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案件番号300080275
結果の公示日2022年9月29日
提出意見数59
所管省庁法務省
番号
御意見の概要
御意見に対する考え方
1
政令案第1条関係
・政令案第1条のとおり規定することに賛成する。
・本政令案への賛同意見として承ります。
2
・承認申請は、申請人の予測可能性が担保されるよう、限定的かつ明確に規定する必要があると考えるため、賛成する。
・本政令案への賛同意見として承ります。
3
・承認申請ができない通路について、「現に」用途に供されている土地とすることに賛成する。
・本政令案への賛同意見として承ります。
4
・通路と崖は国で引き取ることができるようにすべきである。
・通路に関する御意見については、法律の規定についての内容であり本意見照会の対象外ではありますが、御意見として承ります。崖に関する御意見については、法第5条第1項第1号(政令案第3条第1項)の要件に該当しない崖であれば、国庫への帰属が承認される場合もあります。
5
・原野・山林などの一部に、現に通路に使用されている部分があることだけで、承認申請ができないとされることがないようにしてほしい。
・原野・山林にある道には様々なものが想定されますが、法律の趣旨に従って個別の事案ごとに通路の該当性が判断されることが想定されます。
6
・「現に通路の用に供されている土地」について、町村道、県道、国道の相互を繋ぐ『公衆用道路』は、積極的に国庫への帰属ができるようにするべきである。
・「現に通路の用に供されている土地」は、当該土地が公衆用道路であっても、国の管理又は処分に当たって、土地の使用者との調整が必要となり、過分の費用又は労力を要する土地であることから承認申請ができない土地に該当します。いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。
7
・政令案第2条第1号及び第4号の通路、水道用地、用悪水路について、現に当該用途に供されている土地と定めることに賛成する。同条第2号及び第3号の墓地及び境内地について、各法令に規定する土地と定めることに賛成する。
・本政令案への賛同意見として承ります。
8
・政令案第2条第2号及び第4号について、現にその用途に供されているか否かを判断基準としている点について賛成し、これに関連して法第5条第1項第2 号の不承認要件の適用判断においても、現に供されている用途に基づいて判断すべきである。
・本政令案への賛同意見として承ります。法第5条第1項第2号の不承認要件の適用判断については、本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の検討の参考とさせていただきます。
9
・政令案第2条第1号、第4号の「現に」の判定はどのように行うのか。とりわけ通路やため池は現地調査をしても外観だけではわからないのではないか。具体的な想定があれば公開すべきである。
・政令案第2条第1号及び第4号の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断を行うことを予定しています。
10
・境内地についても、現に境内地として使用されているものに限定すべきである。
・境内地は、宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号から第7号までに掲げるような宗教法人の目的のために必要な固有の土地をいい、基本的には宗教上の儀式行事のため(同条第4号)や庭園(同条第5号)などとして用いられている土地が想定されています。
11
・政令案第2条第4号のため池については、現に当該用途に供されている土地と定めることに賛成する。ただし、所有者以外の者による使用が予定されていないものは、本規律の対象外とすべきである。
・本政令案への賛同意見として承ります。なお、ため池については現に第三者がその土地を利用していない場合は、国庫帰属後も第三者による使用が予定されないため、政令案第2条第4号の要件に該当しないこととなります。
政令案第3条関係
12
・政令案第3条第1項の崖の基準は、傾斜地法で急傾斜地崩壊危険区域の基準の一つとなるものであり、妥当なものと考える。
・本政令案への賛同意見として承ります。
13
・崖の要件該当性はどのように判断するのか。現地確認では正確な状況を確認できるのか。具体的な想定があれば公開すべきである。
・崖の基準の該当性については、法第6条に規定する事実の調査によって、判断を行うことを予定しています。実際の審査における計測の方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
14
・崖の傾斜の具体的な計算方法を知りたい(崖が2筆以上にまたがる場合、階段となっている場合など)。
・崖の基準の該当性については、法第6条に規定する事実の調査によって、判断を行うことを予定しています。実際の審査における計測の方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
15
・崖地と併せて、平坦地を帰属させる場合には、 政令案は、崖の基準を明らかとするものであり、これに該当する一部に崖地を含んでいても、承認できるようにしてほしい。
