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「リバースモーゲージの新展開~現状と普及のための今後の課題~」(公社) 日本不動産学会シンポジウム2022年3月18日
http://www.jares.or.jp/
リバースモーゲージの動向と今後の展開
アーバンクロス技術士事務所 代表村林正次
技術士(建設部門地方及び都市計画、総合監理部門)
・一般社団法人 住宅金融普及協会 評議員
【関連所属組織】
・公益財団法人 横浜市建築助成公社 理事
・一般社団法人 スポーツと都市協議会 理事
・一般社団法人 団地再生支援協会 団地再生研究会
・もうひとつの住まい方推進協議会 幹事
1978年4月 (財)日本開発構想研究所 入社
【職歴】
1988年7月 ㈱住信基礎研究所(現三井住友トラスト基礎研究所) 入社
1999年8月 ㈱価値総合研究所(現日本政策投資銀行グループ)入社
2018年4月 (一社)不動産総合戦略協会 理事長就任
2021年6月 アーバンクロス技術士事務所 代表就任
【専門領域】
都市・国土・住宅政策、都市開発、シルバービジネス、都市機能マーケット(オフィス、住宅等)等の官民の調査・計画・政策立案・ 事業支援等。主に大都市圏政策(東京メガロポリス構想、臨海副都心計画等)、住宅政策(リバースモーゲージ、高齢者居住等)、 資金調達(証券化スキーム、公的ファンド等)等
【主な著書】
•「住宅が資産になる日」(プラチナ出版社)(2018.7)
•信託改革<金融ビジネスはこう変わる>(日本経済新聞社)(共著)(2005.5)
•日本版リバースモーゲージの実際知識(東洋経済)(共著)(1998.1)
•社会資本投資の費用・効果分析法(東洋経済)(共著)(1998.1)
•超高齢社会の常識-リバーシモーゲージー(日経BP社)(共著)(1997.12)
目次
【リバースモーゲージの現状と今後の展開】
Ⅰ.住宅の価値とリバースモーゲージ
Ⅱ.リバースモーゲージの意義とスキーム Ⅲ.我が国のリバースモーゲージ
Ⅳ.海外のリバースモーゲージ
Ⅴ.今後の課題と展開方向
Ⅰ.住宅の価値とリバースモーゲージ
Ⅰ-1 「住宅」に資産価値はあるのか?
Ⅰ-2 住宅の価値の構成要素
Ⅰ-3 クレジットローンとモーゲージローン
Ⅰ-4 リコースローンとノンリコースローン
Ⅰ-5 我が国の住宅ローン
Ⅰ-1 「住宅」に財産価値はあるのか?① ~リバースモーゲージ適用の前に~
・住宅が最大の資産として、フロー化が期待されるが、 財産価値は無く、担保価値は土地にしかない。 (今やその土地も危うい)
・住宅ローンは「モーゲージ・ローン」ではなく 「クレジット・ローン」であり、住宅自体に担保価値を期待していない。
Ⅰ-1 「住宅」に財産価値はあるのか?②
1.住宅は資産か?
・リバースモーゲージは資産化された住宅を活用する商品 (資金に流動化)であるが、現状では、多くの住宅は資産 としての価値は無い(既存住宅市場が未形成)。
• リバースモーゲージの議論は最終的には「住宅の資産価値」に帰着する。
2.住宅の資産形成
・住宅の使用価値としては「デザイン、機能、性能」である。 機能・性能は必要条件であり、デザインが根幹。
・その上で、価値ある住宅・住環境を一元的に管理することが肝要
Ⅰ-2 住宅の価値の構成要素①
<経年減価する住宅の資産価値>
■一戸建て住宅の価値
• 建物は中古なった時点から急速に価値が減価。
• 土地に対する建物価格の比率は、新築が3割程度から20年後には1割以下。
■マンションの価値
• 都心部の物件は性能・機能が向上し、ほぼ立地で決まる。戸建てよりまだまし。
<住宅の効用要素>
住宅の効用
デザイン(審美性)、機能 (利便性)、性能(安全性・環境性)
資産形成
クラシック/社会的定評 (スタイル/アイデンティティ) 、フレキシブル
世代を越えた住要求 、検証された材料・工法
負債形成
ポピュラー/趣味的 (個々の嗜好、流行) 、リジッド 固定的な「居住水準」
新しい材料・工法
性能(安全性・環境性)、検証された材料・工法があれば、担保価値を認めることが出来るのではないかと考えていましたが、難しいようです。
Ⅰ-2.住宅の価値の構成要素②
超長期優良住環境形成の3つの条件 Housing Owners Association
3.開発主体による優れた開発のための憲章
1.帰属意識が持てる優れたマスタープランとアーキテクチャラルガイドラインの作成とその遵守による住環境の経年的な熟成。
2.コミュニティー全体が民主的な統治意識を持ち、そのための住宅所有者による、住宅地経営協会: HOA)の存在。
Conditions and Restrictionss)の制定とこれに基づいた資産形成を目指した基本計画の策定及び全体管理のための住宅地経営協会との契約締結。
参考
齊藤広子「戸建て住宅地における居住地マネジメント組織としてのHOA導入のための課題」都市住宅学39号2002
住宅地経営協会、等の話となると、マンションの管理組合の改正と併せて議論が始まるように思います。
Ⅰ-3.クレジットローンとモーゲージローン
【クレジットローン】
・債務者の信用 に基づいたローン
・消費者ローン等であり、収入や所属組織等により利用者の信用が査定される。
・日本の住宅ローンは「クレジットローン」であり、住宅等を担保とするが、保証によりリスクヘッジしている。保証料が必要。
【モーゲージローン】
・担保の価値に基づいたローン
・米国の住宅ローンは「モーゲージローン」であり、住宅の資産価値 を重視している。同時に、ローン社会であり、また、デフォルトも多いため、ローンの返済実績の視点からの審査も重視している(FICOスコア)。
結局、金融機関が担保実行の際に、土地のみ実行するということが無意味に近いからということで形式的に建物にも担保を付けている、ということなのかなと思いました。
Ⅰ-4.リコースローンとノンリコースローン
【リコースローン】 「遡及型融資」
ディフィシェンシー・ルール(Ant deficiency Rule):デフォルト時に融資金の返済財源が担保資産に限定されず、保証人や他の返済財源 からの返済を追求できる融資形態のことを指す。
【ノンリコースローン】「非遡及型融資」
特定の事業や資産から生ずる収益のみを返済原資とする非遡及型の融資を指す。 プロジェクトファイナンス等の特殊なローン形態。
Ⅰ-5 我が国の住宅ローン
<リスク回避>
【保証会社による代位弁済 / 団体信用生命保険の加入 】 ・住宅ローンには通常、土地・建物に第一順位の抵当権を設定し、さらに保証料と生命保険料が付加される。
<対金融機関>
・保証料を負担することにより、デフォルト(債務不履行)の際に融資機関が保証会社から代位弁済を受けることができる。しかし、債務者の債務の債権は保証会社に移るだけであり、抵当権行使後の残債は債務として残る。
・団信料を負担することにより、借り手が「死亡」した際にはローンの残債が支払われる。
最後は、保険(保険料)での清算となる。
Ⅱ リバースモーゲージの意義とスキーム
Ⅱ-1 リバースモーゲージは次世代高齢社会の象徴 Ⅱ-2 住宅資産の活用
Ⅱ-3 住宅資産の活用方策の比較
