デジタル化と司法書士

九州ブロック司法書士会協議会令和3年度会員研修会

〔講演第1部〕デジタル化で司法書士は生き残れるか

九州大学大学院法学研究院教授   七戸克彦 令和3年9月4日

1. 平成期の「司法書士の危機」 ワープロの登場。東芝。

1-1. 平成14年:簡裁代理権

1-2. 平成16年:現行不動産登記法制定

1-3. 平成19年:長瀬訓令(業務停止2年 有期懲戒の最長)

1-4. 平成28年:債務整理最高裁判決

1-5. 令和 2 年:調査説明義務最高裁判決

1-5. 従来の判例理論

(1)調査確認義務(原則と3つの例外)

・【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・【例外】①登記申請の委任者から関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合、②司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、③登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性があるにもかかわらず追加的な調査・確認を行わなかった場合

(2)説明(助言・警告・注意喚起)義務

・委任者以外の第三者との関係では説明義務は負わない。

1-5.令和2年最高裁判決

最(2小)判令和2・3・6民集74巻3号149頁

・A→B→X→Cの物権変動のうち、A→B登記の前件申請を弁護士D、B→C登記(中間省略登記)の後件申請を司法書士Yが受任したが、前件取引がAの成りすましによる不動産詐欺であったことから、無効となったB→(X)→Cの後件取引の中間者XがYに対して不法行為責任(説明(警告)義務違反)を追求した事案。

1-5. 令和2年最高裁判決【判旨①】

・ 登記申請等の委任を受けた司法書士は、その委任者との関係において、当該委任に基づき、当該登記申請に用いるべき書面相互の整合性を形式的に確認するなどの義務を負うのみならず、当該登記申請に係る登記が不動産に関する実体的権利に合致したものとなるよう、上記の確認等の過程において、当該登記申請がその申請人となるべき者以外の者による申請であること等を疑うべき相当な事由が存在する場合には、上記事由についての注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務を負うことがあるものと解される。

1-5. 令和2年最高裁判決【判旨②】

・ 登記申請の委任を受けた司法書士は、委任者以外の第三者が当該登記に係る権利の得喪又は移転について重要かつ客観的な利害を有し、このことが当該司法書士に認識可能な場合において、当該第三者が当該司法書士から一定の注意喚起等を受けられるという正当な期待を有しているときは、当該第三者に対しても、上記のような注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務を負い、これを果たさなければ不法行為法上の責任を問われることがあるというべきである。

2. 電子契約と司法書士

・ 不動産取引が〈電子契約〉化した場合、司法書士の①書類確認と、②契約締結および決済への立会業務(いわゆる前段業務)は、どのように変化するのか?

・最(2小)判令和2・3・6民集74巻3号149頁が電子契約だった場合、どのようになるのか。

2-2. 電子署名及び認証業務に関する法律

(定義)第2条〔第1項〕この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。〔「本人性」要件〕

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。〔「非改ざん性」要件〕

2-2.電子署名及び認証業務に関する法律

第2章 電磁的記録の真正な成立の推定

第3条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

民事訴訟法と対応

民事訴訟法228条4項 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正なものと推定する。

2-3. 印判の由来

・日本の印判の歴史には3つの系統がある。

1 封印・封字の系譜

福岡市博物館 金印

http://museum.city.fukuoka.jp/gold/

外務省 わかる国際情勢

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol12/index.html

(2)公印・職印の系譜

宮内庁 御璽・国璽

https://www.kunaicho.go.jp/about/seido/seido09.html

一家に一本、ネジザウルス!をめざす社長ブログ 

http://blog.livedoor.jp/engineerjpmaster/

(3)印鑑の系譜

踏む(押す)という所作

長崎 踏み絵 聖パウロ女子修道会(女子パウロ会)

https://www.pauline.or.jp/historyofchurches/history05.php

平戸松浦家の名宝と禁教政策―投影された大航海時代―

http://www.seinan-gu.ac.jp/museum/wp-content/uploads/2014/12/pr-2013hirado.pdf

新潟県 三行半

新潟日報 貞心尼に新説 実像に迫る

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210830638771.html

国税庁 地券

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/tokubetsu/h15shiryoukan/a.htm

(電子署名)

第12条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第1項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。

2 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

3. 電子署名・電子証明書と登記業務

3-1. 不動産登記令(平成16年政令第379号)

第14条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合において、電子署名が行われている情報を送信するときは、電子証明書(電子署名を行った者を確認するために用いられる事項が当該者に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録をいう。)であって法務省令で定めるものを併せて送信しなければならない。

3-2. 署名→電子署名、押印→電子証明書

4. 不登法の真実性担保手段の欠陥

4-1. 他部局・他府省の保有する情報(戸籍・住民票・不動産課税台帳等)との連携が取れていないこと

4-2. 添付情報(とくに登記原因証明情報)に関する実質的審査が行われていないこと

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

(情報の提供の求め)第151条 登記官は、職権による登記をし、又は第14条第1項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。

令和3年改正不動産登記法151条(新設)

(所有権の登記名義人についての符号の表示)

第七十六条の四 登記官は、所有権の登記名義人(法務省令で定めるものに限る。)が権利能力を有しないこととなったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、当該所有権の登記名義人についてその旨を示す符号を表示することができる。

自然人を想定(法人はGビズID)。権利能力を有しないこととなった、は遺族感情を踏まえての表現。職権。条文上は、書面でも電子情報でも。要綱では、電子情報が予定されている。「検索」の記載有。

https://www.moj.go.jp/content/001340751.pdf

マイナンバーカードではなくて、住民基本台帳ネットワークを利用する理由。

戸籍法部会資料 戸籍事務へのマイナンバー制度導入のための主な検討事項

https://www.moj.go.jp/content/001340751.pdf

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

第3 登記所が他の公的機関から所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するための仕組み

相続の発生や氏名又は名称及び住所の変更を不動産登記に反映させるための方策を採る前提として、登記所が住民基本台帳ネットワークシステムから所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するため、次のような仕組みを設けるものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

① 自然人である所有権の登記名義人は、登記官に対し、自らが所有権の登記名義人として記録されている不動産について、氏名及び住所の情報に加えて、生年月日等の情報(検索用情報)(注)を提供するものとする。この場合において、検索用情報は登記記録上に公示せず、登記所内部において保有するデータとして扱うものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

② 登記官は、氏名、住所及び検索用情報を検索キーとして、住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会を行うなどして自然人である登記名義人の死亡の事実や氏名又は名称及び住所の変更の事実を把握するものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

(注) 上記の新たな仕組みに係る規定の施行後においては、新たに所有権の登記名義人となる者は、その登記申請の際に、検索用情報の提供を必ず行うものとする。当該規定の施行前に既に所有権の登記名義人となっている者について

は、その不動産の特定に必要な情報、自己が当該不動産の登記名義人であることを証する情報及び検索用情報の内容を証する情報とともに、検索用情報の提供を任意に行うことができるものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

* 判例の【原則】と【3つの例外】は、電子契約の場合には、どのようになるか?

・【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・【例外】①関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合、②司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、③登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性がある場合

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・ 電子契約では、関係書類はすべて電子情報になっている。

・ 電子契約の関係書類(情報)の「適式性」審査の具体的内容は、どのようなものになるのか?

デジタルによる本人確認方法や電子署名の方法について、対面でアドバイスを行い仕事にする方法の可能性。

参考

2020年12月電子契約・電子署名の活用に関する諸問題(契約実践編)

法人間で締結される電子契約の証拠力を中心に

弁護士 宮川 賢司 / 弁護士 西 愛礼 / 弁護士 辻 勝吾/弁護士 望月 亮佑 / 弁護士 一圓 健太

https://www.amt-law.com/asset/pdf/bulletins14_pdf/201130.pdf

・ 電子契約の場合の〈本人確認〉は、どのような方法になるのか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外①】関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合には、調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)が加重される。

・ 電子契約の締結ならびに決済への〈立会業務〉の具体的な内容は、どのようなものになるのか?

e-KYCについて

平成30年11月30日金融庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」の公表について

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20181130/20181130.html

・ 電子契約・決済への立会を依頼された司法書士が負う加重的な調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)の具体的内容は、どのようなものか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外②】司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、司法書士は債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

電子契約の場合に、却下事由の存在に関する〈悪意〉あるいは〈過失〉とは、具体的にはどのようなものになるのか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外③】登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性がある場合には、調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)が加重される。

・ 電子契約の場合に、ⓐ本人性あるいはⓑ情報の偽造につき〈疑念性がある場合〉とは、具体的にはどのようなものになるのか?

5. 電子契約と司法書士

「第3部 パネルディスカッション」に向けて――

・ 不動産取引が〈電子契約〉化した場合、司法書士には、①電子契約の有効性確認のスキルが必要となる一方、②対面での本人確認・意思確認ができなくなる時代が来る。

DX不動産推進協会

https://www.dxppa.or.jp/

(所有不動産記録証明書の交付等)

改正不動産登記法第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。

2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。

3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。

4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。

→相続人申告登記と、一部遺産分割(例えば、10筆あるうちの宅地のみ行えば、相続登記の義務化は免れれる。)を行って相続登記義務化を免れることが可能?

信託を用いた高齢者による金融商品の運用

会報信託[1]の記事、三井住友信託銀行法務部加賀田俊将「信託を用いた高齢者による金融商品の運用」から考えてみたいと思います。

安心サポート信託<ファンドラップ型>

https://www.smtb.jp/personal/entrustment/civil

ファンドラップ?

・・・投資対象が投資信託に限定されている「ラップ口座」のこと。ラップ口座とは金融機関と投資一任契約を結び、金融商品への投資を金融機関に一任する取引口座、ひいてはそのサービス自体を指す。投資対象が投資信託に限定されていないラップ口座では、有価証券など(株や債券、投資信託)に対して投資が行われる。

ラップ口座?

・・・金融機関と投資一任契約を結び、金融商品への投資を金融機関に一任する取引口座、ひいてはそのサービス自体のこと。最低預け入れ金額は金融機関によって異なる。

(一社)投資信託協会 用語集

https://www.toushin.or.jp/words/keyword/2611/

投資一任契約?

・・・投資運用業者が金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて投資者の財産を有価証券等に対する投資により運用する。

(一社)日本投資顧問業協会 投資運用業および投資助言・代理業入門

https://www.jiaa.or.jp/komon/

一般社団法人 安心サポートセンター

https://www.annshinn-sc.jp/

 身上保護機能を顧客に提供する。所在地が鹿児島県。依頼があれば、財産管理契約(民法643条~の委任契約)の受託者、任意後見契約(任意後見契約に関する法律3条に基づく契約)の受任者になることが可能。死後事務委任契約(民法873条の2、最高裁判所平成4年9月22日判決など。)も締結可能。

投資一任契約上の地位の信託譲渡?

・・・顧客の契約上の地位と、投資信託受益権という財産(信託法2条3項)を、受託者の三井住友信託銀行に譲渡(信託法3条1項1号)。

指定運用の包括信託?