・崖がある土地のうち、通常の管理に当たり過分な費用又は労力を要するものについて、承認することができないものとされています(法第5条第1項第 1 号)ので、同号の要件に該当しない崖であれば、国庫への帰属が承認される場合もあります。
16
・政令案第3条第2項各号の要件該当性はどのように判断するのか。公図を基礎に現地調査で判断するという理解でよいか。具体的な想定があれば公開すべきである。
・政令案第3条第2項各号の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断を行うことを予定しています。また、地図や地図に準ずる図面も、審査における資料として活用することを予定しています。要件該当性の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
17
・政令案第3条第2項各号の要件該当性はどのように判断するのか。公図を基礎に現地調査で判断するという理解でよいか。具体的な想定があれば公開すべきである。
・「民法第210条第1項に規定する他の土地に囲まれて公道に通じない土地」であったとしても、現に同条の規定による通行が妨げられていない場合は、政令案第3条第2項第1号には該当しないことから、本規定は公道に通じない土地を一律に承認対象から除外するものではありません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。
18
・政令案第3条第2項第2号の妨害の程度について、軽微であることはどのように判断されるのか。軽微なものを除くのではなく、本号本文において妨害の程度が重大であることを明示すべきではないか。
・所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている場合は、基本的には土地の通常の管理又は処分を阻害するものに該当すると考えられますが、妨害の程度が軽微なものについては、土地の通常の管理又は処分を阻害するものではないと考えられることから、軽微なものを除くこととしています。軽微であることの具体的な判断方法や例などについては、引き続き検討してまいります。
19
・政令案第3条第2項第2号について、相隣関係の規定の改正により、樹木の越境がある場合でも簡易迅速に問題が解消できることとなったことを踏まえ、ガイドライン等で「妨害」の中にこのように簡易に解消できる樹木の越境については含まないことを明確にしてほしい。
・簡易に解消できるような樹木の越境といったケースについては、個別の事案にもよりますが、妨害の程度が軽微なものに該当し、政令案第3条第2項第2号に基づく不承認事由には該当しないと考えられます。
20
・政令案第3条第3項第1号の「その他の土地の状況に起因する災害」とある部分について、「その他周辺土地の状況に起因する災害」という表記が分かりやすいと思う。
・政令案第3条第3項第1号の「その他の土地の状況」とは、周辺土地のみならず、申請対象土地において土砂の崩壊等が発生している場合も含めた状況を指すことから、原案どおりとさせていただきます。
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21
政令案第3条第2項第2号、第3項第1号及び同項第2号の各括弧書きにおいて、その程度が軽微なものを除く旨の規定がされることについて賛成する。
本政令案への賛同意見として承ります。
22
・政令案第3条第3項1号及び2号の軽微性はどのように判断されるのか。具体的な判断方法を規定すべきである。軽微なものを除くのではなく、第1号本文において重大な変更を加える措置であることを、第2号本文においてその程度が重大であることを明示すべきではないか。
・政令案第3条第3項第1号及び第2号の要件に規定する土地については、基本的には通常の管理又は処分に当たり過分の費用又は労力を要する土地に該当すると考えられますが、その程度が軽微なものについては、通常の管理又は処分に当たり過分の費用又は労力を要するものではなくなると考えられることから、軽微なものを除くこととしています。
23
・政令案第3条第3項各号の要件該当性をどのように判断するのか。とりわけ、申請者は申請時に各号への該当性をどのように確認すればよいか。審査手数料の無駄を避ける観点からも、判断基準・判断資料を通達等で明示するべきである。
・政令案第3条第3項各号の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定しています。要件該当性の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
24
・政令案第3条第3項2号の被害については、被害の生ずるおそれがあるものまで含めてしまうと、ほとんど全ての山林や原野などが対象になる可能性があるため、現に被害が生じている土地に限定すべきである。
・政令案第3条第2項第2号の「被害が生ずるおそれ」とは、具体的な危険性があることをいい、抽象的な危険性があるにすぎないものは含まれません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。
25
