登記研究910号(令和5年12月号)

登記研究910号(令和5年12月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/book/b10045240.html

【論説・解説】

■令和6年4月から始まる相続登記の申請義務化の内容と、その施行に向けたマスタープランの公表について 法務省民事局付 森 下 宏 輝、法務省大臣官房司法法制部審査監督課法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 古 田 辰 美、法務省民事局民事第二課法務専門官 太 田 裕 介

第1 はじめに

第2 相続登記等の申請義務の内容

 不動産の承継について遺言がされていない場合、遺言がされている場合などケース別の相続人の登記申請義務についての解説。

第3 相続人申告登記(手続負担軽減策/環境整備策)

 遺産分割協議が成立しない、出来ない場合の対応として、通常、法定相続分での相続登記申請ではなく、相続人申告登記の申出によることが制度の意図。

 P7、相続人申告登記は、相続等による権利移転を公示するものではなく、所有権の登記名義人に相続が開始したこと及び当該登記名義人の法定相続人とみられる者、の、みられる、という部分がどのような意味なのか分かりませんでした。

第4 マスタープラン

 相続人申告登記については、非課税。数次相続など複雑ではない相続関係の場合、オンライン上で手続きを完結させるために、行政間の情報連携などを通して、戸籍等の添付情報を可能な限り省略出来るように進めていること。電子署名の付与も不要。

第5 おわりに

■「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説(4)法務省民事局民事第二課補佐官 三 枝 稔 宗、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 手 塚 久美子、法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清 水 玖 美

第2 本要領の概要

 9 第9節 関係機関への資料提供の依頼等

法務局からの依頼に対して、関係機関(市町村など。)の回答期限は、2週間程度を予定。

 10 第10節 承認申請の審査

 実地調査の事前通知、方法について。

■「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(通知)」の解説

法務総合研究所研修第三部教官(前法務省民事局商事課法規係長) 村 上 裕 貴

第1 はじめに

第2 共同法人制度の創設(本件通知記第1)

 弁護士及び外国法事務弁護士を社員とする弁護士・外国法事務弁護士共同法人の設立を可能とする制度の創設等が整備されたことについて。

第3 共同法人の設立(本件通知記第2)

 定款記載事項など。

第4 他の種類の法人(共同法人又は弁護士法人等)への変更(本件通知記第3)

 設立登記と解散登記を申請すること。

第5 他の種類の法人との合併(本件通知記第4)

 債権者保護手続が必要となること。

第6 設立又は合併を無効とする判決(本件通知記第5)

第7 組登令の特則的規定の改正

 改正前の組合等登記令(昭和三十九年政令第二十九号)26条において、項建てされていた規定を、条建てに変更したこと。

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第116回)一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問神 﨑 満治郎

237 独立行政法人の登記について

 独立行政法人の性質に伴う登記を除いて、組合等登記令の規定に近い。

■Q&A不動産表示登記(86)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第三章 建物(非区分建物)

 第二節 各種の登記の申請

  Q255  登記官は合体による登記等をどのように行うのか。

 合体前建物に所有権登記がある場合、表題部のみの登記の場合について、合体後の建物の登記の方法(不動産登記規則158条、120条)。合体前の建物登記について、処理の方法(不動産登記規則49条、110条、120条9項、144条)。登記識別情報は、合体後の建物所有権登記名義人に通知(不動産登記法21条、不動産登記規則62条)。みなし持分について、平成5年基本通達第6の5の(2)前段。

■商業登記の変遷(56)司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 登記情報交換システムの稼働(昭和63年改正商登法113条の4第2項、平成元年4月28日法務省令15号)。現在の商業登記法10条、商業登記規則30条。

 登記情報提供サービスの稼働(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律)。

 登記公告について。昭和13年に改正されるまで、裁判所が新聞紙に公告を行っていた(明治23年4月26日法律32号商法19条)。登記公告と実際の登記が抵触するときであっても、その効力に影響はなく、第三者に対抗できる、とされていた(明治32年商法14条)ことなど。

