加工、一般社団法人スタートアップデータ標準化協会登記データWG登記データWG「投資契約・株主間契約・買収分配合意書・定款別紙の雛形」

一般社団法人スタートアップデータ標準化協会登記データWG

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000109715.html

・株主間契約

 以下の当事者は、発行会社の株主としての権利行使、発行会社の事業運営、発行会社の株式等の譲渡等に関して、●年●月●日(以下「本契約締結日」という。)付で合意し、以下のとおり株主間契約(以下「本契約」という。)を締結する。なお、本契約に定める用語は、別紙1の意味を有する。

表1:【当事者の一覧】

・・・例

定義名称・氏名保有株式数指名権事前承諾等情報提供
発行会社株式会社●    
株主     
経営株主  取締役2名  
投資家株主  取締役1名事前承諾必要
普通株主     

表2:【事前承諾事項・事前協議/通知事項】

  1. 事前承諾事項:発行会社は、以下の各号の取引又は行為を行うに際して、表1において事前承諾の対象となっている株主から、事前の書面による承諾を得なければならない。本契約において企図された行為を契約条件に従い実施する場合を除く。

・・・本契約において企図された行為を契約条件に従い実施する場合を除く。について、ただし、のまえがきなし。事前承諾は書面に限られる。表1の指名権について、別紙の定義はないので。表1に記載されている役員、人数を指名する権利をいうと思われます(第1条記載。)。

経営株主は、取締役2名を指名することができる権利を持つ。株主という名前なので、発行会社の株式を1株以上持っている株主を指すと思われます。

(1)      定款変更

(2)      剰余金の配当

(3)      発行会社の株式等の発行等

(4)      発行会社が発行した株式等の取得

(5)      合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付その他の組織再編行為、又は事業の全部若しくは一部の譲渡若しくは譲受の承認

(6)      解散又は倒産手続等の申立て

(7)      前各号を行うこと又は行うことをにつき検討することを内容とする契約の締結

(8)      [●]

・・・(3)株式等の発行等、について別紙に定義。ある会社による当該会社の株式等の発行、処分又は付与。ある会社、がどのような意味なのか分かりませんでした。当該会社(発行会社)(4)について、会社法155条~。(7)の、を、はおそらく誤字。

2.       事前協議・通知事項:発行会社は、以下の各号の取引又は行為を行うに際して、表1において事前協議又は事前通知の対象となっている株主に対して、事前に協議又は通知を実施しなければならない。

[●]

第1章 発行会社の運営

第1条 (取締役)

 発行会社の取締役の員数は、合計[●]名以内とし、各株主は、表1に従い取締役又はオブザーバーの派遣に関する権利を有する。株主が本項に基づき指名した取締役については、当該株主のみが解任に関する決定を行うことができる。発行会社を含む他の当事者は、本項に従い取締役の選任・解任に必要な会社法に基づく手続を履践する。オブザーバーは、取締役会に参加し、議長の許可を得て、必要に応じ発言することができる。

・・・経営株主が指名して、株主総会で選任された取締役は、経営株主以外、解任に関する決定を行うことが出来ない。会社法108条1項9号の株式ではなく、指名や決定を行う権利がある株式。

 オブザーバーの定義が記載されています。

第2条 (取締役会等の開催)

 発行会社は、毎月1回以上定例取締役会(取締役会を設置していない場合は取締役が参加する経営会議)を開催し、業務執行の状況の報告を行う。

・・・会社法363条2項類似。

第3条 (重要な取引又は行為に関する制約)

発行会社は、表2に記載の取引又は行為(これらを行うための機関決定を含む。)を、表1に定められた条件に反して行ってはならない。

第4条 (財務情報等の提供)

1.        発行会社は、以下の各号の情報を、投資家株主の求めに応じて提供する。

(1)      単年度予算(各月の売上、費用、キャッシュフローの状況を含む。):当該事業年度の開始30日前まで

(2)      単年度の事業計画:当該事業年度の開始30日前まで

(3)      年次計算書類(貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を含む。以下同じ。):当該事業年度の終了後速やかに(但し、遅くとも同事業年度終了後90日が経過するまで)

(4)      四半期ごとの計算書類(別途全当事者間で不要とした期間については作成・提出を要しない。):当該四半期の終了後速やかに(但し、遅くとも同四半期終了後45日が経過するまで)

・・・投資家の求めがない場合、情報提供しなくても良いのか分かりませんが、投資家が不要と意思表示しない限り、提供する意味だと思いました。

  • 投資家株主は、実務上合理的な範囲において、自己の費用で自ら又は会計士その他の代理人を通じて、発行会社の本社及びその他の事業所を訪問し、発行会社の会計帳簿、書類その他合理的に要求する記録及び施設を、閲覧、謄写又は検査することを要求することができる。発行会社は、実務上可能な限り、かかる閲覧等に必要な協力を行う。

・・・会社法433条より、株主に有利な条項。

3.        前項に規定するほか、発行会社は、発行会社に係る以下の事項が発生、認識、決定又は合理的に予見される場合には、実務上可能な限り速やかに当該事項の概要を投資家株主に書面その他の方法により通知するものとする。ただし事業に重大な悪影響を与えるおそれがないことが客観的に明らかである場合にはその限りでない。

(1)      役員又は主要な従業員の退解任、死亡、重大な病気又は業務上の不祥事があった場合

(2)      重要な資産に関してその価値の著しい減少等が生じた場合

(3)      訴訟、行政手続又は税務調査が開始された場合

(4)      仮差押、差押若しくは競売の申請、倒産手続若しくは担保権実行の申立、又は手形若しくは小切手の不渡があった場合

(5)      第三者から買収、資本提携その他の組織再編取引の提案又は打診を受けた場合

第5条 (発行会社の経営)

経営株主は、発行会社の役員又は従業員としての地位にある間は、発行会社の役員又は従業員としての職務の遂行に専念するものとし、投資家株主の過半数の事前の承諾なく、以下の行為を行ってはならない。

(1)      発行会社の取締役を辞任すること、及び、定款上の取締役の任期満了時に発行会社の取締役として再任されることを拒否すること。

(2)      他の会社その他の営利団体の常勤役員、従業員を兼務又は兼職すること

(3)      発行会社の株主、取締役、監査役又は従業員としての地位にある間及び発行会社の株主、取締役、監査役又は従業員のいずれでもなくなった日から1年間が経過するまでは、自らのために、発行会社の事業と競合する事業を直接又は間接に行ってはならず、発行会社の事業と競合する事業を支援(株式等を保有し、役員又は従業員となることを含む。)してはならない。

・・・会社法309条の加重規定。

第6条 (インセンティブプラン)

 発行会社は、自らの裁量により、発行会社又はその子会社の役員又は従業員若しくは外部アドバイザーに対するインセンティブプランとして、合理的な内容及び条件のもとで発行される普通株式を目的とする新株予約権(ストックオプション)を発行することができる。

第7条 (法令等の遵守及び反社会的勢力との接触禁止等)

 発行会社及び経営株主は、適用ある法令等を遵守し、反社会的勢力と一切関係を持たないものとする。

第8条 (優先引受権)

1.        発行会社は、株式等の発行等を行おうとする場合には、当該株式等の発行等が行われる日の60日前までに、投資家株主に対して、(ⅰ)当該発行等に係る株式等の種類及び数、(ⅱ)当該株式等に係る払込金額又は処分金額、(ⅲ)その割当人その他の処分の相手方の氏名・名称と住所、並びに(ⅳ)その他株式等の発行等に関する主要な条件を記載した書面(以下「発行条件説明書」という。)を送付する。

2.       前項の場合、投資家株主は、発行条件説明書を受領した日から30日以内に、条件説明書記載の株式等のうち自らが引受け等を希望する株式等の数(但し、株式保有割合に応じた数を上限とする。)を書面により発行会社に通知することにより、当該通知記載の数の株式等を発行条件説明書記載の条件により優先的に引受け等する権利(以下「優先引受権」という。)を行使することができる。なお、投資家株主が発行条件説明書を受領した日から30日以内に優先引受権を行使しなかった場合には、投資家株主は、優先引受権を行使しなかった株式等の発行等については優先引受権を失う。

