登記研究911号(令和6年1月号)テイハン

登記研究911号(令和6年1月号)テイハン

■新年を迎えて

法務省民事局長 竹内努

 令和6年4月1日施行の改正後民法777条について。今後の立法課題、区分所有法制の見直し、家族法制の見直し、担保法制の見直し、船荷証券等の電子化に関する商法等の見直し、成年後見制度の見直し。

【論説・解説】■民事基本法制の立法動向について

法務省大臣官房審議官 松井信憲

一 はじめに

二 令和5年通常国会で成立した法律の概要

 1 いわゆる仲裁関連三法について

 2 民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律について

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00336.html

 3 戸籍法の一部改正について

・総務省令和5年8月28日

 氏名の振り仮名法制化に伴う住民記録・印鑑登録・戸籍附票システム標準仕様書の検討

https://www.soumu.go.jp/main_content/000898401.pdf

三 現下の立法課題の概要

 1 区分所有法制の見直し

 2 家族法制の見直し

 3 担保法制の見直し

 4 船荷証券の電子化のための見直し

 5 公益信託法の見直し

 信託財産を金銭に限定しない、受託者を信託会社に限定しない、特定調整庁による許可・監督制の議論。

 6 違憲決定への対応

令和5年10月25日最高裁判所大法廷決定について。

■「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説(5)

法務省民事局民事第二課補佐官 三 枝 稔 宗、法務省民事局民事第二課補佐官河瀬貴 之、法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官)手塚久美子、法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長清水玖美

第2 本要領の概要

 10 第10節 承認申請の審査(承前)

  ⑶ 第3 調査事項

・登記上の地目と、申請土地の現況を表す「種目」が異なる場合について、不動産登記法37条。

・実地調査において測量は実施しない理由・・・所有権界に争いがないことを確認すれば足りるから。

・建物の判断基準(不動産登記規則111条)。

・相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律2条3項2号の、担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地について・・・地方公共団体等がマンホールや電柱を設置するために土地のごく一部に利用権を設定しているような場合は、「使用及び収益を目的とする権利」には該当しないものと考えられる。

・相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則13条、隣接地所有者への通知について・・・再度の通知に対して返答がない場合は、異議のないものとして取り扱う。書面のみで要件不足の場合、実地調査などで補う。

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第117回)、一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問、神﨑満治郎

医療法人会計基準

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=428M60000100095

(金額の表示の単位)

第六条 貸借対照表等に係る事項の金額は、千円単位をもって表示するものとする。

・平成19年3月30日医政指発第0330003号厚生労働省医政局指導課長通知「医療法人における事業報告書等の様式について」

https://www5.cao.go.jp/npc/wg-shiryou/3kai/pdf/3.pdf

■Q&A不動産表示登記(87)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新井 克美

 主である建物と附属建物の合体した場合の登記について。共有名義建物について、大正8年8月1日民第2926号民事局長回答。

 登記の可否、合体の登記または登記事項の変更申請か、について。不動産登記事務取扱手続準則95条など。

■商業登記の変遷(57)

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 申請人、申請方式、申請書について。当事者出頭主義から廃止へ。原則書面申請を維持(商業登記法17条1項、登記申請の方式)。現行商業登記規則102条1項の申請書情報について、本記事を読むまで、申請情報だと思い込んでいました。

■民事信託の登記の諸問題(28)、渋 谷 陽一郎

 P84以降に記載されている、一定の第三者、について登記事項として事業承継の場合の債務者が法人とする場合が例示されています。家族経営である合同会社の中で、委託者兼受益者と受託者が、どのような地位(業務執行社員、代表社員など)の場合でも、必要であれば、利益相反取引の承認議事録があれば可能なのか、分かりませんでした。

 私なら委託者兼受益者の孫を債務者として、信託不動産(土地)に抵当権設定を行い、建物を建てて、一部を委託者兼受益者の居住用に充てる場合を示すかなと思います。または、信託不動産(建物・委託者兼受益者居住の収益不動産)の修繕のため、この信託における、残余財産の帰属権利者と指定されている孫が債務者となる場合です。

 信託の目的と法人の目的について。

 P86、信託の目的違反が甚だしい行為であっても、一応、有効なものとして、その効果を信託財産の帰属させることができるのか、これに対して確定的な結論があるのだろうか。について・・・信託法166条1項から考えてみます。本条文は信託終の終了原因を定めているので、一応は有効なものとして、信託財産に帰属させることも出来るように読めますが、それは受託者の事実上の行為によって、信託財産の性質(金銭・不動産etc.)上、信託財産に帰属することも出来る、というように思います。法的に有効か無効かとは別の問題だと考えます。

【資 料】 

会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(4)

平成29年2月10日法務省民商第15号民事局長通達「登記の申請書に押印すべき者が外国人であり,その者の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することができない場合等の取扱いについて」の一部改正について。登記研究 833号P91

 外国人の本国の法制上の理由等のやむを得ない事情がある場合、日本における領事若しくは日本における権限がある官憲が発行していない場合の取扱いを追加。

平成29年2月10日法務省民商第16号民事局商事課長依命通知「登記の申請書に押印すべき者が外国人であり,その者の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することができない場合等の取扱いについて」の一部改正について、登記研究833号P98。

 平成29年2月10日法務省民商第15号民事局長通達の署名証明書の要件について。

 登記事項中、商号に使用できる文字、記号などについて。

【法 令】

法務局における遺言書の保管等に関する省令及び法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則の一部を改正する省令(令和5年5月12日法務省令第27号)

・添付書類の期間制限の廃止。

・市町村町その他の公務員が、職務上作成していない請求人の証明書(マイナンバーカードなど。)の追加。

・法人でない社団・財団が、遺言書情報証明書の交付請求を行う場合の規定の追加。

民事訴訟法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(令和5年12月15日政令第356号)

【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6214〕司法書士による本人確認情報の作成について(令和5年3月30日付け法務省民二第556号法務局民事行政部長、地方法務局長宛て法務省民事局民事第二課長通知)

〔6215〕租税特別措置法第77条及び第77条の2並びに東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第40条の2の2の規定により読み替えて適用される租税特別措置法第77条の規定による登録免許税の税率の軽減措置に係る証明書の様式について(令和5年3月31日付け法務省民二第562号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局民事第二課長依命通知)

〔6216〕民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続登記等の申請義務化関係)(令和5年9月12日付け法務省民二第927号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

▽遺言書保管関係

〔6217〕法務局における遺言書の保管等に関する省令及び法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則の一部を改正する省令の施行に伴う遺言書保管事務の取扱いについて(令和5年5月12日付け法務省民商第100号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

遺言書保管事実証明書・遺言書情報証明書の各証明書の交付請求,モニターによる遺言書の閲覧請求を行うことが出来る法務局が、全国の法務局、支局にて可能に。出張所は未対応。

〔6218〕遺言書保管事務の監査について(令和5年6月12日付け法務省民商第118号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 令和5年6月12日施行。

令和5年9月12日法務省民二第927号通達「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続登記等の申請義務化関係)」

 催告書・通知書の様式など。

『月刊登記情報』2024年1月号(746号)

『月刊登記情報』2024年1月号(746号)、(一社)金融財政事情研究会からです。

 新年随想 

法務省民事局長 竹内 努

 マイナンバーカード情報の提供により、戸籍謄本等の提出を不要とする手続きが始まる。

日本司法書士会連合会会長 小澤吉徳

今後、相続登記の申請件数は200万件を超えるのではないかという予想。

日本土地家屋調査士会連合会会長 岡田潤一郎

 狭あい道路解に向けた活動と発信強化。

特 集

士業者がおさえたい近時の制度改正・重要判例先例

近時の制度改正と士業実務

司法書士法人F& Partners  司法書士 北詰健太郎

 司法書士法1条の使命規定。民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)、法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律73号)について。民法909条の2(遺産の分割前における預貯金債権の行使)。民法1012条、1014条、1015条(遺言執行者の権限について)。民法1046条(遺留分の権利行使の効果の金銭債権化)。