・・・委託者が指定した範囲で運用する、2個以上の財産を一つの信託行為により引き受ける信託。

 最低信託金額3000万円。信託期間は、第三受益者(残余財産を交付する者)が受益権を取得した日から起算して2年を経過した日の属する月の末日まで。もし、2021年1月23日に取得すると、2023年1月31日まで。毎年顧客(受益者?)の意思確認を行う。

社団等・・・(一社)安心サポートのことか不明でした。

 メリットとして、死亡時に有価証券の時価が下落していた場合には顧客は損失を被るが、この商品を利用すると死亡時に投資一任契約は終了しない。

・・・第2次受益者死亡時に有価証券の時価が下落していた場合、損失を被るので、メリットとはいえないのではないかと感じました。

 信託法20条3項3号・4号により、三井住友信託銀行は、受託者として、顧客の意向に従って運用・換価する債務、顧客に対して預かったお金(有価証券)を返す債務がある。顧客が三井住友信託銀行に対して、有価証券の運用・換価などを求める債権を三井住友信託銀行が持ったとしても、混合(債権と債務が同じ人に帰属したから、意味がないので消える、民法520条。)せずにサービスを続けることが出来る。信託を利用する特徴だと感じます。

適合性の確認?・・・金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)

(適合性の原則等)第四十条 金融商品取引業者等は、業務の運営の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、その業務を行わなければならない。

一 金融商品取引行為について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており、又は欠けることとなるおそれがあること。

二 前号に掲げるもののほか、業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱いを確保するための措置を講じていないと認められる状況、その他業務の運営の状況が公益に反し、又は投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める状況にあること。

 基本的には、受託者(三井住友信託銀行)の知識、経験、信託財産及び信託目的を基準に適合性を判断という箇所に、違和感があります。

善管注意義務?・・・金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)

(善管注意義務)第四十三条 金融商品取引業者等は、顧客に対し、善良な管理者の注意をもつて有価証券等管理業務を行わなければならない。

 受託者の裁量は、運用財産の解約面について部分的に有するのみの構成。法定後見人が選任された場合、裁判による信託の終了(信託法165条)以外に法定後見人が信託の終了を行うことが出来ない仕組み。私も信託契約書、任意後見契約書案の作成では、信託を優先するような条項を原則として入れています。

 ただ、法的に確実とはいえないと考えていたので、言い切っていることに関して、何かしら根拠があるのだと想像します。

 このような商品構成だと、第2次受益者も任意後見契約を締結する義務のようなものがあるのかなと思いました。

 受益者が意思能力を喪失した場合、―中略―信託契約上、社団は任意後見人就任以降において受益者の信託契約に基づく全ての権利の行使及び全ての義務の履行を行うことができるものとされている。

 任意後見人の監督の下(任意後見契約に関する法律7条)ではないかなと感じました。またこの商品において、信託監督人の設置が可能とされていますが、信託銀行を監督する者として、親族、専門職、福祉関係、どのような方を想定しているのか分かりませんでした。

 利益相反関係(民法108条、顧客の相続人である代理人が得をして、顧客が損をしてしまう仕組み)、を回避するための方法として、原則として受託者の裁量で信託財産から払い出しを行う。

 総合的に、身寄りがいない方で現預金が5,000万円以上ある方にとっては、検討しても良い商品だと感じました。


[1] 287号2021年8月(一社)信託協会P4~

会社法特例(所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例)を読みながら。

加工

中小企業経営承継円滑化法申請マニュアル

「会社法特例」(所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例)

令和3年8月中小企業庁財務課

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu.htm

目次

 会社法特例の概要 ……………………………………….. 2

(1)経営承継円滑化法の概要 ……………………………. 2

(2)会社法特例の手続の概要 ………………………………. 2

2 都道府県知事の認定の内容 ……………………………………………… 4

(1)対象者(法第12条第1項第1号柱書、同号ホ) ……………….. 4

①中小企業者(法第2条、施行令第1条、施行規則第1条第1項)………… 4

②上場会社等(施行規則第1条第12項、法第12条第1項第1号柱書参照) .5

(2)要件(法第12条第1項第1号ホ) ……………………. 5

①経営困難要件 ………………………………………………. 5

②円滑承継困難要件 …………………………………….. 6

3 都道府県知事の認定の申請手続……………………………. 12

(1)認定申請書の記載要領(様式第6の4) …………………. 12

①経営困難要件 ……………………………………. 14

②円滑承継困難要件 ……………………………………….. 15

(2)添付書類(施行規則第7条第1項) ……………….. 20

(3)申請先(法第17条、施行令第2条) …………… 23

4 その他都道府県知事の認定に関する諸事項 ……………………….24

(1)認定の通知及び有効期間(施行規則第7条第14項、第8条第9項) ..4

(2)認定の取消し(施行規則第9条第1項第4~6号) …………… 24

5 都道府県知事の認定後の手続(参考) ………………… 25

(1)会社法特例における異議申述手続 …………………….. 25

(2)裁判所における手続 ……………………….. 28

1 会社法特例の概要

 一般的に、株主名簿に記載はあるものの会社から連絡が取れなくなり、所在が不明になってしまっている株主を「所在不明株主」といいます。ここでは本マニュアルが対象とする所在不明株主に関する会社法特例の概要について説明します。

(1)経営承継円滑化法の概要

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下「法」といいます。

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成二十年法律第三十三号)2021(令和2)年10月1日施行

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420AC0000000033

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行令(平成二十年政令第二百四十五号)施行日: 平成二十九年四月一日

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420CO0000000245_20170401_429CO0000000013

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則(平成二十一年経済産業省令第二十二号)施行日: 令和元年七月一日

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=421M60000400022_20190701_501M60000400017

また、法の施行令(政令)と施行規則(省令)を、単にそれぞれ「施行令」と「施行規則」といいます。)は、

  • 遺留分に関する民法の特例、②事業承継時の金融支援措置、③事業承継税制の基本的枠組みを盛り込んだ事業承継円滑化に向けた総合的支援策の基礎となる法律で、平成20年10月1日(①遺留分に関する民法の特例に係る規定は平成21年3月1日)から施行されています。

 ここに、令和3年の第204回通常国会において成立した④所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例(以下「会社法特例」といいます。)が4つ目の措置として追加され、令和3年8月2日から施行されています。

本マニュアルは、④会社法特例の申請等に関するマニュアルです。

(2)会社法特例の手続の概要

会社法上、株式会社は、所在不明株主に対して行う通知等が5年以上継続して到達せず、当該所在不明株主が継続して5年間剰余金の配当を受領しない場合、その保有株式の競売又は売却(自社による買取りを含め、以下「買取り等」といいます。)の手続が可能です(会社法第197条、第198条)。他方で、「5年」という期間の長さが、事業承継の際の手続利用のハードルになっているという面もありました。

そこで、この点を踏まえ、非上場の中小企業者のうち、事業承継ニーズの高い株式会社に限り、経済産業大臣の認定を受けることと一定の手続保障を前提に、この「5年」を「1年」に短縮する特例を創設することとなりました。

なお、会社法特例に関する経済産業大臣の権限に属する事務は、中小企業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事が行うこととされております(法第17条、施行令第2条)。そのため、実際の会社法特例の適用においては都道府県知事の認定が必要とされることになり、認定の申請手続も都道府県において行うことになります。以下では、これを前提に説明します。

2 都道府県知事の認定の内容

【法第12条第1項柱書、同項第1号柱書、同号ホ】(抜粋)

(経済産業大臣の認定)

第十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に該当することについて、経済産業大臣の認定を受けることができる。

一 会社である中小企業者(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第六十七条の十一第一項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。以下この項において同じ。) 次のいずれかに該当すること。

イ~ニ (略)

ホ 当該中小企業者(株式会社に限る。)の代表者が年齢、健康状態その他の事情により、継続的かつ安定的に経営を行うことが困難であるため、当該中小企業者の事業活動の継続に支障が生じている場合であって、当該中小企業者の一部の株主の所在が不明であることにより、その経営を当該代表者以外の者(第十六条第二項において「株式会社事業後継者」という。)に円滑に承継させることが困難であると認められること。

(1)対象者(法第12条第1項第1号柱書、同号ホ)

会社法特例についての認定の対象者は、株式会社のうち、①中小企業者に該当し、かつ、②上場会社等に該当しない者です。

①中小企業者(法第2条、施行令第1条、施行規則第1条第1項)

法の対象となる中小企業者の範囲は、下表のとおり中小企業基本法上の中小企業者を基本とし、既存の中小企業支援法と同様に業種の実態を踏まえ施行令(政令)によりその範囲を拡大しており、その営む業種により以下のような会社又は個人とされています2。なお、医療法人や社会福祉法人、外国会社は法における中小企業者には該当しません。

②上場会社等(施行規則第1条第12項、法第12条第1項第1号柱書参照)

 会社法特例の対象となる中小企業者については、金融商品取引所に上場されている株式又は店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社が除かれます。この適用対象外となる会社を施行規則では「上場会社等」と定義しています3。

(2)要件(法第12条第1項第1号ホ)

①経営困難要件

[申請者の代表者が年齢、健康状態その他の事情により、継続的かつ安定的に経営を行うことが困難であるため、会社の事業活動の継続に支障が生じている場合であること]

・申請者の代表者の「年齢」が満60歳を超えている場合

・申請者の代表者の「健康状態」が日常業務に支障を生じさせている場合

・「その他の事情」が認められる場合(例えば、以下のような場合)

代表者以外の役員(例えば、代表者の配偶者や子息が就任していることもあります。)や幹部従業員(例えば、基幹工場の工場長や、いわゆる「番頭」等が該当します。)が病気や事故で倒れてしまったり、突然失踪してしまったりしたため、急に継続的かつ安定的に経営を行うことが困難となったような場合

・ 外部環境の急激な変化により突然業績が悪化し、急に継続的かつ安定的に経営を行うことが困難となったような場合(なお、当面の間、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を理由とする場合には、令和2年1月以後の任意の3月間における売上高又は販売数量(売上高等)が前年4同期の3月間における売上高等の80%以下に減少した、又は減少することが見込まれるケースその他経営の承継を伴う事業の再生や転業を要するケース等を想定しています。)

②円滑承継困難要件

[一部株主の所在が不明であることにより、その経営を当該代表者以外の者(株式会社事業後継者)に円滑に承継させることが困難であること]

例えば、以下のいずれかの基準を満たす場合には、この要件を満たし得るものと考えられます。なお、以下でいう「議決権割合」は、申請者の総株主等議決権数5(a)に占める割合を意味します6。

❶認定申請日時点において株式会社事業後継者が定まっている場合

 特定の手法による事業承継が合意されており、株式会社事業後継者が当該手法を特段の支障なく遂行するために一定の議決権数が必要となるときに、所在不明株主が存在するために当該議決権数を満たせないことにより、当該事業承継を円滑に行えないことがあります。このようなケースにおいて会社法特例を利用することで当該議決権数を満たせるようになるときには、円滑承継困難要件を満たし得ることになります。

(A) 総株主等議決権数の1/10等を目安とする基準

 例えば、株式譲渡の手法による事業承継が合意されているとき7には、株式会社事業後継者が要求している議決権数(株式会社事業後継者が既に申請者の一部株式を保有する場合には、当該株式に係る議決権数を含みます。)を満たす必要があります。そのため、所在不明株主の保有株式に係る議決権数が、総株主等議決権数から株式会社事業後継者が要求している議決権数を控除した数を超えるときには、必要な株式集約に支障が生じ、将来の事業承継を円滑に行えないことがあります。このようなケースにおいて会社法特例を利用することで当該議決権数を満たせるようになるときには、円滑承継困難要件を満たし得ることになります。

