Adobe Acrobatと、Adobe Acrobat Readerの違い

 今まで、Adobe AcrobatはPDFの作成や編集、電子署名の付与、Adobe Readerは、PDFファイルやPDF形式のwebページを読むためのソフトだとぼんやり考えていましたが、私の理解は違っていたようです。ちなみに、数年前まではアドべと読んでいましたが、アドビが正解のようです。

現在の環境

Windows10

Adobe Acrobat Standard DCのバージョン・・・2015.006.30527

Adobe Acrobat Reader DCのバージョン・・・2021.011.20039

Acrobatのバージョン確認方法

https://www.adobe.com/content/dam/acom/jp/promotions/acrobat/discount15/Acrobat_EOS_version_check_detail_L.pdf

Acrobat、Adobe Reader の違いは何ですか (Acrobat Family Ver.8/9 機能比較)

https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/kb/cpsid_88092.html

Adobe Reader ・・・PDF ファイルの閲覧や印刷を行う。

Acrobat は、Adobe Reader に含まれる機能に加えて、PDFファイルの作成、電子フォームの作成、編集、注釈機能などが付いている。

複数のファイルを束ねる

ワードで1つのファイルを開いて、別のワードファイルの内容をコピー&ペーストして1つのファイルにするイメージです。ファイルの結合ともいいます。

表を選択してExcelに直接書き出し

・Acrobat DCでPDFを開く。

・ファイルをクリック。

・書き出し形式として表計算シートを選択し、Microsoft Excelブックを選択。

・書き出しをクリック。

・変換したファイルを保存。

OCR機能

 PDFファイルの編集が可能。PDFファイルのテキスト検索は、Adobe Readerも可能。

*1: Windows 版のみ

*2: クイックチェックのみ

*3: Ver.9 からの新機能

*4: 表示および検索のみ可能

*5: 権限付与された文書のみ有効

電子印鑑・電子署名の注5、権限付与された文書のみ有効とは

ACROBAT READER

PDFへの署名

https://helpx.adobe.com/jp/reader/11/using/sign-pdfs.html

ユーザーパスワード、マスターパスワードなどが設定されていないか、パスワードを知っているPDFファイル。

Adobe Acrobatで電子署名を行う場合の、ブラウザ左上

Adobe Acrobat Readerで電子署名を行う場合の、ブラウザ左上

Adobe Acrobat Readerで電子署名を行う過程の断片

照会事例から見る信託の登記実務(20)

登記情報[1]の横山亘「照会事例から見る信託の登記実務(20)」から考えてみたいと思います。

登録免許税法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=342AC0000000035

(信託財産の登記等の課税の特例)

第七条 信託による財産権の移転の登記又は登録で次の各号のいずれかに該当するものについては、登録免許税を課さない。

一 委託者から受託者に信託のために財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録

二 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託の信託財産を受託者から当該受益者(当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)に移す場合における財産権の移転の登記又は登録

三 受託者の変更に伴い受託者であつた者から新たな受託者に信託財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録

2 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合であつて、かつ、当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人)であるときは、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併)による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当初の委託者及び受益者から、順次、変更の経緯を時系列に登記させる必要性は乏しいと考えています。おそらく、誌友の皆様の多くも登記申請時点の最新の内容を記載すべきという考えであって、時系列に順次、変更の登記をするといった発想は持っていないのではないでしょうか。

私は、権利変動の過程を登記(するのであれば)申請することが必要だと考えていたので、これまで考えていたことが間違いだったのかもしれません。

もっとも、登録免許税法7条1項2号の規定は、文理解釈上、委託者の所有する不動産を信託財産とする場合に限定するものとは読めないので、結論としては、照会者の意見のとおり、信託財産の処分により不動産を取得した場合であっても適用を受けることになると思われます。

現在の運用では、そうなるのかなと思いました。

不動産登記規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(合筆の登記の制限の特例)