 民法の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和3年法律第25号)について。

 会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号)について。

 民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)について。

 民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和5年法律第53号)について。・・・この法律は施行前に理解する必要があると感じます。

近時の重要判例と士業実務

司法書士 早川将和

財産開示の申立てに対する執行公告(最一小決令4・10・6民集76巻6号1320頁)。財産開示手続の利用件数の増加件数について、初めて知りました。

 マンション建替円滑化法による補償金についての供託(最一小判令4・10・6民集76巻6号1291号)。マンションの建替え等の円滑化に関する法律76条と、民事執行法156条による混合供託義務を負うこと。

 破産管財人による債務承認の効力(最三小決令5・2・1民集77巻2号183頁)。破産管財人が、別除権者に対して被担保債権が存在する認識を表示した場合の被担保債権の消滅時効中断の効力発生の可否について(破産法44条、民法152条)。

 遺言執行者の権限/複数の包括遺贈の一部が効果を失った場合の権利の帰趨(最二小判令5・5・19金法2218号66頁)。

 民法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)施行以前に開始した相続について。遺言執行者が遺言者の生前に行われた無効な登記に関して、抹消登記請求訴訟の原告となることが出来るか。遺言執行者が包括遺贈に反した登記に対し、抹消登記請求訴訟の原告となることが出来るか。

 包括遺贈の放棄があった場合の遺産は、他の包括受遺者に帰属するのか、相続人に帰属するのか。

 1筆の土地の一部についての仮処分において土地全部の仮処分ができる場合(最三小決令5・10・6LLI/DB判例秘書L07810077)。

 分筆登記申請をすることが出来ない、著しく困難であることを疎明する必要がある。民事保全法23条。

 会社法206条の2第4項の決議を欠く新株発行の効力(東京地判令3・3・18判タ1503号233頁)。

 会社法206条の2第4項但し書の解釈について。

監査法人の脱退時持分の算定方法(東京地判令3・6・24金判1624号34頁)。

 定款で定めることの可否、算定方法など。会社法611条、621条、622条、624条。

 取締役会における持ち回り決議の有効性(東京高判令4・7・21金判1669号24頁)。

 会社法370条の規定は、株式の譲渡による取得を承認する場合にも活用可能か、について。

価格決定における譲渡制限株式の評価(最三小決令5・5・24LLI/DB判例秘書L07810042)

 会社法144条。自らの意思で株式譲渡を行おうとした株主が、その譲渡を会社から承認されなかった場合において、会社は株式の非流動性を理由として株価を値下げして買い取り請求を行うことが出来るか。

株主総会に先立って送付した委任状の取扱い(最一小決令5・10・26LLI/DB判例秘書L07810092)

 会社法758条2項1号イの反対した株主に該当するかの判断。委任状の意思表示の相手方に、受任者と共に会社が含まれるか。

近時の重要先例と士業実務

司法書士 田口真一郎

供託規則第26条3項6号に規定する証明書の様式について(令和4年8月24日民商第406号回答)

 各財産管理人に対して、裁判所書記官が作成する印鑑証明書の様式について。

商業登記規則及び電気通信回線による登記情報の提供に関する法律施行規則の一部の改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(令和4年8月25日民商第411号通達)

 商業登記記録における住所、氏名の表示、非表示に関する申出時の申請書記載事項など。商業登記規則31条の2、81条の2。

賃借権の設定の登記において他の不動産と合わせて定められた敷金を登記することの可否について(令和4年12月12日民二大1298号通知)

 複数の不動産賃貸借契約において一括して敷金が定められた場合に、一括して定められた敷金の額を登記申請することが可能。不動産登記法81条。

・・・債権者が申請書の閲覧でも賃貸借契約書の入手が困難な場合、民事執行や民事保全の局面で、予納金に変化があるのか気になりました。

独立行政法人住宅金融支援機構が申請する抵当権の全部移転の登記に添付する委任状について(令和5年2月13日付民二第274号依命通知)

 原因日付より前に作成され、電子署名が付された委任状が有効であることを確認。関連・・・一部移転について、令和4年6月17日民二第639号依命通知。

民法等の一部を改正する法律の施行に伴う供託事務の取扱いについて(令和5年3月27日民商第67号通達)

 民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)に伴う供託事務の取扱いについて。非訟事件手続法87条5項など。

民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(民法改正関係)(令和5年3月28日民二第533号通達)

 民法251条に該当する場合の登記申請人、所在等不明共有者の持分取得の裁判(民法262条の2)がされた場合の、登記申請時における登記識別情報の提供の要否など。

 民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(令和5年4月1日施行関係)(令和5年3月28日民二第538号通達)

 不動産登記法63条3項、69条の2、70条、不動産登記測152条の2、183条4に伴う登記原因、登記の目的など。

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う

相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説⑴

法務省民事局民事第二課補佐官  三枝稔宗

法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之

 法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官

(前民事局民事第二課法務専門官) 手塚久美子

 法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清水玖美

 法務局への相談の方法、相談する人の資格、法務局の相談に対応する権限の範囲などの解説。承認申請書を提出することが出来る人の範囲、添付書面などの解説。

NEWS

起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しの動き

編集部

 一定の要件を満たした場合の、公証人による面前確認の廃止、定款認証手数料の値下げ、将来的な定款認証制度の廃止の検討が始まっていること。

商業登記規則逐条解説 第13回

法務省民事局商事課長 土手敏行

 登記用紙から登記記録へ、登記官の識別番号。商業登記法4条、商業登記規則1条←商業登記規則116条←商業登記規則39条

 嘱託登記について。申請の例外という立ち位置から法律による原則へ。添付情報について、申請との違い。商業登記法14条←商業登記法116条←商業登記法40条。

 変更の登記について。実体上の法律関係が消滅したときに申請する登記を含む。商法10条、会社法909条、915条。商業登記法1条の2、29条←商業登記法41条。

 行政区画等の変更。商業登記法1条の2、4条←商業登記規則116条←商業登記規則42条。

 登記記録の閉鎖について。閉鎖されている登記記録については、閉鎖以降、一切の登記がされていないことを意味する。商業登記法4条、商業登記規則1条←商業登記規則116条←商業登記規則43条。

 登記事項の閉鎖について。商業登記規則114条←商業登記規則44条。保存期間は、閉鎖した日から20年間(商業登記規則34条)。

目で見る筆界の調査・認定事例

第4回 土地区画整理による測量成果が存在する土地について筆界を認定した事例(立会拒否)

京都地方法務局次長 田中博幸(日本土地家屋調査士会連合会業務部協力)

 土地区画整理後、分筆がされた土地についての筆界特定。

法律業務が楽になる心理学の基礎

第4回 上手なコーピング―問題焦点型対処と情動焦点型対処

弁護士(認定心理士) 渡部友一郎

 うっかりミスの種類と、確認不足の重なりの程度が気になりました。

犯罪収益移転防止法の大改正と司法書士の実務⑷

司法書士 末光祐一

 犯罪収益移転防止法施行規則11条(実質的支配者の確認方法等)について。会社法308条1項括弧書き、会社法施行規則67条と、資本多数決法人の議決権の考え方について。

中小企業とともに歩む企業法務のピントとヒント

第57話 中小企業だって組織再編~④株式交付

司法書士法人鈴木事務所

司法書士 鈴木龍介

会社法816条の2~。子会社化するための組織再編。令和5年度の税制改正について。

登記研究910号(令和5年12月号)

登記研究910号(令和5年12月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/book/b10045240.html

【論説・解説】

■令和6年4月から始まる相続登記の申請義務化の内容と、その施行に向けたマスタープランの公表について 法務省民事局付 森 下 宏 輝、法務省大臣官房司法法制部審査監督課法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 古 田 辰 美、法務省民事局民事第二課法務専門官 太 田 裕 介

