民事信託手続準則案2

民事信託手続準則案[1]

3-(2)高齢の委託者に対する直接面談

委任された信託登記代理およびその付随業務としての民事信託支援業務の受任を受ける際、依頼を受けた司法書士の本職は、委託者に対して、司法書士事務所または依頼者の指定した場所にて直接的に対面することで、自ら面談を行い、委託者の本人確認および委託者の判断能力が正常であり、依頼者が信託およびその内容を理解しうることを確認することを要する。また、当該司法書士本職は、委託者に対して、当該民事信託の意味・しくみ・効果・危険等を十分に説明したうえで、依頼者の信託設定意思および信託不動産の処分意思を確認しなければならない。なお、当該司法書士本職は、面談の詳細、確認の方法・結果、司法書士の判断を民事信託調書として作成する。

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一般的に、売買契約よりも意思確認のレベルが高くなります。

理由

・売買契約よりも市民の浸透がなく、普段使用することの少ない契約だから当事者が理解するための細かな説明を必要とします。

・一般的に売買契約書よりも民事信託契約書の方が複雑な仕組みであり、長期に渡る契約であるから、契約開始時と委託者の判断能力が落ちてきた場合の意思確認が必要となってきます。

特に民事信託契約の効力が発生した後、数年後に変更登記を伴う民事信託契約書の変更がある場合で、公正証書にしない軽微な変更の場合、注意が必要になります。

民事信託手続準則案2

民事信託手続準則案[1]

(9)違法行為の助長

信託登記代理委任の付随業務として民事信託支援を行う場合、司法書士は、司法書士法、信託法、信託業法をはじめとする民事信託および司法書士業務に関する関連法令すべての法令遵守に努め、民事信託の脱法性なきこと等を確認し、利益相反の信託や公序良俗違反の信託の組成、受託の権限濫用や不正その他の信託当事者の違法行為を助長させてはならない。

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最初の方は、司法書士法の範囲内と考えます。

「利益相反の信託や公序良俗違反の信託の組成、受託の権限濫用や不正その他の信託当事者の違法行為を助長させてはならない。」

この部分は考える必要があると思います。

利益相反関係に立っただけで駄目なのか。

利益相反行為を行った場合に駄目なのか。

善管注意義務・忠実義務の縛りはどこまで効くのか。

司法書士法の範囲内で業務を行っていても、公序良俗違反を問われる場合があるのか。

当事者が知っていて違法行為を行おうとしている場合、知らないで行おうとしている場合に、どこで委任契約を止めれば責任を負わないのか。

民事信託支援業務は、民事信託が終了するまで継続する契約にする必要があるのか。その場合、継続的な面談や報酬規程についても最初に盛り込む必要があるのか。

など実践しながら考えていきたいと思います。

民事信託手続準則案2

民事信託手続準則案[1]

(8)法令順守確認義務

司法書士は、信託登記代理委任およびその付随業務として民事信託支援を行う場合、支援する民事信託それ自体の法令遵守および司法書士業務としての法令遵守のために、当該民事信託および民事信託支援業務に関連する法令が遵守されていることの確認を行い、依頼者に助言する義務を負う。

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 当たり前のようで、現在のところ難しい問題だと感じます。

例としては、信託借入れの可能性とそれに伴う債務控除の可否が挙げられています。

信託法その他の法律に照らして可能であっても、金融機関独自の判断で信託口口座の開設が不可能になったことがあります。

信託借入れについても、金融機関が可能といって民事信託を行って、いざ債務控除が出来るのか、というのは、税務署が判断することなので税務署への事前確認が必要になります。

このような場合、依頼者としては直接お金を払った、相談を最初に受けた専門家に対して不満を持つのが感覚として妥当だと思います。

それが司法書士なら、借入れが出来なくても司法書士へ。

それが金融機関なら、顧問税理士が個別に判断していても税務署が債務控除できないとなったら、金融機関へ。

それが税理士なら、登記出来なかったとしても税理士へ。

弁護士なら、出来て当たり前と思われているので弁護士へ。

不満の矛先は向かうので、分からないことは分からない、最終判断を行うのは誰なのかを明確にして動きながら、依頼者にも説明する必要があると感じます。


[1] 渋谷陽一郎「民事信託支援業務の手続準則試論(1)~(3)」『市民と法』№113~№115(株)民事法研究会

民事信託手続準則案2

民事信託手続準則案[1]

