法務総合研究所国際協力部資料より
目次
第一章 総則第 1 条 調整範囲
第 2 条 適用対象
第 3 条 用語の解釈
第 4 条 住居を有する権利及び住宅を所有する権利
第 5 条 住宅所有権の保護
第 6 条 厳禁される各行為
第二章 住宅の所有
第 7 条 ベトナムにおいて住宅を所有することができる対象者
第 8 条 住宅所有権の公認条件
第 9 条 住宅所有権の公認
第 10 条 住宅所有者及び住宅使用者の権利
第 11 条 住宅所有者及び住宅使用者の義務
第 12 条 住宅所有権の移転時点
第三章 住宅の開発
第一節 住宅の開発に関する総則
第 13 条 住宅開発の政策
第 14 条 住宅の開発に関する要件 .
第 15 条 地方の住宅開発プログラム,計画 .
第 16 条 住宅開発用地の確定
第 17 条 住宅開発の形式及び住宅建築投資プロジェクト
第 18 条 住宅開発の各事例及びプロジェクトによる住宅建築の各事例
第 19 条 住宅建築投資プロジェクトに関する要件
第 20 条 住宅建築の原則
第二節 プロジェクトによる商業住宅の開発
第 21 条 商業住宅建築プロジェクトの投資家となる条件
第 22 条 商業住宅建築投資プロジェクト及びプロジェクトの投資家の選定
第 23 条 商業住宅建築投資プロジェクトを実施するための土地使用の形式
第 24 条 商業住宅の種別及び面積基準
第 25 条 商業住宅建築プロジェクトの投資家の権利
26 条 商業住宅建築プロジェクトの投資家の責任
第三節 公務住宅の開発第 27 条 公務住宅及び公務住宅開発計画
第 28 条 公務住宅建築投資プロジェクト及びプロジェクトの投資家の選定
第 29 条 公務住宅建築用地
第 30 条 公務住宅とするための商業住宅の購入,賃借
第 31 条 公務住宅の種別及び面積基準
第 32 条 公務住宅の賃借対象者及び条件
第 33 条 公務住宅の賃料確定の原則
第 34 条 公務住宅の賃借人の権利及び義務
第四節 再定住用住宅の開発
第 35 条 再定住用住宅開発の原則
第 36 条 再定住用住宅の手配の形式
第 37 条 再定住用住宅の建築用地
第 38 条 再定住用住宅建築投資プロジェクト及びプロジェクトの投資家の
選定
第 39 条 再定住用住宅の種別及び面積基準
第 40 条 再定住用住宅の品質管理
第 41 条 再定住のための商業住宅の購入及び社会住宅の使用
第五節 世帯,個人の住宅開発
第 42 条 農村区域における世帯,個人の住宅開発に関する要件 .
第 43 条 都市区域における世帯,個人の住宅開発に関する要件
第 44 条 世帯,個人の住宅開発用地
第 45 条 世帯,個人の住宅開発の方式
第 46 条 世帯,個人の住宅の基準及び品質
第 47 条 住宅開発における世帯,個人の責任
第 48 条 世帯,個人の相互協力による住宅の建築,都市の改築,整備
第四章 社会住宅に関する政策 .
第一節 総則
第 49 条 社会住宅に関する支援政策の享受対象者 .
第 50 条 社会住宅に関する支援政策の実施形式
第 51 条 社会住宅に関する支援政策の享受条件
第 52 条 社会住宅に関する支援政策の実施原則
第二節 賃貸,購入賃貸,売却用社会住宅の開発,管理政策
第 53 条 社会住宅の開発の形式
54 条 社会住宅建築投資プロジェクトに関する要件
第 55 条 社会住宅の種別及び面積基準
第 56 条 社会住宅の建築用地
第 57 条 社会住宅建築プロジェクトの投資家
第 58 条 社会住宅建築プロジェクトの投資家への優遇措置
第 59 条 自ら労働者の住居を手配する組織への優遇措置
第 60 条 国の投資による社会住宅の賃料額,購入賃料額の確定
第 61 条 国の建築投資によらない社会住宅の賃料額,購入賃料額,売却価
格の確定
第 62 条 社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却の原則
第 63 条 社会住宅の売却,賃貸,購入賃貸
第 64 条 社会住宅の管理,使用
第三節
居住のため自ら建築又は改築,修繕する世帯,個人への社会住宅政策
第 65 条 居住のため自ら建築又は改築,修繕する世帯,個人への住宅支援
政策
第 66 条 居住のため自ら建築又は改築,修繕する世帯,個人への住宅支援
政策の実施形式
第五章 住宅開発のための財政
第 67 条 住宅開発に資する各資金源
第 68 条 住宅開発用資本の調達の原則
第 69 条 商業住宅開発のための資本
第 70 条 社会住宅政策実施のための資本
第 71 条 公務住宅開発のための資本
第 72 条 再定住用住宅開発のための資本 .