■民事信託の登記の諸問題(27)渋 谷 陽一郎

 信託目録における、受託者権限の登記の重要性について。信託契約書から受託者の権限を抽出、要約とありますが、要約は属人性が強いので、要約が不要な信託契約書の条項が必要ではないかなと思います。

  信託目録の変更として、抵当権設定の登記事項を詳細に記録する変更を行っていますが、このようなことが実務で必要になってくると、信託の変更要件の条項は、ある程度ゆるくする必要があると感じました。

 信託法26条と民法34条の対比。

 信託法3条の読解。

 受託者の権限と代理人の権限について。権限という用語が異なる意味で使われているのではないか、という指摘。

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(3)

払い込みがあったことを証する書面については、要件が少しずつ柔軟になってきている。

会社設立登記前の役員の死亡、辞任、就任承諾の有無などについて、登記申請受理の可否について

 鹿児島地方法務局鹿屋支局管内登記事務研究会決議(昭和36年8月25日民事甲2069号民事局長指示)は、株式会社設立前に役員が死亡又は辞任した場合の取扱いについて。初めて知りました。

【法 令】

不動産登記令等の一部を改正する政令(令和5年10月4日政令第297号)

 相続登記の申請義務化に伴う、不動産以外の登記が必要な財産について必要な整備。

【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6212〕農地中間管理事業の推進に関する法律による不動産登記の特例に関する政令の取扱いについて(令和5年3月27日付け法務省民二第532号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

▽商業・法人登記関係

〔6213〕外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(令和4年10月13日付け法務省民商第460号法務局民事行政部長、地方法務局長宛て法務省民事局商事課長通知)

加工_令和5年12月15日付け法務省民二第1596号通達「外国に住所を有する外国人又は法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の住所証明情報の取扱いについて」

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00465.html

法務省民二第1596号

令和5年12月15日

法務局長殿

地方法務局長殿

法務省民事局長

(公印省略)

外国に住所を有する外国人又は法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の住所証明情報の取扱いについて(通達)

近時、国際化の進展の下で、所有権の登記名義人が外国に住所を有する事例が増えてきており、登記名義人の所在の把握に困難を伴うことがあるとの指摘がされています。

また、外国に住所を有する外国人(日本の国籍を有しない自然人をいう。以下同じ。)又は法人(会社法人等番号を有するものを除く。以下同じ。)が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の当該登記名義人となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)(不動産登記令(平成16年政令第379号)別表13の項添付情報欄リ、同28の項添付情報欄ニ、同29の項添付情報欄ハ及び同30の項添付情報欄ハに掲げる情報。以下「住所証明情報」という。)については、日本に住所を有する者や外国に住所を有する日本人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合と異なり、実際に必要となる具体的な書面等に関する運用上の幅が広くなっているとの指摘がされています。

これらの状況を踏まえ、標記の取扱いについては、下記の点に留意し、事務処理に遺憾のないよう、貴管下登記官に周知方取り計らい願います。

なお、この通達による取扱いは、令和6年4月1日以後にされる登記の申請について実施するものとします。

おって、この通達に抵触する従前の取扱いは、この通達により変更したものと了知願います。

第1 外国に住所を有する外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合

1 外国に住所を有する外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の当該登記名義人となる者の住所証明情報については、次の(1)又は(2)のいずれかとするものとする。

(1) 登記名義人となる者の本国又は居住国(本国又は居住国の州その他の地域を含む。以下「本国等」という。)の政府(本国等の領事を含み、公証人を除く。以下「本国等政府」という。)の作成に係る住所を証明する書面(これと同視できるものを含む。

(2) 登記名義人となる者の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面及び次のア又はイに掲げる区分に応じ当該(ア又は(イに定める書面

