eKYC

本人確認手段としての eKYC と今後の発展

日本電気株式会社 シニアエキスパート デジタルアイデンティティWG リーダー宮川 晃一

https://www.jnsa.org/jnsapress/vol48/JNSA_Press_No48.pdf

顧客の受け入れに対して明確な方針と手続きを持ち、それらの方針と手続きに沿って新規に顧客が口座開設を行う際はその顧客がどんな人物なのか、十分な身元確認を行う業務を一般的にKYC(Know Your Customer)と呼ぶ。eKYCは、オンラインによる非対面本人確認

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000027

(定義)第二条8 この法律において「特定個人情報」とは、個人番号(個人番号に対応し、当該個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のものを含む。第七条第一項及び第二項、第八条並びに第四十八条並びに附則第三条第一項から第三項まで及び第五項を除き、以下同じ。)をその内容に含む個人情報をいう。

別表第一(第九条関係)

UDID・・・UniversallyUnique Identifierの略で、アプリごとに使用40文字の英数字コード。識別子。

IMEI・・・携帯電話機の製造番号

ソルト・・・パスワードを暗号化する際に付与されるデータ。

 例えばメールアドレスとパスワードでアカウント登録を要求されるようなサービスにおいて、メールアドレスをSaltに含め、パスワードをハッシュ化して保存するといった使い方をします。パスワードを捨ててパスワードハッシュを保存し、さらに保存されたハッシュは非可逆でパスワードを復元できないことが重要となります。もしサーバーのrootに第三者が侵入したとしてもパスワードの漏洩を防げるからです。

 また、この方法は総当り攻撃を阻止することを意図していて、攻撃が意図的に遅くなるように設計されているのが特徴で、ストレッチング(1000回ハッシュ計算を繰り返して計算に時間がかかるようにする)という方法と併せてよく使用されます。そのため、Saltは秘密であることを重要視していないですが、いくつかの条件があります。

・ユーザーごとに異なるSaltであること (漏洩時のリスクを最小限にする為)

・ある程度の長さを確保すること (推測されにくくする為)

事業者が匿名加工情報の具体的な作成方法を検討するにあたっての参考資料

(「匿名加工情報作成マニュアル」)Ver1.0平成28年8月経済産業省

ハッシュ化・・・暗号化とは異なり、入力値から誰でも計算できる種類の処理である。不可逆的な(一方向の)変換ではあるが、識別可能な値を生成する。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/downloadfiles/tokumeikakou.pdf

HMAC・・・メッセージ認証符号の一つであり、鍵(メッセージ認証符号のことです)とデータとハッシュ関数を元に計算されたハッシュ値を持つ。

認証と改竄検出のために使われるアルゴリズムで、HMACにより算出された値をMAC (Message Authentication Code) 値。

HMACは基本的に暗号チェックサムであり、攻撃者がメッセージを改竄したことを検出するために使用。鍵は秘密である必要があり、可能な限り高速となるように設計されている。

電子証明書を使う際に必要となる暗証番号・・・署名用電子証明書については6桁~16桁の英数字、利用者証明用電子証明書は4桁の数字を設定

https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/kojinninshou-01.html

署名用暗証番号・・・?

署名用パスワード・・・6~16桁の英数字のパスワード。インターネット等で電子文書を作成・送信する際に利用

(例)特別定額給付金(10万円)の申請、e-Tax等の電子申請、銀行口座開設、不動産取引(住宅ローン)

https://www.kojinbango-card.go.jp/jpki/

第5回インフラ海外展開懇談会

https://www.meti.go.jp/shingikai/external_economy/infura_kaigaitenkai/005.html

日本で唯一の次世代デジタルIDアプリ「xID」

xID株式会社2020年10月2日

5. マイナンバーカード読み取り、署名用電子証明書を読み取り

「何に対して」(どんな内容の文書(電磁的記録)に対して)署名しようとしているのか。

8. 公的個人認証

社会保障・税番号大綱―主権者たる国民の視点に立った番号制度の構築―政府・与党社会保障改革検討本部2011/06/30

https://www.soumu.go.jp/main_content/000141660.pdf

P34(注2)「番号」を一定の関数、手順等を用いて変換することで(複数回にわたって変換することを含む。)、新たに符号を生成した場合であって、生成した符号が「番号」と一対一に対応する関係にあるときは、生成した符号についても、「番号」に該当することとする。

xID株式会社

2021.9.24 ソーシャルメディア等で頂いているxIDアプリに関するご意見について

https://xid.inc/home

現在開発中で年内リリース予定の次期バージョンでは個人番号入力を伴う手順を廃止するよう進めております。

高木浩光@自宅の日記 ID番号は秘密ではない。秘密でないが隠すのが望ましい。なぜか。2012年03月03日

http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20120303.html

ID番号は秘密にすべき情報ではない。他人に知られるとなりすましの被害に遭う番号ではない。そのように社会の側が構成されているべきである。しかし、ID番号が目的外で使用されたり、事業者をまたがって広範に共通して用いられる場合には、プライバシーの問題が生じてくる。そのため、消費者は、安易にID番号を提供することは避けるよう注意した方がいい。

我々が、ネットに自分のID番号を含む写真やログデータなどを掲載するときは、ID番号部分を隠す処置を施すことが多い。例えば、MACアドレスやUDID、IMEIを含むデータを掲載する場合などだ。実際のところこの処置は必須ではないのだが、たいていそうしている。そうする理由は、(1)万が一どこかにそのID番号でなりすましを許してしまう欠陥サービスがあった場合に備えた、念のための警戒として、(2)万が一どこかでそのID番号でトラッキングされている場合に、それが自分だとバレないようにするため、この2点である。

特に、他人のID番号を掲載する場合は、隠す処置を施すのは必須であろう。どこかで、そのID番号が誰のものであるか知っている者(本人以外の)がいる可能性があるからだ。

符号・・・?

電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=414AC0000000153

(署名用電子証明書又は利用者証明用電子証明書の発行の番号の利用制限等)

第六十三条 機構、署名検証者等、署名確認者又は利用者証明検証者以外の者は、何人も、業として、署名用電子証明書の発行の番号又は利用者証明用電子証明書の発行の番号の記録されたデータベース(自己以外の者に係る署名用電子証明書の発行の番号又は利用者証明用電子証明書の発行の番号を含む当該自己以外の者に関する情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下この項において同じ。)であって、当該データベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているものを構成してはならない。

2 総務大臣は、前項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が更に反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、当該行為を中止することを勧告し、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な措置を講ずることを勧告することができる。

3 総務大臣は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて、当該勧告に従うべきことを命ずることができる。

署名用電子証明書の発行の番号・・・?

利用者証明用電子証明書の発行の番号・・・?

利用者証明用電子証明書のシリアル番号・・・利用者証明用電子証明書には、基本4情報(氏名、住所、性別及び生年月日)は登録されていませんが、 シリアル番号、有効期限等が記録。一般的にシリアル番号とは、製品などを一つ一つの個体として識別するために割り当てられる固有の番号。

https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/mycd_login.htm

暗号論的ハッシュ関数・・・?

ITをめぐる法律問題について考える 弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

eKYCの犯収法上の確認要件を振り返る

犯罪による収益の移転防止に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419AC0000000022

第二章 特定事業者による措置

(取引時確認等)第四条

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420M60000f5a001

(顧客等の本人特定事項の確認方法)

第六条 法第四条第一項に規定する主務省令で定める方法のうち同項第一号に掲げる事項に係るものは、次の各号に掲げる顧客等の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法とする。

一 自然人である顧客等(次号に掲げる者を除く。) 次に掲げる方法のいずれか

イ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類(次条に規定する書類をいう。以下同じ。)のうち同条第一号又は第四号に定めるもの(同条第一号ハからホまでに掲げるものを除く。以下「写真付き本人確認書類」という。)の提示(同条第一号ロに掲げる書類(一を限り発行又は発給されたものを除く。ロ及びハにおいて同じ。)の代表者等からの提示を除く。)を受ける方法

6条1号イは、写真付き本人確認書類の提示を受ける方法(対面)

ロ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類(次条第一号イに掲げるものを除く。)の提示(同号ロに掲げる書類の提示にあっては、当該書類の代表者等からの提示に限る。)を受けるとともに、当該本人確認書類に記載されている当該顧客等の住居に宛てて、預金通帳その他の当該顧客等との取引に係る文書(以下「取引関係文書」という。)を書留郵便若しくはその取扱いにおいて引受け及び配達の記録をする郵便又はこれらに準ずるもの(以下「書留郵便等」という。)により、その取扱いにおいて転送をしない郵便物又はこれに準ずるもの(以下「転送不要郵便物等」という。)として送付する方法

6条1号ロは、本人確認書類の提示&書留郵便等で転送不要郵便物等として送付する方法(対面後郵送)

ハ 当該顧客等若しくはその代表者等から当該顧客等の本人確認書類のうち次条第一号ハに掲げるもののいずれか二の書類の提示を受ける方法又は同号ハに掲げる書類及び同号ロ、ニ若しくはホに掲げる書類若しくは当該顧客等の現在の住居の記載がある補完書類(次項に規定する補完書類をいう。ニ及びリにおいて同じ。)の提示(同号ロに掲げる書類の提示にあっては、当該書類の代表者等からの提示に限る。)を受ける方法

6条1号ハは、保険証等2種類の本人確認書類等の提示を受けるの方法(対面)

ニ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類のうち次条第一号ハに掲げるものの提示を受け、かつ、当該本人確認書類以外の本人確認書類若しくは当該顧客等の現在の住居の記載がある補完書類又はその写しの送付を受ける方法

6条1号二は、保険証等の本人確認書類の提示&他の本人確認書類等の写しの送付(対面・郵送)

通常の対面確認の方法も、犯収法施行規則6条で定められています。6条1号ホへトチヲワカが、オンラインと関係ありますね。

以下は、金融庁のPDF図です。6条1号ホへトしか図には出ていませんが、チはオンライン+郵送なので、図から割愛されたのでしょう、ヲワカは電子署名だから割愛されたんですかね。。。

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20181130/01.pdf

ホ 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌及び写真付き本人確認書類の画像情報であって、当該写真付き本人確認書類に係る画像情報が、当該写真付き本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日、当該写真付き本人確認書類に貼り付けられた写真並びに当該写真付き本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信を受ける方法

6条1号ホ「本人確認書類の画像送信+本人の容貌の画像送信」

金融機関等(特定事業者)が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報の送信を受ける方法です。

そのソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌及び写真付き本人確認書類の画像情報であって、当該写真付き本人確認書類に係る画像情報が、当該写真付き本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日、当該写真付き本人確認書類に貼り付けられた写真並びに当該写真付き本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものでなければなりません。

ヘ 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌の画像情報をいう。)の送信を受けるとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の写真付き本人確認書類(氏名、住居、生年月日及び写真の情報が記録されている半導体集積回路(半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和六十年法律第四十三号)第二条第一項に規定する半導体集積回路をいう。以下同じ。)が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受ける方法

6条1号ヘ「ICチップ情報+本人の容貌の画像送信」

金融機関等(特定事業者)が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報と、ICチップの情報の送信を受ける方法です。

ICチップ情報は、写真付き本人確認書類(氏名、住居、生年月日及び写真の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれたもので、具体的にはマイナンバーカードやIC免許証、IC在留カード等とのことです。

ト 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の本人確認書類のうち次条第一号又は第四号に定めるもの(同条第一号ニ及びホに掲げるものを除き、一を限り発行又は発給されたものに限る。以下トにおいて単に「本人確認書類」という。)の画像情報であって、当該本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信を受け、又は当該顧客等若しくはその代表者等に当該ソフトウェアを使用して読み取りをさせた当該顧客等の本人確認書類(氏名、住居及び生年月日の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受けるとともに、次に掲げる行為のいずれかを行う方法(取引の相手方が次の⑴又は⑵に規定する氏名、住居及び生年月日の確認に係る顧客等になりすましている疑いがある取引又は当該確認が行われた際に氏名、住居及び生年月日を偽っていた疑いがある顧客等(その代表者等が氏名、住居及び生年月日を偽っていた疑いがある顧客等を含む。)との間における取引を行う場合を除く。)

(1) 他の特定事業者が令第七条第一項第一号イに掲げる取引又は同項第三号に定める取引を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、当該確認に係る確認記録を保存し、かつ、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等しか知り得ない事項その他の当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項の申告を受けることにより当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを確認していることを確認すること。

(2) 当該顧客等の預金又は貯金口座(当該預金又は貯金口座に係る令第七条第一項第一号イに掲げる取引を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、かつ、当該確認に係る確認記録を保存しているものに限る。)に金銭の振込みを行うとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該振込みを特定するために必要な事項が記載された預貯金通帳の写し又はこれに準ずるものの送付を受けること。

6条1号ト(1)「銀行等への照会」

これを使える事業者が限られそうなので、説明割愛

6条1号ト(2)「少額振込」

これを使える事業者が限られそうなので、説明割愛

チ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類のうち次条第一号若しくは第四号に定めるもの(以下チ並びにリ及びヌにおいて単に「本人確認書類」という。)の送付を受け、又は当該顧客等の本人確認書類(氏名、住居及び生年月日の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた半導体集積回路に記録された当該情報若しくは本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の本人確認書類(次条第一号イからハまでに掲げるもののうち一を限り発行又は発給されたものに限る。)の画像情報であって、当該本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信(当該本人確認用画像情報にあっては、当該ソフトウェアを使用した送信に限る。)を受けるとともに、当該本人確認書類に記載され、又は当該情報に記録されている当該顧客等の住居に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法

6条1号チ「本人確認書類又はICチップ情報若しくは画像情報の送信+書留郵便等により転送不要郵便物等として送付」

①ー1本人確認書類の送付を受ける

①ー2又は当該顧客等の本人確認書類(氏名、住居及び生年月日の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれたICチップ情報

①ー3若しくは本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の本人確認書類の画像情報であって、当該本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信を受けるとともに、

②住居に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法

リ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の現在の住居の記載がある本人確認書類のいずれか二の書類の写しの送付を受け、又は当該顧客等の本人確認書類の写し及び当該顧客等の現在の住居の記載がある補完書類(次項第三号に掲げる書類にあっては、当該顧客等と同居する者のものを含み、当該本人確認書類に当該顧客等の現在の住居の記載がないときは、当該補完書類及び他の補完書類(当該顧客等のものに限る。)とする。)若しくはその写しの送付を受けるとともに、当該本人確認書類の写し又は当該補完書類若しくはその写しに記載されている当該顧客等の住居(当該本人確認書類の写しに当該顧客等の現在の住居の記載がない場合にあっては、当該補完書類又はその写しに記載されている当該顧客等の住居)に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法

ヌ 次の(1)若しくは(2)に掲げる取引又は当該顧客等との間で(2)に掲げる取引と同時に若しくは連続して行われる令第七条第一項ム若しくはヰに掲げる取引を行う際に当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類の写しの送付を受けるとともに、当該本人確認書類の写しに記載されている当該顧客等の住居に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法

(1) 令第七条第一項第一号イに掲げる取引のうち、法人(特定事業者との間で行われた取引の態様その他の事情を勘案してその行う取引が犯罪による収益の移転の危険性の程度が低いと認められる法人に限る。)の被用者との間で行うもの(当該法人の本店等又は営業所に電話をかけることその他これに類する方法により給与その他の当該法人が当該被用者に支払う金銭の振込みを受ける預金又は貯金口座に係るものであることが確認できるものに限る。)