 ただし、総株主の議決権の9/10以上を有する特別支配株主の株式等売渡請求8によるスクイーズ・アウト9が可能な場合には、これによる株式集約を検討し得ることから、円滑承継困難要件を満たすのは、所在不明株主が存在するために当該請求が不可能となっているとき、すなわち所在不明株主の保有株式に係る議決権割合が1/10を超えるときに限ります。

<具体的な基準>基準の内容(ⅰ~ⅳの全てを満たす場合)

図式

(ⅰ)全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計(b)が、総株主等議決権数(a)から株式会社事業後継者が要求する議決権数等(d)を控除した数を超えていること・・・[b>a-d]

(ⅱ)会社法特例による株式買取り等の手続の完了後に残る所在不明株主の保有株式に係る議決権数(b-c)が、総株主等議決権数(a)から株式・・・[b-c≦a-d]

会社事業後継者が要求する議決権数等(d)を控除した数以下であること

(ⅲ)株式会社事業後継者が要求する議決権数等(d)が総株主等議決権数(a)の過半数であること・・・[d>a×1/2]

(ⅳ)全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計(b)に係る議決権割合が、1/10を超えていること・・・[b>a×1/10]

例・基準を満たすケース:a=1000、b=150、c=150、d=900

・基準を満たさないケース:a=1000、b=50、c=50、d=900(所在不明株主の議決権割合が、10分の1を超えていないから。)

(B) 総株主等議決権数の1/3を目安とする基準

 一方、前述の(A)に記載したような手法以外の手法によるとき、例えば、事業譲渡や会社分割、新株発行10等といった原則として株主総会特別決議11に基づく手法による事業承継が合意されているときには、株主総会特別決議を安全に行うことができる議決権割合として総株主等議決権数の2/3を確保する必要があります12。

 そのため、所在不明株主の保有株式に係る議決権割合が1/3を超えるときには、必要な株式集約に支障が生じ、将来の事業承継を円滑に行えないことがあります。このようなケースにおいて会社法特例を利用することで当該議決権割合を満たせるようになるときには、円滑承継困難要件を満たし得ることになります13。

<具体的な基準>基準の内容(ⅰかつⅱを満たす場合)

(ⅰ)全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計(b)に係る議決権割合が、1/3を超えていること・・・[b>a×1/3]

(ⅱ)会社法特例による株式買取り等の手続の完了後に残る所在不明株主の保有株式に係る議決権数(b-c)に係る議決権割合が、1/3以下であること・・・[b-c≦a×1/3]

例 ・要件を満たすケース:a=1000、b=400、c=400

・要件を満たさないケース:a=1000、b=300、c=300(株式買い取り等の手続き前の所在不明株主の議決権割合が3分の1を超えている。)

❷認定申請日時点において株式会社事業後継者が未定の場合14

認定申請日時点において株式会社事業後継者が未定であって、事業承継のための特定の手法が定まっていない場合であっても、所在不明株主が存在するために必要な株式集約に支障が生じるおそれがあって、将来の事業承継を円滑に行えないことがあり、そのようなケースにおいて会社法特例を利用することで当該株式集約が可能になるようなときには、円滑承継困難要件を満たし得ると考えられます。例えば、以下のようなケースを想定しています。

(C) 総株主等議決権数の1/3を目安とする基準(❷原則)

 株式集約のためスクイーズ・アウトを行う際、株主総会特別決議に基づく手法15を選択するときには、株主総会特別決議を安全に行うことができる議決権割合として総株主等議決権数の2/3を確保する必要があります。そのため、所在不明株主の保有株式に係る議決権割合が1/3を超えるときには、必要な株式集約16に支障が生じるおそれがあって、将来の事業承継を円滑に行えないことがあります。このようなケースにおいて会社法特例を利用することで当該議決権割合を満たせるようになるときには、円滑承継困難要件を満たし得ることになります。

<具体的な基準>基準の内容(ⅰかつⅱを満たす場合)

(ⅰ)全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計(b)に係る議決権割合が、1/3を超えていること・・・[b>a×1/3]

(ⅱ)会社法特例による株式買取り等の手続の完了後に残る所在不明株主の保有株式に係る議決権数(b-c)に係る議決権割合が、1/3以下であること・・・[b-c≦a×1/3]

例・要件を満たすケース:a=1000、b=400、c=400

・要件を満たさないケース:a=1000、b=300、c=300

(D) 総株主等議決権数の1/10等を目安とする基準(❷例外)

 株式集約のためスクイーズ・アウトを行う際、総株主の議決権の9/10以上を有する特別支配株主の株式等売渡請求を選択するときには、所在不明株主が存在するために当該9/10を満たせないとき、すなわち所在不明株主の保有株式に係る議決権割合が1/10を超えるときには、必要な株式集約に支障が生じるおそれがあって、将来の事業承継を円滑に行えないことがあります。このようなケースにおいて会社法特例を利用することで当該議決権割合を1/10以下にできるときには、円滑承継困難要件を満たし得ることになります。

 ただし、申請者の代表者又は代表者であった者並びにそれらの親族17(以下「経営株主等」といいます。)のみで既に総株主等議決権数の過半数を有しており、既に申請者の支配権を確保できている場合に限るものとします。

また、本基準において円滑承継困難要件を満たし得るのは、必要な株式集約に支障が生じることで将来の事業承継を円滑に行えない相当程度の蓋然性が認められるときに限ります。

特別支配株主の株式等売渡請求を行う蓋然性が相当程度認められるときであること、具体的には、経営株主等の保有株式に係る議決権数の合計に(会社法特例の適用対象となる)所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計を加算すると、その議決権割合が9/10以上となることが必要です18。 将来の事業承継の蓋然性が相当程度認められるときであること、具体的には、株式会社事業後継者が未定ではあるものの、その候補先の選定に向けて支援機関19への具体的な相談を複数回していること20が必要です。

<具体的な基準>基準の内容(ⅰ~ⅴを全て満たす場合)

(ⅰ)全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計(b)に係る議決権割合が、1/10を超えていること・・・[b>a×1/10]

(ⅱ)会社法特例による株式買取り等の手続の完了後に残る所在不明株主の保有株式に係る議決権数(b-c)に係る議決権割合が、1/10以下であること・・・[b-c≦a×1/10]

(ⅲ)経営株主等の保有株式に係る議決権数の合計(z)に係る議決権割合が過半数であること・・・[z>a×1/2]

(ⅳ)経営株主等の保有株式に係る議決権数の合計(z)及び会社法特例による株式買取り等の手続を適用する所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計(c)の合計に係る議決権割合を足した数が9/10以上であること・・・[z+c≧a×9/10]

(ⅴ)株式会社事業後継者が未定ではあるものの、その候補先の選定に向けて支援機関への具体的な相談を複数回していること

・基準を満たすケース:a=1000、b=150、c=150、z=800

・基準を満たさないケース:a=1000、b=200、c=200、z=680(経営株主等の保有株式に係る議決権数が少ない。)

(注1)「株式会社事業後継者が定まっている場合」の判断について

 厳密には株式会社事業後継者以外の他者が株式譲渡の譲受人等となるケースも存在しますが、株式会社事業後継者により当該他者が指定されているような場合21は、「❶認定申請日時点において株式会社事業後継者が定まっている場合」に該当するものとして判断します。

なお、株式会社事業後継者は、申請者の経営者の親族の場合(親族内承継)も、それ以外の第三者の場合(第三者承継)も、いずれもあり得るものとします。

(注2)自己株式に係る議決権について(会社法第308条第2項)

 会社法特例により申請者が所在不明株主の保有株式を買い取ることで当該株式が自己株式となる場合には、申請者は当該株式について議決権を有しないこととなります(会社法第308条第2項)。しかし、円滑承継困難要件の認定に関しては、会社法特例により申請者が買い取ることで自己株式となることを見込んでいる所在不明株主の保有株式についても、議決権を有するものとみなして判断することとします。これは、会社法特例の認定審査の時点では株式の買取り又はそれ以外の売却や競売のいずれを行うか選択することが求められておらず、基準の明確化という観点から一律に取り扱う趣旨によるものです。

 なお、認定申請日時点において申請者が保有する自己株式については、同項の規定どおり議決権を有しないことを前提に判断します。

3 都道府県知事の認定の申請手続

(1)認定申請書の記載要領(様式第6の4)

【様式記載事項についての補足説明】

「1 申請者に係る以下の事項」について以下のとおり記載してください。

「(1) 主たる事業内容」には、認定申請日において営んでいる事業内容(一般機械製造業、繊維・衣服等卸売業、一般飲食店等)を記載してください。

「(2) 資本金の額又は出資の総額」には、認定申請日における(株式会社である)申請者の資本金の額を記載してください。

「(3) 常時使用する従業員の数」には、認定申請日における申請者が常時使用する従業員の数を記載してください。

①経営困難要件

(提出書類)

・申請者の代表者の「年齢」を示すための当該代表者の生年月日を公的に示す書類等(マイナンバーカード表面22や運転免許証の写し、住民票等)

・申請者の代表者の「健康状態」を示すための医師の診断書

・ 申請者の役員や幹部従業員が退職した経緯等を示すための報告書等

・ 申請者の業績が外部環境の急激な変化により突然悪化したこと等を示すための書類(令和元年12月以前の期間を含む確定申告書・法人事業概況説明書その他の過去の業績を示すための書類及び令和2年1月以後の3月間の売上台帳等)の写し等

②円滑承継困難要件【様式第6の4(別紙2)】

【様式記載事項についての補足説明】

  「①株主名簿に記載又は記録がされた氏名又は名称及び住所」には、所在不明株主の株主名簿上の氏名又は名称及び住所を記載してください。

 「②保有株式の数(種類株式発行会社にあっては、保有株式の種類及び種類ごとの数)」には、所在不明株主の株主名簿上の保有株式数(種類株式発行会社にあっては、所在不明株主の株主名簿上の保有株式の種類及び種類ごとの数)を記載してください。

 「③保有株式に係る議決権の数(以下「議決権数」という。)」には、所在不明株主の株主名簿上の議決権数を記載してください。

 「④保有株式につき株券が発行されているときは、当該株券の番号」には、所在不明株主の保有株式につき株券が発行されているときにその株主名簿上の株券番号を記載してください。

  「⑤本特例による競売及び売却に関する手続の適用」には、本特例を適用して株式買取り等に関する手続を進める場合には「適用有り」と記載してください。

 「⑥所在が不明となった経緯」には、所在不明株主の所在が不明となった経緯を記載して下さい。特に次の点は必ず記載してください。

 申請者が当該所在不明株主から最後に連絡を受け取った時期及び連絡方法

 申請者が当該所在不明株主に対して最後に発した通知又は催告の時期及び方法

株式会社事業後継者が定まっている場合はa~d)の情報を記載

a:申請者の総株主等議決権数

b:全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計

c:本特例による競売及び売却に関する手続を適用する所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計

d:株式会社事業後継者が要求する議決権数

  「a: 申請者の総株主等議決権数」には、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除きます。)の議決権の数23を記載してください。

  「b:全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計」には、全ての所在不明株主の保有株式についての議決権数の合計24を記載してください。

  「c:本特例による競売及び売却に関する手続を適用する所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計」には、本特例を適用して株式買取り等に関する手続を進める所在不明株主の保有株式についての議決権数の合計25を記載してください。

 「d:株式会社事業後継者が要求する議決権数等」には、株式会社事業後継者が定まっている場合、チェックボックスを埋めた上で(□に☑等と記載した上で)、株式譲渡が予定されているときには株式会社事業後継者が要求している議決権数26(事業譲渡等が予定されているときには「a×2/3」という文言)を記載してください。