ア登記名義人となる者が旅券を所持しているとき次の要件を満たす旅券の写し

(ア 当該住所を証明する書面が作成された日又は当該申請の受付の日において有効な旅券の写しであること。

(イ 登記名義人となる者の氏名並びに有効期間の記載及び写真の表示のあるページの写しが含まれていること。

(ウ 当該住所を証明する書面と一体となっていない旅券の写しにあっては、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の署名又は記名押印がされていること。

イ登記名義人となる者が旅券を所持していないとき登記名義人となる者の作成に係る旅券を所持していない旨の上申書及び登記名義人となる者の本国等政府の作成に係る書面又は電磁的記録(以下「書面等」という。)の写し等(写し又は電磁的記録の内容を書面に出力したものをいう。以下同じ。)であって、次の要件を満たすもの

(ア 登記名義人となる者の氏名の記載又は記録がある書面等の写し等であること。

(イ 当該住所を証明する書面が作成された日又は当該申請の受付の日において有効な書面等の写し等であること。

(ウ) 当該住所を証明する書面と一体となっていない書面等の写し等にあっては、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の署名又は記名押印がされていること。

2 前記1(2)にかかわらず、所有権の登記名義人となる者の本国等の法制上の理由等のやむを得ない事情から、登記名義人となる者の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができないときは、日本の公証人の作成に係る住所を証明する書面等(登記名義人となる者がその住所が真実であることを宣誓した書面等について、公証人法(明治41年法律第53号)第58条ノ2第1項又は第62条ノ6第2項(令和5年法律第53号による改正後の公証人法第53条第1項又は第59条第3項)の規定に基づく認証がされたものをいう。)並びに次のア及びイに掲げる書面を住所証明情報とすることができるものとする。

ア前記1(2)アに定める書面

イ登記名義人となる者の作成に係る本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができない旨の上申書

登記所に提供する前記1又は2の情報のうち、外国語で作成されたものについては、その訳文を添付しなければならない。

第2 外国に住所を有する法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合

1 外国に住所を有する法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の当該登記名義人となる者の住所証明情報については、次の(1)又は(2)のいずれかとするものとする。

(1) 登記名義人となる者の設立に当たって準拠した法令を制定した国(州その他の地域を含む。以下「設立準拠法国」という。)の政府(設立準拠法国の領事を含み、公証人を除く。以下「設立準拠法国政府」という。)の作成に係る住所を証明する書面(これと同視できるものを含む。)

(2) 登記名義人となる者の設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面及び登記名義人となる者の設立準拠法国政府の作成に係る書面等の写し等であって、次の要件を満たすもの

ア登記名義人となる者の名称の記載又は記録がある書面等の写し等であること。

イ当該住所を証明する書面が作成された日又は当該申請の受付の日において有効な書面等の写し等であること。

ウ当該住所を証明する書面と一体となっていない書面等の写し等にあっては、原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者の代表者その他の当該住所を証明する書面の作成に当たって宣誓供述を行う権限のある者(以下「代表者等」という。)の署名又は記名押印がされていること。

2 前記1(2)にかかわらず、所有権の登記名義人となる者の設立準拠法国の法制上の理由等のやむを得ない事情から、登記名義人となる者の設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができないときは、登記名義人となる者の代表者等の本国等の公証人の作成に係る住所を証明する書面又は日本の公証人の作成に係る住所を証明する書面等

(当該代表者等がその住所が真実であることを宣誓した書面等について、公証人法第58条ノ2第1項又は第62条ノ6第2項(令和5年法律第53号による改正後の公証人法第53条第1項又は第59条第3項)の規定に基づく認証がされたものをいう。)並びに次のア及びイに掲げる書面を住所証明情報とすることができるものとする。