・政令案第3条第3項2号の要件については、土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるものを除くということはもちろん、相当程度重篤な被害の場合に適用するようにお願いしたい。
・運用に関する御意見として承ります。
26
・政令案第3条第3項第3号について、個人が所有する森林の場合、適切な造林や間伐、保育ができていないことが通常である。そもそも自治体において、市町村森林整備計画の内容が所有者に広報されていたのか、その実施促進の取組がなされていたのかという疑問がある。この要件についても、相当に柔軟な適用をする必要があると考える。
・運用に関する御意見として承ります。
27
・政令案第3条第3項第3号の森林について、追加的に造林、間伐又は保育を実施する必要があると認められるものであっても、地域の森林組合等が主体となって造林、間伐又は保育を無償で実施している森林などで、国にその負担が生じないものは、国庫帰属の対象とするべきである。
・帰属後の土地については国が管理することになるため、追加的に造林、間伐又は保育を実施する場合の費用は国が負担することになることから、政令案第3条第3項第3号の要件に該当することになると考えます。その場合、そのような森林を国庫帰属の対象とすることは困難と考えます。
28
・所有権を放棄したい森林とは、木材の搬出、製材の不採算性等による国内全体の林業の衰退により、管理が不十分または放棄された山林であることが多いものと想定され、このような状況で、政令案第3条第3項第3号をもって法第5条第1項第5号に該当することとしては、承認を過度に抑制しうるものであると考える。また、現状すでに十分な管理がされていない山林を民有林のままとすることは、さらなる放置により後年の土砂災害等を誘発する温床となりうる。したがって、政令案第3条第3項第3号を「市町村森林整備計画(中略)に掲げる事項に適合していないことにより、当該土地又は周辺の土地に存する人の生命若しくは身体、農作物、樹木、又は施設に被害が(現に)生じており、これを防止するため(直ち)に追加的に造林、間伐、保育又は被害の防除施設の設置を実施する必要があるもの」など限定的な表現とし、法務大臣による承認を緩和し、国有林としての管理を促進するよう改められたい。
・管理が不十分又は放棄された山林などについては、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要することとなり、承認することは困難であるため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。なお、所有者による経営管理が行われていない森林については、森林経営管理法(平成30年法律第35号)に基づき、市町村が所有者の意向を確認した上で、経営管理を行うことが必要かつ適当な森林を市町村が公的に管理する又は林業経営者に繋ぐ仕組みが措置されているところです。
29
・「適切な造林・間伐・保育」についての判断を明確にしてほしい。また、適切な造林・間伐・保育が実施されてこなかった山林においても、国庫帰属を行えるルールを新設してほしい。適切な造林・間伐・保育を行ってきた山林であれば、第三者への売却が可能であることから、特に今回の国庫帰属を検討すべき対象は「適切な造林・間伐・保育を行っていない山林」と考える。当該ケースを「帰属の承認ができない土地」とするのであれば、山林に関して結局のところ国庫帰属はほぼできない法律施行令案になっていると感じる。また、相続により山林を取得した場合、当該山林の場所すら分からないケースが多い。更に適切な造林・間伐・保育を過去に実施しているかなどは相続人が知りえない可能性が高い。相続人が地番以外の何も分からない場合、どういう事務処理となるのか、また、「適切な造林・間伐・保育」の実績を誰が確認・判断するのか、明確にしてほしい。
・適切な造林・間伐・保育を行っていない山林は、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要することとなり、承認をすることは困難であるため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。なお、所有者による経営管理が行われていない森林については、森林経営管理法(平成30年法律第35号)に基づき、市町村が所有者の意向を確認した上で、経営管理を行うことが必要かつ適当な森林を市町村が公的に管理する又は林業経営者に繋ぐ仕組みが措置されているところです。
また、山林を取得した相続人が当該山林の場所を把握していないような場合については、法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」に該当するものとして、承認申請ができない可能性があります。
・なお、要件の有無についての判断は、法務大臣において行いますが、政令案第3条第3項第3号の該当性を判断するに当たっては、法第6条に規定する事実の調査において林野庁に調査協力を依頼したり、法第7条に基づいて地方公共団体に資料の提供要求等をしたりすることを予定しています。
30
・政令案第3条第3項1号から3号までのような危険な土地こそ、国の管理において、災害の発生や人の生命若しくは身体又は財産に生ずる被害等の拡大又は発生の防止に努めるべきである。
