『月報司法書士623号』特集デジタル遺産

『月報司法書士623号』特集デジタル遺産、2024年1月、日本司法書士会連合会

「デジタル遺品(デジタル遺産)とは?」弁護士・公認会計士 伊勢田篤史

デジタル遺品という用語を使用する理由・・・金銭的価値に限らない、という意味で。

 オンラインのデジタル遺品

 原則として相続の対象、例外的に、各アカウント(契約)が一身専属性を有する場合には、相続の対象から外れる。・・・民法896条を根拠としていると思われます。一身専属「性」というものが分かりませんでした。

LINEヤフー共通利用規約

https://terms.line.me/line_terms?lang=ja

4. アカウントの登録情報

4.1. アカウントを登録していただく場合、(1)真実かつ正確な情報を登録していただくこと、(2)登録内容が最新となるようお客様ご自身で適宜修正していただくことがお客様の義務となります。

4.2. アカウントを登録したお客様は、いつでも当該アカウントを削除することができます。

4.3. アカウントの登録が必要な当社サービスにおけるお客様のすべての利用権は、理由を問わず、アカウントが削除された時点で消滅します。お客様が誤ってアカウントを削除した場合であっても、アカウントの復旧はできませんのでご注意ください。

4.4. アカウントは、お客様に一身専属的に帰属します。アカウントの登録が必要な当社サービスにおけるお客様のすべての利用権は、第三者に譲渡、貸与その他の処分または相続させることはできません。

 利用規約に、一身専属的に帰属する、のような文言がなくても、サービス提供者から相続が否定されることもある。

 スマートフォン、PCのログインロック機能を外せないと、対応が出来ない。

 データ復旧に20万円から30万円、期間が半年から1年間・・・ソースはどこなのか、分かりませんでした。

ネット証券口座の発見が遅れる可能性。

ログインパスワードを共有する方法

・物に書く

スマホのスペアキー®

https://www.ysk-furuta.com/download

・士業などとの死後事務委任契約、生命保険の担当者へ共有・・・守秘義務があるのかな、義務違反の場合の措置については、別途契約で定めるのかな、と思いました。公正証書遺言や自筆証書遺言書保管制度を作成される方なら、遺言書に記載しても良いのかなと思いました。

・WEBサービス

Digital Keeper

https://digitalkeeper.jp/

まもーれe

https://www.mamowle.com/

中央大学総合政策学部、宮下紘教授「デジタル遺産とプライバシー保護」

・民法上の相続に関する論点と個人情報保護法のアクセス権に関する論点を区別。

個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

平成28年11月(令和5年12月一部改正)個人情報保護委員会

https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/

人の死後、故人の人格権で保護すべき情報などが第三者から開示された場合に、故人の相続人から権利侵害を主張される可能性。

デンマーク – データ保護の概要

https://www.dataguidance.com/notes/denmark-data-protection-overview

デンマークでは、GDPR と同法が、死亡した個人に関する情報の処理に、死亡後10 年間適用されます (同法のセクション 2(5) を参照)。

エストニアデータ保護法

https://www.riigiteataja.ee/en/eli/507032016001/consolide

§ 13. データ主体の死亡後の個人データの処理

 (1) データ主体の死亡後、データ主体に関連する個人データの処理は、同意がない場合を除き、データ主体の後継者、配偶者、子孫または尊属、兄弟または姉妹の書面による同意がある場合にのみ許可されます。個人データの処理に必要な場合、またはデータ主体の死亡から30年が経過した場合。複数の後継者または本サブセクションで指定されたその他の人物がいる場合、データ主体の個人データの処理は、そのうちのいずれかの同意を得て許可されますが、各後継者は同意を撤回する権利を有します。

 (2) 処理される個人データにデータ主体の氏名、性別、生年月日および死亡の事実のみが含まれる場合、本セクションの第 (1) 項に規定される同意は必要ありません。

ドイツ

・Facebook判決

フランス

データ処理、ファイルおよび自由に関する 1978 年 1 月 6 日法律第 78-17 号

https://www.legifrance.gouv.fr/loda/article_lc/LEGIARTI000039280582

第85条2020 年 1 月 1 日から有効なバージョン

2019 年 9 月 18 日の注文番号 2019-964 により変更 – アート。35 (VD)

I.誰でも、自分の死後の個人データの保存、消去、通信に関するガイドラインを定義できます。これらのガイドラインは一般的または具体的です。

一般指令は、関係者に関するすべての個人データに関するものであり、国家情報技術自由委員会によって認定された信頼できるデジタル第三者機関に記録される場合があります。

一般指令の参照およびそれらが登録されている信頼できる第三者は、単一の登録簿に入力されます。その条件とアクセスは、IT と自由に関する国家委員会の論理的かつ公表された意見に基づいて、国務院の法令によって定められています。

特定の指令は、これらの指令で言及されている個人データの処理に関するものです。これらは、関連するデータ管理者に登録されています。これらは関係者の特定の同意が必要であり、一般使用条件の単独の承認から生じるものではありません。

一般的および特定の指示は、個人が死後に本タイトルの第 2 章に記載されている権利を行使することを意図する方法を定義します。これらの指令の遵守は、個人データを含む公的アーカイブに適用される規定に影響を与えるものではありません。

指令に第三者に関する個人データも含まれるデータの通信が規定されている場合、この通信はこの法律に従って行われます。

個人はいつでも自分の指示を変更または取り消すことができます。

この第 1 段落に記載されている指令には、その実行の責任者を指定することができます。後者は、その人が死亡したときに、指令を読み、関係するデータ管理者にその実装を要求する権利を有します。指定がない場合、または別段の指示がない限り、指定された人物が死亡した場合、その相続人は作成者の死亡時の指示を書き留め、関係するデータ管理者にその履行を要求する権利を有します。