ア登記名義人となる者の設立準拠法国政府の作成に係る書面等の写し等であって、前記1(2)アからウまでの要件を満たすもの

イ当該代表者等の作成に係る設立準拠法国の公証人の作成に係る住所を証明する書面を取得することができない旨の上申書

3 登記所に提供する前記1又は2の情報のうち、外国語で作成されたものについては、その訳文を添付しなければならない。

関連通達

昭和48年8月11日付民三第6365号法務局長、地方法務局長あて民事局長通達、昭和48年4月12日付登第297号東京法務局長照会、同年8月11日付民三第6354号民事局長回答「台湾在住の日本人の住所を証する書面等について」

昭和59年5月15日付け二不登一第465号東京法務局民事行政部長照会、昭和59年8月6日付法務省民三、991号民事局第三課長回答、同日付け法務省民三第三、992号法務局民事行政部長、地方法務局長あて民事局第三課長依命通知「外国人が登記義務者として登記を申請する場合の署名証明について」

「農地法5条の許可書を添付してなされる所有権移転登記の農地の価格」

昭和42年7月26日 民事三発第794号民事局第三課長依命通知

「農地法5条の許可書を添付してなされる所有権移転登記の農地の価格」登記先例解説集7巻9号P14、『登記情報』600号、2011年11月号

農地法5条の許可書を添付してなされる所有権移転登記の農地の価格

・登記簿上も固定資産課税台帳上も農地である不動産について、農地法5条の許可書を添付して所有権移転の登記をする場合の登録免許税の課税標準たる不動産の価額は、土地の現況が農地でないと明白に認められない限り、固定資産課税台帳に登録された価額による。

→登録免許税の課税標準は、現況が明白に雑種地や宅地でない限り農地の固定資産課税台帳に登録された価額。4月で価額の変更がある場合があるので、時期にも注意。

『月刊登記情報』2023年12月号(745号

『月刊登記情報』2023年12月号(745号)

一般社団法人金融財政事情研究会

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T/

東京財団政策研究所研究員 吉原祥子「所有者不明土地問題と新たな土地制度の普及」

所有者探索のコスト、放置された土地の再活用のコスト、国庫帰属のコストを下げるための予防にコストをかける方向。

法務省民事局民事第一課長 櫻庭 倫「デジタル社会の進展と戸籍法改正」

 戸籍法について、令和元年改正、令和5年改正が行われたこと。併せて、デジタル関連の法律も令和3年、令和5年に改正が行われていること。

→令和元年改正における、特定の人の出生から死亡に係る戸籍証明書等を最寄りの市区町村で一括取得できることは、相続手続きを行う方にとって利便性が高いと思います。沖縄県であれば、戸籍証明書等の等に、不在籍証明書まで含めて欲しいところです。

 その他については、地方自治体間の間のデータの連携が出来る、ということであり、私たち士業にとっては、活用できる場面は限られると感じます。

法務省民事局民事第一課「令和6年3月1日から戸籍制度が利用しやすくなります!」

 新婚旅行先で婚姻届を提出する際、児童扶養手当認定申請の際、パスポートの発給申請の際、戸籍証明書を添付省略することが出来るというのは、良いなと思います。

 施行日には間に合わない可能性が高いですが、将来、相続人申告登記の手続きが、おそらく戸籍等を添付することなく、オンラインで完結することができるように検討されているということで、こちらも便利になると感じます。

法務省民事局民事第一課長  櫻庭 倫、法務省民事局参事官 国分貴之、横浜地方検察庁検事(前法務省民事局戸籍企画官兼局付) 長橋佑里香「市町村の機関による戸籍証明書の公用請求に係る広域交付等の実施―「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律における戸籍法改正」の概要―」

 同一市町村内で、税務課、戸籍課、建築土木課(公共事業などを行うため、空家対策・予防、管理不全土地建物への対策に、戸籍が必要となることがある。)などで戸籍情報を共有できるという法律です(改正戸籍法120条の2)。

法務省民事局民事第一課長 櫻庭 倫、法務省民事局参事官 国分貴之、横浜地方検察庁検事(前法務省民事局戸籍企画官兼局付) 長橋佑里香「氏名の振り仮名の法制化―「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律における戸籍法改正」の概要―」