・いただいた御意見については、今後の検討の参考とさせていただきます。
31
・政令案第3条第3項第4号は「国が通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務を負担することが確実と認められる土地」と定めているが、通常の管理に要する費用以外の費用があればわずかなものでも不承認事由になるとすれば、法第5条第5号が「過分」と規定していることから妥当とは言えないので、政令案第3条第3項第4号についても、過分な金銭債務を負担するものでないものは除くこととすべきではないか。「通常の管理に要する費用以外の費用(軽微なものを除く)」とするべきではないか。
・土地の管理については費用がかかるところ、通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務をさらに負担することは、それがわずかなものであっても、通常の管理に要する費用を上回る負担となり、過分な費用を要することとなると考えられるため、「(軽微なものを除く。)」といった適用除外規定を設けていません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。
32
・政令案第3条第3項第4号及び第5号の対象となる土地を例示的に列挙するなどして、国民が事前に予測できる程度に具体的に明示すべきである。
・要件該当性の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
33
・別荘地等の民間の管理費等の金銭債務の負担のある土地については、その実際の管理状況を踏まえて判断すべきである。管理費等を要する別荘地等であることをもって直ちに政令案第3条第3項第4号や第5号の不承認事由になるわけではないという理解でよいか。
・管理費等を要する別荘地であることをもって、直ちに政令案第3条第3項第4号や第5号の不承認事由に該当するものではないと考えます。その上で、法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由に照らして、承認の可否が判断されることとなります。
34
・政令案第3条第3項第5号に「国が法令の規定により当該金銭債務を承継することとなるもの」とあるが、これは法第5条第5号の具体化と言えないのではないか。また、仮に具体化であるとした場合は、法律同号に「過分」とあることから、政令案第3条第3項第4号についても、過分な金銭債務を負担するものでないものは除くこととすべきではないか。「当該金銭債務(金銭債務の額が軽微なものを除く)」とするべきではないか。
・土地の管理については費用がかかるところ、国が法令の規定により承継した金銭債務をさらに負担することは、それがわずかなものであっても、通常の管理に要する費用を上回る負担となり、過分な費用を要することとなると考えられるため、「(軽微なものを除く。)」といった適用除外規定を設けていません。そのため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。
35
・土地改良区内の農地(賦課金がないもの)は、その点をもって直ちに政令案第3条第3項第4号の不承認事由にならないという理解でよいか。
・御理解のとおりです。
36
・土地改良区内の農地で賦課金の支払が近い将来必要となる土地は政令案第3条第3項第4号に該当するという理解でよいか。土地改良区内の農地で賦課金の支払が現に必要な土地は政令案第3条第3項第5号に該当するという理解でよいか。
・御理解のとおりです。
37
・土地改良区の賦課金がかかるとしても、弁済後は、本件制度が利用できるようにしてほしい。また、一時的債務があったとしても、弁済後は、本件制度が利用できるようにしてほしい。
・土地改良区の賦課金が発生する土地であっても、国庫への帰属申請前にこれらの金銭債務が弁済されている場合は、政令案第3条第3項第5号には該当しないものと判断されます。
38
・仮差押、仮処分、仮登記、買戻特約、譲渡担保権設定登記等の甲区に特殊な登記がある土地を法第5条第1項第4号の対象とする必要はないか。
・御指摘のような土地については、法第2条第3項第2号や政令案第3条第2項第2号に該当し得るものと考えられます。
39
・農用地土壌汚染防止法上の農用地土壌汚染対策地域内の農地を法第5条第1項第5号の対象とする必要はないか。
・農用地土壌汚染防止法上の農用地土壌汚染対策地域内の農地は、国による通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地ではないことから、特に必要はないと考えます。
40
・「その他の通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地」について、登記簿上の「原野」のうちどのような状態のものが該当するのか、判断基準を示していただきたい。
・「その他の通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地」としてどのような土地が該当するかについては、政令案3条第3項各号に規定しています。この基準は、登記記録上の地目が「原野」であるか否かによって変わるものではありません。
政令案第4条関係
41
