―前書き―
社団たる医療法人についての改正事項に絞り、財団たる医療法人についての記載を省略しています。そのため、本冊子で医療法人という時は、社団たる医療法人のことを指します。また、登記に関連する事項が中心となっていることをご了承下さい。
Q 理事長が社員へ通知する、社員総会の招集通知(手引きP13)って?
Q 評議員の「互選」(手引きP13)って?
Q 会議が終了した後の「議事録」(P13)って?
Q 社員名簿(P17)って
Q 医療法人に必ず置かなければならない機関は何でしょうか。
A 社員総会
理事
理事会
監事
以上の4つが必置機関となりました。(医療法46条の2第1項。)なお、これらの機関は登記事項ではありません。
Q 医療法人の理事長の選出は、どの機関が決めるのですか?
A 理事会が選出します(医療法46条の7第2項3号。)。
なお、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから理事長を選出することができ、都道府県知事の認可を受けて1人の理事を置く医療法人にあっては、その理事が理事長となります(医療法46条の3第2項。)。
A 理事会の決議が、理事の互選の要件(理事総数の過半数の同意)を満たす場合には、理事会の決議で差し支えありません。この場合の登記申請時には、理事長の印鑑証明書が必要となります(各種法人登記規則5条、商業登記規則61条4項。)。
Q 理事、理事長を選出し登記を行う場合、理事に就任することの承諾書は全員必要でしょうか?
A 就任承諾書が必要なのは、登記される理事長のみです(平成17年3月3日民商496号商事課長通知。)。
Q 理事長が医師又は歯科医師であることを証する書面は、再任される場合も必要でしょうか?
A 再任の場合も必要というのが法務局(登記所)の扱いです。(登記研究810号P36。)。
Q 医療法人の役員と、その任期はどうなっていますか?
A 医療法人の役員は、理事及び監事です。医療法人には、理事3人以上及び監事1人以上を置かなければなりませんが、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、1人又は2人の理事で足ります(医療法46条の2第1項。)役員の任期は、2年を超えることはできません。ただし、再任することができます(医療法46条の2第3項。)。
その他
Q 医療法人の登記事項は、どのようなものですか?
A 次のようになっています。
1 目的及び業務
2 名称
3 事務所の所在場所
4 代表権を有する者の氏名、住所及び資格
5 存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由
6 資産の総額
Q 医療法人の資産の総額の変更の登記は、毎年する必要がありますか?
A 資産の総額に変更を生じない場合は、必要ありません。資産の総額に変更がある場合は、毎事業年度末日より2カ月以内に資産の総額の変更の登記が必要となります(組合等登記令3条3項。)。
Q 厚生労働省の「社団医療法人の定款例(平成19年医政発第0330049号)」の平成28年3月改正版とは何でしょうか?
A 改正後の部分のみを抜粋すると、次のようになります。なお、下線の箇所が改正箇所であり、( )で示した部分は、該当するものを選択することになります。
改正後 | |
社団医療法人の定款例 | 備考 |
本社団は、医療法人○○会と称する。本社団は、事務所を○○県○○郡(市)○○町(村)○○番地に置く。 第2章 目的及び事業 第3条 本社団は、病院(診療所、介護老人保健施設)を経営し、科学的でかつ適正な医療(及び要介護者に対する看護、医学的管理下の介護及び必要な医療等)を普及することを目的とする。 第4条 本社団の開設する病院(診療所、介護老人保健施設)の名称及び開設場所は、次のとおりとする。 ○○病院 ○○県○○市(郡)○○町○○診療所 ○○県○○市(郡)○○町○○園 ○○県○○市(郡)○○町 2 本社団が○○市(町)から指定管理者として指定を受けて管理する病院【診療所、介護老人保健施設】の名称及び開設場所は、次のとおりとする。 (1) ○○病院 ○○県○○市(郡)○○町 (2)○○診療所 ○○県○○市(郡)○○町 (3)○○園 ○○県○○市(郡)○○町 第5条 本社団は、前条に揚げる病院(診療所、介護老人保健施設)を経営するほか、次の業務を行う。 (1) ○○看護師養成所の経営 第3章 資産及び会計 第6条 本社団の資産は次のとおりとする。 (1)設立当時の財産 (2)設立後寄付された金品 (3)事業に伴う収入 (4)その他の収入 2 本社団の設立当時の財産目録は、主たる事務所において備え置くものとする。 第7条 本社団の資産のうち、次に揚げる財産を基本財産とする。 (1)・・・ (2)・・・ (3)・・・ 2 基本財産は処分し、又は担保に供してはならない。ただし、特別の理由のある場合には、理事会及び社員総会の議決を経て、処分し、又は担保に供することができる。 