第1 はじめに

第2 相続登記等の申請義務の内容

 不動産の承継について遺言がされていない場合、遺言がされている場合などケース別の相続人の登記申請義務についての解説。

第3 相続人申告登記(手続負担軽減策/環境整備策)

 遺産分割協議が成立しない、出来ない場合の対応として、通常、法定相続分での相続登記申請ではなく、相続人申告登記の申出によることが制度の意図。

 P7、相続人申告登記は、相続等による権利移転を公示するものではなく、所有権の登記名義人に相続が開始したこと及び当該登記名義人の法定相続人とみられる者、の、みられる、という部分がどのような意味なのか分かりませんでした。

第4 マスタープラン

 相続人申告登記については、非課税。数次相続など複雑ではない相続関係の場合、オンライン上で手続きを完結させるために、行政間の情報連携などを通して、戸籍等の添付情報を可能な限り省略出来るように進めていること。電子署名の付与も不要。

第5 おわりに

■「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説(4)法務省民事局民事第二課補佐官 三 枝 稔 宗、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 手 塚 久美子、法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清 水 玖 美

第2 本要領の概要

 9 第9節 関係機関への資料提供の依頼等

法務局からの依頼に対して、関係機関(市町村など。)の回答期限は、2週間程度を予定。

 10 第10節 承認申請の審査

 実地調査の事前通知、方法について。

■「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(通知)」の解説

法務総合研究所研修第三部教官(前法務省民事局商事課法規係長) 村 上 裕 貴

第1 はじめに

第2 共同法人制度の創設(本件通知記第1)

 弁護士及び外国法事務弁護士を社員とする弁護士・外国法事務弁護士共同法人の設立を可能とする制度の創設等が整備されたことについて。

第3 共同法人の設立(本件通知記第2)

 定款記載事項など。

第4 他の種類の法人(共同法人又は弁護士法人等)への変更(本件通知記第3)

 設立登記と解散登記を申請すること。

第5 他の種類の法人との合併(本件通知記第4)

 債権者保護手続が必要となること。

第6 設立又は合併を無効とする判決(本件通知記第5)

第7 組登令の特則的規定の改正

 改正前の組合等登記令(昭和三十九年政令第二十九号)26条において、項建てされていた規定を、条建てに変更したこと。

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第116回)一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問神 﨑 満治郎

237 独立行政法人の登記について

 独立行政法人の性質に伴う登記を除いて、組合等登記令の規定に近い。

■Q&A不動産表示登記(86)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第三章 建物(非区分建物)

 第二節 各種の登記の申請

  Q255  登記官は合体による登記等をどのように行うのか。

 合体前建物に所有権登記がある場合、表題部のみの登記の場合について、合体後の建物の登記の方法(不動産登記規則158条、120条)。合体前の建物登記について、処理の方法(不動産登記規則49条、110条、120条9項、144条)。登記識別情報は、合体後の建物所有権登記名義人に通知(不動産登記法21条、不動産登記規則62条)。みなし持分について、平成5年基本通達第6の5の(2)前段。

■商業登記の変遷(56)司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 登記情報交換システムの稼働(昭和63年改正商登法113条の4第2項、平成元年4月28日法務省令15号)。現在の商業登記法10条、商業登記規則30条。

 登記情報提供サービスの稼働(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律)。

 登記公告について。昭和13年に改正されるまで、裁判所が新聞紙に公告を行っていた(明治23年4月26日法律32号商法19条)。登記公告と実際の登記が抵触するときであっても、その効力に影響はなく、第三者に対抗できる、とされていた(明治32年商法14条)ことなど。

■民事信託の登記の諸問題(27)渋 谷 陽一郎

 信託目録における、受託者権限の登記の重要性について。信託契約書から受託者の権限を抽出、要約とありますが、要約は属人性が強いので、要約が不要な信託契約書の条項が必要ではないかなと思います。

  信託目録の変更として、抵当権設定の登記事項を詳細に記録する変更を行っていますが、このようなことが実務で必要になってくると、信託の変更要件の条項は、ある程度ゆるくする必要があると感じました。

 信託法26条と民法34条の対比。

 信託法3条の読解。

 受託者の権限と代理人の権限について。権限という用語が異なる意味で使われているのではないか、という指摘。

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(3)

払い込みがあったことを証する書面については、要件が少しずつ柔軟になってきている。

会社設立登記前の役員の死亡、辞任、就任承諾の有無などについて、登記申請受理の可否について

 鹿児島地方法務局鹿屋支局管内登記事務研究会決議(昭和36年8月25日民事甲2069号民事局長指示)は、株式会社設立前に役員が死亡又は辞任した場合の取扱いについて。初めて知りました。

【法 令】

不動産登記令等の一部を改正する政令(令和5年10月4日政令第297号)

 相続登記の申請義務化に伴う、不動産以外の登記が必要な財産について必要な整備。

【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6212〕農地中間管理事業の推進に関する法律による不動産登記の特例に関する政令の取扱いについて(令和5年3月27日付け法務省民二第532号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

▽商業・法人登記関係

〔6213〕外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(令和4年10月13日付け法務省民商第460号法務局民事行政部長、地方法務局長宛て法務省民事局商事課長通知)

『スタートアップの法律相談』Q6 スタートアップにとっての知財戦略の考え方

山本飛翔・菅原稔・尾下大介 編著『スタートアップの法律相談』2023年、青林書院

知財(知的財産)に関する留意点
スタートアップが
・どのステージにいるのか
・どのような事業を行うのか
で、いかなる知財の検討を要するかの整理が必要。

•知的財産基本法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=414AC0000000122

•(定義)第二条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。

•2 この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。

設定登録

特許

製品・サービスの創作→特許庁へ出願・審査・査定→設定登録料の納付→特許権が設定登録(特許法29条、36条、66条)

意匠

製品・サービスの創作→特許庁へ出願・審査・査定→設定登録料の納付→意匠権が設定登録(意匠法3条、6条、20条)

商標

文字や 図音等のマーク、音、色彩→商標登録出願・審査・登録査定→登録料を納付→設定登録(商標法3条、5条、14条、18条、40条)

ステージごとの、創作・出願・活用の傾向

出願までは新規性を維持すること

企業活動をしていると、製品の情報が開示される。

 情報開示の内容や時期の調整、NDA(秘密保持契約)の活用、新規性喪失例外規定の適用(特許法30条2項、意匠法4条2項)などを措置を検討。

特許庁 発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続について

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/hatumei_reigai.html

発見可能性・・・権利の出願内容が、他社が侵害している場合に、立証しやすい文章や画像などか。

スタートアップの顧客別(Bは法人向け、Cは個人向け。自社開発か共同開発か)、権利が自社開発か共同開発か

守りの商標・攻めの商標

参考

・山本飛翔『オープンイノベーションの知財・法務』勁草書房、2021年、同著『スタートアップの知財戦略: 事業成長のための知財の活用と戦略法務』勁草書房、2020年

・山岡佑『実践スタートアップ・ファイナンス 資本政策の感想戦』日経BP、2021年

・経済産業省「令和4年度産業技術調査事業 大学発ベンチャーの実態等に関する調査」令和5年6月

https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/start-ups/start-ups.html

・経済産業省「大学発ベンチャーデータベース」

https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/univ-startupsdb.html

・大阪工業大学、琉球⼤学、一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)「スタートアップと知的財産セミナー全5回」2023年9月~

・特許庁審査第四部 審査調査室「ビジネス関連発明の最近の動向について」2023年11月

https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/biz_pat.html

・特許庁 オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(OIモデル契約書)ver2.1 2023年5月

https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/index.html

・特許庁 特許原簿について「登録番号記録部/登録番号、表示部(特許、実用、意匠)、甲区、乙区、閉鎖原簿」

https://www.jpo.go.jp/system/process/toroku/genbo_about.html

・国税庁 法令解釈通達 第7章 無体財産権

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/07/01.htm

琉ラボ「スタートアップ企業の競争戦略を学ぼう」

み「現在、法制審議会担保法制部会でも事業担保融資などが検討されています。金融機関、投資家側ではなく、起業家側でもない立場で、知的財産について評価する団体の立ち上げなどの動きは、弁理士会でありますか?」

小林誠大阪工業大学知的財産専門職大学院客員教授、(株)シクロ・ハイジア代表取締役

「知的財産を評価するのは、誰が使うかによっても違うので、現段階ではコストが合わず、動きはない。事業担保融資に関しては、金融機関側に弁理士が就くと思われる。」

み「事業成長担保とエクイティとの使い分けについて、現在のところ、考えているケースはありますか?