・政令案第4条第1項第1号の「直ちに建物の敷地の用に供することができると認められる土地」は、建築ができる土地(建築基準法上の道路に接し、間口が2m以上ある土地)をいうのか。宅地に建物がない場合は、「雑種地」となるのではないか。
・政令案第4条第1項第1号における宅地である「直ちに建物の敷地の用に供することができると認められる土地」の該当性については、登記記録上の地目だけでなく、その現況及び従前の使用状況に照らして判断することを想定しています。
42
・政令案第4条第1項第2号の「主に農地として利用されている土地」とは現に耕作されている農地を指すという理解でよいか。相続したが耕作や草刈り等の管理を行っていない農地はここに該当しないという理解でよいか。
・政令案第4条第1項第2号の「主に農地として利用されている土地」の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定していますが、必ずしも現に耕作されている農地に限定するものではありません。
43
・政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」とは地目にかかわらず、現況で判断するという理解でよいか。また、相続人が管理を行っておらず、森林として利用していない山林は含まれないという理解でよいか。
・政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定しています。相続人が管理を行っていない山林についても、調査等の結果、政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」に該当する可能性もあります。
44
・1筆複数地目がある場合の地目区分はどうなるのか。また、面積について、登記面積と現況面積が異なる場合、どうするのか。地積測量図の作成時期により精度が異なるのであるが、現地復元性が乏しい地積測量図でも面積として認めるのか。
・具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
45
・政令案の負担金算定表による負担金額は、相当であり、費用面では利用しやすいと評価できる。その一方で、必ずしも要件を充足しない申請案件が急増し、人員不足等により、真に国庫帰属されるべき土地の要件審査等の手続が遅延しないか懸念される。手続を担当する職員等の体制整備も急務であろう。
・本政令案への賛同意見として承ります。また、本意見照会の対象外ではありますが、土地の要件審査等の手続を担当する職員等の体制整備についても、引き続き検討してまいります。
46
・負担金額をさらに減額すべきである。
・政令案における負担金額は、法律の規定に基づき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して規定したものであり、原案どおりとさせていただきます。
47
・負担金については上限を設ける等の措置を講ずるべきである。
・政令案における負担金額は、法律の規定に基づき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して規定したものであり、上限を設けることは適当でないため、原案どおりとさせていただきます。
48
・土地の評価額に応じた負担金額の設定とすべきではないか。
・負担金額の算定は、土地の種目や地域の性質に応じてそれぞれ管理に要する標準的費用を踏まえたものとなっており、当該管理に要する費用は土地の評価額に応じて上下するものではないため、原案どおりとさせていただきます。
49
・政令案第4条第1項第4号も一律20万円ではなく、面積に応じた負担金額の設定とすべきではないか。
・政令案第4条第1項第4号に該当する粗放的管理行為で足りる土地の場合、標準的な管理行為は巡回であり、当該管理に要する費用は面積に応じて上下するものではないため、原案どおりとさせていただきます。
50
・市街化区域や用途地域内、農用地区域内の土地がその他の土地より負担金を高く設定されていることに消極である。帰属後の土地の売却等を考えると指定区域内の土地の方が需要があり、売却しやすく、早めの処分が可能である。過疎地域の指定区域外の土地は、ほとんど利用価値がなく、その管理が半永久的に続き、管理費用が嵩むと考える。
・市街化区域や用途地域、農用地区域内に存する土地は、それらの指定区域の性質に鑑み、周辺住民の生活環境に支障を生じさせないようにする要請等が強いことから、これらの指定区域以外の土地と異なり、草刈りなどの管理行為が必要となります。そのため、これらの管理に要する費用として、国有地の管理に要する標準的な費用等を踏まえ、地積の区分に応じて負担金の額を算定しています。
51
・農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域内及び土地改良法第2条第2項に規定する土地改良事業などの区域内の農地の負担金については、政令案第4条第1項第3号又は第4号の負担金と同程度とするべきである。
・農用地区域内や土地改良事業の施行区域内に存する土地は、良好な営農条件を備えた優良農地が周辺に存するために病害虫の発生等による周辺農地の営農条件に支障が生じないよう細心の注意を払うことを要する区域であることから、これらの指定区域以外の土地と異なり、草刈りなどの管理行為が必要となります。そのため、これらの管理に要する費用として、国有地の管理に要する標準的な費用等を踏まえ、地積の区分に応じて負担金の額を算定しています。
