加工第47回国土審議会土地政策分科会企画部会

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tochi_fudousan_kensetsugyo02_sg_000001_00038.html

令和4年4月21 日(木)

議事

(1)所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について

(2)長期相続登記等未了土地解消作業の見直し等について

(3)不動産ID のルール整備及びID の活用に向けた今後の方向性について

(4)新たな「地理空間情報活用推進基本計画」について

(5)今後の企画部会の調査審議について(案)

配布資料

資料1 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について

資料2 長期相続登記等未了土地解消作業の見直し等について

資料3 不動産ID のルール整備及びID の活用に向けた今後の方向性について

資料4 新たな「地理空間情報活用推進基本計画」について

資料5 今後の企画部会の調査審議について(案)

参考資料1 委員名簿

参考資料2 国土審議会土地政策分科会企画部会中間とりまとめ、参考資料

参考資料3 土地基本方針(本文)

参考資料4 所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議 基本方針、工程表

参考資料5 国土審議会土地政策分科会企画部会とりまとめ、概要

参考資料6 参照条文

所有者不明土地に関する問題は一朝一夕に解決が図られるものではなく、地域を挙げて一歩ずつ着実に取り組む仕組みづくりが必要

  所有者不明土地や低未利用土地等の利活用に取り組んでいる特定非営利活動法人等に対して、人員的に厳しい環境にある市町村の補完的な役割を果たすものとして、更なる活躍を期待する声

所有者不明土地の円滑な利用のための仕組み(地域福利増進事業及び土地収用法の特例)の対象の土地に、「損傷、腐食等により利用が困難であり、引き続き利用されないことが確実であると見込まれる建築物」が存する所有者不明土地を追加

 市町村長は、地域の専門家(宅地建物取引業者、司法書士・土地家屋調査士等)や学識経験者等を構成員として、所有者不明土地や低未利用土地等の利活用に取り組む特定非営利活動法人や一般社団法人等を指定することができる。

R4年度予算額:71百万円※事業費ベース150百万円相当

令和4年度予算額:42百万円の内数

令和3年度予算額:37百万円 宅建業者や弁護士・司法書士・土地家屋調査士等の専門家との恒常的な相談窓口の設置など、連携体制の構築

平成30年11月から、全国50局の法務局において、合計・登記名義人約82,000人分(約225,000筆分)の法定相続人情報の備付けを完了し、事業実施主体に提供済み

R2年中の地積更正・分筆の登記申請件数は、年間約80万件・約170万筆

今回の通達発出と法務局の取扱要領の改訂等を経て、令和4年9月末を目処に、取引の前提である登記が進まず、 全国の法務局で運用を開始

従来は筆界確認情報に重きが置かれていた筆界の認定を、現地調査の権限や登記所保管資料を活用して、登記官がより積極的に行う。

どこにアクセスするのでしょうか。

 

土地・不動産情報ライブラリ?
 
「農林水産省地理情報共通管理システム(eMAFF地図)→継続更新出来るかどうかで決まってくるように思います。
https://map.maff.go.jp/FarmInformation/Index
耕作者整理番号
500520f79aa36f1d73ccab49b82a162e

 土地基本方針の改定時期は、「概ね5年ごとに改定することを基本とする上で、大きな影響を及ぼすような重要な制度改正が実施された場合は5年を待たずに改正する」としているところ、関係する施策や計画等の施行・改定状況を踏まえれば、令和6年頃が想定

所有者不明土地等に関連する法令・制度・計画の施行時期等

法定相続情報証明制度について―その4―

法務局 「法定相続情報証明制度」について

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html

名古屋法務局チャンネル 法定相続情報証明制度について

https://www.youtube.com/watch?v=djhtquCGvZc

日本司法書士会連合会 新しい相続手続「法定相続証明制度」とは

https://www.shiho-shoshi.or.jp/html/hoteisozoku/

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)施行日: 令和三年四月一日

(令和三年法務省令第十四号による改正)

第六章 法定相続情報

(法定相続情報一覧図)247条、248条

・不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付け法務省民二第456号民事局長通達)

・不動産登記規則の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務等の取扱いについて(平成29年4月17日付け法務省民二第292号民事局長通達)

・法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いの一部改正について(平成30年3月29日付け法務省民二第166号民事局長通達)

・不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いについて(通達)〔令和3年3月29 日付法務省民二第655 号民事局長通達〕

Q 相続人について,相続欠格や相続放棄との併記があった場合に,これらの事由を証する書面が添付されていたとし

ても,訂正(削除)を求める必要があるか。

A 訂正(削除)を求める必要がある。

Q 廃除された推定相続人の氏名等が記載され,何年何月何日に廃除された旨の併記があった場合に,訂正(削除)を求める必要があるか。

A 訂正(削除)を求める必要がある。

Q 被代襲者の記載について,「被代襲者」の表記に加え,その者の氏名が記載されている場合に,当該氏名の訂正(削除)を求める必要があるか。

A 廃除の場合は,訂正(削除)を求める必要がある。

Q 被相続人の登記記録上の住所の併記があった場合に,訂正(削除)を求める必要(削除)を求める必要があるか。

A 訂正(削除)を求める必要がある。

Q戸籍に記載のある氏名の字は誤字又は俗字であるが,法定相続情報一覧図に記載された氏名の字が正字であった場合は,どのように対応すべきか。

A 法定相続情報一覧図への氏名の記載は,戸籍に記載のある字体でも,正字に引き直されたものでも,いずれでも差し支えない。

Q法定相続情報一覧図は,手書きによるものでも差し支えないか。

A差し支えない。

Q 法定相続情報一覧図は,鉛筆書きによるものは認められないと考えるがどうか。

A 認められない。

Q 婚姻関係を示す線が一本線で表記された場合に,二本線(二重線)への訂正を求める必要があるか。

A求める必要はない。

Q 旧民法下において,同一人について隠居による家督相続と死亡による遺産相続が生じている場合の取扱いは,次のとおりでよいか。

1 作成すべき法定相続情報一覧図について原則,隠居による家督相続を表す一覧図及び死亡による遺産相続を表す一覧図の両方を作成すべきであるが, 申出人の任意により,隠居による家督相続を表す一覧図のみの作成を認めても差し支えない(死亡による遺産相続を表す一覧図のみの作成は認められない。)。両方を作成するときは,各葉に1/2,2/2などと付番させ,交付の際には2枚を合綴して一通にまとめて認証する。

2 相続発生の事由の記載について隠居による家督相続を表す一覧図については,死亡の年月日に代えて隠居の年月日を記載し,相続人の続柄に家督相続人である旨を併記するか,又は隠居の年月日の付近に家督相続である旨を併記する。死亡による遺産相続を表す一覧図については,死亡の年月日はそのままに,相続人の続柄に遺産相続人である旨を併記するか,又は死亡の年月日の付近に遺産相続である旨を併記する。

3 被相続人の本籍の記載について隠居による家督相続を表す一覧図については,被相続人の最後の本籍(施行通達第2の5(2))ではなく,便宜,隠居時の本籍を記載することとしてもよい。