第百五条 法第四十一条第六号の合筆後の土地の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。

一 承役地についてする地役権の登記

二 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの

三 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの

四 鉱害賠償登録令(昭和三十年政令第二十七号)第二十六条に規定する鉱害賠償登録に関する登記であって、鉱害賠償登録規則(昭和三十年法務省令第四十七号)第二条に規定する登録番号が同一のもの

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つまり、同項の趣旨は、受託者から委託者の相続人への相続による財産権の移転の登記とみなすことにあることから―略―

相続登記その他の一般承継、包括承継の申請と、権利変動の過程が同一視出来るかで判断することは妥当だと思います。

信託の終了に伴い、受託者兼残余財産帰属権利者が受ける所有権の移転登記に係る登録免許税法第7条第2項の適用関係について

https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/bunshokaito/sonota/181200/index.htm


[1] №723.2022年2月号(一社)金融財政事情研究会P38~

インターネット上に引用するのは除名で、有料で「生徒」に配布するのはOK?

加工 配布資料ガイドライン及び課長通知の体系的整理と透明化について2022年2月4日開催 第93回公文書管理委員会

配布資料一覧

https://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2022/0204haifu.html

・ガイドラインは、各行政機関が文書管理規則を作成するにあたって必要な内容を掲載。

・課長通知は、公文書管理業務を遂行するにあたって、疑問が生じた場合などに都度参照することを想定。

課長通知は少なくなる。

ガイドラインの項目に沿った通知、デジタル化への対応に関する通知など通知の類型が整理される。

2-1 デジタル技術を用いた行政文書の作成・管理等について(案)

OCR(光学的文字読取装置)等を活用した文字データへの媒体変換

1 OCR等を活用し、紙媒体又は画像データから文字データとして読み取る場合には、認識誤りによる誤字等が生じる可能性があり、そのままでは必ずしも元の文書との同一性が担保されているとは言えない場合がある。元の紙媒体又は画像データを廃棄することが適当か否かは、当該行政文書の性質及び内容、OCRの性能、同一性を担保するための確認措置等を踏まえて、各行政機関において判断すべきである。

例えば、内部管理のための行政文書であって、様式に記載された一部分だけを読み取ればよいような場合には、当該部分についての読み合わせを行う、紙媒体は廃棄したとしても画像データは保存しておく等の措置を講じることにより、元の紙媒体を廃棄するという判断を各行政機関が行うこと等は可能であると考えられる。

2 紙媒体をスキャンしたPDFなどの画像データをOCRを活用して文字データへ変換することは、行政文書の検索性を高め、公文書管理のデジタル化への対応に有用である。

行政文書の検索性を高めるためにタグ付けを行う場合等には、文書の内容に影響するものではないため、厳格な確認措置等を行う必要はない。

3 紙媒体から読み取る場合には、(1)のスキャナ等での読取と同様、ページの脱漏や自動給紙装置による損傷などの防止などのための確認措置等を行う必要がある。

どのような電子メールが跡付け・検証メールに当たるかについては、課長通知2-4を参照の上、個別具体的に判断すべきであるが、次のような例が跡付け・検証メールに当たる蓋然性が高いとされている。

(例)

イ 法令案、基本方針案、複数行政機関による申合せ案等の立案の検討に際して行った学識経験者や民間企業からのヒアリング結果を記した電子メール

ロ 法令案や質問主意書に対する答弁案に係る内閣法制局審査における、内容に影響を及ぼす指摘事項を記した電子メール

ハ 法令案、基本方針案、複数行政機関による申合せ等について、他の行政機関に協議を行うために送付した電子メール

ニ 審議会等での持ち回り審議を行うため、審議会等の答申、建議、報告又は意見が記録された文書を送付した電子メール

2-3 共有フォルダにおける行政文書の電子的管理に関するマニュアル(案)