(2) 令第七条第一項第一号リに掲げる取引(特定事業者が行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第十四条第一項の規定により当該顧客等から同法第二条第五項に規定する個人番号の提供を受けている場合に限る。)

ル その取扱いにおいて名宛人本人若しくは差出人の指定した名宛人に代わって受け取ることができる者に限り交付する郵便又はこれに準ずるもの(特定事業者に代わって住居を確認し、写真付き本人確認書類の提示を受け、並びに第二十条第一項第一号、第三号(括弧書を除く。)及び第十七号に掲げる事項を当該特定事業者に伝達する措置がとられているものに限る。)により、当該顧客等に対して、取引関係文書を送付する方法

ヲ 当該顧客等から、電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号。以下この項において「電子署名法」という。)第四条第一項に規定する認定を受けた者が発行し、かつ、その認定に係る業務の用に供する電子証明書(当該顧客等の氏名、住居及び生年月日の記録のあるものに限る。)及び当該電子証明書により確認される電子署名法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法

6条1号ヲ「電子署名」

電子署名法第四条第一項に規定する認定を受けた者が発行し、かつ、その認定に係る業務の用に供する電子証明書及び当該電子証明書により確認される電子署名法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法

ワ 当該顧客等から、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号。以下この号において「公的個人認証法」という。)第三条第六項の規定に基づき地方公共団体情報システム機構が発行した署名用電子証明書及び当該署名用電子証明書により確認される公的個人認証法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法(特定事業者が公的個人認証法第十七条第四項に規定する署名検証者である場合に限る。)

6条1号ワ「電子署名」

公的個人認証法第三条第六項の規定に基づき地方公共団体情報システム機構が発行した署名用電子証明書及び当該署名用電子証明書により確認される公的個人認証法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法(特定事業者が公的個人認証法第十七条第四項に規定する署名検証者である場合に限る。)

カ 当該顧客等から、公的個人認証法第十七条第一項第五号に掲げる内閣総理大臣及び総務大臣の認定を受けた者であって、同条第四項に規定する署名検証者である者が発行し、かつ、当該認定を受けた者が行う特定認証業務(電子署名法第二条第三項に規定する特定認証業務をいう。)の用に供する電子証明書(当該顧客等の氏名、住居及び生年月日の記録のあるものに限り、当該顧客等に係る利用者(電子署名法第二条第二項に規定する利用者をいう。)の真偽の確認が、電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第五条第一項各号に掲げる方法により行われて発行されるものに限る。)及び当該電子証明書により確認される電子署名法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法

二 法第四条第一項第一号に規定する外国人である顧客等(第八条第一項第一号に掲げる特定取引等に係る者に限る。) 当該顧客等から旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に掲げる旅券又は同条第六号に掲げる乗員手帳をいい、当該顧客等の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)であって、第八条第一項第一号に定める事項の記載があるもの又は同法第十四条の二第四項に規定する船舶観光上陸許可書(その交付に際して当該交付を受ける者の同法第二条第五号に掲げる旅券の写しが貼り付けられたものに限る。次条第一号イ及び第三号において単に「船舶観光上陸許可書」という。)の提示を受ける方法

三 法人である顧客等 次に掲げる方法のいずれか

イ 当該法人の代表者等から本人確認書類のうち次条第二号又は第四号に定めるものの提示を受ける方法

ロ 当該法人の代表者等から当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の申告を受け、かつ、電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成十一年法律第二百二十六号)第三条第二項に規定する指定法人から登記情報(同法第二条第一項に規定する登記情報をいう。以下同じ。)の送信を受ける方法(当該法人の代表者等(当該顧客等を代表する権限を有する役員として登記されていない法人の代表者等に限る。)と対面しないで当該申告を受けるときは、当該方法に加え、当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法)

ハ 当該法人の代表者等から当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の申告を受けるとともに、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第三十九条第四項の規定により公表されている当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地(以下「公表事項」という。)を確認する方法(当該法人の代表者等と対面しないで当該申告を受けるときは、当該方法に加え、当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法)

ニ 当該法人の代表者等から本人確認書類のうち次条第二号若しくは第四号に定めるもの又はその写しの送付を受けるとともに、当該本人確認書類又はその写しに記載されている当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法

ホ 当該法人の代表者等から、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項の規定に基づき登記官が作成した電子証明書並びに当該電子証明書により確認される電子署名法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法

6条1号カ「電子署名」

公的個人認証法第十七条第一項第五号に掲げる総務大臣の認定を受けた者であって、同条第四項に規定する署名検証者である者が発行し、かつ、当該認定を受けた者が行う特定認証業務の用に供する電子証明書及び当該電子証明書により確認される電子署名法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方

 

難しいです。

 犯罪による収益の移転防止に関する法律4条1項、同法施行規則6条の要件を満たす場合、同法令の範囲内の本人確認の方法として有効となる。

 司法書士法関連法令と司法書士会の会則・規定による本人確認は、本人確認が必要な場面と、犯罪による収益移転防止法関連法令より少し細かな記載(日本司法書士会連合会、司法書士執務調査室執務部会「司法書士にとっての犯罪収益移転防止法Q&A」令和2年8月など。)。

 個人情報保護法とその関連法令、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律とその関連法令は、本人確認を行う相手の権利を不必要に奪わないように定められている、という理解で良いのか。

 

デジタル化と司法書士

令和3年9月4日九州ブロック司法書士会協議会令和3年度会員研修会

政府の進めるIT戦略と司法書士業務に与える影響~ポストコロナの時代で加速するDXへの対応

「使命」「オンライン利用促進」「書面・対面・押印の見直し」「裁判IT」「ODR」「相談センターのIT化」など

日本司法書士会連合会 会長 小澤吉徳

はじめに

•令和は、司法書士法に「使命規定」が明記された記念すべき時代•すべての業務は国民の権利擁護と自由かつ公正な社会の実現のために法改正の理由近時の司法書士制度及び土地家屋調査士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、司法書士及び土地家屋調査士について、それぞれ、その専門職者としての使命を明らかにする規定を設けるとともに、懲戒権者を法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改める等の懲戒手続に関する規定の見直しを行うほか、社員が一人の司法書士法人及び土地家屋調査士法人の設立を可能とする等の措置を講ずる必要がある。

取り巻く状況の大きな変化とは?

 近年の司法書士・土地家屋調査士を取り巻く状況の大きな変化として指摘されているのは、例えば、(1)簡易裁判所における訴訟代理や成年後見・財産管理業務への司法書士の関与が大幅に増加であり、(2)ADR手続における代理や登記所備付地図の作成等の分野において,土地家屋調査士の活躍の場が拡大していることであり、(3)空家問題・所有者不明土地問題への対応,自然災害における復興支援等に,それぞれ専門家として参画していること。

3つの課題

 上記の状況の変化、すなわち、業務範囲の拡大や活動範囲の広域化に伴い,司法書士・土地家屋調査士の制度について,

  • 専門家としての使命を明確にする必要(使命の明確化)、現状に即して,懲戒手続をより合理化する必要(懲戒手続の適正・合理化)、一人法人を認めることによる多様なニーズへの対応が必要(一人法人の可能化)、という3つの課題に対応する必要がある。

使命の明確化

 司法書士は、司法書士法の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とすることを明らかにすること(第1条関係)とされ、この規律を司法書士法人に準用すること(第46条第1項関係)とされた。

使命規定の意義

不動産登記、商業登記、裁判所提出書類作成、簡裁訴訟代理、債務整理、成年後見、遺産承継、民事信託など、多様な業務の根底にあるもの?

全ての業務に通底するもの、自由かつ公正な社会とは?

 「自由で公正な社会とは,様々な考え方を持ち,多様な生き方を求め る人々が,お互いの存在を承認し,多様な考え方や生き方を尊重しながら共に協力して生きていくことのできる社会である。 法は 本来このような共生のための相互尊重のルールとして 国民の権利を守り また,国民の責務を明確にすることによって,各人の自律的な活動を 促進し,その生活をより豊かにするものであって,ただ単に国民を規制するだけのものではない。また,司法とは,すべての当事者を平等・対等の地位に置く公正な手続を通じて,法に基づく権利の救済を図り,ルール違反に対処することにより,法秩序の維持・形成を図るものである。」

法教育委員会の見解

司法書士という用語 行政改革・司法改革のようなレベルを凌駕する旗印

・中央省庁等改革基本法

・司法制度改革推進法

・法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律

・総合法律支援法

の4つの法律にしか使われていない。

(司法書士法改正記念誌 日本司法書士会連合会顧問 寺田逸郎氏の講演録から)

平成31年4月11日参議院法務委員会における大臣の答弁①

○国務大臣(山下貴司君) 全国青年司法書士協議会における人権擁護活動として、全国一斉生活保護一一〇番、あるいは全国一斉養育費相談会、全国一斉労働トラブル一一〇番、法律教室事業、あるいはその他の人権擁護活動、これはもう本当に関係者の皆様に対して深い敬意と謝意を表する次第でございますし、また、日本司法書士会連合会においても、もちろん市民の権利擁護推進室を設置して、経済的困窮者や高齢者の権利擁護などに関する様々な事業を行っておられるということでございます。

 こうした様々な人権擁護活動を行っているその背景には、司法書士の皆様が国民にとって身近な法律家であり、そうした方々がその専門性を生かしておられるということで、そうした人権擁護活動の一翼を担っていただくこと、これは非常に重要なことであると考えております。

平成31年4月11日参議院法務委員会における大臣の答弁②

○国務大臣(山下貴司君)改正法案の第一条は司法書士の使命を規律するものでありますが、主語が司法書士を主体としたということでございます。そして、国民の権利を擁護することをその使命として明確にしたものでございます。そして、司法書士が国民に身近な法律家として幅広く国民の権利を擁護することが期待されていることに照らせば、ここで言う権利の内容として当然憲法上の基本的人権も含まれると考えております。

平成31年4月11日参議院法務委員会における大臣の答弁③

○国務大臣(山下貴司君)もうまさにおっしゃるとおり、この法律の定めるところにより、主体性を持って「国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」ということで、その活動について期待しているところでございます。

令和元年5月31日衆議院法務委員会における大臣の答弁

○山下国務大臣 お答えします。

 改正法案では、司法書士の使命として、司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とすると定めることとしております。

 このような改正を行った趣旨は、司法書士を専門家として位置づけた上で、司法書士が主体的に国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与するということをその使命として規定するものでありまして、司法書士の皆様の能動的な規範を定めるものでございます。

 新たにこのような使命規定を設けることによりまして、それぞれの司法書士の皆様が、より高い使命感のもとに、登記や裁判に関する司法書士の業務に加え、それ以外の例えば被災者支援や人権擁護活動も含めた各種活動等を通じて、国民の権利の擁護のためにその職責を果たしていくことが期待されているものでございます。

司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

1 司法書士及び土地家屋調査士の実務能力の向上のために実施される各種の研修制度について、その一層の充実に向けて協力すること。

2 司法書士法人及び土地家屋調査士法人につき、その設立の諸手続が円滑に進められ、司法書士会及び土地家屋調査士会による指導が適切にされるよう努めること。

3 空き家や所有者不明土地問題等の諸課題の解決に当たっては、司法書士及び土地家屋調査士の有する専門的知見や財産管理、筆界確定等についてのこれまでの実績に鑑み、その積極的な活用を図ること。

司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

4 司法書士及び土地家屋調査士の有する専門的知見を活用したADR手続により国民の権利擁護及び利便性の向上を図るため、引き続き、それらの手続の周知に努めること。

5 総合法律支援法に基づく特定援助対象者法律相談援助事業に関して、司法書士の更なる活用を進めるなど、関係団体と連携しつつ、国民の権利擁護及び利便性の向上に資するよう努めること。

6 IT環境の急速な進展の下で、各種登記制度やこれを支える司法書士制度及び土地家屋調査士制度に対する国民の信頼を損なうことのないよう、非司法書士行為及び非土地家屋調査士行為に対して引き続き厳正に対応すること。

7 土地家屋調査士の有する専門的知見やその保有する知識、情報等を広く活用することにより、法務局における登記所備付地図の整備を一層促進すること。

8 国民の権利擁護の観点から、司法書士でない者が司法書士の業務について周旋することを禁止する規定の整備について、本法施行後の状況も踏まえつつ、必要に応じ対応を検討すること。

9 司法書士の登録前の研修を義務化することなど、簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができる司法書士の資質の向上のための施策について、本法施行後の状況も踏まえつつ、必要に応じ対応を検討すること。

今後の具体的な課題

権利擁護事業のさらなる推進

倫理の涵養

執務レベルの向上のための研修

改正司法書士法の施行にあたって~社会の期待に応え,その使命を果たす(会長声明)

• 使命規定は,司法書士が行う不動産登記,商業登記,裁判所提出書類作成,簡裁訴訟代理,債務整理,成年後見,遺産承継,民事信託など,多様な業務のすべてに通底するものであり,すなわち司法書士の行う業務のすべては国民の権利擁護に資するものでなければならない。

• 今,新型コロナウイルスの影響によって,国民の生活様式や社会経済のあり方が大きく変容を迫られ,失業者や経済的困窮者の増加,自死や倒産の増加も懸念されている。

• 連合会は,これまで以上に社会の期待に応えることのできる法律家団体を目指すため,全国の司法書士が使命を自覚しつつ職責を十全に果たし,倫理の涵養を図り,執務レベルを向上させるための研鑽を積むことができるような体制を強化することをここに宣言する。

