することを許可する。」との裁判を求める。(株式目録 甲野太郎(株主)所有の株式会社●●●●の普通株式●●●●株)

・申立ての要件

会社法196条1項、会社法294条2項。

継続して5年間剰余金の配当を受領しなかったものであること(上記期間に配当をしていない事業年度が含まれる場合は、当該事業年度に配当をしていないこと)。(会社法197条2項前段)、(会社法198条1項)。株式を申立人(株式会社)が買い取る場合で、申立人が取締役会設置会社の場合には、取締役会で当該株式買取りの決議。

添付情報

申立人(株式会社)の登記事項証明書、取締役全員の当該許可の申立てに係る同意書(取締役が2人以上あるとき)、※申立書に記載された(代表)取締役以外の取締役全員の作成名義。・通知又は催告が5年継続して到達していないことを疎明する資料(通知書又は催告書及びその返戻封筒の写し)※1回目の不到達の通知等を起算点として継続して5年間通知等が到達しなかったことを疎明する必要があるため、6年分の株主総会招集通知及び返戻封筒等を添付。(東京地方裁判所商事研究会『類型別会社非訟』142頁、判例タイムズ社、2012年、東京地方裁判所商事研究会『類型別会社非訟』142頁、判例タイムズ社、2012年、東京地方裁判所商事研究会『類型別会社非訟』142頁、判例タイムズ社、2012年)、継続して5年間剰余金の配当を受領していないことを疎明する資料(剰余金配当送金通知書及びその返戻封筒の写し)※剰余金の配当を受領しなかった期間に剰余金の配当を行っていない事業年度が含まれる場合には、剰余金の配当を行わなかったことを明らかにする株主総会招集通知及び株主総会議事録の写しの提出が必要。

・売却する株式の全部又は一部を当該株式会社が買い取ることを決議した取締役会議事録(申立人(株式会社)が買い取る場合で、取締役会設置会社の場合。)。

・買受書(申立人(株式会社)以外の者が買い受ける場合)、会社法198条1項に係る公告(官報)、会社法198条1項に係る催告書。※催告書は、株主名簿に記載し又は記録した当該株主の住所に宛てて発したもの。催告書を住所などに宛てて発したことを疎明する資料(催告書の返戻封筒の写し)、株価鑑定書、株主名簿※公告及び返戻封筒各記載の氏名及び住所と株主名簿の記載事項が同一であるか否かを確認するために必要。登録株式質権者がいる場合には、その者に対する資料。

第5 自己株式の取得

1 会社法156条等。株主総会決議がないまま取得している場合。議決権が排除される株主が議決権を行使した場合、売り主追加請求に関する通知がない場合等、自己株式として取得し処理している場合。

・財源規制に違反して行われた自己株式の取得については、有効であるか無効であるかについて解釈上の争い。(東京高判平元・2・27判時1309号137頁41 )違法な自己株式取得・処分の効力については、「一筋縄ではゆかない複雑な問題が提起されており(宮島司・新会社法エッセンス(第4版補正版)154頁)、無効説、心裡留保説、相対的無効説及び有効説が対立(奥島孝康ほか『新基本法コンメンタール 会社法Ⅰ【第2版】』309頁、日本評論社、2016年)宮下央ほか『業種別 法務デュー・デリジェンス実務ハンドブック』42頁、中央経済社、2018年、江頭憲治郎=中村直人『論点体系会社法Ⅰ 総則 株式会社Ⅰ(設立・株式(1))』558頁、第一法規、2014年、大阪地判平成25年4月16日金判1434号50頁、大阪高判平成25年9月20日金判1434号56頁。」。

第6 相続

1. 相続による株式承継の問題点

(1) 株式会社の対応

・通知又は催告(会社法126条1項)、(会社法126条3項)、(会社法126条4項)。

・議決権行使者の確認(会社法130条1項)。相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』139頁、商事法務、2006年。

・実務対応としては、相続人であることの証明は必要とされていることから、相続人であることの証明を求める際に、株主名簿の名義書換手続もあわせて実施いただくことを求め、相続による株主名簿の名義書換を行った後に議決権行使いただく方法が望ましい。