Ⅱ-4 リバースモーゲージの基本スキーム
Ⅱ-5 リバースモーゲージのリスク
Ⅱ-6 典型的なリバースモーゲージの商品内容
Ⅱ-7 資金需要の使途
Ⅱ-1 リバースモーゲージは次世代高齢社会の象徴
・リバースモーゲージは「自ら築いた居住用資産」を「自らの意思」 により「自らの生活を豊かにするため」「経済利益を得て」「死亡時に一括返済する」システムであり、金融商品では無い。
・キーワードは「高齢者」「住宅」「金融」「福祉」であり、それぞれが個々に、さらには相互連携的に制度や社会システムが整備される必要がある。
・ストック「リッチ」、フロー「プアー」(ハウスリッチ・キャッシュプ アー)(不動産はあるが、所得が無い)の高齢者に対してリッチな不動産を資金化する。
これが成就した社会こそ、「成熟した高齢社会」。
ここについては、よく分かりません。
Ⅱ-2住宅資産の活用①
・返済過程における「ホームエクイティ・ローン(HE)」、完済後は「リバース モーゲージ(RM)」あるいは「売却」「賃貸」としての活用。
• 住宅に資産としての価値が保持できれば、売却による住み替えの促 進 (既存住宅マーケット)とともにさらに資産の活用が多様化される。 基本的には「居住継続しつつ経済的利益を得ること」
■融資タイプ:現役時代は「ホームエクイティ・ローン」 、老後は「リバー スモーゲージ」を利用するなどにより、住宅資産をフルに活用することが可能。
■売却タイプ:セール・アンドリースバック(S&LB)の可能性。
参考1:負担付き贈与(民法第553条)
相手に自宅を贈与する見返りに受贈者が贈与者を扶養する負担を請け負うもの 参考2:終身定期年金(民法689~694条)
フランスのビアジェ方式。
当事者の一方(定期金債務者)が、自己、相手方(定期金債権者)又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物(代替物)を相手方又は第三者に給付する契約。
Ⅱ-2 住宅資産の活用②
<リバースモーゲージ使途目的の多様化>
・本来は利用者が住宅に居住継続しながら、資金化することが目的であり、福祉サービス費用から次第に多様化している。
Ⅱ-3 住宅資産の活用方策の比較 居住継続しつつ経済価値を享受手法の比較
持分を受益権と考えると、信託で構成することも可能だと考えられます。
Ⅱ-5 リバースモーゲージのリスク①
■利用者(借手、相続人)サイドのリスク
1.支払いリスク
・幸いなことに日本では0と考えられる)
2.不動産下落リスク
・予想以上の下落が生じて限度額を越えると契約終了
■融資サイドのリスク
1.長命リスク
・生命表等で想定
2.金利上昇リスク
・変動金利などで対応
3.不動産下落リスク
・海外では見られないリスクであり、不動産評価の厳格化、利子の調整等。
4.相続リスク
・複数の相続人、相続人の死亡等 想定相続人全員の同意、信託等
Ⅱ-6 典型的なリバースモーゲージの商品内容
利用対象者
・借入時の年齢が満60歳以上。
・判断能力を有する。
・自宅に一人あるいは配偶者と居住していること。
・50歳以上や上限(80歳等)もある。
・安定・継続的収入が必要な場合。
早めに子供に贈与して判断能力喪失に備えられないか、そのような必要がある場合もあると思います。
活用方法
・現居住用不動産(住宅)を担保にした融資。
・賃貸料を担保等他方法。
・取得物件を担保にする場合。
対象不動産/担保 ・利用者が居住している、土地付き一戸建て住宅、マンショ ン。
・第Ⅰ順位の抵当権設定登記。
資金使途 ・生活関連資金(医療費、介護費、リフォーム、転居費用等)
・投資や事業目的は除外。
・マンション対象外が多い。
・住宅購入費も含む場合。
・転居の場合はJTI と連携。
融資極度額
・対象不動産の評価額の50~70%及び1億円を上限。極度額に達するまで、適宜、融資。
・年金型払いに限定する場合。
・評価額は毎年1回見直し。
融資期間
・終身 融資額が極度額に到達した時期。
返済方法
・死亡後に元利一括返還。
・相続人が「現金返済」あるいは「担保の代物返済」
・利息を毎月払いの場合。
・債務免除益発生の可能性有り。
金利
・変動金利(基準金利+調整幅)及び固定金利
・東京スター銀は預金連動型。 保証
・借主訴求 ・保証料(保証料が不要な商品もある)、ノンリコース (リコースもある)
・保証会社の保証
ここでのノンリコースローンは、普通だと思います。
保証人
・不要(必要もある)
・住宅金融支援機構の保険利用。
相続人の同意
・相続人全員 の同意が必要。
・同意を不要とする場合。
Ⅲ リバースモーゲージの現状
Ⅲ-1 リバースモーゲージの経緯
Ⅲ-2 リバースモーゲージの類型
Ⅲ-3 官民の主要制度・商品
Ⅲ-4 従前の民間プラン
Ⅲ-5 従前の公的プラン
Ⅲ-6 現在の公的プラン
Ⅲ-7 官民の主要制度・商品:まとめ
Ⅲ-8 民間の取扱い金融機関の現状
Ⅲ-1 リバースモーゲージの経緯(概略)
1970年~
研究者や自治体で関連研究が実施。
1980年~
武蔵野市が1981年に最初に条例化・制度化。
1980年代中半~1990年~
バブル期を挟んで、自治体や民間金融機関や信託銀行等(8行: 1984~1989年)が次々と参入したが、バブル崩壊後、各行ともに撤退。
住宅政策や福祉政策の中で位置づけられる。
2000年前半
2005年に東京スター銀行が開始、ハウスメーカー等も金融機関と提携して参入。 自民党・政府での検討が高まる等各分野からの提言が盛んになる。
自治体制度は社会福祉協議会と福祉公社の統合と金融機関の撤退等により、停滞し、国の制度に統合。 国土交通省・厚生労働省の制度が登場し、契約者は急増。
2010年~
中古住宅市場活性化等の中で資産活用方策としての議論が活発化。
住宅金融支援機構の保険付き移住・住替え機構と連携して、都市銀行・信用
金庫・信用組合等の多様な金融機関が参入。
2017年~
金融庁・厚生労働省・国土交通省がリバース・モーゲージの普及研究(自由民主党一億総活躍推 進本部提言の下)。リ・バース60等の融資機関が増大し、 2020年時点で108機関。
Ⅲ-2 リバースモーゲージの類型①
<公的プランと民間プランとに大別される>
■公的プラン:国及び自治体。
・自治体プランは嚆矢である武蔵野市等が直接融資型であり、世田谷区等の大半は間接融資型(窓口が自治体で融資は金融機関)。 現在はすべて停止。
・国の制度は不動産担保型生活資金貸付制度(厚生労働省:窓口は自治体の社会福祉協議会)に集約。
・住宅金融支援機構 が独自の商品(リフォーム、まちづくり融資等 住宅購入型)及び金融機関のリスクを保証する保険措置を供 与(「リ・バース60」)。
・特例的に震災対応の住宅再建のための措置。
Ⅲ-2 リバースモーゲージの類型②
■民間プラン:金融機関やハウスメーカー等。
・最初の参入は不動産の扱いに慣れており、また、高額資産者を顧客に有する信託銀行等8行であり、しばらくは順調に契約数を増加 させたが、参入後、バブル崩壊となり、急激な土地価格の下落等により、次第に撤退・縮小した。
・しばらくは新たな商品がでなかったが、1999年に殖産銀行(2007年に撤退)そして2005年に東京スター銀行が使いやすい商品を出した。これを契機に複数のハウスメーカー各社(現在は撤退)が参入した。信託提携タイプも登場。