第 73 条 世帯,個人の住宅開発のための資本
第 74 条 社会住宅開発のための社会政策銀行の優遇貸付け
第六章 住宅の管理,使用
第一節 住宅の管理,使用に関する総則
第 75 条 住宅の管理,使用の内容
第 76 条 住宅に関する記録の作成
第 77 条 住宅に関する記録の保管及び管理
第 78 条 住宅の保険
第 79 条 芸術,文化,歴史的価値のある住宅の管理,使用
第二節 国有住宅の管理,使用
第 80 条 国有住宅の種類
81 条 国有住宅の管理,使用
第 82 条 国有住宅を賃借,購入賃借,購入することができる対象者,条件
第 83 条 国有住宅の賃貸,購入賃貸,売却
第 84 条 国有住宅の回収 .
第三節 住宅の保証,メンテナンス,改築
第 85 条 住宅の保証
第 86 条 住宅のメンテナンス
第 87 条 住宅の改築
第 88 条 住宅のメンテナンス,改築に関する所有者の権利及び義務
第 89 条 賃貸中の住宅のメンテナンス,改築
第 90 条 国有住宅のメンテナンス,改築
第 91 条 共同所有住宅のメンテナンス,改築
第四節 住宅の解体
第 92 条 住宅を解体しなければならない場合
第 93 条 住宅を解体する責任
第 94 条 住宅を解体する際の要件
第 95 条 住宅の強制解体
第 96 条 住宅が解体される際の所有者の居所
第 97 条 賃貸中の住宅の解体 .
第七章 共同住宅の管理,使用
第一節 共同住宅の管理,使用,メンテナンス
第 98 条 共同住宅の等級
第 99 条 共同住宅の使用期限
第 100 条 共同住宅の個別所有部分及び共同所有部分
第 101 条 駐車場及びアパートメントの使用面積,共同住宅内のその他の
面積の確定
第 102 条 共同住宅の会議
第 103 条 共同住宅の管理委員会
第 104 条 共同住宅の管理委員会の権限及び責任 .
第 105 条 共同住宅の管理運営
第 106 条 共同住宅の管理運営役務の価格
第 107 条 共同住宅のメンテナンス
第 108 条 複数の所有者がいる共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経
費 .
109 条 複数の所有者がいる共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経
費の管理,使用
第二節 共同住宅の改築,再築のための共同住宅の解体
第 110 条 共同住宅の改築,再築のために共同住宅を解体する場合
第 111 条 共同住宅の改築,再築計画の策定
第 112 条 共同住宅の改築,再築のための解体に関する要件
第 113 条 共同住宅の改築,再築の形式
第 114 条 共同住宅の改築,再築プロジェクトの投資家
第 115 条 共同住宅解体時の再定住計画案
第 116 条 再定住用住宅の手配 .
第八章 住宅に関する取引
第一節 住宅の取引に関する総則
第 117 条 住宅取引の形式
第 118 条 取引される住宅に関する条件
第 119 条 住宅取引の当事者に関する条件
第 120 条 住宅取引の実施手順,手続
第 121 条 住宅に関する契約
第 122 条 住宅に関する契約の公証,確証及び効力発生時期
第二節 住宅の売買,住宅の売買契約の移転
第 123 条 住宅の売買,商業住宅の売買契約の移転取引
第 124 条 住宅の売買価格,商業住宅の売買契約の移転価格
第 125 条 延べ払い,分割払いによる住宅の売買 .
