投資事業有限責任組合契約の登記「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)」(令和5年6月12日付け法務省民商第113号法務省民事局長通達)
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00098.html#02
○ 投資事業有限責任組合契約の登記
改正省令施行後において、有限責任事業組合を無限責任組合員とする投資事業有限責任組合契約の効力発生の登記の申請は、投資事業有限責任組合契約書に当該有限責任事業組合を当該無限責任組合員として記載している場合に限り、受理して差し支えない。また、無限責任組合員が清算人となる場合において、有限責任事業組合を清算人とする投資事業有限責任組合の清算人の登記の申請も、受理して差し支えない。
なお、有限責任事業組合の組合員が無限責任組合員として登記されている投資事業有限責任組合が、当該有限責任事業組合を無限責任組合員として記載している投資事業有限責任組合契約書を添付して、当該有限責任事業組合を無限責任組合員とする登記の更正の申請があったときは、登記に錯誤があるときに当たるとして、受理して差し支えない。この場合において、当該投資事業有限責任組合契約書が申請した登記所に保存されているときは、更正の申請書には、その旨を記載することにより、当該書面を添付することを要しない(投登規第8条が準用する商登規第98条)。
・有限責任事業組合を無限責任組合員とする投資事業有限責任組合契約の効力発生の登記の申請は、投資事業有限責任組合契約書に当該有限責任事業組合を当該無限責任組合員として記載している場合に限り、受理して差し支えない。
例
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#6-27
「組合の名称」投資事業有限責任組合○○
「組合の主たる事務所」○県○市○町○丁目○番○号
「組合契約の効力が発生する年月日」令和○○年○○月○○日
「組合の事業」
1 株式会社の設立に際して発行する株式の取得及び保有並びに企業組合の設立に際しての持分の取得及び当該取得に係る持分の保有
2 株式会社の発行する株式若しくは新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は企業組合の持分の取得及び保有
3指定有価証券の取得及び保有
「無限責任組合員・清算人に関する事項」
「資格」無限責任組合員
「住所」○県○市○町○丁目○番○号
「氏名」有限責任事業組合○○
「組合の存続期間」令和○○年○○月○○日まで
「解散の事由」
(1)無限責任組合員が、総有限責任組合員の出資口数の合計の3分の2以上に相当する出資口数を有する有限責任組合員の同意を得た上、本組合が本組合の事業の目的を達成し又は達成することが不能に至ったと決定したこと
(2)有限責任組合員の全員一致により本組合の解散が決定されたこと
「登記記録に関する事項」組合契約の効力発生
投資事業有限責任組合○○組合契約書
第1条本組合の名称は、投資事業有限責任組合○○と称する。
第2条本組合の主たる事務所は、○県○市○町○丁目○番○号とする。
第3条本組合員は、本組合の事業として、共同で次に掲げる事業を行うことを約する。
1 株式会社の設立に際して発行する株式の取得及び保有並びに企業組合の設立に際しての持分の取得及び当該取得に係る持分の保有
2 株式会社の発行する株式若しくは新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は企業組合の持分の取得及び保有
3指定有価証券の取得及び保有
第4条出資一口の金額は、金○円とする。
第5条組合員の資格、氏名及び出資口数
1 無限責任組合員 有限責任事業組合○○
○県○市○町○丁目○番○号 ○口出資
2 無限責任組合員 ○○○○
○県○市○町○丁目○番○号 ○口出資
3 有限責任組合員○○○○
○県○市○町○丁目○番○号 ○口出資
第6条組合契約の効力の発生は、令和○年○月○日とする。
第7条本組合の存続期間は、令和○年○月○日までとする。
第8条解散の事由は本法に定めるものの他、総組合員の同意によって解散する。
第9条本組合の事業年度は毎年4月1日に始まり、翌年3月末日までとする。
第10条本契約に定めのない事項は、本法の定めるところによる。
以上、本契約書の真正を担保するために組合員全員が署名押印する。
令和○年○月○日
無限責任組合員○県○市○町○丁目○番○号 有限責任事業組合○○ ㊞
無限責任組合員○県○市○町○丁目○番○号○○○○ ㊞
有限責任組合員○県○市○町○丁目○番○号○○○○ ㊞
