前登記証明申出書

 

不動産には、管轄というのがありまして、南城市の土地を登記する時には那覇の法務局、浦添市の土地を登記する時には宜野湾の法務局に登記を申請します。

 時々あるのが、南城市の土地と浦添市の土地に同じ抵当権の設定登記を申請すること。抵当権の設定登記をするための書類は1通しかありません。1通の中に南城市の土地も浦添市の土地も記載されているのです。

 依頼者は、「那覇の法務局の登記が終わってから宜野湾の法務局に行って、2回行かないといけないみたいね。時間かかるなぁ。」とおっしゃっていました。登記が完了しないと融資が下りない場合でした。金融機関の方からも管轄が違うから2回登記するのにどのくらい時間がかかりますかと聞かれました。

 依頼者のおっしゃるような方法もあります。また、前登記証明申出書をまず那覇の法務局に登記の申請書を提出して印鑑を押してもらい、宜野湾の法務局に前登記証明申出書を添えて登記を申請すると1回で終わることができます。

 そのためには、朝金融機関に行き、事務所に戻って書類をチェックした後、那覇の法務居、宜野湾の法務局を回るのでほぼ1日を使います。

 

登記所とは

 

“登記”を担当する官署。“不動産登記については、法務局・地方法務局”が登記所として登記事務所を管掌する。登記の対象である不動産の所在地を管轄する法務局・地方法務局などが、その登記の管轄登記所となる。

“商業登記”については、法務局・地方法務局等が登記所として登記事務を管掌する。
 登記の対象である当事者の営業所の所在地を管轄する法務局・地方法務局が、その登記の管轄登記所となる。

(不動産登記法6条、商業登記法1条の3)
(出典:「法律学小辞典))
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管轄・・・扱う範囲。間違うとこわいこと。

離島の役所職員から教えてもらったこと

 


ある方の成年後見人になり、遺産分割調停を申し立てることになりました。
まず相続関係をはっきりさせる戸籍などが必要です。これは、成年後見人としての請求用紙があるので、離島の役所ですが郵送で集めることが出来ました。

 次に、遺産分割の対象となる土地についての書類です。登記事項証明書、航空写真、地図等は集めることが出来たのですが、固定資産評価証明書だけがどうやって請求したらいいのか迷いました。本人から委任状はもらえないし、本人名義の土地ではないし。
 まずは、と思い、後見の登記事項証明書と、役所のHPからダウンロードした請求書に事情を書いて請求しました。

 数日後に電話がかかってきて、「司法書士さんなら交付申請書で請求したらどうですか。」と丁寧に雛型と通知文書までFAXしてくれました。

 これで遺産分割調停も無事に申し立てることができ、調停も色々とありましたが、成立しました。

固定資産評価証明書の交付申請書
(別紙様式)
固定資産評価証明書の交付申請書
 下記の裁判所に対し、下記の事件の申立てをするため必要がありますので、下記の物件について固定資産評価証明書を交付されたく申請いたします。
 なお、交付を受けた証明書を下記の目的以外に使用することはいたしません。
                        平成  年  月  日
     市(町・村)長殿
申請人 の場合
弁護士
事務所所在地
氏    名                              印
以外の場合
弁護士 本人の住所      
本人の氏名(名称)                           印
代理人の住所
代理人の氏名                              印
使用目的                     訴えの提起
                    仮差押の申立て
    ○○家庭裁判所   支部 に  仮処分の申立て   のため
                    調停の申立て
 ○○○○○一丁目11番10号     借地非訟の申立て
 ○○家庭裁判所
物件の表示 区分 物件の
所在地 家屋番号
・地番 地目
(種類) 地積
(床面積) 証明年度 所有者氏名(名称)
土地・建物
土地・建物
土地・建物
土地・建物 年度
土地・建物 年度
(公署記入欄)
証明番号 証明件数 通  件 台帳照合
(注)
1 弁護士が申請する場合には、次の要件を充足しているときに限り、証明書が交付されます。
(1)  申請人欄の上段に事務所所在地及び氏名に記入し、弁護士の職印を押印すること。
(2)  事務員等を使者として申請する場合には、「事務員等何某を使者として交付申請する」旨を記載した文書等を携行させること。
2 弁護士以外の者が申請する場合には、次の要件を充足している時に限り、証明書が交付されます。
(1)  申請人欄の下段に住所及び氏名(名称)を記入し、押印すること。申請人が司法書士である場合には、職印を押印すること。
(2)  代理人によって申請する場合には、(1)に加え、代理人の住所及び氏名を記入し、代理人が押印した上、委任状を提出すること。ただし、司法書士が事務員等を代理人として申請する場合には、委任状の提出に代えて、「事務員等何某を代理人として交付申請する」旨を記載した文書等を携行させれば足りる。
(3)  窓口において職員の求めがあった場合には、申請人(本人又は代理人)は、自己の身分を証する書面及び使用目的に使用することを証する資料を提示すること(郵送による申請の場合には、使用目的に使用することを証する資料を添付すること。)。ただし、司法書士が申請する場合には、これらの提示または送付に代えて、使用目的欄の余白に嘱託者の住所及び氏名(名称)を記載すれば足りる。

指定道路とは

もともと道路でない土地を建築基準法上の道路とすることによって、その接する土地を建築物の敷地として利用することができることになり、一般に、小規模な分譲地など、住宅地としての有効活用に資することができることになる。

この、建築基準法上の道路として位置の指定を受けることは道路位置指定といわれ、指定道路は一般に私道であることになる。

土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたものをいう(建築基準法42条1項5項)

(出典「Q&A 道路・通路に関する法律と実務」末光祐一 日本加除出版(株))

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子どもがお母さんの土地を借りて、賃借権を設定し、お金を借りてアパートを建てました。

他の人名義の私道を通らないと普通の道路に出ることができないため、地役権も設定しました。

その後、お母さんは亡くなり、子供が土地を相続しましたが、賃借権と地役権は残ります。子供は自分の土地を借りていることになります。

指定道路になると、自らが賃借人となって賃借権と地役権を外すことができ、複雑な権利関係をすっきりさせることができます。

相続は始まっている。

「土地の贈与の登記って出来る?」

知り合いから電話がかかってきました。

宮城「出来ますよ。固定資産評価額が分かれば見積もり出せます。」

「じゃぁ、友達の土地なんだけど固定資産評価証明書メールで送るから見積もりお願いしていい?」

宮城「分かりました。」

送ってもらった固定資産評価証明書と、土地の登記情報、その上に建っている建物の登記情報も取り、見積書をメールで送信しました。名義は全て同じ人です。

「明日、○○時に打ち合わせ出来る?」

宮城「分かりました。土地と建物の登記、固定資産評価証明書の名義にある、お父さんから息子さんに贈与するっていうことですか?」

「いや、お父さんはもう2年前に亡くなっている。」

宮城「それじゃあ、贈与じゃなくて相続ですよ。お父さん」

「あ、そうか。じゃあそれで見積もり出せる?」

宮城「分かりました。」

見積書をメールで送信。打ち合わせ当日に電話がかかってきました。

「昨日の件だけどさ、夜、相続に関して○○家の家族・親戚会議が行われたらしい。相続すると、相続税がかかって大変。とか何とかで一旦この話は保留にすることになったからまたね。」

宮城「相続は、登記するしないに関係なくて、お父さんから亡くなった時点でもう始まっていますよ。」

ということで、ストップとなりました。

融資を受けて事業をするってことだったけど上手くいっているといいな。

(民法896条)

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