A よい。なお,隠居による家督相続ののち,いわゆる新民法下において同一人が死亡(昭和23年1月1日以降)した場合の取扱いもこれに準じる。

加工アドレス・ベージトリ データ 解説書

<2022年 4月 試験公開版 試験公開版 試験公開版 >2022年 4月 18日

デジタル庁

アドレス・ベース・レジストリ データ解説書

https://www.digital.go.jp/resources/standard_guidelines/

目次

1 はじめに ……… ………………………….. 4

1.1 アドレス・ベージトリとは …………….. ………….. 4

1.2 アドレス・ベージトリの整備状況と今後予定 …… ………… 6

2 アドレス・ベージトリのオプンデタ公開 …………………. 7

3 アドレス・ベージトリのデタ仕様 ……………………. .. 8

3.1 アドレス・ベージトリの構造 ………………….. ………. 8

3.2 町字マスター ………. ………………… 9

① 町字マスターに収録する基準 …………………… 9

② 町字 ID …….. …………………….. 10

③ 町字 IDの体系 …………….. …………. 11

3.3 住居表示 -街区マスター ……………………. .. 12

① 住居表示 -街区マスターに収録する基準 ……………… … 12

② 親となる町字データ ……………………. …. 12

③ 街区 ID ………. …………………….. 12

3.4 住居表示 -住居マスター ………………………… .. 13

① 住居表示-マスターに収録する基準 …………………… . 13

② 親となる住居表示-街区データ ……………….. 13

③ 住居 ID ……. …………………….. 13

④ 住居 2ID …………………. …………………… 14

3.5 効力発生日 と廃止………………. ……. 14

4 初期データ整備の概要 ……………………. ……. 15

4.1 市区町村マスターの初期整備 …………………… 15

4.2 町字マスターの初期整備 ……………………. 16

4.3 住居表示 -街区マスターの初期整備 …….. ………….. 16

4.4 住居表示 -住居マスターの初期整備 ……. ………….. 17

5 【参考1】アドレス・ベージトリ運用シテム ….. …………. 18

6 【参考2】町字 ID付番ガイドラン ……… ………….. 19

6.1 町字 IDの付番方法 …………………. ……… 19

① 小字の扱い …………… ………………. 19

② 丁目の扱い ………………. ………………. 20

③ 同じ町字の一部が住居表示実施されている場合 ……………. 21

④ 初期データに関する留意事項 ………………… 21

アドレス・ベース・レジストリ データ解説書

⑤ 新たな町字 IDを付番するとき …………….. 21

6.2 町字の異動に対するレコー ド更新ポリシ……………… . 22

6.3 町字の区域・名称変更 - 主なパターンの整理 …………….. 23

① 区域の画定(新設) ……………….. …. 23

② 区域の廃止(全部又は一) …………………. 24

③ 区域の変更 ………………. ………………. 25

④ 名称の変更 …………….. ………………. 26

⑤ 住居表示の実施 ………………. ……….. 27

⑥ 上位階層の変更 …………………….. ……….. 28

1 はじめに

2022 年4 月、デジタル庁はアドレス・ベース・レジストリ(住所・所在地マスターデータ)の試験公開を開始いたします。

この資料は、ご利用にあたっての参考情報をご提供するためのものです。

1.1 アドレス・ベース・レジストリとは

ベース・レジストリとは、公的機関等で登録・公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベースです。

2021 年5 月26 日の「ベース・レジストリの指定https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/SpecifyingBaseRegistry.pdf」」において、アドレス(住所・所在地)はベース・レジストリに指定され、以降マスターデータの整備を進めてきました。

アドレス(住所・所在地)情報は、様々な場面で使われていますが、表記のゆらぎが大きく、機械判読性が低い課題があります。名寄せ・突合作業に苦労された経験をお持ちの方も多いと思います。また、住居表示による住所表記と、地番による住所表記の2 種類が混在する複雑さもあります。

そこで、アドレス・ベース・レジストリ整備では、まず町字(読み:まちあざ、地方自治法の「町若しくは字」のことであり、大字・町・丁目・小字等からなる)のマスターデータを整備し、更新するしくみを構築し、「町字ID」を付与し 、社会の基盤として様々な場面で参照可能になるよう公開することを目指しています。

さらに 、住居表示 、住居表示のマスターデータとして、町字レコードに住居表示の実施/非に区分、 住居表示方式(街区/道路) 住居表示方式(街区/道路)の属性を保持するともに住居表示-街区マスター、住居表示-住居マスターデータを整備します。

地番のマスターデータは、整備・公開のあり方について検討中の状況ですが、地番の上位階層をなす町字レコードは網羅的に収録することを目指しており、不動産登記情報における地番区域情報を参照し、住所の表記に必要となる小字(地番が小字起番の場合小字)の収録するよう整備を進めています。

※2022年 4月時点で地番データは未整備です。

詳細は後述しますが、アドレス・ベージトリの初期データ整備にあたっては、既に政府機関で整備されているデータを活用し 、いわばマッシュアップしてマスターデータとして統合(マージ)したものです。町字レコードのベースは電子国土基本図(地名情報)とし、町字IDは大字町丁目レベル位置参照情報のIDを原則踏襲する形で収録しています。

これらの参照元データと紐付くレコ―ドについては、代表点の位置座標の情報 をマスターデータに対する位置参照拡張テ―ブルに収録し 、地図上に重ねて表示可能にしています。

1.2 アドレス・ベージトリの整備状況と今後予定

2022年4月時点の整備状況は以下とおりです。

 町字マスターデータ(位置参照拡張含む) の初期整備が完了しています。

 町字 IDを付与

 電子国土基本図(地名情報)、大字町丁目レベル位置参照情報、不動産登記の地番区域情報のデータを突合・マージ

 不動産登記情報の地番区域から小字の情報(地番の親階層となる起番レコード)を収録

地方自治法第 260条の「町若しくは字」に該当するか、通称名かの区別はできていない

 住居表示フラグの整備が完全ではない(同一の町字に住居表示実施区域と非に住居表示実施区域を含む場合等)

参照元データ(出典)に外字を含む場合、 現時点では整備対象外としている

住居表示-街区マスターデータ、住居表示-住居マスターデ(それぞれ位置参照情報含む)の初期整備が完了しています。

住居マスターには、基礎番号(電子国土基本図(地名情報)住居表示所より)を収録

地番のマスターデータは、 未整備で、整備・公開のあり方について検討中です。

2022年度の整備予定は以下とおりです。

 整備済みの町字及び住居表示の各マスターデータ更新の実証を進めます。

 アドレス・ベージトリの整備に関する自治体と連携について、実証を進めます。

 地番マスターデータの整備を実施します。 ただし、一般への公開可否は未定です。

外字の取り扱いにつて方針を整理し、 未収録のデータ等整備を進めます。

 試験公開に対するご意見をいただき、整備方針やデータ仕様等に反映します。

 正式公開のあり方を整理・検討し、決定します。

2 アドレス・ベージトリのオープンデータ公開

アドレス・ベージトリ のデータは、2022年 4月に新設された「ベース・レジト リデータカタログサイト」からダウンロードできます。

ベース・レジストリデータカログサイト

https://registry-catalog.registries.digital.go.jp/dataset

データの種類と、それぞ収録単位 は以下のとおりです。

CSVファイルを ZIP圧縮した形式でダウンロードきます。

 CSVファイルの形式は以下とおりです。

 文字コード: UTF-8/BOMなし

 フィールドセパレタ:カンマ (,)