(ア) 共有代表者を決定した場合

(会社法106条)。浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』76頁、商事法務、2021年、江頭憲治郎『株式会社法第8版』208頁、有斐閣、2021年、最判平成9年1月28日判例時報1599号139頁、最判平成11年12月14日判例時報1699号、浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』100頁、商事法務、2021年。)。

(イ) 共有代表者を定めていない場合(会社法106条)

最高裁平成27年2月19日判決では、会社法106条ただし書について、「共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において、当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、株式会社が同条ただし書の同意をしても、当該権利の行使は、適法とならない。共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなど、特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられる。」と判断(大阪高判平成20年11月28日判例時報2037号137頁、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』492頁、商事法務、2006年。)。

・配当金の支払い(会社法457条1項)。(浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』43頁、商事法務、2021年)、(会社法106条)、(会社法126条3項)。

(2) 株主の対応

・通知又は催告(会社法106条)(会社法126条3項)。

・決権行使者の確認(会社法106条)、高裁平成27年2月19日判決。

・当金の支払い・・・表者兼通知催告受領者を決定し、自身が共有代表者兼通知催告受領者とならない場合は、共有代表者兼通知催告受領者に対して通知を促す、あるいは契約を締結するなどの検討。

2. 相続による株式承継の実務対応

(1) 相続による株主名簿の書換(田道代『株式が相続された場合の法律関係』14頁、商事法務、2021年、浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』9頁、商事法務、2021年)、会社法133条1項、会社法施行規則22条1項4号、会社法施行規則22条2項1号、会社法133条2項、田道代『株式が相続された場合の法律関係』10頁、商事法務、2021年、浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』7頁、商事法務、2021年、始関正光『平成16年改正会社法の解説:電子公告制度・株券等不発行制度の導入〔Ⅲ〕』27頁、旬刊商事法務1708号、田道代『株式が相続された場合の法律関係』11頁、商事法務、2021年、浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』59頁、商事法務、2021年、日司連発第317号令和元年(2019年)6月21日『「株主名簿を整備しましょう」「定款を見直しましょう」のチラシの送付について(お知らせ)。

第2講「株式管理の実務対応」尾方 宏行司法書士

第1 株主名簿の管理

1. 株主名簿の記載事項(会社法121条、会社法976条7号)。

(1) 株主名簿の効力(会社法117条7項)(会社法130条1項、147条1項、154条の2第1項)。

・株券発行会社(会社法130条1項・2項、147条2項)、(会社法154条の2第4項)。(会社法126条1項)、(会社法126条2項)、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』266頁(前田雅弘)、商事法務、2013年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』494頁(森下哲朗)、商事法務、2013年。

(2) 株主名簿の備置(会社法125条1項)。

(3) 株主名簿の記載事項

(会社法121条1号)(会社法121条2号)(会社法121条3号)(会社法121条4号)(会社法148条1項1号)(会社法148条1項2号)、(会社法218条5項)、(会社法217条3項)、(会社法154条の2第2項)。

【※1】権利能力なき社団又は民法上の組合については、代表者個人の氏名によることなく、社団の名称又は組合の名称を記載。法人について、代表者名まで記載する必要はないが、上場会社では株式取扱規程に法人株主の代表者を届け出るように規定されていることもあり、非上場の会社でも代表者名を任意的に記載する例が多い。(上柳克郎ほか編『新版注釈会社法(3)株式(1)』52頁(米津昭子)、有斐閣、1999年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』267頁(森下哲朗)、商事法務、2013年、証券保管振替機構における株式等の振替に関する業務規定第31条1項3号により、法人株主による代表者の届出が行われることが当然の前提。始関正光『平成16年改正会社法の解説:電子公告制度・株券等不発行制度の導入〔Ⅲ〕』27頁、旬刊商事法務1708号)、(会社法216条)、(会社法106条)、(会社法126条3項)。

