意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン

2020年(令和2年)10月30日

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2021/20201030guideline.pdf

意思決定支援ワーキング・グループ

目 次

第1 はじめに

 1 ガイドライン策定の背景 …………………………………. 1

2 ガイドラインの趣旨・目的等 ……………………………… 2

 第2 基本的な考え方

1 本ガイドラインにおける意思決定支援の定義 …………………. 2

 2 本ガイドラインにおける意思決定能力の定義 …………………. 3

3 本ガイドラインにおける意思決定支援及び代行決定のプロセスの原則 3

(1) 意思決定支援の基本原則 ……………………………….. 3

 (2) 代行決定への移行場面・代行決定の基本原則 ……………….. 3

 4 後見人等として意思決定支援を行う局面 …………………….. 4

 第3 意思決定支援における後見人等の役割

1 関連する基本原則の確認 …………………………………. 5

2 意思決定支援のための環境整備(事前準備) …………………. 5

環境整備の必要性・目的 ……………………………….. 5

  • 本人のエンパワメント ……………………………….. 5

② 支援者側の共通認識・基本的姿勢 ………………………. 5

(2) 環境整備の手順、環境整備に対する後見人等の関与の仕方・役割 ..

 6 (3) 本人と後見人等の信頼関係の構築 ………………………… 6

 3 後見人等の関与する意思決定支援の具体的なプロセス(個別課題が生じ た後の対応) …………………………………………….. 7

 (1) 本人にとって重大な影響を与えるような意思決定について …….. 7

 (2) 支援チームの編成と支援環境の調整 ………………………. 7

① 支援チームの編成 …………………………………… 7

② 支援環境の調整・開催方法等の検討 …………………….. 8

(3) 本人への趣旨説明とミーティング参加のための準備 ………… 10

(4) ミーティングの招集 …………………………………. 10

(5) 本人を交えたミーティング ……………………………. 10

 ① 進行方法の工夫 …………………………………… 10

  •  意思形成支援におけるポイント ………………………. 11

 ③ 意思表明支援におけるポイント ………………………. 12

 (6) 意思が表明された場合 ……………………………….. 12

(7) アセスメントシートへの記録 ………………………….. 13

第4 意思決定や意思確認が困難とみられる局面における後見人等の役割

 1 関連する基本原則の確認 ……………………………….. 13

2 意思決定や意思確認が困難とみられる局面とは ……………… 13

3 意思決定能力アセスメントの方法 ………………………… 13

(1) 意思決定能力アセスメント ……………………………. 13

(2) アセスメントシートへの記録 ………………………….. 14

4 本人の意思推定(意思と選好に基づく最善の解釈)アプローチ …. 14

 (1) 基本的な考え方 …………………………………….. 14

(2) 検討結果に基づく後見人等としての行動原則 ……………… 15

 (3) アセスメントシートへの記録 ………………………….. 15

 第5 本人にとって見過ごすことができない重大な影響が懸念される局面等にお ける後見人等の役割

1 関連する基本原則の確認 ……………………………….. 16

 2 本人にとって見過ごすことができない重大な影響が生じる場合等 .. 16

(1) 基本的な考え方 …………………………………….. 16

 (2) 検討方法 ………………………………………….. 16

 (3) 検討結果に基づく後見人等としての行動原則 ……………… 17

 (4) アセスメントシートへの記録 ………………………….. 17

第6 本人にとっての最善の利益に基づく代行決定

1 関連する基本原則の確認 ……………………………….. 17

 2 本ガイドラインにおける「最善の利益」に基づく代行決定 …….. 18

 3 本人にとっての「最善」を検討するための方法 ……………… 18

(1) 最後の手段としての位置付け ………………………….. 18

 (2) 本人にとっての最善の利益を検討するための前提条件 ………. 18

 (3) 本人にとっての最善の利益を検討する際の協議事項 ………… 19

4 検討結果に基づく後見人等としての行動原則 ……………….. 20

5 アセスメントシートへの記録 ……………………………. 21

第1 はじめに

1 ガイドライン策定の背景

2017年(平成29年)3月24日に閣議決定された成年後見制度利用促進基本計画(以下「基本計画」という。)では、成年後見制度の利用者がメリットを実感できる制度・運用へ改善を進めることが目標とされ、後見人等が本人の特性に応じた適切な配慮を行うことができるよう、意思決定支援の在り方についての指針の策定に向けた検討が進められるべきであるとされている。このような背景には、2000年(平成12年)の成年後見制度発足以来、財産保全の観点のみが重視され、本人の意思尊重の視点が十分でないなどの課題が指摘されてきたことがある。

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「財産保全の観点のみが重視され」については、私の感覚とは違いました。私が司法書士として、成年後見に関わった2009年以来、実務上重視してきたのは身上監護です。財産保全の観点が重視され始めたのは、専門職後見人の横領事件が発覚し始めてからだと考えます。

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そのため、今後、成年後見制度の利用促進を図っていくためには、本人の意思決定支援や身上保護等の福祉的な観点も重視した運用とする必要がある。民法858条、876条の5第1項、876条の10第1項においても、後見人等が本人の意思を尊重し、その心身の状態及び生活の状況に配慮することが求められている。しかし、実務においては、本人の判断能力が低下していることを理由に、本人の意思や希望への配慮や支援者等との接触のないまま後見人等自身の価値観に基づき権限を行使するなどといった反省すべき実例があったことは 否定できない1。 後見人等を含め、本人に関わる支援者らが常に、「意思決定の中心に本人を置く」という本人中心主義を実現するためには、意思決定支援についての共通理解が必要である。そこで、意思決定支援を踏まえた後見事務についての理解が深まるよう、最高裁判所、厚生労働省、日本弁護士連合会、成年後見センター・リーガルサポート及び日本社会福祉士会により構成される意思決定支援ワーキング・ グループにおいて検討を重ね、成年後見制度の利用者の立場にある団体からのヒアリング等の結果を踏まえつつ、本ガイドラインを策定した。ガイドラインに記載されていることが意思決定支援の全てではないことは 言うまでもなく、意思決定支援については他にも多数のガイドラインやテキストが存在するものの、本ガイドラインが、専門職後見人、親族後見人、市民後見人等のいずれにとっても、本人の意思決定支援を踏まえた後見事務を行う上で参考にされ、活用されることを期待するものであり、そのためには、今後、関係各団体等において、それぞれの後見人等の属性に合わせた普及・啓発方法が展開されることが望ましい。また、本ガイドラインは意思決定支援を踏まえた後見事務の実現に向けた一つの出発点にすぎず、完成形ではない。

認知症や精神障害、知的障害、発達障害等の内容や程度には個人差があるが、適切な意思決定支援は本人の権利擁護につながるものであることからすれば、今後、専門職団体における本ガイドラインに基づく意思決定支援の経験の蓄積を経て、本人の属性や特性に応じた更なる深化・ 発展が期待されるところである。

2 ガイドラインの趣旨・目的等

本ガイドラインは、専門職後見人はもとより、親族後見人や市民後見人を含め て、後見人、保佐人、補助人(以下「後見人等」という。)に就任した者が、意思決定支援を踏まえた後見事務、保佐事務、補助事務を適切に行うことができるように、また、中核機関や自治体の職員等の執務の参考2となるよう、後見人等に求められている役割の具体的なイメージ(通常行うことが期待されること、行うことが望ましいこと)を示すものである3。なお、本ガイドラインには、意思決定支援及び代行決定の場面で使用できるアセスメントシートを5種類添付している(様式1~5)。後見人等がそれぞれのプロセスごとにアセスメントシートへの記録を行うことで、意思決定支援を踏まえた後見事務を適切に実践できているかを省みることができると考えられる4。

第2基本的な考え方

 1 ガイドラインにおける意思決定支援の定義意思決定支援とは、特定の行為に関し本人の判断能力に課題のある局面において、本人に必要な情報を提供し、本人の意思や考えを引き出すなど、後見人等を含めた本人に関わる支援者らによって行われる、本人が自らの価値観や選好に基 づく意思決定をするための活動をいう。

本ガイドラインにおける意思決定支援は、本人の意思決定をプロセスとして支援するものであり、通常、そのプロセスは、本人が意思を形成することの支援(意思形成支援)と、本人が意思を表明することの支援(意思表明支援)を中心とする(なお、形成・表明された意思をどのように実現するかという意思実現支援は、本ガイドラインにいう意思決定支援には直接には含まれないが、後見人等による身上保護の一環として実践されることが期待される。)5。

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本人に関わる人(医療、福祉、生活、法律など)でチームを作って、意思形成と意思表明の支援をする、ということは以前から言われていたような気がしますし、実務上も行っていました。5種類のアセスメントシートを作成したことが、基準となり得て、新しいことだと思います。

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 3 本ガイドラインにおける意思決定支援は、後見人等による「代行決定」とは明確に区別される。すなわち、①意思決定支援が尽くされても本人による意思決定や意思確認が困難な場合、又は②本人により表明された意思等が本人にとって見過ごすことのできない重大な影響を生ずる可能性が高い場合のいずれかにおいて、最後の手段として、後見人等が法定代理権に基づき本人に代わって行う決定 (代行決定)とは区別されるものである。

