使命を明らかにする規定の新設と民事信託業務について

2020年1月号の「登記研究」No.863の記事
法務省民事局二課長・村松秀樹
法務省民事局付兼登記所適正配置対策室長 竹下慶
法務省民事局付 中村隆之

「司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律の解説」(P23)
の中に、次のように記載されています。

―「使命を明らかにする規定の新設」の項で、改正法は、司法書士がその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする旨の規定を新設していることの意義について、「現行の社会経済情勢の変化を背景に、司法書士は、登記・供託や訴訟の分野にとどまらず、成年後見業務、財産管理業務、民事信託業務等を担う場面も大きく増加しており、司法書士がその専門性を発揮する場面は著しく拡大してきている。」―

この記載をもって、民事局においても「民事信託業務」を認知した、と考えて良いのでしょうか。司法書士が民事信託業務を行う根拠となる、と考えて良いのでしょうか。

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下の理由から、違うと思います。
1、 民事信託業務の定義がされていないこと。
2、 P23(注2)に「当然のことながら、今般の使命に関する規定の創設は、司法書士法に基づいて定められる司法書士の業務の範囲に影響を及ぼすものではない(司法書士法第3条参照)」と記載されていること。
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追記
参考
渋谷陽一郎「国民の権利擁護の使命に照らした民事信託の支援に向けて(4)」(市民と法122)民事法研究会