・その後、新たな参入は無かったが、国の議論や金融機関新たな ローン商品の組成ニーズ等そして、「住宅購入を目的」とした住宅金 融支援機構の保険付与の「リ・バース60」及び「住替えを目的」とするJTI(移住・住替え機構) による賃料担保権設定商品等を背景に 2010年頃から、急増した。都市銀行及び信用金庫等も競って参入しつつあり、現在108機関が商品を有している。
Ⅲ-6 現在の公的プラン
■国の制度(福祉的対応)
【不動産担保型生活資金貸付制度(旧生活福祉資金貸付制度)】 (厚生労働省)(H20.9までは長期生活支援資金貸付制度)、 同:要保護世帯向け
• 全国ベースの制度導入(契約者は急増)
• 福祉政策の面からの施策:自立支援
• 融資対象:65歳以上高齢者(同居者は配偶者と両親)、住民税非課税世帯、 均等割課税世帯程度 • 使途:生活費
• 連帯保証人:推定相続人から一人
• 金額:評価額1000~1500万円、70%程度を限度額とし、30万円/月以内 • 金利:3%か長期プライムレートの低い利率
• 実施主体:都道府県社会福祉協議会
• 窓口:自治体の社会福祉協議会
• 実績:626件(累計契約件数681件)、124億30百万円(2008年3月末時点) 注)近年は実績未公表
資料:厚生労働省
Ⅲ-8 民間の取扱い金融機関の現状
<民間取扱金融機関数の推移実績>
<現状と見込>
「【リ・バース60】の利用実績等の公表について」(平成30年5月 住宅金融支援機構)
出典:民間住宅ローンの実態に関する調査報告書」(各年度版)(国土交通省)
注)リバースモゲージ型住宅ローン【リ・バース60】(住宅金融支援機構)の取扱機関数は、2016年度以降は年度末、2015年度以前は不明。
Ⅳ-3 フランス <ビアジェ>①
• 「ビアジェ」は「債務者が特定の第三者が生存している間、一定金額の支払いをする、終身定期金契約(射倖契約)※1」。 <フランス民法典 第3編 所有権取得の種々の方法第12章 諸侯契約(第1968条~1983条)>
※1:不確かな事象に左右される相互契約(民法1964条)
補)フランス民法典に準じている日本の民法にも同様の規定がある。 終身定期金契約(民法 689条~694条)。但し、射倖性が強いことから、 これまで適用されていない。
・「ビアジェ」は不動産の所有権を移転するものであり、不動産活用手法としては 「売却」型である。
また、売却後に「売主が居住継続」するオキュペ方式と「売主が転居するリーブル方式がある。前者の場合が、居住継続しながら不動産を流動化可能とする意味で リバースモーゲージの類型として扱われている。
民法 1 9 64条~ 1 9 83条に定められている終身定期金 契約。
①ビアジェ・オキュペ
・高齢者(売手)が個人投資家(買手)に自宅を 売却し、高齢者はそのまま済み続け、投資家は頭 金と終身年金を給付する。両者の仲介や契約書作 成等は専門組織が介在するが、年金給付の保証は行わない。高齢者は売却金額の一部(頭金)を受け取り、残額はヴィアジェ年金となる。
・数十年前から約 4 0万件の実績があるが、個人間 の相対契約で取引が不安定。長生きリスクが回避できず、投資家の支払不履行リスクもある。
契約書は公証人が法的に登録する。高齢者は虚有権を売却し、用益権(居住権・利用権)を終身保有する。
契約時に転居し、所有権を完全に移転 して年金方式で代金を受け取るタイプ もある。
②ビアジェ・リーブル
・高齢者(売手)が個人投資家に自宅を売却し、 住宅は契約時に個人投資家(買手)に明け渡し。
ビアジェファンド
ビアジェは歴史のある制度であるが、射幸性が高く、一対一の相対取引であるため、近年では普及 が進まなかった。また、買手市場でもあったが、これらの問題を解消するためにファンドが組成された。 2 0 1 0年に民間ファンド(ヴィラージェ・ ヴィアジェ社)、 2 0 1 4年に公的ファンド(フラン ス預金供託金庫)。
多くの契約を束ねることにより、売手にとっては、民法典による法的規定に加えて、さらに安定性を拡充させ、買手にとっても利益を期待できる投資対象となる。
抵当権付終身貸付型( Le P re t Vi a g er H up to the c a ire e: P V H)
米国のHECMに類似した融資制度であり、 2006年の法改正により制度化された。フランス不動産銀行のみで取り扱っているが、2 016年から提携銀行との契約が可能となった、需要喚起が期待される。( 2007年 )
ノンリコースローン
保険制度や証券化などの仕組みは無い。
Ⅴ 今後の課題と展開方向
Ⅴ-1 リバースモーゲージを巡る環境変化 Ⅴ-2 リバースモーゲージの課題・展開 Ⅴ-3 リバースモーゲージ付住宅商品
Ⅴ-1 リバースモーゲージを巡る環境変化原点:「現居住用資産の価値を担保に継続居住したまま資金を得る」
①介護施設への転居等の確率が高く、「死ぬまで自宅に住み続けること」ができなくなっているケースが増加。
②相続人が居ない、相続放棄のケースが増加。
③住宅に資産価値の無い事が周知されてきたが、一方でリノベニーズ、 リノベによる資産化の可能性も出てきた。
④高齢からの住宅取得ニーズがある。
⑤住宅金融支援機構の保険付加により地域金融機関等新たなローン商品として取り組み始めてきた。
⑥資産マネジメントへの関心の高まり(相続、空家対策、資産運用等)
⑦都市・市街地再生の困難化とマンション共同化や再開発需要増等
2022/3/12
リバースモーゲージ普及に向けた金融機関の担保査定技術の高度化
令和4年3月18日
東京大学大学院経済学研究科特任教授(不動産イノベーション研究センター(CREI))武藤祥郎
目次
1.問題意識
2.海外における資産大量評価と自動価値算定モデル(AVM)
3.CREIにおける不動産価格分析能力の向上について
まとめ:今後の展望 2
1.問題意識
「リバース・モーゲージ」の利用進展 リバース・モーゲージの利用は、公的・民間金融機関において急速な増加傾向
住宅金融支援機構【リ・バース60】の利用状況
民間金融機関貸出実績(年度末残高))
住宅金融支援機構【リ・バース60】
https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/yushihoken_revmo/index.html
なぜ「リバース・モーゲージ」が重要か
我が国の家計資産の状況を見ると、金融資産 (資産―債務)の約1500兆円に目が行きがちであるが、
・土地: 約700兆円 の合計約1100兆円(正味保有資産の約4割) をどう生かすかについて、検討する必要
・超少子高齢化において高齢者等の一部家計が 金融資産不足に陥る中で、必要な世帯において住宅・土地を活かす道を作ることが極めて重要
出典:内閣府「国民経済計算」(ストック編)
※「固定資産」の内訳は国民経済計算で示されていないが、家計資産においてはそのほとんどが「住宅」であると考えられる。
「リバースモーゲージの『3大リスク』」に関する素朴な疑問
これらは一定の規模がある金融機関にとって本当に「リスク」なのか?