3.        投資家株主が、前項に規定する期間内に優先引受権を行使しなかった場合、発行会社は、当該期間の経過後30日以内に限り、関連する発行条件説明書記載の株式等のうち投資家株主が優先引受権を行使しなかった部分について、発行条件説明書に記載の条件よりも実質的に当該割当人等に有利でない条件(なお、払込金額又は処分金額は、当該発行条件説明書に記載の払込金額又は処分金額と同額以上であることを要する。)で株式等の発行等を行うことができる。

・・・・発行会社の投資家株主に対する事前通知義務が定められています。投資家株主に到達した日の管理が必要。書面に限る。発行条件説明書の定義がされています。優先引受権の定義がされています。発行会社からの事前通知を、投資家が4月1日に受け取った場合、4月30日までに投資家株主が優先引受権を行使しないとき、発行会社は5月1日から5月30日までの間、発行条件説明書の内容と異なる株式等の発行等を行うことができる。

第2章 発行会社の株式等の譲渡等

第9条 (譲渡禁止等)

1.        経営株主、普通株主及び投資家株主は、本章の手続によることなくして、自らが保有する発行会社の株式等につき第三者(発行会社の他の株主を含む。)に対する譲渡、承継、担保提供その他の処分を行ってはならない。

2.        各当事者は、本章の定めに従った株式等の譲渡につき、その承認のために法令等又は発行会社の定款その他の社内規則上必要とされる一切の手続を実施する。

第10条         (先買権)

  1. 経営株主、普通株主及び投資家株主(当該株主を以下「譲渡希望株主」という。)が自らが保有する発行会社の株式等の全部又は一部(以下「譲渡対象株式等」という。)を第三者(発行会社の他の株主を含むものとし、以下「譲渡相手方」という。)に譲渡することを希望する場合、譲渡希望株主は、①譲渡希望株主が経営株主又は普通株主である場合には投資家株主及び発行会社、②譲渡希望株主が投資家株主である場合には経営株主及び発行会社に対して、(ⅰ)譲渡対象株式等の数、(ⅱ)1株当たりの譲渡予定価格(以下「譲渡予定価格」という。)、(ⅲ)譲渡相手方の氏名・名称と住所及び(ⅳ)その他譲渡に関する主要な条件を記載した書面(以下「譲渡条件説明書」という。)を送付する。

・・・株主割当て、株主への譲渡を最初に考える。

2.       前項の場合、①譲渡希望株主が経営株主又は普通株主である場合には投資家株主、②譲渡希望株主が投資家株主である場合には経営株主及び発行会社は、譲渡条件説明書を受領した日から30日以内に、譲渡条件説明書記載の株式等のうち自ら買受けを希望する株式等の数を書面により当該譲渡希望株主及び発行会社(発行会社が先買権を行使する場合を除く。)に通知することにより、譲渡対象株式等の全部又は一部を譲渡条件説明書記載の条件と同等の条件にて譲渡予定価格で自ら買い受ける権利(以下「先買権」という。)を行使することができる。

3.        発行会社、経営株主又は投資家株主が先買権を行使した場合(先買権を行使した発行会社、経営株主又は投資家株主を以下「先買権行使株主等」という。)、当該行使を受けた譲渡希望株主は、前項に規定する期間の経過後速やかに、当該先買権行使株主等が買受けを希望した数の譲渡対象株式等を譲渡条件説明書記載の条件と同等の条件にて譲渡予定価格で当該先買権行使株主等に対し譲渡しなければならない。なお、複数の先買権行使株主等が先買権を行使し、各先買権行使株主等が買受けを希望した数の合計が譲渡対象株式等の数を超過する場合、各先買権行使株主等の株式保有割合に応じて案分した数(但し、発行会社及び経営株主が先買権行使株主等である場合には、譲渡対象株式等の数から経営株主が買い受けを希望する株式等の数を控除した数を、発行会社の買い受ける株式等の数とする。)が当該先買権行使株主等に対して譲渡される株式等の数の上限となる(1株未満の端数が生じた場合の取扱いについては、譲渡希望株主及び先買権行使株主等の間で協議の上、決定する。)。譲渡希望株主は、前項に規定する期間の経過後速やかに、先買権を行使した先買権行使株主等及び各先買権行使株主等に対して譲渡する株式等の数につき投資家株主及び発行会社に通知(かかる通知を以下「先買権行使結果通知」という。)を行う。

4.        前各項に従って譲渡が行われなかった譲渡対象株式等(以下「残存譲渡対象株式等」という。)が存在する場合、譲渡希望株主は、第1項に規定する期間(前項の適用がある場合には前項に規定する期間)の経過後30日以内に限り、譲渡相手方に対し、かかる譲渡対象株式等を譲渡条件説明書記載の条件よりも譲渡相手方に有利でない条件(なお、譲渡価格は当該譲渡条件説明書記載の譲渡予定価格と同額以上であることを要する。)で譲渡することができる。

第11条         (売却強制権)

 本章の定めにかかわらず、発行会社の取締役会及び過半数の投資家株主が、以下の各号の取引(以下「支配権移転取引」という。)を承認した場合、全ての経営株主及び投資家株主は、発行会社又は過半数投資家株主の書面による要求に従い(かかる書面による要求を「売却強制権行使通知」という。)、当該支配権移転取引における各種類の株式等への対価の種類・価額が各種類ごとに同一であることを条件に、当該支配権移転取引に参加し、また、必要に応じてかかる取引に関する株主総会議案に賛成すべく議決権を行使し、その他当該支配権移転取引を実行するために必要な行為を行い、発行会社は、かかる取引につき適用される法令等並びに定款及び社内規則上必要とされる一切の手続を適法かつ有効に履践する。本条に基づく売却強制権行使通知は、関連する支配権移転取引の実行日の30日前までに経営株主、普通株主及び投資家株主に送付されなければならない。

(1)      発行会社の株式等の発行又は譲渡による買収(当該買収直前時点の発行会社の株主が当該買収直後の時点で合計で発行会社の総議決権の過半数を保有する場合を除き、また、資金調達目的で又は資金調達の一環としてなされるものを除く。)

(2)      発行会社が消滅会社となる合併(当該合併の効力発生日直前時点の発行会社の株主がかかる効力発生日直後の時点で合計で当該合併の存続会社又はその親会社の総議決権の過半数を保有する場合を除く。)

(3)      発行会社が完全子会社となる株式交換又は株式移転(当該株式交換又は株式移転の効力発生日直前時点の発行会社の株主がかかる効力発生日直後の時点で合計で当該株式交換又は株式移転の完全親会社又はその親会社の総議決権の過半数を保有する場合を除く。)

(4)      発行会社が株式交付子会社となる株式交付(当該株式交付の効力発生日直前時点の発行会社の株主がかかる効力発生日直後の時点で合計で株式交付親会社の総議決権の過半数を保有する場合を除く。)

(5)      発行会社の事業若しくは資産の全部又は実質的な全部の譲渡又は会社分割による他の会社への承継(発行会社の完全子会社に対して行われるものを除く。)

第12条         (支配権移転取引の際のみなし清算)

1.        経営株主、普通株主及び投資家株主は、支配権移転取引(但し、次項に規定するものを除く。)が行われた場合、当該取引における対価を取得することとなる経営株主、普通株主及び投資家株主(個別に又は総称して以下「みなし清算株主」という。)の間で、当該取引における対価の合計額(対価が金銭以外の財産である場合には、①経営株主及び普通株主であるみなし清算株主全体の株式保有割合のうち、合計で過半数を保有する単独又は複数の者と②投資家株主であるみなし清算株主全体の株式保有割合のうち、合計で過半数を保有する単独又は複数の投資家株主の合意により当該財産の公正価額として定める額)を残余財産の額とみなし、また、みなし清算株主を発行会社の全株主とみなして、発行会社の定款の残余財産の分配に関する定めを適用した場合にかかる定款の定めに基づきそれぞれのみなし清算株主が支払いを受けるべき残余財産分配額に従って、当該取引における対価を分配する。