2 本ガイドラインにおける意思決定能力の定義

意思決定能力6とは、支援を受けて自らの意思を自分で決定することのできる能力であるが、意思決定を行う場面では通常次の4つの要素が必要と考えられる。 (1)意思決定に必要な情報を理解すること(情報の理解) (2)意思決定に必要な情報を記憶として保持すること(記憶保持) (3)意思決定に必要な情報を選択肢の中で比べて考えることができること(比較検討) (4)自分の意思決定を口頭又は手話その他の手段を用いて表現すること(意思の表現)

 3 本ガイドラインにおける意思決定支援及び代行決定のプロセスの原則 (1) 意思決定支援の基本原則

第1 全ての人は意思決定能力があることが推定される。

第2 本人が自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くさ なければ、代行決定に移ってはならない。

第3 一見すると不合理にみえる意思決定でも、それだけで本人に意思決定能力がないと判断してはならない。

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 本人にとっても意思決定支援に関わるチームにとっても(特に固定給で働いていない人にとっては)負担が大きいと感じます。負担の分はどのように反映されるのか、気になります。以前、後見事務にかかった時間と報酬を割ってみましたが、200円を切っていました。

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(2) 代行決定への移行場面・代行決定の基本原則

第4 意思決定支援が尽くされても、どうしても本人の意思決定や意思確 認が困難な場合には、代行決定に移行するが、その場合であっても、 後見人等は、まずは、明確な根拠に基づき合理的に推定される本人の意思(推定意思)に基づき行動することを基本とする7 。

 第5 ①本人の意思推定すら困難な場合、又は②本人により表明された意思等が本人にとって見過ごすことのできない重大な影響を生ずる場合 には、後見人等は本人の信条・価値観・選好を最大限尊重した、本人にとっての最善の利益に基づく方針を採らなければならない。

第6本人にとっての最善の利益に基づく代行決定は、法的保護の観点からこれ以上意思決定を先延ばしにできず、かつ、他に採ることのできる手段がない場合に限り、必要最小限度の範囲で行われなければならない。

第7 一度代行決定が行われた場合であっても、次の意思決定の場面では、第1原則に戻り、意思決定能力の推定から始めなければならな い。

4 後見人等として意思決定支援を行う局面

 後見人等による意思決定支援は、飽くまで後見事務の一環として行われるものである以上、後見人等が直接関与して意思決定支援を行うことが求められる場 は、原則として、本人にとって重大な影響を与えるような法律行為及びそれに 随した事実行為の場面8 に限られる。

本人の特性を踏まえ、ケース・バイ・ケースで判断する必要があるが、一般的 な例としては、①施設への入所契約など本人の居所に関する重要な決定を行う場合、②自宅の売却、高額な資産の売却等、法的に重要な決定をする場合、③特定の親族に対する贈与・経済的援助を行う場合など、直接的には本人のためとは言い難い支出をする場合などが挙げられる9。

ただし、それ以外の局面における意思決定支援に関しても、後見人等として、 後記第3の2(2)に記載した関与が求められる10。

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  • 2について、本人が信仰している宗教に基づく場合、バランスのとり方が必要だと思います。親族を無視するわけにはいかない場合があるのではないかと思います。
  • 3について、以前から毎年贈与を行っていた場合などは考慮したいと思います。

第3 意思決定支援における後見人等の役割

*本項に対応するアセスメントシート:様式1

1 関連する基本原則の確認

第1 全ての人は意思決定能力があることが推定される。

第2 本人が自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くさなけ れば、代行決定に移ってはならない。

第3 一見すると不合理にみえる意思決定でも、それだけで本人に意思決定能 力がないと判断してはならない。

2 意思決定支援のための環境整備(事前準備)

  • 環境整備の必要性・目的 後見人等が直接関わる意思決定支援の事務としては、本人に重大な影響を与える法律行為及びそれに付随する事実行為が主である。しかしながら、そのような課題が生じてからいきなり意思決定支援をしようとしても容易ではなく、日頃から日常的な事柄について、本人が自ら意思決定 をすることができるような支援がされ、そのような意思決定をした経験が蓄積 されるという環境が整備されている必要がある。
  •  本人のエンパワメント

特に、本人が自信を持って意思決定を行うことができるためには、本人の 自尊心や達成感が日頃から満たされていることが重要である。したがって、日常的に、本人が自ら意思決定を行う機会に接し、成功・失敗に至る過程を経ながら、「自らの意思決定が他者に尊重された」という経験を本人が得られるよう、後見人等も含めた本人に関わる支援者らが協力して支援をする(エンパワメント)環境が整備されることが求められる1112。

  •  支援者側の共通認識・基本的姿勢

 本人の意思決定に向けた支援は、これを支援する者の態度や本人との信頼関係、立ち会う人との関係性や環境による影響を受ける。また、意思決定支援をする支援者側の共通理解が乏しい場合、本人の意思決定や意思表明を引き出す支援が十分に行われなかったり、本人の意思を都合よく解釈した事実上の代行決定が行われたりするおそれもある。さらに、職業倫理や価値観の違いから、本人と支援者間、支援者相互の対立を招くことも懸念される13。

 したがって、意思決定支援を行うに際しては、後見人等を含めた本人に関わる各支援者が、本人の意思決定を尊重する基本的姿勢を身につけておく必要がある。そこで、本ガイドラインないし関連する他の意思決定支援ガイドライン14をあらかじめ読み合わせておく、又は研修等に参加するなど、意思決定支援を行うに当たっての共通認識を得ておくことも重要である。

  • 環境整備の手順、環境整備に対する後見人等の関与の仕方・役割

 後見人等が就任した時点では、既に本人は、親族や介護サービス、障害者福祉サービス事業者のスタッフや医療従事者等による支援を受けていることが 多い(潜在的なチームの存在)。後見人等としては、本人が日常生活を送るに当たって、これらの支援者によって、本人の意思決定が適切に支援され、表明された意思が十分に尊重されているかどうかを把握しつつ、以下の点に留意して 活動を進める必要がある。

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法定後見などが想定され、任意後見は想定されていないような記載だと感じました。

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 <留意するポイント>

 ▶ 後見人等に就任した後、なるべく早期に本人や支援者らと接触すること15

 ▶ 本人の状況や支援状況を把握し、支援者らの輪に参加すること

▶ 本人の意思が周囲の支援者らから十分に尊重されていないとみられる場合には、環境の改善を試みること

 特に専門職後見人の場合は、選任された時点では本人に関する情報量が親族や介護サービス事業者と比べて圧倒的に少ないことを自覚し、意識的に本人と話をしたり、本人のことを知ろうと努めることが重要である。なお、意思決定を支援するチームが編成されていないような場合や、チーム の編成を変更する必要があるような場合には、地域包括支援センターや障害者基幹相談支援センター、発達障害者支援センターがチーム支援の起点となるよう、中核機関のサポートを受けながら働きかけを行うことが望ましい。

  • 本人と後見人等の信頼関係の構築

 後見人等としては、本人と定期的な面談、日常生活の観察や支援者らからの情報収集、生活歴の把握等を通じて積極的にコミュニケーションを図ることにより、本人が安心して自分の意思を伝えることができ、後見人等とともに意思決定支援のプロセスに参加することに意欲を持つことができるような信頼関係を構築しておくことも重要と考えられる。後見人等が本人にとってどのような存在であるのかを本人自身に正しく認識してもらうことにより、本人としても安心して支援を受けることができるようになるはずである。

3 後見人等の関与する意思決定支援の具体的なプロセス(個別課題が生じた後の対応)

  • 本人にとって重大な影響を与えるような意思決定について

 本人にとって重大な影響を与えるような法律行為及びそれに付随する事実行為に関して意思決定を行う場面において、後見人等に求められるのは、本人の意思決定のプロセスを丁寧に踏むという意識及びそのプロセスに積極的に関わるということである。

具体的には、後見人等は、基本的に以下の場面で一 定の重要な役割を担うことになる。

  •  支援チームの編成と支援環境の調整
  •  本人を交えたミーティング

もっとも、本人にとって重大な影響を与えるような法律行為及びそれに付随する事実行為に関して意思決定を行う場合においても、本人の意思が明らかであり、支援者においても本人の意思に沿うことで異論がないような場合には、本ガイドラインのプロセスを必ずしも全て経る必要があるわけではない。

  • 支援チームの編成と支援環境の調整
  •  支援チームの編成

支援チームの編成は、本来は福祉関係者において責任を持って行うことが想定された事柄ではあるが、後見人等も、日頃から本人の意思決定支援のた めの環境整備がなされていることを前提に、ミーティング主催者とともに意思決定を支援するメンバーの選定に主体性を持って関わっていくことが望ましい。一般的には、親族、介護支援専門員、相談支援専門員、施設長・施設ケア マネジャー等相談支援専門職・相談員、地域包括支援センター等行政機関の担当者、主治医・看護師・臨床心理士、医療ソーシャルワーカー・精神保健福祉士などが支援メンバー候補者であるが、これらの者に限るわけではなく、 本人が希望する場合には、本人が信頼する友人やボランティア、当事者団体のメンバーなどが加わることもあり得る。第三者的な立場のメンバーが加わることで、支援者らが無意識のうちに自分達の価値観に基づきプロセスを進めることを防ぐという効果も期待される。