第 126 条 共同所有住宅の売買
第 127 条 賃貸中の住宅の売買
第 128 条 住宅の先購入
第三節 住宅の賃貸借
第 129 条 住宅の賃借期間及び賃料
第 130 条 共同所有住宅の賃貸借
第 131 条 住宅の賃貸借契約が終了する場合
第 132 条 住宅の賃貸借契約の一方的終了
第 133 条 住宅の賃借継続権
第四節 社会住宅の購入賃貸
第 134 条 社会住宅の購入賃貸の手続
第 135 条 社会住宅の購入賃借人の権利及び義務
第 136 条 購入賃貸借契約が終了する場合及び購入賃貸社会住宅の回収
第五節 住宅の贈与
137 条 共同所有住宅の贈与 .
第 138 条 賃貸中の住宅の贈与
第六節 住宅の交換
第 139 条 共同所有住宅の交換
第 140 条 賃貸中の住宅の交換
第 141 条 差額の清算
第七節 住宅の相続
第 142 条 合一共同所有に属する住宅の相続
第 143 条 持分のある共同所有住宅の相続 .
第 144 条 住宅の抵当権設定者及び抵当権者 .
第 145 条 共同所有住宅の抵当
第 146 条 賃貸中の住宅の抵当
第 147 条 住宅建築投資プロジェクトの抵当及び将来形成住宅の抵当 .
第 148 条 住宅建築投資プロジェクトの抵当及び将来形成住宅の抵当に関
する条件
第 149 条 抵当住宅,抵当住宅建築投資プロジェクトの財産の処分
第九節 住宅による出資
第 150 条 住宅による出資の条件,手続
第 151 条 共同所有住宅による出資 .
第 152 条 賃貸中の住宅による出資
第十節 住宅の使用貸借,寄宿 .
第 153 条 共同所有住宅の使用貸借,寄宿
第 154 条 住宅の使用貸借,寄宿が終了する場合 .
第十一節 住宅管理の委任
第 155 条 住宅管理の委任の範囲,内容
第 156 条 共同所有住宅の管理委任
第 157 条 住宅管理委任契約が終了する場合 .
第 158 条 住宅管理委任契約の一方的終了
第九章 外国の組織,個人のベトナムにおける住宅所有権 .
第 159 条 ベトナムにおいて住宅を所有することができる外国の組織,個
人の対象者及び住宅の所有形式
第 160 条 ベトナムにおいて住宅を所有することができる外国の組織,個
人の条件
第 161 条 外国の組織,個人である住宅所有者の権利
第 162 条 外国の組織,個人である所有者の義務
第十章 住宅に関する情報システム及びデータベース
第 163 条 住宅に関する情報システム
第 164.条 住宅に関するデータベース
第 165 条 住宅に関する情報システム及びデータベースの構築権限,責任
第 166 条 住宅に関する情報及びデータベースの管理,開発
第十一章 住宅に関する国家管理
第 167 条 住宅に関する国家管理の内容
第 168 条 国家住宅開発戦略の策定 .
第 169 条 住宅開発プログラム,計画の評決,承認
第 170 条 住宅建築プロジェクトの投資方針の決定
第 171 条 住宅建築プロジェクトの投資方針承認申請記録
第 172 条 住宅分野における科学技術の研究,応用及び国際協力
第 173 条 住宅の開発,管理に関する専門的知識,技能の教育,研修
第 174 条 住宅に関する国家管理機関
第 175 条 建設省の責任
第 176 条 住宅の査察
第十二章
住宅に関する紛争,不服申立て,告訴告発の解決及び法律違反の処理
第一節 住宅に関する紛争,不服申立て,告訴の解決
第 177 条 住宅に関する紛争の解決
第 178 条 住宅に関する不服申立て,告訴告発及び不服申立て,告訴告発の解決
第二節 住宅に関する法令違反の処分
第 179 条 住宅に関する法令違反者の処分 .
第 180 条 住宅に関する法令に違反し,国,組織,世帯,個人に損害を与えた場合の処理
第十三章 施行条項 .