(4) 株式取扱規程(会社法31条2項を準用)、上柳克郎ほか編『新版注釈会社法(4)株式(2)』53頁(高鳥正夫)、有斐閣、1986年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』270頁(前田雅弘)、商事法務、2013年、全国株懇連合会『全株懇モデルⅠ』96頁、商事法務、2016年、森・濱田松本法律事務所『新・会社法実務シリーズ・1 定款・各種規則の作成実務〔第4版〕』272頁、中央経済社、2021年。)。

2. 株主名簿の書換手続

(1) 必要手続と確認資料(会社法133条1項)、(会社法133条2項)。会社法施行規則22条、会社法197条1項、会社法197条2項、会社法第234条2項(会社法第235条2項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合(取得条項付株式や組織再編当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料等、1株に満たない端数の処理の場合。)。

( 弥永真生『コンメンタール会社法施行規則・電子公告規則〔第3版〕』143頁、商事法務、2021年、弥永真生『コンメンタール会社法施行規則・電子公告規則〔第3版〕』143頁、商事法務、2021年、弥永真生『コンメンタール会社法施行規則・電子公告規則〔第3版〕』144頁、商事法務、2021年、弥永真生『コンメンタール会社法施行規則・電子公告規則〔第3版〕』144頁、商事法務、2021年、弥永真生『コンメンタール会社法施行規則・電子公告規則〔第3版〕』149、商事法務、2021年、http://www.kabukon.net/pic/study_2020_09.pdf

会社法31条3項、会社法125条4項。会社法125条2項・3項。個人情報保護法23条1項1号。山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』292頁(前田雅弘)、商事法務、2013年、東京証券代行株式会社『詳解 株式実務ガイドブック』108頁、中央経済社、2015年、名古屋高決平成22年6月17日。抗告棄却、最決平成22年9月14日。「株主名簿には株主のプライバシーに関する記載がなされているものであって、会社の取締役は、株主の個人情報を法令の範囲を超えて外部に漏らさないようにすべき善管注意義務を負っているものと解される。そして、会社法125条3項1号の規定は、請求者である株主の権利保護とその他の株主のプライバシー保護との調和をその目的によって図ったものであり、同号に該当する場合には、それのみで債務者(注:発行会社)は株主名簿の閲覧等を拒否しうるものと解するのが相当である」。)

・株主名簿の閲覧・謄写の拒絶事由(会社法125条3項各号)(最判平成2年4月17日判時1380号136頁、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』147頁、商事法務、2006年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』293頁(前田雅弘)、商事法務、2013年、名古屋高決平成22年6月17日。抗告棄却、最決平成22年9月14日、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』148頁、商事法務、2006年、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』148頁、商事法務、2006年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』295頁(前田雅弘)、商事法務、2013年。)

(2) 株主名簿記載事項の変更届(会社法130条)、(会社法126条1項)、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』295頁(前田雅弘)、商事法務、2013。)。

(3) 株主名簿記載事項書面の交付請求(会社法122条1項)、(会社法154条2第3項)、(会社法131条1項)、(会社法122条4項)、(会社法121条2項)、(会社法121条3項)、(会社法976条4号)。山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』272頁(前田雅弘)、商事法務、2013年、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』147頁、商事法務、2006年。

第2 株式譲渡手続

1. 株式譲渡

(1) 株式譲渡の効力要件

・株券不発行会社の株式譲渡

・株券発行会社の株式譲渡(会社法128条1項)。

(2) 株式譲渡契約

株主と株式取得者との間で株式を譲渡する場合には、株式譲渡契約を締結。株式譲渡契約は書面によらずとも効力を生じますが、当事者の合意内容を書面等で明確にし、後日の紛争を防止する観点から、一般的には書面又は電磁的記録によって作成(江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』222頁、有斐閣、2021年、浜田道代『株式が相続された場合の法律関係』53頁、商事法務、2021年。)。

・譲渡合意(対象となる株式数、譲渡価格、価格調整を行う場合には価格、調整の算式及び調整手続、クロージング時期等)、クロージング、表明保証、クロージング前の誓約事項、クロージングの前提条件、クロージング後の誓約事項、補償、一般条項。