今日のお話「ポストコロナの時代で加速するDXへの対応」

• 1 戸籍情報連携システム

• 2 法人設立関連手続について等

• 3 オンライン利用の促進

• 4 書面・押印・対面の見直し

• 5 裁判手続きのIT化により高まる本人支援のニーズに応える

• 6 ODR時代到来に備える専門家として

• 7 司法書士総合相談センターのIT化

政府の進めるIT戦略

経済財政運営と改革の基本方針2021

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/decision0618.html

• 日本の未来を拓く4つの原動力

• ~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~

• 令和3年6月18日閣議決定

• 第1章 新型コロナウイルス感染症の克服とポストコロナの経済社会のビジョン

• 1.経済の現状と課題

• 2.未来に向けた変化と構造改革

• 3.ポストコロナの経済社会のビジョン

• 4.感染症の克服と経済の好循環に向けた取組

• (1)感染症に対し強靱で安心できる経済社会の構築

• (2)経済好循環の加速・拡大

• 5.防災・減災、国土強靱化、東日本大震災等からの復興

• (1)防災・減災、国土強靱化

• (2)東日本大震災等からの復興

• 第2章 次なる時代をリードする新たな成長の源泉

• ~4つの原動力と基盤づくり~

• 1.グリーン社会の実現

• (1)グリーン成長戦略による民間投資・イノベーションの喚起

• (2)脱炭素化に向けたエネルギー・資源政策

• (3)成長に資するカーボンプライシングの活用

• 2.官民挙げたデジタル化の加速

• (1)デジタル・ガバメントの確立

• (2)民間部門におけるDXの加速

• (3)デジタル人材の育成、デジタルデバイドの解消、サイバーセキュリ

ティ対策

• 3.日本全体を元気にする活力ある地方つくり~新たな地方創生の展開と分散型国づくり~

• (1)地方への新たな人の流れの促進

• (2)活力ある中堅・中小企業・小規模事業者の創出

• (3)賃上げを通じた経済の底上げ

• (4)観光・インバウンドの再生

• (5)輸出を始めとした農林水産業の成長産業化

• (6)スポーツ・文化芸術の振興

• (7)スマートシティを軸にした多核連携の加速

• (8)分散型国づくりと個性を活かした地域づくり

•• 4.少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現

• (1)結婚・出産の希望を叶え子育てしやすい社会の実現

• (2)未来を担う子供の安心の確保のための環境づくり・児童虐待対策

• 5.4つの原動力を支える基盤づくり

• (1)デジタル時代の質の高い教育の実現、イノベーションの促進

• (2)女性の活躍

• (3)若者の活躍

• (4)セーフティネット強化、孤独・孤立対策等

• (5)多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践、リカレント教育の充実

• (6)経済安全保障の確保等

• (7)戦略的な経済連携の強化

• (8)成長力強化に向けた対日直接投資の推進、外国人材の受入れ・共生

• (9)外交・安全保障の強化

• (10)安全で安心な暮らしの実現

• 第3章 感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革

• 1.経済・財政一体改革の進捗・成果と感染症で顕在化した課題

• 2.社会保障改革

• (1)感染症を機に進める新たな仕組みの構築

• (2)団塊の世代の後期高齢者入りを見据えた基盤強化・全世代型社会保障改革

• 3.国と地方の新たな役割分担等

• 4.デジタル化等に対応する文教・科学技術の改革

• 5.生産性を高める社会資本整備の改革

• 6.経済社会の構造変化に対応した税制改革等

• 7.経済・財政一体改革の更なる推進のための枠組構築・EBPM推進

• 8.将来のあるべき経済社会に向けた構造改革・対外経済関係の在り方

• 第4章 当面の経済財政運営と令和4年度予算編成に向けた考え方

•• 1.当面の経済財政運営について

•• 2.令和4年度予算編成に向けた考え方

2.官民挙げたデジタル化の加速

• デジタル時代の官民インフラを今後5年で一気呵成に作り上げる。

• デジタル庁を核としたデジタル・ガバメントの確立、民間のDXを促す基盤整備を加速し、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を構築する。

(1)デジタル・ガバメントの確立

• 「デジタル・ガバメント実行計画」に従い行政のデジタル化を強力に推進する。

• デジタル庁は各府省庁への勧告権等を活用し総合調整機能を果たす。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20191220/siryou.pdf

• 2022 年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すとの方針の下普及に取り組む。

• マイナンバーカードの健康保険証、運転免許証との一体化などの利活用拡大、スマホへの搭載等について、国民の利便性を高める取組を推進する。

• 給付事務等への活用を念頭に行政機関間の情報連携を推進する。

• 住民情報の連携について、マイナンバー制度の活用を図る。

• 法整備も視野に入れ、本年中に給付事務用やGビズID発行事務用等を含めた国の行政機関間の全ての商業登記情報連携を無償化するとともに、独立行政法人及び地方自治体との間の全ての連携についても本年度中の無償化を目標に作業を進める。

• これによりデジタルで手続を完結させ、紙の登記事項証明書の添付省略を促進する。会社法上の決算公告義務の履行を確保しつつ、経済産業省及び国立印刷局は、契約情報・会社決算情報等の官報掲載情報のGビズインフォとの情報連携を本年中に開始する。

• 記帳等の経理事務のデジタル化及び記帳水準の向上を図るなど民間部門の経理・行政事務のDXを推進する。

• デジタル庁は、ベース・レジストリの構築・管理・運営において知見のある国立印刷局等の公的機関の協力を求め、その早期構築に取り組む。

https://cio.go.jp/node/2764

• オンライン化されていない行政手続の大部分を、5年以内にできるものから速やかにオンライン化し、オンライン化済のものは利用率を大胆に引き上げる。

【2020年改定版】デジタル・ガバメント実行計画の概要

➢ デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会 ~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~

➢ デジタル庁設置を見据えた「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を踏まえ、国・地方デジタル化指針を盛り込む等デジタル・ガバメントの取組を加速サービスデザイン・業務改革(BPR)の徹底

https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/bpr#:~:text=BPR%E3%81%AF%E3%80%81%E6%A5%AD%E5%8B%99%E3%81%AE%E6%9C%AC%E6%9D%A5,%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

行政手続のデジタル化、ワンストップサービス推進等

✓ 書面・押印・対面の見直しに伴い、行政手続のオンライン化を推進

✓ 登記事項証明書(情報連携開始済)、戸籍(令和5年度以降)等について、

行政機関間の情報連携により、順次、各手続における添付書類の省略を実現

✓ 子育て、介護、引越し、死亡・相続、企業が行う従業員の社会保険・税及び法人設立に関する手続についてワンストップサービスを推進

✓ 法人デジタルプラットフォームの機能拡充による法人等の手続の利便性向上デジタル・ガバメント実現のための基盤の整備(上記指針以外)

✓ 政府全体で共通利用するシステム、基盤、機能等(デジタルインフラ)の整備

✓ クラウドサービスの利用の検討の徹底、セキュリティ評価制度(ISMAP)の推進

✓ 情報セキュリティ対策の徹底・個人情報の保護、業務継続性の確保

✓ 新たなデータ戦略に基づき、ベースレジストリ(法人、土地等に関する基本データ)の整備、プラットフォームとしての行政の構築、行政保有データのオープン化の強化等を推進

✓ デジタル庁の設置も見据え、全ての政府情報システムについて、予算要求前から執行までの各段階における一元的なプロジェクト管理を強化

https://cio.go.jp/guides

政府情報システムの効率化、高度化等のため、情報システム関係予算の一括計上の対象範囲を拡大(全システム関係予算のデジタル庁一括計上を検討)

https://cio.go.jp/node/1426

✓ 機動的・効率的・効果的なシステム整備のため、契約締結前に複数事業者と提案内容について技術的対話を可能とする新たな調達・契約方法の試行

✓ 政府情報システムの運用等経費、整備経費のうちシステム改修に係る経費を令和7年度までに3割削減を目指す(令和2年度比)

外部の高度専門人材活用の仕組み、公務員試験によるIT人材採用の仕組みを早期に導入一元的なプロジェクト管理の強化等

地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進

デジタルデバイド対策・広報等の実施

✓ 身近なところで相談を受けるデジタル活用支援員の仕組みを本格的に実施

✓ SNS・動画等による分かりやすい広報・国民参加型イベントの実施

※本計画は、デジタル手続法に基づく情報システム整備計画として位置付けることとする。

✓ 自治体の業務システムの標準化・共通化を加速(国が財源面を含め支援)

✓ マイナポータルの活用等により地方公共団体の行政手続(条例・規則に基づく行政手続を含む)のオンライン化を推進

✓ 「自治体DX推進計画」に基づき自治体の取組を支援

https://www.soumu.go.jp/main_content/000726912.pdf

✓ クラウドサービスの利用、AI・RPA等による業務効率化を推進

✓ 「地域情報化アドバイザー」の活用等によるデジタル人材の確保・育成

国・地方デジタル化指針

✓ 利用者のニーズから出発する、エンドツーエンドで考える等のサービス設計12箇条に基づく、「すぐ使えて」、「簡単」で、「便利」な行政サービス

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/servicedesign_betten1.pdf

✓ 利用者にとって、行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタルで完結される行政サービスの100%デジタル化の実現

✓ 業務改革(BPR)を徹底し、利用者の違いや現場業務の詳細まで把握・分析

「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ報告(工程表含む)」に基づき推進

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dgov/kaizen_wg/dai4/gijisidai.html

✓ 国・地方の情報システムの共通基盤となる「(仮称)Gov-Cloud」の仕組みの整備

https://www.soumu.go.jp/main_content/000731217.pdf

✓ ワンス・オンリー実現のための社会保障・税・災害の3分野以外における情報連携やプッシュ通知の検討、情報連携に係るアーキテクチャの抜本的見直し

✓ 国・地方のネットワーク構造の抜本的見直し(高速・安価・大容量に)

✓ 自治体の業務システムの標準化・共通化・「(仮称)Gov-Cloud」活用

✓ 強力な司令塔となるデジタル庁設置、J-LISを国・地方が共同で管理する法人へ転換

✓ 公金受取口座を登録する仕組み、預貯金付番を円滑に進める仕組みの創設

✓ マイナンバーカード機能をスマートフォンに搭載、電子証明書の暗証番号の再設定等を郵便局においても可能に、未取得者への二次元コード付きカード交付申請書の送付、各種カードとの一体化(運転免許証、在留カード、各種の国家資格等)

✓ マイナポータルのUX・UI改善(全自治体接続等)、情報ハブ機能の強化

✓ 個人情報保護法制の見直し(法律等の一元化、民間事業者等の負担軽減)

✓ 戸籍における読み仮名の法制化(カードへのローマ字表記、システム処理の迅速化)

1 戸籍情報連携システム

戸籍謄抄本の添付省略

• 令和元年5月に改正された戸籍法により、新たに「戸籍情報連携システム」が構築された。

→マイナンバー制度に基づく情報連携、戸籍事務内連携が図られることとなった、

• 令和5年度中に施行予定

マイナンバー制度に基づく情報連携

• マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が改正され、戸籍情報が、マイナンバー制度に基づく情報連携の対象

• 各種の社会保険手続の申請等を行う際、行政機関側は、申請者が記入したマイナンバーを利用して必要な情報(親子関係や婚姻関係等)を確認できることとなった。

• →戸籍謄抄本の添付不要

地方公共団体システム機構

利用者クライアントソフトに係る技術仕様について

https://www.j-lis.go.jp/jpki/procedure/procedure1_2_3.html

総務省 マイナンバーカードには、住基アプリケーション(住基AP)が入っている、既に住民基本台帳ネットワークは整備させれているので、戸籍連携においてマイナンバーカードを利用する必要がない。個人情報取得に関しては最低限に留めるという趣旨。

https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/03.html#hikaku

情報連携の対象となる具体的な行政事務

• マイナンバー法の別表で定められる。

• 1児童扶養手当の支給事務における続柄、死亡の事実、婚姻歴の確認

• 2国民年金の第3号被保険者(被保険者が扶養する主婦など)の資格取得事務における婚姻歴の確認

• 3奨学金の返還免除事務における死亡事実の確認

• 4健康保険の被扶養者認定事務における続柄の確認などに活用される予定

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律

別表第一(第九条関係)、別表第二(第十九条、第二十一条関係)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000027

戸籍事務内連携

戸籍情報システム標準仕様書  日本加除出版株式会社

https://www.moj.go.jp/content/001321623.pdf

戸籍手続オンラインシステム構築のための標準仕様書(R2.1 版)

令和2年3月法務省

https://www.moj.go.jp/content/001321624.pdf

• 各市区町村長が必要な範囲内で法務大臣の保存する戸籍又は除かれた戸籍の副本を利用して戸籍事務を行えるようになった。

• 各市区町村では、婚姻の届出や養子縁組など戸籍に関する各種届出の際、市区町村長による確認が必要な戸籍情報について「戸籍情報連携システム」で参照可能となった。

• →戸籍の届出に必要とされていた戸籍謄抄本の提出不要に

所有者の登記名義人の死亡情報等を不動産登記記録に反映させる仕組み

• 令和3年4月に不動産登記法改正

• 登記官が、他の公的機関から所有権の登記名義人の死亡情報や住所等の異動情報等を取得し、これらを職権的に不動産登記記録に反映させられる仕組みの創設

• 所有権の登記名義人が自然人の場合には住民基本台帳ネットワークシステムから、法人の場合は法人登記のシステムから、それぞれ必要な情報を取得することが想定

• 施行期日は、公布日(令和3年4月28日)から起算して5年を超えない範囲

2 法人設立関連手続について等

• 法人設立関連システム等について、費用対効果を考慮した上で、次回システム刷新時に合わせて英語でも対応を行うことを原則とすべきである。法人設立関連手続に関しては、以下の取組を行う

• ①2021年度中に、英語申請ガイドの作成、書式見本の作成等を行う。

• →更なる取組を推進

• ②オンライン申請手続については、2021年度中に設立登記申請時の手続で利用される登記情報システムなどに自動翻訳システムを付すことを検討し結論を得る。

• →左記結論を踏まえ必要な措置を講ずる

•なお、手続代行を担う士業等と連携し、登記申請後の労働基準監督署、ハローワーク及び年金事務所への設立届出の円滑な提出を可能とする。

•→更なる取組を推進

• 商業登記電子証明書について、法人の本人確認をデジタル完結させる手段として一般的に利用されるよう広報活動を行う。

ブリッジ認証局CP/CPS (PDF) 令和3年3月1日改定 行政情報システム関係課長連絡会議了承

https://www.gpki.go.jp/bca/cpcps/index.html

2021年度中に、利便性の向上策や無償化の可否を検討する。

• →更なる取組の検討・実施

• あわせて、クラウド化に向けた検討を行う。また、費用対効果も踏まえつつ、2025年度までの可能な限り早期に新規システムの運用開始を目指す。

• →費用対効果も踏まえつつ、2025年度までの可能な限り早期に新規システムの運用開始を目指す

• 2021年度中に設立後の法人の実質的支配者の把握に寄与する制度を導入する

引っ越し関係手続、死亡・相続関係手続

•内閣官房において、「引っ越し」や「死亡・相続」の際に必要となる届出等について、手続きのワンストップ化を検討

•法務省では、不動産登記の所有者の住所変更や、死亡の届出、相続に伴う不動産登記の所有者変更等の制度を所管する立場から、関係省庁と連携し検討

3 オンライン利用の促進

オンライン利用率を大胆に引き上げる取組

• 各府省は、令和2年度に旗艦的なものとして開始した以下の28事業について、規制改革推進会議が示す考え方も踏まえ、短い期間でPDCAを回してオンライン利用率を大胆に引き上げる取組を着実に推進する。

• ・ 商業・法人登記関連手続(法務省)

• ・ 不動産登記関連手続(法務省)

• ほか26事業

• c 法務省は、登記・供託オンライン申請システムについて、開発者等が使いやすい形でのAPI仕様の公開方法に係る改善に取り組むとともに、利用時間の24 時間対応に向け、ニーズや費用対効果を踏まえた検討を行う。

API概要

登記・供託オンライン申請システム

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/developer.html

• また、申請ページ(法人設立ワンストップサービスを含む)への導線や手続案内等が、手続に精通していない申請者に分かりやすいものとなるよう、法務省・法務局のウェブサイトを見直す等周知方法を改善する。

•d 法務省は、これまでデジタル化の推進に多くの課題があったことを踏まえ、登記その他のデジタル社会の基盤となる制度を所管する省として、デジタル化を強力に推進する観点から、民間人材の登用を含め、デジタル化を推進する体制を構築する。

• g 各府省は、手続件数、手続の性質、手続の受け手となる機関等に応じた優先順位を踏まえつつ、オンライン利用が100%のものなどを除き、原則として年間10 万件以上の手続を含む事業の全てについて、28 事業(上記a)に準じてオンライン利用率を引き上げる目標を設定した取組を行う。

• h 各府省は、オンライン利用率の大胆な引上げを含むデジタル化の推進のため、デジタル技術又は民間におけるデジタル改革について知見のある者の登用を含め、規制改革推進に関する答申(令和3年6月1日)Ⅱ6.(2)アの「基本的考え方」に示した取組を確実に実施できる体制を整備する。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html