2.        発行会社が分割会社となる会社分割(但し、当該会社分割に際して会社法に規定される剰余金の配当が行われるものに限る。)、又は第11条第5号に規定する取引が行われた場合、当事者は、全ての経営株主・普通株主・投資家株主間で前項の規定に準じた経済的配分がなされるように、合理的な対応を行う。

第13条         (株式公開)

 発行会社は、[●年●月末日]までに、国際的に認知された金融商品取引所(外国における取引所を含む。以下同じ。)に普通株式の上場又はこれと同程度の投資回収を投資家株主にもたらす他の方法により、投資家株主が保有株式を売却する機会を提供すべく合理的に最大限の努力をする。

第3章 表明及び保証

第14条         (表明及び保証)

1.        各経営株主は、各々個別に、各普通株主及び投資家株主に対し、本契約締結日において(但し、特段の記載がある場合は当該時点において)、別紙3.1に記載された事項が真実かつ正確であることを表明し、保証する。

2.        投資家株主は、経営株主及び各普通株主に対し、本契約締結日において(但し、特段の記載がある場合は当該時点において)、別紙3.2に記載された事項が真実かつ正確であることを表明し、保証する。

第4章 補償等

第15条         (補償等)

 各当事者は、本契約に基づく自らの義務の不履行又は表明及び保証が真実又は正確でなかったことに起因又は関連して、他の当事者が、請求、損失、損害、責任、義務、費用及び支出(合理的な弁護士及び会計士の費用を含む。以下「損害等」という。)を被った場合、当該他の当事者に対し、かかる損害等を賠償又は補償する。

第5章 本契約の終了

第16条         (本契約の終了)

1.        本契約は以下の各号のいずれかに該当する場合にのみ終了する。

(1)      全当事者が本契約を終了することに書面により合意した場合

(2)      シリーズA投資契約が同契約に基づく株式発行の実行前に終了した場合

(3)      発行会社以外の当事者のいずれもが発行会社の株式を保有しなくなった場合

(4)      株式公開がなされた場合。なお、発行会社が金融商品取引所に株式の上場申請を行った場合には、当該申請日以降、本契約に定める当事者の権利及び義務は失効するものとし、当該上場申請の不受理、取下げ、却下又は上場承認取消等により発行会社の株式公開がなされなかった場合(当該上場申請に基づく株式公開が不可能であると合理的に判断される場合を含む。本条において以下同じ。)には、申請日に遡って、当事者の権利及び義務は再び有効になる。

2.        本契約締結日以降、経営株主、普通株主又は投資家株主のいずれかが発行会社の株主ではなくなった場合、その者に関しては本契約は解除される(但し、経営株主に関しては、発行会社の株主ではなくなると同時に第1条に従って取締役を辞任する場合を除き、発行会社の株主としての地位に基づく部分に限る。)。

3.        本契約の終了又は前項に基づく解除は将来に向かってのみその効力を生じ、本契約に別段の定めがある場合を除き、本契約の終了又は解除前に本契約に基づき発生した権利及び義務はかかる本契約の終了又は解除による影響を受けない。

4.        本契約が終了又は解除された場合においても、前章、前項及び本項、第6章の規定は期限の定めなく(但し、第19条の規定は本契約が終了した日から起算して1年間)、引き続きその効力を有するものとする。

第6章 一般条項

第17条         (本契約の効力発生)

1.        本契約は、投資家株主及び発行会社の間で本契約締結日付で締結されるシリーズA投資契約書(以下「シリーズA投資契約」という。)に基づきいずれかの投資家株主が最初に発行会社の発行するA種優先株式を取得したことを条件として、かかる取得の日付で(但し、本章は、本契約締結日付で)、その時点で発行会社の株式を保有する投資家株主、経営株主、普通株主及び発行会社との間で効力を生じる。その後シリーズA投資契約に基づき他の本契約締結日時点での投資家株主が発行会社の発行するA種優先株式を取得した場合には、その時点で本契約は当該投資家株主との間でも効力を生じる。

2.        本契約締結日以後にシリーズA投資契約に基づき投資家(シリーズA投資契約に定める意味を有する。)としてシリーズA投資契約の当事者に追加され、かつ、本契約に調印した者(個別に又は総称して以下「追加投資家」という。)は、かかる調印を行った日(以下「追加加入日」という。)付で新たに「投資家株主」として本契約の当事者に追加されるものとする。発行会社は、本契約の他の当事者を代理して、追加投資家が本条に従い本契約の当事者に加わることを承認することができる。

3.        追加投資家との関係では、本契約は、シリーズA投資契約に基づき当該追加投資家が発行会社の発行するA種優先株式を取得したことを条件としてかかる取得の日付で(但し、本章は追加加入日付で)効力を生じるものとし、当該日以降、追加投資家を含めた各当事者が相互に全ての他の当事者に対し本契約に基づく自らの権利及び義務を保持する。また、当該追加投資家に関しては、文脈上別異に解すべき場合を除き、本契約における「本契約締結日」を「追加加入日」と読み替えるものとし、その他適切な読み替えを行う。

4.        前二項に基づき本契約の当事者が追加された場合、当該追加投資家に関する情報が表1の「投資家株主」の欄に追加され、また、発行会社は、当該追加時点での発行会社以外の全当事者に対して、当該追加後の表1及び当該追加投資家による本契約の調印頁の写しを交付する。

第18条         (当事者の追加)

1.        発行会社は、本契約締結日後、発行会社の株式等の発行若しくは処分又は株式等の譲受け等により新たに発行会社の株式を取得する者(以下「追加当事者」という。)が生じた場合には、かかる者を本契約の当事者として加えるよう最大限努力し、他の当事者はこれに協力する。

2.        発行会社は、追加当事者をして、本契約に調印させるものとし、追加当事者は、かかる調印を行った日(以下「参加日」という。)付で新たにその取得する株式に応じて「投資家株主」又は「普通株主」として本契約の当事者に追加される。発行会社は、本契約の他の当事者を代理して、追加当事者が本条に従い本契約の当事者に加わることを承認することができる。

3.       追加当事者との関係では、本契約は、当該追加当事者が発行会社の株式を取得したことを条件としてかかる取得の日付で(但し、本章は参加日付で)効力を生じるものとし、当該日以降、追加当事者を含めた各当事者が相互に全ての他の当事者に対し本契約に基づく自らの権利及び義務を保持する。また、当該追加当事者に関しては、文脈上別異に解すべき場合を除き、本契約における「本契約締結日」を「参加日」と読み替え、その他適切な読み替えを行う。

4.       前三項にかかわらず、本契約締結日後、発行会社が優先株式以外の種類株式を発行又は処分することにより新たに発行会社の株式を取得する者が生じる場合には、本契約の当事者は、本契約の当事者及び当該取得者との間で、本契約と同様の目的を有する契約を新たに締結するために、必要な協力を行う。

第19条         (秘密保持)

1.        各当事者は、本契約の内容並びに本契約の締結及び履行に関して他の当事者から取得した一切の情報(以下「秘密情報」という。)をいかなる者に対しても開示し、又は漏洩してはならず、また、本契約締結及びその実行以外の目的のために使用してはならない。但し、本契約において企図されている行為を検討又は実行するために必要な限度で、本契約と同等の法律上又は契約上の守秘義務を負う各当事者及びその子会社の役員又は従業員、ファンドの出資者、弁護士、公認会計士、税理士、ファイナンシャルアドバイザーその他の専門家アドバイザーに対して秘密情報を開示する場合を除く。