安高史郎弁理士・公認会計士 IP tech弁理士法人

「現時点では分からない。金融機関の出方次第。」

マイクロ波化学株式会社

マイクロ波化学株式会社 定 款

•マイクロ波化学株式会社

•定 款

•平成19 年7 月19 日 作成 

•平成21 年5 月1 日 訂正 

•平成22 年1 月22 日 訂正 

•平成23 年1 月20 日 変更  ?

•平成23 年1 月24 日 変更  ?

•平成23 年12 月1 日 変更  ?

•平成24 年4 月25 日 変更  ?

•平成25 年2 月18 日 変更  ?

•平成25 年10 月2 日 変更  ?

•平成26 年5 月28 日 変更  ?

•平成27 年6 月26 日 変更  ?

•平成27 年9 月24 日 変更  ?

•平成29 年3 月28 日 変更  ?

•平成29 年8 月31 日 変更  ?

•平成31 年3 月26 日 変更  ?

•令和2 年2 月13 日 変更  ?

•令和2 年6 月26 日 変更  ?

•令和4 年2 月10 日 変更  ?

•令和4 年4 月1 日 変更  ?

•令和4 年9 月1 日 変更  ?

•令和5 年3 月1 日 変更  ?

•令和5 年6 月29 日 変更  ?

•定 款 

•第1章 総 則 

•(商 号) 

•第 1 条 当会社は、マイクロ波化学株式会社と称し、英文では、Microwave Chemical Co., Ltd.と表示する。 

•(目 的)  →目的を何度か変更しているが、調べられる限り、全て10個。会社の意思?税?

•第 2 条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。 

•(1) 石油化学製品の製造、加工及び売買 

•(2) 動植物油の採取、製造、加工及び売買 

•(3) 医薬品、医薬部外品、農業薬品、化学薬品の製造及び販売 

•(4) コークス、タール製品、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維その他炭素製品の製造、加工及び売買 

•(5) 触媒の製造、加工及び売買 

•(6) マイクロ波を利用したプロセス及び化学工業プロセスの開発、設計、製作、施工、及び販売、並びにこれらの受託及びコンサルティング業務 

•(7) マイクロ波を利用したプロセス及び化学工業プロセスに関する研究、開発、調査並びにこれらの受託及びコンサルティング業務 

•(8) 労働者派遣事業 

•(9) 前各号に関連する技術の供与及び指導並びに受託調査 

•(10) 前各号に附帯する一切の事業 

•(本店の所在地) 

•第 3 条 当会社は、本店を大阪市に置く。 

•(公告の方法) 

•第 4 条 当会社の公告方法は、電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行う。 

•(機関の設置) 

•第 5 条 当会社は、株主総会、取締役のほか、次の機関を置く。 

•(1) 取締役会 

•(2) 監査等委員会 

•(3) 会計監査人 

•第2章 株 式 

•(発行可能株式総数) 

•第 6 条 当会社の発行可能株式総数は、5300 万株とする。 

•(自己株式の取得) 

•第 7 条 当会社は、会社法第165 条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる。 

•(単元株式数) 

•第 8 条 当会社の単元株式数は、100 株とする。 

•(単元未満株式についての権利) 

•第 9 条 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。 

•(1) 会社法第189 条第2項各号に掲げる権利 

•(2) 会社法第166 条第1項の規定による請求をする権利 

•(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利 

•(株主名簿管理人) 

•第 10 条 当会社は、株主名簿管理人を置く。 

•2 株主名簿管理人及びその事務取扱場所は、取締役会の決議又は取締役会の決議によって委任を受けた取締役の決定によって定める。 

•3 当会社の株主名簿及び新株予約権原簿の作成並びに備置きその他の株主名簿及び新株予約権原簿に関する事務は、これを株主名簿管理人に委託し、当会社においては取り扱わない。 

•(株式取扱規程) 

•第 11 条 当会社の株式に関する取扱い及び手数料は、法令又は本定款のほか、取締役会又は取締役会の決議によって委任を受けた取締役において定める株式取扱規程による。 

•第3章 株主総会 

•(招 集) 

•第 12 条 当会社の定時株主総会は、毎事業年度の末日の翌日から3か月以内にこれを招集し、臨時株主総会は必要に応じて随時これを招集する。 

•(定時株主総会の基準日) 

•第 13 条 当会社の定時株主総会の議決権の基準日は、毎年3月31 日とする。 

•(招集権者及び議長) 

•第 14 条 株主総会は、取締役社長がこれを招集し、議長となる。 

•2 取締役社長に事故があるときは、取締役会においてあらかじめ定めた順序に従い、他の取締役が株主総会を招集し、議長となる。 

•(電子提供措置等) 

•第15 条 当会社は、株主総会の招集に際し、株主総会参考書類等の内容である情報について、電子提供措置をとるものとする。 

•2 当会社は、電子提供措置をとる事項のうち法務省令で定めるものの全部または一部について、議決権の基準日までに書面交付請求した株主に対して交付する書面に記載しないことができる。 

•(決議の方法) 

•第 16 条 株主総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって行う。 

•2 会社法第309 条第2項に定める特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う。 

•(議決権の代理行使) 

•第 17 条 株主は、当会社の議決権を有する他の株主1名を代理人として、その議決権を行使することができる。 

•2 株主又は代理人は、株主総会ごとに代理権を証明する書面を当会社に提出しなければならない。 

•第4章 取締役及び取締役会 

•(取締役の員数) 

•第 18 条 当会社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、6名以内とする。  →取締役を多く選任しないという会社の意思?

•2 当会社の監査等委員である取締役は、4名以内とする。 

•(取締役の選任) 

•第 19 条 取締役は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を区別して、株主総会において選任する。 

•2 取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う。 

•3 取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする。 

•(取締役の任期) 

•第 20 条 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。  →取締役(監査等委員である取締役を除く。)の補欠選任規定はない。

•2 監査等委員である取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 

•3 任期満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期は、退任した監査等委員である取締役の任期の残存期間と同一とする。→取締役(監査等委員である取締役を除く。)の補欠選任規定はない。 

•(取締役会の招集権者及び議長) 

•第 21 条 取締役会は、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役社長がこれを招集し、議長となる。 

•2 取締役社長に欠員又は事故があるときは、取締役会においてあらかじめ定めた順序に従い、他の取締役が取締役会を招集し、議長となる。 

•(代表取締役及び役付取締役) 

•第 22 条 取締役会は、その決議によって取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定する。 

•2 取締役会はその決議によって、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から取締役社長1名を選定し、必要に応じて、取締役会長、取締役副社長を各1名、専務取締役、常務取締役その他の役付取締役を各若干名選定することができる。 

•(取締役会の招集手続) 

•第 23 条 取締役会の招集通知は、会日の3日前までに各取締役に対して発する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。 

•2 取締役の全員の同意があるときは、招集の手続きを経ないで取締役会を開催することができる。 

•(決議の方法) 

•第 24 条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 

•(取締役会の決議の省略) 

•第 25 条 当会社は、会社法第370 条の要件を充たしたときは、取締役会の決議があったものとみなす。 

•(重要な業務執行の決定の委任) 