•各府省は、オンライン利用を促進する上で、API連携により民間企業等の参入を図ることは極めて重要であることを踏まえ、オンライン利用率を引き上げる目標を設定した取組に当たっては、手続の性質に応じて、開発者・利用者にとって利便性の高い形でAPIが構築・公開されているか点検し、必要な措置を講ずる。デジタル庁(IT室)は、民間が利用しやすい形でAPIが提供されるよう、APIの仕様の標準化など、各府省に対して必要な助言・支援等を行う。

行政手続の100%オンライン利用→司法書士・弁護士については義務化。

• d 法務省は、商業登記・不動産登記に係る手続について、オンライン利用率が中程度となっていることを踏まえ、まずは、上記No.5 の取組を通じてオンライン利用の向上を図る。

•併せて、司法書士等による手続代行が多いことを踏まえ、デジタル化を抜本的に進める上で司法書士等の果たすべき役割について検討を行う。

デジタル化に向けた基盤の整備等

• b 法務省は、デジタル庁(IT室)と連携し、法令において登記事項証明書の添付が求められる手続については、能動的に働きかけを行い、情報連携の促進に係る工程表を作成し、可及的速やかに添付書類の省略を実現する。

• また、法務省は、法整備も視野に入れ、給付事務用やGビズID発行事務用等を含めた国の行政機関間の全ての商業登記情報連携を無償化するとともに、独立行政法人及び地方公共団体との間の全ての連携についても無償化を進める。これによりデジタルで手続を完結させ、紙の登記事項証明書の添付省略を促進

する。

• b:法令において登記事項証明書の添付が求められる手続における情報連携の拡大について、令和3年中に工程表を策定し取組を開始。国の行政機関間の全ての商業登記情報連携の無償化について、令和3年中に措置。独立行政法人及び地方公共団体との間の全ての連携の無償化について、令和3年度中を目途に措置

4 書面・押印・対面の見直し

書面・押印・対面見直しの確実な推進

• a 令和3年3月末までに押印義務の見直しについて法令改正等が行われていない305種類の手続について、速やかに行政手続における押印の見直しを確実に実施する。

• b 各府省は、オンライン化する方針の手続について、可能な限り前倒しを図りつつ措置。なお、オンライン化の手法等については、今後の情報通信技術の発展、政府の方針等を踏まえ柔軟に改善する。

• c 各府省において性質上オンライン化が適当でないと考える432 種類の手続のうち、少なくとも年間の手続件数が1万件以上の手続については、最新のデジタル技術や補完的手段の活用等によるオンライン化を含む利用者負担の軽減策について、引き続き検討する。

デジタル整備法による戸籍法改正

• デジタル整備法により、押印の見直しのために改正された法務省所管の法律は、戸籍法など5つ

• 施行は、9月1日

• 現在、署名と押印を求めている婚姻届・離婚届等について、押印廃止。真正性確保のため署名のみ求める。

• 明治時代から戸籍の届出には押印するとされていいる。人生の節目である婚姻届等については、押印の存続を求める国民の声あり。

• →民事局長通達により、届出人の任意の押印を認め、標準様式にも押印できることを明記予定金融分野の行政手続における書面・押印・対面手続の見直し

• 金融庁は、金融機関等から受け付ける申請・届出等について、令和3年3月末までに整備したシステム及び制度面での対応を踏まえ、令和3年度の可能な限り早期に運用を開始する。また、押印については、府令・監督指針等の改正を行い、令和2年中に全て廃止する。

• (前段)令和3年度措置

• (後段)措置済み

民間における書面・押印・対面規制等の見直し

• a 内閣府及び法務省は、民法(明治29 年法律第89号)第486 条の改正により、令和3年9月から弁済に係る受取証書について電磁的記録の提供の請求が可能となることを踏まえ、施行後に小売店等の店頭において混乱を来さないよう、あらかじめQ&A等で法令解釈を明らかにし、広く周知を図る。

• b 法務省は、令和3年10月以降に開催される株主総会について、新型コロナウイルス感染症の影響により株主総会資料のウェブ開示によるみなし提供制度の対象を拡大する措置が引き続き必要となった場合には、当該措置を講ずる。

• c 経済産業省は、株主総会プロセスにおける企業と株主による対話の充実に向けて、ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施の推進のため、実施ガイドなどの更なる充実を図る。

• d 国土交通省は、不動産の売買取引におけるオンラインによる重要事項の説明について、社会実験の結果を踏まえ、ガイドラインを改定し、テレビ会議等による非対面の説明が可能である旨を明らかにする。

• e 国土交通省は、設計受託契約・工事監理受託契約に係るITを活用した重要事項の説明について、暫定的に運用しているテレビ会議等による非対面の説明を本格的に運用するためのガイドラインを整備する。

書面の見直し(民法・受取証書の電子化)

電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&A

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00269.html

• インターネットを用いた電子商取引が増加。

弁済者側には受取証書(領収書)に代えて電磁的記録の提供を受けたいというニーズあり。弁済受領者側にも受取証書の交付が過度な負担となっている場面あり。

• 民法486条2項を新設。弁済者は受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電データの提供を請求できることとした。

• ただし、電子データの提供に直ちに対応することが困難な小規模事業者などに配慮し、弁済受領者にとって電子データの提供が不相当な負担となる場合には、弁済者は請求できないこととした。

書面の見直し(借地借家法等)

• 電子契約システム等を利用した遠隔地での契約を容易にするため、借地借家法を改正

• 一般定期借地権の設定(法定更新等を排除する特約)や定期建物賃貸借契約について、書面に代えて電磁的記録によって行うことを可能とした。定期建物賃貸借の事前説明事項について、電磁的記録による提供も可能。

定期建物賃貸借契約自体の電子化を検討

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/hotline/h_index.html

• 被災地短期借地権設定契約(大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法の改正)、書面よってしなければならないとされている催告等の手続(建物の区分所有等に関する律の改正)について、相手方の承諾を得た場合には、電磁的記録によることを可能。

5 裁判手続きのIT化により高まる本人支援のニーズに応える

• 裁判のIT化は誰のため?

• 現状と今後のスケジュールについて

• 司法書士会の急務は裁判事務の実績づくり!!

• 平成30年3月30日 裁判手続等のIT化検討会による取りまとめ

• 令和元年12月 民事裁判手続等IT化研究会による報告書世界銀行の“DoingBusiness”の低評価

• 世界銀行の“Doing Business”(注:世界銀行が毎年発表する、世界190か国を対象とし、事業活動規制に係る10分野を選定し、順位付けしたもの)2017年版では、「裁判手続の自動化(IT化)」に関する項目について、我が国に厳しい評価が示されている。

• 我が国のビジネス環境や国際競争力の観点から見た場合、利用者目線に立った裁判手続のIT化を更に進める必要があるのではないかとの声が高まった。

当会のスタンス

• 「裁判記録のペーパレス化・データベース化」「多数当事者を想定する事件における省力化」「遠隔地の当事者間の裁判におけるコスト軽減」「裁判官や裁判所職員、法律家やその事務員の働き方改革にもつながる」「利用者の利便性の向上と民事訴訟の効率的な進行」「真に望ましい迅速かつ効率的な民事訴訟を実現すること」などといったメリットにはすべて基本的に賛成するものである。

• その上で、「利用者目線での推進」「国民に利用しやすく、わかりやすい民事訴訟手続という、現行の民事訴訟法の基本に合った理念の実現」という趣旨こそが、すべてのメリットに最優先されるべき重要な視点である。

実現までの工程表

• 令和元年度 • 民事裁判手続等IT化研究会の報告書取りまとめ

• フェーズ1(ウェブ会議等を用いた争点整理)の特定庁での実施

• 法制審議会への諮問 • 令和2年度 • 専門部会における調査審議 • フェーズ1の拡大(令和2年度以降、順次全国へ)

• 令和3年

• 専門部会における調査審議において中間試案

• パブリックコメント

• 要綱案の取りまとめに向けた議論

• フェーズ3の先行実施(準備書面等のオンライン提出)

• 令和4年

• 専門部会における要綱案決定

• 法制審議会答申、改正法案の国会提出

• フェーズ2の一部実施(ウェブ会議等を用いた双方不出頭の争点整理)

令和5年以降

• フェーズ2の完全実施(口頭弁論のウェブ化)

• フェーズ3の完全実施(訴状を含めたオンライン申立て、記録の電 子化の実現)

日本司法書士会連合会の取り組み

• 平成30年1月3日から5日 韓国視察

• 平成30年2月22日 検討会への意見書提出(HP参照)

• 山本和彦座長、杉本純子先生、湯淺墾道先生らとの意見交換

• 平成30年4月9日 検討会取りまとめに対する会長談話(HP参照)

• 平成30年7月24日から開催された「民事裁判手続等IT化研究会」にオブザーバー参加

・令和元年8月19日より8月14日までアメリカ視察(報告書は会報THINK118号に掲載)

・令和元年9月17日 民事裁判手続のIT化における本人訴訟の支援に関する声明(HP参照)

・令和2年2月8日 法務士を招いて韓国の新しい電子訴訟についてレクチャーを受ける

諸外国の状況は?

• 欧米を中心に裁判手続等のIT化が既に進められてきており、アメリカ、シンガポール、韓国等では、IT化した裁判手続等の運用が広く普及・定着している。

• ドイツ等でも、近年、IT化の本格的取組が着実に進展している。

韓国の特徴

(法務士の権限について)民事訴訟等における電子文書利用等に関する規則

• 第4条(使用者登録)

• 1電子訴訟システムを利用しようとする者は電子訴訟システムに接続して、次の各号の会員類型別に電子訴訟ホームページで要求する情報を該当欄に入力した後、電子署名のための証明書を使って使用者登録を申請しなければならない。登録した使用者情報は証明書の内容と一致しなければならない。

• 1.個人会員 2.法人会員 3.弁護士会員

• 4.法務士会員 5.回生・破産事件の手続関係人会員 6.執行官等

• 2 第1項第2号から第6号までの使用者登録をした者(以下「登録使用者」という)は、利用権限の範囲を定めて所属使用者を指定でき、それにより指定された者は電子訴訟システムに所属使用者として登録することができる。

• 第11条(電子文書の作成・提出)

• 1 登録使用者は電子訴訟ホームページで要求する事項を空欄補充方式で入力した後、残りの事項を該当欄に直接入力し、または電子文書を登載する方式で訴訟書類を作成・提出することができる。

• 2 省略

• 3 第4条第1項第4号の法務士会員は次の各号の中でいずれか一つの方法により電子文書を作成・提出することができる。ただし、 民事訴訟等の当事者、訴訟代理人または第3条第1号から第4号ま でに規定された者に該当する委任者が電子訴訟同意をしなかった場合には第24条第1項第3号により登録使用者を送達領収人として 申告する趣旨の書面および今後委任者が直接訴訟書類を提出し、ま たは送達を受ける時に電子訴訟同意をするものとの確約する趣旨の書面を添付しなければならない。

• 以下省略

シンガポールの特徴

(CJCによるサポート)

• The Community Justice Centre

という、公益団体が本人訴訟等の支援も行っている。

• Automated Court Documents

Assembly(ACDA)というシステムにより、本人が入力すると申請書が作成されるシステム

アメリカの特徴

•セルフサポートセンターによる本人訴訟支援(サンフランシスコ)

• LIMITED SCOPE

REPRESENTATION (LSR)という弁護士代理のばら売り制度など(サンフランシスコ)裁判手続等のIT化検討会による取りまとめ(平成30年3月30日)

• IT化に向けた課題として

• (1)本人訴訟について

• (2)情報セキュリティ対策

「本人訴訟について」

• 裁判手続等の全面IT化の実現に当たっては、代理人として弁護士等が選任されていない本人訴訟について、当事者の裁判を受ける権利にも十分配慮しつつ、当事者の置かれた立場や訴訟の各進行段階等に応じ、裁判所による適切なウェブ上の利用システム・環境の構築や、適切な担い手による充実したIT面のサポート(ITリテラシー支援策)が必要である。

• 資力がない当事者への法的側面でのサポートは法テラス等で行われているが、それとは区別されるIT面のサポート策として、その実施主体や内容等について、様々な方策やアプローチが考えられるところであり、今後、総合的な対策を、非弁活動の抑止等の観点にも留意しつつ、検討していく必要がある。

「本人訴訟について」(2)

• この点は、当事者間で利害の対立することが多い裁判事件の一方当事者に対する支援であることからすると、まずは、裁判上の代理人として関与する弁護士、司法書士等の法律専門士業者が、代理権の範囲の中で、所属団体の対応枠組みを使うなどして、法的側面とともにIT面の支援をも行っていくことが考えられる。

• もっとも、充実したサポート体制の実現のためには、これに限る必要はなく、特に、経済的事情で司法アクセスが容易でない当事者への支援の在り方は、既存の各種相談機関や法テラス等の支援窓口の関与・活用も含め、しっかりと検討を進める必要がある。この支援スキームの一案として、裁判所外で、紙媒体の書面の電子化を含めたサポートを行うための支援センターを設けてはどうかという意見も述べられたところであり、引き続き、望ましいサポート策の在り方の検討と対応が求められよう

民事裁判手続等IT化研究会による報告書

• 民事訴訟手続を全面的にIT化した場合における課題の整理や規律の在り方の検討等を行うことを目的として設置され,平成30年7月から令和元年12月までの間,合計15回にわたり,山本和彦一橋大学大学院法学研究科教授を座長として,研究者や,弁護士,司法書士,関係省庁等の関係者をメンバーとして,開催されたものである。

• IT機器を有していない又はITに習熟していない者に対するサポートの在り方については,現在,内閣官房に設置された「民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議」において,書面の電子化については,裁判所や法テラス等の公的機関はもとより,弁護士会や弁護士,司法書士会や司法書士をはじめとする士業者団体・士業者等,受皿 になり得る者において幅広く担当される必要があるとの有識者の意見を踏まえた検討が進められている 。そして,このようなサポート体制について,日本弁護士連合会からは「民事裁判手続のIT化における本人サポートに関する基本方針」が,日本司法書士会連合会からは「民事裁判手続のIT化における本人訴訟の支援に関する声明」が,それぞれ示されているところである。

民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議

• 「民事司法制度改革の推進について」(令和2年3月10日)

• 個々の弁護士や司法書士によるサポートとしては、書面の電子化等のITリテラシー支援サービスを提供するとともに、本人の依頼に応じて、民事訴訟の追行に必要な法的助言の提供を行う(司法書士の場合には、代理業務が可能な範囲で法的助言の提供を行う)こと等が考えられる。また、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会及び各地の弁護士会や司法書士会におけるサポートとしては、窓口に書面の電子化のための機器を設置すること等が考えられる。こうした方策を前提に、さらに具体的なサポートの内容については、個々の弁護士や司法書士、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会及び各地の弁護士会や司法書士会において検討することが期待される。

令和2年度革新的事業活動に関する実行計画

• その過程において、弁護士・司法書士等の士業者に限りオンライン提出の義務化を検討する

• 代理人が選任されていない本人訴訟に関して、日本司法支援センターによる書面の電子化等のIT支援や法的助言も含めた支援の内容を2020年度から検討する。日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会等が行う取組の検討も期待する