・譲渡対象株式の種類及び数、譲渡価格、代金支払時期、株式譲渡承認・名義書換・株券交付等の条件、効力発生日、最低限の売主の表明保証(真の株主であることや担保等設定していないこと等。)。

2. 譲渡制限株式(会社法127条)、(会社法107条1項1号、108条1項4号)。

(会社法2条17号)、

3. 譲渡制限株式の譲渡承認手続の概要とスケジュール(会社法136条・137条)、(会社法136条乃至138条)、2週間以内(会社法145条)、譲渡承認・不承認の決定通知(会社法139条2項)、40日以内(株式会社が買い取る場合)(会社法145条2号、3号)、10日以内(指定買取人が買い取る場合)(会社法145条2号、3号)、株式会社による買取通知・供託を証する書面の交付(会社法141条1項・2項)( 柴田堅太郎『中小企業買収の法務』23頁、中央経済社、2019年、昭和41年。)。最判昭和63年3月15日判時1273号124頁。(会社法142条1項・2項)、20日以内(会社法144条2項) 1週間以内(会社法141条3項、142条3項。)、売買価格決定の申立て 株主による株券の供託(株券発行会社の場合。)。

4. 株主からの譲渡等承認請求(会社法136条)、(会社法138条1号)。(会社法769条2項、769条2項、771条2項)。

【株主による譲渡等承認請求に際し明らかにしなければならない事項】

・譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)、譲り受ける者の氏名又は名称、株式会社が承認しない旨の決定をする場合に、株式会社又は指定買取人に買取を請求する場合はその旨。

5. 株式取得者からの譲渡等承認請求

(会社法137条1項)、(会社法137条2項)(会社法137条2項、会社法施行規則24条)。(相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』65頁、商事法務、2006年、相澤哲『Q&A 会社法の実務論点20講』17頁、きんざい、2009年。

【株式取得者による譲渡等承認請求に際し明らかにしなければならない事項】

・株式取得者が取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)

・株式取得者の氏名又は名称

・ 株式会社が承認しない旨の決定をする場合に、株式会社又は指定買取人に買取を請求する場合はその旨

【株券不発行会社の場合の株式取得者の譲渡承認単独請求事由】

・株式取得者が、株主として株主名簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該株式取得者の取得した株式に係る会社法第137条1項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

・株式取得者が上記の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

・株式取得者が当該株式会社の株式を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

・株式取得者が組織変更株式交換により当該株式会社の株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。

・株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。

・株式取得者が会社法第197条1項の株式(所在不明株主の株式)を取得した者である場合において、同条2項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

・株式取得者が株券喪失登録者である場合において、当該株式取得者が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日以降に、請求をしたとき(株券喪失登録が当該日前に抹消された場合を除く。)。

・株式取得者が会社法第234条2項(会社法第235条2項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

【株券発行会社の場合の株式取得者の譲渡承認単独請求事由】

・ 株式取得者が株券を提示して請求をした場合。

・ 株式取得者が組織変更株式交換により当該株式会社の株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。

・株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。

・株式取得者が会社法第197条1項の株式(所在不明株主の株式)を取得した者である場合において、同項の規定による競売又は同条2項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

・株式取得者が会社法第234条1項若しくは第235条1項の規定による競売又は会社法第234条2項(会社法第235条2項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該競売又は当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

6. 株式会社による譲渡承認

(会社法139条、145条1号)、(会社法369条2項)。(江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』239頁、有斐閣、2021年。)。(会社法831条1項3号)、(森・濱田松本法律事務所『新・会社法実務シリーズ・2 株式・種類株式〔第2版〕』205頁、中央経済社、2015年、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』240頁、有斐閣、2021年。)。

7. 株式会社による買取

(1) 買取の機関決定(会社法138条1号ハ・2号ハ)、(会社法140条1項・4項)、(会社法140条3項)、(会社法140条3項但書)。(会社法461条1項1号、465条1項1号)。