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 第三者を入れることが薦められる場合と、入れない方が良い場合があると思います。その基準は曖昧ですが、周りの人の関係性から見極め、最後は決定権を持っている人が決めることになるのかなと感じます。

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本人の思いや意思が反映されやす いチームとすることを意識しつつ、課題に応じて適切なメンバーを選ぶことが重要である16。

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 課題に応じて、メンバーの心情や都合に応じて、選ぶことが重要だと思います。

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 基本的には、本人との日常のコミュニケーションの方法をよく知る者、専門的見地から発言ができる者、その課題について本人に適切な選択肢を示す ことができる者などがバランス良くメンバーに加わることが望ましい。メンバーには、本人の意思が明確に表明されない場合であっても本人の意思自体は存在するということを十分に理解し、その意思を汲もうとする姿勢が求められる。

 一方で、当該事案において本人と利害が明らかに対立する者、本人の意思決定に不当な影響を与える可能性のある者の参加は好ましくなく、慎重な判 断が求められる。

  •  支援環境の調整・開催方法等の検討

 本人を交えたミーティングに先立ち、支援チームのメンバー間において、 ミーティングの趣旨やミーティングにおける留意点をお互いに理解するように努め、また本人にとってどのような形でミーティングを開催するのが適 切であるかを、以下の点に留意して慎重に検討することが望ましい。

 チームが機能しているような場合、後見人等は、コーディネーターとして 振る舞う必要はなく、以下の留意事項も踏まえ、他の支援者らが本人の意思や特性を尊重しながら適切に準備を進めているのかをチェックし、問題がある場合には改善を促すという形での関与をしていくことが求められる17。

また、後見人等のみならず、他の支援者においても、意思決定支援が適切なプロセスをたどっているかについて、相互にチェックし合うような環境が整備できると更に望ましい。他方で、後見人等は、他の支援者らとは異なり、最終的な決定権限(法定代理権)を有しているが、自分の価値観が最終的な決 定に影響しないよう、意思決定支援の準備につき他の支援者らの意向を尊重するという意識を持つことも重要である。

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相互にチェックし合う、とう言葉は、何か別の言葉が使えないかなと思います。私なら、お互いに意見を言っても否定しない場づくりを心掛ける、くらいにしておきます。

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 これに対し、チームがうまく機能していないような場合には、後見人等は、中核機関等からの支援を受けて他の支援者らに働きかけを行い、支援者らの意識の改善を図った上で検討を進めたり、チームの再編成を試みたり(上記 2⑵参照)するなど、支援環境の調整段階から主体的に関与することが望ましい。

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働きかけ自体は出来ると思いますが、負担が大きいと感じます。

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 <ミーティング開催に当たっての留意事項>

▶ 本人は、いつ、どこで、どのような方法であれば安心して参加できるか。 また、誰に意思決定支援のチームに参加してほしいか。

 本人の特性・生活スタイルから避けた方がよい時間帯がないか、本人が一番安心して意思を表明できる場所はどこか、本人が安心して話をすることができる支援者が誰かについて十分に配慮すべきである。必ずしも「ケース検討会議」のような場面がいつも適切とは限らず、たとえば本人との少人数でのミーティングを行い本人の意思を十分に引き出した上で、本人意思の確認・ 共有のために支援メンバーが揃う場を設けるなど、段階的にミーティングを行っていく ことが望ましいケースもあり得る。

▶ 本人は、どのようなコミュニケーションの方法を望んでいるか。また、本人の意思決定を支援するために必要な調整・コミュニケーション手段について意識されているか。 本人がミーティングにおいて適切に意思形成・表明ができるよう、本人が意思決定を行う場合の課題を整理し(関連する情報の理解・記憶・比較・表現等の各要素に留意し て)、支援者らが本人の意思の形成を促し、引き出していくための手段を検討する18。

また、本人が課題を理解し、自分なりの意思決定を行うためには、ミーティングの進行における工夫や本人の特性に合わせたコミュニケーションスキル(意思疎通の技術)が必要である。そのため、誰が進行役(ファシリテーター)を務め、本人との意思疎通を誰 がどのように図り、本人が実質的にミーティングに参加できるようにどのように工夫す るか等、支援チーム全体で予め検討しておくべきである。

▶ 意思決定支援に関するミーティングであることが参加者により理解され ているかどうか。ミーティングの呼びかけ方によっては、参加者が会議の趣旨について抱くイメージが 変容してしまう危険性がある。支援者らの価値観に基づく結論が先にありき(いわゆる 「落としどころ」を決めて臨む)での本人を説得するために集まる場では決してないことを予め留意事項として認識させることが重要である。

 ▶ ミーティングにおけるメンバーの役割やルールが参加者により理解されているか。

ミーティングの参加者がすることは「本人の意見、考えを引き出す」こと、「支援者ら の価値観を押し付けない」ことであり、避けなければならないことは参加者が望ましいと考えることを押しつけたり、その方向に誘導・説得したりしないこと、本人の話を頭ごなしに否定・批判をしないことである。なお、検討のための手段としては、支援チームのメンバーが直接会って事 前の打合せをするほか、電話、メール、ファックス等で確認・意見交換する など、支援チームの構成や従来の支援実績、対象となる課題、本人の状況等 により、その方法は様々であってよい。

  • 本人への趣旨説明とミーティング参加のための準備 支援チームのメンバー、環境整備、開催方法を検討していく過程において、本人が信頼している意思決定支援のキーパーソンによって、本人にあらかじめミーティングの趣旨を説明しておくことが必要である。たとえば、支援メンバーの情報やミーティングの予定日時、場所のほか、自分で自分のことを決めていくことが大切であること、意思を決めていくためにメンバーができる限り協力すること、本人の意思を尊重し、受け止めてくれるメンバーがいるので安心 して意見を述べてよいことなどを丁寧に説明する。

その際、本人としては、課題についての自分の思いを聞いてもらうことが会議に向けた心の準備になることもあるため、本人が何か課題について思いを伝えようとしている場合には、 本人の話に耳を傾けることも重要である1920。

  • ミーティングの招集

進行管理に責任を持つ者において、関係者を招集する。その際、必要な資料の準備も行う21。

  • 本人を交えたミーティング

 ① 進行方法の工夫 ミーティングでは、主催者等(後見人等が兼ねることもある)は、事前の 環境調整を踏まえて設定されたテーマ及びミーティングのルールに沿って以下②・③の支援プロセスが展開されているかに注意しながら、会議を適切 に進行する必要がある。ミーティングは必ずしも1回とは限らず、複数回開 催したり22、本人の意思形成の状況によっては、その間に見学や体験を導入 したりすることが有効な場合もある。

 事前の環境調整で確認したことなどを踏まえ、本人の置かれている状況を、本人の特性を踏まえつつ分かりやすく説明するとともに、課題となる意思決 定事項に関連する本人の意思や考えを引き出すことができるよう最大限努力する。加えて、本人の意思や考えを踏まえつつ、現在の本人が採り得る選択肢を分かりやすく示す。選択肢については、それぞれのメリット・デメリットなどを説明する必要がある場合もあるが、その際には、殊更誘導や本人の選択を意図的に狭めるような説明、プレッシャーを与える言動のないよう配慮する必要がある。説明方法は、言葉によるものに限らず、タブレット端末、パ ンフレット、写真、絵カード等の視覚的な資料を用いるなどの工夫も考えられる。

このような本人の意思形成支援を行った上で、他者の不当な影響が及ばない状態において、本人が自らの意思を表明できるよう支援する。適切なコミ ュニケーション手段の選択はもちろん、表明を直接受け取る支援者、場所、 時間、雰囲気などにも配慮すべきである。

後見人等は、本人の権利擁護者として、本人が意思決定の主体として実質的にミーティングに参加できるよう、本人のペースに合わせた進行を主催 者・参加者に促していくことが期待される。ただし、後見人等だけで一連の意思決定支援を全て提供できるものではないため、主催者、参加者と適宜役 割分担をし、以下のポイントに留意しながら、チーム全体として意思決定支 援のプロセスを展開できるようにすることが大切である。

2 意思形成支援におけるポイント

 □支援者らの価値判断が先行していないか?

 ▶ 判断の前に本人の希望に着目し、できる限り「開かれた質問」23で尋 ねる。 □本人の「理解」と支援者らの「理解」に相違はないか?

▶ 本人に説明してもらう。同じ趣旨の質問を、時間をおいて、違う角度 から行ってみる。

 ▶ 説明された内容を忘れてしまうことがあるため、その都度説明する。

 ▶ 本人に体験してもらうことによって本人の理解を深める。 □選択肢を提示する際の工夫ができているか?

 ▶ 比較のポイント、重要なポイントを分かりやすく示す。

 ▶ 文字にする。図や表を使う。ホワイトボードなども活用する。 □他者からの「不当な影響」はないか? ③ 意思表明支援におけるポイント □決断を迫るあまり、本人を焦らせていないか?

