認知症の人の症状悪化と家族の介護負担増の実態

広島大学【研究成果】コロナウイルス感染症の拡大により、認知症の人の症状悪化と家族の介護負担増の実態が明らかに ~全国945施設・介護支援専門員751人のオンライン調査結果 ~

概要です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しては長期的な取組が必要であり、そのためにはマスクの着用など含めた新しい生活様式への移行が必要であるとされています。しかし、認知症の方は認知機能低下による情報やサービスへのアクセスの困難さ、環境変化への適応の困難さから新しい生活様式の実践が困難である可能性が考えられます。さらに、新型コロナウイルス感染拡大下においては、外出自粛や施設における面会制限などの感染予防のための取組により、身体機能の低下や行動心理症状の増悪などの悪影響が認知症者に生じていたと言われています。また、認知症の方が感染した場合には、認知症症状や行動心理症状などのため、隔離など必要な対応が困難であったとする意見も聞かれました。認知症者のほとんどが高齢であり新型コロナウイルス感染では重症化するリスクが高いにも関わらず、新型コロナウイルス感染症への備えに関して多くの面で課題があると考えられます。

広島大学大学院 医系科学研究科共生社会医学講座の石井 伸弥寄附講座教授は、一般社団法人 日本老年医学会、広島大学公衆衛生学講座と共同で高齢者医療・介護施設および介護支援専門員を対象としたオンラインによる質問票調査を行い、コロナウィルス感染症感染拡大下(おおよそ2020年2月~6月頃)の期間に高齢者医療・介護施設に入院もしくは入所中の認知症者や在宅で介護保険の居宅サービスを利用している認知症者や家族にどのような影響がみられたのか、またそれに対してどのような取組が行われたのか調べました。

入所系医療・介護施設945施設および介護支援専門員751名がオンライン調査票に回答しました。入所系医療・介護施設の32.5%に運営状況に大きな変化があったと回答しており、さらに、ほぼ全ての施設が入所者の日常的な活動に制限が生じたと回答しました。通所系や訪問系サービスに関しては、介護支援専門員の71.5%が介護サービス事業所の運営状況に大きな変化があったと回答しており、78.7%が認知症者が少なくとも一部のサービスが受けられなくなった、受けなくなったと回答しています。

医療・介護施設の38.5%、介護支援専門員の38.1%が認知症者に影響が生じたとしており、特に行動心理症状の出現・悪化、認知機能の低下、身体活動量の低下等の影響がみられたと回答しています。

介護保険サービスが受けられなくなった場合、家族が介護を行うことがあったと72.6%の介護支援専門員が回答しており、そのため家族が仕事を休んだり、介護負担のため精神的・身体的な負担が増したと回答しています。

今後、新型コロナウイルス感染症拡大下における認知症者の実情についてさらに深く調査するため、秋田大学高齢者医療先端研究センター等と共同で高齢者医療介護施設従業員や介護支援専門員を対象としたインタビュー調査を実施する予定です。

これらの調査結果は、認知症高齢者が感染拡大を予防する「新しい生活様式」を実践するため、どのような支援が適切か検討する基礎資料として活用されることが期待されます。

https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/59484

 先日の相談でもあったので、掲載しました。

夫は奥様に全部あげるという公正証書遺言を書いていました。夫は奥様より10歳以上年齢が上だったから、というのが理由ということです。

現在のコロナ禍で、奥様の認知症が進みました。コロナ禍以前からその兆候があったのかは分かりません。少なくとも日常生活には支障がなかったようです。車も運転していました。

「コロナ禍で、2か月位家から出なかったため、物忘れや転倒が多くなっている。もし、私が先に亡くなったとして大丈夫なのか?遺言を子供に渡すなどに書き換えた方が良いのか?」というような不安がありました。

任意後見契約は締結していません。

奥様の状態を聞いて、任意後見契約の締結が微妙な状態でありやるなら早めに締結した方が良いこと、任意後見契約が締結出来ない場合、法定後見人が就くことなどを説明しました。

遺言を書き換えるかは、任意後見契約が締結出来るか、公証人からの判断を待って考えても遅くはないことを説明しました。遺言は単独行為だからです。

民事信託については、相談者は興味があったようですが、今回は遺言と同様、任意後見契約が締結出来るのか、それからの話になるんじゃないかという説明をさせていただき、民事信託の仕組みの説明を簡単にしました。

奥様は、最近は家の近くを散歩していることを聴いて少し安心しました。2か月も家から出なかったら、やっぱり何らかの変化があって当然だよなぁと感じるとともに、難しい判断でもあるなと思いました。