(2) 決定後の通知・供託

(会社法141条1項)、(会社法施行規則25条)、(会社法141条2項)、(会社法143条1項)。(会社法145条2号・3号、会社法施行規則26条1号)。江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』242頁、有斐閣、2021年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』404頁(前田雅弘)、商事法務、2013年、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』243頁、有斐閣、2021年。)。(会社法141条3項)、(会社法141条4項)。

8. 指定買取人による買取

(1) 指定買取人の指定(会社法140条5項、309条2項1号)

(2) 通知・供託・株券の供託(会社法142条1項)、(会社法142条2項)、(会社法143条2項)、(会社法142条3項・4項)、(会社法145条2号・3号、会社法施行規則26条2号)。

9. 売買価格の決定

(1) 協議による価格決定(会社法144条1項・7項)、(会社法141条1項、142条1項)、(会社法施行規則25条)、(会社法144条5項・7項)。

(2) 裁判所に対する申立て(会社法141条1項、142条1項)、(会社法144条2項・7項)。

(3) 売買代金の決済

(会社法144条1項・7項)、(会社法144条4項・7項)、(会社法141条1項、142条1項)、(会社法144条5項・7項)、(会社法144条6項・7項)。(酒巻俊雄=龍田節『逐条解説会社法 第2巻 株式・1』323頁(齊藤真紀)、中央経済社、2008年、山下友信『会社法コンメンタール3―株式(1)』418頁(山本為三郎)、商事法務、2013年。)、(会社法133条2項、会社法施行規則22条1項3号)、(会社法133条2項、会社法施行規則22条2項1号)。

第3 株式の併合1. 株式の併合(会社法180条1項)。

2. スケジュール

(会社法368条1項)、(会社法298条1項)、(会社法299条1項)、(酒巻俊雄=龍田節『逐条解説会社法 第2巻 株式・1』324頁(齊藤真紀)、中央経済社、2008年、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』222頁、有斐閣、2021年、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』287頁、有斐閣、2021年、田中亘『会社法〔第3版〕』635頁、商事法務、2021年、田中亘『会社法〔第3版〕』638頁、商事法務、2021年。(会社法181条1項、182条の4第3項)、(会社法182

条の4第4項)、(会社法182条の4第4項)、(会社法181条2項2号)、(会社法915条1項)、(会社法182条の6第2項)、(会社法182条の2第1項、182条の6第2項)、(会社法319条1項の場合は同項の提案日)、(会社法182条の2第1項)。

3. 株主総会等の決議(会社法180条1項)。(会社法180条1項1号)、(会社法180条1項2号)、(会社法180条1項3号)、(会社法180条4項)、(松井信憲『商業登記ハンドブック〔第4版〕』311頁、商事法務、2021年、(会社法322条1項2号)、(会社法322条2項・3項)、(会社法116条1項3号イ)、(会社法180条3項)、(会社法182条2項)。

4. 事前備置書類・事後備置書類

(1) 開示手続の要否(会社法182条の2第1項、182条の6第1項・2項)。

(2) 事前備置書類

(会社法182条の2第1項)、(会社法181条1項)、(会社法182条の2第2項)。

(山下友信『会社法コンメンタール4―株式(2)」』148頁(山本為三郎)、商事法務、2009年、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』184頁、商事法務、2006年、山下友信『会社法コンメンタール4―株式(2)」』145 頁(山本為三郎)、商事法務、2009年。)

【事前開示書類の記載事項】

(会社法180条2項各号)、(会社法180条2項1号)、(会社法180条2項3号)(会社法182条の6第1項)、(会社法181条1項)、(会社法182条の6第3項)。

【事後開示書類の記載事項】 会社法182条の3、会社法182条の4、会社法180条2項3号。

5. 通知・公告

(1) 株式の併合の通知又は公告(会社法181条1項)、(会社法180条2項各号)、(会社法181条)、(会社法182条の4第3項)、(会社法219条1項2号)、