第8条 本社団の資産は、社員総会又は理事会で定めた方法によって、理事長が管理する。 第9条 資産のうち現金は、医業経営の実施のため確実な銀行又は信託会社に預け入れ若しくは信託し、又は国公債若しくは確実な有価証券に換え保管する。 第10条 本社団の収支予算は、毎会計年度開始前に理事会及び社員総会の議決を経て定める。 第11条 本社団の会計年度は、毎年4月1日に始まり翌年3月31日に終る。 第12条 本社団の決算については、事業報告書、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「事業報告書等」という。)を作成し、監事の監査、理事会の承認及び社員総会の承認を受けなければならない。 2 本社団は、事業報告書等、監事の監査報告書及び本社団の定款を事務所に備えて置き、社員又は債権者から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧に供しなければならない。 3 本社団は、毎会計年度終了後3月以内に、事業報告書等及び監事の監査報告書を○○県知事に届け出なければならない。 第13条 決算の結果、剰余金を生じたとしても、配当してはならない。 第4章 社員 第14条 本社団の社員になろうとする者は、社員総会の承認を得なければならない。 2 本社団は、社員名簿を備え置き、社員の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。 第15条 社員は、次に揚げる理由によりその資格を失う。 (1)除名 (2)死亡 (3)退社 2 社員であって、社員たる義務を履行せず本社団の定款に違反し又は品位を傷つける行為のあった者は、社員総会の議決を経て除名することができる。 第16条 やむを得ない理由のあるときは、社員はその旨を理事長に届け出て、退社することができる。 第5章 社員総会 第17条 理事長は、定時社員総会を、毎年○回、○月に開催する。 2 理事長は、必要があると認めるときは、いつでも臨時社員総会を招集することができる。 3 理事長は、総社員の5分の1以上の社員から社員総会の目的である事項を示して臨時社員総会の招集を請求された場合には、その請求があった日から20日以内に、これを招集しなければならない。 4 社員総会の招集は、期日の少なくとも5日前までに、その社員総会の目的である事項、日時及び場所を記載し、理事長がこれに記名した書面で社員に通知しなければならない。 第18条 社員総会の議長は、社員の中から社員総会において選任する。 第19条 次の事項は、社員総会の議決を経なければならない。 (1)定款の変更 (2)基本財産の設定及び処分(担保提供を含む。) (3)毎事業年度の事業計画の決定又は変更 (4)収支予算及び決算の決定又は変更 (5)重要な資産の処分 (6)借入金額の最高限度の決定 (7)社員の入社及び除名 (8)本社団の解散 (9)他の医療法人との合併若しくは分割に係る契約の締結又は分割計画の決定 2 その他重要な事項についても、社員総会の議決を経ることができる。 第20条 社員総会は、法令又はこの定款に別段の定めがある場合を除き、出席した社員の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。 2 前項の場合において、議長は、社員として議決に加わることはできない。 第21条 社員は、社員総会において各1個の議決権及び選挙権を有する。 第22条 社員総会においては、あらかじめ通知のあった事項のほかは議決することができない。ただし、急を要する場合はこの限りではない。 2 社員総会に出席することのできない社員は、あらかじめ通知のあった事項についてのみ書面又は代理人をもって議決権及び選挙権を行使することができる。ただし、代理人は社員でなければならない。 3 代理人は、代理権を証する書面を議長に提出しなければならない。 第23条 社員総会の議決事項につき特別の利害関係を有する社員は、当該事項につきその議決権を行使できない。 第24条 社員総会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。 第25条 社員総会の議事についての細則は、社員総会で定める。 第6章 役員 第26条 本社団に、次の役員を置く。 (1)理事 ○名以上○名以内 (2)監事 ○名 第27条 理事及び監事は、社員総会の決議によって選任する。 2 理事長は、理事会において、理事の中から選任する。 3 本社団が開設(指定管理者として管理する場合を含む。)する病院(診療所、介護老人保健施設)の管理者は、必ず理事に加えなければならない。 