• 法制審議会における民事訴訟手続のIT化の検討も踏まえつつ、2020年度中に家事事件手続及び民事保全、執行、倒産等の民事非訟事件手続のIT化のスケジュールを検討する

法制審議会の基本的な視点

• 我が国においては,平成16年の民事訴訟法の改正によってオンラインでの裁判所への申立て等を可能とする規定が整備され,平成18年には支払督促手続 について オンラインでの申立てが可能となった 。しかし ,民事訴訟手続一般については,最高裁規則等が整備されていないため,いまだオンラインでの訴え提起等は認められていない。また,ITを利用した本格的な取組が急速に進展している諸外国の状況を踏まえると,我が国においても民事訴訟手続のIT化を更に進めることが,重要な課題であるといえる。

• そのため,政府において,近年における情報通信技術の進展等の社会経済情勢の変化への対応を図るとともに時代に即して民事訴訟制度をより一層 適正かつ迅速なものとし国民に利用しやすくするという観点から訴状等のオンライン提出訴訟記録の電子化情報通信技術を活用した口頭弁論期日の実現など民事訴訟制度の見直しについて検討し,令和4年中の民事訴訟法改正を視野に入れて取り組むこととしている。

「成長戦略フォローアップ工程表」• 令和3年6月18日に閣議決定

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/portal/follow_up/index.html

• 民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議の取りまとめに基づき、ITに関する状況を踏まえ、国民の司法アクセスの確保に配慮しつつ、訴状等の書面をオンライン提出に一本化する全面オンライン化を司法府の取組を含め段階的に実現

• その過程において、弁護士・司法書士等の士業者に限りオンライン提出の義務化を検討

• 本人訴訟に関して、日本司法支援センターによる書面の電子化等のIT支援や法的助言も含めた支援の内容を引き続き検討する。日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会等が行う取組の検討も期待 →IT化の範囲や導入されるシステム等の具体的内容等を踏まえて検討

司法書士の役割

簡易裁判所における訴訟代理人としての対応

地方裁判所における本人訴訟のサポート

簡易裁判所における本人訴訟のサポート

ITサポートと手続きのサポート

司法書士・司法書士会のすべきこと裁判業務についての実績づくりが急務→実績のない資格者には権限も与えられることはない

• 今後の法制審議会における議論にも注目していただき、前向きで建設的な意見を述べていくこと(パブコメ対応)

• これまでの本人訴訟支援の実績で得た知見を、ITサポートも含めて、国民に提供していくことが求められている

• 司法書士総合相談センターにおけるサポート体制づくりも急務

6 ODR時代到来に備える専門家として

ODR(OnlineDispute Resolution)とは?

ODR は多義的な概念ではあるが、一般的には、IT・AI 等の先端技術を用いたオンラインでの紛争解決手続を指すものと理解されている。

ODR 活性化に向けた取りまとめ

• 令和2年3月16日 ODR 活性化検討会

内閣府 政策会議

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/odrkasseika/index.html

• 政府の「成長戦略フォローアップ」(令和元年6月21日閣議決定)において、「裁判手続等の IT 化の推進」に係る施策の一つとして、「紛争の多様化に対応した我が国のビジネス環境整備として、オンラインでの紛争解決(ODR)など、IT・AI を活用した裁判外紛争解決手続などの民事紛争解決の利用拡充・機能強化に関する検討を行い、基本方針について 2019 年度中に結論を得る。」とされた。

• これを受けて、令和元年9月、「ODR活性化検討会」(本検討会)が設置された

日本の司法アクセス環境の現状等

• 第一審民事訴訟通常事件の新受件数

• 地方裁判所 平成30年には約13万8000件

• 簡易裁判所 平成30年には約34万1000件

• 民事調停事件の新受件数 平成30年には約3万4000件

• 認証 ADR 制度の利用 平成30年度約1650件

• 弁護士会等における法律相談件数 平成30年度約62万件超え

• 国民生活センター及び消費生活センター等に寄せられる消費生活相談の件数 平成30年には約102万件

ODRに適する分野について

• ニーズや諸外国の取組を踏まえると、

• ①一般的には、低額で定型的な紛争が大量に生じることが想定される分野などについては、ODR による解決、早期の実用化が求められている。

• ②紛争の前提となる取引等がオンラインで行われる場合についても、オンラインでの紛争解決に馴染みやすい。

• これらの分野については、早急な試用・実装。

その他の法的紛争におけるODR活用

• 検討会でのヒアリング結果等を踏まえると、離婚・相続等の家庭問題に関する法的紛争、交通事故に関する紛争、家賃増減・敷金返還などの賃貸関連紛争、スポーツ関連紛争などについても、定型的なものも相当数見込まれることから、ODRによる解決のニーズがあるように思われる。

• また、金融取引紛争についても取引そのものがオンラインで行われるフィンテック分野を始めとして、ODR の活用が期待される分野といえよう。

• その他、検討会では、いわゆる災害 ADR や倒産紛争に関する ADR についても、ODR 活用が期待されるのではないかとの意見もあったところであり、更なる ODR の活用に向けて、ニーズやあい路の検討が進められることが期待されるところである。

ODR の実装に向けた課題とその支援策のあり方について

•1 ODRの実施に関し、これまでに必ずしも念頭に置かれていなかったコミュニケーションのオンライン化などについて弁護士法やADR法等といった関連する法令との関係を整理していく必要があろう。

•2 ODRの活用には初期投資 やランニングコストを含め一定のコストが生じることが不可避であり、この観点からの検討も必要と考えられる。諸外国の実情等やニーズを踏まえ、特定の分野で先行してODR のスキームやシステムを試行・実装し、利用者を拡大していくアプローチが相当と考えられることから、民間の取組を促す環境整備も含めて、政府による積極的な支援・サポートも検討されるべきものと考えられる。

•3 また、多様な分野の紛争を取り扱う150以上の認証ADR機関を含め、様々なADR機関が全国各地で活動していることからすると、これらのADR機関は ODR の早期の実装に向けた担い手となることが期待されるが、現状では、本検討会で紹介されたアンケート調査の結果にもあるとおり、様々なコスト負担感等により、十分にODRを活用することができていない。今後、そのあい路をも踏まえた検討が必要であろう。

• ODR推進検討会を設置(令和2年10月から1年程度)

https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04200001_00002.html

• 検討事項は、

• ⑴ ODRの推進に向けた裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律関連の規律(法,法務省令,ガイドライン等)の見直しについて

• ⑵ 民間紛争解決手続における和解合意への執行力の付与について

• ⑶ ODRにおける認証紛争解決事業者の守秘義務の在り方について

日本司法書士会連合会の取り組み

• チャットベース(完全非対面)のODRについての実証実験

• 認証ADR機関におけるウェブ調停の促進

司法書士ODRチャット相談・チャット調停(無料)― チャット相談toチャット調停の試み

【phase1】 相談 【phase2】 調停(ODR)

司法書士

相談者/申立人(賃借人)

相手方(賃貸人)

【留意点】

賃貸借契約における敷金返還請求等の原状回復事件

● LINE上で、チャットベースで相談対応(受付は24時間対応可能とする)

● 担当する司法書士は、ODRの手続実施者とは別の司法書士

● システム(teuchi(テウチ)*ミドルマン社)を利用し、チャットベースで調停遂行(日程調整不要・出頭不要・非対面)

https://www.teuchi.online/

● 一定期間(例:14営業日~30営業日)で調停人から調停案提示

● 資料は画像添付により提供

● 合意に至った場合、合意書にクラウドサインを行う

https://www.cloudsign.jp/

● 手続き実施者は相談対応司法書士とは別司法書士

【phase3】 訴訟等

●日司連のLINE公式IDを使用して相談対応

https://www.linebiz.com/jp/service/line-official-account/

●日司連のLINE公式IDを、「友だち」追加したうえで、相談

●調停申し込みがあった旨連絡(メールなど)

●テンプレートに必要事項を入力し、調停の申立て*「相談」からのシームレス化の工夫

●調停実施

●調停申し込みがあった旨連絡

●事案に応じて、【phase2】・【phase3】を案内

●必要に応じて、訴訟、ADR等の手続きにつなぐためのフォローアップ

(主催)日本司法書士会連合会

≪手続きのながれ≫※

※ フロー図は、賃借人から相談を受けた場合。なお、賃貸人から相談を受ける場合も本制度の対象。

執行力付与について

(1) 執行力付与に関するさまざまな意見及び事例

a 執行力の付与となれば手続きは重厚になり、「それなら裁判所の手続きを選択する」ということにならないか。

b 当事者間の対話を促進し、信頼関係を醸成することで、自発的な履行を促すのがADRとして好ましいのでは。

c 執行力の付与を恐れて、ADRに応諾しない相手方が想起され、この場合貴重な話し合いをする機会を失うことにならないか。

f 調停の利用希望申込、あるいは、法14条に基づく説明段階で、手続きには、執行力がない旨を説明したところ、当事者が手続きの利用を選択しなかったケースがあった。

e 合意成立後に、即決和解、公正証書(執行受諾文言付)の作成を行うことになったケースがあった。

d 執行力を付与することにより、裁判手続における事務的・時間的・経済的負担も軽減できる可能性が拡大する(例えば、不動産の相続における遺産分割調停事案において、民間ADR機関で合意した場合、当該合意書だけでは相続登記ができない)

● 認証紛争解決機関である各地の単位会、当連合会の関連WT内において出された主な意見や報告をまとめると、以下のとおり、肯定的・否定的いずれもみられる。

(2) 執行力に関する考え方(上記(1)をふまえて)

【考え方1】 特定の事件を対象として、執行力の付与をすべきではないか。

● 一定の事件類型(登記関連等)については、執行力付与の必要性が存在(d)。

● 執行力付与の有無を、手続き選択の判断要素にするケースの存在(f)

● 但し、すべての事件を対象とするのでは、応諾率の低下(c)、ADR独自の良さを活かせない(b)等の懸念も存在。

● 対象事件は、現状をふまえ※①当事者の意思(当事者の選択の機会付与)、②事件類型などにより、絞込みを行うことが考えられるのではないか。

● なお、上記絞込みに際しては、既存の様々な履行確保手段が、「執行力付与」の代替手段として消去法的に選択されている手段であるか否かについても留意する必要があるのではないか。

【考え方2】 現在各ADR機関において履行確保に向けて行われている対応や今後導入を検討している「執行力付与」以外の方法につき、これらを実行するための課題(法律上等)を抽出し、課題解決に必要な対応をすべきではないか。

● 例えば、ADR(ODR)手続き内で、合意内容に基づく履行が終了するのであれば、「執行力の付与」まで要しないと考えられる(例えば、金銭請求事件につき手続き内で支払いを完了させる)。この際、金銭支払いにつき、ODRにおいて、その手続き内で履行を行う場合の、法律上(例えば資金決済法)等の課題についても抽出すべきではないか。

※ 例えば、①合意成立時に支払うべき金銭を持参した事案、②建物明渡請求につき、合意成立後、明渡期日に調停人が現場に立ち会い、その後合意書への署名押印を行った事案、③遺産分割調停事案につき、合意内容に沿った具体的な遺産承継手続きが当事者には困難であったため、その後専門職に引き継いだ事案(手続上のアシスト)などがある。

• 我が国の離婚した父母のうち8割近くにも及ぶ養育費の不払い状態を解消することが,待ったなしの喫緊の課題であるという共通認識の下,まずは,養育費不払い問題の改善に資する取組として,できるこから一刻も早く着手すべきである• 法務省において,厚生労働省(厚労省),最高裁判所(最高裁),地方自治体等の公的機関や,法テラス,養育費相談支援センター等の関係機関,日本弁護士連合会(日弁連),弁護士会,ひとり親支援団体等の関係団体等と十分に連携を図って,各機関・団体等の自律性を尊重しつつ必要な協力を得て,スピード感ある取組を進めていくべきである。

2020年養育費相談会 代表相談事例

• 40代女性(同居親)

• 今年6月に調停離婚をした。面会交流なし、養育費なしの合意をしたが、将来の子どものことを考えるとやっぱり養育費を受け取りたい。今後、養育費をもらうためには、どのような手続きをすればよいか。

• 50代女性(同居親)

• 12年前に調停離婚が成立し、数年間は調停での定めに従い養育費をもらっていたが、数年前から全く支払われない状況になった。過去に裁判所へ履行命令申立をしたが、裁判所からの書面を受け取ってもらえず、手続きが進まない。強制執行をしなければならないか。

• 年齢不詳女性(同居親)

• 離婚時に養育費の取り決めをし、文書も作成したように思うが手元にない。養育費を1回支払ってもらったが、その後の支払いはない。自分で養育費の支払いについての調停ができるだろうか。

養育費の不払い解消に向けた当面の改善方策

(中間取りまとめ~運用上の対応を中心として~)

• 相談体制の充実のため,利便性の高いSNSサービスを入口とした非接触型の相談対応の実現や利用可能なサービス時間帯の延長が望まれるし,相談者のニーズによっては,司法書士による書類作成援助業務の在り方について今後検討する。

• 養育費を請求する裁判所の手続について司法書士による申立書等の書類作成援助の活用の在り方を検討してはどうかとの意見があった。

養育費不払い解消に向けた検討会議・取りまとめ

(~子ども達の成長と未来を守る新たな養育費制度に向けて~)令和2年12月24日 法務省養育費不払い解消に向けた検討会議

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00101.html

• 全国的に見ると法律家が地域的に偏在していることを踏まえつつ,養育費案件について事案に応じた選択肢を増やすという観点から,法テラスの地方事務所において,利用者のニーズに応え,適切な案件の振り分けの下で,弁護士の代理援助のみではなく,家事調停手続や民事執行手続の申立書作成などの書類作成援助や,書類作成事務についての相談業務について,司法書士の活用を検討すべきではないか,との意見があった。

• これに対し,案件の振り分けは法的判断を伴い,法テラス職員が行うのは困難である,請求額の妥当性や執行方法,離婚に伴う各種法律問題などにつき,法的助言や相手方との交渉・手続の代理等が必要となり書類作成援助で足りなくなることが多いが,法的助言等を司法書士が行えない以上,改めて弁護士に依頼することになって時間と費用の負担が更に発生するおそれがあるなどとの意見があった。

法務省委託調査「養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究」にご協力いただける自治体を募集いたします。(商事法務)

• この度、当会では法務省の委託調査「養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究」を受託しましした。本事業は、養育費の不払い解消に向け、モデル事業を実施することで、自治体のニーズを把握し、今後の法的支援及び紛争解決支援のあり方や問題点について調査・研究することを目的としております。

• そこで、モデルとして、本事業にご協力くださる自治体を募集します。

• ご検討いただける自治体は、詳細につき下記宛にお問い合わせください。• モデル事業担当TEL:03-5614-5633 *平日10時~17時におかけください。

7 司法書士総合相談センターのIT化

相談センターIT化の必要性

• 業務拡充を含む次なる司法書士法改正の立法事実の準備として

• 全国の司法書士無料相談のDB化

• 利用者の利便性向上に資するため

• スマホ時代のへの対応

• ウェブ相談への対応

• 司法書士会事務局の事務効率化のため

• 記録化、配転等

司法書士界を覆う閉塞感

不動産登記、商業登記事件の減少は本当か?

民間事業者による登記参入はどの程度進んでいるのか?

他士業による登記参入はどの程度進んでいるのか?

AIによって登記業務は代替されてしまうのか?

変革の時代は好機(チャンス)ではないのか?