⾧生きリスク・・・プールできる。「生命表」「生命保険」
金利上昇リスク ・・・ヘッジできる。「スワップ」「ALM」等
担保価値下落リスク
これは確かに、特に人口減少下の日本において重要ではないか。
我が国金融機関における中古住宅担保評価の現状(民間金融機関)
住宅ローン貸出動向調査((独)住宅金融支援機構):2016年
住宅ローン貸出動向調査((独)住宅金融支援機構):2021年
我が国金融機関における担保(土地・住宅 )評価は、もっと高度化・標準化 されるべきではないか。
「リースバック」の仕組み
〇リースバックとは、 所有している資産を第三者に売却し、その後、第三者とリース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続けることを可能にする取引手法
〇住宅においては、住み替えの円滑化や老後の資金への対応、相続前の不動産処分 など、住宅利活用の新たな選択として近年注目されつつあり、利用件数も増加傾向(出典:国土交通省記者発表資料(令和3年12月10日))
リバースモーゲージと比較した 「リースバック」のリスク特性
国土交通省記者発表資料(令和3年12月10日)より
消費者向け「リースバック」ガイドブックの策定に向けた検討を開始
○ 一方で、リースバック自体の認知度が低いことや、一連の手続が複雑であることから、契約内容等について消費者の理解が不十分なままで契約が締結されるなどのトラ ブルが発生している事例も見られます。
リバモ「三大リスク」のうち、⾧生き、金利上昇 リスクは回避できているが、担保価値下落リスク」あるいは担保価値評価に関しては引き続き課題
例えば、 多くの会社が「一括査定」あるいは「高額」の 査定を謳うが、 「リースバックでの買取額が適正額を大きく下 回っていた」ことで、トラブルになる例もある。
○ こうした状況を踏まえ、消費者がリースバックの活用を検討するにあたって参考となるリースバックの適切な活用 方法や留意点等をガイドブックとして取りまとめるべく、 「消費者向けリースバックガイドブック策定に係る検討会」を開催。
2.海外における資産大量評価(Mass Evaluation)と自動価値算定モデル(Automated Valuation Model)
海外における住宅の大量評価(Mass Evaluation)と自動価値算定モデル(AVM)
大量評価(Mass Evaluation)
共通のデータ、標準化された方法、統計的なテストを用いて、一群の不動産を評価すること(一棟の不動産の鑑定評価と同様、直接比較法、原価法、収益還元法という伝統的な3つの価値評価アプローチをとる)
通常の物件評価との違いは、作業の範囲のほか、分析を実施するために使用されるツールである。
例えば、欧米において不動産の市場価値を課税基準としている自治体にとって、大量評価は、全ての不動産を公平、透明、かつ一貫した方法で評価する上で、効率的でコスト効率の良い方法である。
大量評価は、良質のデータと健全な市場分析に基づき、数学的モデリングによって不動産価値を推定する自動価値算定モデル(AVM)を必要とする。特に北米の多くの地域で、国内および非国内の不動産について、課税目的の価値を設定するためにAVMを使用している。Brian Guerin (FRICS) “Let me introduce: mass appraisal”英国RICS ウェブサイト を基に作成
https://www.rics.org/pt-br/news-insight/future-of-surveying/data-technology/mass-appraisal/
AVMの利用と留意点
公共部門では、AVMを一定の市場範囲内のすべての不動産に適用 し、課税目的の価格を推定する。
民間企業では、AVMは住宅ローン融資の目的、不正行為の検出、または分析の一環として不動産鑑定士を支援するため に使用されることがある。
ここで重要なことは、AVMは完璧ではない ということである。経験豊富な分析者が信頼できる方法を用いて開発した良質のデータに基づくモデルは、多くの場合、健全な価値推定を行うことができる。
その一方、AVMが正確さを欠く可能性があるのは、特殊な属性を持つ不動産や、
データが限られた市場地域などである。AVM の利用者は、AVM が算出した価格を確認する際、常に専門的な判断を下す必要がある。
なぜ「完璧でない」AVMが民間金融機関の住宅ローン融資の際に有用なのか
金融機関: 個別の評価の妥当性もさることながら、金融機関の「ポートフォリオ」分析としては、
ポートフォリオ全体としての平均化されたパフォーマンスこそが重要。
常時モニターしていなければならないため、瞬時に安価で大量の資産を評価する必要
住宅ローンの融資側によるAVM利用の例
融資側は AVMの利用により、案件を処理する前に、提案された数値が適切かどうか、人間の評価者による完全な評価コストをかけずに確認することができる。
→融資側が受け入れるリスクのレベルを算定できる。
住宅ローン期間の途中で、不動産価値がどのように変化しているかを確認するために使用することもできる。
(出典)RICS Automated Valuation Models Roadmap for RICS members and stakeholders June 2021
IAAO Standardization Model
国際評価官協会(International Association of Assessing Officers、前身:全米評価官協会(National Association of Assessing Officers)は、評価担当者の基準を確立することを目的に設立された機関であり、政府の査定担
当者や固定資産税の管理に関心のある人たちの専門的な会員
組織である。
IAAO の会員は査定実務と管理の基準を開発し、これらの基準の多くは州や国際的な監督機関によって採用され、一部は法律にも取り入れられている。
IAAOは、北米における資産査定にとどまらず、国際社会への普及などにも尽力している。
(出典: IAAOウェブサイト)
米国Freddie MacのAVMモデル “Home Value Explorer”
Home Value Explorer® (HVE®) :
Freddie Mac の自動評価モデル(AVM)ツールであり、数秒で不動産価値の推定値を生成 (複数のモデルを1つの製品に統合し、低価格で提供)
HVEはフレディマック独自のアルゴリズムを使用しており、リ ピートセールスモデルとヘドニックモデルから返されるモデル推定値をブレンド。
HVEは、約1億件の不動産記録を持つデータベースにより、 全米50州、3100以上の郡を広範囲にカバー
担保評価サイクルを合理化することにより、住宅ローンのプロセスを簡素化(2010年より提供開始)
HVEの用途
以下のような民間金融機関等の融資業務をサポート
• 抵当権、ホームエクイティローン等の引受審査
• ポートフォリオマネジメント等
• 信用リスク管理 よって継続的にテストされているほか、
• 損失軽減
• 住宅ローンの借り換え・変更
高速に評価額を生成するとともに、予測標準偏差
(FSD)に基づき、統計的に解釈しやすい「信頼スコア」 (Confidence Score)を提供。
CoreLogic, Equifax等の民間提供企業 (Distributor)を通じてサービス提供
AVM信頼性の確保
具体的には、サンプル内およびサンプル外のパフォーマンスでの広範なテストを行っているほか、フレディマック内部でも定期的に分析・検査四半期ごとにモデルを再計算し、数値の正確性を継続的に確保
AVMのメリット
AVMは、既存の電子評価処理プラットフォームに組み込むことができ、より低リスクの融資決定をサポートするため、住宅ローン評価において金融機関にとって特に魅力的な存在