2.        前項の規定は、以下の情報については適用されない。

(1)      開示された時点で既に公知となっていたもの

(2)      開示された後で、自らの責めに帰すべき事由によらずに公知となったもの

(3)      正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負わずに適法に開示されたもの

(4)      開示された時点で、既に適法に保有していたもの

(5)      開示された情報を使用することなく独自に開発したもの

3.        第1項にかかわらず、司法・行政機関等により要求された場合又は法的手続、届出その他類似の手続で要求された場合には、可能な限り速やかにその旨を開示した当事者に通知することを条件として、その限度において秘密情報を開示することができる。

第20条         (譲渡等の禁止)

1.        当事者は、他の全当事者の書面による事前の承諾を得ない限り、本契約上の地位又は本契約に基づく権利義務を、直接又は間接を問わず、第三者に譲渡等をしてはならない。2.        前項の規定にかかわらず、当事者は、本契約に従って自己の保有する発行会社の株式等を当事者以外の第三者に譲渡する場合(但し、支配権移転取引による場合を除く。)には、当該譲受人に本契約上の地位も併せて譲渡し、当該第三者を本契約の当事者とさせる。他の当事者は、かかる本契約上の地位の譲渡について予め承諾し、必要な協力を行う。

第21条         (費  用)

 本契約の準備、締結又は履行に関連して各自が支出する一切の費用については各当事者それぞれが負担する。

第22条         (準拠法及び合意管轄)

 本契約は、日本法に準拠し、日本法に従って解釈される。当事者は、本契約の履行又は解釈に関し紛争が生じた場合には、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。

第23条         (完全合意)

 本契約は、本契約に含まれる事項に関する当事者間の完全な合意を構成するものであり、書面によるか口頭によるかを問わず、かかる事項に関して当事者間又は当事者のうち一部の者の間で本契約締結前になされた全ての合意及び了解は全て失効する。

第24条         (誠実協議)

 当事者は、本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に関し何らかの疑義が生じた場合には、誠意をもって協議を行う。

(以下本頁余白)

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

発行会社

[住所]

株式会社●

[役職] [氏名]

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

経営株主

[住所]

[氏名]

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

普通株主

[住所]

[氏名]

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

投資家株主

[住所]

[名称]

[役職] [氏名]

別紙1

定  義

1.       「開示当事者」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

2.       「株式公開」とは、第13条第2項に規定する意味を有する。

3.       「株式等」とは、株式、新株予約権、新株予約権付社債その他株式の交付の請求若しくは取得が可能な証券又はこれらに類する権利をいう。

4.       「株式等の発行等」とは、ある会社による当該会社の株式等の発行、処分又は付与をいう。

5.       「関係者」とは、ある会社等につき、株式等の保有、融資等の与信、契約等、人的関係その他の原因を問わず、直接又は間接に、当該会社等によって実質的に支配され、当該会社等を実質的に支配し、又は当該会社等と実質的に共通の支配下にある者をいう。

6.       「株式保有割合」とは、発行会社のある時点における発行済みの取得請求権付株式、取得条項付株式、新株予約権、新株予約権付社債、その他その保有者若しくは当該会社の請求に基づき又は一定の事由の発生を条件として当該会社の普通株式に転換し又は当該会社の普通株式を取得し得る地位を伴う権利又は証券の全て(発行会社が保有するものを除く。)について、当該時点において発行会社の普通株式に転換され又はかかる権利又は証券に代えて当該会社の普通株式が取得されたものと仮定した状態を基準として算出されるある者の発行会社の普通株式の保有割合をいう。

7.       「関連当事者」とは、平成18年10月17日付企業会計基準委員会公表に係る企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」第5項第(3)号に規定する意味を有する。

8.       「経営株主」とは、前文に規定する意味を有する。

9.       「契約等」とは、口頭、書面その他の媒体を問わず、法的拘束力を有する全ての合意をいう。

10.     「先買権」とは、第10条第1項に規定する意味を有する。

11.     「先買権行使株主等」とは、第10条第2項に規定する意味を有する。

12.     「先買権行使結果通知」とは、第10条第2項に規定する意味を有する。

13.     「参加日」とは、第18条第3項に規定する意味を有する。

14.     「残存譲渡対象株式等」とは、第10条第4項に規定する意味を有する。

15.     「支配権移転取引」とは、第11条に規定する意味を有する。

16.     「司法・行政機関等」とは、国内外の裁判所、仲裁人、仲裁機関、監督官庁その他の司法・行政機関、金融商品取引所及び自主規制機関(日本の公正取引委員会又は諸外国の独占禁止法・競争法関係当局を含む。)をいう。

17.     「受領当事者」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

18.     「譲渡相手方」とは、第10条に規定する意味を有する。

19.     「譲渡希望株主」とは、第10条に規定する意味を有する。

20.     「譲渡条件説明書」とは、第10条に規定する意味を有する。

21.     「譲渡対象株式等」とは、第10条に規定する意味を有する。

22.     「譲渡予定価格」とは、第10条に規定する意味を有する。

23.     「譲渡予定通知」とは、第10条に規定する意味を有する。

24.     「シリーズA投資契約」とは、第17条第1項に規定する意味を有する。

25.     「専門家等」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

26.     「損害等」とは、第15条に規定する意味を有する。

27.     「追加当事者」とは、第19条第2項に規定する意味を有する。

28.     「投資家株主」とは、表1に規定する意味を有する。

29.     「当事者」とは、前文に規定する意味を有する。

30.     「特別利害関係者等」とは、企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。その後の改正を含む。)第1条第31号に規定する意味を有する。

31.     「発行会社」とは、前文に規定する意味を有する。

32.     「反社会的行為」とは、以下のいずれかに該当する行為をいう。

(1)      暴力的な要求行為

(2)      法的な責任を超えた不当な要求行為

(3)      取引に関して脅迫的な言動をし、また暴力を用いる行為

(4)      風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて、第三者の信用を毀損し、又は第三者の業務を妨害する行為

(5)      その他前各号に準ずる行為

33.     「反社会的勢力」とは、以下のいずれかに該当する者をいう。

(1)      暴力団員等

(a)      暴力団(その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。以下同じ。)

(b)      暴力団員(暴力団の構成員をいう。以下同じ。)

(c)      暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者

(d)      暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがある者、又は暴力団若しくは暴力団員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与する者をいう。以下同じ。)

(e)      暴力団関係企業(暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行うなど暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与する企業又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。)

(f)       総会屋等(総会屋、会社ゴロ等企業等を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

(g)      社会運動等標ぼうゴロ(社会運動若しくは政治活動を仮装し、又は標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

(h)      特殊知能暴力集団等(本号(a)乃至(g)に掲げる者以外の、暴力団との関係を背景に、その威力を用い、又は暴力団と資金的なつながりを有し、構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいう。)

(i)       その他本号(a)乃至(h)に準ずる者

(2)      その他の関係者

(a)      前号(a)乃至(i)に該当する者(以下「暴力団員等」という。)が経営を支配していると認められる関係を有する者

(b)      暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有する者

(c)      自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有する者

(d)      暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有する者

(e)      役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有する者

34.     「秘密情報」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

35.     「普通株主」とは、表1に規定する意味を有する。

36.     「法令等」とは、法律、政令、省令若しくは府令、通達、規則、命令、条例、行政指導、金融商品取引所の規則及びその他の法規範をいう。

37.     「本契約」とは、前文に規定する意味を有する。

38.     「本契約締結日」とは、前文に規定する意味を有する。

39.     「みなし清算株主」とは、第12条第1項に規定する意味を有する。

40.     「優先引受権」とは、第8条第3項に規定する意味を有する。

41.     「優先引受通知」とは、第8条第2項に規定する意味を有する。

別紙3.1

経営株主の表明及び保証

(1)      (授  権)

 経営株主は、本契約の締結及び履行のために必要な権限及び能力を有している。経営株主は成年者であり、民法(明治29年法律第89号。その後の改正を含む。)上の後見、保佐又は補助が開始されておらず、その開始の審判の申立てもなされておらず、これらのおそれもない。

(2)      (本契約の有効性及び執行可能性)