3 円滑承継困難要件に該当する事実関係等

(A)又は(B)の基準については、「❶認定申請日時点において株式会社事業後継者が定まっている場合」であることを示すため、承継に係る明確な合意があることを証する書類(例えば、承継に係る基本合意書や株式譲渡契約書の写し等)を添付し、具体的な承継手法が明記されている部分が分かりやすいように適宜加工して提出してください。なお、基本合意書の時点では具体的な承継手法まで明記しない場合もありますが、その場合は(A)又は(B)の基準としては審査できませんので、留意してください。(D)の基準については、以下の対応をしてください。

  経営株主等の保有株式に係る議決権数の合計(z)及びその内訳を明記してください。その中に代表者であった者が含まれる場合には、代表者であったことが分かる申請者の登記事項証明書(閉鎖事項証明書を含みます。)を、代表者又は代表者であった者の親族が含まれる場合には、親族関係を証するための戸籍謄本等27及び親族関係図等を添付してください28。なお、(D)の基準を満たすかどうかの判定に影響を及ぼさない場合は、これらの明記及び書類の添付を省略することが可能です29。

  株式会社事業後継者が未定ではあるものの、その候補先の選定に向けて支援機関への具体的な相談を複数回していることについて、少なくとも次の点を明記して報告してください30。

・相談先の支援機関の名称、所在地及び電話番号 ・相談の日時及び場所 ・相談の具体的な内容及びそれに対する具体的な助言内容 。ただし、当該支援機関からこれらの点について明記した書類が発行された場合には、当該書類の写しを添付することで代えることが可能です。以上を踏まえて「3 円滑承継困難要件に該当する事実関係等」を記載する場合の具体例は以下のとおりです。

・ 例

A基準・株式譲渡:別添株式譲渡契約書○条○項参照

B基準・事業譲渡:別添基本合意書第○条○項参照

C基準

D基準

【経営株主等に関する記載】

・z=800

(内訳)

・500(代表者○○)・200(前代表者○○)・100(代表者○○の母・前代表者○○の配偶者)

【支援機関に関する報告】

・支援機関への具体的な相談の経緯は以下のとおり。

①2021年4月22日13:00~14:00株式会社○○(代表取締役:○○、所在地:○○、電話番号:○○)において、担当者○○との間で以下のとおり1回目の相談を行った。

  • 2021年5月1日14:00~15:00○○センター(所在地:○○、電話番号:○○。以下「○○センター」という。)において、担当者○○との間で以下のとおり2回目の相談を行った。
  • 2021年6月5日10:00~11:00○○センターにおいて、担当者○○との間で以下のとおり3回目の相談を行った。
  • 2021年6月5日15:00~16:00○○センターにおいて、担当者○○との間で以下のとおり4回目の相談を行った。

(2)添付書類(施行規則第7条第1項)

①認定申請書の写し 実際に提出する認定申請書のコピー

②申請者の登記事項証明書 認定申請日の前3月以内に作成されたもの

③申請者の定款の写 認定申請日におけるもの(原本証明付き

④申請者の株主名簿の写し 認定申請日におけるもの(原本証明付き)

⑤申請者の誓約書 申請者が上場会社等に該当しない旨

⑥その他参考となる書類

事案ごとに異なり、具体例は以下のとおり(前述の「(1)認定申請書の記載要領(様式第6の4)」参照)

(ⅰ)経営困難要件関係

・ 申請者の代表者の「年齢」を示す書類

・申請者の代表者の生年月日を公的に示す書類等(マイナンバーカード表面や運転免許証の写し、住民票等)

・申請者の代表者の「健康状態」を示す書類

・ 申請者の代表者の「健康状態」を示すための医師の診断書等

・「その他の事情」を示す書類

・申請者の役員や幹部従業員が退職した経緯等を示すための報告書等

・申請者の業績が外部環境の急激な変化により突然悪化したこと等を示すための書類(令和元年12月以前の期間を含む確定申告書・法人事業概況説明書その他の過去の業績を示すための書類及び令和2年1月以後の3月間の売上台帳等)の写し等

(ⅱ)円滑承継困難要件関係

<(A)又は(B)の基準>

・承継に係る明確な合意があることを証する書類

・承継に係る基本合意書や株式譲渡契約書の写し等(具体的な承継手法が明記されている部分が分かりやすいように適宜加工して提出)

<(D)の基準>

・ 経営株主等の中に代表者であった者が含まれる場合にその者が代表者であったことを証するための書類

・その者が代表者であったことが分かる申請者の登記事項証明書(閉鎖事項証明書を含む。)

・経営株主等の中に代表者又は代表者であった者の親族が含まれる場合に親族関係を証するための書類

・戸籍謄本等及び親族関係図等

・認定申請書に記載されている経営株主等のうち保有株式に係る議決権割合が過半数である株主がいる場合、当該株主が申請者以外の一定の法人を通じて間接的に株式を保有していることを証するための書類

・ 当該法人の登記事項証明書、定款の写し及び株主名簿の写し

・株式会社事業後継者の候補先の選定に向けて支援機関への具体的な

・ 認定申請書に「別添報告書のとおり」等と記載する場合は任意の形式で記載した報告書等(ただし、支援機関から必要事項について明記した書類が発行された場合は当該相談を複数回していることを報告する書類(書類の写しの添付で代えることが可能)※ 基準の判定に影響を及ぼさない場合、省略可

各添付書類について、以下、留意点を説明します。

① 認定申請書の写し

 記入した認定申請書(別紙1及び別紙2を含みます。)の写しを提出してください。実際に提出する認定申請書をコピーしてください。

② 申請者の登記事項証明書

 申請者の「履歴事項全部証明書」等を提出してください。ただし、認定申請日の前3か月以内に作成されたものに限ります。

③ 申請者の定款の写し

 認定申請日時点における有効な内容を確認する必要があるため、認定申請日付けの原本証明付きの写しをご提出ください。なお、原本証明として最低限、❶当該書類に記載された内容が原本と相違ない旨の文言、❷認定申請日の日付、❸会社・代表取締役の氏名・名称を記載してください。

④ 申請者の株主名簿の写し

 会社法第121条が定める株主名簿記載事項を記載している株主名簿を提出してください。認定申請日時点における有効な内容を確認する必要があるため、認定申請日付けの原本証明付きの写しをご提出ください。なお、原本証明として最低限、❶当該書類に記載された内容が原本と相違ない旨の文言、❷認定申請日の日付、❸会社・代表取締役の氏名・名称を記載してください。

【会社法第121条】(抜粋)

(株主名簿)

第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。

一 株主の氏名又は名称及び住所

二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)

三 第一号の株主が株式を取得した日

四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号

⑤ 申請者の誓約書

 申請者が上場会社等に該当しない旨の誓約書を提出してください。当該誓約書には、例えば、「当社は、金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社に該当しない旨を誓約します。」等と記載してください。

⑥ その他参考となる書類

・ 前述の「(1)認定申請書の記載要領(様式第6の4)」において添付書類として要求する書類を提出してください。

・前述のとおり、「資本金の額」だけでは判断できず「常時使用する従業員の数」(従業員数)の精査を要すると思われる場合等には、参考となる書類として、例えば以下のような書類の提出を求めることがあります(施行規則第1条11項に定める「従業員数証明書」参照)。

厚生年金保険・健康保険の標準報酬月額決定通知書及びその発行後の変動についての被保険者資格取得(喪失)確認通知書の写し

・被保険者縦覧照会回答票の写し

(3)申請先(法第17条、施行令第2条)

法に基づく申請等の受付は、主たる事務所が所在している都道府県31にて行っております。都道府県の担当課については、中小企業庁HPをご覧下さい。

(https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu.htm)

中小企業庁 → 事業承継 → 経営承継円滑化法による支援

4 その他都道府県知事の認定に関する諸事項

(1)認定の通知及び有効期間(施行規則第7条第14項、第8条第9項)

都道府県知事は、認定をした際には、申請者に対して認定書を交付します。

 認定の有効期限は原則として認定を受けた日(認定書の日付)の翌日から起算して2年を経過する日となります。ただし、当該2年を経過する日までに裁判所に会社法特例に基づく株式買取り等に係る事件の申立てがされた場合には、有効期限は当該株式買取り等が行われた日となります。 したがって、本マニュアルによって申請した認定を受けた後、その翌日から2年以内には裁判所に対して必要な手続の申立てを行う必要があります。

(2)認定の取消し(施行規則第9条第1項第4~6号)都道府県知事の認定は、一定の場合に取り消されることがあります。

【施行規則第9条第1項】(抜粋)

第9条 都道府県知事は、法第12条第1項の認定(第6条第1項第7号及び第8号の事由に係るものを除く。)を受けた中小企業者(以下「認定中小企業者」という。)が、次に掲げるいずれかに該当することが判明したときは、その認定を取り消すことができる。

四 当該認定中小企業者が特例株式会社である場合にあっては、次のいずれかに該当すること。

イ 法第十二条第一項第一号ホに該当する者として同項の認定を受けたにもかかわらず、法第十五条に定める所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例の適用のための手続をしないこと。

ロ 裁判所に第十五条の二第一号に掲げる特例対象株式の競売又は売却に係る事件の申立てがされた場合において、当該申立てが取り下げられ、又は却下されたこと

五 偽りその他不正の手段により当該認定を受けたこと。

六 当該認定中小企業者から第十八項の申請があったこと。

5 都道府県知事の認定後の手続(参考)

(1)会社法特例における異議申述手続

【会社法第196条~第198条】(抜粋)

(株主に対する通知の省略)

第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。

2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。

3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。

(株式の競売)

第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。

一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの

二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの

2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。

3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)

二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額

4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。

5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。

一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者

二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者

(利害関係人の異議)

第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。

2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。

3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡

先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。

4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。

5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。

【会社法施行規則第39条】(抜粋)

(公告事項)

第三十九条 法第百九十八条第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。

一 法第百九十七条第一項の株式(以下この条において「競売対象株式」という。)の競売又は売却をする旨

二 競売対象株式の株主として株主名簿に記載又は記録がされた者の氏名又は名称及び住所

三 競売対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、競売対象株式の種類及び種類ごとの数)

四 競売対象株式につき株券が発行されているときは、当該株券の番号

【法第15条】(抜粋)

(所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例)

第十五条 第十二条第一項第一号ホに該当することについて同項の認定を受けた者(この条及び次条第五項において「特例株式会社」という。)についての会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十七条の規定の適用については、同条第一項第一号中「前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しない」とあるのは「する通知又は催告が一年以上継続して到達しない」と、同項第二号中「五年間」とあるのは「一年間」と、同条第五項第一号中「前条第三項において準用する同条第一項の規定により」とあるのは「当該登録株式質権者に対してする」と、「をすることを要しない」とあるのは「が一年以上継続して到達しない」と、同項第二号中「五年間」とあるのは「一年間」とする。

2 前項の規定により読み替えて適用する会社法第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、特例株式会社は、同法第百九十八条第一項に定める手続に先立ち、前項の規定により読み替えて適用する同法第百九十七条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他経済産業省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者(同法第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者をいう。)には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。

3 次の各号のいずれかに該当する場合には、第一項の規定は適用しない。

一 前項の期間が満了していない場合

二 前項の期間内に利害関係人が異議を述べた場合

三 前項の規定による催告が同項に規定する株式の株主又はその登録株式質権者に到達した場合

4 会社法第百九十八条第二項から第四項までの規定は、第二項の規定による催告について準用する。

【施行規則第15条の2】(抜粋)

(法第十五条の経済産業省令で定める事項)

第十五条の二 法第十五条第二項の経済産業省令で定める事項は、次に掲げるものとする。

一 法第十五条第一項の規定により読み替えて適用する会社法第百九十七条第一項の株式(以下この条において「特例対象株式」という。)の競売又は売却をする旨

二 特例対象株式の株主として株主名簿に記載又は記録がされた者の氏名又は名称及び住所

三 特例対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、特例対象株式の種類及び種類ごとの数)

四 特例対象株式につき株券が発行されているときは、当該株券の番号

(2)裁判所における手続

東京地方裁判所民事第8部(商事部非訟係)ホームページ

「所在不明株主の株式売却許可申立事件についてのQ&A」

(https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/dai8bu_osirase/fumei_kabunusi/index.html)

※以下は令和3年8月2日時点におけるホームページの記載を抜粋したものであり、同日以降の改訂等を反映しておりませんので、ご了承ください。

Q1. 所在不明株主の株式売却許可申立事件とは?