レコードセパレータ: CR+LF

【2022年 4月時点の 整備状況】

地番マスター、地番マスター位置参照拡張は未整備です。

3 アドレス・ベース・レジストリのデータ仕様

市区町村のIDとなる全国地方公共団体コード(チェックデジト付き6桁)と、町字 ID(7桁)を別フィールドに収録します。

町字マスターには、 住居表示フラグのフィールドを保持し ます。同一の町字領域内に、住居表示実施区域と非実施区域がある場合、 2レコード収録します。

3.2 町字マスター

① 町字マスターに収録する に収録する基準

町字の定義は、地方自治法その他に明確には存在しないものの、市区村における下位階層の行政区画を指 します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 地方自治法第 260条第 1項の「市町村区域内若しくは字」(若しくは字の区域の新設・廃止、区変更、名称の変更に関する手続を規定している)

 住居表示に関する法律第2条の「市町村の区域内の町若しくは字」(街区方式住居表示における、街区の上位階層の行政区画)

 不動産登記規則第4条第1項の別表一土地の土地の「所在」に市区町村名とも記録される、地番の上位階層である地番区域

町字マスターに収録する町字は、以下のように「町・大字」と「丁目・小字」の2階層に分けたコード体系を採用し、名称も項目分けて収録します。

町字マスターに収録する基準は以下の通りとします。

【必須】

 大字・町(丁目小字なし)

 大字・町(丁目小字の下位階層あり)

 丁目

 小字(小字が地番区域(小字起番)の場合)

【任意】

 小字(が地番区域(小字起番)でない場合)

 通称等(住所・在地の表示において町字でない通称名が普及している場合、無番地や国有林などの場合、なお京都の通り名は収録しない

また、地番マスター、住居表示‐地番マスター、住居表示‐住居マスターとの紐付けため、以下の場合もデータを収録します。

 大字・町、丁目、小字ともになし(大字・町も小字もなく、市区町村に続いて地番の表示となる場合)

【2022年 4月時点の整備状況】

 地番マスターが未整備のため、 大字・町、丁目小ともになしのレコードは未収録です 。

 非起番の小字レコードは 公開用データには未収録です。

② 町字 ID

町字IDは、「大字・町」を示す4桁の数字と、「丁目」又は「小字」を示す3桁の数字により構成します 。

町字IDは、以下の要件を満たすように付番します 。

 同一市区町村内で一意になるよう、重複なく付番する。

 丁目又は小字がある場合、上位階層となる大字・町の4桁は、同じ値とする。

データ更新時の継承性を担保する。つまり、同一町の町字に対する町字IDは、更新データにおいても同じ値とする。

町字の区域変更、名称の変更の場合、町字IDの振り直しはせず、同じ値を継承する。

 廃止された町字 に使用した町字IDは、新たな別の町字に対して使用しない。

③ 町字 IDの体系 の体系

町字IDの体系を以下に示します。町字 ID(7桁)は、大字町丁目レベル位置参照情報の大字町丁目コードの下7桁を原則踏襲しますが、一部異なる場合があります。

Csvファイルを開いてみました。

3.3 住居表示 -街区マスター

① 住居表示 -街区マスターに収録する基準

街区符号は 、住居表示に関する法律に規定される方式の「市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によつて区画した場合おけるその区画された地域(以下「街区」という。)又は河川、水路等によつて区画した場合におけるその区画された地域(以下「街区」という。)につけられる符号です。

住居表示-街区マスターに収録する基準は以下の通りとします 。

【必須 】

 街区方式の住居表示実施域すべての街区符号

 道路方式の住居表示の場合の、町字マスターと住居表示-住居マスターをつなげるための「 街区 ID」に“000”を収録したデータ(道路形式 の住居表示 の場合でも、街区方式と同じようにプログラムで取り扱えるようにするため)

② 親となる町字データ

 親となる町字はマスターの「 住居表示フラグ」が「1(住居表示実施)」のデータとします 。

 親となる町字 データに該当する町字IDを収録します。

③ 街区ID

街区IDの 3桁は以下の範囲で使用します 。

 ”000” :道路方式の住居表示場合(実際には街区はない)

 ”001”~ ”900” :数字のみの街区符号(当該数字に左ゼロ埋め)

 ”901”~ ”999” :数字以外を含む街区符号

数字以外を含む街区符号は、上記の範囲で重複なく付番します。

3.4 住居表示 -住居マスター

① 住居表示-住居マスターに収録する基準

住居番号は、住居表示に関する法律に規定される「建物その他の工作物につけられる住居表示のため番号」です(街区方式・道路共通)。

住居表示-マスターに収録する基準は以下の通り。

【必須 】

 街区方式の住居表示実施域基礎番号(フロンテージ)

【任意】

 街区方式の住居表示実施区域の実際に付定されている住居番号

 道路方式の住居表示実施区域の実際に付定されている住居番号

【2022年 4月時点の整備状況】 月時点の整備状況】

 実際に付定されている住居番号は未収録です。

② 親となる住居表示-街区データ

街区方式の住居表示の場合、親となるデータは当該住居が含まれる街区方式のものとします。

道路方式の住居番号の場合、当該道路名が収録される町字IDの、街区IDが“000”のデータとします 。

③ 住居 ID

住居 IDの3桁は以下の範囲で使用します。

 ”001”~ ”900” :数字のみの住居番号(当該に左ゼロ埋め)

 ”901”~ ”999” :数字以外を含む街区符号

数字以外を含む場合は、上記の範囲で重複なく付番します。

住居2ID

住居番号が団地・中高層建物の特例

住居番号が団地・中高層建物の特例により各戸の番号が設定される場合、又は住居により各戸の枝番が設定される場合、「-」で2つの番号を組み合わせて住居番号を組み合わせて住居番号が構成されます。この場合の、「-」の後番号を収録 します(各戸の番号を収録する場合)。

また、市区町村によっては、異なる住居が同一の基礎番号(フロンテージ)となる場合に、独自に枝番を付与している場合があります。 この場合、「-」の後の番号を収録します。

住居 2IDの 5桁は以下の範囲で使用します 。

 ”00001”~ ”10000” :数字のみの場合

 ”10001”~ ”99999” :数字以外を含む場合

数字以外を含む場合は、上記の範囲で重複なく付番します。

【2022年 4月時点の整備状況】 月時点の整備状況】

 実際に付定されている住居番号は未収録であり、基礎番号のみ収録しているため枝番のあるレコードは収録していません。

3.5 効力発生日と廃止日

アドレス・ベース・レジストリの各テーブル(位置参照拡張を除く)には、「効力発生日」(位置参照拡張を除く)には、「効力発生日」「廃止日」のフィールドを用意しています。これらは、初期データ整備では収録していませんが、今後のアドレス・ベース・レジストリ運用において、過去のレコードを保持できるよ うにすること、変更時に変更前後の情報を両方保持できるにようすること等を想定して、あらかじめ項目だけ用意しているものです。

4 初期データ整備の概要

初期データ整備の概要は、下図とおりです。収録データの詳細を把握されたい際にご参照ください。

なお、上図では小字の非起番レコードも記載していますが、公開データには含みせん。

4.1 市区町村マスターの初期整備

総務省が公開している全国地方共団体コードを参照し、アドレス・ベース・レジストリで定めたデータ形式に変換・収録するともに・一部属性情報を他の情報ソースから取得・収録しました。

https://www.soumu.go.jp/denshijiti/code.html
https://www.gsi.go.jp/common/000138865.pdf