 本契約は、経営株主により、適法かつ有効に締結されており、経営株主以外の当事者により締結された時点で、経営株主の適法、有効かつ法的拘束力のある義務を構成し、法令等によりその履行が制限される場合を除き、各条項に従い経営株主に対して強制執行が可能である。

(3)      (違反の不存在)

 経営株主による本契約の締結及び履行は、適用ある法令等、許認可等、司法・行政機関等の判断等及び経営株主が当事者となっている他の契約に違反又は抵触しない。

(4)      (反社会的勢力)

 経営株主は、反社会的勢力との間で、経済的関係、取引関係、雇用関係、委任関係を問わず一切の関係がなく、かつ商行為、利益の供与又は授受その他一切の取引(一時的か継続的かを問わない。)を行っていない。また、経営株主及び発行会社は、直接又は間接に、一切の反社会的行為に関与していない。

以 上

別紙3.2

投資家株主の表明及び保証

(1)      (設立及び存続等)

 法人である投資家株主は、日本法に基づき適法かつ有効に設立又は組成され、かつ有効に存続する株式会社又は投資事業有限責任組合(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号。その後の改正を含む。以下同じ。)第2条第2項に規定される意味を有する。)であり、現在行っている事業に必要な権限及び権能を有している。

(2)      (授  権)

 株式会社又は投資事業有限責任組合である投資家株主は、本契約の締結及び履行のために必要な権限及び能力を有している。また、投資家株主は、本契約の締結及び履行について、適用ある法令等及び社内規則(投資事業有限責任組合である普通株主については、当該投資家株主に係る組合契約を含む。以下同じ。)上必要となる社内手続を全て履行している。

(3)      (本契約の有効性及び執行可能性)

 本契約は、投資家株主により適法かつ有効に締結されており、投資家株主以外の当事者により締結された時点で、投資家株主の適法、有効かつ法的拘束力のある義務を構成し、法令等によりその履行が制限される場合を除き、各条項に従い投資家株主に対して強制執行が可能である。

(4)      (違反の不存在)

 投資家株主による本契約の締結及び履行は、投資家株主の社内規則、適用ある法令等、許認可等、司法・行政機関等の判断等及び投資家株主が当事者となっている他の契約に違反又は抵触しない。

(5)      (反社会的勢力)

 投資家株主は、反社会的勢力との間で、経済的関係、取引関係、雇用関係、委任関係を問わず一切の関係がなく、かつ商行為、利益の供与又は授受その他一切の取引(一時的か継続的かを問わない。)を行っていない。また、投資家株主は、直接又は間接に、一切の反社会的行為に関与していない。

以 上

月刊記情報749号

月刊 登記情報2024年4月号(749号)

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T/

相続登記の申請義務化と不動産登記制度の未来

法務省民事局民事第二課長 大谷 太

 会社法人番号等が法人識別事項として登記事項化されたのは、令和8年の住所等変更登記の申請義務化と同時に開始するリアルタイムで法人の住所等変更登記を実現するための検索キーを準備する趣旨。

法務省・定款認証見直し検討会の取りまとめの概要

編集部

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00052.html

モデル定款

今後、法務省を中心として、その位置づけを明確にする。

利用した場合のメリットを提示する。

 面前確認手続・・・現在の目標は、ウェブ会議システムの積極的な利用促進。実施ルールの明確化。手続省略などその他については、法令改正が必要。

 その他

実質的支配者申告制度・・・起業家の負担軽減の方向で、今後の検討課題。

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う

相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説⑷

法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗

法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之

法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官

(前民事局民事第二課法務専門官) 手塚久美子

法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清水玖美

(2)イ(e) P30、通知書の回答期限は、作成の日から2週間とする。返信期限までに返信がない場合は、再度通知書を送付するものとし、回答期限は再度の作成の日から2週間とする。ただし、通知を受ける者が外国に住所を有する場合には、これらの回答期限は4週間とする。なお、再度の通知に対して正当な理由がなく回答がなかった場合には、異議のないものとして取り扱い、実地調査を行うこととして差し支えない。

 現状の標準処理期間。全国一律で8カ月。

商業登記規則逐条解説 第16回

土手敏行

(添付書面)

第六十一条 定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。

2 登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には、申請書に、当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。

一 株主 株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数

二 種類株主 当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数

3 登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に、総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の総株主)の議決権(当該決議(会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて、次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。

一 十名

二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が三分の二に達するまでの人数

4 設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。

5 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。

6 代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑

二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑

三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑

7 設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾した場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。

8 代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

9 設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。

10 登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額(会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。)又は欠損の額が存在することを要するときは、申請書にその事実を証する書面を添付しなければならない。

11 資本準備金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記(会社法第四百四十八条第三項に規定する場合に限る。)の申請書には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

 2項、3項は、株主の同意・決議を要する場合の添付書面の通則的な定め。

株主等の本人確認資料を添付しない理由は、会社の負担軽減。

 3項1項で上位10名としている理由。株主が多数いる上場会社の負担軽減。

平成28年6月23日付け法務省民商第98号法務省民事局長通達。

 4項

昭和47年法務省令第81号

虚無人の代表者の登記防止。

平野文則「改正商業登記規則等の解説」登記研究303号

平成18年3月31日付け法務省民商第782号法務省民局長通達

再任・・・昭和48年1月29日付け法務省民四第821号法務省民局長通達

日本以外の国における本国官憲 平成29年2月10日付け法務省民商第15号法務省民事局長通達

領事 平成28年6月28年6月28日付け法務省民商第100号法務省民事局長通達

やむを得ない事情、上申書の内容 日本以外の国における本国官憲 平成29年2月10日付け法務省民商第16号法務省民事局長通達

平成27年法務省令第5号

商業登記規則101条1項1号のオンライン申請による場合の適用除外。

6項 株主総会、取締役会議事録の偽造、会社の乗っ取り防止。昭和42年法務省令第43号

7項 会社の代表機関以外の者の真実性担保。住所に焦点。

平成27年2月20日付け法務省民商第18号法務省民事局長通達

8項 代表取締役等の辞任による変更の登記申請の追加的な添付書面。虚偽の退任登記の防止。辞任届の作成日。

9項 株式会社の設立の登記又は資本金の額の変更の登記申請の追加的な添付書面。

10項 登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額又は欠損額が存在することを要する登記申請の追加的な添付書面。

会社債権者の保護。

11項 株式会社の資本準備金の額の減少によってする資本金の額の増加による変更登記申請の追加的な添付書面。

境界紛争の解決手続における土地家屋調査士の役割

第4回 筆界特定

弁護士 井奥圭介

土地家屋調査士 山脇優子

 全国的に約2000件の申請。

法律業務が楽になる心理学の基礎

第7回 記憶と思考 ― 私たちの商売道具

弁護士(認定心理士) 渡部友一郎

推論と問題解決を日々行うためには、知識と思考が必要。分類してスキーマにして、記憶プロセスのエラーが出ないように、出た場合の対処方法を予め考えておくなど。

犯罪収益移転防止法の大改正と司法書士の実務⑺

司法書士 末光祐一

犯罪による収益の移転防止に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419AC0000000022

(取引時確認等)

第四条

5 特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が顧客等と異なる場合であって、当該顧客等が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他政令で定めるもの(以下この項において「国等」という。)であるときには、第一項又は第二項の規定の適用については、次の表の第一欄に掲げる顧客等の区分に応じ、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句とする。

6 顧客等及び代表者等(前二項に規定する現に特定取引等の任に当たっている自然人をいう。以下同じ。)は、特定事業者が第一項若しくは第二項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第四項の規定による確認(以下「取引時確認」という。)を行う場合において、当該特定事業者に対して、当該取引時確認に係る事項を偽ってはならない。

登記研究912号(令和6年2月号)

登記研究912号(令和6年2月号)テイハン

【論説・解説】

■「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説(6)