▶ 時間をかけてコミュニケーションを取る。

▶ 重要な意思決定の場合には、時間をおいて、再度、意思を確認する。

 ▶ 時間の経過や置かれた状況、同席者の影響によって意思は変わり得る ことを許容する。

 ▶ 本人の意思決定を強いるものではない(本人がむしろ支援者らに判断 を任せたいという意思を持つこともあり得る。)。 □本人の表明した意思が、これまでの本人の生活歴や価値観等から見て整合 性があるか?

 ▶ これまでと異なる判断の場合には、より慎重に本人の意思を吟味する。

 ▶ 表面上の言葉にとらわれず、本人の心からの希望を探求する。 □意思を表明しにくい要因や他者からの「不当な影響」はないか? ▶ 支援者らの態度、人的・物的環境に配慮する。時には、いつものメン バーとは異なる支援者が意思を確認してみることも必要。

  • 意思が表明された場合

第1原則において、全ての人は意思決定能力があることが推定されている。 したがって、本人及び支援者らにおいて意思決定能力について特段疑問を持 たない限り、後見人等は、本人の意思決定に沿った支援を展開することが通常 である(なお、意思実現支援は本ガイドラインにおける意思決定支援には直接 含まれないものの、後見人等としては、身上保護の一環として、後見人等が本 人の意思の実現に向けて適切に行動することが期待される。)。 もっとも、表明された意思が本人の意思であるかは慎重に確認する必要があ り、支援者らによる意思決定支援が適切にされていないおそれがある場合24や、 本人の表明された意思に関し、支援者らの評価・解釈に齟齬や対立がみられる 場合には、再度意思決定支援を行う必要がある。

 また、本人の意思に揺らぎがみられるような場合には、一旦本人が意思を表明した場合であっても、直ちにその実現に移るのではなく、一定期間見守り、 表明された意思が最終的なものであるかを確認する必要がある。

  • アセスメントシートへの記録

後見人等は、(1)~(6)における意思決定支援のプロセスについて、アセスメ ントシート様式1に随時記録する。

 第4 意思決定や意思確認が困難とみられる局面における後見人等の役割

*本項に対応するアセスメントシート:様式2・様式3 1 関連する基本原則の確認

第2 本人が自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を尽くさなければ、代行決定に移ってはならない。

第4 意思決定支援が尽くされても、どうしても本人の意思決定や意思確認が困難な場合には、代行決定に移行するが、その場合であっても、後見人等は、まずは、明確な根拠に基づき合理的に推定される本人の意思(推定意 思)に基づき行動することを基本とする。

2 意思決定や意思確認が困難とみられる局面とは

特定の意思決定について、意思決定支援を尽くしたにもかかわらず、本人の意思や意向を把握することが困難であり(本人とのコミュニケーションが困難である場合や、本人の意思の揺らぎが大きい場合など)、かつ、法的保護の観点から決 定を先延ばしにすることができない場合もある。その場合には、下記3のとおり、 本人の意思決定能力のアセスメント(評価)を行った上で、意思決定をすること が困難であると判断された場合には、代行決定のプロセスに移行することになる。 なお、決定を先延ばしにすることができる場合には、改めて意思決定支援を行うことになる。

3 意思決定能力アセスメントの方法

  • 意思決定能力アセスメント

本ガイドラインにおける意思決定能力の定義からすれば(第2の2)、意 思決定能力アセスメントは、本人が独力で特定の意思決定ができるか否かを 評価するものではなく、支援者ら自身が意思決定支援を尽くしたにもかかわ らず、意思決定を行う場面で通常必要と考えられる4要素につき満たされな いものがあるかを評価することとなる。

 理解 :与えられた情報を理解する力

 ▶ 支援者側が実践上可能な工夫・努力を尽くしたにもかかわら ず、本人が意思決定に関連する情報を理解することができな かったかを評価する。

記憶保持:決定するためにその情報を十分に保持する力 ▶ 支援者側が実践上可能な工夫・努力を尽くしたにもかかわら ず、本人が情報を必要な時間、頭の中に保持することができな かったかを評価する。

比較検討:決定するためにその情報を検討する力 ▶ 支援者側が実践上可能な工夫・努力を尽くしたにもかかわら ず、本人がその情報に基づく選択肢を比較検討することがで きなかったかを評価する。

 表現 :決定について他者に伝える力 ▶ 支援者側が実践上可能な工夫・努力を尽くしたにもかかわら ず、本人が意思決定の内容を他者に伝えることができなかっ たかを評価する。

ここで重要なことは、意思決定能力は、あるかないかという二者択一的な ものではなく、支援の有無や程度によって変動するものであることから25、本人に意思決定能力がないと決めつけることなく、4要素を満たすことができるように、後見人等を含めたチーム全体で支援をすることが必要であるとい うことである。このように、意思決定能力アセスメントは本人の能力の有無のみを判定するアプローチではなく、支援を尽くしたといえるかどうかについても、チー ム内で適切に検討することが求められる。

  • アセスメントシートへの記録 意思決定能力アセスメントの検討プロセスについては、アセスメントシート様式2に記録する。

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おそらく、アセスメントシートその他の情報共有ツールが必要だと思います。パソコンなどから入力出来るような。情報漏洩が起きる危険があるので、ガイドライン作成が必要だと思います。

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 4 本人の意思推定(意思と選好に基づく最善の解釈)アプローチ

  • 基本的な考え方

意思決定能力アセスメントを実施した結果、本人の意思決定や意思確認 が、その時点ではどうしても困難と評価された場合、代行決定が検討される ことになる。もっとも、その場合であっても、後見人等が直ちに自らの価値判断に従って何が本人にとって最善であるかを決定することは避けるべきで ある。

後見人等を含めた支援チームが集まって、本人の日常生活の場面や事 業者のサービス提供場面における表情や感情、行動に関する記録などの情報 に加え、これまでの生活史、人間関係等様々な情報を把握し、根拠を明確に しながら本人の意思及び選好を推定することを試みることが必要である26。

すなわち、本人が自ら意思決定をすることができたとすれば、本人はどのような意思決定をしていたのかをまずは推定する必要がある。 収集された事実については、一見すると矛盾していたり、古すぎる情報、 又聞き情報といったものも存在したりするため、信頼できる情報を適切に選 別していく必要もある。さらに整理された事実に基づいて、本人の意思や価 値観を合理的に推定していくために関係者による評価が行われる。後見人等は、本人の権利擁護の代弁者であるという意識を持ち、十分な根拠に基づいて本人の意思推定が行われているか、関係者による恣意的な本人の意思推定が行われていないかどうか等を注視していくことが求められる。

 このような整理や評価は、単独で行うことは通常困難であり、意思決定支 援の場面で構築されたチームを活用し、複合的な視点から検討する必要がある。意思推定は、本人に意思決定能力があればどのような決断をしていたのかを第三者が推定し、判断するものである。支援チームがいかに努力したとしても本人の意思そのものとは異なって解釈される可能性があることから、慎重な取扱いが求められる。

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 本人も時間や状況によって意思は変わると思うので、支援チームが割く時間を予め決めておかないと、疲弊が起きると感じます。

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  • 検討結果に基づく後見人等としての行動原則

 ミーティングの結果、本人の意思が推定できる場合には、第5原則「本人にとって見過ごすことのできない重大な影響」に該当しない限り、後見人等も含めた支援者らは、本人の信条・価値観・選好に基づいて支援を展開する こととなる。他方、意思推定すら困難な場面では、第5原則及び第6原則に沿って行動することが検討される(最善の利益に基づくアプローチ。第5参照)。

  • アセスメントシートへの記録

 後見人等は、上記4(1)の本人の意思推定に基づく代行決定の検討プロセス について、アセスメントシート様式3に記録する。

第5 本人にとって見過ごすことができない重大な影響が懸念される局面等における後見人等の役割

*本項に対応するアセスメントシート:様式4 1 関連する基本原則の確認 第3 一見すると不合理にみえる意思決定でも、それだけで本人に意思決定能 力がないと判断してはならない。

第5 ①本人の意思推定すら困難な場合、又は②本人により表明された意思等 が本人にとって見過ごすことのできない重大な影響を生ずる場合等には、 後見人等は本人の信条・価値観・選好を最大限尊重した、本人にとっての 最善の利益に基づく方針を採らなければならない。

 第6 本人にとっての最善の利益に基づく代行決定は、法的保護の観点からこ れ以上意思決定を先延ばしにできず、かつ、他に採ることのできる手段がない場合に限り、必要最小限度の範囲で行われなければならない。

 2 本人にとって見過ごすことができない重大な影響が生じる場合等 (1) 基本的な考え方 意思決定支援の結果として、本人が意思を示した場合や、第4のプロセスを踏むことにより本人の意思が推定できた場合であっても、その意思をそのまま実現させてしまうと、本人にとって見過ごすことができない重大な影響が生じるような場合がある。その場合、当該意思をそのまま実現することは 適切ではないため、法的保護の観点から、「最善の利益」に基づいた代行決 定を行うことが許容される。