本条に基づいて個人に認められる特権を制限する個人データの処理に関する一般使用条件の契約条項は、不文とみなされます。

II.- 指令またはこれらの指令にこれに反する記載がない限り、関係者の相続人は、必要な範囲で、その死後、本編 II の第 2 章に記載されている権利を行使することができます。

1故人の遺産の整理と清算。したがって、相続人は、遺産の清算と共有に役立つ情報を特定し、伝達するために、自分に関係する個人データの処理にアクセスできます。また、相続人に譲渡可能なデジタル資産や家族の思い出に似たデータの通信を受信することもできます。

2 データ管理者がその死を考慮する場合。そのため、相続人は故人のユーザーアカウントを閉鎖させたり、故人に関する個人データの継続処理に反対したり、更新させたりすることができます。

相続人が要求した場合、データ管理者は、要求者に費用を負担することなく、前段落に従って要求された操作を実行したことを証明しなければなりません。

この II に規定されている権利の行使に関する相続人間の意見の相違は、所轄の司法裁判所に持ち込まれます。

III. – オンライン公衆通信サービスのプロバイダーは、ユーザーの死亡時のユーザーに関するデータの運命を通知し、ユーザーが指定する第三者に自分のデータを通信するかどうかの選択を許可します。

・イタリア

 Apple判決。

イタリアの個人データ保護法

立法令第 2 号 2003 年 6 月 30 日の 196

http://www.privacy.it/archivio/privacycode-en.html

・アメリカ

 受託者に対し、原則としてアクセス権限定付与。

デジタル資産への受託者のアクセスに関する2015年統一州法・・・原文を探すことが出来ませんでした。

・カナダ

 原則として死後20年以内の個人の情報は、本人の同意なしに開示することを禁止。

 個人情報保護法原文を探すことが出来ませんでした。

・日本の今後

 立法解決。

 財産的性格がある権利については、相続可能、という構成に。

 憲法21条通信の秘密との整合性をクリアすること。

北川祥一弁護士「デジタル遺産の実体の把握と探知・相続の留意事項(デジタル遺産各論を中心に)」

 専門家にも、サービスの技術的側面に関する一定の理解が必要(暗号資産に対する権利の法的性質は、債権では観念できないと解されることなど。)。

 暗号資産(仮想通貨)

資金決済に関する法律

(定義)

第二条 この法律において「前払式支払手段発行者」とは、第三条第六項に規定する自家型発行者及び同条第七項に規定する第三者型発行者をいう。

2項から13項略

14 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法第二十九条の二第一項第八号に規定する権利を表示するものを除く。

一 物品等を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨、通貨建資産並びに電子決済手段(通貨建資産に該当するものを除く。)を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

参考

森勇斗「暗号型財産の法的性質に関する「物」概念からの再検討-民法85条の趣旨に関する制定過程からの問いかけ;暗号通貨(仮想通貨)にかかる議論を踏まえ―」一橋研究 第45 巻1・2 合併号

 無体物なので、所有権ではない。特定の運営者・発行者(相手方)がいないので、債権ともいい難い。

 暗号資産交換業者を通じた取引か否か。Email、ブックマークなどからの探知。

 契約上の地位を相続人に移転すると規約がある暗号資産業者もある。まずは取引所への問い合わせ。

Bit bank

https://bitbank.cc/about/tos/bitbankcc/

利用規約3条7項

ユーザーは、本規約に基づく法的地位を第三者に移転し、本規約に基づく権利義務を、第三者に譲渡、貸与、移転、担保設定その他処分等をすることはできません。ユーザーについて相続が発生した場合、相続人は、当該ユーザーの退会を行う前までに、相続法令の定めに従いかつ当社所定の手続を行うことにより、被相続人の保管資産を承継することができます。

 ウォレット・・・暗号資産の管理に使われる。

 シードフレーズ・・・ウォレットを紛失したり削除したりしてしまった場合に、復元にするために必要な単語。

Crypto Seed Bank 暗号シードフレーズ保管用スチールプレート

著作権者との間で、別途著作権譲渡等の契約が必要との指摘。

HEXA ファン会員利用規約(=購入者利用規約)

 第12条(利用制限および登録解除)

当社は、ファン会員が次の各号のいずれかに該当する場合には、事前の通知なく、直ちに本サービスの全部もしくは一部の利用の制限もしくは停止、または会員登録を取り消すことができるものとします。その場合、当社は、当該ファン会員に関する全ての登録情報を削除したり、公開している情報については公開停止したりすることができます。

死亡した場合

第21条(本NFT、コンテンツに関する権利の帰属)

ファン会員が本サービス上で購入した本NFTを保持する権利については、購入代金の支払決済の完了時にファン会員に譲渡され、同時にファン会員に帰属するものとします。

前項に定める以外の、コンテンツおよび本サービスに関する商標、画像、動画、広告、デザイン等に関する著作権(著作権法第27条および第28条に定める権利を含む)、商標権その他全ての知的財産にかかる一切の権利は、当社に原始的に帰属します。ただし、インフルエンサー会員が自ら創作した物にかかる権利については、当該インフルエンサー会員に帰属するものとします。

ファン会員は、前項により当社に帰属する権利について、本サービスの利用期間において本サービス内においてのみ、当該権利を利用することができます。ただし、利用形態について当社が不適切と判断し、通知した場合、ファン会員は当該利用を直ちに中止するものとします。