法務省民事局民事第二課補佐官 三 枝 稔 宗

法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之

法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 手 塚 久美子

法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清 水 玖 美

第2 本要領の概要

 10 第10節 承認申請の審査

  ⑶ 第3 調査事項(承前)

 申請土地が急傾斜地崩壊危険区域等に含まれていたとしても、それをもって直ちに不承認要件に該当するものではない。

 竹。松くい虫。

  ⑷ 第4 承認、却下又は不承認の判断

  ⑸ 第5 標準処理期間

 現状、全国一律8時間。

■「法務局における遺言書の保管等に関する省令及び法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則の一部を改正する省令の施行に伴う遺言書保管事務の取扱いについて(令和5年5月12日付け法務省民商第100号法務省民事局長通達)」の解説

法務省大臣官房司法法制部司法法制課法制審議会係長(前法務省民事局商事課遺言書保管第一係長) 新 谷 英 斗

法務省民事局商事課遺言書保管第一係長 菅 野 裕 紀

第1 はじめに

令和2年7月10日施行

法務局における遺言書の保管等に関する省令及び法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則の一部を改正する省令(令和5年法務省令第27号)、令和5年5月12日施行。

第2 添付書類の有効期間の廃止

 3か月以上前の書類でも、移動がない場合などもあり、支障がない場合が多いと考えられます。また遺言者や受遺者などに移動があったとしても、ある時において一致していれば有効とした方が、受遺者などが多数の場合や外国に受遺者がいる場合であっても書類の取り直しなどが起こりにくく、合理的だと思います。

第3 法人でない社団又は財団による手続の明確化

第4 遺言書情報証明書の交付等の請求書の記載省略要件の改正

第5 遺言書保管所の管轄の拡大

  遺言書情報システムでは、管轄区域に基づいて遺言書保管申請制度利用の可否判断を行っている。

法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=413M60000010012_20240226_506M60000010003

第四条 法務局、地方法務局又は支局の戸籍及び公証の事務に関する管轄区域は、別表第一の支局欄(同欄中括弧のつけてあるものは、本庁を示すものとする。)及び管轄区域欄によって示されるとおりとし、法務局、地方法務局、支局又は出張所の登記の事務(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成十年法律第百四号)第五条第一項(同法第十四条第一項において準用する場合を含む。)及び後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第二条第一項の事務を除く。)に関する管轄区域は、同表の出張所欄(同欄中括弧のつけてあるものは、本庁又は支局を示すものとする。)及び管轄区域欄によって示されるとおりとし、法務局、地方法務局、支局又は出張所の法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成三十年法律第七十三号)に定める遺言書の保管に関する事務に関する管轄区域は、別表第二の官署欄及び管轄区域欄によって示されるとおりとする。

■Q&A不動産表示登記(88)

(一社)テミス総合支援センター理事 都城市代表監査委員 新 井 克 美

第三章 建物(非区分建物)

 第二節 各種の登記の申請

  Q257  いずれも未登記の建物が合体した場合はどのような登記を申請するのか。

合体後の建物について、表題登記の申請(不動産登記法47条)。

建物図面、各階平面図・・・合体後の建物。

所有権証明情報・・・合体前の各建物に関するもの及び増築工事による場合はその工事に関するもの。

■民事信託の登記の諸問題(29)

渋 谷 陽一郎

 父が委託者兼受益者であり、長男が受託者となっている民事信託で、受託者である長男が経営する会社の債務を担保するため、信託不動産に抵当権を設定するケース。父は長男が経営する会社の元経営者。

 信託の目的の範囲内である場合で、信託法31条1項4号の行為を同法31条2号で許容できるときを想定します。抵当権設定登記の申請時、登記原因証明情報上、受託者、そして委託者兼受託者と、債務者との利害関係人性に関する事実(事情)を記す必要があるか。・・・記載しなかった場合に却下事由になることはないと考えます(不動産登記法25条、昭和41年5月16日 民事甲第1179号民事局長回答「信託の登記ある不動産についての抵当権設定登記申請の受理について」)。

 信託の目的が、父の生活・介護・医療の支援である場合、受託者を経営者とする会社の債務を担保するための抵当権設定行為は、信託の目的の範囲内の受託者の行為となるのであろうか。について・・・本来は、会社の元経営者であった委託者兼受益者の意思を信託の目的に反映させる方が望ましいと思われます。ただし、信託の目的は信託行為全体を総合的に考慮して判断されるものであり、信託目録の信託の目的欄に記載がないことを理由に、信託目録の体系上の整合性がない、と判断される可能性は低いのではないかと考えます。

 会社は信託の受益者ではないにも関わらず、かような信託財産の管理方法(受託者が代表取締役である会社の債務を担保するための信託不動産に対する抵当権設定およびその登記申請)を設定し得るのだろうか。について・・・設定し得ると考えます(信託法26条)。信託行為時の株主(社員)が誰なのか、は専門家が確認しておくべき事項だと思います。

 登記手続上、形式判断を可能とするためには、受託者の権限は、昭和41年登記先例の事案(信託原簿)のような包括的なものでは足らず、具体的な権限として、その許容性が明確化されている必要がないだろうか。について

・・・同意です。

 本来、当該第三者(会社)を受益者であるとすべきであるかもしれない。について・・・信託法2条7項の、その他の信託財産に係る給付、の中に担保設定が含まれるのであれば、受益者に該当すると考えます。

会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(5)

平成20年10月2日法務省民商第2654号民事局商事課長通知「金融商品取引業者の登録に必要な資本金の額を満たしていないものの、金融商品取引業を行う旨を目的に掲げる株式会社の設立の登記の取扱いについて」

平成11年1月27日 法務省民四第137号民事局第四課長通知「債権管理回収業に関する特別措置法の施行に伴う登記事務の取扱いについて」

【法 令】

商業登記規則等の一部を改正する省令(令和5年6月12日法務省令第31号)

【訓令・通達・回答】

▽商業・法人登記関係

〔6219〕商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(令和5年6月12日付け法務省民商第113号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 有限責任事業組合を無限責任組合員とする投資事業有限責任組合契約の効力発生の登記の申請は、投資事業有限責任組合契約書に当該有限責任事業組合を当該無限責任組合員として記載している場合に限り、受理。

〔6220〕商業登記等事務取扱手続準則の一部改正について(令和5年6月12日付け法務省民商第114号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

〔6221〕商業・法人登記における印鑑関係事務取扱要領の一部改正について(令和5年6月12日付け法務省民商第115号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

▽電子認証関係

〔6222〕「商業登記法等の一部を改正する法律等の施行に伴う電子認証事務の取扱いについて(平成12年9月29日付け法務省民四第2274号民事局長通達)」の一部改正について(令和5年6月12日付け法務省民商第116号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

『月刊登記情報』2024年3月号(748号)

『月刊登記情報』2024年3月号(748号)一般社団法人 金融財政事情研究会

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T/

CONTENTS

 法窓一言 今年始まる新制度と司法書士の対応

東京司法書士会会長 千野隆二

 司法書士が法的支援だけではなく、IT面のサポート役としても機能していくこと。犯罪による収益移転防止法の改正により、確認項目が多くなる取引が増えるケースがあること、相続登記申請の義務化への対応。

公正証書に係る一連の手続のデジタル化―令和5年改正公証人法等の解説

法務省大臣官房会計課長(前法務省民事局総務課長) 村松秀樹

法務省民事局付兼総務課登記所適正配置対策室長 遠藤啓佑

法務省民事局総務課法務専門官 植月結可

法務省民事局総務課公証係長 山内 一

令和5年6月14日公布

民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律について

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00336.html

令和5年3月公証実務のデジタル化に関する実務者との協議会

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00062.html

 公証人法施行規則の改正待ち。

 公正証書遺言の証人もウェブ参加可能。

保証医師宣明公正証書については例外(民法465条の6など。)。

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う

相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説⑶

法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗

法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之

法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官

(前民事局民事第二課法務専門官) 手塚久美子

法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清水玖美

 条例などに基づき、金銭の支払債務(下水道事業受益者負担金等)が発生しており、所有権の移転によって当該債務が承継することとなる土地について

みなし墓地について

墓地、埋葬等に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000048_20220617_504AC0000000068