令和5年法律第48条戸籍法改正における、戸籍法13条3項、附則について。振り仮名について、要綱ではカタカナ。附則9条において、住所事項記録証明情報から転記することはしないのかな、と思いました。

法務省法務総合研究所国際協力部教官 荒川 豊「韓国不動産登記法改正案の概要~未来登記事業の実現に向けて~」

 不動産登記に関する管轄に関して、どの管轄からも処理できる特例を設ける法改正案。非常事態の際に、臨時の登記所等で事務処理をすることが出来る法改正案など。

2025年1月31日施行予定。

弁護士 井奥圭介、土地家屋調査士 山脇優子「境界紛争の解決手続における土地家屋調査士の役割第2回 民間 ADR(裁判外紛争解決手続)」

簡易調停による場合、成立手数料無料。令和6月4月28日から、執行力が付与される手続きの整備(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律27条の2。)。

 当事者双方に、解決したい、という気持ちがない場合は難しいと感じました。反対に、解決したい、という気持ちがある場合は、結果が一方当事者に不利な内容であっても、調停が成立する場合が多いと感じます。地図混乱地域でも調停が成立するところは、調停制度の柔軟性として良いところだと思いました。

弁護士(認定心理士) 渡部友一郎「法律業務が楽になる心理学の基礎第3回 対人認知の歪み」

だって・・・何しとんねん・・・すまんなぁ・・・しゃあないな・・・

司法書士 末光祐一「犯罪収益移転防止法の大改正と司法書士の実務⑶」

犯罪による収益の移転防止に関する法律4条1項の改正。取引の目的について、頻繁に信託が例示されています。

 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則10条1項ロについて、事業報告書が例示されています。 

法務省民事局商事課長 土手敏行「商業登記規則逐条解説 第12回」

商業登記規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339M50000010023

(申請書の調査)

第三十八条 登記官が申請書を受け取つたときは、遅滞なく、申請に関するすべての事項を調査しなければならない。

38条の調査には、実体法も含まれる(片岡貞敏、法務省民事局第四課編「商業登記規則逐条解説(20」商事法務1367号P34)。

 行政手続法2章申請に対する処分、3章不利益処分の適用除外。

・昭和39年11月13日民事甲第3640号民事局長回答「審査請求に対する裁決について」登記研究206号P61。

・平成24年3月30日法務省民商第886号法務省民事局長通達「商業登記オンライン申請等事務取扱規程の制定について」登記研究 777号P111。

・令和2・3・23 民商第65号民事局商事課長通知「役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて」登記情報706号P67

・登記申請情報に、連絡先の電話番号を記録することに関して、根拠法令・通達はない。

・昭和29年12月25日民事甲第2637号通達「登記申請の取下に関する取扱について」登記研究 87号P33・・・委任契約書に、申請不備のための取り下げに関する件、の記載は不要。

(受領証の送付)

第三十八条の二 第九条の四第四項から第六項までの規定は、法第二十二条の規定による受領証の交付の請求に準用する。

・安田錦治郎:法務省民事局補佐官「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行等に伴う商業・法人登記事務の取扱い(下)」登記情報 515号2004年、P120。登記申請の取り下げに伴う、受領証返還の事務取扱の廃止。

(登記官による本人確認)

第三十八条の三 登記官は、法第二十三条の二第一項の規定により申請人の申請の権限の有無を調査したときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。同条第二項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。

2 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。

・申請人の意思確認の有無は、本人確認調査の対象ではない。

・松井信憲:法務省民事局付、沼田知之:総務省行政管理局主査(前法務省民事局商事課法規係長) 「平成16年改正商業登記法等の解説」登記情報523号 P46、2005年。登記官の調査の範囲。