4.2 町字マスターの初期整備

町字マスターのレコードは、電子国土基本図(地名情報)のレコードは、電子国土基本図(地名情報)を基礎として全件採用した上で、不動産登記の地番区域情報と突合し 、電子国土基本図(地名情報)に必要となる小字(地番が小字起番の場合の小字)を含みます。なお、2021年 8月時点で入手したデータを使用しています。

4.3 住居表示 -街区マスターの初期整備

住居表示 -街区マスターは、電子国土基本図(地名情報)住居表示住所、及び、街区レベル 、位置参照情報から整備しています。

4.4 住居表示 -住居マスターの初期整備

住居表示 -住居マスターは、電子国土基本図(地名情報)住居表示住所をそのま採用しています。なお、実際に付定されている住居番号ではなく、基礎番号を収録します。

5 【参考1】アドレス・ベージトリ運用シテム

アドレス・ベース・レジストリを継続的に更新・提供していくための業務システムとして、デジタル庁ではアドレス・ベース・レジストリ運用シテムを構築しています。

2021年度にパイロットシステムを構築し、 いくつかの市に協力ただき実証を行いました。2022年度には本番稼動に向けた機能拡張と、さらなる実証を行います。以下に運用システムの概要を図示 します(2022年4月時点のパイロットシステム)。

初期データ整備により作成されたデータは、住所・所在地 DBに格納されています。

自治体データ更新機能は、 市区町村の職員の方々が、インターネット経由でブラウザの画面にログインし、住所・所在地DBの内容の確認や更新をすることが できます。告示や変更予定の情報登録や資料アップロードができます。登録された情報・資料は国土地理院等にも共有していく予定です。

初期データ整備にも使用した参照元が更新され場合、情報更新用コンバータを使って更新情報を取り込みます。

6 【参考2】町字ID付番ガイドラン

6.1 町字IDの付番方法

町字IDは、町字を構成する2階層を表現し、上4桁で「大字・町」、下3桁で「丁目・小字」を表す。

  •  小字の扱い

大字のみレコード、各小字を収録する。同じ大字の配下にある町字IDは上4桁は同一数字とする。小字の町字IDは下3桁に101以降の数字を使う。

  •  ②丁目の扱い

丁目の前につく固有地名が同じ場合(下記例「町字 A」)は、上 」)は、上4桁は同一数字とする。丁目の町字IDは下3桁を丁目の数字をそのまま用いる(左側は0埋め)。

これら複数の丁目をグルーピングした町のレコード(下3桁が「000」)も収録する。なお、丁目の前につく固有地名と同じ住居表示非実施の町字が併存する場合は、別レコードして収録し、町字IDの上4桁は別々の数字を付番する(下記例「0123」と「1234」))。

  •  初期データに関する留意事項

初期データの町字IDは、国土交通省の位置参照情報コードを踏襲すること推奨しているが、上記仕様と異なる採番されているレコードに関しては、町字IDを振り直すものとする。

  •  新たな町字IDを付番するとき

「効力発生日(町字の新設・名称変更実施)」および「大字・町名_カナ」の昇順で、既存レコードの町字ID(上4桁)の最大値 +1の数字を新たに振っていくものとする。

6.2 町字の異動に対するレコード更新ポリシー

町字 IDを新たに付番するケースや、旧レコードを削除(又は廃止状態化-廃止日に有効値を収録)して新レコ ードを追加するケースについて、以下の通りとする。

町字 IDを新たに付番してレコード作成するケース:

 町字の画定(新設)- 住居表示実施に伴うケースを含む

旧レコードを削除(又は廃止状態化-廃止日に有効値を収録)し、町字IDを新たに付番して新レコードを作成するケース:

 全国地方公共団体コード(市区町村)に変更が生じる事案(市町村合併、政令、指定都市移行、市制施行、他の都道府県へ編入、など)-、但し、同一コードが重複しない等、異動前の町字IDをそのまま継承できるケースは継承することを妨げない

旧レコードを削除(又は廃止状態化-日に有効値収録)し、町字 IDを変更せず新レコードを作成するケース :

 町字の区域・名称変更を伴わない住居表示の実施(住居表示フラグが変更)

 町字の名称のみの変更

旧レコードを削除(又は廃止状態化-廃止日に有効値を収録)し、新レコードを作成しないケース:

 町字の廃止

レコードを更新しないケース:

 町字の区域のみ変更-元の区域の一部に町字が画定されるケースを含む

6.3 町字の区域・名称変更-主なパターンの整理

① 区域の画定(新設)

従来町字未設定だった区域(新たに生じた土地等)に新たに町字を画定

  • 住居表示の実施 住居表示の実施

町字の全域で住居表示実施(区画定又は変更、かつ/又は名称の変更を伴う場合がある)

ベース・レジストリのメニューがそろった!

https://note.com/hiramoto/n/nebb7fbe80536

アドレス・ベース・レジストリ

https://ameblo.jp/makishimakaren/entry-12740468126.html

code4fukui/address-japan

https://github.com/code4fukui/address-japan/fork

亡くなっている方との共有名義にする相続登記の登録免許税の計算について、間違ったことの記録

課税標準額160万円の土地を、亡甲と乙の共有に相続登記する場合、亡甲名義にするのは死者への登記だから非課税、乙名義にするのは持分だけ見れば100万円以下で非課税となるか。

・・・ならない。租税特別措置法第84条の2の3第1項は課税標準たる不動産の価格が要件。同法同条第2項に該当するかどうかとは別。

租税特別措置法

(相続に係る所有権の移転登記等の免税)

第八十四条の二の三

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332AC0000000026&keyword=%E7%A7%9F%E7%A8%8E%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8E%AA%E7%BD%AE%E6%B3%95

例えば、160万円の土地と100万円の各土地を、亡甲と乙でそれぞれ2分の1ずつ取得する場合。

乙が取得する160万円の2分の1の持分について租税特別措置法84条の2の3第2項の適用があるか。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html

※1不動産の所有権の持分の取得に係るものである場合は、当該不動産全体の価額に持分の割合を乗じて計算した額が不動産の価額となります。

・H30.11.30日司連常発第124号

上の画像のように理解していましたが、改めて考えてみると下が正解のようです。とあるSNSで出したのは私なので、直接指摘していただきたかったのですが、その先生の方針なので仕方がないですね。

既に亡くなっている者との共有名義にする相続登記

とあるSNSで出ていましたが、固定資産評価額が160万円の土地につき、持分2分の1:亡A、持分2分の1:Bとする相続登記をする場合の登録免許税の算出方法はどうでしょうか。

  この場合、租税特別措置法第84条の2の3第1項により、亡Aが相続する持分2分の1の部分については非課税になります。

 そして、Bが相続する持分2分の1の部分についてはどうでしょうか。Bが相続する持分2分の1の部分の価格は80万円になります。そうすると、今回の相続登記の課税価格はBが取得する分になり、100万円以下になるため、租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税になります。