•第 26 条 当会社は、会社法第399 条の13 第6項の規定により、取締役会の決議によって重要な業務執行(同条第5項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる。 

•(取締役会規程) 

•第 27 条 取締役会に関する事項は、法令又は本定款のほか、取締役会において定める取締役会規程によるものとする。 

•(取締役の報酬等) 

•第 28 条 取締役の報酬その他の職務執行の対価として当会社から受ける財産上の利益は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、株主総会の決議により定める。 

•(取締役の責任免除) 

•第 29 条 当会社は、会社法第426 条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる。 

•2 当会社は、会社法第427 条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結することができる。ただし、その契約に基づく賠償責任の限度額は、法令が定める最低限度額とする。 

•第5章 監査等委員会 

•(常勤の監査等委員) 

•第 30 条 監査等委員会は、その決議によって常勤の監査等委員を選定することができる。 

•(監査等委員会の招集通知) 

•第 31 条 監査等委員会の招集通知は、会日の3日前までに各監査等委員に対して発する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。 

•2.監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続きを経ないで監査等委員会を開催することができる。 

•(監査等委員会規程) 

•第 32 条 監査等委員会に関する事項は、法令又は本定款のほか、監査等委員会に置いて定める監査等委員会規程による。 

•第6章 会計監査人 

•(会計監査人の選任方法) 

•第 33 条 会計監査人は、株主総会において選任する。 

•(会計監査人の任期) 

•第 34 条 会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 

•2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 

•第7章 計 算 

•(事業年度) 

•第 35 条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31 日までの年1期とする。 

•(剰余金の配当の基準日) 

•第 36 条 当会社の期末配当の基準日は、毎年3月31 日とする。 

•(中間配当) 

•第 37 条 当会社は、取締役会の決議によって、毎年9月30 日を基準日として中間配当をすることができる。 

•(配当金の除斥期間) 

•第 38 条 配当財産が金銭である場合は、その支払開始の日から満3年を経過してもなお受領されないときは、当会社はその支払義務を免れる。 

•附 則 

•(監査役の責任免除に関する経過措置) 

•当会社は、会社法第426 条第1項の規定により、第16 回定時株主総会終結前の任務を怠ったことによる監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる。 

【財務諸表等】

参考 マイクロ波化学株式会社 知財戦略有価証券報告書 ‐ 第15期(2021/04/01 ‐ 2022/03/31)より。

参考 マイクロ波化学株式会社 知財戦略

【大株主の状況】

マイクロ波化学株式会社 種類株式の概要

マイクロ波化学株式会社 新株予約権の概要

マイクロ波化学株式会社 新株予約権の設計

加工_起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しに関する検討会第1回会議

加工_起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しに関する検討会第1回会議(令和5年10月31日)

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00068.html

議事録

資料

資料1 主な検討事項等(案)

参考資料1-1 規制改革実施計画(抄)

参考資料1-2 規制改革推進会議意見書「法人の実質的支配者情報に関するFATF勧告 への対応及び起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しについて」(令和5年7月31 日)

参考資料1-3 定款認証の見直しに関する岸田内閣総理大臣発言

参考資料2 定款認証制度について

参考資料3 株式会社の定款記載例

参考資料4 実質的支配者申告制度について

参考資料5-1 法務省による定款認証に関する実態調査結果(概要版)

参考資料5-2 法務省による定款認証に関する実態調査結果(詳細版)

参考資料5-3 内閣府による定款認証に関するアンケート調査結果

参考資料6-1 会社設立における公証人の関与について(諸外国との比較)

参考資料6-2 米国デラウェア州の基本定款のサンプル

参考資料5-2 法務省による定款認証に関する実態調査結果(詳細版)

R5.10 法務省民事局

定款認証に関する実態調査

調査 結果 (詳細)

目次

第1調査の概要 1

第2公証人からの回答の概要 1

1認証した事案についてのア ンケート 1

2認証に至らなかった事案についてのアンケート 3

3過去の業務経験についてのアンケート 3

第3発起人からの 回答の概要 3

第4専門資格者からの回答の概要 7

第5回答のあった具体的な事案の例 11

1期間中の定款案への指摘事項の例 11

2期間中に認証に至らなかった事案の例 12

3これまでに不正な起業が疑われた事案の例 13

第1

第1 調査の概要調査の概要

1 調査の趣旨及び概要調査の趣旨及び概要

 規制改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定)において、改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定)において、公証人及び嘱証人を対象として、定款認証実務の実態を把握するための調査を行うこととされたことを受けて、その実態を定量的・客観的に把握するため、一定期一定期間中(R5.1.16~R5.3.31)の全国全ての定款認証事件を対象に、公証人と利用者(発起人(注1)・専門資格者・(注2))双方からアンケート調査を行ったものもの。

 なお、調査の実施に当たっては、その具体的な内容・方法について、あらかじめ規制改革推進会議スタートアップ・イノベーションワーキング・グループにおいて議論を行っている。

(注1)調査対象期間中に定款の認証を受けた全ての法人の発起人を対象として、アンケートへの協力を求めた。なお、発起人が複数名いる発起人が複数名いる法人については、重複計上を避けるため、代表者1名から回答するよう求めた。

(注2)調査対象期間中の定款の認証に関与した全ての専門資格者を対象として、アンケートへの協力を求めた。

2 有効

有効回答総数

公証人に対するアンケート21,783件

発起人に対するアンケート 1,649件

専門資格者に対するアンケート 3,579件

(参考)定款認証件数 年間約10万件(令和4年実績)

3 補完的な調査補完的な調査

上記のほか、補完的に、公証人に対し、過去の業務経験についてのアンケート調査を実施調査を実施した。

第2 公証人公証人からの回答の概要

1 認証した事案についてのアンケート

  •  定款の種別定款の種別

電子定款     9,620件(90.8%)

紙定款紙定款    1,979件(9.2%))

② 面前確認の方法面前確認の方法

公証役場に来庁 19,538件(90.5%

ウェブ会議システムを利用 2,061件(9.5%)

③ 面前確認は公証人自身が行ったか

はい 21,59921,599件(100.0%

いいえ0件(0.0%)

④ 嘱託人の属性

発起人本人 2,124件(9.8%)

弁護士・弁護士法人552件(2.6%)

司法書士・司法書士法人11,999件(55.6%)

行政書士・行政書士法人6,664件(30.9%)

その他260件(1.2%))

⑤ 面前確認を受けた人の属性

嘱託人本人11,219件(51.9%)

嘱託人以外の人10,380件(48.1%))

⑥ 面前確認を受けた「嘱託人以外の人」の具体的な属性

設立しようとする法人の関係者(発起人を含む)3,746件(36.1%)

専門資格者の関係者(事務所職員を含む)6,398件(61.6%)

その他236件(2.3%))

⑦ 嘱託人から提出された定款案についての公証人からの指摘の有無

あり9,702件(44.9%)

なし11,897件(55.1%))

→ 具体的な指摘内容の例は、後記第5の1(P.11~)参照

⑧ 実質的支配者の申告についての公証人からの指摘の有無

有り3,881(18.2%)

なし17,485(81.8%)

⑨ 申告受理証明書の交付の有無

あり21,066件(98.6%)

なし300件(1.4%))

⑩ 申告受理証明書の交付通数

1通 20,526件(97.4%)

2通 456件(2.2%)

3通 69件(0.3%)

4通以上15件(0.1%)

2 認証に至らなかった事案についてのアンケート

① 件数

期間中に相談・嘱託があったが認証に至らなかったもの184件(0.8%)

(注)本件調査において計上することが相当でないもの(公証人による認証が不要のもの(合同会社の定款等)、管轄外のもの、資格者に依頼して嘱託し直すこととしたもの、誤りがあり取り下げたが訂正の上で再度嘱託されて認証に至ったもの、予約日時の都合により別の公証役場に嘱託されて認証に至ったもの、調査期間経過後に認証に至ったことが判明したもの等)を除くと、認証に至らなかったものは99件(0.5%)。