52
・管理費については仕方のない面はあるとは思うが、所有者不明土地問題の解決という問題の解決を考えるなら、申請人の資力や年齢、法定相続人の関係による負担の軽減や、そもそもの要件の緩和などが必要であると思う。
・負担金の納付については、賛同意見として承ります。その他の御意見については、今後の参考とさせていただきます。
53
・国が行う管理内容の明示がないため、負担金の額の多寡については、判断できない。耕作放棄地や原野化した空き家除却後の跡地のような更地であれば、年2回程度の草刈りは最低限必要と思われるが、概ね10年の管理費用としては、不足を生ずるのではないか。土地評価額に着目せず管理費用を設定したことは、国民に分かりやすく評価できるが、一律費用を20万円よりも高額に設定したうえで、換価価値に応じ負担軽減を図る仕組みとした方が、利用者の納得性を得られるのではないか。この制度により国庫帰属する土地は、基本的に利用の需要が低く、国が永続的に管理しなければならないものが想定されています。他方、承認を受けた者は、国庫帰属がなければ負担すべきであった土地の管理費を免れることができることになります。このような構造に鑑みれば、負担金を求める年数については、数十年とすることも考えられますが、それでは制度自体が利用されない懸念があるため、国の負担を軽減させつつ、承認を受けた者の負担を適正な程度とする趣旨から、10年分とされたものです。
・負担金額の算定は、土地の種目や指定地域の性質に応じてそれぞれ管理に要する標準的費用を踏まえたものとなっており、当該管理に要する費用は土地の換価価値に応じて上下するものではないため、原案どおりとさせていただきます。
54
・表示登記の変更は、所有者申請により簡易に変更可能なため、相続前に手続きし、負担金の軽減を図ることが推察される。宅地から雑種地へ、田・畑から原野への変更が容易なため、市街化区域又は農用地区域内の加算については、雑種地・原野についても適用すべきではないか。
・負担金算定に当たっての種目の判断は、登記記録上の地目のみで判断されるものではありません。市街化区域又は農用地区域内の雑種地・原野について、同区域内の宅地等と同様に草刈り等が必要な場合もあり得ますが、円滑な制度運営の観点から可能な限り定型的で簡明な算定方法とするため、一律20万円としたところです。
55
・申請者が市街化区域に該当するか、土地改良区に該当するか等を調査することは相応に煩雑さが伴うことが予想されるため、一般的な照会方法やチェックリストを整理し、法務局にて公開・備置するべきである。
・いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。
政令案第5条関係
56
・隣接する2筆以上の土地については軽減のため申請金が軽減される仕組みとなっているが、隣接土地以外も同じ地名の地域であれば良いとするといったような柔軟な方法を検討してほしい。
・いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。
57
・隣接する二筆以上の承認申請において、土地の所有者が異なる場合も含め、二筆以上の承認申請に係る土地を一筆の承認申請に係る土地とみなして負担金を算定するべき旨の申出ができるとすることに賛成する。本規律の申出の終期については、法務大臣による承認又は不承認、若しくは却下の時とすべきである。また、撤回についても同様とすべきである。
・本政令案への賛同意見として承ります。なお、政令案第5条第1項の申出は、法務大臣による承認又は不承認、若しくは却下の時まで可能であり、申出の撤回についても同様と考えています。
58
・政令案第5条第2項の共同申請の場合、審査手数料は1申請分になるのか。
・本意見照会の対象外ではありますが、共同申請の場合の審査手数料は、引き続き検討を行ってまいります。
その他
59
・隣接する二筆以上の承認申請において、土地の主な利用状況が一団であると評価しうる場合には、法第2条第3項各号及び法第5条第1項各号の土地の該当性については、隣接する二筆以上の土地を、一筆の土地とみなして判断すべき旨の承認申請ができるようすべきである。
・一筆の土地とみなすことによって、本来であれば承認可能な土地が、他の土地に問題があるために承認できなくなることも考えられるため、御提案については慎重な検討が必要と考えます。
60
・いわゆる原野商法により不自然に細分化された山林等については、その点をもって直ちに却下・不承認事由にならないという理解でよいか。
・御理解のとおりです。
61
・土地の国庫帰属の申請権者は相続人に限る必要はなく、相続開始前であっても、被相続人が申請を行うことができるとすべきである。相続人が承継したがらない不動産を相続財産から除外できるようにすることにより、相続手続の予見性を高めることができる。遺留分侵害その他相続人の権利を害する事例への配慮は、推定相続人全員の同意を必要とする等の措置が考えられる。
・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、今後の参考とさせていただきます。