第28条 理事長は本社団を代表し、本社団の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 理事長は、本社団の業務を執行し、 (例1)3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 (例2)毎事業年度に4箇月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 3 理事長に事故があるときは、理事長があらかじめ定めた順位に従い、理事がその職務を行う。 4 監事は、次の職務を行う。 (1)本社団の業務を監査すること。 (2)本社団の財産の状況を監査すること。 (3)本社団の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後3月以内に社員総会及び理事会に提出すること。 (4)第1号又は第2号による監査の結果、本社団の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくはこの定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを沖縄県知事、社員総会又は理事会に報告すること。 (5)第4号の報告をするために必要があるときは、社員総会を招集すること。 (6)理事が社員総会に提出しようとする議案、書類、その他の資料を調査し、法令若しくはこの定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告すること。 5 監事は、本社団の理事又は職員(本社団の開設する病院、診療所又は介護老人保健施設(指定管理者として管理する病院等を含む。)の管理者その他の職員を含む。)を兼ねてはならない。 第29条 役員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。 2 補欠により就任した役員の任期は、前任者の残任期間とする。 3 役員は、第26条に定める員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した後も、新たに選任された者が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 第30条 役員は、社員総会の決議によって解任することができる。ただし、監事の解任の決議は、出席した社員の議決権の3分の2以上の賛成がなければ、決議することができない。 第31条 役員の報酬等は、 (1)社員総会の決議によって別に定めるところにより支給する。 (2)理事及び監事について、それぞれの総額が、○○円以下及び○○円以下で支給する。 (3)理事長○円、理事○円、監事○円とする。 第32条 理事は、次に揚げる取引をしようとする場合には、理事会において、その取引について重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 (1)自己又は第三者のためにする本社団の事業の部類に属する取引 (2)自己又は第三者のためにする本社団との取引 (3)本社団がその理事の債務を保証することその他その理事以外の者との間における本社団とその理事との利益が相反する取引 2 前項の取引をした理事は、その取引後、遅滞なく、その取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 第33条 本社団は、役員が任務を怠ったことによる損害賠償責任を、法令に規定する額を限度として、理事会の決議により免除することができる。 2 本社団は、役員との間で、任務を怠ったことによる損害賠償責任について、当該役員が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときに、損害賠償責任の限定契約を締結することができる。ただし、その責任の限度額は、○円以上で本社団があらかじめ定めた額と法令で定める最低責任限度額とのいずれか高い額とする。 第7章 理事会 第34条 理事会は、すべての理事をもって構成する。 第35条 理事会は、この定款に別に定めるもののほか、次の職務を行う。 (1)本社団の業務執行の決定 (2)理事の職務の執行の監督 (3)理事長の選出及び解職 (4)重要な資産の処分及び譲受けの決定 (5)多額の借財の決定 (6)重要な役割を担う職員の選任及び解任の決定 (7)従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止の決定 第36条 理事会は、 (例1)各理事が招集する。 (例2)理事長(又は理事会で定める理事)が招集する。この場合、理事長(又は理事会で定める理事)が欠けたとき又は理事長(理事会で定める理事)に事故があるときは、各理事が理事会を招集する。 2 理事長(又は理事会で定める理事、又は各理事)は、必要があると認めるときは、いつでも理事会を招集することができる。 3 理事会の招集は、期日の一週間前までに、各理事及び各監事に対して理事会を招集する旨の通知を発しなければならない。 