AVMは、評価する者が通常の調査の過程で観察できないようなニュアンスや統計的分析を引き出すのに有効である。
時間、費用、(調査等の)リソースを節約し、増え続けるデータの流れを管理し、一定確実なレベルを提供する。
人為的な要素を排除し、不正のリスクを低減
AVMのデメリット
AVM を使用する場合、通常、物件は検査(インスペクション)されず、 平均的な条件が用いられることが多いが、これは不正確である可能性が高い。AVMプロバイダーは、市場を正確にモデル化するために、不動産と市場取引価格に関する信頼できる詳細な記述データを大量に必要とする。
AVMの使用に関して、消費者の透明性はほとんどない。
住宅分野では、住宅購入のプロセスが複雑であるため、評価や調査の選択について消費者に情報を提供することが困難。
優れた比較可能なデータの量と質が欠けていると、信頼性の低い評価につながる可能性がある。
使用されている基礎データの出所に関するもの
– データソースは定期的に更新され、提供されるサービスの全期間を通じて利用可能か
– 過去の評価額は、資格のある独立した評価人が提供した販売価格や数値に基づくか
– どのように収集されたか
– セレクション・バイアスがかかっていないか
システムが不正行為の対象となる可能性がある
AI、機械学習、神経言語プログラミングは、AVMの高度化を意味する。これは、人間の入力に依存しないだけでなく、評価を作成するために行われたプロセスと機能の簡単な説明を行うことができない評価結果につながる可能性がある。(ブラックボックス性)
(出典)Royal Institution of Chartered Surveyors (RICS) “Automated Valuation Models Roadmap for RICS members and stakeholders”, June 2021, 10ページ表を邦訳
AVMのメリット・デメリットから得られる教訓
既存の個別「鑑定評価」とAVMは併存するものであり、AVMは、個別不動産評価の妥当性よりも、ポートフォリオ・パフォーマンスの平均値等が課題になる住宅ローン等の「金融」で有効な存在
特にこれまで適切な担保評価において課題となっている、 ・低額物件・地方の物件等の取引数が多くない物件について、データに基づく価格査定とその標準誤差の分布により、 適切な視座を金融機関や担当者に与える可能性
(参考)Home Equity Conversion Mortgage (HECM) の仕組み
ここまでのまとめ
欧米では、金融商品として必ずしも主力とは言えないが、低所得者等向けに リバースモーゲージの活用が進む。
制度上の問題はさることながら、上記の大量評価手法やAVMがほとんど我が国金融機関に根付いていないとすると、担保「査定インフラ」 の課題があるのではないか。
特に、比較的低額物件 が多い(金融資産が小さく年収が小さい)と思われるリバースモーゲージについて、AVMの分析能力が上がれば、リバース・モーゲージの担保資産リスクの分析能力も上がるのではないか。
一方で、残念ながら我が国でのAVM認知度は低いと同時に、研究レベルでの論文でも寡少 (海外では、International Journal of Strategic Management、Journal of Property Investment & Finance、International Journal of Housing Markets and AnalysisなどでAVM論文が増えている。)
⇨ 不動産の価格評価をどのように高度化できるのか。CREIでは何をやっているのか。
3.CREIにおける不動産価格分析能力の向上について
背景・目的
○ 不動産へのニーズの多様化に適確に対応した新たな不動産市場の形成や業態の育成・発展に資するよう、産学官の効果的な連携により不動産分野のイノベーションをリードすることが重要。
○ 少子高齢化、AI・IoTなど新技術の進展、グローバル化など、社会経済情勢等の急速な変化に伴い、不動産に対する社会ニーズも多様化。
産学官連携による研究拠点として、東京大学に不動産イノベーション研究センター(CREI)事務局を設置(2020年度~5年間)
連携部局
・ 公共政策学連携研究部
・ 経済学研究科 ・ 工学系研究科
・ 情報理工学系研究科
・ 空間情報科学研究センター ・ 未来ビジョン研究センター
UC Berkley: FISHER CENTER FOR REAL ESTATE & URBAN ECONOMICS
寄附企業等・共同研究機関・協力機関
○ 寄付企業等
・ 住友不動産株式会社 ・ 東急不動産株式会社 ・ 東京建物株式会社 ・ 野村不動産株式会社
○ 共同研究機関
・(一社)全国住宅産業協会
・(公社) 全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所 ・(公社)全日本不動産協会 全日みらい研究所
・ 三井不動産株式会社 ・ 三菱地所株式会社 ・ 森ビル株式会社
○ 協力機関 ・ 国土交通省
その他、
・ ヤマトホールディングス株式会社 ・ (一社)不動産流通経営協会
・(一社)不動産協会
・(一財)不動産適正取引推進機構(企業・団体名は50音順)
MIT, Oxford等の多くの主要大学で不動産関係の研究センターが不動産関 係の研究を蓄積
(機構⾧) 柳川範之 東京大学大学院経済学研究科教授
(副機構⾧) 浅見泰司 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授
城山英明 東京大学未来ビジョン研究センター 教授
(連絡先)東京大学連携研究機構 不動産イノベーション研究センター(CREI)事務局
https://www.crei.e.u-tokyo.ac.jp/ mail: crei@e.u-tokyo.ac.jp
(1)時空間地球統計(Egotistic)による不動産価格推定モデルの開発<概要>
ヘドニック価格設定モデルの精度向上
不動産賃貸(住宅)価格は、通常の回帰分析などで精度が保てる一方、個別不動産の影響が強く、都心の「ビッグデータ」が得られる地域でも限界がある 特に取引事例が限られる地方部などでは、取引価格の予測誤差の減少に限界がある
「ある地域Aは隣の地域Bと、近い関係性にある」と言う空間相関を導入し、サンプルが希薄な地域においても精度の高い予測を可能となるモデルを開発 神奈川県横須賀市の新築・中古戸建住宅について、レインズ成約物件データを分析
時空間の分散・共分散マトリックスを適切に推計することで、サンプル内の予測値、サンプル外の予測値のどちらについても、予測性能が向上
モデル推計に際して生成される空間効果のパラメーターは、実務上有効な指標となりうる
予測値の確率分布の生成: 金融機関や不動産業者などが(担保)不動産の価格査定を行う際に、平均値としての価格を算出できるほか、単独又は複数不動産を組み合わせて分析できる
一定の空間における分布の生成: 不動産業者あるいは専門家が感覚的に把握する地位(じぐらい)について、数値的な裏付けが可能になる
空間における減衰率: (今回の分析対象地域では)600m以内という比較的短い距離で空間的効果が減衰。近傍類似地の範囲を把握し、その重要性を比較できる
【研究成果】 Muto, S. Sugawara, S., Suzuki, M. (2021) “Hedonic Real Estate Price Estimation with the Spatiotemporal Geostatistical Model,” CREI Working Paper (The University of Tokyo), 3.