本サービスに関連して使用されている全てのソフトウェアは、知的財産権に関する法令等により保護されている財産権を含みます。

ファン会員は、当社および著作権その他の財産権を有する第三者から利用・使用を許諾されている場合または法令により使用が許容されている場合を除き、本サービスに関連して使用されるすべてのソフトウェアの内容を複製、編集、掲載、公衆送信、配布、販売、提供、翻訳その他あらゆる使用形態および目的で利用してはなりません。

ファン会員が前項に違反する行為によって被った損害については、当社は一切の責任を負わないものとします。また、ファン会員が当該行為によって利益を得た場合、当社はその利益相当額を請求できる権利を有するものとします。

・WEBサイト、関連データ

 著作権の相続可能性有り。レンタルサーバー・プロバイダ事業者との契約関係。残したい場合、クレジットカード凍結に注意。

・オフラインデータ

 ロック解除が最初。民法252条但し書きの保存行為に当たる可能性があるが、データ消去のリスクを考えると、専門業者に委託するとしても、相続人全員の同意を得て行うことが望ましい。

戸村涼子税理士「デジタル財産の税務」

遺産は、相続税法は財産、法人税法は資産。

・オフライン上のデジタル財産

 オフライン上のハードウォレットは、相続財産として申告が必要。

YouTubeなどデジタルコンテンツを適正に財産評価するべきケースが、今後出てくる可能性。

 相続人の居住国。

・相続税の課税対象の可否

国税庁

暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和5年12月)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/

4 相続税・贈与税関係≫

4-1

暗号資産 を相続や贈与 により 取得した場合 〔令和4年 1 2 月更新〕

 暗号資産を相続や贈与により取得した場合の課税関係はどうなりますか。

 被相続人等から暗号資産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されます。

 相続税法では、個人が、金銭に見積もることができる経済的価値のある財産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税の課税対象となることとされています。

 暗号資産については、決済法上、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」と規定されていることから、被相続人等から 暗号資産を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されることになります。

(注)暗号資産の贈与等をした個人の課税関係

 個人が、贈与( 相続人に対する死因贈与を除 ます 。)又は遺贈(包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈を除 きます 。)により 暗号資産を 移転させた場合には、 所得税の計算上、その 贈与又は遺贈の時における暗号資産の価額(時価)を総収入金額に算入する必要があります 。詳しくは、「 2- 10 暗号資産 を低額 (無償 譲渡 等 した場合の取扱い」をご覧ください。

【関係法令等 】相法2、2の2、相基通達11 の2-1

NFT

 国税庁 NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)

 問9 NFTを贈与又は相続により取得した場合の贈与税又は相続税の取扱いを教えてください。

(答)個人から経済的価値のあるNFTを贈与又は相続若しくは遺贈により取得した場合には、 その内容や性質、取引実態等を勘案し、その価額を個別に評価した上で、贈与税又は相続税が課されます。

国税庁 法令解釈通達

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/06/03.htm#:~:text=135%20%E6%9B%B8%E7%94%BB%E9%AA%A8%E3%81%A8%E3%81%86%E5%93%81%E3%81%AE,%E5%8F%82%E9%85%8C%E3%81%97%E3%81%A6%E8%A9%95%E4%BE%A1%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82

(書画骨とう品の評価)

135 書画骨とう品の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。

(1)書画骨とう品で書画骨とう品の販売業者が有するものの価額は、133≪たな卸商品等の評価≫の定めによって評価する。

(2)(1)に掲げる書画骨とう品以外の書画骨とう品の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。

デジタルコンテンツ

国税庁法令解釈通達

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/07/01.htm

第1節 特許権及びその実施権

(著作権の評価)

148 著作権の価額は、著作者の別に一括して次の算式によって計算した金額によって評価する。ただし、個々の著作物に係る著作権について評価する場合には、その著作権ごとに次の算式によって計算した金額によって評価する。(昭47直資3-16・平11課評2-12外改正)

 年平均印税収入の額×0.5×評価倍率

 上の算式中の「年平均印税収入の額」等は、次による。

(1) 年平均印税収入の額

 課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額とする。ただし、個々の著作物に係る著作権について評価する場合には、その著作物に係る課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額とする。

(2) 評価倍率

 課税時期後における各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、著作物に関し精通している者の意見等を基として推算したその印税収入期間に応ずる基準年利率による複利年金現価率とする。

隂山克典日本司法書士会連合会常任理事「デジタル遺産の相続に関する連合会の対応について」

 電子契約システムの開発着手。相続人にとって不利益な規約・条項について、連合会から訂正申し入れを行う場合もあることを想定。

参考

Internet watch デジタル遺品

https://internet.watch.impress.co.jp/category/topic/digitalremains/

渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』第5章

渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』2023年、日本法令。

  • 第5章 民事信託・家族信託の定義、分類、歴史

 P170、沖縄の家制度の長子相続における家族信託の活用などの事例もあり、について・・・沖縄の家制度、というものが門中を指すのかムートゥ家を含むのか分かりませんが、賛否有り、出生率の低下と共に、現在、制度とまで認識されているのか、分かりませんでした。また著者がP163などで、家族信託は財産管理の制度、と記載しているように、(長子)相続のために活用できる制度なのか、同じくP163などで記載されている、受託者の財産管理に対する自覚、が必要な信託制度を、無条件に長子を受託者にすることに活用できるのか、分かりませんでした。