第二十六条 この法律施行の際現に従前の命令の規定により都道府県知事の許可をうけて墓地、納骨堂又は火葬場を経営している者は、この法律の規定により、それぞれ、その許可をうけたものとみなす。

商業登記規則逐条解説 第15回

法務省民事局商事課長 土手敏行

商業登記法

(登記記録の閉鎖等)

第五十四条 次に掲げる登記は、登記記録区にしなければならない。

一 商号廃止の登記

二 商号の登記をした者の営業所が登記所の管轄区域外に移転した場合において、旧所在地においてする営業所移転の登記

三 会社の商号以外の商号の登記の抹消

2 前項各号に掲げる登記をしたときは、その登記記録を閉鎖しなければならない。

用紙から記録へ。

 閉鎖・・・それ以降当該登記記録に何らの登記もしないことを明らかにする(片岡貞敏「商業登記規則逐条解説(29)」商事法務1381号42頁)。

第五十五条 次に掲げる登記は、登記記録区にしなければならない。

一 未成年者又は後見人に関する消滅の登記

二 未成年者又は後見人の営業所が登記所の管轄区域外に移転した場合において、旧所在地においてする営業所移転の登記(登記所の管轄区域内に他の営業所がある場合を除く。)

2 前項各号に掲げる登記をしたときは、その登記記録を閉鎖しなければならない。

 後見人が退任(辞任・解任含む)して新たな後見人が選任された場合の新後見人の登記は、新後見人について新たな後見人の登記をすべきであり、退任後見人の登記に変更することはできない。・・・属人的な登記。

(数人の支配人の登記)

第五十六条 会社以外の者から数人の支配人の登記の申請があつたときは、各支配人について各別の登記記録に登記をしなければならない。

 事業の種類・・・選択できる商号の数・・・営業主である商人が、支配人に委任した商号の数・・・・登記できる支配人の登記の数。

(登記記録の閉鎖等)

第五十七条 会社以外の者の支配人に関する次に掲げる登記は、登記記録区にしなければならない。

一 支配人の代理権の消滅の登記

二 支配人を置いた営業所が登記所の管轄区域外に移転した場合において、旧所在地においてする営業所移転の登記(登記所の管轄区域内にその支配人を置いた他の営業所がある場合を除く。)

2 前項各号に掲げる登記をしたときは、その登記記録を閉鎖しなければならない。

 破産法258条1項

(個人の破産手続に関する登記の嘱託等)

第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。

一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。

二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。

(会社の支配人を置いた営業所の移転等の登記)

第五十八条 会社の支配人を置いた本店又は支店について移転、変更又は廃止があつたときは、本店又は支店に関する移転、変更又は廃止の登記の申請と支配人を置いた営業所に関する移転、変更又は廃止の登記の申請とは、同時にしなければならない。

 本店の移転などの登記と、支配人を置いた営業所の移転等の登記の同時申請義務の規定。住居表示の実施も含む。

特定目的会社登記規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410M50000010037

(商業登記規則の準用)

第三条 商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第一条の二第一項及び第二項、第二条から第六条まで、第九条第一項、第三項から第七項まで及び第十一項から第十三項まで、第九条の二から第九条の四まで、第九条の五第一項から第三項まで、第五項及び第六項、第九条の六から第十一条まで、第十三条から第二十二条まで、第二十七条から第四十五条まで、第四十八条から第五十条まで、第五十三条、第五十八条から第六十条まで、第六十一条第一項から第八項まで、第六十五条、第六十六条第一項、第六十七条第一項、第六十八条、第七十条から第七十二条まで、第七十四条、第七十五条、第八十条から第八十一条の二まで、第九十三条、第九十八条から第百四条まで、第百五条の二から第百九条まで、第百十一条、第百十二条、第百十四条、第百十七条並びに第百十八条の規定は、特定目的会社の登記について準用する。この場合において、同規則第一条の二第一項中「登記所及び次の各号に掲げる区分」とあるのは「登記所」と、同規則第六十一条第一項中「定款の定め」とあるのは「定款若しくは資産流動化計画の定め」と、「、定款」とあるのは「、定款、資産流動化計画」と、同規則第九十三条中「会社法第九百三十三条第五項」とあるのは「資産の流動化に関する法律第百三十四条第四項(同法第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとする。

(会社の支配人の登記の抹消)

第五十九条 会社の支配人の登記は、会社の解散の登記をしたときは、抹消する記号を記録しなければならない。

 清算会社について、会社法489条2項、6項3号、482条2項。

 破産的続き開始決定がされ、その旨の登記がされた後の支配人の印鑑証明書交付について。

(準用規定)

第六十条 第五十二条の規定は、会社以外の者の支配人の登記について準用する。

 会社以外の支配人の登記申請時における。追加的な添付書面の定め。

(添付書面)

第六十一条 定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。

2 登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には、申請書に、当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。

一 株主 株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数

二 種類株主 当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数

3 登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に、総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の総株主)の議決権(当該決議(会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて、次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。

一 十名

二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が三分の二に達するまでの人数

4 設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。

5 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。

6 代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑

二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑

三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑

7 設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾した場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。

8 代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

9 設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。

10 登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額(会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。)又は欠損の額が存在することを要するときは、申請書にその事実を証する書面を添付しなければならない。

11 資本準備金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記(会社法第四百四十八条第三項に規定する場合に限る。)の申請書には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

 1項2項、3項、10項は通則的な定め。4項から9項、11項は具体的な登記申請ごとの定め。

 

目で見る筆界の調査・認定事例第5回 既提出の地積測量図により筆界を認定した事案

名古屋法務局総括表示登記専門官 角間隆夫(日本土地家屋調査士会連合会業務部協力)

 隣接土地の所有者に相続が発生しており、相続人がいない事例。

 人証・・・分筆当時の土地所有者の供述。

 物証…ブロック塀、L字型側溝。

 相続財産管理人を選任しなくても、表示に関する登記における筆界確認情報の取扱いに関する指針(令和4年4月14日付け法務省民二第536号依命通知)に該当する事案であれば、登記官が筆界認定することができる。

法律業務が楽になる心理学の基礎

第 6 回 心理的アセスメント

弁護士(認定心理士) 渡部友一郎

 観察法、が印象に残りました。もっというと観察が必要だと思いました。

中小企業とともに歩む企業法務のピントとヒント

第59話 会社のたたみ方②~解散・清算手続のポイント

司法書士法人鈴木事務所 司法書士 鈴木龍介

 期限付き解散の可否、清算人の権限、清算期間、税務上の解散事業年度など、

犯罪収益移転防止法の大改正と司法書士の実務⑹

司法書士 末光祐一

 ハイリスク取引への対応について。別途本人確認情報などの補完。

投資契約書雛形『ANGELs』みなし優先株式

投資契約書雛形『ANGELs』みなし優先株式

https://bambooincubator.jp/template/angels

誤りがあれば、指摘願います。修正します。

・臨時株主総会議事録

 議案として、募集株式(みなし優先株式)発行及び総数引受契約承認の件。

 募集株式の数(会社法199条1項1号)として、当会社普通株式(みなし優先株式)の株数。

 割当方法は、別紙「投資契約書」において割り当て、総数引受契約(会社法205条)により行う。

 議案として、定款一部変更の件。定款附則において優先株式に転換することを予定している株式であることを定める。

・株主名簿

備考欄に、みなし優先株式であることの記載。

・投資契約書

契約書名にみなし優先株式であることを明記。

 定義条項に、みなし優先株式の定義記載。発行会社により一定の要件を満たす優先株式(発行会社の普通株式以外の種類株式をいう。以下同じ。)の発行が行われた場合に、全株主の合意により当該優先株式と同種の優先株式に転換されることを予定している普通株式