・有限責任事業組合の組合員が無限責任組合員として登記されている投資事業有限責任組合が、当該有限責任事業組合を無限責任組合員として記載している投資事業有限責任組合契約書を添付して、当該有限責任事業組合を無限責任組合員とする登記の更正の申請があったときは、登記に錯誤があるときに当たるとして、受理して差し支えない。この場合において、当該投資事業有限責任組合契約書が申請した登記所に保存されているときは、更正の申請書には、その旨を記載することにより、当該書面を添付することを要しない(投登規第8条が準用する商登規第98条)。
例
投資事業有限責任組合更正登記申請書
登記の事由 錯誤による更正
登記すべき事項
無限責任組合員・清算人に関する事項について、「住所」○県○市○町○丁目○番○号、「氏名」有限責任事業組合○○と更生
その他記載すべき事項
投資事業有限責任組合契約書が申請した登記所に保存されている。
投資事業有限責任組合契約及び有限責任事業組合契約登記規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410M50000010047
(商業登記規則の準用)
第八条 商業登記規則第一条の二第一項及び第二項、第二条から第六条まで、第九条第三項、第四項、第六項、第七項、第九項、第十二項及び第十三項、第九条の二、第九条の三、第九条の四(第一項後段及び第二項を除く。)、第九条の五(第四項を除く。)、第九条の六から第十一条まで、第十三条から第十八条まで、第十九条(第四号及び第五号を除く。)、第二十条、第二十一条(第三項第二号を除く。)、第二十二条第一項前段及び第二項、第二十七条から第二十九条まで、第三十条(第一項第四号を除く。)、第三十一条から第三十六条まで、第三十六条の三から第四十五条まで、第四十八条から第五十条まで、第六十五条第一項及び第三項、第八十条から第八十一条の二まで、第八十四条、第八十七条、第九十八条から第百四条まで、第百五条の二から第百九条まで並びに第百十八条の規定は、組合契約の登記について準用する。この場合において、同規則第一条の二第一項中「登記所及び次の各号に掲げる区分」とあるのは「登記所」と、同規則第九条第六項及び第七項、第九条の五第三項、第二十二条第一項、第三十二条の二、第三十三条の五並びに第三十三条の六第二項中「被証明事項」とあるのは「投資事業有限責任組合契約及び有限責任事業組合契約登記規則(平成十年法務省令第四十七号)第三条第一項各号に掲げる事項(同条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第四号に掲げる事項を除き、同条第二項各号に定める事項を含む。)」と、同規則第九条第九項中「後見人」とあるのは「投資事業有限責任組合の無限責任組合員又は清算人」と、同規則第三十三条の三第三号中「管財人等の職務を行うべき者として指名された者」とあるのは「投資事業有限責任組合契約及び有限責任事業組合契約登記規則第三条第二項第一号及び第二号に掲げる者」と、同規則第五十条第一項中「商号」とあるのは「組合の名称」と、同規則第百一条第二項中「後見人である法人の代表者(当該代表者が法人である場合にあっては、当該代表者の職務を行うべき者)又は管財人等の職務を行うべき者として指名された者」とあるのは「投資事業有限責任組合の無限責任組合員若しくは清算人である法人の代表者(当該代表者が法人である場合にあっては、当該代表者の職務を行うべき者)又は有限責任事業組合の組合員若しくは清算人(当該組合員又は清算人が法人である場合にあっては、当該組合員又は清算人の職務を行うべき者)」と読み替えるものとする。
商業登記規則
(更正の申請書の添付書面)
第九十八条 登記に錯誤又は遺漏があることがその登記の申請書又は添付書類により明らかであるときは、更正の申請書には、錯誤又は遺漏があることを証する書面を添付することを要しない。この場合には、更正の申請書にその旨を記載しなければならない。
参考
酒井恒雄司法書士、野入美和子司法書士「 知識から実務へ「そこから先」を知るための定款対談―一般社団法人編 ― 第7回・完ファンド組成型のベース定款」登記情報 680号 2018年7月、金融財政事情研究会、P71~
平成20年12月19日 法務省民商第3279号 民事局長通達 〔五七五三〕有限責任事業組合契約の組合員が取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)である場合における当該組合員の職務を行うべき者の選任に関する書面について〔解説付〕登記研究 733号、金融財政事情研究会、P147~
経済産業省
投資事業有限責任組合(LPS)制度について
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/keizaihousei/kumiaihou.html