② 認証に至らなかった理由や具体的な経緯

後記第5の2(P12~)のとおり

3 過去の業務経験についてのアンケート過去の業務経験についてのアンケート

○ これまで不正な起業が疑われる事案があったか

あった 46人(9.9%

なかった421人(90.1%)

→ 具体的な事案の概要の例は、後記第5第の3(P.13~)のとおり

第3 発起人からの回答の概要

  •  定款の種別定款の種別

電子定款 1,220件(74.0%)

紙定款 429件(26.0%

  •  定款案の作成方法(複数回答可)

専門資格者に任せた873件(52.9%

専門資格者以外の人に相談した 74件(4.5%)

公証役場から提供を受けた資料を参考にして作成した93件(5.6%)

民間事業者の提供するインターネット上の定款作成サービスを利用した536件(32.5%

定款作成サービス以外のインターネット上の情報を参考にして作成した165件(10.0%)

書籍を参考にして作成した131件(7.9%)

その他(例:知人の会社の定款を参考に作成した、グループ会社の定款を参考に作成した等)

③ 定款案についての公証人からの指摘の有無

あり367件(32.2%)

なし772件(67.8%)

専門資格者等に任せていたため分からない 510件

※ 定款案の作成方法(上記②)につき「専門資格者に任せた」を選択した回答者における、定款案についての公証人からの指摘の割合

あり53件(15.1%)

なし297件(84.9%)

専門資格者等に任せていたため分からない 352件

※ 定款案の作成方法(上記②)につき「民間事業者の提供するインターネット上の定款作成サービスを利用した」を選択した回答者における、定款案についての公証人からの指摘の割合

あり 66件(16.8%)

なし 327件(83.2%)

④ 面前確認を受けた方法面前確認を受けた方法

公証役場に来庁1,040件(95.7%)

ウェブ会議システムを利用 47件(4.3%

専門資格者等に専門資格者等に任せていたため分からない562件

⑤ ウェブ会議システムを利用しなかった理由(複数回答可)

※④で「公証役場に来庁」を選択した回答者に対して質問したもの

紙で定款を作成したから371件(35.7%)

ウェブ会議システムを利用して手続ができることを知らなかったから314件(30.2%

ウェブ会議システムの操作が面倒だから4343件(4.1%))

ウェブ会議システムを行うための環境(パソコン等)がないから10件(1.0%)

公証役場に行くことは特段負担でないから 471件(45.3%)

公証役場又はその周辺に別の用事があったから 58件(5.6%)

直接公証人と顔を合わせてやりとりしたいから173件(16.6%)

その他(例:資料の郵送に時間がかかるので公証役場に持参して手続をした方が早いため。定款作成サービスの中で公証役場に行くよう案内があったため等)

⑥ 公証役場での待ち時間公証役場での待ち時間

※④で「公証役場に来庁」を選択した回答者に対して質問したもの

なし 476件(45.8%)

5分152件(14.6%)

10分146件(14.0%)

15分98件(9.4%)

20分 74件(7.1%)

25分 19件(1.8%)

30分 50件(4.8%)

それ以上25件(2.4%)

⑦ ウェブ会議システムを利用した理由(複数回答可)

※④で「ウェブ会議システムを利用」を選択した回答者に対して質問したもの

ウェブ会議システムの方が便利だから43件(91.5%)

その他(例:遠方のため。ウェブ会議システムを案内されたため。等)

⑧ ウェブ会議システムをスムーズに利用できたか

※④で「※④で「ウェブ会議システムを利用」を選択した回答者に対して質問をしたもの

できた 43件(91.5%)

できなかった 44件(58.5%)

→ スムーズに利用できなかった事案について、例えば、以下のような回答が以下のような回答があった。

発起人側の音声が公証人に聞こえなかった。

発起人側のカメラが反応しなかった。

⑨ 面前確認は公証人本人が対応していたか

はい 1,041件(95.8%)

いいえ 14件(1.3%)

分からない32件(2.9%)

⑩ 面前確認の所要時間

5分 394件(36.2%)

10分 248件(22.8%)

15分 166件(15.3%)

20分 139件(12.8%)

25分 25件(2.3%)

30分 93件(8.6%)

それ以上22件(2.0%)

⑪ 面前確認の予約面前確認の予約は、希望どおりの日にとることができたか

できた 1,010件(92.9%)

できなかった 54件(5.0%)

予約を行わなかった23件(2.1%))

⑫ (希望どおりの日にできなかった場合)何日後になったか

1~3日後33件(3.0%)

4~6日後12件(1.1%)

7~14日後 99件(0.8%)

15~21日後0件(0%)

22日以上後 0件(0%))

⑬ 実質的支配者の申告についての公証人からの指摘の有無

あり82件(7.3%)

なし1,034件(92.7%)

申告対象外44件

専門資格者等に任せていたため分からない489件

⑭ 申告受理証明書の交付の有無

あり688件(68.3%)

なし 319件(31.7%)

専門資格者等に任せていたため分からない 598件

⑮ 申告受理証明書の交付通数

※⑭で「あり」を選択した回答者に対して質問したもの

1通 506件(73.5%)

2通 148件(21.5%)

3通 30件(4.4%)

4通以上4件(0.6%)

⑯ 申告受理証明書の提出先(複数回答可)

※⑭で「あり」を選択した回答者に対して質問したもの

金融機関628件(91.3%)

その他(例:税理士、地方自治体等)

⑰ 申告受理証明書の交付を請求しなかった理由(複数回答可)

※⑭で「なし」を選択した回答者に対して質問したもの

証明書を使う予定がなかったから108件(33.9%)

そのような制度があることを知らなかったから223件(69.9%)

第4 専門資格者からの回答の概要

① 回答者の属性回答者の属性

弁護士 22件(0.6%)

司法書士 2,312件(64.6%)

行政書士 1,245件(34.8%

② 定款の種別                                                       

電子定款 3,482件(97.3%)

紙定款紙定款 97件(2.7%)

③ 定款案についての公証人からの指摘の有無

あり11,313件(36.7%)

なし 2,266件(63.3%)

④ 面前確認を受けた方法

公証役場に来庁 2,716件(88.6%)

ウェブ会議システムを利用 351件(11.4%)

発起人に任せていたため分からない 512件

⑤ ウェブ会議システムを利用しなかった理由(複数回答可)

※④で「公証役場に来庁」を選択した回答者に対して質問したもの

紙で定款を作成したから161件(5.9%)

ウェブ会議システムを利用して手続ができることを知らなかったから145件(5.3%)

ウェブ会議システムの操作が面倒だから 294件(10.8%)

ウェブ会議システムを行うための環境(パソコン等)がないから61件(2.2%)

公証役場に行くことは特段負担でないから 22,177件80.2%)

公証役場又はその周辺に別の用事があったから 376件(13.8%)

直接公証人と顔を合わせてやりとりしたいから 475件(17.5%)

その他(例:資料の郵送に時間がかかるので公証役場に持参して手続をした方が早いため。オンラインでの手数料の納付が煩雑なため。等)

⑥ 公証役場での待ち時間

※④で「公証役場に来庁」を選択した回答者に対して質問したもの

なし1,0311件(38.0%)

5分 438件(16.1%)

10分 507件(18.7%)

15分 387件(14.2%)

20分 175件(6.4%)

25分 37件(1.4%)

30分 112件(4.1%)

それ以上29件(1.1%)

⑦ ウェブ会議システムを利用した理由(複数回答可)

※④で「ウェブ会議システムを利用」を選択した回答者に対して質問したもの

ウェブ会議システムの方が便利だから298件(84.9%)

その他(例:遠方のため。ウェブ会議を試してみたかったため。等)

⑧ウェブ会議システムをスムーズに利用できたか

※④で「ウェブ会議システムを利用」を選択した回答者に対して質問

できた340件(96.9%)