 P175からP176、信託契約書上、追加信託条項が存在しないと、委託者は追加信託を行うことができないという意見もある。しかし、かような信託条項が存在しない場合でも、委託者と受託者の合意で追加信託が可能とならないのだろうか(委託者の判断能力がある限り、新たな信託の設定と併合あるいは信託の変更等を行って追加信託できないのであろうか)。について・・・信託法上、追加信託条項の定めが必要とする条文はなく、信託財産(信託法2条3項)は、当初信託財産のみとしていないので、可能と考えます。

 Q192からP193、確かにアパート建築とアパート経営を稼働させるための民事信託自体はあり得るわけだが、それが、結果として相続税対策となったとしても、あくまでも信託は、第一義的に当該アパートの管理・処分による受益者の生活支援等が目的となろう。について・・・受託者による借入条項、担保設定許容の条項がある場合に、結果として相続税対策となった、という表現は受け入れられるのか、分かりませんでした。

 P194、信託の終了事由が生じた場合、ただちに受益権は消滅するのか否か、という疑問の声が民事信託の実務家から聞かれることがある。について・・・信託の清算が結了するまでは、受益権は消滅しないと考えます(信託法176条)。

 P213、2014年には、日司連が新井誠教授の紹介によって、金融法務で知られる大垣尚司教授の参加を得て、日司連ホールにて、シンポジウム「民事信託の利用促進~成年後見制度との併用~」を開催する(2014年3月1日)。講師の大垣教授から、民事信託の信頼性とは、それをバックアップし、サポートする専門家に対する信頼性であると指摘され、支援業務のコンセプトを再確認する契機であった。について

 ・・・シンポジウムには私も参加しました。大垣尚司教授からは、信託業法2条により士業が受託者になることは現行法上、不可能であること、士業が関与するとすれば信託監督人・受益者代理人就任、契約書の標準化は可能であること、会社法と信託法との比較、民事信託を高齢化社会の文脈でとらえた場合、実務上適法で社会から必要とされる具体的類型(親亡き後のための信託、成年後見を補完する遺言代用信託、事業承継信託、死後事務のための信託、新しい家族の在り方を支援する信託等)が示されました。

 杉谷範子司法書士等による一般社団法人を受託者とした民事信託の実務報告について、後継ぎ遺贈型受益者連続信託(信託法91条)を利用しなくてもよかった(同じ機能を果たせた)のではないか、など議論も交わされています。なお、当時公証人であった遠藤英嗣弁護士は、遺言信託を民事信託の基本としていました。

 Q180、2014年から2015年にかけて、センターに集結していた司法書士の一部が分裂する。について。・・・zoomでの同時配信を希望しても無視されていた地方の司法書士としては、当時、何も事情を知らないまま研修講師や研究報告を行っていた司法書士の一部が(一社)民事信託推進センターからいなくなりました、東京のごく限られた中で決まったことだと思います。

 私が知っている限り、どちらが悪い、正しいということはなく、どっちもどっち、だと感じました。むしろその後、事情を知った後に、お互い「とある士業」などの名称を用いて批判合戦をしていたのは、法律事務に携わる者として、私は無意味だと思いました。実名で批評出来ないのではあれば、建設的な議論は出来ないからです。

『月刊登記情報』2024年2月号(747号)

『月刊登記情報』2024年2月号(747号)

一般社団法人金融財政事情研究会

 法窓一言 

相続登記の申請義務化と土地家屋調査士

土地家屋調査士 鈴木泰介

 相続登記の申請義務化によって所有者不明土地が減少すれば、所有者の探索がスムーズになり、土地家屋調査士業務の効率化が進むだろう、と予想。

祭祀承継者指定の審判と民法第897条による承継登記

司法書士 本橋寛樹

 祭祀承継者指定の審判事件数(家事事件手続法190条、274条)は、年間80件から110件前後ある。

司法統計 家事事件

https://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/list?filter%5Btype%5D=1&filter%5ByYear%5D=&filter%5ByCategory%5D=3&filter%5BmYear%5D=&filter%5BmMonth%5D=&filter%5BmCategory%5D=

 昭和35年5月19日民事甲第1130号民事局長回答「墳墓地の所有権移転の登記について」登記研究152号P34

 登記上、地目が墓地として登記されている土地は、使用者と所有者が異なる場合がある。登記官には、その土地の所有縁が相続人に移転したのか、相続人ではない祭祀承継者に移転したのか明確に審査できない。だから、登記原因は、相続、民法897条による承継、いずれの登記申請でも受理する。

 審判申立書(家事事件手続規則1条、47条、37条、家事事件手続法66条、7条、49条)に添付する戸籍について、家庭裁判所の運用によって、発行後3か月以内であることを求められることがある。相続人多数の場合、ギリギリになる場合や再取得が必要になる可能性がある。

Spokeo

https://www.spokeo.com/people-search?g=name_best9people9search9engine9sites_A3313266936

 相手方の死亡等による事件受継について(家事事件手続法44条、家事事件手続規則29条)。

 審判書送達が困難な場合について、調査会社を利用(民事訴訟法107条1項、家事事件手続法74条)。

利用が進む相続土地国庫帰属制度

法務省民事局民事第二課長 大谷 太

 相談件数が多い地域は大都市部の法務局・・・人口比でみるとどうなのか、少し気になりました。

 承認申請は、2023(令和5)年12月まで、全国で月140件から160件。

 承認申請後の取り下げについて、隣地所有者への通知(相続により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則13条)をきっかけとした土地の引き受けとみられる件がある、との記載があり、申請前に、可能であれば隣地所有者への確認が必要だと感じました。