Gestatesによる空間考慮の考え方
Gestatesの予測性能(暫定的結果)
Gestatesによる点推定分布と空間的価格分布の導出
Gestatesによる「空間的減衰率」の導出
不動産価格に対する空間的な減衰率が計算できる
(2)画像認識のAI技術を用いた都市景観分析
<概要>
不動産の価格形成
視覚的な景観情報は、大規模かつ定量的な把握が⾧らく困難であった
ストリートビュー画像と画像認識のAI技術を組み合わせることで、分析を大きく飛躍させる可能性を秘めている
欧米とは異なる日本の都市景観の構成要素を抽出し、不動産価格との関係を分析
東京圏郊外(東京都八王子市)の低層住宅地において、売買された戸建住宅周辺のGoogleストリートビュー画像を収集+セマンティックセグメンテーション 画像から捉えられる視覚情報は、周辺地区全体の景観を表す場合と、街路レベルの景観を表す場合があり、後者は地区の固定効果をコントロールすることで捉えられる
緑・植栽、開放性、建物密度は、街路レベルの不動産価格と正の相関がみられる
日本で一般的な都市景観要素として、電柱の存在は地区レベルで不動産価格と負の相関があるが、住宅地を不連続にする路肩・駐車スペースや農地の存在は、地区レベルでも不動産価格と負の相関をもたない傾向にある 。
【研究成果】 Suzuki, M. Mori, J., Maeda, T. N., Ikeda, J. (2022) “The value of urban landscapes in a suburban city of Tokyo, Japan: A semantic segmentation approach using Google Street View images,” CREI Working Paper (The University of Tokyo), 5.
「セマンティック・セグメンテーション」を活用した価格分析
レインズ成約物件周辺のGoogleストリートビュー画像を、1物件あたり12枚(30度ごと)収集
Cityscapes Datasetを用いて、収集画 像のセマンティックセグメンテーション(画像 内の全画素にラベルやカテゴリを関連付ける ディープラーニングのアルゴリズム)を適用
各景観要素の構成割合(ピクセル数)を もとに、12方向の平均値を指標化
都市景観指標を説明変数としたヘドニック価格分析を行い、取引価格への影響を分析
出典:https://www.cityscapes-dataset.com/
セマンティック・セグメンテーションの例:住宅地
不動産の価格分析能力高度化に向けたCREIにおける取り組みの方向性
空き家の発生状況の地域的分布予測
価格分析におけるAI・機械学習の活用
「景観・街路情報の取得」と不動産価格の関係
「大相続時代」の到来を見据えた地域的な空き家及び外部性の発生状況予測(テーマ1との関連)
分析技術の高度化 価格分析における空間情報の活用
都内全域等大サンプルにおける分析技術の確率・高度化
広告行動など住宅市場における様々な市場不完全性の分析
CREIが「学術的な分析」を不動産ビジネスの「参考にすべき要素」として提供し、
・デジタルや新技術を活用した円滑な不動産の取引
・国民の家計資産の約4割を占める不動産資産の最大活用に資することを目指す
まとめ:今後の展望(リバース・モーゲージ市場のさらなる発展に向けて)
通常ローンも含めた担保データ分析能力の向上+モデリングの高度化・透明性確保
リバース60等のリバース・モーゲージ関連データ蓄積
リバースモーゲージ型住宅ローンの 現状と今後の課題
独立行政法人住宅金融支援機構 国際・調査部 調査担当部長 豊島義之
リバースモーゲージ型住宅ローン
【リ・バース60】の概要
【リ・バース60】は、リバースモーゲージ型の“Reverse”と生まれ変わる”Rebirth”の2つの 意味を込めた上で、「60歳以上から利用可能」というメッセージを意識したリバースモーゲー ジ型住宅ローンの愛称
リバースモーゲージ型住宅ローン【リ・バース60】の概要①
リバースモーゲージ型住宅ローン【リ・バース60】の概要②
ノンリコース型とリコース型 金融機関により異なる場合あり。
高齢者の住まいをめぐる状況(ストック)
高齢者の世帯員がいる世帯における持家率は、低下傾向にあるものの依然として8割以上。また、持家を所 有している高齢者の過半は、同一住宅に31年以上居住。
生活環境の変化に応じた住み替えは行われておらず、定期的なリフォームを実施していなければ、不便さ に我慢しつつ生活している可能性。
出典:平成30年度高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(内閣府) 出典:平成30年住宅土地統計調査(総務省)
高齢者の住まいをめぐる状況(住宅に関する問題)
持家(一戸建て)に居住する高齢者において、住宅に問題を感じている者は64% にのぼり、住宅に対する 古さ、地震や火災に対する防災設備、造りの使いにくさに対して特に問題を感じている。 アメリカと比較しても日本の高齢者は住宅に対して問題を抱えており、特に、上記問題に対する意識差が 大きい。
出典:令和2年度高齢者の生活と意識に関する国際比較(内閣府)
高齢者の住まいをめぐる状況(フロー)
2014 年~18年の5年間で65歳以上の者の住宅取得(住宅の建設・購入)は21.3万戸(全世代の13%)あり、 高齢期でも一定の住宅取得ニーズが存在。
ただし、住宅取得者の年収は500~700万円未満の世帯が最多(18%)であり、一定の収入がある世帯に限られる。
出典:平成30年住宅土地統計調査(総務省)
リバースモーゲージの現状
(住宅ローン貸出動向調査結果)
※「住宅ローン貸出動向調査」とは、住宅ローンを取り扱う金融機関を対象に、住宅金融支援 機構が毎年度実施するアンケート調査(2021年度は全301機関を対象とし272機関が回答)。 当調査では、リバースモーゲージ(【リ・バース60】を含む)の取扱に関しても調査を実 施。
リバースモーゲージの現状(貸出実績)①
民間金融機関を対象とした「住宅ローン貸出動向調査」では、リバースモーゲージの貸出実績(年度末残 高)は、1,577億円 (回答のあった金融機関の合計金額)。 金融機関ごとの残高の分布は「500万円以下」が最多 。次いで「5000万円以下」、「1億円超」。
※上記の残高は、回答のあった金融機関の合計金額であり、必ずしも市場全体の規模を表すものではない。
リバースモーゲージの現状(資金使途)②
リバースモーゲージの資金使途については、【リ・バース60】の取扱金融機関が多いことから住宅関連が多い が、生活資金を対象としている金融機関も約4割存在。
リバースモーゲージの現状(機関保証・貸出姿勢)③
リバースモーゲージの機関保証の利用状況は、「住宅金融支援機構の住宅融資保険(リ・バース60)」が 最多 。その他、住宅金融支援機構を除く「外部の保証会社等」が多い。 取扱姿勢については、自然体(現状維持)と回答している金融機関が最多。
リバースモーゲージの現状(取り扱う上での課題)④
リバースモーゲージを取り扱う上での課題は、「高齢者及び相続人への商品説明」 が最多。次いで、「長生きリスク(長生きすることにより担保評価額分の融資限度額を超過するリスク)の管理」。
【リ・バース60】の利用状況①
(参考)取扱金融機関80機関(2022年3月現在)
【リ・バース60】の利用状況②