(会社法182条の3)、(会社法182条の4第1項)、(会社法182条の4第2項1号)、(江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』290頁、有斐閣、2021年、岩原紳作『会社法コンメンタール補巻―平成26年改正』241頁(飯田秀総)、商事法務、2019年、会社法182条の4第2項2号)。

(2) 株式買取請求手続(会社法182条の4第4項)、(会社法182条の4第5項)、(会社法182条の4第6項)。

(3) 価格決定の申立て(会社法182条の5第1項)、(会社法182条の5第2項)、(会社法182条の5第3項)。

(4) 利息の支払と仮払制度(民法404条。年3分をベースとした変動金利)、(会社法182条の5第4項)、

(会社法182条5第5項)。

(5) 買取請求の効力発生(会社法182条の5第6項)、(会社法182条の5第7項)。

(6) 財源規制(森・濱田松本法律事務所『新・会社法実務シリーズ・2 株式・種類株式〔第2版〕』126頁、中央経済社、2015年。)、(会社法464条1項)。

7. 差止請求(会社法182条の3)(江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』222頁、有斐閣、2021年、 岩原紳作『会社法コンメンタール補巻―平成26年改正』235頁(飯田秀総)、商事法務、2019年、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』222頁、有斐閣、2021年。)。

8. 効力の発生(会社法182条1項)、(酒巻俊雄=龍田節『逐条解説会社法 第2巻 株式・1』479頁、中央経済社、2008年、森・濱田松本法律事務所『新・会社法実務シリーズ・2 株式・種類株式〔第2版〕』119頁、中央経済社、2015年、渡辺邦広『会社法実務の主要論点(6)全部取得条項付種類株式を用いた完全子会社化の手続』30頁、旬刊商事法務1896号、(会社法132条2項)、(会社法182条2項)。

9. 端数処理(会社法235条1項)。会社法234条2項から5項、会社法234条1項、235条1項。(東京地方裁判所商事研究会『類型別会社非訟』130頁、判例タイムズ社、2012年、大阪地方裁判所商事研究会著『実務ガイド 新・会社非訟』242頁、きんざい、2014年。)

10. 登記(会社法911条3項9号)、(会社法915条1項)。

(1)登記すべき事項(松井信憲『商業登記ハンドブック〔第4版〕』312頁、商事法務、2021年。)。

(2) 添付書面

(商業登記法46条2項、商業登記規則61条3項)、(商業登記法61条)。

(3) 登録免許税(登録免許税法別表第一第24号(一)ツ)。

(4) 登記申請書

第4 特別支配株主の株式等売渡請求

1. 特別支配株主の株式等売渡請求

(会社法179条以下)(株式売渡請求。会社法179条第1項)、(新株予約権売渡請求。同条第2項)。

2. スケジュール

(会社法179条の3第1項)、(会社法179条の3)、(会社法179条の4第1項~第3項)、(会社法219条1項)、(会社法179条の5)、(会社法179条の8)、(会社法322条1項)、(飯田秀総『平成26年改正会社法の論点(6)特別支配株主の株式等売渡請求』旬刊商事法務2063号29頁。)、(会社法179条の6、179条の9第1項)、(会社法179条の10)、(会社法322条2項)

3. 株式等売渡請求の特徴

(1) 対象会社の株主総会決議は不要

(会社法831条第1項第3号)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』245頁 商事法務、2014年、法務省民事局参事官室『会社法制の見直しに関する中間試案の補足説明』40頁、2011年、岩原伸作、『会社法制の見直しに関する要綱案の解説Ⅳ』39頁、旬刊商事法務1978号、柴田寛子『「会社法制の見直しに関する要綱」を踏まえた実務の検討(3)キャッシュ・アウトの新手法』旬刊商事法務1981号22頁、本稿では、「すべての取締役が特別利害関係人に該当する場合(例えば、特別支配株主とすべての取締役との間でキャッシュ・アウト後も対象会社の取締役としての地位を約束する合意がある場合や対象会社の全ての取締役が特別支配株主の役職員を兼任している場合)には、承認のための取締役会決議を行うことができない。」としている。