 標準処理期間8か月は、個人的な感覚では速いと思いました。

定款認証手続の負担軽減のための新たな取組について

法務省民事局総務課公証係

 定款の作成を支援するデジタルツールは、スタートアップ向けに作成された。試験運用として、平日の夜間(午後8時まで)までウェブ会議による面前確認も行っているとのことは、初めて知りました。

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説⑵

法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗、法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之、法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官、(前民事局民事第二課法務専門官) 手塚久美子、法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清水玖美

 所有者不明土地管理人が申請することも想定されている。今後、オンラインによる電子データの提出を認める方向で検討される可能性もある。

商業登記規則逐条解説 第14回

法務省民事局商事課長 土手敏行

商業登記規則(登記記録の復活)

第四十五条 閉鎖した登記記録に更に登記をする必要がある場合には、その登記記録を復活しなければならない。この場合には、登記記録中登記記録区にその旨及びその年月日を記録して登記官の識別番号を記録し、第四十三条の規定による記録を抹消する記号を記録しなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339M50000010023

 閉鎖した登記記録に、更に登記をする必要がある場合についての例。その他、商業登記規則81条など。

1項、2項略

3 第一項の規定により登記記録を閉鎖した後、会社が本店の所在地を管轄する登記所に清算を結了していない旨の申出をしたときは、登記官は、当該登記記録を復活しなければならない。

4 第四十五条後段の規定は、前項の規定により登記記録を復活する場合について準用する。

 会社法472条(休眠会社のみなし解散)による、会社法928条4項が準用する915条1項の規定による登記申請には、登記記録の復活のための申出は必要ない。

 登記簿が、保存期間満了により廃棄されている場合、復活した登記記録には新たに記録を起こす。

 平成30年12月13日付法務省民商第143号民事局商事課長通知「閉鎖登記簿が廃棄されている株式会社の清算人選任に係る登記記録の復活について」

 知り得る事項のみで当該会社の登記記録を復活させる取り扱いを認める。分からない登記事項は、不詳と記録。

(記載の文字)

第48条 申請書その他の登記に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない。

2 前項の書面につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにし、かつ、当該字数を記載した部分又は当該記号を付した部分に押印しなければならない。この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。

 令和3・1・29民商第10号「民事局長通達 会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」登記情報718号P55

 法令により申請情報に訂正が必要な場合、訂正印が必要なときを除いて、訂正印の審査をしない。

 押印が不要な申請情報を訂正する場合、差し替えの方法で足りる。

 平成24年3月30日法務省民商第886号法務省民事局長通達「商業登記オンライン申請等事務取扱規程の制定について」登記研究777号P111

 第9条(申請の補正)

 (添付書類の還付)

第四十九条 登記の申請人は、申請書に添付した書類の還付を請求することができる。

2 書類の還付を請求するには、登記の申請書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本をも添付しなければならない。ただし、登記の申請が却下された場合において、書類の還付を請求するには、還付請求書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本を添付し、これを登記所に提出しなければならない。

3 登記官は、書類を還付したときは、その謄本、登記の申請書又は還付請求書に原本還付の旨を記載して押印しなければならない。

4 代理人によって第一項の請求をするには、申請書にその権限を証する書面を添付しなければならない。

5 第九条の四第四項から第六項までの規定は、第一項の規定による添付書類の還付の請求に準用する。

 添付書類の還付請求は、登記申請と同時に行う必要がある。書類の追完時に書類の還付を請求することは認められている。・・・趣旨からすると、追加する書類のみ、と思われます。

 P56、登記申請の添付書類として議事録を提出する場合、その謄本は登記に必要な抄本でも良い。原本は全部。回答は議事録に限定。例として、株式会社の役員変更登記申請の株主総会議事録の記載内容のうち、「第○○議案○○年度決算書類承認の件・・・省略」としても良い。

 要件として、前後の脈略が明瞭であること、文書として一体性が保たれていること。・・・抽象的なので、原則謄本を提出、議案がはっきり分かれていて関連する議案がない場合は抄本としても良いと思いました。

 昭和52年10月14日法務省民四第5546号民事局第四課長回答「商業法人登記申請書に添付すべき議事録の還付手続について」登記研究361号P77 

 商業登記等事務取扱手続準則54条7項。登録免許税を納付後に、登記申請を取り下げた場合において、申請書・添付書面が還付されるのは、登記所から税務署への登録免許税の還付通知をした後。

 同一の申請書によって2以上の申請をした場合、一部の取り下げをしたときには、取り下げた登記申請の申請書・添付書面のみ還付される(平成20年1月11日法務省民二第57号民事局長通達「不動産登記令の一部改正等に伴う登記事務の取扱いについて」登記研究720号P112と同様の取扱い。)。

(商号の登記に用いる符号)

第五十条 商号を登記するには、ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものを用いることができる。

2 前項の指定は、告示してしなければならない。

(同一当事者の数個の商号の登記)

第五十一条 同一の当事者から数個の商号の登記の申請があつたときは、各商号について各別の登記記録に登記しなければならない。

営業の種類は異なる必要がある。印鑑の廃止の記録をした印鑑記録の保存期間は2年(商業登記規則34条4項7号)。

(営業又は事業の譲渡の際の免責の登記)