A 株式について,下記(1)及び(2)の要件が備わったときは,株式会社は,当該株式を競売することができます。

原則競売ですが,市場価格のある株式は,会社法施行規則38条で定める方法によって算定された額で,市場価格のない株式は,裁判所の許可を得ることによって売却することもできます。

「所在不明株主の株式売却許可申立事件」とは,裁判所に対して,この許可決定を求める申立てです。

(1)株主に対してする通知又は催告が,5年以上継続して到達しなかったとき (2)その株主が,継続して5年間剰余金の配当を受領しなかったとき

*会社法施行規則38条(略)

1号:市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格 2号:前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる額のうちいずれか高い額

イ 売却日における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引はない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては,その後最初になされた売買取引の成立価格)

ロ 売却日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは,当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格

Q2. 申立ての手続はどのようにするのですか?

A

1. 申立人・・・その株式を発行した株式会社です。取締役が2名以上いるときは,取締役全員の同意が必要です。

2. 申立手数料・・・収入印紙1000円です(民事訴訟費用等に関する法律3条1項,別表第1 16項)。申立書に貼付してください。割印はしないでください。

3. 予納郵券・・・決定謄本を裁判所の窓口で受領する場合は不要です。決定謄本を郵送にて受領したい場合のみ,通常郵便料金分が必要になります。重量によって異なりますので,事前に重さを量った上で,予納してください(目安:申立書+15グラム)。

4. 管轄・・・東京都の区部(23区)及び島嶼(伊豆諸島・小笠原諸島)に本店所在地がある株式会社は,東京地方裁判所(千代田区霞が関一丁目1番4号)です。それ以外の東京都の地域に本店所在地があるときは,東京地方裁判所立川支部(郵便番号190-8571 東京都立川市緑町10番地の4)に申立てをしてください。

Q3. どんな疎明資料が必要ですか?

A (1)履歴事項全部証明書,(2)株主名簿,(3)5年間分の株主総会招集通知書及び返戻封筒,(4)5年間分の剰余金配当送金通知書及び返戻封筒,(5)(取締役会設置会社で株式会社が買い取る場合は)取締役会議事録,(6)(当該株式会社以外の者が買い取る場合は)買受書,(7)官報(公告),(8)催告書及び発出したことが判る資料,(9)株価鑑定書,(10)(取締役が2名以上いるときは)全取締役の同意書

Q4. 申立ての際に,注意すべき点は何ですか?

A 下記(1)~(7)の事実の疎明,競売に代えて売却することの相当性,売却価格の相当性といった点に注意して,申立書及び添付書類を提出してください。 なお,『5年間継続して到達しなかった』事実の疎明は重要であり,当庁では,(代表)取締役の陳述書などの代替書面による疎明は認めていませんので,必ず5年間継続分の返戻封筒を疎明資料として提出してください。

 *会社法施行規則39条(略)

1号:競売対象株式について,競売又は売却をする旨 2号:競売対象株式の株主として株主名簿に記載又は記録がされた者の氏名又は名称及び住所 3号:競売対象株式の数(種類株式発行会社にあっては,競売対象株式の種類及び種類ごとの数) 4号:競売対象株式につき株券が発行されているときは,当該株券の番号

以上

1 中小企業庁が開催した第3回「中小企業の経営資源集約化等に関する検討会」配付資料1(事務局説明資料)6ページ(抜粋)(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/shigenshuyaku/210125shigenshuyaku.html

2 「資本金の額」だけでは判断できず「常時使用する従業員の数」(従業員数)の精査を要すると思われる場合等には、参考となる書類として、例えば以下のような書類の提出を求めることがあります(施行規則第1条11項に定める「従業員数証明書」参照)。

厚生年金保険・健康保険の標準報酬月額決定通知書及びその発行後の変動についての被保険者資格取得(喪失)確認通知書の写し

 被保険者縦覧照会回答票の写し

3 なお、法では「上場会社等」という用語を定義しておりません。

4 当面の間、令和3年1月以後の任意の3月間(令和3年内の月を含む3月間に限ります。)については、「前年」を「前々年」と読み替えることを可能とします。

5 株式会社の「総株主等議決権数」とは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除きます。)の議決権の数をいいます(施行規則第1条第14項第6号イ参照)。

6 以下、a~dは、認定申請書(様式第6の4)における次の事項と対応しています。

a:申請者の総株主等議決権数

b:全ての所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計

c:本特例による競売及び売却に関する手続を適用する所在不明株主の保有株式に係る議決権数の合計

d:株式会社事業後継者が要求する議決権数等

7 以下、株式会社事業後継者が申請者の総株主等議決権数の過半数を取得することで申請者の支配権を確保するケースを前提とします。

8 以下、特別支配株主の株式等売渡請求(会社法第179条以下)を意味します。

9 一般的に「スクイーズ・アウト」とは、会社やその支配株主が、各種の手法により、他の少数株主の株式を、その承諾なく強制的に金銭等を対価として取得し、当該少数株主を排除することを意味します。

10 株主総会特別決議が不要となる場合もあります(事業譲渡について会社法第468条等、会社分割について会社法第784条等、新株発行について第201条第1項等参照)が、基準の明確化という観点から一律に取り扱います。

11 事業の全部の譲渡等をはじめとする重要事項については、通常の株主総会決議より慎重に判断する趣旨で、特別決議として、「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない」(会社法第309条第2項)とされます。

12 (A)の基準に係る手法及び(B)の基準に係る手法の両手法を併用する場合、原則として(A)及び(B)の両基準を満たす必要があります。例えば、株式譲渡及び新株発行を同時併用する場合、既存株式の株式譲渡について(A)の基準を満たし、新株発行について(B)の基準を満たす必要があります。具体例として、既存株式についてa=1000、b=400、c=400、d=800、X(新株発行した株式に係る議決権数)=100というケースを挙げますと、A及びBの両基準においてXを考慮せずに(a=1100、b=400、c=400、d=900という数字を前提とせずに)a=1000、b=400、c=400、d=800という数字を前提にして判断します。

13 なお、株式会社事業後継者が定まっている場合であれば、株式譲渡の手法を選択するときにおいて株式会社事業後継者が申請者の総株主等議決権数の過半数を取得しないケース(いわゆるマイノリティ投資)等についても、(B)の基準での申請を認めることとします。

14 多数の申請があった場合、「❶認定申請日時点において株式会社事業後継者が定まっている場合」の認定申請に関する審査を優先する可能性がありますので、ご了承ください。

15 株式の併合(会社法第180条以下)等の手法が選択されることがあります。

16 前述の(B)に記載したような株主総会特別決議に基づく手法による事業承継を行う場合にも、同様に支障が生じるおそれがあります。

17 6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族(民法第725条参照)をいいます。

18 認定申請書に記載されている経営株主等のうち保有株式に係る議決権割合が過半数である株主がいる場合、当該株主は特別支配株主となる蓋然性が特に高いことから、当該株主が申請者以外の一定の法人を通じて間接的に保有している株式に係る議決権数も含めることを認めることとします。当該法人は、具体的には、特別支配株主完全子法人(会社法第179条第1項本文、同法施行規則第33条の4参照)の考え方を踏まえ、以下の法人α及び法人βに限るものとします。

㈠ 経営株主等がその持分の全部を有する法人(法人α)

㈡ 経営株主等及び法人α、又は法人αがその持分の全部を有する法人(法人β)

19 「支援機関」は認定経営革新等支援機関(施行規則第3条第2項第2号ホ)に限定されるものではなく、例えば、マッチング支援等を業とするM&A専門業者やオンラインでマッチングの場を提供するM&Aプラットフォーマー、金融機関、商工団体、士業等専門家(公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等)、全国48か所に設けられた事業承継・引継ぎ支援センター等、民間機関・公的機関を問わず、事業承継・M&Aの支援機関を広く含みます。

20 少なくとも同一の支援機関に具体的な相談を複数回して、具体的な助言を得ていることを要します。

21 例えば、個人Xが株式会社事業後継者となり、Xが一定数の株式を保有するY社が株式譲渡の譲受人となるような場合が該当します。

22 裏面にはマイナンバー(個人番号)が記載されておりますが、会社法特例の認定審査には不要ですので、裏面の写しは提出しないでください。

23 前述のとおり、自己株式に係る議決権の数も除きます(会社法第308条第2項)。

24 全ての所在不明株主の「③保有株式に係る議決権の数(以下「議決権数」という。)」の合計です。

25 「⑤本特例による競売及び売却に関する手続の適用」に「適用有り」と記載のある全ての所在不明株主の「③保有株式に係る議決権の数(以下「議決権数」という。)」の合計です。

26 前述のとおり、株式会社事業後継者が既に申請者の一部株式を保有する場合には、当該株式に係る議決権数を含みます。

27 「戸籍謄本等」とは、「戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書及び除かれた戸籍の謄本若しくは抄本又は除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書」をいいます(施行規則第1条第9項参照)。なお、必要に応じて「法定相続情報一覧図」(施行規則第1条10項参照)で代えることも可能です。

28 前述のとおり、認定申請書に記載されている経営株主等のうち保有株式に係る議決権割合が過半数である株主がいる場合、当該株主が申請者以外の一定の法人を通じて間接的に保有している株式に係る議決権数も含めることを認めています(注18参照)。その際には、当該法人の登記事項証明書、定款の写し及び株主名簿の写しも添付してください。

29 例えば、代表者及び代表者であった者の議決権数だけで(これらの者の親族の議決権数まで含めなくとも)、(D)の基準を満たしているような場合には、これらの者の親族についての明記並びに戸籍謄本等及び親族関係図等の添付を省略することが可能です。

30 様式第6の4(別紙2)「3 円滑承継困難要件に該当する事実関係等」には「別添報告書のとおり」等と記載し、任意の形式で記載した報告書等を別途、添付して頂く形でも結構です。

31 申請者の本店が所在する都道府県であり、登記上の「本店」欄により判断します。

32 所在不明株主の株式売却許可申立事件における管轄裁判所は、「会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所」(会社法第868条第1項)です。

33 株式の競売の場合にも裁判所における手続が必要となりますが、株式の売却(買取りを含みます。)の場合とは異なり、株券が発行されている場合には、当該株券が所在する場所を職務執行区域とする執行官に対して申立てを行い、株券が発行されていない場合には、相手方(所在不明株主)の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所に申立てを行うことになると考えられます。なお、人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まるものとされます(民事訴訟法第4条第2項)。