利用者の職業等
資金使途
活用事例①(戸建住宅の建設)
〈戸建住宅の建設〉 2020年度 申請件数:327件 (申請件数全体に占める割合:28.1%)
特徴
✓ 利用エリアは、首都圏が23%、近畿地方が17%、北関東・甲信地方、東海地方それぞれ16%、その他の地 方が28%となっており、全国的に幅広いエリアでの利用。
✓ 60~69歳が半数以上で、定年を迎えられる頃に建設を行っている方の割合が高い。
✓ 100㎡未満の住宅が57%と半数を超えており、60歳以上の世代の生活に適した広さの住宅を選択。
申込みのきっかけ(例)
● 住み慣れた場所でより快適な住環境を得るために、建て替えたい。
● 子供の独立を機に、現在の家族構成に合った 広さの家に建て替えたい。
● 自宅の老朽化や自身の高齢化に伴い、設備の 入れ替えやバリアフリー化を行いたい。
活用事例②(新築マンションの購入)
〈新築マンションの購入〉 2020年度 申請件数:235件 (申請件数全体に占める割合:20.2%)
特徴
✓ 利用エリアは、首都圏が58%、近畿地方が14%、その他の地方が28%となっており、大都市圏での利用が 多い。
✓ 70歳以上が半数以上で、年金受給者の割合は高い。
✓ シニア向け分譲マンションの購入にも利用。
申込みのきっかけ(例)
● 自宅の老朽化や子供の独立を機に、現在の 家族構成に合った広さの家に住み替えたい。
● 利便性の高い街中へ住み替えたい。
● 子世帯との近居のために住み替えたい。
● シニア向け分譲マンションに住み替えたい。
活用事例③(戸建住宅のリフォーム )
〈戸建リフォーム〉 2020年度 申請件数:283件 (申請件数全体に占める割合:24.4%)
特徴
✓ 利用エリアは、首都圏が30%、中国地方が16%、東海地方が13%、その他の地方が41% となっており、 全国的に幅広いエリアでの利用。
✓ 70歳以上が半数以上で、年金受給者の割合は高い。
✓ リフォーム工事費は500万円未満が42%、500万円以上1,000万円未満が39%。
✓ 自己資金(※1)の平均は63万円と少なく、自己資金なしの借入者の割合は59%。
✓ 毎月支払額の平均は1.1万円であり、他の資金使途に比べて少ない。
申込みのきっかけ(例)
● 自宅の老朽化や自身の高齢化に伴い、設備の 入れ替えやバリアフリー化を行いたい。
● 住み慣れた場所で、より快適な住環境を得る ためにリフォームをしたい。
● 子供の独立を機に、現在の家族構成に合った 広さの家にリフォームしたい。
地方公共団体との連携した活用事例
【事例1】大和川高規格堤防整備事業
● 大和川高規格堤防の整備に伴い、移転対象住民(地権者)の住宅の取り壊しや再建が必要
・既成市街地において、国土交通省が堤防盛土を施行するため、既存住宅の取り壊しや住宅の再建が必要 ・高規格堤防と一体的に行う、大和川左岸(三宝)土地区画整理事業は、UR都市機構(以下UR)が施行者として実施 ・事業地区内にお住まいの方の約7割が60歳以上の高齢者で、新たな住宅ローンを組む
ことが困難な状態
● 移転者の住宅再建を堺市及びURと連携して支援
・機構が作成したリ・バース60等の紹介チラシをUR及び堺市を通じて地権者に配付
・地権者宅へ訪問するUR及び堺市職員22名に対して勉強会を実施(参考:機構作成チラシ)
【事例2】「川崎市すまい・いかすプロジェクト」における取組(神奈川県川崎市)
・住まいを活かした豊かな高齢期等の実現を目指す「川崎市すまい・いかすプロジェクト」に、川崎市と連携して取組を促進する川崎市すまい・いかすサポーター」として参画し、各種取組を実施。
・「川崎市すまい・いかすプロジェクト」に係る企画段階からの川崎市との打合せにおいて、地域金融機関も含めた取組を提案。
・川崎市の政策への連携、高齢者向け金融商品の充実の観 点から、リ・バース60の取扱いを川崎信用金庫に提案
川崎信用金庫が『かわしんリ・バース60』取扱開始 (令和2年1月20日)
(参考1)一般的な住宅ローン(フラット35)の利用者属性(2020年度)
人生100年時代の家族とリバースモーゲージ: 経済学の視点から
竹田陽介(上智大学経済学部)
「沖縄の家族」
事業承継
冠婚葬祭
医療
介護
私の家族
アウトライン
1. 「人生100年時代」の家族
2. 家族とリバースモーゲージ
3. リバースモーゲージの不人気の要因
4. リバースモーゲージの制度設計
1. 「人生100年時代」の家族
• 年齢に完全に対応したライフ・ステージを前提とする人生シナリオの困難 • 三段階の人生シナリオ: 就学期 就労期 退職期
• 例:多段階の人生シナリオ
ボランティア活動
就学期 就労期 移行期 就労期 就学期 移行期 就労期 退職期
子育て スキルのアップグレード
• 可能な自分(possible selves)へのナッジ(behavioral nudge)
• 無形資産(生産性資産,活力資産,変身資産 )の力:個人間の分散が大きくなる
• 人間関係:リスクシェアリングのための家族構成員間の役割のスイッチング
2. 家族とリバースモーゲージ
「家族と経済学」
• 家族と市場の境界:取引費用,リスク・シェアリング
• 家族:ライフサイクルにおいて,教育・就労・結婚・離婚・出産・遺産相続 などに関わる集合的な意思決定を行う主体
• 集合的な意思決定:社会的分化(デュルケーム『社会分業論』)を経た現代の家族は,顔の見える家族内での資源・リスクの配分だけではなく,匿名性の担保される市場取引に頼る.
• リスク・シェアリング
• インフォーマル:世代内・世代間の所得移転
• 資産形成における遺産の比重 (Kotlikoff and Summers, JPE:1981)
• フォーマル:金融資産市場
• 意図しない遺産(Abel, AER:1985):長生きのリスク
• リバースモーゲージ:債権の証券化(竹田『土地総合研究』2014年)
• 非伝統的金融政策:中央銀行の「最後の買い手」機能(竹田・矢嶋『非伝統的金融政策の経済分析』2013年)6
3. リバースモーゲージの不人気の要因
• 不人気? 米国(Poterba et al. JEL: 2011)
• 65‐69歳世帯のHome equity/ total wealth: 25.9%, Health and Retirement Study(2008)
• ベビーブーマー世代の離婚歴有り・配偶者死別者の高いHome equity保有額
• その要因: 退職世代の合理的意思決定
• Health and Retirement Study:Coco and Lopes(RES: 2020)
• 利他的遺産動機
• +健康・医療費支出のリスク:住み慣れた住居を止む無く売却する不効用
• +リバースモーゲージの高い手数料・担保維持費
4. リバースモーゲージの制度設計
• 退職世代の合理的意思決定:Coco and Lopes(2020)
• リバースモーゲージ+住居の強制売却に対する保険=退職者もRMの提供者・保険機 関もパレート改善する.
• しかし,「人生100年時代」において,退職期の合理的意思決定だけでは,長 期にわたる家族のリスクシェアリングは達成できないと考えられる.
• 無形資産の個人間の分散が大きくなる
• とりわけ,身体的・精神的健康を含む活力資産
• 処理能力の負荷がもたらす「先送り」「ほったらかし」「トンネリング」を避ける
• 可能な自分へのナッジの活用は可能か?