 なお、固定資産評価額が160万円の土地をAとBが持分2分の1ずつ相続する場合、課税価格は160万円になるため、租税特別措置法第84条の2の3第2項の適用はありません。この点は注意が必要ですね。

・別の意見

移転する持分は2分の2なので、持ち分の価格をかけても2分の2のままで非課税とはならない。

・・・これも考えてみると、納得感はあります。ただ、亡甲2分の1名義と乙名義:持分2分の1の登記を別件で申請した場合を考えると、上のブログ記事の考え方となるのかなと思います。

2023/03/27追記

登記研究901号(令和5年3月号)、テイハン、質疑応答〔8006〕共同相続における租税特別措置法第84条の2の3第2項の適用の可否について

加工不動産ID ルールガイドライン

不動産ID ルールガイドライン

令和4年3月31日

国土交通省 不動産・建設経済局

https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk5_000001_00006.html

目 次

1.本ガイドライン策定の背景・課題及び目的・効果・・・・・・・・・・・・・・・・1

2.不動産ID ルール整備に当たっての留意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

(1)不動産ID ルール整備に当たっての基本的考え方・・・・・・・・・・・・・・・2

3.不動産ID のルールについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

(1)不動産ID に使用する番号について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

1 不動産番号(13 桁)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

2 特定コード(4桁)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

(2)不動産ID の基本ルール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

1 土地のID ルール(ルール№1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

2 建物(戸建て)のID ルール(ルール№1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

3 非区分建物のルール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

非区分建物(商業用 )のID ルール(ルール№3)・・・・・・・・・・・・・・・・6

非区分建物(居住用 )のID ルール(ルール№4)・・・・・・・・・・・・・・・・7

非区分建物全体のID ルール(ルール№5)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

4 区分所有建物のルール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

商業用の区分所有建物【ある専有部分全体を示す場合】(ルール№6)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

商業用の区分所有建物【ある専有部分の一部を指す場合】(ルール№7)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

居住用の区分所有建物【専有部分=1部屋の場合】(ルール№8)・・・9

居住用の区分所有建物【専有部分=複数部屋の場合】(ルール№9)・9

区分所有建物の建物全体(ルール№10)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(3)複数の用途が混在する建物の不動産番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(4)不動産ID の記述ルール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

4.不動産ID の活用に向けた前提・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

(1)個人情報保護法との関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

(2)ID の入力・登録(紐付け)に際しての留意点・・・・・・・・・・・・・・・12

(3)ID と紐付けたデータの利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

(4)ID やID と紐付いたデータの利用範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

5.おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

1.本ガイドライン策定の背景・課題及び目的・効果

 現在、我が国の不動産分野においては、官民の各主体によって多様な形でデジタル化の取組が進められており、テクノロジーを活用しながら、不動産取引の活性化等を図っているところです。

 一方、現状、我が国の不動産については、土地・建物いずれも、幅広い主体で共通で用いられている番号(ID)が存在せず、住所・地番の表記ゆれにより、同一物件か否かが直ちにはわからない状態となっています。そのため、仲介・開発等の際に、多様な主体が保有する不動産関連情報( 本ガイドラインにおいて「不動産関連情報」とは、不動産の取引や性能・管理等の情報に限らず、当該不動産に関する生活インフラ情報や、官民の保有する地図情報・ハザードマップ等のエリア情報なども含めて、不動産に関連する多様な情報を指す用語として使用します。)を独自に収集・名寄せする場面や、消費者に的確な情報発信を行おうとする場面で手間・時間がかかるなど、不動産関連情報の連携・蓄積・活用における課題となっているところです。

 そこで、今般、不動産を一意に特定することができる、各不動産の共通コードとしての「不動産ID」に係るルールを整備することとしました。不動産ID のルール整備及び活用は、情報の収集・名寄せを容易にすることで事業者の負担軽減に資するとともに、官民の各主体が保有する不動産関連情報の連携・蓄積・活用、消費者への的確な情報発信等を促進するものです。IT を活用した重要事項説明等や、行政情報の電子化といった他の施策や取組とも相まって、不動産業界全体の生産性及び消費者利便の向上等により不動産の流通・利活用を促進するとともに、今後、本格的なデジタル社会を迎えるにあたり、不動産DX を強力に推進する上での情報基盤整備の一翼を担うことにより、不動産市場の活性化及び透明化を図る取組となっていくことが期待されます。

 また、不動産業界内のみならず、今後、電気・ガス・水道・通信等の生活インフラや、まちづくり、物流分野等のより広い社会における活用も期待されるものであり、デジタル田園都市国家構想、スマートシティといった取組や、デジタルツインの実現に向けた取組と連携していくことで幅広い活用が期待されます。

 不動産ID は、官民を問わず、どなたでも原則として自由に活用していただくことを想定しており、本ガイドラインは、幅広い活用が期待される不動産ID のルールを定め、その利用にあたっての留意点を解説することを目的として策定するものです。また、本ガイドラインは、「不動産ID ルール検討会」(座長:田村 幸太郎 弁護士。以下「検討会」という。)の中間とりまとめ(参考資料を参照。)を踏まえて策定しています。

2.不動産ID ルール整備に当たっての留意点

 本ガイドラインに定める不動産ID ルールは以下の2点を前提として検討し、策定しました。以下の点は、ルールを正確に理解し、活用していくためにも不可欠な内容であるため、本項で解説します。

(1)不動産ID ルール整備に当たっての基本的考え方

  本ガイドラインで定める不動産ID ルールは、個々の不動産を一意に特定する番号(ID)の内容に関するルールです。不動産ID の取組は、本ガイドラインで定めるルールに従って、不動産関連情報を保有する者・活用しようとする者(以下「主体」という。なお、主体は官民を問いません。)が自ら保有する不動産関連情報に不動産ID を紐付け、紐付けた情報を各主体や主体間で連携・蓄積・活用することで様々なメリットを発現させていくことを想定しています。

 このため、各主体で不動産関連情報に不動産ID を紐付けた後に、どのように情報を連携させるかについては、各主体の発意・主体間の交渉に委ねる、というようなあり方を目指しているものです。

従って、本取組はが一元的なデータベースを作成して不動産ID を発番したり、不動産情報を収集・蓄積して各主体に提供するといったことを意図したものではありません。

 一方で、不動産ID を普及させ、その効果を最大限発現させるため、検討会においては、不動産ID が広く利用されるための方策についても議論を行いました。例えば、想定される不動産ID の活用方法(ユースケース)・メリットとして下記の例(※)が挙げられています(詳細は参考資料P23~31「4.不動産ID の利用拡大に向けた方策について」を参照。)。

(※)想定される不動産ID のユースケース

○ 不動産ID は、その活用により、住所の表記揺れや同一住所・地番に複数の建物がある場合も含めて、一義的に不動産の特定が可能となるものです。

〇 このため、社内や関連会社間のデータベースの物件情報の管理をID により行うことで、物件情報の名寄せ・紐付けが容易になるほか、各主体間でID を活用することにより、例えば、外部から取得したデータを自社データベースに連携させる際などにも、ID を突合するだけで同一物件か否かの判断が可能となります。

〇 また、物件ポータルサイトにおいては、ID を活用して物件管理を行うことで、検索機能の向上のほか、重複案件の一括表示や、成約案件等の適時の掲載終了が可能となるなど、事業者・消費者等の利用者の利便性向上に向けた取組が考えられます。