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に係る所在不明株主の株式の競売又は売却に関する特例に基づく異議申述の公告

https://kanpo-ad.com/syozaifumei2.html

行政サービス・データ連携モデル(全体編)(β版)を読みながら

政府CIOポータル標準ガイドライン群

https://cio.go.jp/guides#renkeimodel

行政サービス・データ連携モデル
標準ガイドライン群ID:1016

行政サービス・データ連携モデル(全体編)(β版)2021年6月4日

・・・情報に関わる事業をしている方が、テキストはプレーンテキスト(Windowsのメモ帳など)で良いとコメントされていましたが、アウトラインや目次、改ページ設定を使ったりしないで欲しいと思います。

〔キーワード〕

個人、法人、基本情報、決算情報、財務情報、申請、届出、報告、連絡、通知証明、事例、行政サービス、制度、行政サービス拠点、支援機関、事例、イベント、報告書、会議資料、サービスカタログ、調達、デジタル手続法、ワンスオンリー、ベース・レジストリ

〔概要〕行政機関で個人や法人に関するマスターデータや各種手続に関するシステムを作るときに参照すべき実践的データ連携モデルの全体編。このガイドに従いデータ設計を行うことで、ワンスオンリー、ワンストップ、ベース・レジストリの活用等、他機関とのデータ交換が容易かつ正確に行えるようになり、データ設計に関するコストも削減することができる。

目次

はじめに

 背景

行政機関では多くのデータを管理していますが、そのデータは独自の形式である場合が多く、データの再利用が困難であったり、外部とのデータ連携においても大きな障害になっていたりします。また、データ形式が標準化されていないと、データ連携ができないだけでなく、データの整形に多くのリソースを割くことになり、分析にも支障をきたします。AIやビッグデータの活用が注目されていますが、そのインプットとなるデータが十分に整備されていなければ、目的の結果にたどり着くのが困難になります。

欧州や米国では、行政データの標準化を進めることで、社会全体のデータ標準化につながっていくものと考え、欧州委員会(EC)は、各国の個人、法人、場所情報等が活用できるようにSEMIC[1]という行政データ標準化のプロジェクトを推進しています。米国では同様にNIEM[2]というプロジェクトが進められています。

行政においては、これまでEDINET[3]を通じて上場企業に対してデータの標準化を推進し、法人番号制度の開始と同時に開始した法人情報を収集、公開するgBizINFO[4]は、政府の推進するデータのフレームワークである共通語彙基盤[5]に準拠して開発されています。

デジタル手続法が制定されたこともあり、今後はワンスオンリー、ワンストップの実現が求められてきます。また、社会の基本データとしてのベース・レジストリの整備も進められており、個人、法人、土地の基本データだけでなく、申請情報、資格情報等の社会活動に関連したデータ全体の標準化も必要となっています。

データの標準化は、個人や法人が活動しやすい社会環境を実現するために必須の要素であり、早急な環境整備と普及が望まれています。

 全体像

個人や法人が活動しやすい社会環境を考える上で、行政機関と社会の間で交換される情報を明確化し体系を整理していきます。

個人データの活用場面とサービス分類

個人に関するデータは、例えば下記のような場面において活用されます。

  • 転居、妊娠や出産などの申請について知りたい
  • 利用できるイベントや施設について知りたい
  • 利用できる支援制度の情報が欲しい
  • 相談に行く先が知りたい

このような各場面で利用者が情報を探すためには、各組織からデータを独自の形式で提供するのではなく、比較検討しやすくするために一定の規約に沿った形式でのデータ提供が必要となります。

個人の活動を支えるデータとしては以下のようなものが挙げられます。

・個人基本データ

氏名、住所、世帯等の基本情報

・申請データ

補助金、届出等の各種手続の情報

・・・登記はここ?

・証明書データ

許認可、証明書、通知等の情報

・行政サービス・データ

支援制度、行政サービス案内等の情報

・事例データ

事例集等の事例の情報

・・・判例?

・イベントデータ

展示会やセミナー等のイベントの情報

・行政サービス拠点・支援機関等データ

学校、税務署、保健所等の支援機関の情報

・・・税務署は支援機関?

・報告書・会議資料等データ

調査報告書、レポート等の報告書の情報

また、行政サービスの分類体系でありメニュー体系であるサービスカタログが必要になります。サービスカタログとは、デパートでの「食品」「紳士服」「生活雑貨」のように、行政サービスを整理するときの分類の標準モデルです。欧州では各国横断で行政サービスを検索可能とするように、サービスカタログの開発が積極的に行われています。

法人データの活用場面とサービス分類

企業はライフサイクルの段階に応じて、様々な情報を必要とします。

例えば新しい事業を始めるなら、以下のような情報を集めるでしょう。

  • 事業のヒントを得るためのイベント情報や事例情報、報告書情報
  • 競合他社や協力企業の候補
  • 事業の立ち上げにかかわる手続に関する情報
  • 事業の立ち上げにかかわる支援情報
  • 相談窓口

また、既存事業を拡大若しくは効率化したいと考える企業も同じような情報を集めるでしょう。

  • 事業の着想を得るためのイベントや事例、報告書情報等
  • 競合他社や協力企業の候補
  • 既存事業の拡大に関する支援情報
  • 相談窓口

事業を承継、清算したい企業は、それに関連する以下のような情報を集めるでしょう。

  • 譲渡先候補
  • 事業承継、清算にかかわる支援情報
  • 相談窓口

こうした情報につながる、法人の活動を支えるデータには以下のようなものがあります。

・法人基本データ

法人名、本社所在地等の基本情報

・申請データ

補助金、届出等の各種申請の情報

・財務データ

会計年度ごとの決算の情報

・証明書データ

許認可、証明書、通知、表彰等の情報

・行政サービス・データ

支援制度、行政サービス案内等の情報

・事例データ

事例集等の事例の情報

・イベントデータ

展示会やセミナー等のイベントの情報

・報告書・会議資料等データ

調査報告書、レポート等の報告書の情報

・行政サービス拠点・支援機関等データ

税務署、商工会議所等の支援機関の情報

法人にも、業務の各場面で利用者が情報を探すために、「設備投資」「販路拡大」「雇用・人材」のように、行政サービスを整理するときの分類体系でありメニュー体系であるサービスカタログが必要になります。

その他のデータ

個人や法人に関する情報ではありませんが、行政機関の重要な活動として調達があります。調達データの標準は、「行政サービス・データ連携モデル 解説」(標準ガイドライン群ID:1016(2019年(平成31年)3月28日))として公表していましたが、本ガイドの改定に合わせ調達標準も本ガイドに含むこととします。

サービスイメージと体系

本データモデルを適用した場合の個人や法人の活動と行政内の活動のイメージは以下の通りです。

図 1 個人の活動のイメージ

図 2 法人の活動のイメージ

このサービスを実現するため、本データモデルは、以下のデータモデル体系で構成します。

図 3 データモデルの全体像

・・・おそらく、私たちがパソコンなどのディスプレイを観たときに、サービスカタログモデルが出てくるのだと思います。

この全体像を効率的に実現するために、共通語彙基盤という政府で推進するデータ連携のための体系をもとに構造化したデータモデルを考えています。

例えば、連絡先を1つのデータ項目で自由記述にしていると、連絡先一覧を作成するようなデータの再利用が難しくなります。部署名、住所、メール等を別々のデータ項目にして、ブロックのように組み合わせることでデータの活用が容易になり、目的に応じた並べ替えや精度の高い検索ができるようになります。

具体的には以下のようにブロックを組み合わせるイメージです。様々な申請・届出データも、あらかじめ準備された基本部品を組み合わせてデータモデルを作っていくことができます。

図 4 データブロックの組み合わせによるデータモデルイメージ

一方、型化されたデータモデルは目的に合わないデータ項目が多くて使いにくいことや、独自データ項目を付け加えたい場合があります。

そこで、実際に導入する際には、目的に合わせて、データモデルをそのまま使ったり、必要な項目だけ部分的に利用(サブセット化)したり、独自ブロックや項目を追加(エクステンション)する等のカスタマイズをすることも可能です。

図 5 データモデルの部分利用や項目追加等のカスタマイズイメージ

・・・住所、氏名、電話番号のゴム印のイメージを持ちます。

カスタマイズで独自のデータ項目を付加した場合には、そのデータ項目は他組織では扱えない可能性があります。データ連携を検討する際には独自のデータ項目を定義している旨、情報提供することが重要です。

データの基本構造

個人に関する情報は、住所などを示す基本情報、法人に関する情報は、法人そのものを表す法人基本情報、それに付随する財務情報が基本となります。

関連情報は類型化することが可能で、「申請・証明系」「ドキュメント系」「施設・イベント系」に分類することができます。

申請、証明系

申請や証明等のデータは、宛先に続き、申請内容や証明事項等の内容のブロックがあり、その後に連絡先と発行者情報のブロックが付く場合が多いです。また、各ブロックの中に個人や法人の情報を含む構造になっています。

・・・不動産、商業法人登記申請は、申請、証明系に分類されそうです。

ドキュメント系

制度や事例などのドキュメントは、表題等の概要の後に内容が続き、法人情報を含む連絡先のブロックで構成されることが多いです。

・・・・ドキュメント系は、官公庁のサイト以外に、どのような場面で利用するのか分かりませんでした。

施設・イベント系

施設やイベントも、表題等の概要の後に内容が続き、法人情報を含む連絡先のブロックで構成される場合が多いです。

・・・イベント系は、引っ越しなどでしょうか。

データの入力から再利用までの流れ

申請書で入力した内容が、行政手続や内部分析で再利用され、証明書等でさらにデータが再利用される仕組みを目指します。

さらに、公開可能データは、データカタログサイト等で公開をしていきます。

図6 データのライフサイクル

・・・チェック、受領、審査について、勉強・経験する機会があれば良いなと思います。改善と広報と理解できる以外は、外部に漏れない情報だと思うので、どのように管理しているのかは知りたいです。

ワンスオンリーの実現

ワンスオンリーサービスの実現のため、既に登録されている情報があれば、そのデータの活用を検討する必要があります。特に、ベース・レジストリが整備されている分野では、ベース・レジストリのデータを使うことが求められます。

ただし、再利用対象のデータの正確性や最新性に問題があったり、データの取得が困難であったり等の理由で再利用できない場合、クレンジングしたデータを活用する等、別途対応が必要になります。

ワンストップの実現

複数の申請先に提出する必要のある申請をワンストップで行うためには、受付組織から他組織への照会、転送、確認等の処理が必要になります。各機関が独自のデータ形式で照会や転送等を行うと、受け取った側でデータ形式の変換が必要になるため、確認元、確認先の双方の負担になります。また、自動照合等の機械的処理の妨げにもなります。

このような組織間の申請情報や証明情報の連携や交換を円滑に実施できるように標準的なデータモデルを使っていくことが重要になります。

ベース・レジストリとの連携

今後、行政機関でベース・レジストリの整備が進んでいきます。ベース・レジストリのデータの基になるのが申請や届出のデータです。

一度登録されたデータは2回目以降の手続では入力不要になるワンスオンリーにより、ベース・レジストリに登録された情報が自動的に申請に転記されます。また、証明データは申請内容との照合が行われます。