 また、本人の意思を実現すると、権利侵害を第三者に生じさせるような場面においても、個別具体的な事情に応じて、「最善の利益」に基づく代行決定を検討すべき場合がある。

検討方法 「重大な影響」といえるかどうかについては、以下の要素から判断する。

 ① 本人が他に採り得る選択肢と比較して、明らかに本人にとって不利益な 選択肢といえるか

2 一旦発生してしまえば、回復困難なほど重大な影響を生ずるといえるか

  •  その発生の可能性に確実性があるか

 例として、自宅での生活では本人が基本的な日常生活すら維持できない場合や、本人が現在有する財産の処分の結果、基本的な日常生活すら維持でき ないような場合が挙げられる。

 意思推定の場面と同様、このような整理や評価は、単独で行うことは通常困難であり、意思決定支援の場面で構築されたチームを活用し、複合的な視点から、明確な根拠を示して検討する必要がある。

(3)検討結果に基づく後見人等としての行動原則

 ミーティングを踏まえて、「本人にとって見過ごすことができない重大な影響」が発生する可能性が高いと評価される場合等には、後見人等は、本人が示した意思決定(推定意思の場合には、本人に意思決定能力があれば示したであろう意思決定)であったとしても、法的保護の観点から、同意しない(同意権・代理権の不行使)又は本人の示した意思とは異なる形での代行決定(代理権、取消権の行使)を行うことがある27。

他方、第三者からみれば必ずしも合理的でない意思決定であったとしても、「本人にとって見過ごすことができない重大な影響」が発生する可能性が高いとまでは評価できない場合には、本人なりの価値判断に基づく意思決定であることを踏まえ、後見人等も含めた支援者らは、本人の信条・価値 観・選好に基づいて支援を展開することが期待される。

  • アセスメントシートへの記録

後見人等は、本人にとって見過ごすことができない重大な影響が生じるかどうかの検討プロセスについて、アセスメントシート様式4に記録する。

 第6 本人にとっての最善の利益に基づく代行決定

 *本項に対応するアセスメントシート:様式5

1 関連する基本原則の確認 第5 ①本人の意思推定すら困難な場合、又は②本人により表明された意思等が本人にとって見過ごすことのできない重大な影響を生ずる場合には、後見人等は本人の信条・価値観・選好を最大限尊重した、本人にとっての最 善の利益に基づく方針を採らなければならない。

 第6 本人にとっての最善の利益に基づく代行決定は、法的保護の観点からこれ以上意思決定を先延ばしにできず、かつ、他に採ることのできる手段がない場合に限り、必要最小限度の範囲で行われなければならない。

 第7 一度代行決定が行われた場合であっても、次の意思決定の場面では、第 1原則に戻り、意思決定能力の推定から始めなければならない。

2 本ガイドラインにおける「最善の利益」に基づく代行決定 これまで述べてきたとおり、①意思決定支援を尽くしても本人の意思が明確 ではなく、かつ、本人の意思を推定することさえできない場合や、②本人が表 明した意思や推定される本人の意思を実現すると本人にとって見過ごすことが できない重大な影響が生じてしまう場合には、後見人等は、「最善の利益」に基づく代行決定を行うことになる。

 本ガイドラインで採用されている最善の利益は「本人にとっての最善の利益」、すなわち、本人の意向・感情・価値観を最大限尊重することを前提に他の要素も考慮するという考え方である。この点、「自分ならこうする。この方が本人のためだ。この人はこういうふうに行動すべきだ。」と、第三者の価値観で決めるという客観的・社会的利益を重視した考え方は採用していないことに注意が必要である

 3 本人にとっての「最善」を検討するための方法

  • 最後の手段としての位置付け

本人にとっての最善の利益に基づく代行決定は、意思推定の場面とは異なり、 本人の意思よりも他者の判断が優越し得る場合がある(本人の意思や推定意思 とは異なる他者決定があり得る)ということに留意する必要がある。したがっ て、使い方を誤るとかえって本人の自己決定権の侵害となる可能性もあるため、 最後の手段として慎重に検討されるべきものである。 特に後見人等としては、付与された代理権、取消権をどのように行使すべき かを検討する上で、第6原則を踏まえて、下記(2)のように検討すべきである。

 (2) 本人にとっての最善の利益を検討するための前提条件

 □ 意思決定能力アセスメントが実施されているか?当該意思決定について、 意思決定支援が尽くされているか否かを吟味する過程があったか? □ その結果、意思決定支援の限界場面と評価できるか? ▶ 意思決定支援が尽くされたにもかかわらず、本人の意思決定や意思確認 がどうしても困難であり、かつ、意思推定すら困難といえるか?

 ▶ 本人にとって見過ごすことができない重大な影響に該当するといえる か? □ これ以上決定を先延ばしできない場面と評価できるか?

 ▶ 意思決定をしないこと(思うようにさせておくこと)もまた決定であり、 行動しないことが本人に与える結果についても念頭におく必要がある。 □ 後見人等による代行決定が及ぶ意思決定か? 後見人等が代行決定することができない意思決定(身分関係の変動、身体への侵襲を伴う医療に関する意思決定等)には当たらないことの確認が必要 である。 また、他の法律による介入が必要と判断される場合(例えば虐待防止法に おける「やむを得ない事由による措置」の発動など)には、所管する関係機 関に対して会議への同席を求めることも検討する。 □課題とされている意思決定に関与する本人の支援者らから、本人の選好・価値観その他本人にとって重要な情報が十分に得られているか? □ 本人が最善の利益の検討過程に参加・関与できる機会が考慮されているか? 後見人等は、本人にとっての最善の利益の判断に至る過程が適切に議論されているかどうかを確認する必要があるが、このような議論の整理や評価は、後見人等や支援者らが単独で行うことは通常困難である。

 したがって、緊急判断が求められる場面でない限り、意思決定支援の場面で構築されたチームを活用し、複合的な視点から検討する必要があるが、その際 には、無意識のうちに支援のしやすさを優先していないか、最初から結論を決めており、代行決定を後付けの根拠としようとしていないかといった点に注意しなければならない。

 (3) 本人にとっての最善の利益を検討する際の協議事項28

 ① 本人の立場に立って考えられるメリット、デメリット(本人の主観的利益・ 損失を含む)を可能な限り挙げた上で、比較検討する。表(バランスシート) に記録することが望ましい。

2相反する選択肢の両立可能性があるかどうかを検討する。 二者択一の選択が求められる場合においても、一見相反する選択肢を両立 させることができないか考える。

  •  本人にとっての最善の利益を実現するに当たり、本人の自由の制約が可能 な限り最小化できるような選択肢はどれかを検討する。 例えば、住まいの場を選択する場合、選択可能な中から、本人にとって自由の制限がより少ない方を選択する。また、本人の生命又は身体の安全を守るために、本人の最善の利益の観点からやむを得ず行動の自由を制限しなくてはならない場合は、行動の自由を制限するより他に選択肢がないか、制限せざるを得ない場合でも、その程度がより少なくて済むような方法が他にないか慎重に検討し、自由の制限を最小化する。その場合、本人が理解できるように説明し、本人の納得と同意が得られるように、最大限の努力をすることが求められる。

 4 検討結果に基づく後見人等としての行動原則

後見人等は、最善の利益に関する協議結果を踏まえて、与えられた裁量・権 限の範囲において、代行決定を行う。 最善の利益に関する協議が、後見人等及び関連する支援者らにおいて真摯に行われることによって、当該代行決定が合理的かつ適切な情報に基づいて行われたことが推定される。将来的には、後見人等による権限行使・不行使が適切 であったことを担保するための根拠資料となることも想定される。重要なことは、第1原則である。特定の意思決定についてこれ以上先延ばしができない場面において、後見人等による代行決定がされたとしても、将来にわたり本人が当該意思決定をすることができないと評価されることはないし、ましてやそれ以外の意思決定を行う能力がないと評価されることもない。

なぜならば、意思決定能力アセスメントや代行決定は、意思決定をする・しないといった判断が迫られている限定的な場面の中で行われる本人の意思決定プロセスに対するその場限りの介入であり、異なる時点・場面においては、同じ意思 決定に関する課題に対しても、本人(及び支援者らの意思決定支援力の総体と して)の意思決定能力は変化し得るからである。

 例えば、生命・身体の具体的危機に直面しているセルフ・ネグレクト状態に 置かれた本人に対する介入の場面では、本人の意思決定支援を十分に行う余裕 がない中で検討が進み、限られた時間の中での支援では本人自身の意思決定・ 意思確認がどうしても困難、又は意思が推定できても「見過ごすことのできな い重大な影響」が既に発生している場面として評価され、自宅から施設へ本人 の住まいの変更に関する諸契約について、後見人等が代行決定せざるを得ない 場面も考えられる。

しかし、一旦本人が安全な環境に置かれ、意思決定支援を行う時間的余裕が確保でき、再び意思決定支援のプロセスを丁寧に経ることが可能となった段階においては、本人の住まいや生活に関わる意思決定を本人自身が行うことのできる可能性も十分考えられる。本人の自由の制約を可能な限り最小化する観点からも、一旦代行決定がなされたからといって、本人が今後意思決定することのできる機会を取り上げるのではなく、再編成された意思決定支援チームによって、本人による意思決定の機会が最大限提供され、本人自身の意向・身上・価値観を踏まえた今後の住まいや生活を可能な限り保障していくことが求められる。

