令和3年12月14日(火)定例閣議案件
民法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(決定)
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2021/kakugi-2021121401.html
令和3年4月28日制定法律第24号)附則第3条
(遺産の分割に関する経過措置)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089_20230401_503AC0000000024
(遺産の分割に関する経過措置)
第三条 新民法第九百四条の三及び第九百八条第二項から第五項までの規定は、施行日前に相続が開始した遺産の分割についても、適用する。この場合において、新民法第九百四条の三第一号中「相続開始の時から十年を経過する前」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律(令和三年法律第二十四号)の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時まで」と、同条第二号中「十年の期間」とあるのは「十年の期間(相続開始の時から始まる十年の期間の満了後に民法等の一部を改正する法律の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から始まる五年の期間)」と、新民法第九百八条第二項ただし書、第三項ただし書、第四項ただし書及び第五項ただし書中「相続開始の時から十年」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時」とする。
法務省
「民法等一部改正法・相続土地国庫帰属法の概要」【令和4年11月28日掲載】
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
新民法第九百四条の三
(期間経過後の遺産の分割における相続分)
第九百四条の三 前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
第九百八条 1項略
2 共同相続人は、五年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割をしない旨の契約をすることができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。
3 前項の契約は、五年以内の期間を定めて更新することができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。
4 前条第二項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、五年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。
5 家庭裁判所は、五年以内の期間を定めて前項の期間を更新することができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。
相続開始時期
~2018(平成30)年3月末日
・・・2028(令和10)年3月末日までに
2018年(平成30)年4月1日~2023(令和5)年4月1日
・・・相続開始から10年経つまでに
2023年(令和5)年4月1日~
・・・相続開始から10年経つまでに
原則として、期間内にやること
・遺産の分割。
・遺産の分割の請求(遺産分割調停の申立てなど。)。
・具体的相続分による遺産分割を受ける利益が消える→法定相続分か指定相続分(遺言)による。
例外(引き続き具体的相続分により分割)
(1)10年経過前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき
(2)10年の期間満了前6か月以内に、遺産分割請求をすることができないやむを得ない事由(※)が相続人にあった場合において、当該事由消滅時から6か月経過前に、当該相続
人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき
※ 被相続人が遭難して死亡していたが、その事実が確認できず、遺産分割請求をすることができなかったなど。
参考
登記研究 890号 11頁 2022年4月30日 村松 秀樹:法務省民事局総務課長(前法務省民事局民事第二課長)、大谷 太:法務省大臣官房参事官、脇村 真治:法務省民事局参事官(前法務省民事局民事法制企画官)、川畑 憲司:東京地方検察庁検事(前法務省民事局付)、吉賀 朝哉:法務省民事局付、宮崎 文康:法務省民事局付、渡部 みどり:東京地方裁判所判事(前法務省民事局付)、小田 智典:弁護士(前法務省民事局付)、中丸 隆之:法務省民事局付、福田 宏晃:法務省民事局付 【論説・解説】 令和3年民法・不動産登記法等改正及び相続土地国庫帰属法の解説(5・完)
家事事件手続法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=423AC0000000052_20230401_503AC0000000024
(家事事件手続法の一部改正に伴う経過措置)
第七条 第四条の規定による改正後の家事事件手続法(以下この条において「新家事事件手続法」という。)第百九十九条第二項及び第二百七十三条第二項の規定は、施行日前に相続が開始した遺産の分割についても、適用する。この場合において、新家事事件手続法第百九十九条第二項中「十年を経過した後」とあるのは「十年を経過した後(相続開始の時から始まる十年の期間の満了後に民法等の一部を改正する法律(令和三年法律第二十四号)の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から五年を経過した後)」と、新家事事件手続法第二百七十三条第二項中「十年を経過した後」とあるのは「十年を経過した後(相続開始の時から始まる十年の期間の満了後に民法等の一部を改正する法律の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から五年を経過した後)」とする。
遺産共有と物権共有について
最高裁判所第二小法廷平成25年11月29日判決民集第67巻8号1736頁
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=83773
遺産分割前の遺産共有の状態にある共有持分(以下「遺産共有持分」といい
最高裁判所第三小法廷昭和30年5月31日判決民集第9巻6号793頁
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57406
裁判要旨
一 相続財産の共有は、民法改正の前後を通じ、民法二四九条以下に規定する「共有」とその性質を異にするものではない。
二 遺産の分割に関しては、民法二五六条以下の規定が適用せられる。