62
・国庫に帰属された土地はどのように処理されていくのか。負担金は必要だと思うが、その土地の活用を十分に行えば負担以上に収益も見込めると思う。最低限の管理でなく、資産として活用できる体制の整備も求める。
・本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。
63
・国庫に帰属した後、農地の管理管轄はどこになるのか。帰属後の農地が外国資本に渡ったり、太陽光パネルが立てられたりすることがないようにしてほしい。
・本意見照会の対象外ではありますが、国庫に帰属した農地の管理管轄は農林水産大臣となります。
64
・法第2条第3項各号の承認申請ができない事由に該当するもの以外ならば、千差万別の土地形態や位置の土地の申請が予測される。この時をチャンスと捉え、多くの業者(中には悪徳業者と言われるものまで)が困った相続人達を目当てに営業をかけてくることが既にみられるところである。新たな被害者を出さない施策が必要と考える。対処案としては、かつて土地を先行取得した土地開発公社のような公的専門機関を国土交通省と協力して窓口、ないしは管理者とし、その仲介者はこの法律の国家資格のある専門業者に当たらせ、土地の管理をすべきとすることである。現在でも森林の価値が見直され、全国的に多くの業者が取得に走っている。この中で最も危惧されるのが外国人(当初は日本人が取得)投資家等の行動である。外国の所有者が多くなるのは時代の趨勢だが、所有者不明予備軍でもあり、国土保全、領土の安全保障問題にもなりかねず、既に地域的にはいわゆる風紀問題も起こっており、将来のために秩序ある土地管理が国の手で導かれるよう期待する。
・意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。
65
・要件さえ満たせば国は必ず引き取ってくれるのであるから、相続した土地の管理に手が回らず、土地を所有していることに負担を感じ、お金を払ってでも、その“いらない土地”を手放したいと考えている方にとって、いらない土地・希望した土地だけを国に引き取ってもらえることを含め、ニーズに応える制度だと思う。
・本制度への賛同意見として承ります。
66
・要件審査・承認に先立ち、法務局による実地調査があると予測される。この調査費用を手数料名目で申請者に負担させるのは適切ではない。申請手数料は定額かつ低廉にしてほしい。利用者負担という面もあるとは思うが、この制度を利用するほとんどの人が、税金を払うのに困っている人たちであると思うので、そのあたりを十分考慮しなければ、国の制度としては欠陥ということになると思う。
・本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、申請手数料の検討に当たって参考とさせていただきます。
67
・国が申請を却下・不承認とできる期間を限定し、その期間内に当該処分がなされない場合は、自動的に承認されたものとみなされる(それ以前に承認することも可能)というものにすべきである。相続人が相続放棄・限定承認をしようとする場合、原則として相続を知ってから3か月以内に家庭裁判所への申述をしなければならない。国庫帰属の申請が却下、不承認とされるリスクがいつまでも残ると、相続人が相続放棄・限定承認の判断をすることが難しくなるケースも考えられる。
・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、可能な限り早期に処理ができるよう、検討してまいります。
68
・政令案第3条に規定されている土地はいわば売却が困難な土地である。売却不可能な土地にこそ、この制度を使えるようにすべきである。法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、いただいた御意見については、今後の検討の参考とさせていただきます。
69
・法第2条第3項第1号の「建物の存する土地」について、空き家が存在する場合、一律に本制度の利用ができないこととするのではなく、空き家の規模・状態・解体費用の多寡によっては、費用を予納すること等により、本制度を利用できるようにしてほしい。
・建物があっても土地の利活用の余地が少しでもあるものであれば承認され得るように、例外規定又は建物が存する土地の中である範囲のものとの条件を付した規定を加えるべきと考える。法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、今後の検討の参考とさせていただきます。
70
・法第2条第3項第2号の「担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地」について、相続した送電線下の土地の地役権については、権利や実物の撤去の難しさ、そのインフラとしての有用性、土地を国が所有・利用する際、現状変更や特段の金銭負担がないことなどを考慮して、実情に応じ、国庫帰属制度の申請を認める検討をお願いしたい。
・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
71
・法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」について、隣地所有者との境界確認書を必要とせず、境界について具体的争いがない場合には国庫帰属を可能としてほしい。政令案において具体的要件を明確にしてほしい。