 したがって、再び何らかの意思決定が課題となる場面が生じた場合には、改めて意思決定支援のプロセスに立ち戻って支援が展開される必要がある。

5 アセスメントシートへの記録

後見人等は、本人にとっての最善の利益に基づく代行決定の検討プロセスにつ いて、アセスメントシート様式5に記録する。

以上

1 典型的には、本人が在宅での地域生活を希望しているのに十分な検討をせずに施設等の利用を支援者らが選択し、本人の保護という名目の下、本人に説得をしてしまう例などが挙げられる。

2 後述のとおり、本ガイドラインはチームによる意思決定支援を前提とするものである。そのため、チーム形成やチームの連携に向けて中核機関がサポートを行う際や、中核機関、地域包括支援センター、基幹相談支援センター等と後見人等を含めたチームが連携する際の参考として活用されることも期待される。

3 後見監督人は直接、意思決定支援に関与する者ではないが、意思決定支援を踏まえた後見事務を監督する立場 にあることからすれば、後見監督人においても意思決定支援について理解をしておくことが望ましい。

 4 既に実践において活用されている他のアセスメントシート等を使用することでも問題ない。

5 意思実現支援としては、例えば、生活の本拠について検討する場面において、本ガイドラインのプロセスに沿って意思形成支援・意思表明支援が行われた結果、自宅をリフォームした上で在宅での生活を継続する旨の本人 意思が示されたのであれば、後見人等としては、身上保護活動の一環として、自宅のリフォームのための契約締 結など必要な後見事務を適切に行うことが求められる。

 6 意思決定能力は法律で定められた概念ではなく、意思能力や行為能力とは異なるものである。本ガイドラインでは、意思決定能力は、あるかないかという二者択一的なものではなく、支援の有無や程度によって変動するも のであるという考え方を採用している。

7 成年後見人等の権限の広さや本人の生活に与える影響の大きさに鑑み、意思決定支援のプロセスを踏まえない安易な推定に基づく法定代理権の行使・不行使を戒めるという趣旨から、本ガイドラインでは、意思推定を代行 決定と捉え、濫用を防止するための慎重な検討を求めるという立場を採用している。

8 一般的には日常的と評価される行為でも、本人にとっては日常的とは言えない場合もあり得る。そのような場 面では、本人にとっての重要性に鑑みて、後見人等がその意思決定支援に関与することが求められていると考え られることから(例えば、これまで携帯電話やスマートフォンを所有していなかった本人が初めてこれらを購入 することになったため、機種や料金プランを選択する場合など)、本ガイドラインでは、「本人にとっての影響の 大小」を基準としている。

9 「成人した本人の人生周期(ライフサイクル、ライフステージ)」においては本人にとっていくつかの重大な意 思決定を求められる場面が考えられる(就職、転居、転職、サービスの契約と利用、入院、施設入所、相続 等)。これらの課題は、本人からの相談や家族や支援者らからの情報提供だけではなく、後見人等が本人の生活 状況を確認することからも発見される。

10 後見人等は医療行為に関する同意権は有していないが、医療の局面における後見人等の関与の在り方について は、厚生労働省 2018 年度厚生労働行政推進調査事業費補助地域医療基盤開発推進研究事業「身寄りがない人の 入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」(2019年5月)を参照されたい。

11 従前、本人が自ら意思決定をしたという経験の少ない人については、日常生活において何を食べるか、今日何 を着るかなどの身近な決定を支援者らの支援によって繰り返すことにより、自身の意思を尊重される体験を積む ことができ、自信を持って意思を表明することができるようになる。

 12 本人がエンパワメントを受けて変化した結果、支援者らがそのような本人の姿に感化され、支援活動に一層前向きになることもある。

13 他方で、それぞれの立場や考え方が異なることを認識し、多角的な視点から検討することによって本人の多面 的な生活を支援することができるという認識を持つことが重要である。

 14 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(2 017年3月)、厚生労働省医政局地域医療計画課「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関す るガイドライン」(2018年3月)、厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室「認知症の人の日常生活・社会 生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年6月)、厚生労働省 2018 年度厚生労働行政推進調査事業 費補助地域医療基盤開発推進研究事業「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関 するガイドライン」(2019年5月)。

15 本人との信頼関係が構築されていない段階では、本人から直接得られる情報は限定的になりがちであるため、 親族等の周囲の支援者らからの情報収集に努めることが有益な場合も多い。

16 毎回、メンバー全員が形式的に集まる必要はない。

17 支援環境の調整段階で他の支援者らが中心となって検討を行うことも少なくなく、後見人等が必ずしも検討の 場に常に同席を求められるとは限らない。

18 例えば、本人の状況によっては、支援メンバーの些細な言葉や態度に敏感に反応し、影響されることもあり得 るため、何気ない感想やコメント(例えば「○○だと大変そうだね」という言葉で当該選択肢は避けるべきと考 えてしまう)にも気を遣う必要があるかもしれない。また、質問の仕方によっては、本人へのプレッシャーにな ることもあるかもしれない(例えば「どうして〇〇しないの?」「〇〇したいと思わない?」など)。さらに、本 人の意思疎通手段が限られている場合には、本人にとって最も意思が表出しやすいコミュニケーション手段が何 かを考え、適切な通訳者の確保、タブレット端末、絵カード、写真等の準備等が必要になるかもしれない。

19 この確認に当たっては、例えば、本人が「はい」等と了解するような言葉を述べていても、本人の表情や動作等を観察しながら本人の意思を確認することが望ましい場合もある。

20 支援メンバーを通じて本人の思いを聞き出し、後見人等に伝えてもらうこともあり得る。

21 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(2 017年3月)、厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決 定支援ガイドライン」(2018年6月)等参照。

22 本人の反応や意見次第では、支援チームのメンバーや開催方法等を再検討することも考えられる。

23 「開かれた質問」とは、「はい」「いいえ」では答えられない自由な答えを求める質問のこと。「どうして?」「どんな点が?」など。

24 例えば、過剰な誘導や、周りの思惑に基づき本人を説得するようなアプローチを繰り返し、本人が「同意」せざるを得ないような状況に追い込んだ上で、それが本人の意思決定と取り扱われているような場面などが考えられる。

25 意思決定能力に関する基本的な考え方については、厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室「認知症の人の 日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年6月)4 頁脚注 ix を参照

26 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(2 017年3月)参照。

27 この場合、本人の意思とは異なる結果を招くことになるため、それによって本人に生じる負担等に対し、継続 的な支援が必要となり得ることに留意する必要がある。

28 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(2 017年3月)参照。

6月相談会のご案内

お気軽にどうぞ。

家族信託の相談会その34

2021年6月25日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え

1組様 5000円

場所 司法書士宮城事務所(西原町)

要予約   司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

渋谷陽一郎「民事信託支援業務のための執務支援案100条(7)」

市民と法[1]の記事からです。

司法書士の信託契約書作成業務を規則31条業務であると主張する論者らは、直ちに、反論することを要しよう(法律家間の論争として争わなければ認めたことになってしまう。)

今のところ、反論を読んだことはありません。

(一社)民事信託士協会

https://www.civiltrust.com/shintakushi/q&a/index.html

司法書士が民事信託士として民事信託を行う法的根拠は、司法書士法施行規則に附帯業務として財産管理業務等が明文化されたことにあります。直接的には、信託監督人、受益者代理人等の地位に就いたり、継続的な相談業務として法務顧問契約を結んだり、信託契約書等を作成する権限が認められています。但し、当事者間や相談等において利害対立が顕著となり紛争性を帯びてきた場合には、弁護士法との関係で業務範囲外となるので、注意が必要です。

 根拠を示していない有料団体も多く、根拠を示しているだけ良いのかなと個人的には思います。また、講義の中で質問しても、「講義と関係ないから答えない。」という姿勢を取る司法書士もいるので、難しいなと思います(その結果が除名となります。)。

司法書士による法律整序書類の作成支援の場合、司法書士法上の法令実務精通義務および善管注意義務として、法令順守義務を負うことから、公証人の場合と同様にして、信託条項の違法、無効、明白な不要、法的矛盾、遺漏などを発見し、指摘することは、適法性のゲートキーパーとして、司法書士法上の職責となろう。これらの確認と指摘は、信託行為の意思形成を主導するような法律事務とは異なる。

 司法書士業務の性質を、公証人の職務によせていくのは賛成です。ここから法律整序という言葉が強調され、記事の指針案にも「法律整序書面としての信託契約書~」とついています。指針の内容も、信託契約書の読み聞かせなど、公正証書作成の業務と似てきている感触を抱きます。


[1] 129号民事法研究会2021年6月P19~

司法書士による民事信託(設定)支援業務の法的根拠論について~(続)民事信託業務の覚書~―「民事信託」―実務の諸問題(5)

「司法書士による民事信託(設定)支援業務の法的根拠論について~(続)民事信託業務の覚書~―「民事信託」―実務の諸問題(5)」金森健一

弁護士金森健一先生の記事(駿河台法学第34巻第2号)を基に考えてみたいと思います。

https://surugadai.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2275&item_no=1&page_id=13&block_id=21