(7)信託登記代理委任契約

民事信託に関する信託登記代理委任を受けた場合、司法書士は、信託登記の真実性を確保するため、登記当事者の本人確認および意思確認並びに信託財産の確認を行うとともに、信託登記の原因関係である民事信託契約の成立要件および有効要件の充足を確認し、無効事由や取消原因などの存否を確認しなければならない。

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他の専門家と司法書士の違いが現れる場面です。

信託法上の成立・有効要件を考えるより先に、登記申請について考える。

考える順番が逆になります。

考えが逆になる結果、行動は制約的になります。

何故かというと、手続法に沿って行動する場合、厳密さが求められるからです。公開される情報と公開されない情報を依頼者から預かり、官公庁へ提出します。

提出して、「駄目でした。」というのが難しい場面が出てきます。

例として、大きな金額が既に動いているとき、依頼者が亡くなってしまって再提出が出来ない場合などを挙げることが出来ます。手続きが通ったとしてもそれが実態を反映していない場合も含まれます。

このように、まず制約的に考えてそこから安全圏を広げていくような仕事になるのが自然な形だと考えます。

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[1] 渋谷陽一郎「民事信託支援業務の手続準則試論1~3」『市民と法』№113~№115(株)民事法研究会

第200回国会(臨時会)において成立した法律

法律

・国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日 

施行日 原則公布の日

・ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 原則公布の日

・ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 公布の日

・行政書士法の一部を改正する法律 

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布日から1年6月を経過した日

・地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布の日から起算して6月を経過した日

・母子保健法の一部を改正する法律  

公布日 令和元年12月6日

施行日 公布日から2年を超えない日

・令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布の日

・商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 令和元年12月11日

・地域再生法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から

・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 政令で定める

・一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案

公布日 令和元年11月22日

施行日 令和元年11月22日

・特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 令和元年11月22日

・裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月29日

施行日 令和元年11月29日

・検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月29日

施行日 令和元年11月29日

・農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律

公布日 令和元年11月27日

施行日 令和2年4月1日

・肥料取締法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から(例外有)

・防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 令和元年11月22日(例外有)

・情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から

・構造改革特別区域法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から(例外あり)

・会社法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から(例外有)

・会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 会社法改正法の施行の日から施行(例外有)

・公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 令和3年4月1日(例外有)

・港湾法の一部を改正する法律案

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から

締結承認された条約

・日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定

承認日 令和元年12月 4日

・デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定

承認日 令和元年12月 4日

第200回国会(臨時会)において成立した法律

法律

・国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日 

施行日 原則公布の日

・ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 原則公布の日

・ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 公布の日

・行政書士法の一部を改正する法律 

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布日から1年6月を経過した日

・地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布の日から起算して6月を経過した日

・母子保健法の一部を改正する法律  

公布日 令和元年12月6日

施行日 公布日から2年を超えない日

・令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布の日

・商業捕鯨の実施等のための鯨類科学調査の実施に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 令和元年12月11日

・地域再生法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から

・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 政令で定める

・一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案

公布日 令和元年11月22日

施行日 令和元年11月22日

・特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 令和元年11月22日

・裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月29日

施行日 令和元年11月29日

・検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月29日

施行日 令和元年11月29日

・農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律

公布日 令和元年11月27日

施行日 令和2年4月1日

・肥料取締法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 4日

施行日 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から(例外有)

・防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年11月22日

施行日 令和元年11月22日(例外有)

・情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から

・構造改革特別区域法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から(例外あり)

・会社法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から(例外有)

・会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 会社法改正法の施行の日から施行(例外有)

・公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律

公布日 令和元年12月11日

施行日 令和3年4月1日(例外有)

・港湾法の一部を改正する法律案

公布日 令和元年12月 6日

施行日 公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から

締結承認された条約

・日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定

承認日 令和元年12月 4日

・デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定

承認日 令和元年12月 4日

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