不動産登記・商業登記の件数の推移

• 不動産登記(権利)について

• 平成9年から令和元年までの推移(白書参照)

• 平成9年が1297万3298件(最大値)

• 平成30年が800万4543件(最小値)令和元年は803万6297件

• 相続登記の増加傾向

• 商業登記について

• 平成4年から令和元年までの推移(白書参照)

会社登記は平成7年が213万3339件(最大値)平成25年が115万4979件(最小値)そこからは微増。令和元年は124万6751件

東洋経済新報社「誰が日本の労働力を支えるのか」より『職業別代替可能性』

• 行政書士 93.1% • 税理士 92.5% • 弁理士 92.1% • 土地家屋調査士 89.0% • 公認会計士 85.9% • 社会保険労務士 79.7% • 司法書士 78.0% • 裁判官 11.7% • 弁護士 1.4% • 中小企業診断士 0.2%

AIに負けないためには!

(3つのポイント)

「創造性」抽象的な概念を整理・創出するための知識

「ソーシャルインテリジェンス」社会的な情報(を収集する能力)、本当のことを話してくれない相手のことを理解したり、説得する力

「非定型」臨機応変な対応や状況判断が求められること

司法書士制度は発展していないのか?

• 成年後見制度がスタート(平成12年)

• 民事法律扶助に書類作成援助が認められる(平成12年)

• 簡裁代理権の付与(平成14年)とその後の改正

規則31条による附帯業務、民事信託支援業務

• 空き家、所有者不明土地問題における法的需要

• 民事裁判のIT化に伴う本人支援への期待

• などなど

デジタル時代の規制・制度について

(令和2年6月22日規制改革推進会議決定)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html

• 5.規制・制度の類型化と具体的な見直しの基準

• (3)業規制の見直し

• ④ 特定の資格保有者による業務独占の見直し

• デジタル技術の発展により、ネットやリモート技術を活用した事業展開が容易になってきている。特定の資格保有者しか業務ができない規制・制度についても、業務の一部をデジタル技術によって支援・補完・代替することによって、柔軟かつ消費者利便に合致した新たなサービスの提供が可能となる。業務の一部をデジタル技術によって行うことを業務独占の範囲から除外するなど、業務独占を定める規制のあり方を見直すべきである。

おわりに

変革の時代は好機ととらえるべし!イノベーションを!

問われるのは、われわれの姿勢と実績

これからの司法書士制度を創るのは、私たち。

平成30年11月30日金融庁

「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」の公表について

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20181130/20181130.html

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420M60000f5a001

(顧客等の本人特定事項の確認方法)

第六条一

ホ 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌及び写真付き本人確認書類の画像情報であって、当該写真付き本人確認書類に係る画像情報が、当該写真付き本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日、当該写真付き本人確認書類に貼り付けられた写真並びに当該写真付き本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信を受ける方法

ヘ 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌の画像情報をいう。)の送信を受けるとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の写真付き本人確認書類氏名、住居、生年月日及び写真の情報が記録されている半導体集積回路(半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和六十年法律第四十三号)第二条第一項に規定する半導体集積回路をいう。以下同じ。)が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた導体集積回路に記録された当該情報の送信を受ける方法

半導体集積回路・・・SDカードやUSBメモリなど。

ト(1) 他の特定事業者が令第七条第一項第一号イに掲げる取引又は同項第三号に定める取引を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、当該確認に係る確認記録を保存し、かつ、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等しか知り得ない事項その他の当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項の申告を受けることにより当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを確認していることを確認すること。

ト(2) 当該顧客等の預金又は貯金口座(当該預金又は貯金口座に係る令第七条第一項第一号イに掲げる取引を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、かつ、当該確認に係る確認記録を保存しているものに限る。)に金銭の振込みを行うとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該振込みを特定するために必要な事項が記載された預貯金通帳の写し又はこれに準ずるものの送付を受けること。

令和3年版情報通信白書について

加工 令和3年版情報通信白書

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/index.html

デジタル活用に関する課題

理由

 「情報セキュリティやプライバシー漏えいへの不安」が52.2%と最も多く、次いで、「利用する人のリテラシーが不足しているから」(44.2%)、「デジタルでの業務利活用が不十分」(36.7%)、「通信インフラが不十分」(35.5%)、「情報端末が十分に行きわたっていない」(34.0%)、「利用者がデジタルに対する抵抗感をもっている」(33.7%)など。

企業活動におけるデジタル・トランスフォーメーションの現状と課題

Digitization(デジタイゼーション)

既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換すること

Digitalization(デジタライゼーション)

組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供するより良い方法を構築すること

課題

 「人材不足」、「費用対効果が不明」、「資金不足」、「ICTなど技術的な知識不足」、「既存システムとの関係性」。

デジタル・トランスフォーメーションの進展による影響

 デジタル・トランスフォーメーションに取り組む企業が米国並みになった場合、我が国の産業全体でどの程度(対前年度比)売上高が増加するのか、製造業と非製造業に分けてシミュレーションを行った。

 シミュレーションの結果が図表1-2-4-28である。製造業では5.7%、非製造業では4.2%の売上高押し上げ効果が見られた。これを金額に換算すると、製造業では約23兆円、非製造業では約45兆円の押し上げ効果となる。

公的分野におけるデジタル化の現状と課題

2020(令和2)年12月、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」閣議決定。

2020(令和2)年12月、改定版「デジタル・ガバメント実行計画」閣議決定。

 2021(令和3)2月デジタル社会の形成に関する行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを任務とするデジタル庁を設置するデジタル庁設置法案を含めたデジタル改革関連6法案*13が閣議決定。

2020年3月、「オンライン利用促進指針」を改訂。

 2021(令和3)年5月、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」(令和3年法律第40号)が成立。

海外におけるデジタル・ガバメントの動向

「誰一人取り残さない」デジタル・ガバメントの実現に向けて必要な取組?

2020年(令和2年)7月にIT戦略本部において「官民ITS構想・ロードマップ2020」策定。

「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの運用調整に関する基本的な在り方」が2021年(令和3年)5月に取りまとめられた。

・公的機関等で登録され多くの場面で利活用される、人、法人、土地、建物、資格などの社会の基本データを「ベース・レジストリ」として整備することとし、その後、ベース・レジストリの対象となるデータの範囲を広げることが必要である。さらに、行政機関全体で利活用する基本データに加え、公的分野(医療や教育等)においては、官民が連携し分野ごとに様々な手続で参照される基盤データを整備する必要がある。

 2014年(平成26年)の10月から始まった提供が開始された訪日外国人向けプッシュ型情報発信アプリ「Safety tips」(図表3-2-2-5)にて避難行動、気象警報等の解説、災害時の情報提供を開始。

 2011年(平成23年)6月より、それまで、国・地方公共団体が各メディアに対して個別に発信していた災害情報を一元的に集約し、テレビやラジオ、スマートフォン等の多様なメディアに一斉配信する仕組みである「Lアラート」の運用を開始した。運用開始から8年後の2019年(平成31年)4月には、全都道府県による運用開始が完了。

 電源供給が不要であり停電に対して強い、光ケーブルによる伝送「FTTH方式」への切り替えに取り組んでいる。なお、2019年度末時点で契約数に占めるFTTH方式の割合は約43%。

 2014年から2018年の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第1期にて災害時に自治体や民間から発信される情報を収集・自動変換することで統合された情報を現場で活用できるように「SIP4D(Shared Information Platform for Disaster Management)」の開発が行われた。SIP4Dは熊本地震や平成30年7月豪雨等で、政府災害対策本部、県、市町村、災害対応機関等の様々な機関から発信された情報を統合し提供することで、現場対応や復旧計画策定等に貢献。

 IPv6対応に係る現状

(ア)IPv4アドレス在庫の枯渇状況

●APNIC/JPNICの IPv4アドレスの通常在庫が枯渇

IPv4アドレスについては、2011年2月3日にIANA*13の世界共通在庫が枯渇し、同年4月15日には、アジア太平洋地域にIPアドレスを分配しているAPNICと我が国のIPアドレスを管理するJPNICにおいてIPv4アドレスの在庫が枯渇した。その後、2012年9月14日にはRIPE NCCが、2014年6月10日 に はLACNIC が、2015年9月24日にはARINのIPv4アドレス在庫が枯渇し、AFRINIC7も2031年12月に枯渇する見込みである。これにより、世界に5つある全ての地域インターネットレジストリのIPv4アドレスの在庫が枯渇することになる。

(イ)IPv6への対応状況

●大手 ISPを中心に IPv6対応が本格化

 APNIC/JPNICにおけるIPv4アドレス在庫が枯渇した2011年4月からアクセス回線事業者のIPv6対応が本格化しており、主要な事業者においては既にIPv6インターネット接続サービスが提供されている。IPv6普及・高度化推進協議会の調査によると、NTT東西の提供するFTTH回線であるフレッツ光ネクストにおけるIPv6普及率が、2021年3月時点で80.0%に達している。

 また、ISPについては、アクセス回線事業者のIPv6対応に合わせて、大手ISPを中心にIPv6インターネット接続サービスの提供が進展している。2021年1月に総務省が実施したアンケート調査に対し、加入者10万契約以上のISPでは91.7%がIPv6インターネットサービスを「提供中」と回答している。

 一方で加入者1万契約以上10万契約未満のISPでは16.7%、加入者1万契約未満のISPでは55.0%が「検討の上、提供しないと決定」か「未検討」と回答しており、大規模ISPと比較してIPv6対応が遅れている。

 各種オンラインシステムの共同利用の状況については、都道府県では「公共事業にかかる電子入札」、市区町村では「図書館蔵書検索・予約」が最多。各種オンラインシステムの共同利用の状況については、「公共事業にかかる電子入札」が都道府県では24団体(51.1%)と最も多く、次いで「公共施設予約」が16団体(34.0%)となった。市区町村では「公共事業にかかる電子入札」が569団体(32.7%)と最も多く、次いで「公共施設予約」が261団体(15.0%)となっている。

引受信書便物数は毎年増加しており、2019年度は 2,085万通

2019年度の引受信書便物数は、2,085万通となっており、前年度比 0.7%の伸びを示している。

 2019年(令和元年)8月に「青少年のフィルタリング利用促進のための課題及び対策」を取りまとめ、公表した。また、2020年(令和2年)1月に同タスクフォースにおけるこれまでの議論並びに「青少年のフィルタリング利用促進のための課題及び対策」及びその進捗を基に「青少年インターネット環境整備法の改正法附則に基づく検討について~電気通信事業者等の取組状況に係る見解~」を公表。

 2021年(令和3年)6月には、当面の主要な政策課題として、①電気通信事業者における安全かつ信頼性の高いネットワークの確保のためのセキュリティ対策の推進、②COVID-19への対応を受けたセキュリティ対策の推進、③デジタル改革・DX推進の基盤となるサービス等のセキュリティ対策の推進、④サイバーセキュリティ情報に関する産学官での連携・共有等の促進を掲げた「IoT・5Gセキュリティ総合対策2021(案)」に対する意見募集実施。

行政手続における書面主義の見直し及びオンライン利用率を大胆に引き上げる取組について(戸籍謄抄本の請求等のオンライン化の促進等)

加工

内閣府第1回デジタルワーキング・グループ 令和3年9月8日(水)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210908/agenda.html

議題.行政手続における書面主義の見直し及びオンライン利用率を大胆に引き上げる取組について(戸籍謄抄本の請求等のオンライン化の促進等)

・戸籍謄抄本の請求等のオンライン化の取組・課題について(株式会社グラファーからのヒアリング)

・戸籍謄抄本の請求等のオンライン化に係る国の取組等について(法務省からのヒアリング論点に対する回答

【論点1-③】

 戸籍の記載事項は、ベースレジストリにも指定されており、関連する手続のデジタル化が強く求められると考えられる。「法務省情報化推進会議」等において、戸籍謄抄本の請求・交付、届出分野のデジタル化を進める観点から、どのような検討が行われたか(事務次官がどのようにリーダーシップを発揮したかを含む)、具体的にご説明願いたい。

【論点1-③】

 本年7月に開催した「法務省情報化推進会議」においては,戸籍謄抄本の請求・交付,届出分野のデジタル化を含めた国民目線でのオンライン化やキャッシュレス化の推進などの課題に対する取組を強力に推進するために,省全体のデジタル化推進体制を強化する必要があるとの認識を出席者一同で確認した。

 そして,戸籍謄抄本の請求・交付,届出分野のデジタル化については,事務次官のリーダーシップの下,PMOにおいて,CIO補佐官からの知見も得つつ,担当PJMOと協議を重ね,オンライン利用率向上等に向けた検討を行うなどしている。

 また,戸籍情報の連携のための関係省庁との協議,例えば,旅券発給手続に関する外務省や内閣官房番号制度推進室との協議や年金手続などの社会保障手続に関する厚生労働省との協議などに当たって相談を受けるなどしている。

 さらに,戸籍事務におけるマイナンバー制度の利活用を推進するべく,①マイナンバーの提供等による戸籍謄抄本の添付省略並びに②戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略及び本籍地以外の市区町村での戸籍謄本の発行を実現するために必要な経費を令和4年度予算概算要求に盛り込んでいる。

【論点2-①】

 現在、検討・策定を進めている基本計画等について、可能な範囲で、具体的内容をご説明願いたい。なお、目標については、狭い意味でのオンライン利用率に留まらず、コンビニ交付や情報連携により戸籍謄抄本等の添付が不要となる件数も考慮したものとすべきである。

【回答2-①】

 令和5年度中に戸籍情報連携システムを構築・稼動させることを予定している。これにより,戸籍の届出における戸籍証明書の提出や他の行政手続に添付する戸籍証明書の添付省略が図られることにより,そもそも戸籍証明書を取得する場面が減少することとなる。その結果,全ての市区町村の住民がその恩恵を受けることができることとなる。オンライン利用率の目標設定については,御指摘を踏まえつつ,検討してまいりたい。

【論点3-①】

 コロナ禍を踏まえて書面・押印・対面の見直しが進められる中におけるオンライン請求及びコンビニ請求に関する国民のニーズについて、可能な限り定量的にお示し願いたい。

【回答3-①】

 平成29(2017)年に実施した調査研究における結果,将来における戸籍証明書の取得方法に関するニーズとして,「インターネットでマイナンバーカードの電子証明書を利用して取得」するニーズが12.9%,「最寄りのコンビニエンスストアでマイナンバーカードを使ってマルチコピー機から取得」するニーズが11.1%あったところであるが,当局が構築する戸籍情報連携システムが稼動することにより,戸籍の届出における戸籍証明書の提出や他の行政手続に添付する戸籍証明書の添付省略が図られることにより,そもそも戸籍証明書を取得する場面が減少することとなり,全ての市区町村の住民がその恩恵を受けることができることとなる。

【論点3-②】

 戸籍謄抄本をオンライン請求もしくはコンビニ請求できる自治体数は人口カバー率でどの程度か、定量的にお示し願いたい。

【回答3-②】

 オンラインによる戸籍証明書の交付請求が可能な自治体は,本年7月1日現在,1896市区町村のうち,17市区町村(約 0.8%)であり,本籍人口は約 250 万人で,全体の約2%となっている。