本件株式の発行及び取得条項

 本件株式がみなし優先株式に該当する場合には、の記載。普通株式と併せて発行することも想定されているのかなと思いました。

他は、投資契約書(普通株式)と同じ。

みなし優先株式に関する株主間合意書

 みなし優先株主に関する定義がされています。投資契約書で定義されているみなし優先株式を取得した者として、参加契約書とみなし優先株式に関する株主間合意書、当事者一覧及び連絡先にみなし優先株主と記載されている者、とされています。

 新規株主等について、定義がされています。株主間合意書以外の者で、新たに発行会社の株主等になる者、とされています。

 適格株式発行の定義がされています。いくつか要件があります。適格株式発行の要件となる最低調達額は1億円と設定されています。

 適格株式発行の定義がされています。募集株式の発行(会社法199条~)に要件がいくつか追加されています。次回の種類株式による資金調達時を想定した設定になっているようです。

 議決権有、参加型、取得請求権付株式(会社法2条1項18号)、後から発行する優先株式よりもみなし優先株式の払込み価格が低く設定され、みなし優先株主が有利であること。

 主要みなし優先株主の定義がされています。みなし優先株式の議決権総数の過半数を有する1、または2以上のみなし優先株主、とされています。過半数を有する2人以上のみなし優先株主というのがどのような状態なのか、個人Aと法人がみなし優先株主で、法人の代表者兼100%株主が個人Aの場合なのかな、と思いました。

 買取の定義がされています。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338M50000040059

第八条 3項以外略

3 この規則において「親会社」とは、他の会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社等をいい、「子会社」とは、当該他の会社等をいう。親会社及び子会社又は子会社が、他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、その親会社の子会社とみなす。

第2条

優先株式への転換条項です。1項は株式等の発行による資金調達を行うことになった場合のみなし優先株主への通知義務です。

 2項は、発行会社が適格株式発行を行うこととなった場合のみなし優先株主の手続協力義務と発行会社と経営株主がみなし優先株主の代理人となって手続きできることを規定しています。

 3項は、みなし優先株式が優先株式に転換される場合の計算です。みなし優先株式の数を、適格株式発行として発行された優先株式の、定款で定めた残余財産分配額で割った数が優先株式に転換されます。

 4項は、適格株式発行の要件を満たさない株式発行の場合の、主要みなし優先株主の権利に関する規定です。

第3条

 投資関連契約の締結です。適格株式発行がされる場合に、みなし優先株主と発行会社が投資関連契約を締結しているときは、適格株式発行に必要な手続に協力(契約内容変更や破棄。)やする義務があると定められています。

第4条

 株式等の譲渡制限です。譲渡機関は主要みなし優先株主となっています。株式を譲渡しようとする場合、株式の譲渡制限が定められているとき(会社法107条1項1号)、であれば、定款・登記記録上の承認機関とともに、主要みなし優先株主の承認も必要となってきます。譲渡人が経営株主、非経営株主等及びみなし優先株主と会社法上の種類株式とは区別されて限定されているので、登記事項になるのか、私はならないような感触を持ちましたが(会社法108条1項4号)、分かりませんでした。

第5条

 後から新規株主等が生じた場合の規定です。発行会社は、契約当事者という立場に加えて、この契約書でみなし優先株主の代理人として、新規株主等と参加契約を締結する定めとなっています。

 また発行会社以外の他の株主が株式を他の者に譲渡する場合、この契約書に従った契約をすることが条件となっています。

第6条

 発行会社によるみなし優先株式の買取請求権の規定です。株主総会の決議は不要ですが、全部取得条項付株式(会社法108条1項6号)と似たような構造になっているという印象を受けました。

第7条

 発行会社の株主に対する株式売却を、一定の条件が生じた場合に強制する条項です。発行会社の発行済株式総数の3分の2以上を保有する株主(複数名で3分の2以上の保有比率となる場合を含む。)の承諾と、事前通知が条件となっています。

第8条

1項

 経営株主以外の特定の者並びにその者の子会社及び関連会社が、発行会社の発行済株式の議決権総数の過半数を保有することとなる発行会社の株式の譲渡が行われた場合の規定です。

1,当該譲渡を行った者のみが発行会社の株主と仮定する。

2,譲渡の対価の層が鵜を残余財産の総額とみなす。

3、定款に定める規定に従って、残余財産の分配を行うことに、みなし優先株主は同意する。

定めになっています。

2項

 発行会社が消滅会社となる合併又は子会社となる株式交換、株式移転又は株式交付(但し、これらの組織再編直前の発行会社の総株主が、存続会社又は完全親会社の発行済株式の議決権総数の過半数を保有することとなる場合を除く。について、1項と同じ規定です。

3項

 残余財産の分配が金銭以外の場合の評価方法です。合理的かつ客観的な評価を行うと定められていますが、詳細な方法は分かりませんでした。

4項

 発行会社の事業の全部又は重要部分を第三者に譲渡する事業譲渡、吸収分割、新設分割等を行われる場合、主要みなし優先株主は、発行会社に対して解散請求することが出来ると定められています。

 発行会社に反対する権利はなく、解散及び清算手続きを行うと定められています。

5項

 8条に基づく残余財産の分配や発行会社の解散が行われる場合の、各当事者の手続協力義務が定められています。

6項

みなし規定が2つあります。

1つ目

 みなし優先株式は、適格株式発行のイに該当する募集株式の発行に該当するという定款の定めがあるとみなす規定です。

第1条第6号(イ)②「適格株式発行」とは、以下の条件を全て満たす募集株式の発行をいう。

ア  募集株式の発行による払込金額の合計額が100,000,000円 以上であること

イ  以下の要件を全て満たす優先株式の発行であること

① 議決権を有すること

② 発行会社の解散時に、残余財産から当該株式の払込金額相当額が普通株主に先立って分配され、同分配後の残余財産の分配についても、転換比率を調整のうえ計算した額で普通株式の株主と共に参加する内容の残余財産の分配を受ける権利が規定されていること

③ 取得請求権付株式(当該株式を取得するのと引換えに株主に対して発行会社の普通株式を交付する条項を含むものに限る。)であること

④ 優先株式の1株当たりの払込金額が、みなし優先株式の1株当たりの払込金額よりも高いこと

2つ目

 適格株式発行のイに該当する募集株式の発行より発行された株式については、残余財産の分配について1,優先株主、2、普通株主、3優先株主・普通株主の同順位、の順で受け取る、と定められています。

 また、主要みなし優先株主に権利が与えられています。

主要みなし優先株主は、上の2つのみなし規定に関して疑義があるときに、発行会社に対して、発行会社が発行したみなし優先株式の全てを、適格株式発行の要件を満たす優先株式に転換することを請求できる権利が付与されています。

第9条

 主要みなし優先株主の発行会社に対する、決算情報などの情報提供請求権が規定されています。

第10条

契約の各当事者が表明保証を行う定めです。

第11条

 契約の各当事者が秘密保持義務を負う規定です。

第12条

 契約の各当事者への通知先に関する定めです。

第13条

 他の契約との関連性を定める規定です。2項で、抵触する場合はこの契約が優先することが規定されています。契約日の前後を問わない規定です。

第14条

 費用は、原則として発行会社が負担するという規定です。

第15条

 契約の終了、契約の効力停止の定めです。

第16条

 準拠法は日本法、第一審の管轄は発行会社の本店所在地を管轄する地方裁判所とする定めです。

株式の内容の変更に関する株主全員の合意書・同意書

・株主全員でなくても良い。

・発行会社が代理権構成を取ることも可能であるが、法令、先例通達がないため分からないことが説明されています。・・・みなし優先株主にとって不利になることはないこと、民法108条の規定から可能である可能性が高いと思われます。

参考

中小企業庁

中小企業者のためのエクイティ・ファイナンスの基礎情報令和4年12月22日更新

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/shikinguri/equityfinance/index.html

規制改革推進会議スタートアップ・イノベーションWG11回令和5年4月11日(火)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2210_01startup/230411/startup11_agenda.html

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