また、本稿はいわゆる業際問題について検討することを目的とするものではなく、「民事信託」実務と司法書士法の関係について検討するものであることを念のため申し添える。

  私は2018年に、市民と法112,113号「チェック方式の遺言代用信託契約書」(民事法研究会)で示しました。令和2年(2020年)施行司法書士法改正を経た今も、考えに変わりはありません。

  司法書士が司法書士法3条1項2号及び司法書士会員が服する規律(「最決平成22年7月20日第一小法廷」『最高裁判所判例解説刑事編平成22年度』法曹会P155、最判昭和46年7月14日大法廷)に基づき、権利義務に関する法律文書(行政書士法1条の2について、地方自治制度研究会「詳細行政書士法」2016ぎょうせいP26~、最判平成22年12月20日第一小法廷など。)である民事信託契約書を、個別的具体的な依頼に対する受託の範囲内(昭和29年1月13日民事甲第2554号民事局長回答)において、法律事件に関する法律事務(法律事務の定義につき渋谷陽一郎「不動産登記代理委任と法令遵守各義認義務(8)」2012『市民と法』75P4を採る。)として作成する。

 上記をもって補うことの出来ない契約書の作成業務は、官公庁を間に交えた他士業間のガイドラインの作成、司法書士法、同施行令、施行規則、会則、報酬を含む執務基準、司法書士試験(渋谷陽一郎「民事信託支援業務に未来はあるか(2)」2017『市民と法』106P10~P19、住吉博『新しい日本の法律家』1988テイハンP259~P263)、事務所毎の基準の順に改正又は創設を必要とする。司法書士としての専門的知識を最大限に活かして市民の生活設計の一助となることを目的とし(松山地裁西条支判昭和52年1月18日、札幌地判昭和46年2月23日)、国語・金融教育の一環と位置付ける(新井紀子、尾崎幸謙「デジタライゼーション時代に求められる人材育成」2017国立情報学研究所)。

 金森健一先生は、(一社)民事信託推進センターの理事で、講師なども司法書士に対して行っていましたが、そこで問題提起されても良かったのかなと思います。私は除名されましたが、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、ファイナンシャルプランナーなど多職種が入会している法人だからこそ出来る議論ではないのかなと思います。

https://www.civiltrust.com/gaiyou/yakuinmeibo.html

また司法書士との共著もあるので、執筆段階で議論が出来たのではないかなと思います。

事例Ⅰ―Ⅰについて

「民事信託組成サポート」、「信託契約書作成」、「不動産登記申請代理(信託)」、「信託預金口座の開設」をA1から受任している。「不動産登記申請代理」以外の業務は、(Qの主観は別として)司法書士として受任したといえるか。

金額によると思います。

【事例Ⅱ―Ⅰ】のQは、A2保有のZ社株式が信託財産となることが明らかな「民事信託」に係る契約書の案の作成をA2から受任している。この作成業務は司法書士として行っているといえるか。また、Qは、当該業務が司法書士業務であることが前提となる統一1号様式又は2号様式を用いることが出来るか。

 司法書士法3条に該当する限り(例として、取締役の変更(重任)登記申請の代理・書類作成)、司法書士として行ったといえます。該当しない場合はいえません。原則として司法書士法3条に直接該当しない限り、統一1号号様式を用いることは出来ません。民事信託以外の成年後見業務、相続登記申請の代理・書類作成業務においても、「親族関係、推定相続人、遺留分権利者と遺留分の割合を把握する」目的で統一請求書(戸籍法施行規則11の2条4項)1号様式、2号様式を利用することは出来ません(日本司法書士会連合会司法書士執務調査室執務部会「司法書士のための戸籍謄本・住民票の写し等の交付請求の手引き第3版」平成31年3月P50など。)。

「規則31条=他の法律説」

規則は法律ではなく、省令なので仮に説を付けるなら、法令と呼んだ方が良いと思います。

(2)議論に対する疑問

―中略―司法書士法上のある規定が弁護士法72条ただし書きの「その他の法律」に該当するかどうかの問題は、これが積極と解されれば、問題とされている業務が「法律事務」(同法本文)であっても同法違反にならないという結論を導くための問題である。一方、司法書士がその業務を司法書士の資格に基づいて行うものであるかどうかの問題は、上記弁護士法72条とは独立した問題である。前者の問題、これを、司法書士法上の特定の規定が弁護士法72条が定める非弁行為禁止規定の適用を除外する規定かどうかの問題という意味で「除外規定」の問題というならば、後者の問題は、司法書士業務であることの根拠となる規定があるかどうかが問題なのであり、「根拠規定」の問題であるということができる。―中略―除外規定の存否を検討する前に、根拠規定の存否が確認されるべきであるのに、上記(1)の議論にはこの視点が欠けているのではないか。

 私には分かりませんでした。「除外規定」の問題について、p30「民事信託(設定)支援業務を法3条各号のいずれかに基づく業務として位置づけることで、前述のとおり弁護士法72条違反のおそれは、同条における事件性の要否の問題に左右されることなく、払拭することができる。」と主張している司法書士の記事を読んだことがないからです。司法書士法3条の業務として位置づけますが、イコール弁護士法72条違反のおそれが100パーセント払拭できるということにはならないと思います。個別具体的事件の業務の態様に拠るのだと思います。根拠規定については、司法書士法3条に求めます。

ⅰ信託契約書は登記申請のための道具なのか

―中略―登記の手続の代理という業務の中に、それに先立つ物権変動そのものである契約締結の補助(契約書の作成やその文案の作成)が含まれると解することはやや無理があると言わざるを得ない。民事信託利用者の現実のニーズや、民事信託設定支援業務の手順と比して、かなりのフィクションを設ける必要がある。

 すみません。ここもよく分かりませんでした。第三者のためにする契約(民法537条)による所有権移転登記申請の代理業務において、司法書士は売買契約書を作成することが出来ない。相続登記の代理申請のための遺産分割協議書を、司法書士は作成することが出来ない、ということではないと思います。それに比べて、民事信託利用者の現実のニーズや、民事信託設定支援業務の手順が複雑であり、司法書士法3条業務に位置付けるのは難しい、という意味だと思います。民事信託利用者の現実のニーズが何なのか具体的に記載してあれば、もう少し考えることが出来たかもしれません。民事信託設定支援業務の手順は、記事に記載の手順以外にはないのでしょうか。スキームの構築・提案から始まり、契約書案の起草、契約締結手続の補助の順序で、一つの事件ごとに1からこなすのでしょうか。同じスキームや契約条項を少し変えて使い回したりはしないのでしょうか。契約締結手続の補助は一つの事件ごとに全く異なるものなのでしょうか。ある程度類型化されているのではないかなと思います。

参考

三井住友信託銀行 民事信託サポート

https://www.smtb.jp/personal/entrustment/management/civil/

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この見解は、信託契約書という書面が、登記手続きにおいては登記原因証明情報となり手続書面としての機能を営むことと、信託法上の権利義務を発生させるという実体法上の効果を発生させる機能を営むことを並列的、平面的に捉えているが、そのような捉え方については信託契約書の作成を依頼する、信託の利用者の意向(信託をしたいのであって登記をしたいのではない)とは乖離がある(仮に、乖離しない意向が存在するとしたら、その意向は“とにかく名義を移せればよく、受益者と受託者の権利義務関係などには関心がない”といったおおよそ「民事信託」の利用を控えるべき者が抱きがちな意向である。

 不動産登記法61条の解釈の違いなのかなと思います。登記原因証明情報の目的は、登記記録の附属情報として登記所に一定期間保存され(不動産登記規則17条)、その閲覧・写しの交付(不動産登記法121条)を通じて、国民による権原調査のように供することが可能となっている。さらに、当事者に登記原因を確認する書面・電子的記録の作成を求めることで、原因関係の有効性をめぐる後日の紛争を未然に防止する機能も期待できる、というものです(「条解不動産登記法」2013弘文堂P392)。登記原因証明情報が、名義を変えるためだけにある、と考える場合は結果が異なるのは仕方がないと思います。

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(平成二十年政令第二十号)(司法書士等の特定業務)

第八条 法別表第二条第二項第四十四号に掲げる者の項の中欄各号列記以外の部分に規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。

―略―

3 法別表第二条第二項第四十四号に掲げる者の項の中欄第二号に規定する会社以外の法人、組合又は信託であって政令で定めるものは、次に掲げるものとする。

一 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十二項に規定する投資法人

二 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人

三 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社

四 一般社団法人又は一般財団法人

五 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条に規定する組合契約によって成立する組合

六 商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約によって成立する匿名組合

七 投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合

八 有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条に規定する有限責任事業組合

九 信託法第二条第十二項に規定する限定責任信託

―略―

六 前項第九号に掲げる信託 次のいずれかの事項

イ 信託行為

ロ 信託の変更、併合又は分割

ハ 受託者の変更

 犯罪による収益の移転防止に関する法律については、私は無自覚でした。犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令、依頼者等の本人確認等に関する規程基準(平成28年1月7日最終改正)の改正は必要だと考えます。

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20220428追加

あの論文の執筆者の弁護士も、むしろ、議論をしてくれ、反論をしてくれという意向で書いているんですよね。司法書士業界ちゃんとしろ、と煽られてる感じです。(はい、僕たちがちゃんとしないといけないんですすいません。)