第五十三条 商法(明治三十二年法律第四十八号)第十七条第二項前段の登記は、譲受人の商号の登記記録にしなければならない。

2 会社法第二十二条第二項前段の登記は、譲受人である会社の登記記録にしなければならない。

事業譲渡行われた旨、その年月日が登記される場合がある。

境界紛争の解決手続における土地家屋調査士の役割第3回 民事調停

弁護士 井奥圭介、土地家屋調査士 山脇優子

隣接所有者双方が越境している場合。越境している部分についての土地所有権の交換を行い、分筆する解決例。

 土地を売却したいが、隣接所有者と主張する境界が異なる。買取希望者が複数いるが、隣接所有者が主張する境界だと、売却価額が大幅に下がる場合。隣接所有者による買取り。

法律業務が楽になる心理学の基礎第5回 非行・犯罪の社会的原因

弁護士(認定心理士) 渡部友一郎

Bの友人関係、経歴、非行後の発言、非行の程度を、聴く機会があれば訊いてみるのかなと思いました。

犯罪収益移転防止法の大改正と司法書士の実務⑸

司法書士 末光祐一

法人の実質的支配者判定に関する、株式の種類と議決権への算入の可否について。

法務省 実質的支配者リスト制度Q&A令和3年9月17日

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00119.html

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則

(実質的支配者の確認方法等)

第十一条 法第四条第一項に規定する主務省令で定める方法のうち同項第四号に掲げる事項に係るものは、当該顧客等の代表者等から申告を受ける方法とする。

2 法第四条第一項第四号及び令第十二条第三項第三号に規定する主務省令で定める者(以下「実質的支配者」という。)は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者とする。

一 株式会社、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十二項に規定する投資法人、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社その他のその法人の議決権(会社法第三百八条第一項その他これに準ずる同法以外の法令(外国の法令を含む。)の規定により行使することができないとされる議決権を含み同法第四百二十三条第一項に規定する役員等(会計監査人を除く。)の選任及び定款の変更に関する議案(これらの議案に相当するものを含む。)の全部につき株主総会(これに相当するものを含む。)において議決権を行使することができない株式(これに相当するものを含む。以下この号において同じ。)に係る議決権を除く。以下この条において同じ。)が当該議決権に係る株式の保有数又は当該株式の総数に対する当該株式の保有数の割合に応じて与えられる法人(定款の定めにより当該法人に該当することとなる法人を除く。以下この条及び第十四条第三項において「資本多数決法人」という。)のうち、その議決権の総数の四分の一を超える議決権を直接又は間接に有していると認められる自然人(当該資本多数決法人の事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合又は他の自然人が当該資本多数決法人の議決権の総数の二分の一を超える議決権を直接若しくは間接に有している場合を除く。)があるもの 当該自然人

二 資本多数決法人(前号に掲げるものを除く。)のうち、出資、融資、取引その他の関係を通じて当該法人の事業活動に支配的な影響力を有すると認められる自然人があるもの 当該自然人

三 資本多数決法人以外の法人のうち、次のイ又はロに該当する自然人があるもの 当該自然人

イ 当該法人の事業から生ずる収益又は当該事業に係る財産の総額の四分の一を超える収益の配当又は財産の分配を受ける権利を有していると認められる自然人(当該法人の事業経営を実質的に支配する意思又は能力を有していないことが明らかな場合又は当該法人の事業から生ずる収益若しくは当該事業に係る財産の総額の二分の一を超える収益の配当若しくは財産の分配を受ける権利を有している他の自然人がある場合を除く。)

ロ 出資、融資、取引その他の関係を通じて当該法人の事業活動に支配的な影響力を有すると認められる自然人

四 前三号に定める者がない法人 当該法人を代表し、その業務を執行する自然人

3 前項第一号の場合において、当該自然人が当該資本多数決法人の議決権の総数の四分の一又は二分の一を超える議決権を直接又は間接に有するかどうかの判定は、次の各号に掲げる割合を合計した割合により行うものとする。

一 当該自然人が有する当該資本多数決法人の議決権が当該資本多数決法人の議決権の総数に占める割合

二 当該自然人の支配法人(当該自然人がその議決権の総数の二分の一を超える議決権を有する法人をいう。この場合において、当該自然人及びその一若しくは二以上の支配法人又は当該自然人の一若しくは二以上の支配法人が議決権の総数の二分の一を超える議決権を有する他の法人は、当該自然人の支配法人とみなす。)が有する当該資本多数決法人の議決権が当該資本多数決法人の議決権の総数に占める割合

4 国等(令第十四条第四号に掲げるもの及び第十八条第六号から第十号までに掲げるものを除く。)及びその子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)は、第二項の規定の適用については、自然人とみなす。

 2項2号、2項4号の順で判定。実質的支配者に対する確認について、代表者等に対するアンケート回答が記録として認められる。

中小企業とともに歩む企業法務のピントとヒント

第58話 会社のたたみ方①~まず考えておくことは?