できなかった11件(3.1%)

→ スムーズに利用できなかった事案について、例えば、以下のような回答があった。

・ ノートパソコンでは何度やっても接続できず、スマホから接続した。

・ いつも問題なく対応できていたが、同じ環境にもかかわらず音声が聞こえないという不具合があった。

・ URLにログインしたが、公証人とつながらなかったため、再度、再度URLを送ってもらった。

⑨ 面前確認は公証人本人が対応していたか

はい 3,021件(98.5%)

いいえ28件(0.9%))

分からない 18件(0.6%)

⑩ 面前確認の所要時間

5分,786件(58.2%%)

10 758件(24.7%%)

15分 324件(10.6%)

20分 112件(3.7%)

25分 17件(0.6%)

30分 62件(2.0%)

それ以上8件(0.3%)

⑪ 面前確認の予約は、希望どおりの日にとることができたか

できた2,919件(95.2%)

できなかった 65件(2.1%)

予約を行わなかった83件(2.7%)

⑫ (希望どおりの日にできなかった場合)何日後になったか

1~3日後38件(1.2%)

4~6日後15件(0.5%)

7~14日後11件(0.4%)

15~21日後11件(0.03%)

22日以上後 0件(0%)

⑬ 実質的支配者の申告についての指摘の有無

あり 228件(6.5%)

なし3,306件(93.5%)

申告対象外34件

発起人に任せていたため分からない11件

⑭ 申告受理証明書の交付の有無

あり 3,012件(87.9%)

なし 414件(12.1%)

発起人任せていたため分からない119件

⑮ 申告受理証明書の交付通数

※⑭で「あり」を選択した回答者に対して質問したもの

1通 2,869件(95.3%)

2通 105件(3.5%)

3通 35件(1.2%)

4通以上33件(0.1%)

⑯ 申告受理証明書の提出先(複数回答可)

※⑭で「あり」を選択した回答者に対して質問したもの

金融機関2,324件(77.2%)

その他(例:税務署、法務局等)

⑰ 申告受理証明書の交付を請求しなかった理由(複数回答可)

※⑭で「なし」を選択した回答者に対して質問したもの

証明書を使う予定がなかったから315件(76.1%)

そのような制度があることを知らなかったから 88件(21.3%)

第5 回答のあった具体的な事案の例

1 期間中の定款案への指摘事項の例

① 目的の中に警備業の派遣が含まれていた。

② 目的の中に幼稚園の経営が含まれていた。

③ 目的の中に医療行為が含まれていた。

④ 目的の中に納税の申告業務が含まれていた。

⑤ 目的の中で存在しない法律名(医療保険法)を引用していた。

⑥ 目的の中で現行法令に存在しない「特定労働者派遣事業」を記載していた。

⑦ 設立に際して出資される財産の価額又は最低額の記載がなかった。

⑧ 設立に際して出資する財産の最低額を300万円とする一方で、発起人が払い込む額を100万円としており、矛盾が生じていた。

⑨ 設立時の出資財産の価額が0円となっていた。

発起人の中に、株式を一切引き受けない者が含まれていた。

⑪ 定款案の中に取締役会の存在をうかがわせる規定があるにもかかわらず、取締役会設置の根拠規定がなく、監査役設置の規定もなかった。嘱託人に確認したところ、取締役会の設置を希望したことから、嘱託人の意向に合う定款になるよう大幅な修正を助言した。

⑫ 嘱託人が代表取締役の選定方法を互選とする意向を有していたにもかかわらず、定款にその旨の規定がなかった。

⑬ 取締役が1人の場合があり得る規定となっているにもかかわらず、補欠、補欠取締役の任期について、他の取締役の任期と同じと規定していたことから、取締役が1名の場合に備えて、「前任者の任期」とする修正を助言した。

⑭ 増員監査役の任期について、増員監査役の任期について、他の在任監査役の任期の満了時までとしていた。

⑮ 取締役が1名であるにもかかわらず、取締役の責任免除の定めを設けていた。

⑯ 取締役会設置会社であるにもかかわらず、株主総会の招集通知を書面で発出することができる旨を規定していた。

⑰ 取締役会設置会社ではないにもかかわらず、中間配当の規定を設けていた。

⑱ 取締役が複数あるのに、株式の割当てを受ける権利を与える場合における募集事項等の決定について、代表取締役の決定によることとしていた。

⑲ 事業年度に関する規定と最初の事業年度に関する規定が齟齬し、定時総会の招集時期及び基準日に関する規定とも矛盾が生じていた。

⑳ 嘱託人が設立を希望している時期に設立すると、最初の事業年度が1年を超えることになっていた。

㉑ 相談者が会社法に関する知識が乏しく、募集設立と発起設立の違いや、本店所在地の意味、事業年度の意味、設立後の増資等について理解していなかったことから、これらの考え方や定款の具体的な書き方について教示した。

2 期間中に認証に至らなかった事案期間中に認証に至らなかった事案の例

① 事前相談のあった定款案について、商号に著名人の氏名を無断で使用するものであったことから、トラブル防止のため、本人の承諾を得るよう助言したところ、法人設立をとりやめる旨連絡があった。

② 事前相談のあった定款案について、銀行業を営まないにもかかわらず、商号に「銀行」の文字を使用していたことから、銀行業法に違反すること、その後嘱託がなく認証に至らなかった。

③ 事前相談のあった定款案について、事前相談のあった定款案について、有料職業紹介事業を目的としていながら、資本金が1万円となっていたことから、同事業の許可要件を満たしていないことを伝えたところ、その後嘱託がなく認証に至らなかった。

  •  発起人が未成年者であり、親権者2名のうち1名(母)の同意書の印が実印と異なっていた。その旨を発起人に事前に伝えたところ、その親権者が遠方におり、実印の所在があいまいなので、これを探してくるとのことで、認証予約時刻を遅らせた。

 発起人によると、どうしてもその日に認証がほしいとのことだった。しかしながら、その後、親権者を名乗る女性から電話があり、「自分は同意しているが、夫から逃げてきているので、そちらには行けないし、新しい印鑑で印鑑証明をつくることもできない、法律家なら、法律をなぜ変えようと努力しないのか、なぜ、困っている人のために声を上げないのか、息子の気持ちになぜ寄り添ってくれないのか、」などと声を荒げて延々と主張された。

 公証人としては、本人確認書書類の原本を見なければ親権者本人であるかどうかがわからないので対応できない旨丁寧に説明したが、納得せず、同じ主張を延々と繰り返すのみであった。結局、最終的に、対応できないことに不満を述べた上で電話が切られ、対応を終了した。認証面談に来所する予定であった発起人からは何の連絡もなかったので、認証に至らなかった。

⑤ 外国人が発起人となる事案で、印鑑に係る声明書で中国の公証人が公証している印鑑が委任状に押された印鑑と異なっていることから、その旨指摘したところ、その後嘱託がなく認証に至らなかった。

⑥ 定款案について、(1)事業内容が全く記載されていない、 (2)それにもかかわらず、「一般会員」の資格として「当法人が行う事業に参加・・・」とある、(3)「代表理事、理事、監事を互選で定める。」としてあり、理事、監事を社員総会で定めなければならないという一般法人法に反しているなど、法令違反が多数あったことから、その修正について教示したところ、その後嘱託がなく認証に至らなかった。

⑦ 設立時社員2名の一般社団法人について、社員でない者が代表理事に選任され、実質的支配者がその代表理事であると申告されていたため、選任に関する資料の提出を求めた。通常、このような代表理事は社員に選任解任を通じて支配されているとも考えられることから、選任者が誰かを確認するために求めた。

 本件の場合、2名しか社員がいないので、多数決で決められた場合は2名となるが、嘱託人の司法書士は、作成者は発起人であると強弁し、定款に書いてあることは、作成者が決めたことであるから資料の提出はることは、作成者が決めたことであるから資料の提出は必要ないと必要ないと述べ、2名を実質的支配者とすることや選任経緯を明らかにする書面の提出を拒否し、嘱託を取り下げた。