• 長生きのリスクのシェアリングに供するリバースモーゲージの制度設計とは?
4. リバースモーゲージの制度設計
• 貯蓄に関するナッジの活用例:企業の関わり
Smartプラン:“Save More Tomorrow”, Thaler and Benartzi (JPE:2004)
• 今は貯金できないと感じている人が,給料が増えたら必ず天引き貯金を増やすことに同意する.
• 起こること(昇給)と起こって欲しいこと(貯蓄の増加)を繋げる.
2. 給料日ローン:Bertrand and Morse (JF:2011)
• 潜在的な顧客に示すデータ(利率のみ,あるいは金額も)で二つのグループに分ける.
• 金額費用も見せられたグループの方が,ローンを組む顧客が大幅に少なかった.
• 明確かつ簡潔なまとめは認知能力を効率よく利用できる.
3. 401K (確定拠出年金制度)への加入の初期設定 :Carroll et al. (QJE:2009) • 企業は新規採用者に登録用紙を提示する必要がある.
• 初期設定が加入しない(opt-in), 加入する(opt-out)か,意思表示の義務(active)かで異なる.
• Activeのケースでは,opt-inに比べて加入者が28%増加した.
• 先送りする性向が強く,貯蓄への嗜好異質性が大きい時には,Activeが望ましい.
4. リバースモーゲージの制度設計
• リバースモーゲージへの応用:先送り,異質な契約
• 住宅購入時 にRMへの加入意思の有無を,企業に対してActive(意思表示の義務)の 形式で行う.
• ESG投資時代の企業の社会的責任(CSR):「長期思考」
• 事業承継, BCP, 防災教育など
• リバースモーゲージの加入意思表示の義務:投資家の態度にも反映される.
国土交通省
【別紙2】住宅のリースバックに関するガイドブックの作成に際しての検討会での検討内容について
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000174.html
別紙2
住宅のリースバックにガイドブックの作成に際しての検討会での検討内容について
令和4 年 6 月
消費者向けリースバックにガイドブック策定に係る検討会
【委員】
井上博登 弁護士(長島・大野・常松法律事務所)
阿部芳典 (一社)不動産流通経営協会業務流通委員
草間時彦 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会常務理事・政策推進委員長
佐藤貴美 弁護士(佐藤貴美法律事務所)
野津干絵 明治大学政治経済学部教授
早野木の美 (公社)日本消費生活アドバイザー・コシザルタン卜・相談員協会主任研究員
松本修 (公社)不動産保証協会常務理事
((公社)全日本不動産協会神奈川県本部理事)
山本遼 株式会社R 6 5 代表取締役
行武憲史 日本大学経済学部准教授
(敬称略、五十音順)
【事務局】
国土交通省住宅局住宅政策課
国土交通省不動産・建設経済局不動産業課
【日程】
第1 回検討会 令和3 年1 2 月 2 2日
第 2 回検討会 令和4 年1 月2 6日
第3回検討会 令和4 年 3月1 4日
はじめに
. 本検討会開催の背景
近年高齢者世帯を中心に住み替え、老後資金の確保、円滑な相続等を目的としてリースバックを活用した不動産取引が徐々に増加傾向にある。我が国の住宅政策においても、「往生活基本計画
(全国計画)」( 令和3年3月19日閣議決定)にて、「住宅循環システムの構築と良質な住宅ストックの形成」を目標と一つとてして掲げており、ライフスタイㇽに合わせた柔軟な住み替えを可能すると既存住宅流通の活性化するための基本的な施策として「健全なリースバックの普及」が挙げられている。
一方で、リースバックを活用した不動産取引に対する認知度が未だ低いことや、持家の売買契約と賃貸借契約を組み合わせることによる取引の複雑さから、契約内容等に対する消費者の理解が不十分なまま契約が締結されるなどのトラブルが発生している。
こうした状況を踏まえ、消費者がリースバックの活用を検討するに当たって参考となる適切な利用方法や検討時の留意点等をガイドブックとして取りまとめるべく、不動産取引・消費者保護の分野における有識者、不動産業界団体の参加を得て、本検討会の開催を行うこととしたものである。
本検討会においては、令和3年12月以降3回の会合を開催し、関係省庁・不動産事業者のオブ
ザーバー参加を得つつ、各委員等による自由かつ率直な意見交換を行った。
本報告書は、ガイブドック作成に向けて令和3年12月~令和4年3月にかけて3 回開催された検討会における議論の内容をまとめたものである。
なお、本検討会においては、リースバックに関する調査結果等を共有するとともに、関係者が現時 点において認識しているリースバック取引の特徴や想定される活用例・留意点等について思惜のない意見交換を行った。こうした中で、実際の利用例やトラブル事例についての共有が行われたほか、住み替えの円滑化や住宅資産を活用した資金需要への対応についてリースバック以外の取引との比較・ 検討などがなされたところである。
そのため、本報告書では、ガイドブックの容内に加えて、消費者がリースバックの利用を検討するにあたり事前に認識すべき事柄をその背景とともに記載しているほか、消費者が自身の需要に応じて適切な手法を選択する上で検討時に有用と考えられるとされた利用例や留意点についても記載している。
一方で、リースバックは未だ取引事例も多くないため、健全なリースバックの普及に向け、取引の状況を踏まえて、必要な対応が求められると考えられる。行政におかれては、本検討会にて行われた議論を踏まえ、引き続き健全なリースバックリースパックの普及に向けた取組を継続し、時宜にかなった柔軟な住み替え・既存住宅流通の活性化に寄与することに期待をしている。
リースバックガイドフックの作成に際しての検討会での検討内容について
目次
はじめに
第1 章 住宅のリースバックの概要及び利用の検討に際してのポイン卜
. 住宅のリースバックとは 1 . 想定されるリースバックの利用例 2 リースバックの特徴 4
【参考】リバ一スモ一ゲ一ジとは 4
【参考】通常の売却を選んで、契約締結後、決済・引渡し時期を事業者と調整する 5
第 2 章 4. リースバックの検討にあたってのポイン卜の補足及びその他の留意事項等
. 利用する手法の検討について 12
( 1 )適切な手法の選択 12
( 2 )将来にわたる収支計画の検討 13
( 3 )勧誘への対応 13
( 4 )同居家族がいる場合 14
. リースバックの契約条件について 15
( 1 )売却価格について 15
( 2 )賃料について 15
( 3 )契約の相手方の選択 15
( 4 )宅建業者に支払う媒介報酬 16
( 5 )売買契約締結後の解除 要件・手続 16
( 6 )買戻しの要件 17
( 1 )賃貸借契約の種類の確認 18
( 2 )賃料の確認 21
( 3 )設備の修繕や建物の増改築・リフォーム等に関する確認 21
( 1 )重要事項の告知 22
( 2 )契約内容についての説明の要請 22
( 3 )契約書の取り交し 23
( 4 )売却代金の受取 23
( 1 )賃料支払義務 24
( 2 )善管注意義務 24
6. リースバックの終了 25
( 1 )原状回復に関する対応 25
( 2 )明渡しが遅延した場合 26
(附属資料) リースバックに関する現状分析について 27
. 消費者アンケー卜について 27 . 事業者アンケー卜について 31