組織的な検討を経た行政文書の格納

部局や課室における組織的な検討を終え経る前の段階(意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡付け・検証の記録としては未確定の状態)では、個人的な執務参考資料は個人用フォルダにおいて、それ以外の文書は検討中フォルダにおいて作成・編集を行うが、当該組織において検討を経た後の行政文書については、記録用フォルダにおける適切な小分類フォルダに格納する。その際、当該行政文書の内容の同一性確保や参照時の便宜(資料をどの順序で編綴てつしたのか等)の観点も踏まえ、適切に格納する。なお補佐までの検討段階でも、跡付け検証の記録として必要な文書に関しては適切に記録用フォルダに格納する。

当面の措置として、既往のフォルダ体系に行政文書を格納しつつ、当該フォルダと大中小分類との紐づけを適切に行う(例えば、ショートカットの付与等により、大中小分類から既往のフォルダ体系にスムーズにアクセス)ことにより管理する方法も考えられる。

同一内容の行政文書(標題が同一となる行政文書)は、同じ名称体系によることとし、行政文書の性質により分別できるようにする。

  行政文書を作成又は使用した年月日を記載する。同一類型の文書間で年月日の表記が揺れることのないよう、「2018年11月19日」であれば「20181119」として桁数を揃えることが適当である。

  部局や課室における組織的な検討を終え経て作成した行政文書については、意思決定の段階に係る表示(例:課長了、局長説明)や、最終的に作成された行政文書である旨の表示(例:セット版)を付す。行政文書の用途(例:各府省に送付)により分別することが適当な場合は、その旨の表示を付す。

秘文書

2-3 共有フォルダにおける行政文書の電子的管理に関するマニュアル(案)

組織的な検討を経た行政文書(記録用フォルダ)、作成途中の行政文書(検討中フォルダ)、個人的な執務参考資料(個人用フォルダ)、組織参考資料など

2-5 スキャナ等を利用して紙媒体の行政文書を電子媒体に変換する場合の扱いについて(案)

(3)押印等がなされた行政文書を電子媒体に変換する場合の扱い

1 法令による義務付けに基づき押印又は自署が行われている文書の電子行政文書化については、当該義務付けの趣旨等を踏まえ、判断する必要がある。

例えば、厳格な本人確認のために実印を求めており紙媒体による管理が適当であると考えられる文書については、文書全体を紙媒体で管理するか、電子行政文書化した上で押印された文書の一部を紙媒体で管理しておくことが考えられる。

一方で、 慣行として押印が行われた文書については、電子行政文書化は可能である。

2 文書の作成・取得時点において、法令に基づき押印又は自署が義務付けられていたが、その後の法令改正等により当該義務付けがなくなった場合、当該改正等の前の法令により義務付けられていた趣旨や、義務付けをなくした際に文書の成立の真正の証明や本人確認のために取ることとした措置等を踏まえ、適当と判断される場合には、電子行政文書化することは可能である。

3 文書の成立の真正を証明する手段として押印を利用する必要がある場合には、電子行政文書化した文書(電子媒体)とは別に、押印された紙媒体の文書も保存しておくなどの対応を行うことも想定される。ただし、実際の裁判において、押印の有無によって文書の成立の真正に係る証明の負担が軽減される程度は、限定的であるところ、他の適切な立証手段が確保されている場合には、電子行政文書化した文書(電子媒体)とは別に当該押印が付された紙媒体の文書を重ねて保存する必要はない。

(参考)押印についてのQ&A(令和2年6月19日内閣府・法務省・経済産業省)

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00095.html

注)保存期間が1年以上の文書については、媒体変換したことが記録されるよう、電子媒体のファイル名の最後に「(スキャン)」「scan」「_scan」等を付す。なお、本通知以前に既にスキャンを終えているものについて、過去に遡ってファイル名の修正を行うことを要しない。

2月相談会のご案内ー家族信託の相談会その40ー

お気軽にどうぞ。
家族信託の相談会その40
2022年2月25日(金)14時~17時
□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え
1組様 5000円