司法書士法人鈴木事務所

司法書士 鈴木龍介

奥村聡司法書士『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』2020年、翔泳社、の紹介。

家族信託の相談会その64

お気軽にどうぞ。

2024年2月29日(木)14時~17時

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要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

総務省⾃治体システム等標準化検討会(住⺠記録システム等標準化検討会)「住民記録システム標準仕様書【第4.0版】(令和5年3月31日)」

総務省⾃治体システム等標準化検討会(住⺠記録システム等標準化検討会)「住民記録システム標準仕様書【第4.0版】(令和5年3月31日)」

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/jichitaishisutemu_hyojunka/02gyosei02_04000147.html

目次

第1章 本仕様書について ……………………………………………………………. 13

1.背景 ………………………………………………………………………. 14

2.目的 ………………………………………………………………………. 15

3.対象 ………………………………………………………………………. 16

4.本仕様書の内容 ……………………………………………………………… 19

第2章 標準化の対象範囲 ……………………………………………………………. 22

標準化の対象範囲 ……………………………………………………………….. 23

第3章 機能要件 …………………………………………………………………… 24

1 管理項目 …………………………………………………………………….. 25

1.1 住民データ ……………………………………………………………….. 26

1.2 異動履歴データ ……………………………………………………………. 53

1.3 その他の管理項目 ………………………………………………………….. 57

2 検索・照会・操作 ……………………………………………………………… 62

2.1 検索 …………………………………………………………………….. 63

2.2 照会 …………………………………………………………………….. 67

2.3 操作 …………………………………………………………………….. 69

3 抑止設定 …………………………………………………………………….. 70

4 異動 ………………………………………………………………………… 75

4.1 届出 …………………………………………………………………….. 84

4.2 職権 ……………………………………………………………………. 101

4.3 住民票コードの異動 ……………………………………………………….. 113

4.4 個人番号の異動 …………………………………………………………… 116

4.5 外国人住民のみに関係する異動 ………………………………………………. 117

4.6 異動の取消し …………………………………………………………….. 122

5 証明 ……………………………………………………………………….. 124

6 統計 ……………………………………………………………………….. 134

7 連携 ……………………………………………………………………….. 136

7.1 CS 連携・番号連携 ………………………………………………………….. 137

7.2 庁内他業務連携 …………………………………………………………….. 143

8標準オプション機能 …………………………………………………………….. 146

8.1 本人通知 ………………………………………………………………….. 147

8.2 特別永住者 ………………………………………………………………… 149

9 バッチ ……………………………………………………………………….. 151

10 共通 ………………………………………………………………………… 157

11 エラー・アラート項目 ………………………………………………………….. 167

第4章 様式・帳票要件 …………………………………………………………….. 191

20.1 住民票の写し等 ……………………………………………………………. 206

20.2 住民基本台帳の一部の写し …………………………………………………… 212

20.3 転出証明書等 ……………………………………………………………… 213

20.4 住民票コード通知票等 ………………………………………………………. 216

20.5 その他 …………………………………………………………………… 218

20.6 住民基本台帳関係年報の調査様式 ……………………………………………… 221

第5章 データ要件 ………………………………………………………………… 222

第6章 非機能要件 ………………………………………………………………… 224

第7章 用語 ……………………………………………………………………… 226

参考 …………………………………………………………………………….. 242

1.業務概要(全体図)及びシステム構成図 …………………………………………. 243

P16、本仕様書の対象⾃治体は、全ての市区町村。⼾籍の附票や印鑑登録は、考慮はするが仕様書の対象外。

P31~

1.1.3 個⼈票/世帯票

【実装必須機能】

住民票を個人を単位として調製できること。

世帯全員分の住民票の写し等の交付の際には、20.1.3 で規定する様式レイアウトのとおり、世帯連記式(データベース上は個人単位で管理し、帳票としての出力時に世帯単位でデータを作成する方式)によっても出力できること。

なお、個人を単位として調製できるとは、データの保有方法を問わず、住民票の写し等の交付の際に個人を単位として出力できる状態を指し、現在、データの保有方法を、世帯を単位として調製している自治体においても、住民票の写し等の交付の際に個人を単位として出力できるようにする場合については、当該機能を備えているものとみなす。

P57

1.3.2 住居表⽰・地番管理、番地・枝番等コード管理

【実装必須機能】

住居表示・区画整理等におけるデータ及び住所を設定することができる地番(特殊地番を含む。)をマスタ管理・表示できること。

ソート機能のため、番地・枝番・部屋番号等を数値によりコード管理できること。なお、番地・枝番・部屋番号等が文字列の場合も数値に変換した上で管理すること。

1.3.3 住所辞書管理

【実装必須機能】

必要に応じ速やかに、最新の住所情報に更新すること。国名又は地域名については、毎年、最新の情報に更新すること。ただし、本籍地等の(旧)町名等が入力できること。

住所情報は、職員でも容易に修正できること。

住所辞書については全国的に提供されるものを使用し、都道府県市区町村コード、町字コード及び国名コードは「データ要件・連携要件標準仕様書」に規定されている「基本データリスト」に従うこと。

あわせて、郵便番号についても管理できること。

住所カナ入力(例えば、東京都日野市神明の場合であれば、「ト ヒ シ」のように、住所の頭の数文字を入力することをいう。)をすることで、郵便番号及び住所が自動で入力されること。また、郵便番号を入力することで、住所が自動で入力されること。

住所及び本籍について都道府県名→市区町村名→大字→小字の順に一覧表から順番に選択していくことで住所辞書からの引用ができること。

1.3.4 ⽅書管理

【実装必須機能】

方書(アパートやマンション、寮等)を登録管理できること。

また、住所に応じた方書がひもづけられていること。

なお、これらのマスタ情報は職員管理を前提としており、容易にできること。

P131

5.5 発⾏番号

なお、コンビニ交付による証明書の発行番号については、証明発行サーバが住民記録システムと別システムであることから、証明発行サーバにおいて、別に管理されるものである。

P143

【実装不可機能】

戸籍附票システムにおけるコンビニ交付に対応する場合及び3.4 支援措置における連携を除き、戸籍附票システムに対して、管内本籍人の住所異動(転居等)時に住所情報を連携できること。