司法書士法人鈴木事務所司法書士 鈴木龍介「中小企業とともに歩む企業法務のピントとヒント第56話 中小企業だって組織再編~③株式交換・株式移転」

 税制適格か非適格か。完全親会社の、発行済株式の総数の変更の登記の申請があることが多い。

『登記研究』2023年11月号、テイハン

『登記研究』2023年11月号、テイハン

https://www.teihan.co.jp/book/b10044620.html

法務省民事局付 森 下 宏 輝、法務省大臣官房厚生管理官補佐官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 齋 藤 貴 宏■「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(登記簿の附属書類の閲覧関係)」

1 はじめに

2 改正不登法による登記簿の附属書類の閲覧要件の見直し

改正不動産登記法121条について。

3 解説

 3項の、利害関係から正当な事由に改正されたことの意味。→閲覧請求の対象となる情報の内容や重要度ごとに、登記官が判断する。

 4項の、登記を申請した者、と同視できる者として、単独で登記申請をできる場合の登記義務者も挙げられている。また、登記を申請した者の承諾書(特定の付属書類の閲覧に権限を、具体的に記載する必要。)を登記官に提出して、閲覧請求を行うこともできる。

 司法書士など、代理人が請求する場合の委任契約書の記載事項には、特定の付属書類の閲覧に権限を、具体的に記載する必要がある。

 3項の正当な事由の目安

・請求する者が作成した情報。

・複数の作成名義人の場合・・・他の作成名義人の署名や押印等に係る部分については、別途判断する。

 正当な理由が認められる場合

・戸籍や住民票の除票が保存期間の経過などにより廃棄されている場合。

・官庁、公署などが公共事業などで、所有者の探索や相続人の調査を行う場合。

・委任状の偽造が疑われ、争いとなっている場合。

・土地の筆界に影響を及ぼす、調査報告書、土地調査書の閲覧を、隣地所有者、道を挟んだ対側地の所有者が請求する場合。

 正当な事由が認められない場合

・被害者等の現住所の閲覧制限措置がされている場合に、被害者以外が請求する場合。

・不動産の取得希望者が請求する場合。

・債権者が債務者である登記名義人の財産調査を目的として請求する場合。

法務省民事局民事第二課補佐官 三 枝 稔 宗、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 手 塚 久美子、法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清 水 玖 美■「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説(3)

第2 本要領の概要

 5 第5節 承認申請の受付

  •  第1 窓口申請

窓口申請の規定が設けられた意味・・・管轄法務局の帰属制度の担当者が窓口で受け付けることを明らかにした。

受付処理・・・一通の承認申請書で複数の土地の承認申請をする場合の受付番号は、一筆の土地ごとにされる。

受付証の交付・・・申請時のほか、土地の承認などの処分がされるまでの間は、承認申請者からの申出があれば、郵送申し出も含めて作成可能。

  •  第2 郵送申請

 ・確認は電話。連絡が取れない場合は返送。

  •  第3 承認申請主体

・土地家屋調査士は、相談を受けることは可能だが、承認申請書の作成代理は出来ない。→理由は不明。

  •  第4 審査主体

 ・実務上、法務局長など。

 第6節 添付書類の原本の還付

・承認申請者が早期の還付を希望する事情があれば、書面調査が終わった段階で還付することも可能。

 7 第7節 承認申請者に承継があった場合の取扱い

・特定承継(売買・贈与)も該当する。特定承継の場合は、登記されていることが必要。

 8 第8節 関係機関への情報提供

・関係機関・・・都道府県、市町村。承認申請後、直ちに取り下げられた場合を除いて、実施される予定。農地中間管理機構、ランドバンクなどは承認申請者の承諾がある場合。承認申請者が希望しない場合は、関係機関に情報は流れない。

法務省法務総合研究所国際協力部教官 荒 川  豊「■韓国不動産登記法の改正案について─未来登記事業の実現に向けて─」

1 はじめに

韓国不動産登記法の一部を改正する法律案について

2 改正内容の概要

 ・未来登記システム、の構築。

管轄についての特例、住所変更登記の省略など。

3 関連事件の登記事務処理に関する特例(改正案第7条の2)