 また,コンビニ交付の仕組みを使った戸籍証明書の交付請求が可能な自治体は,本年7月1日現在,1896市区町村のうち,693市区町村(約36.5%)である。なお,コンビニ交付は,住民票の住所を置く市区町村と本籍を置く市区町村が同一である場合にのみ交付請求ができる場合と,これらが同一でなくても交付請求ができる場合とがあるが,戸籍には住所情報がないため,コンビニ交付を受けることができる正確な人口割合は不明であるものの,人口比で約55%前後であると推計される。

【論点3-③】

 平成 29 年時点においてもオンライン請求及びコンビニ請求に対する一定のニーズが示されているが、オンライン請求やコンビニ請求を導入する自治体数が現況に止まる要因をどのように考えているか、具体的にご説明願いたい。

【論点3-④】

 論点3-③を把握するため、どのような取組を行ったのか、具体的にご説明願いたい。

【論点3-⑤】

 論点3-③について、具体的な把握ができていないとすれば、「デジタル社会の基盤となる制度を所管する省」としての取組が十分とは言えないと考えるが、法務省としての見解をお示し願いたい。

【回答3-③から⑤まで】

 市区町村において戸籍事務に従事する職員にヒアリングしたところ,オンライン請求については,コンビニ交付に比べ交付までに時間がかかることから,住民からのニーズが高くないこと,戸籍事務のためだけにオンライン請求を受け付ける環境を構築することに意義が見出せないこと,などが挙げられる。

 また,コンビニ交付については,オンライン請求に比べ比較的普及が進んでいるところ,特に地方の小規模自治体については,本籍人が必ずしも住民とは限らず,導入することが当該自治体の住民の利便性の向上に資するものとはいえないことから,予算措置の優先順位が低いことが挙げられる。

 さらに,いずれの仕組みについても,地方公共団体の事務が多数ある中で,その仕組みの導入は戸籍証明書の交付請求の場面に限ったものではない。

 もっとも,当局が構築する戸籍情報連携システムが稼動することにより,戸籍の届出における戸籍証明書の提出や他の行政手続に添付する戸籍証明書の添付省略が図られることにより,コンビニ交付やオンライン申請により戸籍証明書を取得する場面が大幅に減少することになる見込みである。

【論点3-⑥】

 オンライン請求やコンビニ請求を実現した自治体においても、必ずしも、オンライン請求やコンビニ請求の利用状況はそれほど多くないが、その要因をどのように考えているか、具体的にご説明願いたい。

【回答3-⑥】

 オンライン請求やコンビニ交付による請求を実施する前提として,マイナンバーカードを使って行う必要があるところ,マイナンバーカードが完全に普及していないことも一因であると考えられる。

 また,オンライン請求を導入している自治体において,現在,紙の証明書を郵送で返信する方式又は自治体の窓口で交付していることから,コンビニ交付と比較して交付までの時間がかかることが要因として挙げられる。

【論点3-⑨】

 オンライン請求システムを提供しているグラファー社からは、デジタル手続法により、戸籍のオンライン請求が制度上可能となっている旨を把握していない自治体職員もいるとの課題が示されている。オンライン請求が可能であること等について、自治体への周知徹底が不十分であると考えるが、法務省としての見解及び今後の対応についてお示し願いたい。

【回答3-⑨】

 オンライン請求は,デジタル手続法の施行前から法制上可能であり,平成16年の戸籍法令の改正により,導入することが可能である。平成16年には標準仕様書を通達として発出し,これに関する解説記事も掲載しているほか,平成22年(東京都中野区の取扱いの認容事例),令和2年(埼玉県志木市の取扱いの認容事例)にオンライン請求の認容事例を紹介する周知を実施も行った。さらに,デジタル手続法が成立したことを踏まえ,オンラインシステムを導入している市区町村の一覧を掲載し,制度の周知を図っているところである。

【論点3-⑪】

 オンライン請求システムを提供しているグラファー社からは、法務省が整備している「戸籍手続オンラインシステム構築のための標準仕様書」について、最新のデジタル技術を踏まえた改訂が必要との課題が示されている。法務省が整備している「戸籍手続オンラインシステム構築のための標準仕様書」については、最新のデジタル技術や、自治体における実際の運用状況等も踏まえ、不断の見直しが必要であり、ベンダーや自治体関係者等と定期的に意見交換をして課題や対応策を検討することが不可欠と考えるが、法務省の取組について、具体的にご説明願いたい。

【回答3-⑪】

 戸籍情報システムの仕様書については,例年,調査研究委託として実施される標準仕様研究会において改訂が実施されている。この研究会は,法務省職員や地方自治体職員,戸籍情報システム事業者から構成され,制度改正や技術の進歩等に合わせた仕様書の改訂について研究しており,定期的な意見交換が実施されているところである。

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司法書士を入れていただけないかな、と思います。

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【論点3-⑫】

 一部の自治体からは、申請部分が電子化されても、戸籍情報を管理する内部システムと連動していないことから人による筆頭者等の審査・補正が必要、また、戸籍情報以外にも他のデータからDV等被害者に該当するか否か人による審査が必要等の理由から、オンライン請求を導入しても、自治体内部の効率化が図れないとの課題が示されている。デジタル化の推進に当たっては、申請者のインターフェイスだけでなく、自治体内部の業務も含め一連の業務をデジタル完結することが必要であるが、法務省としてどのような対応を行っているのか、具体的にご説明願いたい。

【論点3-⑬】

 論点3-⑫について、自治体任せにするのでは、「デジタル社会の基盤となる制度を所管する省」としての取組が十分とは言えないと考えるが、法務省としての見解をお示し願いたい。

【回答3-⑫及び⑬】

 戸籍証明書の交付申請に当たっては,戸籍を特定する必要があり,戸籍の特定は,本籍及び筆頭者氏名を明らかにすることにより行うこととなるが,本籍及び筆頭者氏名が正しく特定されない場合には,交付すべき戸籍証明書が明らかにならないことから,申請内容を修正する必要がある。本籍及び筆頭者氏名以外の情報により個人情報を特定する方法としては,例えば,個人のマイナンバーにより特定する方法が考えられるが,マイナンバーと戸籍情報との紐付けについては,関係府省担当者も委員として参加した法制審議会戸籍法部会においても審議され,個人情報保護の観点から,直接紐付けをすべきではないとされたところである。そのため,現在,マイナンバーと戸籍情報は紐付いておらず(又は「マイナンバーカードには戸籍情報は登録されておらず」),マイナンバーによっては戸籍が特定されないことから,申請する側で戸籍を特定する必要がある。

 また,DV加害者やその代理人から,DV被害者等が記載された戸籍に係る戸籍証明書の交付請求がされた場合には,当該請求が不当な目的によるものであるか否かを審査する必要があるところであり,いずれも交付請求の適否の審査において必要な行為であると考えている。もっとも,DV被害者等が記載された戸籍に係る戸籍証明書の取扱いについては,DV被害者等からの申出を受けて証明書が交付されないような仕組みを検討中である。

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戸籍証明書の交付申請に当たって、請求者の生年月日が不要ということを初めて知りました。

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【論点3-⑭】

 法務省では、DV加害者からの請求への対応は、当該請求が戸籍法第 10条2項の「不当な目的」に該当するか否かを自治体が個別判断すべきとしていると承知している。当然にして慎重かつ正確な判断が求められる性質の審査であると考えるが、一方でその審査には相応の事務負担が自治体に発生しているものと考えられる。他方で、埼玉県戸田市では、グラファー社と連携した上で、自治体内部における審査業務のデジタル化の実証実験を行っていると承知している。総務省と連携の上で戸田市の取組に関する課題・効果を検証し、デジタル技術を用いて画一的に判断可能な審査項目・業務について、事務負担軽減のための取組みの横展開を図るべきと考えるが、法務省としての見解をお示し願いたい。

【回答3-⑭】

 埼玉県戸田市における「審査業務のデジタル化の実証実験」の内容については,有益な情報があれば,是非お聞かせいただきたいと考えており,管轄法務局とも連携し,審査業務の効率化に資する事務負担の軽減に向けた取組を進めてまいりたい。

【論点3-⑮】

 「規制改革実施計画(令和3年6月 18 日閣議決定)」において、「キャッシュレス化の推進」が決定されているところ、郵送による請求の際には、手数料を定額小為替で納付するよう求める自治体も多数ある実態を踏まえると、自治体任せにするのでは、「デジタル社会の基盤となる制度を所管する省」としての取組が十分とは言えないと考えるが、法務省の見解及び今後の対応についてお示し願いたい。

【回答3-⑮】

 手数料の徴収に関する事項は,地方自治法に基づき条例によることとされているところであり,地方公共団体の事務は多数ある中で,決済方法の問題については,戸籍証明書の交付請求の場面に限ったものではないが,キャッシュレス決済の取組を進めている自治体の実例を紹介するなど,関係府省と連携して,利用者の利便性の向上に資する取組を進めてまいりたい。

【論点3-⑯】

 一部の自治体からは、請求総数のうち、士業による職務上請求が占める割合が高く、正当な理由であるか等の審査が必要で、本人請求を前提としたオンライン請求やコンビニ請求では対応できないとの課題が示されているが、士業団体等との協議状況も含め、法務省としての取組を具体的にご説明願いたい。

【回答3-⑯】

 士業者が戸籍証明書を請求する場合には,個人情報保護の観点から,その職務上必要とされるかについて,正当な事由の有無について審査が必要となる。

 当該請求については,利便性の向上を求める意見もある一方,本年8月にも,行政書士による不正請求が発覚するなど,不正請求事件も多く見られるところであり,市区町村からも,人権上の見地から,請求の事由を正確に記載するよう指導すべきとする意見もあるところであり,様々な意見を踏まえる必要があると考えている。

 なお,オンラインによる士業者からの職務上請求を可能とする戸籍法施行規則の改正については検討し,その旨を内閣府に回答したところである。

20221009追加

2022年9月5日富士フイルムシステムサービス
東京都墨田区と住民票の写しなどの証明書の郵送請求に
おけるキャッシュレス化に向けた実証実験を開始

証明書請求者と自治体職員双方の負荷軽減を目指して

https://www.fujifilm.com/fbss/news/news_220905

【論点3-⑰】

 平成 29 年8月の「戸籍制度に関する研究会最終取りまとめ」において、平成7年度から平成 15 年度までの間、戸籍の電算化に必要な経費について、特別交付税による財政支援がされ、各市区町村がベンダー(8社)から個別に戸籍情報システムを調達して順次電算化を進めた結果、電算化した自治体の数は、平成7年時点の 24 庁から平成 15 年には 1,497 庁へと拡大したことが示されている。

 一部の自治体からは、戸籍に限らずコンビニ請求を実施する際のサーバー設置費や、コンビニ等に支払う手数料が財政的に課題であるとの意見が示されているところ、総務省では一定の地財措置を講ずる等の取組を行っている。戸籍のオンライン請求及びコンビニ請求の拡大に向け、財政支援や複数の自治体による共同の取組の支援など法務省としての対応を検討すべきと考えるが、法務省の見解及び今後の対応についてお示し願いたい。

【回答3-⑰】

 財政措置の可否については,関係府省と相談の上で対応してまいりたい。

【論点4-①】

 「行政手続における戸籍謄抄本の添付省略」、「戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略」、「本籍地以外での戸籍謄抄本の発行」のそれぞれにつき、検討状況及び課題並びに実現に向けた今後のスケジュールについて、具体的にご説明願いたい。

【回答4-①】

 行政手続における戸籍謄本等の添付省略等については,法務省において新たに整備する戸籍情報連携システムによって戸籍情報の提供を可能とすることとなるところ,その検討状況等は以下のとおりである。

○「行政手続における戸籍謄抄本の添付省略」

以下の2通りの実現方式について,現在,設計・開発を行っている。

① マイナンバー制度に基づき情報提供ネットワークシステムを通じて戸籍情報を提供する方式

 改正戸籍法(令和元年法律第17号)附則第1条第5号による施行日(令和6年3月予定)の導入を目指して開発中である。

 ・開発・テスト:令和4年度まで ・情報提供用個人識別符号取得:令和4年度 ・連携テスト:令和5年度 ・運用開始:令和6年3月

② 電子的な戸籍記録事項の証明情報(戸籍電子証明書)をオンラインで提供する方式

令和6年度中の導入を目指して設計中である。

 ・対象行政機関と調整の上,現在設計中 ・運用開始:令和6年度以降

○「戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略」

改正戸籍法(令和元年法律第17号)附則第1条第5号による施行日(令和6年3月予定)の導入を目指して開発中である。

・開発・テスト:令和4年度まで・連携テスト:令和5年度・運用開始:令和6年3月

○「本籍地以外での戸籍謄本の発行」

 改正戸籍法附則第1条第5号による施行日(令和6年3月予定)の導入を目指して開発中である。

・開発・テスト:令和4年度まで・連携テスト:令和5年度・運用開始:令和6年3月

【論点4-②】

 「デジタル・ガバメント実行計画(令和2年 12 月 25 日閣議決定)」において、「戸籍謄本・抄本は、身分関係等を証明することを目的として、年間約 4,200 万件(令和元年)が発行されており、法令に基づく約 500 種類以上の国の行政手続において提出を求めることとなっている。」とあるが、速やかに添付省略が実現され、国民・行政双方のデジタル化・事務負担の軽減が図られる必要がある。上記取組みによって、500 種類以上の手続について、いつまでに、どの程度の手続(種類数・件数ベース・内容)で添付省略が実現されるのか、ご説明願いたい。

【回答4-②】

 IT室による「ワンスオンリー実現に必要な情報連携拡大等検討のための基礎調査」結果等を踏まえ,合計で 600 種類以上,少なくとも 1,000 万件以上の手続について,戸籍謄抄本の添付省略が実現される見込みであり,その詳細は以下のとおりである。

○「行政手続における戸籍謄抄本の添付省略」

①マイナンバー制度に基づき情報提供ネットワークシステムを通じて戸籍情報を提供する方式

 ・約 580 手続,件数 約 580 万件 ・令和6年度から順次開始

② 電子的な戸籍記録事項の証明情報(戸籍電子証明書)をオンラインで提供する方式

 ・約 30 手続,件数 約 345 万件 ・令和6年度中に開始

○「戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略」

・件数 約 121 万件・令和6年3月から開始

【論点4-③】

 平成 29 年8月の「戸籍制度に関する研究会最終取りまとめ」において、「戸籍謄本等の交付請求をした目的」として「パスポートの申請のため:61.6%」、「婚姻届など戸籍の届出で提出するため:50.2%」、「年金や児童扶養手当などの社会保障給付金受給に関する手続で提出するため:27.0%」等のニーズが示されている。これら国民のニーズが高い手続については、速やかに添付省略が実現される必要がある。法務省としての取組を具体的にご説明願いたい。

【回答4-③】

 戸籍情報連携システムを整備することで,国民のニーズが高いとされた以下の手続について,戸籍謄抄本の添付省略が実現される見込みである。

○「パスポートの申請のため:61.6%」【論点4-①】の回答で示した「行政手続における戸籍謄抄本の添付省略」の②電子的な戸籍記録事項の証明情報(戸籍電子証明書)を提供する方式により,添付省略が実現される。

○「婚姻届など戸籍の届出で提出するため:50.2%」【論点4-①】の回答で示した「戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略」により,添付省略が実現される。

○「年金や児童扶養手当などの社会保障給付金受給に関する手続で提出するため:27.0%」

【論点4-①】の回答で示した「行政手続における戸籍謄抄本の添付省略」マイナンバーに基づき情報提供ネットワークシステムを通じて戸籍情報を提供する方式により,添付省略が実現される。