なお、戸籍附票システムにおいて、本籍地と住所地が同一の者に対するコンビニ交付に対応するために、住民記録システムから戸籍附票システムにコンビニ交付に対応するために必要な情報を連携している場合及び住民基本台帳に記録された者について住民基本台帳部局において支援措置の申出を受けた場合については、例外的に住民記録システムと戸籍附票システムの間で連携をする必要があることから、実装不可機能から除くこととした(庁内データ連携機能及び「データ要件・連携要件標準仕様書」にも当該連携について規定している。)。

P145

【考え方・理由】

コンビニ交付をはじめとする個人番号カードによる証明書等の交付に対応するため、証明発行サーバ、自治体基盤クラウドシステム(市区町村から連携された住民情報システムのデータをバックアップとして保管し、連携された住民情報を利用したサービスを提供する地方公共団体情報システム機構が運営するクラウドシステム)等から選択して導入できることとし、証明発行サーバや自治体基盤クラウドシステム等は、住民記録システムから連携されたデータに基づき、コンビニ等の端末へ、コンビニ交付システムインタフェース仕様書等に基づいた電文、証明書PDFを出力する機能を備えることとする。また、オンラインによる証明書等の申請に対応するため、公的個人認証サービスを用いた証明書等の電子申請に対応できる機能を備えることとする。なお、当該機能を備えるシステムを別途、構築している場合には、当該システムと必要な情報を連携できる機能を備えることとする。

P199

住民票の写し(世帯連記式でないものに限る。)(20.1.1 参照)、住民票記載事項証明書(世帯連記式でないものに限る。)及び住民票除票記載事項証明書(20.1.2 参照)、住民票の除票の写し(20.1.4 参照)には、異動履歴を記載するかどうかを選択でき、記載することを選択した場合、以下のように記載すること。ただし、特別の請求又は必要である旨の申出に基づき表示する項目に関する異動履歴については、異動履歴の特別の請求又は必要である旨の申出があった場合、市区町村長の判断で当該項目自体を表示して交付する場合にのみ記載すること

20.1.1 住⺠票の写し

【実装必須機能】

住民票の写し(世帯連記式を含まない。)について、別紙の帳票一覧・レイアウトに示すレイアウトに従い、直接印刷により出力できること。また、末尾に「この写しは、住民票の原本と相違ないことを証明する。」といった認証文を記載できること。

住民票の写し(世帯連記式を含まない。)に記載する項目は以下のとおりとすること。

・氏名(ローマ字、漢字を含む。)

・旧氏

・通称

・生年月日

・性別

・世帯主(※)

・世帯主との続柄(※)

・戸籍の表示(本籍・筆頭者)(※)

・住民となった年月日

・住所を定めた年月日

・住所(方書を含む。)

・届出日

・転入前住所(国外を含む。)

・個人番号(※)

・住民票コード(※)

・外国人住民となった年月日

・国籍・地域

・法第30 条の45 に規定する区分

・在留期間等

・在留期間の満了の日

・在留資格

・在留カード等の番号

・通称の記載及び削除に関する事項

統合記載欄に、異動履歴を記載できること。

※ 当該項目については、省略の指定ができること。

P210

20.1.3 住⺠票の写し(世帯連記式

【実装必須機能】

住民票の写し(世帯連記式)について、別紙の帳票一覧・レイアウトに示すレイアウトに従い、直接印刷により出力できること。また、末尾に「この写しは、世帯全員の住民票の原本と相違ないことを証明する。」といった認証文を記載できること。

住民票の写し(世帯連記式)に記載する項目は以下のとおりとすること。

・氏名(ローマ字、漢字を含む。)

・旧氏

・通称

・生年月日

・性別

・世帯主

・世帯主との続柄(※)

・戸籍の表示(本籍・筆頭者)(※)

・住民となった年月日

・住所を定めた年月日

・住所(方書を含む。)

・届出日

・転入前住所(国外を含む。)

・個人番号(※)

・住民票コード(※)

・外国人住民となった年月日

・国籍・地域

・法第30 条の45 に規定する区分

・在留期間等

・在留期間の満了の日

・在留資格

・在留カード等の番号

・通称の記載及び削除に関する事項

統合記載欄に、異動前の前住所(転居による直前の住所に限る。)及び当該異動の年月日を記載できること。

※ 当該項目については、省略の指定ができること。

P244

コンビニ交付用証明書発行サーバと、住民記録システムデータベース、除票用データベースは直接繋がっていない。

総務省 住民記録システム標準仕様書【第4.1版】

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000291.html

P143、なお、戸籍附票システムにおいて、本籍地と住所地が同一の者に対するコンビニ交付に対応するために、住民記録システムから戸籍附票システムにコンビニ交付に対応するために必要な情報を連携している場合及び住民基本台帳に記録された者について住民基本台帳部局において支援措置の申出を受けた場合については、例外的に住民記録システムと戸籍附票システムの間で連携をする必要があることから、実装不可機能から除くこととした(庁内データ連携機能及び「データ要件・連携要件標準仕様書」にも当該連携について規定している。)。

P196

なお、広域交付住民票並びに戸籍の附票(除票を含む。)の原票及びその写しは、住民記録システムから出力するものではないため、本仕様書の対象外とする。

住民票の除票の写し(世帯連記式)及び住民票の除票の記載事項証明書(世帯連記式)については、本仕様書においては、住民票(原票)は個人を単位として調製することを原則としていることを踏まえ、分科会で議論した結果、世帯連記式は全世帯員が同時に除票になった場合しか使用できず、使用頻度が低いと考えられること、形式を選ぶ手間が増えることから不要という意見が多かったため、出力しないこととする。

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