最近の民事信託・家族信託に関するあれこれ

・成年後見人は、本人の財産を・相続対策などのために運用する

家族のために本人の財産(預貯金、不動産)を使用する、家族(子、孫)などに贈与(お年玉、お小遣い)、住宅取得のための貸付けなどをすることは、原則として認められません(資産凍結)。財産管理を家族だけで行うことができず、家族以外の第三者が本人の通帳等の管理をする可能性がある。成年後見人の報酬は、裁判所が決定し、原則本人の能力が回復するまで又は亡くなるまで続くので、累計すると高額な報酬がかかる。

 「家族のために本人の財産(預貯金、不動産)を使用する、家族(子、孫)などに贈与(お年玉、お小遣い)、」は、それまでの生活状況と扶養義務(民法730条)によります。今まで本人の預貯金(収入)で生活していた場合、本人所有名義の不動産に居住していた場合、それまでの金額は認められる場合が高いと思われます。最後は家庭裁判所の決定になります。

「住宅取得のための貸付けなどをすることは、原則として認められません(資産凍結)。」成年後見人の住宅所得のために、本人のお金を成年後見人に貸付けることは、それを資産凍結と呼ぶかは措いて、原則として認められません。成年後見制度では、成年後見人と本人を、親族ではなく他人だと外から見られている、と考えてみてください。「成年後見人の報酬は、裁判所が決定し、原則本人の能力が回復するまで又は亡くなるまで続くので、累計すると高額な報酬がかかる。」は、裁判所は家庭裁判所、報酬については本人の財産以上の報酬はかかりません。

高額かの判断は、人によって違うと思います。 市民後見人、社会福祉士で成年後見人に就任している方にも聞いてみると参考になるかもしれません。

・任意後見制度を活用した場合は信頼できる人に任せることできる。しかし、第三者である任意後見監督人が就任し、後見業務は任意後見監督人に定期的にチェックが入る(資産凍結)。また、成年後見人と同様に任意後見監督人の報酬は、裁判所が決定することになる。

 「しかし、第三者である任意後見監督人が就任し、後見業務は任意後見監督人に定期的にチェックが入る(資産凍結)。」について、任意後見監督人による定期的なチェックが入ることを資産凍結と呼ぶ場合はそうなります。任意後見監督人の立場としては、家庭裁判所に不備を指摘されたくない、というのがあると思います。そうすると、理屈が通っていれば利益相反行為なども認められる可能性があります(任意後見契約に関する法律7条)。

・生前であれば遺言はいつでも撤回、書換えができます。そのため、元気なときに作成した遺言でも亡くなる直前に悪意ある親族によって遺言の書換えができてしまうといリスクもあり、後継者の立場からすると不安が残ります。

例えば、「親が施設に入ったら自宅が空き家になるので売りたい」という希望があった場合。施設に入るということは、通常、認知症などで判断力が低くなっていますから、自宅の売却の契約はできません。

成年後見制度をつけても、自宅の売却は制限されてしまいます。この場合遺言をつけても意味はありません。

しかし、家族信託を設定すると、受託者である子供に名義が移行していますので、

自宅の買い手が見つかれば売買契約書にサインをするのは子供(受託者)です。

その売却した自宅の売却代金は親のもの。そこから施設費用や入院費用を支払うことができます。銀行口座からお金を引き出すために成年後見制度を使う必要がないのです。家族信託は、このように資産を持っている本人の意思に基づいて、資産を管理することができる制度なのです。そして、親が亡くなった場合、信託された資産はどうなるのでしょうか。それも家族信託の中で決めることができます。「この財産を娘に渡して、この不動産は息子に…」というような形で契約をつくれば、それはその通り適用されます。

 「生前であれば遺言はいつでも撤回、書換えができます。そのため、元気なときに作成した遺言でも亡くなる直前に悪意ある親族によって遺言の書換えができてしまうといリスクもあり、後継者の立場からすると不安が残ります。」については、信託行為であっても同じではないかなと思います(信託法149条3項、4項)。

「しかし、家族信託を設定すると、受託者である子供に名義が移行していますので、自宅の買い手が見つかれば売買契約書にサインをするのは子供(受託者)です。その売却した自宅の売却代金は親のもの。」について、移行は移転を意味しているのだと思います。自宅の売却代金は親のもの、は信託行為の受益権で決定されていた場合、そうなるのだと思います。親が請求出来るもの、と言い換えても良いかもしれません。

・民法873条の2について

先日、「ドッヒャー」ということがありました。相続で。【人を大事にするシステム】の利用者さんからのメール『「相続の話をしよう」を読んでいて、・・(中略)・・とありました。』このメルマガでも、紹介した書籍です。限定承認のところですね。その部分をまだ読んでいなかったので(汗)さっそく読みました。そしたら、「ドッヒャー」(笑)限定承認と、税法の関係で、僕が知らない、恐ろしい規定が存在しました。それは、限定承認をすると、不動産には「譲渡所得税がかかる」というもの。もう一度言いますよ。遺産に不動産がある場合、限定承認をした時点で、その不動産に「譲渡所得税」が課税されます。(所得税法59条1項1号)売却していなくても。す、すいません。知りませんでした。え?みんな知ってる規定?

僕なんか、知らない債務を相続すると悪いから、事業をやっていた人の相続は、みんな限定承認をした方がいいと思っていたくらいです。(実務で限定承認をしたことがあるのは1回だけですが。)■■ どうゆうことか?父が死亡不動産を2つ所有自宅と収益不動産どんな借金(連帯保証)があるかわからない。だから、相続人は、限定承認

借金の額を確定させ、収益不動産を売却して借金も返済。もちろん、収益不動産は売却したので、譲渡所得税を納税するのはわかりますよね。そして、自宅は残ったので、めでたしめでたし。

■■ 数ヶ月後に起こること。

相続した自宅に、譲渡所得税が課税されます。「相続税」ではありません。「譲渡所得税」です。(所得税法59条1項1号)しかも相続人への譲渡ですので、居住用不動産の3000万円の控除も使えないとのこと。不動産をいくつか持っている人に限定承認を提案するときは、本当に注意しないとまずいですね。不用意な譲渡所得税が課税されるかもしれませんので。

■■ 僕が経験した事例

これは、幸いにも不動産はありませんでした。お父さんが借金を残して死亡。でも、ゆくゆく調べると、貸金業者に過払い金がありそう。もしかしたら、過払い金で借金を返済できるかもしれない。でも、過払い金はいくら戻ってくるかわからない。ということで、限定承認をしました。これで時間的にもゆとりができたので、しっかりと過払い金の請求をして、それで、返済を済ませることができました。少しお金が残ったので、それは相続人に。財産的には、とてもハッピーな展開だったと思います。ふー今更ながら、不動産がなくて良かったと、ホット胸をなで下ろしました。

■■ 限定承認をするときは相続人全員だが

そうなんですよね。限定承認をするときは相続人全員。でも、複数の人で限定承認をすると、その後の財産管理が大変。相続財産管理人の選任が必要になることも。そこで、限定承認と相続放棄を組み合わせることもできます。複数の相続人のうち、代表となる相続人(子供)を残して、他の人は全員相続放棄。

そうすると、相続人は、その子一人になります。そして、その子だけで、限定承認です。そうすると相続財産管理人が必要にならず、その子だけで、限定承認の手続きを進めることができます。もちろん、財産が残った場合の相続は、その子だけになるので、それでは不都合であればこの方法は使えないですが、通常、限定承認をする場合は、遺産がプラスになるかマイナスになるかわからない微妙なラインが多いでしょうから、案外この方法は使えるかもしれませんね。ということで、この本を読んでもう少し勉強しないとですね。「相続の話をしよう」(財経詳報社)https://amzn.to/3uR9hgI

税理士であり、弁護士である関根先生が書いた本です。

PS【人を大事にするシステム】の利用者さんからのメールは「このような知識を記録できる、備忘録なような機能はありませんか?」というもの。さっそく、その機能も追加しました。業務連絡!システムの利用者さんへ「自分専用メモ」が、今回付加した備忘録機能です。ご活用いただければと思います。

 税に関する事柄なので、最終判断は税理士に相談をお願いします。

国税庁 タックスアンサー 

No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3105.htm

引用です。

3 資産の「譲渡」とは

 譲渡とは、有償無償を問わず、所有資産を移転させる一切の行為をいいますので、通常の売買のほか、交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、法人に対する現物出資なども含まれます。また、次の場合にも資産の譲渡があったものとされます。

(1) 法人に対して資産を贈与した場合や限定承認による相続などがあった場合

 次のイ又はロのような事由により資産の移転があった場合には、時価(通常売買される価額をいいます。以下同じ。)で資産の譲渡があったものとされます。

イ 法人に対する贈与や遺贈、時価の2分の1未満の価額による譲渡

ロ 限定承認の相続や限定承認の包括遺贈(個人に対するものに限られます。)

相続財産の範囲内で譲渡取得税が課税されるのは、とても不合理、とは言えない気もします。上の例では、自宅は残った、という部分があるので、譲渡取得税課税が不合理にみえてしまうのかなと思いました。

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