管轄複数の場合・・・一定の条件下で、一つの登記所に申請すれば足りる。

共同担保・・・処理を行った登記所で作成、登記所名を登記。

4 相続・遺贈事件の登記事務処理に関する特例(改正案第7条の3)

5 電子申請方法の改善(改正案第24条第1項)

6 非常事態発生時における登記事務処理に関する特例(改正案第10条)

7 登記申請却下事由の例外の新設(改正案第29条第7号)

8 電子異議申立制度の導入(改正案第100条、第101条、第103条)

9 施行時期(改正案附則第1条、第3条)

・2025年1月31日施行予定。

10 伝貰権

・賃貸借、質権と似ているような権利。

11 おわりに

一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問神 﨑 満治郎「■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第115回)236 一般社団法人の設立の場合の定款の記載事項及び定款作成上の留意点について」

 一般社団法人設立登記のための定款記載事項について。 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律11条、12条、13条。

 相対的記載事項・・・17条、27条、28条、29条、39条、48条、49条、60条、66条、67条、76条、77条、91条、94条、95条、96条、114条、115条、131条、208条

 任意的記載事項・・・36条、54条、60条、89条、105条、209条、239条。

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美■「Q&A不動産表示登記(85)Q254  相接する既登記の2棟の建物の間を増築してその隔壁を除去し1棟の建物とした場合はどのような登記を申請するのか。」

 ⑻ 登記申請の申請書式

 合体前の建物が未登記、表題登記のみの場合、所有権登記の登記がある建物(担保権の登記がある。)、同一の所有権の登記名義人(担保権の登記がある。)のケース別の登記申請方法について。

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)■「商業登記の変遷(55)」

 登記簿の閲覧、登記簿謄本の交付に関する改正の経緯について。

 閲覧規定について・・・なし→あり。

 閲覧の料金について・・・有料→無料→有料。

 登記事項要約書の制度制定。

 登記簿謄本の交付請求方法について・・・窓口のみ→郵送請求が認められる。規定・・・商法→非訟事件手続法→商業登記取扱手続→商業登記法・商業登記規則。

 登記事項証明書の制度制定。

渋 谷 陽一郎■「民事信託の登記の諸問題(26)」

 信託法27条4項の受益者取消権の行使期間について。民事信託の受益者にとっては、短いという指摘。そのため、不動産については、受託者の権限を信託目録において、具体的に、積極的に公示することが必要との考え。その目的は、信託法27条2項2号の第三者の善意無重過失の、受益者の立証責任を軽減させるため。

 不動産登記法97条1項9号の信託財産の管理方法、を受託者の処分権限、と読み替えて考えるべき、という指摘。

 信託の目的の捉え方について。受託者の権限の枠組みを決定する基準となり、信託財産の独立性が認められることが要件、という指摘。

登記研究編集室■「改正民法と不動産登記実務(11)」

 債務引き受けに関する民法の規定と不動産登記実務について。

併存的債務引受について。

 民法470条、471条、539条。登記原因・・・併存的債務引受、重畳的債務引受。登記原因の日付・・・合意の日、または、担保権者の承諾の意思表示が引受人に到達した日。根抵当権の場合・・・債務者の変更、必要があれば債権の範囲の変更。

免責的債務引受について。

 民法472条、472条の2、472条の3,472条の4。

 併存的債務引き受けと異なる点・・・引受人が債権者に対して行使することが出来る権利の行使が可能。担保権を、順位を維持したまま、引受人が負担する債務に移転することが可能。

登記研究編集室■「会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(2)」

 法人設立における発起人の適格性について。

 設立時取締役と発起人の権限の分担について。

 設立時定款の有効性について・・・任意的記載事項の瑕疵、定款認証の時期、変更定款の認証の可否の基準(特例有限会社については、常に必要。現在有限会社を設立することは出来ませんが。)。

 

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