(2) 対象会社が当事者とならない

(会社法179条の3第1項)、(売渡株主及び売渡新株予約権者。会社法179条の4第1項第1号)、(会社法179条の4第1項・第2項9)、(同条3項)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』231頁 商事法務、2014年、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』233頁 商事法務、2014年。

(3) 公開会社でない株式会社では固有の論点がある

(会社法179条第1項・第2項)、内田修平ほか『平成26年会社法改正を踏まえた実務の検討(5)キャッシュ・アウトに関する規律の見直し』28頁、旬刊商事法務2061号、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』285頁、有斐閣、2021年。

4. 対象会社

(会社法179条第1項・2項)、(会社法509条第2項)、(会社法509条)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』233頁、商事法務、2014年。

5. 特別支配株主

(1) 議決権保有要件

(会社法179条第1項)、(会社法468条1項)、江頭憲治郎『株式会社法<第8版>』280頁、有斐閣2021年。

(2) 株式等売渡請求権が行使可能な者

(会社法179条の3第1項)、(会社法179条の9第1項)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正 会社法』237頁 商事法務2014年。

6. 対象会社への通知

(会社法179条の3第1項、179条の2第1項、会社法施行規則33条の5)、(坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』242頁 商事法務2014年)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』242頁 商事法務2014年、法務省民事局参事官室「会社法の改正に伴う会社更生法施行及び会社法施行規則等の改正に関する意見募集。

7. 対象会社による承認

(1) 承認機関

(会社法179条の3第3項)、(会社法348条第2項)。

(2) 判断要素

代宗剛『Q&A 株式・組織再編の実務1~キャッシュ・アウト制度を中心に~』29頁、商事法務2015年。

(3) 取締役の善管注意義務

(会社法330条、民法第644条)、(会社法429条第1項)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』246頁 商事法務2014年。

(4) 売渡株主等の利益の確保

坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』247頁 商事法務2014年。

(5) 対価の見込みについての判断

坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』247頁 商事法務2014年。

8. 対象会社から売渡株主等に対する通知・公告

(会社法179条の4第1項、会社法施行規則33条の6)、(会社法179条の4第4項)。

【売渡株主等に対する通知・公告事項】(会社法179条の4第2項)(売渡株式が振替株式の場合には公告が強制されます(振替法第161条第2項)。

9. 株券提供公告(会社法219条1項4号の2)。

10. 事前備置書類・事後備置書類

(1) 事前備置書類(会社法179条の5第1項、会社法施行規則33条の7)、(会社法179条の5第2項)。

【事前備置書類の記載事項】

(会社法179条の10第1項・2項、会社法施行規則33条の8)、(会社法179条の10第3項)。

【事後備置書類の記載事項】(会社法179条の7)、(会社法179条の8)。

11. 売渡株式等の取得と売渡株主等への対価の支払い

(会社法179条の9第1項)、(会社法179条の9第2項)、(会社法施行規則22条1項6号・2項2号、56条1項5号・2項22号)、(会社法151条2項・272条4項)、(会社法219条3項)、(会社法219条2項2号)。

12. 売渡株主の救済手段

(会社法179条の7)、(会社法179条の8)、(会社法846条の2)、会社法429条第1項。

(1) 差止請求

(会社法179条の7第1項)、84 森・濱田松本法律事務所『新・会社法実務シリーズ・2 株式・種類株式〔第2版〕』104頁、中央経済社、2015年。

(2) 売買価格決定の申立て

(会社法179条の8第1項)、(民法404条。年3分をベースとした変動金利)、(会社法179条の8条第2項)、(会社法179条の8第3項)。

(3) 売渡株式等の取得の無効の訴え

(会社法846条の2第1項)、坂本三郎『一問一答 平成26年改正会社法』264頁 商事法務2014年、相澤哲『Q&A 会社法の実務論点20講』14頁、きんざい、2009年、東京高判平成24年11月28日 『最近の裁判動向 共和証券株主総会決議取消請求事件』資料版商事法務356号30頁。