〇 さらに、不動産ID と空間情報等との紐付けが可能となれば、生活インフラ事業、まちづくりや物流など不動産関連分野以外でも、一義的に不動産の特定が可能という性質を生かした活用が想定されます(参考資料P28 参照) 。

不動産ID のルール整備と、各主体が保有する情報の公開・提供範囲とは別の議論となります。不動産ID の取組は、上述の通り、まず情報保有・活用主体が自ら保有する不動産関連情報に不動産ID を紐付けるところから始まりますが、それにより許諾なく個人情報や各主体が保有する内部情報が外部に流出するものではありません。ID が紐付けられた情報をどのように利用するかは個別のユースケースごとに、各主体が自ら決めることができます。

3.不動産ID のルールについて

(1)不動産ID に使用する番号について

不動産ID は、不動産番号(13 桁)と特定コード(4桁)で構成される17 桁の番号とします。

 不動産番号(13 桁)

 不動産番号は、不動産登記法及び不動産登記規則に基づき、一筆の土地又は一個の建物ごと(区分所有建物においては一個の専有部分ごと)に不動産登記簿の表題部に記録されている符号です。通常は、登記事項証明書の右上に記載されています(参考資料P14~16 参照)。不動産番号はその性質上、

・一意でゆらぎのない番号であること

・紛れなく不動産を識別可能な文字列であること

・全国の不動産を対象に広く付番されており、各事業者等が統一的に利用できること。

・紐付いている所在情報等の真正性があることといった不動産ID の基礎として使用する番号としての性質を満たしている公的・基本的な情報です。

 特定コード(4桁)

 上記の通り、不動産番号は一筆の土地又は一個の建物ごと(区分所有建物においては一個の専有部分ごと)に記録されています。例えば一般的な賃貸マンションは実際の不動産取引においては、各部屋を特定するニーズが高いと考えられます。他方、一般に賃貸マンションは非区分建物であり、1棟で1つの不動産番号が与えられているのみであり、不動産番号だけでは各部屋を特定することはできません。

 このように、不動産番号のみでは対象となる不動産を特定できない場合は、後に記載する個別のルールに基づいて、4桁の個別の符号を不動産番号(13桁)に続いて入力するものとします。当該符号を本ガイドラインでは「特定コード」と呼称します。なお、特定コードを活用しなくても対象不動産を特定することができる場合には、特定コード部分には「0000」と入力することとします。

(2)不動産ID の基本ルール

 前述の通り、不動産の類型にかかわらず、不動産番号(13 桁)と特定コード(4桁)で構成される17 桁の番号が不動産ID です。各不動産の類型毎に、使用する不動産番号及び特定コードのルールを整理した不動産ID の基本ルールは、以下の表のとおりとなります。なお、新築未登記の場合など、表題部登記前のものに関しては、不動産ID のルールは設けていません。

(表)不動産ID の基本ルール

 土地のID ルール(ルール№1)

土地の不動産番号(13 桁)-0000

土地の不動産ID は、不動産登記された「筆」ごとに付します。1筆の土地に対応する1つの不動産番号が存在することから、当該不動産番号(13 桁)を用います。また、特定コードを用いることなく対象を特定することができることから特定コード4桁には「0000」を用います。

 建物(戸建て)のID ルール(ルール№2)

建物の不動産番号(13 桁)-0000

建物(戸建て)の不動産ID は、当該建物全体について1つの不動産ID を付します。1つの建物には原則として1つの不動産番号が存在することから、当該不動産番号(13 桁)を用います。また、特定コードを用いることなく対象を特定することができることから特定コード4桁には「0000」を用います。

※2世帯住宅等において、1件の戸建て住宅が区分登記されている場合には、区分所有建物のルール(各専有部分を表す場合はルール№8、建物全体を表す場合はルール№10)を用います。

 非区分建物のルール

ⅰ)非区分建物(商業用・本ガイドラインにおいて「商業用」とは、主にオフィスや店舗等の商業施設を想定して、居住用以外の用を指し示す用語として使用している。)のID ルール(ルール№3)

建物の不動産番号(13 桁)-階層コード(2桁)・階数(2桁)

商業用の非区分建物は、利用形態に応じて区画・部屋の広さ、形状等を変更することも多いことから、当該建物の一部区画・部屋を示す場合には個々の区画・部屋を特定するのではなく、当該建物の「何階部分であるか」を特定し不動産ID を付します。1つの非区分建物には1つの不動産番号が存在することから、当該不動産番号(13 桁)を用います。その上で「何階部分であるか」を特定するために特定コードとして、階層コード2桁+階数2桁の計4桁を用います。

階層コードは以下の表の通りです。地上階の場合は「G0」、地下階の場合は「B0」、地上の中間階の場合は「GM」、地下の中間階の場合は「BM」となります。

また、階数は右詰で記載します。例えば2階にある区画を示す場合には、特定コードは「G002」となります。本ルールについては、個々の区画・部屋を特定するのではなく、当該建物の「何階部分であるか」を特定する性質上、同一フロアに存在する区画・部屋の不動産ID は同一になるという点に留意が必要です。

(表)階層コードのルール

1桁目(地上階か地下階かを選択) 2桁目(通常階か中間階かを選択)地上階の場合 G 通常階の場合 0(ゼロ)地下階の場合 B 中間階の場合 M

※ 部屋番号、ドア番号、区画番号などにより個々の部屋や区画が特定できる可能性がある場合であっても、居住用の建物と異なり特定コードに部屋番号は用いないこととします。(例えば、非区分建物のオフィスビルで、フロアの各区画が固定的で、固有の部屋番号等が付されている場合でも、特定コードに部屋番号は用いません。)

※ 商業用・居住用(本ガイドラインにおいて「居住用」とは、主にマンション、アパートのように人が居住することを主な用途とする建物を指す用語として使用します。)の別は、個々の部屋の利用目的ではなく、建物全体の利用目的から判断します。ただし、建物全体が同一の利用目的ではない1階・2階は商業用、3階・4階は居住用といった建物の場合は、1階・2階は商業用、3階・4階は居住用のルールを用います。

※ 居住用マンションの一室を事務所として使用しているなど、居住用建物において、一室を居住以外の目的で賃貸する場合は、居住用としてルール№4、8、9を用います。

(例) 非区分建物(商業用)のID ルール(ルール№3)

非区分建物(居住用)のID ルール(ルール№4)

建物の不動産番号(13 桁)-部屋番号(4桁)

居住用の非区分建物としては、一般的な賃貸マンション、賃貸アパートを想定しています。こうした不動産は、一般的に部屋ごとに賃貸等が行われることを踏まえて、部屋ごとに不動産ID を付すものとします。

1つの非区分建物には、建物全体として1つの不動産番号が存在することから、当該不動産番号(13 桁)を用います。その上で「個々の部屋」を特定するために特定コード4桁には「部屋番号(4桁)」を用います。

※ 部屋番号に、平仮名、片仮名、漢字等の、数字及び英文字以外の表記が含まれる場合、数字及び英文字部分のみを不動産ID として用います。また、ローマ数字はアラビア数字に、英文字の小文字は大文字に変換して用います。