・本意見照会の対象外ではありますが、「境界が明らかでない土地」の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
72
・法第2条第3項各号及び法第5条第1項各号がどのようなものを指すのか、基準を明らかにするか、それが困難な場合には、事案の例を示すなどして、明確にしてほしい。
・本意見照会の対象外ではありますが、具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
73
・当該制度は、不動産の処分に困っている方には、大変ありがたい制度である。法第2条第3項第1号の「建物の存する土地」については、建物がある場合、全て解体し更地にすれば承認されるということで間違いないか。法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地」については、専門家を交え、境界線確定が完了していれば、承認されるということで間違いないか。
・本制度への賛同意見として承ります。なお、本意見照会の対象外ではありますが、法第2条第3項第1号の「建物の存する土地」については、当該建物が解体され更地になった場合、その他の法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由に該当しないと判断されれば、帰属が承認されることとなります。また、法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」の具体的な判断方法やその周知方法については、引き続き検討してまいります。
74
・事前に国庫帰属ができるかどうかはっきりさせる仕組みにしてほしい。
・本意見照会の対象外ではありますが、個別の事案における法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由の有無について、可能な範囲で事前に確認することができるようにするための相談窓口を設置することを予定しています。
75
・省令及び通達を定めるにあたっては、司法書士等の実務専門家の意見を取り入れた上で、早期にその内容を定めていただくよう求める。
・本意見照会の対象外ではありますが、具体的な運用の検討に当たっては、広く国民の皆様の意見を聞きながら検討を進めてまいります。
76
・申請手続代理を行うことができる士業の範囲を示されたい。
・本意見照会の対象外ではありますが、申請代理に関する考え方とその周知方法については、引き続き検討してまいります。
77
・本制度の利用の要件や手続について、国民に分かりやすく広報することは極めて重要であるから、要件や手続について法令の内容を具体化したガイドラインを作成するとともに、具体的事案や申請方法を例示したパンフレットなどを作成して広報してほしい。
加えて、自治体関係者の理解を深めるために、自治体が取得を希望した場合には負担金がかからない点なども含めて、本制度を利用するための要件や手続について、自治体関係者向けの説明資料を作成して公表してほしい。
・本意見照会の対象外ではありますが、本制度を国民に皆様に広く理解・活用していただけるよう、地方公共団体や関係団体も含めた効果的な周知・広報の対応について、引き続き検討してまいります。
78
・相続人が複数存在し、その一部に行方不明者がいる場合、所在等不明共有者の持分取得制度を利用するなどして行方不明者の持分を取得することにより、共有者全員(所在等判明者全員)が共同して申請することにより、本制度を利用できることを広報してほしい。
・本意見照会の対象外ではありますが、本制度を国民の皆様に広く理解・活用していただけるよう、所在等不明共有者の持分取得制度を併せて利用できることも含め、効果的な周知・広報の対応について、引き続き検討してまいります。
80
・相続放棄の方法がある以上、負担金を高くしたり、要件を厳しくしても意味がなく、かえって長期間にわたり不動産の効率的な利用を阻害したり、登記懈怠や事実上の所有権放棄の事例を生み出すおそれがある。不動産の国庫帰属へのハードルを低くしつつ、国庫に帰属した不動産に関する情報を公開し、それら不動産を集約して再開発することについて民間企業が提案、参画できる制度をつくることにより、新規ビジネスの創設や土地の効率利用を促すことができる。
・法律の規定についての御意見であり、本意見照会の対象外ではありますが、今後の運用の参考とさせていただきます。
81
・申請された物件を民間の希望者が取得できるよう情報公開の仕組みを整備するべきである。
・本意見照会の対象外ではありますが、今後の運用の検討に当たって参考とさせていただきます。
22021209追記
月刊 登記情報
2022年12月1日号(733号)
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令の解説
法務省民事局付 森下宏輝
法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗
法務省民事局民事第二課法務専門官 手塚久美子
法務省民事局民事第二課法務専門官 河瀬貴之
法務省民事局民事第二課不動産登記第三係長 清水玖美