ワンスオンリーの実現のために、ベース・レジストリの提供者は、本データモデルに沿ってベース・レジストリを整備するか、本データモデルに合わせたインタフェースを整備することが重要になります。ベース・レジストリ利用者に利便性を提供するのはもちろんのこと、ベース・レジストリ提供者にとっても、データ管理が効率的にすることができます。

また、既存のデータベース等、本データモデルを採用していないベース・レジストリと連携する場合には、コンバータを介してデータ形式を連携可能な形式に変換する場合もあります。

図 7 ベース・レジストリ活用の例

 導入方式

データの設計は、以下の流れになります。

図 8 導入の流れ

1.ニーズ分析

何の目的で、何のためにデータが必要かを精査する。

2.現状データ分析

複数部門の類似データを比較したり、既存データが目的に対して妥当かを確認したりする。

3.テンプレートと比較

本ガイドが提供するデータモデルと比較することでデータの過不足を確認する。役職と氏名を1つのデータ項目にしている等の再利用が困難なデータ項目は、役職と氏名を別のデータ項目に分割することを検討する。

4.不要データの削除、不足データの追加

データ項目の過不足の評価を踏まえ、必要なデータ項目を追加し、不要なデータ項目を削除する。

5.新データモデルで実装

データ定義書を作り、システムを実装する。

新規にシステムを開発する場合

新規にシステムを設計する場合には、本ガイドのデータモデルをベースに考えていくことで効率的かつ拡張性、メンテナンス性が高くシステム連携が容易なシステムを構築していくことができます。

図 9 新規システム構築時のイメージ

入力、出力含め、システム全体をデータモデルに沿って構築します。独自データを持つ外部システムと連携する場合には、接続先にデータモデルに沿った形式でのデータの提供を求めますが、自システム若しくは接続先のインタフェース部分の前処理として、データ形式の変換を行うようにし、連携に影響のない仕組みにする必要があります。

メリット

・設計済みのデータモデルを利用するため、データ設計コストを抑えられる

・データモデルによりインタフェースが標準化されるため他のサービスと連携しやすい

・データがモジュール化、標準化されるため、メンテナンス性が高い

・将来のデータ移行も容易である

デメリット

・なし

ただし、超高速処理が必要なシステム等においては、日付の年月を省略し日情報だけで管理する等、システムの目的によっては標準ではないデータを使う場合もある(その場合には、外部との連携処理をする場合にデータを年月日にする等の変換処理をインタフェース部で行う)。

既にシステムを保有している場合

既にシステムがあり、独自データ項目で運用している場合、現在のシステムのデータを本データモデルのデータ形式に置き換えるのはコスト的にも業務的にも負担が大きくなります。現在のシステムの持つインタフェースの外側にデータ形式を変換するインタフェースを整備し、データ形式を整えてシステム連携できるようにしておき、内部システムの標準化はシステム更改等のタイミングで実施するなど中長期で検討を行う必要があります。

図10 既存のシステムへの適用イメージ

メリット

・既存システム自体には手を加えないため、コストや業務面の負担が抑えられる

・インタフェースを介して、連携先に合ったデータ形式に変換されるため他のサービスと連携しやすい

デメリット

・データ形式を変換するインタフェースの整備にコストがかかる

 データやデータ項目名の表記に関する留意点

本ガイドでは、システム連携のためのデータモデルを示しています。画面や帳票等ではデータ形式を変換して表示することがあります。

例えば、日付データはシステムには「2019-04-01」で格納し、入出力画面や帳票上では「2019年4月1日」に変換して表示する等、様式や手続等の要件に応じて対応します。

データ項目名も必要に応じて異なる表示をすることがあります。例えば、データ項目名としては「氏名」がよく使われますが、入出力画面や帳票等では「お名前」と表示するなどです。

 基本データ

システムで各種データを扱う前に、文字、日付時刻、住所等の基本データの定義が必要になります。基本的には、文字環境導入実践ガイドブック、行政基本情報データ連携モデル[6]を基にした表記にすることで、様々なシステムとの相互運用性を確保することとなります。

 文字

データモデルで使用する文字は、システム間の連携を容易にするため文字環境導入実践ガイドブック[7]に準拠することが重要です。

漢字

一般的な情報機器で使用できるJIS X 0213(いわゆるJIS第4水準)の範囲内を使用します。この範囲外の外字については、文字情報技術促進協議会が提供する文字情報基盤縮退マップ[8]で、JIS X 0213の文字に縮退した文字を使います。可読性を高めるために、文字をさらに限定して教員免状のように常用漢字を使用する場合もあります。その場合はその行政手続の規則に従います。

ヨミガナ

氏名、法人名や地名にはヨミガナを付与します。

ローマ字

氏名、法人名や地名をローマ字表記する場合は、基本的にヘボン式ローマ字を使用します。ただし、従前から慣用的に使われているローマ字などはそのまま使用する場合があります。

数字

数字は基本的に半角数字を使います。

 日付時刻

日付

西暦年と月日とします。半角の数字とハイフンのデータとします。曜日はコンピュータが持つカレンダーデータから自動取得できるため省略します。

例: 2019-04-01

画面への表示、印刷で他の形式にしたい場合にはデータを変換して表示、印字します。また曜日を記載したい場合には、データをカレンダーから呼出し、(水)のように日付の後に表示します。

例: 2019年4月1日(月)

期間を表現する場合には1つのデータ項目に「2019-04-01から2019-04-08まで」とするのではなく、開始日「2019-04-01」終了日「2019-04-08」とデータ項目を分けて管理します。

 時刻

時刻は24時間表記のデータとします。行政データ連携標準を基本とし、半角数字と半角コロンのデータとします。

例: 13:00

時刻に期間がある場合には、日付同様に開始時間「13:00」、終了時間「16:00」とデータ項目を分けて記入します。

 日時

コンピュータ処理の中で日付と時刻を1つのデータ項目で扱う場合があります。その場合には、ISOの標準に従い「T」をセパレータとして接続した表記を行います。

例: 2019-06-01T10:00

 利用可能日

施設、イベント等では利用可能日を使用します。国際的に、利用可能日を情報提供するのが主流であり、利用日検索の効率化を図るため、休館日等の利用不可日のデータ項目は使わないようにします。

例: 月火木金土日

 時期

時期が未定の場合は、該当しそうな月を前広に扱います。例えば桜まつりの場合は、3月、4月が該当するので「3,4」と記入します。季節や旬を表現したい場合には、「行政データ連携モデル(日付及び時刻)」[9]を参照してください。

 日時備考

「金曜日は終了時間が変更」のような特記事項がある場合には、日時備考の項目を設けます。

 所在地(住所)

個人や法人が存在する建物の位置を示すのに「所在地」と「住所」がデータ項目名として使用されますが、所在地は「東京」等のエリアを示す場合があり定義が明確でないため、行政データにおいては「住所」をデータ項目名として使用します。行政データ連携標準(住所)[10]の「3個のデータ項目で管理する場合に準拠します。

 住所都道府県、住所町名、住所丁目以下

住所は、制度上は町名と丁目が一体ですが、丁目以下は漢数字や半角数字などが混在するため、町名までの住所と丁目以下の住所に分割し別々のデータ項目にします。「住所都道府県」は記入又は選択肢で入力し、「住所町名」では郡・市区町村から記入し、丁目以降は省略します。また「住所丁目以下」では半角数字ハイフンつなぎで表記します。

例: 住所   「東京都」「千代田区霞が関」「3-3-1」

ただし、入力時に都道府県を選択した上で市区町村を入力するなどの方法や市区町村コードを利用するなどの工夫は自由にできます。

 建物名等(方書)

ビル名等は上記項目とは別途「建物名等」のデータの項目を作り管理します。

例: 建物名等   〇〇ビル9階

 郵便番号

郵便番号は、7桁のデータとします。ハイフンは省略します。表示や印字する時には頭に〒を付加して表示します。

例: 郵便番号 1000013

 電話番号

半角で、省略可能な市外局番に()をつけ、その後の番号はハイフン接続のデータとします。内線、代表等は、電話番号のデータに連続して記入するのではなく、電話番号とは別のデータ項目として管理します。

例: (03)3501-****

1 基本ブロック

基本情報を組み合わせて定型的に使う基本ブロックの例を示します。

法人情報の基本ブロックは以下の通りになります。

図11 情報の基本ブロック

「氏名」が「氏」と「名」と分離するなどデータ項目は従来に比べて増加していますが、登録済み情報を自動入力したり、審査を自動化したりするための工夫が図られています。

こうすることで、利用者、行政機関の双方の利便性が増し、業務を効率化します。

 個人基本情報(3情報)

個人番号個人に割り当てられた一意の番号(12桁)
個人の氏
個人の名
氏(カナ)個人の氏のカナ表記
名(カナ)個人の名のカナ表記
氏(英字)個人の氏の英字表記
名(英字)個人の名の英字表記
住所都道府県個人の住所の表記(都道府県)
住所町名個人の住所の表記(郡・市区町村から記入し、丁目以下省略)
住所丁目以下個人の住所の表記(丁目以下を半角数字とハイフンで記入)
建物名等個人の住所に建物名等の情報がある場合に使用

 連絡先(個人)

役割代理の場合の、委任先、保護者等の関係性
個人の氏
個人の名
氏(カナ)個人の氏のカナ表記
名(カナ)個人の名のカナ表記
電話番号個人の電話番号(市外局番にカッコをつけ、以降の番号はハイフンで接続。半角)
メールアドレス連絡先のメールアドレス
住所都道府県個人の住所の表記(都道府県)
住所町名個人の住所の表記(郡・市区町村から記入し、丁目以下省略)
住所丁目以下個人の住所の表記(丁目以下を半角数字とハイフンで記入)
建物名等個人の住所に建物名等の情報がある場合に使用
郵便番号個人の住所の郵便番号(ハイフンなしの7桁(半角))

 法人基本情報(3情報)

法人番号法人に割り当てられた一意の番号(13桁)
商号又は名称法人の商号又は名称
商号又は名称(カナ)法人の商号又は名称のカナ表記。 株式会社、一般社団法人等の組織種別のカナは省略
商号又は名称(英字)法人の商号又は名称の英字表記
登記住所都道府県法人登記の所在地の表記(都道府県)
登記住所町名法人登記の所在地の表記(郡・市区町村から記入し、丁目以下省略)
登記住所丁目以下法人登記の所在地の表記(丁目以下を半角数字とハイフンで記入)
登記建物名等法人登記の所在地に建物名等の情報がある場合に使用

 事業所情報

事業所名法人に関する、支店などの名称。本社の場合は、本社とする
事業所住所都道府県法人に関連する、支店などの住所の表記(都道府県)
事業所住所町名法人に関連する、支店などの住所の表記(郡・市区町村から記入し、丁目以下省略)
事業所住所丁目以下法人に関連する、支店などの住所の表記(丁目以下を半角数字とハイフンで記入)
事業所建物名等法人に関連する、支店などの建物名
事業所郵便番号法人に関連する、支店などの郵便番号(ハイフンなしの7桁(半角))

 連絡先(法人)

役割連絡先の役割
担当部署担当部署名
担当者役職担当者の役職
担当者名の氏担当者の氏
担当者名の名担当者の名
担当者名の氏(カナ)担当者の氏のカナ表記
担当者名の名(カナ)担当者の名のカナ表記
電話番号担当部署の電話番号(市外局番にカッコをつけ、以降の番号はハイフンで接続。半角)
内線担当部署の電話番号の内線番号 電話番号に「直通」「代表」と記載したい場合は、この欄に記入
メールアドレス連絡先のメールアドレス
住所都道府県連絡先の住所の表記(都道府県)
住所町名連絡先の住所の表記(郡・市区町村から記入し、丁目以下省略)
住所丁目以下連絡先の住所の表記(丁目以下は半角数字とハイフンで記入)
建物名等連絡先の住所に建物名等の情報がある場合に使用
郵便番号連絡先の郵便番号(ハイフンなしの7桁(半角))
Webフォーム連絡先のWebフォームURL