※ 原則として棟ごとに登記がなされ、不動産番号も棟ごとに存在することが一般的であることから「A 棟」などの棟番号の表記や、「A1101」のように棟番号(A)が部屋番号に付されている場合の棟番号は省略します。(上記例であれば、特定コードは「1101」となります。)

(例)非区分建物(居住用)のID ルール(ルール№4)

非区分建物全体のID ルール(ルール№5)

建物の不動産番号(13 桁)-0000

商業用、居住用いずれの非区分建物も、当該建物全体について1つの不動産ID を付します。1つの非区分建物には1つの不動産番号が存在することから、当該不動産番号(13 桁)を用います。また、特定コードを用いることなく対象を特定することができることから、特定コード4桁には「0000」を用います。

4 区分所有建物のルール

ⅰ)商業用の区分所有建物【ある専有部分全体を示す場合】(ルール№6)

専有部分の不動産番号(13 桁)-0000

区分所有建物においては、建物全体についての不動産番号は存在せず、専有部分ごとに1つの不動産番号が存在します。このため、商業用の区分所有建物のうち、ある専有部分全体を指す場合には、当該専有部分の不動産番号(13 桁)を用います。当該部分は特定コードを用いることなく対象を特定できることから、特定コード4桁には「0000」を用います。

商業用の区分所有建物【ある専有部分の一部を指す場合】(ルール№7)

専有部分の不動産番号(13 桁)-階層コード(2桁)・階数(2桁)

商業用の区分所有建物のうち、区分登記されたある専有部分内に存在する特定の区画、部屋について不動産ID を付す場合には、不動産番号は当該専有部分の不動産号(13 桁)を用います。特定コードについては、ルール№③と同様、当該区画や部屋が「何階部分にあるか」に着目し、階層コード2桁+階数2桁の計4桁を用います。階層コードのパターンなど、特定コードに係るルールはNo.③ⅰ)に定めている内容と同じです。

居住用の区分所有建物【専有部分=1部屋の場合】(ルール№8)

専有部分の不動産番号(13 桁)-0000

居住用の区分所有建物として、最も一般的な例は分譲マンションです。分譲マンションは、各部屋単位で売買等の取引が行われることを踏まえて、部屋毎に不動産ID を付すものとします。こうした区分所有建物においては、1つの部屋(専有部分)ごとに区分登記されています。このため、不動産番号は当該専有部分(=部屋)の不動産番号を用います。また、当該部分は特定コードを用いることなく対象を特定できることから、特定コード4桁には「0000」を用います。

居住用の区分所有建物【専有部分=複数部屋の場合】(ルール№9)

専有部分の不動産番号(13 桁)-部屋番号(4桁)

該当しない形態として、例えば、賃貸併用住宅のように、一つの建物内に大家の自宅と複数の賃貸の部屋が存在し、大家の自宅で一つ、賃貸の部屋エリア全体で一つの区分登記がされている場合が挙げられます。

こうした場合には、賃貸の各部屋を特定するニーズがあることを踏まえ、部屋ごとに不動産ID を付すものとします。不動産番号は当該部屋が含まれる専有部分の不動産番号を用います。また、ルール№④と同様、「個々の部屋」を特定するために特定コード4桁には「部屋番号(4桁)」を用います。特定コードに係るルールは3)に定めている内容と同じです。

区分所有建物の建物全体(ルール№10)

不動産番号(13 桁)-000B(建物を表す符号(4桁))

区分所有建物は、専有部分ごとに1つの不動産ID が存在しますが、建物全体の不動産番号は存在しません。このため、区分所有建物の建物全体を示す不動産ID には、当該建物が建つ「土地」の不動産番号を用います。

建物が複数筆の土地の上に建っている場合は、建物の不動産登記簿の所在欄の先頭に示されている地番の土地に係る不動産番号(不動産登記事務取扱手続準則(平成17 年2 月25 日 法務省民二第456 号法務省民事局長通達)第88 条第2項において「建物の登記記録の表題部に2 筆以上の土地にまたがる建物の不動産所在事項を記録する場合には,床面積の多い部分又は主たる建物の所在する土地の地番を先に記録し,他の土地の地番は後に記録するものとする。」と規定されている。)を用います。

また、特定コードには、当該不動産ID が、土地の不動産ID ではなく、「区分所有建物の建物全体」であることを示すための符号として「000B」を用いることとします。

本ルールについては、土地の不動産番号を用いる性質上、同一筆の土地に複数の区分所有建物が存在する場合や、建物の建て替えを行った場合に新旧の建物で不動産ID が同一になることもありうるという点に留意が必要です。

(3)複数の用途が混在する建物の不動産番号

前述の通り、商業用・居住用の別は個々の部屋の利用目的ではなく、建物全体の利用目的から判断することとしています。ただし、建物全体が同一の利用目的ではなく、1階・2階は商業用、3階・4階は居住用といった利用目的の建物も想定されます。

このような場合も、(2)で定めた各ルールを用いることで対応できます( 具体例として参考資料P12 を参照。)。

(4)不動産ID の記述ルール

不動産ID は、これを利用するデータベース間でデータとしての記述に著しいかい離があると、情報の連携・蓄積・活用を進める観点で支障となり得ることから、以下の基本的なルールに従い記述します。

○ 使用する文字種は、半角とする(数字は半角数字、アルファベットは半角大文字のみ)。

⇒ 例えば、ルール№4における特定コードとなる部屋番号について「2a」号室などアルファベット小文字が使用されていた場合は、「2A」と大文字に変換して記述します。

○ 原則として「不動産番号(13 桁)-(半角ハイフン)特定コード(4 桁)」と記述する。

⇒ 不動産番号(13 桁)のみでも情報連携等の活用を容易にするため、半角ハイフンを用いることで、不動産番号(13 桁)と特定コード(4桁)の区切りを明確化する趣旨であり、データベース整備上、「-」(半角ハイフン)以外の文字(例えば「;」(半角セミコロン)など)で記述することが適切な場合は、当該文字を使用することも可能です。

4.不動産ID の活用に向けた前提

不動産ID の活用に際しては、ID に用いる文字列のルールを決めるだけではなく、ID を用いる上での基本的な前提・留意点についても、各主体間で共通認識を築くことが必要です。

(1)個人情報保護法との関係

不動産ID は、それ単体では、特定の個人を識別することはできないものの、不動産ID や登記簿上の不動産番号(以下、「不動産ID 等」という。)を保有する者において、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる場合には、「不動産ID 等及び当該他の情報」による情報全体として、個人情報保護法第2条第1項の「個人情報」に該当します。このため、ユースケースに応じて個人情報保護法制との関係で整理が必要となります。

ただし、不動産ID は、不動産登記簿等と照合すれば所有者の識別が可能といった点で、住所や地番等と同じ性質の物件情報の一つです。このため、現在個人情報保護法等の法令に基づいて行われている実務の範囲内で不動産ID の利活用が行われる場合は、特段新たな対応を講じる必要はありません。

上記を超えて、更なる不動産ID の利活用を図る場合には、具体的な利用方法や紐付ける情報の性質に応じて、適切な利用目的の公表や、第三者提供時の同意取得等の措置を講じることが求められます。