 このほか、認証に至らなかった理由が不明な理由が不明なもの(予約日に嘱託人が現れず連絡がとれなくなったものや、メール等で定款案の事前相談を進めていたが連絡が途絶えたもの、発起人の都合で設立をやめる旨の連絡があったが具体的な事情は聴取できなかったもの等)が具体的な事情は聴取できなかったもの等)が相当数ある。

3 これまでに不正な起業が疑われた事案の例

① いきなり公証役場に来訪し、「今日会社を作りたいから手続をしてくれ」と発言したので、定款案や来訪者の身分証明書の提示を求め、発起人との関係を質問すると、「上から会社を作ってこいと言われたので、詳しくはわからない」と回答があった。さらに、発起人が暴力団員等である場合には定款認証の手続ができないので、事前審査をするから、発起人の氏名、よみがな、生年月日の情報の提出を求めたところ、「そんなことはできない」と言って役場を退出した。

② コロナの給付金(休業補償と思われる)をもらうために会社を作る必要があるとして、公証役場に来訪した者に対し、不正請求のために利用する目的ではないかと考え、定款案、発起人との関係、暴力団等の団体加入者でないではないことの審査を行うので、運転免許証など身分証明書の提示を求めたところ、身分は明かせないとして、役場を退出した。

③ 発起人本人ではなく代理人と称する者から、定款案、発起人本人の印鑑登録証明書と発起人本人の運転免許証の写しが持ち込まれた。代理人は定款を代理で作成したと言っているが、公証人から本人との関係の説明を求めても、はっきり答えられても、結局、嘱託されることはなかった。

④ 日本に入国したことのない中国人を発起人とする定款の認証事案で、委任状とそのサイン証明等が必要になることを説明すると、その提出に難色を示すので、とりあえず発起人のパスポートのコピーを見せてほしいと伝えると「スウェーデンに行っている」との回答があり、発起人本人が日本に来て認証を受けたらどうかと勧めたところ、立ち消えとなった。

⑤ 小学生の子供を発起人とする多額出資会社で、かつ、取締役が父だけの事案で、発起人本人の同意を確認したいと連絡したところ、そのまま連絡が取れなくなった。

⑥ 未成年者を発起人とする会社の定款認証の事前相談があり、実質的支配者の審査の際に法定代理人についても審査する旨を伝えたところ、その後、嘱託されることはなかった。

⑦ 実際には東京都内に何ら所在実態がなく、その場所に本店としての機能をもたせる予定もないのに、本店所在地を東京都内と偽所在地を東京都内と偽って認証を受けようとする事案があったとする事案が複数件あった。本店所在地が東京都内でありながら、発起人の住所がいずれも遠方であり、違和感を覚え、発起人とやりとりした結果、やりとりした結果、判明した。発起人に指摘した結果、東京都内に実際にオフィスを準備することとしたケースや、嘱託されずに終わったケースがあった。

⑧ 定款案の商号が著名な上場企業と同一又は類似し、国民の誤認を生じさせるおそれがあったことから、その旨指摘したところ、その後、嘱託されなされなかった。

⑨ 中国人2名(中国在住)を発起人としエネルギーの輸入業等を目的とした会社の設立のためとして代理人の日本人から定款の事前確認の依頼がなされた。定款案に記載された出資金が20億円と多額であったことから、振込事実(ないし振込準備事実)を確認することのできる書類の提示を求めたが、そのようなものはなくても認証はできるはずだとしてこれに応じず、その後、代理人は来なくなった。一連のやり取りの中で、確証まではつかめなかったものの、設立後当該会社を目的どおりにまともな会社として運営する意思が本当にあるのか疑いを抱いた。

⑩ 目的に「信託の受託」が記載されていたため、信託業免許を取得する予定があるのかを嘱託人に確認したが、その予定はないとの答えであったので、無免許で信託業を営むことは違法であることを指摘して記載の削除を求めたところ、嘱託を取り下げた。

⑪ 弁護士法人が発起人となり、弁護士法人とは無関係の目的を有する株式会社の設立会社の設立の嘱託があったが、設立後に外国人など他の者に法人を売却する意図で士業者が株式会社を設立する事案があると聞いたことがあったためめ、公証人からそのような事案に当たるかどうかを確認した。

⑫ 目的中に、アロマ製品の販売等のほか、大麻製品の輸入販売が入った定款案の案の依頼があったところ、大麻製品の輸入が一切禁止されているわけではないが、アロマ製品の販売との名目で大麻取締法が禁止する成分であるTHTHCC(テトラヒドロカンナビノール)を含有した違法な製品を取引する業者が(テトラヒドロカンナビノール)いるという社会的な実態を踏まえ、定款に「大麻製品(法律で認められたもいるという社会的な実態を踏まえ、定款に「大麻製品(法律で認められたものに限る)」と記載する指摘するなどした指摘するなどした結果、大麻製品に関する部分は全部削除された。

参考資料5-3 内閣府による定款認証に関するアンケート調査結果(令和5年6月21日)


アンケート対象者は、オンラインで定款認証サービスの一部、全部を受けた起業者。創業手帳のメールマガジン会員。回答者数に関して、おそらく330人から340人ほど。

参考資料6-1 会社設立における公証人の関与について(諸外国との比較)

ドイツでは、公証人の定款認証について、どのような議論になっているのか、なっていないのか知りたいと思いました。

参考資料6-2 米国デラウェア州の基本定款のサンプル

商号、本店所在地、送達受取代理人、一株当たりの発行価額、発行可能株式総数、発起人の氏名・住所の記名と署名、を埋めると終わり。

 令和4年6月13日 法務省民商第286号 法務省民事局商事課長通知、登記研究 902号 P92「株式会社の発起設立の登記の申請書に添付すべき会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面の払込みの時期について」

 設立の際して出資されたものと認められるものについては、会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面とする、という解釈。

令和4年9月21日 法務省民商第439号 法務省民事局商事課長通知登記研究 902号P96「労働者協同組合法等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて」

 定款の記載事項について

令和4年8月3日法務省民商第378号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」登記研究 896号P126

 電子提供措置の制度について(会社法325条の2から325条の7)

令和4年3月7日法務省民商第83号法務省民事局長通達「商業登記法等の一部を改正する法律等の施行に伴う電子認証事務の取扱いについて(平成12年9月29日付け法務省民四第2274号民事局長通達)」の一部改正について」登記研究 893号P138

 商業電子証明書の発行、廃止などのオンライン請求について。

令和3年12月24日法務省民総第996号法務省民事局長通達「公証人手数料令の一部を改正する政令の施行に伴う公証事務の取扱いについて」登記研究 891号P93

 定款認証にかかる公証人の手数料改定について。

令和3年9月17日法務省民商第159号法務省民事局長通達「商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規則の施行に伴う事務の取扱いについて」登記研究888号P126 

 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則11条、実質的支配者の確認方法等にかかる、実質的支配者情報一覧の作成方法について。

令和3年1月29日法務省民商14号法務省民事局長通達会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」登記研究877号P191 

 取締役の報酬としての株式、新株予約権。株式交付制度について。

令和3年1月29日法務省民商第10号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」登記研究877号P131

 印鑑届出書の任意化に伴う、事務取扱の通知。

平成30年12月13日法務省民商第143号民事局商事課長通知「閉鎖登記簿が廃棄されている株式会社の清算人選任に係る登記記録の復活について」登記研究857号P128

 閉鎖登記簿が廃棄されている場合でも、廃棄されていない場合と同様に扱う、という通知。

 平成27年2月6日法務省民商14号法務省民事局商事課長依命通知 「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記記録例について」登記研究804号P267 

 各種商業法人登記の記録例の記載。

PAGE TOP