中国相続法現地セミナー


ICD NEWS 第57号より(2013)

中国
・中国相続法は、1985年制定。最近相続に関する紛争が多くなっている。

・「後位相続」 日本でいう後継ぎ遺贈に近く、自身の死後、相続する人を次の次まで指定することができ、ニーズが高い。社会資源を合理的に配置すること、遺言者の遺言事由を尊重することなどが目的となる。
 ただし、明文の規定は存在しない。実務では既に多数行われているものとして、その立法化が検討されている。

日本
・2013年7月1日から、東京、大阪などの一部地域で、日本公証人連合会は、公正証書の原本の電磁的記録を原本とは別に保管することになった。

・「e遺言」 というものがあるらしいです。初めて知りました。遺言の付言事項を補う効果のみですが、社会的なニーズは高いようです。


・遺言信託、遺言代用信託、後継ぎ遺贈型受益者連続信託についても中国への紹介がありました。

株主総会議事録の保存期間

 

 商工会からの紹介で、ある株式会社の監査役の重任(再任)の登記依頼をいただきました。
株式会社では、監査役を置くことができ、業務や会計の監査を行う仕事をします。
監査役は、株主総会で選任することができ、株主総会を開いて「この人を監査役にします」という決議と、「私は監査役に就任することを承諾します。」就任承諾で会社の監査役になります。監査役に就任すると、たとえ再任でも原則として2週間以内に登記を申請する必要があります。今回は、その登記申請のお手伝いをさせていただきました。

 登記が完了し、株主総会議事録と登記が完了した後の会社の登記事項証明書を返却しに行きました。その際、社長が「10年間保存しておかないと。」と私に言っているような独り言のような声で話されました。
 株主総会を開くと、議事録を作成しなければならず、10年間の保存義務があります(会社法318条2項)。私は司法書士になってから、会社の方から10年間の保存という言葉を初めて聞きました。その会社は、決して規模は大きくありませんが創立35年を迎えます。

最初に会社印を押す。

以前から顔見知りだった方より、株式会社の設立登記申請の依頼を受けました。

この方は、建設業関係でずっと個人事業主だったのですが、今回法人を設立し、数年後には、息子さんを代表取締役にする予定だそうです。

打ち合わせも終わり、数日後、登記に必要な書類に個人の実印や新しく設立する会社の届出印を押してもらいにその方の事務所へ伺いました。

「印鑑は宮城さん押して。」と言われ、書類の説明と確認をしながら私が押していました。「会社の印鑑も最初に僕が押していいんですか?」と聞くと、んっという雰囲気になり考え込みました。横から息子さんが「考え出すと眠れなくなるよ」とおっしゃり、最初に会社の印鑑を使用するのは依頼者になりました。

設立後、息子さんから少し話を聞くと個人事業主と法人では業界内で少し違うとのこと。先日の運転中、道路上で工事をしているのをみると、(株)のついた私の依頼者の会社の看板がありました。

同じ会社の名前

 以前、株式会社の設立登記の依頼を受けた時のこと。依頼者は私よりも若い30代の方です。設立登記の前に、定款を作成して、公証人役場に送り、公証人の認証を得る必要があります。そこで、公証人役場へ定款を送信しました。

 数十分後、公証人役場から電話がきて、「2ヶ月前にも認証しましたか?」と聞かれました。

宮城「いいえ、していないです。」

公証人役場の職員「2ヶ月前に同じ商号(会社の名前)で定款の認証がありましたよ。今は本店所在地が違っていれば大丈夫なんですよね。」

会社法、不正競争防止法の検討は必要ですが、原則として本店所在地が違っていたら定款認証、設立登記とも無事に終わります。定款の認証後、必要な書類に印鑑を押してもらうため、依頼者と会いました。その際、「同じ会社の名前がもう既にあるみたいですよ。」と公証人役場での経緯を話してみました。

依頼者「ほんとですか。誰にも言わないでおこう。みんなテンション下がるから」とおっしゃいました。

(会社法8条、30条、978条。不正競争防止法4条)

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