4 前項にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、召集の手続を経ることなく開催できる。 第37条 理事会の議長は、理事長とする。 第38条 理事会の決議は、法令又はこの定款に別段の定めがある場合を除き、議決事項について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、理事が理事会の決議の目的である事項について提案した場合において、その提案について特別の利害関係を有する理事を除く理事全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、理事会の決議があったものとみなす。ただし、監事がその提案について異議を述べたときはこの限りでない。 第39条 理事会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。 2 理事会に出席した理事及び監事は、前項の議事録に署名し、又は記名押印する。 第40条 理事会の議事についての細則は、理事会で定める。 第8章 定款の変更 第41条 この定款は、社員総会の議決を得、かつ、沖縄県知事の認可を得なければ変更することができない。 第9章 解散、合併及び分割 第42条 本社団は、次の事由によって解散する。 (1)目的たる業務の成功の不振 (2)社員総会の決議 (3)社員の欠乏 (4)他の医療法人との合併 (5)破産手続開始の決定 (6)設立認可の取消し 2 本社団は、総社員の4分の3以上の賛成がなければ、前項第2号の社員総会の決議をすることができない。 3 第1項第1号又は第2号の事由により解散する場合は、沖縄県知事の認可を受けなければならない。 第43条 本社団が解散したときは、合併及び破産手続き開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、社員総会の議決によって理事以外の者を選任することができる。 2 清算人は、社員の欠乏による事由によって本社団が解散した場合には、沖縄県知事にその旨を届け出なければならない。 3 清算人は、次の各号に揚げる職務を行い、又、当該職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。 第43条 本社団が解散したときは、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、社員総会の議決によって理事以外の者を選任することができる。 2 清算人は、社員の欠乏による事由によって本社団が解散した場合には、沖縄県知事にその旨を届け出なければならない。 3 清算人は、次の各号に揚げる職務を行い、又、当該職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。 (1)現務の結了 (2)債権の取立て及び債務の弁済 (3)残余財産の引渡し 第44条 本社団が解散した場合の残余財産は、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除き、次の者から選定して帰属させるものとする。 (1)国 (2)地方公共団体 (3)医療法第31条に定める公的医療機関の開設者 (4)都道府県医師会又は都市区医師会(一般社団法人又は一般財団法人に限る。) (5)財団たる医療法人又は社団たる医療法人であって持分の定めのないもの 第45条 本社団は、総社員の同意があるときは、沖縄県知事の認可を得て、他の社団たる医療法人又は財団たる医療法人と合併することができる。 第46条 本社団は、総社員の同意があるときは、沖縄県知事の認可を得て、分割することができる。 第10章 総則 第47条 本社団の公告は、 (例1)官報に掲載する方法 (例2)○○新聞に掲載する方法 (例3)電子公告(ホームページ)によって行う。 (例3の場合) 2 事故その他やむを得ない事由によって前項の電子公告をすることができない場合は、官報(又は○○新聞)に掲載する方法によって行う。 第48条 この定款の施行細則は、理事会及び社員総会の議決を経て定める。 附則 本社団設立当初の役員は、次のとおりとする。 理事長 ○○○○ 理 事 ○○○○ 同 ○○○○ 同 ○○○○ 同 ○○○○ 同 ○○○○ 同 ○○○○ 監 事 ○○○○ 同 ○○○ | ・事務所については、複数の事務所を有する場合は、すべてこれを記載し、かつ、主たる事務所を定めること。 ・病院、診療所又は介護老人保健施設のうち、開設する施設を揚げる。開設していないものは削除する。(以下、第4条、第5条、第27条第3項及び第28条第5項において同じ) ・介護老人保健施設のみを開設する医療法人については、「本社団は、介護老人保健施設を経営し、要介護者に対する看護、医学的管理下の介護及び必要な医療等を提供することを目的とする。」とする。 ・本項には、地方自治法(昭和22年法律第67号)に基づいて行う指定管理者として管理する病院【診療所、介護老人保健施設】の名称及び開設場所を揚げる。なお、指定管理者として管理する場合は、指定を受けていることを確認できる書類を添付すること。行わない場合には、揚げる必要はない。(以下、第27条第3項及び第28条第5項において同じ。) ・本条には、医療法(昭和23年法律第205号。以下「法」という。)第42条各号の規定に基づいて行う附帯業務を揚げる。 行わない場合には、揚げる必要はない。 ・不動産、運営基金等重要な資産は、基本財産とすることが望ましい。 ・任意に1年間を定めても差支えない。(法53条) ・2以上の都道府県の区域において病院、診療所又は介護老人保険施設を開設する医療法人については、主たる事務所の所在地の都道府県知事に届け出るものとする。 ・退社について社員総会の承認の議決を要することとしても差し支えない。 ・定時社員総会は、収支予算の決定と決算の決定のため年2回以上開催することが望ましい。 ・招集の通知は、定款で定めた方法により行う。書面のほか電子的方法によることも可。 ・原則として、理事は3名以上置かなければならない。知事の認可を受けた場合には、1名又は2名でも差し支えない。(法第46条の5第1項参照)。 なお、理事を1名以上又は2名置くとした場合でも、社員は3名以上置くことが望ましい。 ・病院、診療所又は介護老人保健施設を2以上開設する場合において、都道府県知事の認可を受けた場合は、管理者(指定管理者として管理する病院等の管理者を除く。)の一部を理事に加えないことができる。 (法第46条の5第6項参照) ・この報告は、現実に開催された理事会において行わなければならず、報告を省略することはできない。 ・3分の2以上を上回る割合を定めることもできる。 ・役員の報酬等について、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める必要がある。 ・定款又は社員総会の決議において理事の報酬等の「総額」を定める場合、各理事の報酬等の額はその額の範囲内で理事会の決議によって定めることも差し支えない。ただし、監事が2人以上あるときに感じの報酬等の「総額」を定める場合は、各監事の報酬等は、その額の範囲内で監事の決議によって定める。 また、「総額」を定める場合は、各監事の報酬等は、その額の範囲内で監事の協議によって定める。また、「総額」を上回らなければ、再度、社員総会で決議することは必ずしも必要ではない。 ・本条を規定するか否かは任意。 ・署名し、又は記名押印する者を、理事会に出席した理事長及び監事とすることも可。 ・法第44条第4項参照。 |
Q 改正医療法施行時(平成28年9月1日)に存在する医療法人は、すべて定款の変更を要するのでしょうか?
- 施行日に存在する医療法人の定款例又は寄付行為例について、理事会に関する規定が置かれていない場合・・・改正法附則6条の規定に基づき、施行日から起算して2年以内に定款又は寄付行為の変更に係る認可申請をしなければなりません。
- ただし、理事会に関して、変更前の定款例又は寄付行為例に倣った規定が置かれている場合は、認可申請は必須ではありません。
- 社会医療法人及び大規模医療法人については、改正後の定款例又は寄付行為例に倣った定款又は寄付行為の変更に係る認可申請を速やかに行うことが望ましいとされています。
- それ以外の医療法人については、当分の間、必ずしも定款例又は寄付行為例と同様の規定を設けなくても構わないとされています。
(厚生労働省医政局長通知 平成28年3月25日医政発0325第3号)
Q 医療法改正後における理事長の選任の方法と理事長の任期についてはどうなりますか?
A ・選任の方法
- 理事長は理事会において選出されます。
- 医療法46条の5第1項但し書の認可を受けて1人の理事を置く医療法人に合っては、当該理事が理事長になります。
(医療法46条の5第1項、46条の6第2項、46条の5第1項)
・任期
2年。
医療法に規定はありませんが、理事長はその前提資格として理事でなければならず、理事の任期は2年を超えることができないとされているので、理事長の任期も2年を超えることができず、理事の資格を失えば資格喪失により理事長を退任します。
(医療法46条の6第1項)
Q 理事会議事録に変更はありますか?
Q 「決議を省略することができる」とはどういう意味ですか?その場合、理事会議事録は作成しないといけないのですか?
Q 理事1人の場合の議事録は、どの様になりますか?
参考文献等
・東京都福祉保健局医療政策部医療安全課「医療法人運営の手引き」2016
・神崎満治郎「各種法人の登記Q&A」東京司法書士共同組合
・法令用語研究会「法律用語辞典」2012(株)有斐閣
・高橋和之他「法律学小事典」2016(株)有斐閣
登記情報2022年11月号(732号)、きんざい、足立健太郎司法書士「大阪司法書士会中小企業支援業務推進委員会報告第5回医療法人の出資持分」