場所 司法書士宮城事務所(西原町)
要予約   司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp
後援  (株)ラジオ沖縄

第3回不動産IDルール検討会

国土交通省

【第3回不動産IDルール検討会】(令和4年1月28日開催)

資料2 不動産IDルールについて

前回までの議論と同じく、建物の用途別にIDを付与していく。

不動産登記規則(不動産番号)

第九十条 登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

資料3 不動産IDの活用に向けた前提

不動産IDと紐付くデータの対応の真正性を確保するため、IDは正確に入力・登録される必要がある。

不動産IDの活用に向けた前提

• 正確な入力に資するよう、入力する者にとって分かりやすいルールとする。

• 複数のID入力を想定しうる場合は、ユースケースに応じて、予めどのIDを入力するか明確化する。その際、将来的な情報連携も視野に入れて検討する。

ex)土地の所有権付きの住宅の販売の際は、土地のIDと住宅のIDが存在するが、主たる取引対象が住宅であることを踏まえ、住宅のIDを入力。

ex)インフラ情報へのIDの紐付けに当たっては、インフラ設備(メーター等)が、土地に設置される場合は土地のID、住宅に設置される場合は住宅のIDを入力。

不動産IDは、人が入力するように読めます。

これを商業化するサービスが、(一社)不動産テック協会が提供する不動産共通ID等かなと思います。

https://retechjapan.org/common-id/

• 一般向けのポータルサイトでは、基本的に、地番・部屋番号は非表示となっているが、これらを表示する点について、売主・貸主から個人情報保護法上の必要な同意がある場合に、例外的に、町字に加えて、地番・部屋番号を表示しているケースがあり、IDについても、表示する場合には売主・貸主の同意を得る必要がある。

• 個人情報保護法上、売主・貸主の同意があると認められる場合は、不動産IDを一般に表示することは差し支えない。表示によって購入・賃借希望者が詳細な物件情報を調べられる点はメリットとなりうる。

会員向け(=事業者間)の情報提供等にあたっては、現行の不動産取引実務を踏まえつつも、IDの表示によって物件を特定できることで、円滑な取引に資するメリットも踏まえて、取扱の検討が必要。

事業者(宅地建物取引士の他に?)と事業者以外に分かれる。売主・貸主の同意がある場合を除いて、不動産IDのみが事業者以外に表示されない、という理解でいいのか、分かりませんでした。

修繕履歴情報などの調査の負担軽減 価格査定のため、持ち込まれた物件の修繕履歴をすぐ調べたい。重要事項説明のため、維持修繕の実施状況に関する記録の有無を調べたい。

(2) 重要事項説明に関する調査の負担軽減現在、住宅の設計や修繕履歴等を蓄積するサービスがあるが、例えばこうした履歴と不動産IDを連携させることができれば、不動産IDのみで履歴情報を検索することが可能となる。

ある程度の規模の建物を想定しているのかなと思いました。外壁・配管・電気等各種修繕業者が、修繕が終わった後に、ポータルサイトに入って不動産IDに入力するような形を採るのかなと思いましたが、公共インフラや上場企業が建築したマンションなど以外では、負担にならないかなと思いました。

都市計画図面と不動産IDを重ねあわせることができれば、当該不動産にかかる都市計画上の規制をweb上等で検索することも可能となる。

資料5 不動産IDの活用に向けた今後の方向性

幅広い分野でIDと情報の紐付けを行うためには、不動産番号の確認に係る手間・費用を低減していくことが望まれる。

例えば、表題部のみの登記情報が100円位で取得できるようになる、ということなのかなと思いました。

参考資料1 不動産IDに係る個人情報保護規制関係の論点と対応

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ「個人情報と匿名加工情報と仮名加工情報の規制の差異」

参考資料2 地番・不動産番号・住所等のデータの整備・オープン化の状況

国土交通省国土地理院

電子国土基本図(地名情報)「住居表示住所」

https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/jukyo_jusho.html

第2回 不動産 ID ルール検討会 議事概要

日時:令和3年11月10日(水) 10:00~11:30

場所:中央合同庁舎2号館低層棟共用会議室3B(Web 会議併用による開催)