 宛先、申請元、発行元

商号又は名称法人の商号又は名称
商号又は名称(カナ)法人の商号又は名称のカナ表記 株式会社、一般社団法人等の組織種別のカナは省略
商号又は名称(英字)法人の商号又は名称の英字表記
事業所名法人に関する、支店などの名称。本社の場合は、本社とする
事業所住所都道府県法人に関連する、支店などの住所の表記(都道府県)
事業所住所町名法人に関連する、支店などの住所の表記(郡・市区町村から記入し、丁目以下省略)
事業所住所丁目以下法人に関連する、支店などの住所の表記(丁目以下を半角数字とハイフンで記入)
事業所建物名等法人に関連する、支店などの建物名
事業所郵便番号法人に関連する、支店などの郵便番号(ハイフンなしの7桁(半角))
担当者部署担当者の部署名
担当者役職担当者の役職
担当者名の氏担当者の氏
担当者名の名担当者の名

 表題等の概要

タイトルタイトル
サブタイトルサブタイトル
概要概要(70文字以内)
最終更新日最終更新日(西暦年月日とし、半角数字をハイフンでつなぐ)
産業分類産業分類大分類、可能な場合は中分類

留意事項

2.1 氏名、法人名の漢字表記の扱い

氏名、法人名は、一般の情報機器では扱うことができないJIS X 0213で定められた範囲外の文字(いわゆる外字)で戸籍や登記に登録されていることがあります。政府に登録された正規の表記ですが、既に社会保障・税番号制度の導入に伴い、マイナンバーカードに個人氏名の代替文字が導入され、法人番号公表サイトで法人名の代替文字が提供されています。また、マイナンバーカードには券面入力補助アプリにも代替文字が記録されています。従来の手続と同等の利便性を確保するために、行政サービスや他システム連携データでは、氏名、法人名に代替文字が活用されることがあります。

戸籍や商業登記に基づき登録された文字が法令等に基づき必要な場合には、データ項目に一般の手続に使われる「氏名」の項目と別項目の「戸籍氏名」を設け、商業登記名が必要なときには「法人名」と別項目の「登記名」を設けることで円滑な連携ができるようにするなどの工夫が必要です。

2.2 氏名、法人名のヨミガナの扱い

氏名や法人名については、法的にはヨミガナが存在しません。しかし、名簿等でのデータのソートは名称の五十音順に行われることが多く、ヨミガナがないと、データのソートや検索に不都合が生じます。

よって、手続では、固有名詞のデータにヨミガナを付与することを基本とします。ヨミガナを付与することでローマ字表記化することも容易になります。

2.3 本社住所の扱い

本社住所は、商業登記した住所が正式なものです。一方で、変更登記が行われていない法人も多く、住居表示変更等も反映されていない場合もあります。

ワンスオンリー実現の観点から、商業登記した住所を、その後の申請などで使うことが求められていますが、正確な連絡先として使用できない場合があるため、「登記住所」というデータ項目とは別に事業所名「本社」事業所住所「本社住所」と記録できるようにするなどの工夫が必要です。登記変更を促すため申請のデータ項目に追加することで、「登記住所」と「本社住所」が異なる場合に注意を促す運用も可能になります。

・・・事業者情報は、支店・営業所用の情報だと理解していましたが、違うようです。

2.4 外字の扱い

氏名、法人名、地名等で外字の表示が必須である場合には、コンピュータで処理するデータ項目以外に、外字をイメージで保有する場合があります。その場合にも、データ項目は、JIS X 0213の範囲で運用することが望ましいです。範囲外の文字を使う場合には、連携システムや再利用時の影響評価を実施した上で判断する必要があります。

2.5 申請者などによる押印の扱い

規制改革推進会議が整理した押印手続の見直しの方針[11]に基づき、押印の必要性を見直します。またデータの真正性証明は、データの場合は電子証明書、サーバーに保存している情報を参照する場合には認証などでのアクセスコントロールで行うことができます。

・・・今まで押印が必要な場面(意思確認)と異なると感じます。

2.6 公印の扱い

公印に法的な拘束力はありませんが、多くの書類に押印されてきました。書面に印影イメージや「公印省略」を印刷する場合がありますが、証明としての効力は有しないため省略が可能です。BPRの観点から不要な業務プロセスや様式を洗い出し、内部規則などの見直しを図る必要があります。またデータの真正性証明は、データの場合は電子証明書、サーバーに保存している情報を参照する場合には認証などでのアクセスコントロールで行うことができます。

・・・公印省略を省略


[1] https://joinup.ec.europa.eu/collection/semantic-interoperability-community-semic

[2] https://www.niem.gov/

[3] https://www.fsa.go.jp/search/20130917.html

[4] https://info.gbiz.go.jp/

[5] https://imi.go.jp/goi/

[6] https://cio.go.jp/guides

[7] https://cio.go.jp/guides

[8] https://moji.or.jp/mojikiban/map

[9] https://cio.go.jp/guides

[10] https://cio.go.jp/guides

[11] https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/imprint/i_index.html

地域共生社会はどうあるべきか―ーポストコロナの福祉ビジョン―

 市民と法[1]の宮本太郎中央大学教授「地域共生社会はどうあるべきか―ポストコロナの福祉ビジョン―」からです。

・重層的支援体制整備事業

社会福祉法の改正

厚生労働省 / MHLWchannel 「②社会福祉法の改正趣旨・改正概要について」

社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000045

(地域福祉の推進)

第四条 地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。

・・・理念

(福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務)

第六条 2 国及び地方公共団体は、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備その他地域福祉の推進のために必要な各般の措置を講ずるよう努めるとともに、当該措置の推進に当たつては、保健医療、労働、教育、住まい及び地域再生に関する施策その他の関連施策との連携に配慮するよう努めなければならない。

・・・努力義務

(重層的支援体制整備事業)

第百六条の四 2 前項の「重層的支援体制整備事業」とは、次に掲げるこの法律に基づく事業及び他の法律に基づく事業を一体のものとして実施することにより、地域生活課題を抱える地域住民及びその世帯に対する支援体制並びに地域住民等による地域福祉の推進のために必要な環境を一体的かつ重層的に整備する事業をいう。

一 地域生活課題を抱える地域住民及びその家族その他の関係者からの相談に包括的に応じ、利用可能な福祉サービスに関する情報の提供及び助言、支援関係機関との連絡調整並びに高齢者、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のための援助その他厚生労働省令で定める便宜の提供を行うため、次に掲げる全ての事業を一体的に行う事業

イ 介護保険法第百十五条の四十五第二項第一号から第三号までに掲げる事業

ロ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第七十七条第一項第三号に掲げる事業

ハ 子ども・子育て支援法第五十九条第一号に掲げる事業

ニ 生活困窮者自立支援法第三条第二項各号に掲げる事業

二 地域生活課題を抱える地域住民であつて、社会生活を円滑に営む上での困難を有するものに対し、支援関係機関と民間団体との連携による支援体制の下、活動の機会の提供、訪問による必要な情報の提供及び助言その他の社会参加のために必要な便宜の提供として厚生労働省令で定めるものを行う事業

三 地域住民が地域において自立した日常生活を営み、地域社会に参加する機会を確保するための支援並びに地域生活課題の発生の防止又は解決に係る体制の整備及び地域住民相互の交流を行う拠点の開設その他厚生労働省令で定める援助を行うため、次に掲げる全ての事業を一体的に行う事業

イ 介護保険法第百十五条の四十五第一項第二号に掲げる事業のうち厚生労働大臣が定めるもの

ロ 介護保険法第百十五条の四十五第二項第五号に掲げる事業

ハ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第七十七条第一項第九号に掲げる事業

ニ 子ども・子育て支援法第五十九条第九号に掲げる事業

四 地域社会からの孤立が長期にわたる者その他の継続的な支援を必要とする地域住民及びその世帯に対し、訪問により状況を把握した上で相談に応じ、利用可能な福祉サービスに関する情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める便宜の提供を包括的かつ継続的に行う事業

・・・相談支援の包括化、地域づくり事業、前の2つを繋ぐ事業、アウトリーチ事業。

ユニバーサル就労(中間的就労)について、「職場で経験値が高い専門性を有しした人が引き受けている仕事を業務分解して、誰でもできる仕事を切り出していく。こうして、さまざまな困難を抱えた人々も携わることができる業務のパッケージをつくり出し、さらには人々の事情に合わせてカスタマイズする。このように、職場の効率を犠牲にすることなく、その間口を広げていくのがユニバーサル就労である。(P18)」

・・・「誰でもできる仕事」は、私なら利用者が出来る、嫌ではない仕事とします。

参考 ユニバーサル就労ネットワークちばHP「中間的就労とは?」

・・・利用の仕方次第なのかなと感じます。

”制度からの孤立”を防ぐために必要なこと-申請主義によって生じる課題に焦点をあてて-

tps://note.com/wish0517/n/n1bb074a9e690

富士市HP「富士市ユニバーサル就労の推進に関する条例(平成29年4月1日施行)」

https://www.city.fuji.shizuoka.jp/kurashi/c0606/universal_work.html

・・・「市民の誰もが社会を構成する一員として活躍し、自立した生活を送ることができる社会を実現するためには、就労意欲のある全ての人に就労の機会が提供されるよう、環境を整備していかなければならない。」とありますが、これは自助ではないのかなと感じます。

独立行政法人福祉医療気候「コミュニティソーシャルワーカー(CSW)」

地域の人材やシステムを活用して困っている人を支援する

https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job58.html

・・・人次第かなと思いました。

・2040年問題

参考 「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめ」について

令和元年6月12日 第118回社会保障審議会医療保険部会 資 料 2-1

厚生労働省保険局

・就職氷河期世代の方々の活躍の場を更に広げるための支援

・地域共生・地域の支え合い

「地域共生社会の形成には、相談支援と元気になる場、そしてこの二つをつなげる参加支援が重要であること、昨年の社会福祉法改正による重層的支援体制整備事業がこの3つのポイントを包括化していく取組みであることを示した。」

参考

令和3年3月 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

「重層的支援体制整備事業に関わることになった人に向けたガイドブック」

「「生きづらさ」を抱える住民を支える専門職や支援団体もまた、縦割りの制度や組織、支援の仕組みに、「支援しづらさ」を感じています。」

【支援関係者・専門職にとって】地域の支援関係者、専門職にとっては、利用者・対象者の抱える生活課題のすべてを一か所で抱え込む必要がなくなります。人的資源に限度がある以上、各分野の負担を軽減しながら支えていくことは考えるべき現実的な課題です。支援関係者や専門職の負担が軽減されることは、結局、最終的には生活課題を抱える地域全体のメリットになっていきます。

・・・担当者によって変わるのかなと感じました。イメージは生活保護担当者や、地方公共団体の職員の社会福祉士などです。ここまでやるのか、すごいなと思わせる方もいますし、んー、あまり希望してなかった課にふられてしまったんだなと思わせる方もいらっしゃいます。


[1]130号、2021年8月、P14~民事法研究会