なお、匿名加工情報や仮名加工情報(仮名加工情報は令和4年(2022 年)4月より新たに導入される制度です。)といった個人情報保護法上の制度を活用することで、個別の同意取得や新たな利用目的の公表といった措置を取ることなく、データの利活用を進めていくことができますが、匿名加工情報においては、加工にあたり、不動産ID も含めて「個人情報と他の情報とを連結する符号を削除」するよう求められており遺漏無く対応していくことが必要です。

(2)ID の入力・登録(紐付け)に際しての留意点

不動産ID の取組は、不動産に関する様々な情報が、本ガイドラインのルールに沿って、各主体により不動産ID と紐付けられた形で蓄積され、連携していくことで、その利活用が進んでいくものです。こうした取組を的確に進めていくためには、不動産ID と不動産関連情報を紐付ける際に、不動産ID を正確に入力・登録していくことが必要です。このため、不動産ID の入力・登録を行う際は以下の点に留意してください。

土地と住宅を合わせた取引や、複数筆の土地をまとめて取引する際に、ポータルサイトに物件情報を登録し、不動産ID を入力する時など、複数のID 入力を想定しうる場合は、各主体・主体間において、ユースケースに応じて、予めどの不動産ID を入力するか明確化しておきます。その際、将来的な情報連携も視野に入れて検討することが重要です(※)。

ID の誤入力に関しては、不動産ID は住所・地番等の物件情報に類するものであり、通常の情報相違への対応と同様に、その都度の訂正を行うことができるようにしておきます。不動産ID であることをもって、特別の取扱(一度登録したら修正できないなど)を必要とするものではありません。(なお、例えば、ポータルサイトにおいて、あえて誤ったID を入力し、消費者に対するおとり広告を行っている場合には、公正競争規約に基づく措置の対象となります。)

新築未登記の場合など、表題部登記前のものに関しては、ルール上、不動産ID は存在しない点にも留意してください。

※ 複数のID 入力を想定しうるケースの具体例と入力するID の考え方の例

(ユースケースの想定に応じて、これ以外のID を入力することとしてもよい。)

ケース1) 不動産取引時における事業者間の情報共有や広告のため物件情報を登録し、ID を入力する場合は、ID は、事業者が当該取引に係る情報を検索したり、情報や広告の表示を整理するためにバックデータで利用することが想定されるため、同一の取引単位の物件情報には、同一のID が付されるルールとすることが望ましい。

 土地と住宅を合わせた取引(土地付き住宅)の場合

古家付き土地を含め、建物ID を入力する。

・中古住宅は建物ID、古家付き土地は(土地分類のため)土地ID を入力するなど、登録時の物件種別を捉えてID を入力することも考えられるが、現在のポータルサイトの物件種別は、明確な登録基準があるわけではなく、売主や販売会社の意向を踏まえて、どの種別で登録するか判断されているため、広告主が異なると同一取引の広告であっても物件種別が異なることがあり、同一取引の情報に同一のID が付されないケースが想定される。

・このため、登録時の物件の状態(=建物が存在)を捉えて建物ID を入力する。

・他方で、広告出稿から取引成立までの間や取引直後に、古家を除却し、古家付き土地が更地となるケースもあるため、建物ID に加えて、土地ID を入力する欄を設けることも考えられる。

② 複数筆を集約した土地(更地)を取引する場合

面積が最大の筆のID を入力する。

・複数筆の取引の中には多くの筆を含むものも想定され、全てを入力することは実務上もシステム整備上も困難と考えられることから、面積が最大の筆のIDを入力する。

・他方、(市境をまたぐ土地や面積が最大の筆とほぼ同じ面積の筆がある土地など)他の筆のID もあわせて登録されている方が、取引情報として望ましい場合も想定されることから、面積が最大の筆に加えて、他の筆のID を入力する欄を設けることも考えられる。

・また、複数筆の取引であることの識別を要する場合は、筆数を合わせて登録する等の対応が考えられる。

ケース2) インフラ情報の管理のためID を入力する場合は、土地に設置される設備(メーター等)は住宅の建替があっても維持されるため、土地に設置される場合は土地のID、住宅に設置される場合は住宅のID を入力。

(3)ID と紐付けたデータの利用

2.2で指摘したように、不動産ID の取組は、不動産ID の紐付けにより、許諾無く、個人情報や各主体が保有する内部情報が外部に流出するものではありません。その上で、不動産ID が紐づけられた情報をどのように利用するかは、個別のユースケース毎に各主体が決定します。

その際は、個人情報の観点や、現在の実務における取扱いも踏まえて検討することが必要です。具体的には、不動産ID は「住所・地番」と同じ性質を持つ(不動産登記簿と照合すれば所有者が特定できる)ことから、これらの取扱いも踏まえて検討することが重要です(※)。

※ 不動産取引における物件情報広告等の場面におけるID の表示について

○ 登録と表示は別の問題であり、登録したから無条件に表示しなければならないというものではありません。例えば、募集時に物件情報と併せて不動産ID を登録するが、当面、ポータルサイトの外部(例:一般向けのポータルサイトにおける物件情報の提供時)には、不動産ID 自体は表示しないことも考えられます。

・ 一般向けのポータルサイトでは、基本的に、地番・部屋番号は非表示となっているが、これらを表示する点について、売主・貸主から個人情報保護法上の必要な同意がある場合に、例外的に、町字に加えて、地番・部屋番号を表示しているケースがあり、不動産ID について、表示する場合には売主・貸主の同意を得る必要があります。

・ 個人情報保護法上、売主・貸主の合意があると認められる場合は、不動産IDを一般に表示することは差し支えありません。地番等と同様に、表示によって購入・賃借希望者が詳細な物件情報を調べられる点はメリットとなりえます。

会員向け(=事業者間)の情報提供等にあたっては、現行の不動産取引実務を踏まえつつも、不動産ID の表示によって物件を特定できることで、円滑な取引に資するメリットも踏まえて、取扱の検討が必要となります。

(4)ID やID と紐付いたデータの利用範囲

不動産ID は、広く社会の様々な分野での活用が期待されることから、原則として各主体が自由に活用できます。ただし、適切でない目的で利用されること等で、不動産ID の制度自体の信頼性が損なわれることのないよう、

○ 法令や公序良俗に反する行為への利用

○ 不当に第三者に損害を与えるような利用

○ 不動産ID の信頼性を損ねるような利用

といった利用目的での利用は認めないこととします。

また、不動産ID を利用した情報の連携・蓄積・活用を行う際には、上記に該当するような利用が行われないよう、規約などで必要な規定をおくことが望ましいです。

5.おわりに

不動産ID の取組は、不動産に関する様々な情報が、本ガイドラインのルールに沿って、各主体により不動産ID と紐付けられた形で蓄積され、連携していくことで、その利活用が進んでいくものです。

今後、ID に紐付いた不動産関連情報が段階的に増えていくことで、不動産ID を活用した不動産関連情報の連携・蓄積・活用として実現できるユースケースも広がっていくことが想定されます。

このため、まずは、官民問わず、多くの主体が本ガイドラインのルールに沿って、不動産ID を不動産関連情報に紐付けていくことが重要となります。国土交通省としても、今後、ID に用いられる不動産番号の確認の容易化に向けた検討や国・自治体の保有するデータと不動産ID の紐付けに向けた検討を行うなど、不動産ID の活用に向けた環境整備に取り組んでいきます。

(以上)

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