※ 事務局からの資料説明後、構成員からの意見の概要は以下のとおり。

○ID の内容に係るルールについて

・前回の検討会の議論も踏まえ、シンプルにまとまっている。商業用建物等の階層コードについては、「B0」・「0M」・「BM」など、「B」(地下)や「M」(中間階)の符号位置は固定させた方が規則的で良いのではないか。

・ルールは規則性がある方が良い。システムでロジックを組んで処理する場合、間違えが少なくなる。

・ポータルサイト上の物件を調査したところ、部屋番号の特定コードは、4桁で十分と考えられる。

・不動産の類型ごとに7パターンあるルールのうち、どれに該当するかを識別するコードを付けると、より分かりやすいのではないか。

・不動産の類型ごとの識別コードについては、分かりやすい面もあるが、入力の際の確認事項が増えてしまい、現場の負担を考えるとハードルが高い。

・ID を一元的に発番するのではなく、今回のようにルールに則って分散的に発番する場合、ID に間違いが起こりにくいよう、シンプルなルールとする必要がある。

・ID のルールが整備されれば、不動産に関する情報は ID に紐付いて蓄積されることになるため、これ以上 ID自体に情報を上乗せして分かりにくくしない方がよいのではないか。どのような利活用の方法あるかを視野に置きながら、ID のルールを一旦固め、後から用途を広げていくということが大事。

・ID ルールの公表・管理・運用等について、主体や方法を示す必要があるのではないか。

○ID の利用拡大に向けた方策について

・ID の利用促進のため、登記情報の取得コスト低減や無償化、デジタルデータでの提供を検討すべき。

・ID の登録には不動産業者の手間やコストがかかるので、ID の利用拡大のためには ID を登録する側のメリットが必要ではないか。例えば、重要事項説明の調査負担の軽減が実現すれば、ID が普及するインセンティブになる。

・ID への情報紐付けについては、個人情報に留意して検討する必要がある。

・仮に ID を消費者向けに表示することとした場合、所在の特定が容易になる可能性があり、売主のプライバシーが守られるかといった懸念があり、ID の普及にはこの懸念点を払拭する必要がある。

・ID を導入・普及させるためには、可能な限り、現行の実務に沿ってスタートする必要があり、ID を消費者に明示するような運用は、現行の実務から離れ、困難と思われる。

・業界の生産性向上のため、業者間においては ID を表示した上でデータ連携できることが望ましい。また、不動産業者と消費者との情報の非対称性が指摘される中、調べようと思えば近隣等には売買情報がわかることも踏まえると、消費者への正確な情報流通を促進するため、消費者にも ID を表示することが望ましいという考え方もあるのでは。

・消費者保護については個人情報保護法との関係で論理的に考えるべき。ID の導入によりプライバシー保護の面でリスクがあるとの意見があるが、ID の登録と表示は別の問題。デジタルガバメント推進や改正個人情報保護法の動向等の全体の枠組みも踏まえ、ID の利活用促進に向けた検討を進めるべき。また、ID 活用による社会経済全体の観点からみた中長期的メリットについても深掘りした議論が必要。

・インフラ情報に ID を付与する場合、新築の建物表題登記の前にガスや水道が設置されるため、まずは土地ID を付与してから、建物 ID に入れ替える作業が発生する。建物 ID と土地 ID のどちらを正として使用するかなどの取扱いについても検討が必要。

・インターネット上に国土全体のミラーワールドを構築し、あらゆる正確な情報を取得し、安心・安全に取引できる環境を目指すにあたって、建設テックや 3D 都市「PLATEAU(プラトー)」との連携などの検討も必要ではないか。

・事業者のメリットだけでなく、売主・買主や不動産所有者にとってのユースケース・メリットも整理すべき。

(以 上)

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