【論点4-⑤】

 平成 29 年8月の「戸籍制度に関する研究会最終取りまとめ」において、全国の市区町村における戸籍謄本等の利用目的別の比率は「相続関係手続」が 33.9%に上ることが示されており、相続時においては、民間の手続きについても戸籍謄抄本の添付を求める手続が多数ある。国民負担の軽減の観点から、民間手続における戸籍謄抄本の利用についても可能な限り定量的・具体的に手続の種類・内容を把握したうえで、情報連携による添付省略の取組について、検討を開始すべきと考える。法務省としての見解をお示し願いたい。なお、十分にデジタル化が進まない中で、本籍地以外での戸籍謄抄本の請求が可能にすれば、都市部の自治体等において他の自治体分の戸籍請求も増えることも想定されるところであり、こうした問題について、法務省としてどのようにどのように考えているか、併せてお示し願いたい。

【回答4-⑤】

(民間手続における戸籍謄抄本の利用について)

 戸籍謄抄本については,利用目的別の比率の高い行政手続だけでなく,民間でも相続時においては添付を求める手続が多数あるものと承知している。

 この点に関し,デジタル・ガバメント実行計画の「死亡・相続ワンストップサービス」においては,「内閣官房は、戸籍情報連携システムの戸籍電子証明書(電子的な戸籍記録事項の証明情報)を活用した法定相続人の特定に係る遺族等の負担軽減策について、法務省と検討を行う」とされており,引き続き内閣官房の検討に協力してまいりたい。

 なお,【論点4-①】の回答で示した「本籍地以外での戸籍謄本の発行」により,本籍地以外の市区町村の窓口でも,自らや父母等の戸籍謄本の取得を可能とする広域交付の仕組みが導入されるため,国民の利便性向上に大きく資することとなると考える。

(「都市部の自治体等において他の自治体分の戸籍請求も増える」について)

 御指摘のとおり,人口が集中する都市部の自治体等においては,他の自治体の戸籍謄本の請求が増えることも想定されるところではあるが,国民の利便性向上のため,都市部の自治体等の理解を得つつ,所要の検討を進めてまいりたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

戸籍謄本の交付は、自治体の収入にはならないのでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【論点5-①】

平成 16 年から制度上可能となっているにもかかわらず、現在、導入している自治体は無いことについて、具体的な要因をどのように考えているか、ご説明願いたい。

【論点5-②】

論点5-①について、具体的な把握ができていないとすれば、「デジタル社会の基盤となる制度を所管する省」としての取組が十分とは言えないと考えるが、法務省としての見解をお示し願いたい。

【回答5-①及び②】

 届出のオンラインシステムを導入しない理由について,証明書のオンラインシステムを導入する市区町村に聞いたところ,以下の課題があるとのことであった。

①オンライン届出と紙の届出が混在することとなり、処理が複雑となる。

  • オンライン届出情報の他市区町村への送付や添付資料の確認など検討課題が多い。
  • 戸籍のオンライン届出については,届出人や証人についても電子署名が必要であるなど,届出を行うまでのハードルが高く,現実的でない。

【論点5-③】

 死亡時における国民の手続負担軽減の観点からは、死亡・相続ワンストップサービスの利便性向上等が必要である。「第 14 回デジタル・ガバメント分科会(令和3年 3月 26 日)」において、死亡届及び死亡診断書(死体検案書)の提出をオンラインで完結する仕組みの構築に向けて、厚生労働省と共に検討を開始することが示されているが、具体的に何がいつまでにどの様な工程を経て実現されるのか、課題は何か、ご説明願いたい。

【回答5-③】

 死亡届及び死亡診断書(死体検案書)の提出をオンラインで完結する仕組みの構築に向けては,現在,デジタル庁及び厚生労働省とともに取り組んでいるところである。当省としては,市区町村長が死亡診断書の内容を確認することが可能な場合には,死亡の届書に死亡診断書の添付を省略することができる旨の戸籍法施行規則の改正を本年4月に実施したところである。

 電子死亡診断書を市区町村に送付する運用の実施に当たっての主な課題としては,HPKI(保健医療福祉分野の公開鍵基盤)カード電子署名や医療関係データの送付の仕組みの普及などがあると承知している。現在,関係府省の間で,添付省略の取扱いの実証的運用について,本年度中に実施する方向で調整中である。

【論点5-④】

 死亡届以外も、例えば出生届及び出生証明書のデジタル化や、離婚届と調停調書のデジタル化など、関係府省等と連携して、国主導でオンライン化・デジタル化の検討を進めることが、国民の利便性向上につながると考える。

 法務省としてデジタル化に向けた取組みに率先して取り組むことが必要と考えるが、法務省としての見解をお示し願いたい。

【回答5-④】

 戸籍届書の添付書類の電子化は,手続をデジタルで完結させるために必要な課題であり,重要な取組であると認識している。今後とも引き続き,添付書類の電子化について関係府省等と取り組んでまいりたい。

20221116追記

参考

市民と法No.137、2022年10月、民事法研究会、赤松茂司法書士「戸籍全部事項証明書等の職務上請求のオンライン化に向けた展開」
  

令和4年度税制改正要望と令和4年度予算概算要求

気になったものをまとめておきます。

令和4年度税制改正要望

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/request/index.htm

沖縄県産酒類に係る酒税の特例措置の段階的廃止等

税目 酒税 内閣府沖縄振興局

 50年続いた本措置について、軽減率を段階的に引き下げ、終期を明示して廃止する最後の要望とする。具体的には、本措置の軽減率を、県内移出量等に応じて段階的に引き下げ、本措置の適用期限を、泡盛は 10年間(令和14年5月 14 日まで)、その他(ビール等)は約4年5月の間(ビール類の税率統一が行われる前日(令和8年9月30 日まで))とする。

信託における特定口座利用の明確化

税目 所得税 金融庁総合政策局総合政策課

 特定口座で管理されている上場株式等については、金融機関に信託できる旨を明確化すること。

 高齢化が進む中、認知判断能力や身体機能の低下時における資産形成・管理について、健常時から備えておくことの重要性が高まっている。このため、認知症等の発症に備え、事前に特定口座を開設するとともに、金融機関と信託契約を締結することで、顧客の資産管理を行うサービスが検討されているところ。しかしながら、特定口座で管理されている上場株式等については、金融機関に信託できるのか、税法上、必ずしも明らかではないため、当該サービスの提供に至っていない現状。※ 特定口座においては、金融機関が取得価額の管理や売却損益の計算、納税手続を行うため、顧客自身による確定申告が不要。

生命保険料控除制度の拡充 減収見込額 ▲61,800 百万円

税 目 所得税 金融庁総合政策局総合政策課

 所得税法上の生命・介護医療・個人年金の各保険料控除の最高限度額を5万円とすること、また、所得税法上の保険料控除の合計適用限度額を15万円とすること。

死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ 減収見込額 ▲14,724 百万円

税目 相続税 金融庁総合政策局総合政策課

 死亡保険金の相続税非課税限度額について、現行限度額※に「配偶者及び未成年の被扶養法定相続人数×500万円」を加算すること。※ 法定相続人数×500 万円

相続登記の促進のための登録免許税の特例措置の拡充及び延長

税目 登録免許税 法務省

 所有者不明土地等問題への対策を更に推進するため,現行の租税特別措置法第84条の2の3の規定に基づく登録免許税の免税措置の適用期限を3年延長するとともに,その適用対象についても拡充するなどの措置を講ずる必要がある。

所有者不明土地・建物の解消に向けた不動産登記法の改正を踏まえた登録免許税の特例の新設 

税目 登録免許税 法務省

 所有者不明土地等問題の抜本的な解決に向けて,相続登記や住所等の変更登記の申請の義務化や新たな職権的登記の創設等を内容とする不動産登記法の改正を踏まえ,所有者不明土地・建物の解消及び発生予防のための対策として登録免許税に係る必要な措置を講ずる。

緊急小口資金等の特例貸付に係る非課税措置の創設

税目 所得税 厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等により生活に困窮される方を対象に、緊急小口資金等の特例貸付として、都道府県社会福祉協議会が最大 200 万円までの貸付を実施している。この特例貸付については、新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、生活に困窮された方の生活にきめ細かに配慮するため、償還時に住民税非課税世帯の場合は償還を免除することができる特例を設けているところ、その債務免除益について、非課税措置を講じる。

ひとり親家庭住宅支援資金貸付金に係る非課税措置の創設

税目 所得税、国税徴収法 厚生労働省

 自立に向けて意欲的に取り組むひとり親への支援として住居費の貸付を行う「ひとり親家庭住宅支援資金貸付金」において一定の条件を満たした場合に免除される返済の免除益や、ひとり親が教育訓練を受講する場合の受講費を助成する自立支援教育訓練給付金及び修学中の生活費等を補助する高等職業訓練給付金の拡充分等について、非課税措置等を講ずる。※母子及び父子並びに寡婦福祉法第 31 条の3及び第 31 条の4(第 31 条の 10 で準用する場合を含む)

基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設 減収見込額 ▲12,979百万円

税目 所得税、相続税、贈与税 厚生労働省

 持分なし医療法人への移行を促進するため、持分の払い戻しが経営に与えるリスクの高い医療法人について、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際に、当初出資金を超える部分に課税される「みなし配当課税」を、基金が払い戻しされるまでの間、納税猶予する措置を講ずる。さらに、基金拠出型医療法人への移行後、相続・贈与発生時の基金にかかる相続税・贈与税を猶予する措置を講ずる。※医療法施行規則第 30 条の 37 及び第 30 条の 38

印紙税のあり方の検討

税目 印紙税  経済産業省 経済産業政策局 企業行動課

 印紙税は経済取引における契約書や領収書等に対して課せられる文書課税であるが、近年の電子取引の増大等を踏まえ、制度の根幹からあり方を検討し見直す。

コロナ禍等を踏まえた法人版・個人版事業承継税制に関する検討 制度自体の減収額 (▲58,000 百万円)

税目 相続税 贈与税 経済産業省中小企業庁事業環境部財務課

(租税特別措置法第70条の6の8から第70条の7の8まで、租税特別措置法施行令第40条の7の8から第40条の8の8まで、租税特別措置法施行規則第23条の8の8から第23条の12の5まで)

 法人版・個人版事業承継税制における円滑な事業承継の実施のための措置について検討する。具体的には、非上場株式等に係る納税猶予制度について、コロナ禍の影響も含め、事業承継の実施状況や本税制の活用状況等を踏まえ、必要な税制措置を検討する。また、個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度について、事業承継を促進する観点から、同族会社や事業用資産を有しない個人との課税の公平性や、制度の濫用を防止する観点等を踏まえつつ、青色申告書の貸借対照表に計上される事業用資産を対象とすることを検討する。

所有者不明土地法に基づく土地収用法の特例対象拡大に伴う特例措置の拡充

税目 所得税、法人税 国土交通省不動産・建設経済局土地政策課

 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(以下「所有者不明土地法」という。)に定める土地収用法の特例により収用又は使用される土地の対象範囲の拡大に伴い、土地収用法に基づく収用等の場合と同様の税制上の特例につき、以下の内容を措置する。

令和4年度予算概算要求

https://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_002340.html

空き家対策、所有者不明土地等対策及び適正な土地利用等の促進 [76 億円(1.11)

https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/22syokan/

歯科保健医療提供体制の整備【推進枠】 6.9億円(2.1億円)

 「歯科保健医療ビジョン」や新型コロナウイルス感染症への対応等も踏まえた各地域での施策が実効的に進められるよう、好事例の収集・分析及び周知等、歯科保健医療提供体制の構築に向けて取り組む。また、歯科専門職間の連携を進め、より質の高い歯科医療を提供する観点から、歯科衛生士・歯科技工士を確保するため、離職防止・復職支援のために必要な経費を支援する。

人生の最終段階における医療・ケアの体制整備【一部推進枠】1.4億円(1.2億円)

 人生の最終段階における医療・ケアを受ける本人や家族等の相談に適切に対応できる医師、看護師等の育成に加え、人生会議(※)を普及・啓発するため、国民向けイベントを行うなど、人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境整備を更に推進する。※ 人生会議:人生の最終段階で希望する医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組。ACP(Advance Care Planning)の愛称。

成年後見制度の利用促進【一部新規】【一部推進枠】9.5億円(5.9億円)

保健医療情報を医療機関等で確認できる仕組みの推進【一部推進枠】23億円(4.5億円)

保健医療情報を本人や本人の同意を得た全国の医療機関等で確認できる仕組みに関し、データヘルス改革に関する工程を踏まえ、オンライン資格確認等システムの改修を行う。また、今後の情報項目のさらなる拡充に向け、必要な実証事業等を行う。

電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備【新規】【推進枠】9.6億円

新規学卒者等(専門学校生等)への就職支援【新規】【一部推進枠】 4.6億円

第2の就職氷河期世代をつくらないよう、新卒応援ハローワーク等に就職支援ナビゲーターを新たに配置し、特に新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた分野の専門学校生・未就職卒業者への支援を強化する。

子どもらしい生活を送ることができないヤングケアラーや育児等に不安を抱える家庭に対する相談支援、家事・育児の支援【一部新規】【一部推進枠】

低所得の妊婦に対する妊娠判定料支援や訪問支援など妊産婦等への支援【新規】【推進枠】19億円

https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2022/index.html

事業承継・引継ぎ・再生支援事業【47.1 億円(16.2 億円)

デジタル庁と連携し、「G ビズ ID」や「J グランツ」等のデジタルサービスを通じ、行政手続効率化や行政データ活用を実現するデジタル・ガバメントを推進する。 経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業【28.8 億円(20.7 億円)】 うち 27.4 億円はデジタル庁計上

https://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei02_00074.html

所有者不明土地等問題への対応及び地図整備の推進

令和4年度概算要求等額 6,989百万円(210百万円増)

 「経済財政運営と改革の基本方針」や「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」等の政府方針に基づき,所有者不明土地等問題の解消や相続登記の促進,登記所備付地図の整備等の取組を推進する。

法務行政における質の向上及び業務の効率化を図るためのデジタル化の推進

令和4年度概算要求等額 58,705百万円(9,019百万円増

Webブラウザのみで登記申請手続を可能に

スマートフォンで登記情報提供サービスの利用を可能に

戸籍事務におけるマイナンバー制度の利活用の推進

令和4年度概算要求等額 25,430百万円(18,217百万円増

マイナンバーの提供等による戸籍謄抄本の添付省略

戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略

本籍地以外の市区町村での戸籍謄抄本の発行

https://www.jinji.go.jp/kisya/2108/gaisanyokyu4.html

国家公務員志望者増に向けた人材発掘施策の新規展開 68(新規)

妊娠、出産、育児等と仕事の両立に係る啓発 9(1)

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kanbo04_02000169.html

デジタル時代における郵便局等の公的地域基盤連携の推進 1.0 億円

https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.htm

GIGAスクール運営支援センター整備事業 令和4年度要求・要望額 64億円(新規)

学習者用デジタル教科書普及促進事業 令和4年度要求・要望額 57億円(前年度予算額 22億円)

CBTシステム(MEXCBT)等の機能改善と拡充令和4年度要求・要望額 10億円(前年度予算額 6億円)

高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)16,069百万円(15,890百万円)

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