第5 相続時売渡請求

1. 相続時売渡請求

(会社法174条)、永吉啓一郎『会社法から税務上の留意点まで 非公開会社における少数株主対策の実務』1487頁、清文社、2020年。

2. スケジュール

(会社法175条)、(会社法176条1項・2項)、(会社法177条1項)、(会社法177条2項)、(会社法177条5項)、(会社法176条1項)、東京高決平成19年8月16日 『最近の裁判動向2 譲渡制限株式売渡請求に係る売買価格決定申立事件抗告審決定』資料版商事法務285号146頁、相澤哲『Q&A 会社法の実務論点20講』18頁、きんざい、2009年、相澤哲『Q&A 会社法の実務論点20講』19頁、きんざい、2009年。

3. 株主総会の特別決議

(会社法175条1項各号、309条2項3号)、(会社法175条2項)、山下友信『会社法コンメンタール4―株式(2)」』130頁(伊藤雄司)、商事法務、2009年、相澤哲『Q&A 会社法の実務論点20講』14頁、きんざい、2009年、相澤哲『Q&A 会社法の実務論点20講』16頁、きんざい、2009年。

【相続時売渡請求における株主総会決議事項】(会社法176条2項)。

5. 売買価格の決定

(会社法177条1項)、(会社法177条2項)、(会社法177条4項)、(会社法177条5項)、(会社法176条3項)、広島高松江支判平成30年3月14日金判1542号22頁、江頭憲治郎『株式会社法〔第8版〕』265頁、有斐閣、2021年、酒巻俊雄=龍田節『逐条解説会社法 第2巻 株式・1』464頁(伊藤靖史)、中央経済社、2008年。

第6 種類株式等の設計

1. 分散化防止対策としての種類株式等の設計

2. 配当優先種類株式

(会社法108条1項)、(昭和50年4月30日民四2249号回答)、中小企業庁『事業承継ガイドライン』平成28年12月、宍戸善一『スタートアップ投資契約-モデル契約と解説』2頁、商事法務、2020年、上柳克郎ほか編『新版注釈会社法(3)株式(1)』315頁(菅原菊志)、有斐閣、1999年、上柳克郎ほか編『新版注釈会社法(3)株式(1)』315頁(菅原菊志)、有斐閣、1999年、棚橋元「会社法の下における種類株式の実務[下]」旬刊商事法務1766号92頁、森・濱田松本法律事務所『新・会社法実務シリーズ・2 株式・種類株式〔第2版〕』290頁、中央経済社、2015年、上柳克郎ほか編『新版注釈会社法 補巻 平成2年改正』146頁(山下友信)、有斐閣、1992年。

3. 議決権制限種類株式(会社法108条1項3号)、(会社法115条)、会社法322条2項の定款の定款の定め、会社法199条4項・238条4項の定款の定め、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』92頁、商事法務、2006年。

4. 取得条項付種類株式

(会社法2条19号)、会社法107条2項第2号、同法108条第2項第6号。定款規定事項(会社法108条2項6号)。

【取得条項付種類株式の定款記載事項】(会社法107条2項3号イ、108条2項6号イ)、(会社法107条2項3号ロ、108条2項6号イ)、(会社法107条2項3号ハ、108条2項6号イ)、(会社法681条1号)、(会社法107条2項3号ニ、108条2項6号イ)、(会社法107条2項3号ホ、108条2項6号イ)、(会社法107条2項3号ヘ、108条2項6号イ)、(会社法107条2項3号ト、10

8条2項6号イ)、(会社法108条2項6号ロ)、(会社法168条1項、309条1項)、(会234条1項、2項)、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』42頁、商事法務、2006年、江頭憲治郎「新会社法の理論的問題(1)株式関係を中心に」旬刊商事法務1758号6頁、野村修也「Ⅲ株式の多様化とその制約原理」旬刊商事法務1775号33頁、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』78頁、商事法務、2006年、 相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』78頁、商事法務、2006年、相澤哲=葉玉匡美=郡谷大輔『論点解説 新・会社法』78・79頁、商事法務、2006年。