第 181 条 施行効力
第 182 条 経過規定
第 183 条 詳細の規定
国会 ベトナム社会主義共和国法律 番号:65/2014./QH13 独立-自由-幸福
住宅法
ベトナム社会主義共和国憲法に基づき,国会は住宅法を発行する。
第一章 総則
第 1 条 調整範囲
この法律は,ベトナムにおける住宅の所有,開発,管理,使用;住宅に関する取引;住宅に関する国家管理について規定する。不動産事業を営む企業,合作社の商業住宅の売買,賃貸,購入賃貸[1]の取引については,不動産事業に関する法令の規定に従う。
第 2 条 適用対象
この法律は,ベトナムにおける住宅の所有,開発,管理,使用,取引;住宅に関する国家管理に関連を有する組織,世帯,個人に対し適用される。
第 3 条 用語の解釈
この法律では,以下の各言葉は次のとおり理解される。
1. 「住宅」とは,世帯,個人の居住及び生活の需要に資することを目的とする建築物をいう。
2.「個別住宅」とは,組織,世帯,個人の合法的な使用権に属する個別の土地面積上に建築される住宅をいい,別荘,連結住宅及び独立住宅からなる。
- 「共同住宅」[2]とは,2 階以上からなり,複数のアパートメント[3]を有し,共同の廊下,階段を有し,各世帯,個人,組織のための個別所有部分,共同所有部分及び共用インフラストラクチャシステムを有する住宅をいい,居住の目的で建築される共同住宅,並びに居住及び事業の混合使用目的で建築される共同住宅からなる。
- 「商業住宅」[4]とは,市場原理に従って販売,賃貸,購入賃貸するために建築投資される住宅をいう。
- 「公務住宅」[5]とは,この法律の規定に基づき公務のために居住することができる対象者に対し職務,業務に従事する期間中賃貸するために用いられる住宅をいう。
- 「再定住用住宅」[6]とは,国が法令の規定に基づき土地を回収[7]し,住宅を収去[8]するときに再定住の対象者となる世帯,個人のために手配される住宅をいう。
- 「社会住宅」[9]とは,この法律の規定に基づき住宅に関する援助政策を享受することができる対象者のために国が支援する住宅をいう。
- 「住宅建築投資プロジェクト」[10]とは,一定の地点において住宅,居住の需要に資する技術的インフラストラクチャ,社会的インフラストラクチャ構造物を新築[11]し,又は住宅を改築,修繕[12]するための資本の使用に関連する各提案の総合をいう。
- 「住宅の開発」[13]とは,住宅の新築,再築[14]又は面積を拡大する改築の投資をいう。
- 「住宅の改築」[15]とは,現在の住宅の品質を向上し,面積を拡大し,又は面積の構造を調整することをいう。
- 「住宅のメンテナンス」[16]とは,住宅の品質を維持[17]するために,定期的に保守,点検[18]し,故障[19]があるときに修繕することをいう。
- 「住宅の所有者」[20]とは,この法律及び関係法令の規定に従い,住宅の建築投資,購入,購入賃借,受贈,相続,出資の受入,交換の各形式及びその他の各形式を通じて合法的に所有する組織,世帯,個人をいう。
- 「共同住宅の所有者」[21]とは,共同住宅内のアパートメントの所有者,その他の面積の所有者をいう。
- 「内国組織」とは,国家機関,人民武装部隊,公共事業部局,政治組織,政治社会組織,政治社会職業組織,社会組織,社会職業組織,経済組織及び民事に関する法令の規定に基づくその他の組織(以下「組織」と総称する)をいう。
- 「共同住宅における個別所有部分」[22]とは,アパートメント内の面積部分,及びこの法律の規定に従い共同住宅の所有者の個別所有部分であると認められる共同住宅内のその他の面積部分,並びに共同住宅の所有者のアパートメント内及びその他の面積部分の各個別使用設備をいう。
- 「共同住宅における共同所有部分」[23]とは,この法律の規定に従い共同住宅の所有者の個別所有に属する面積部分を除く共同住宅の残りの面積部分,及び当該共同住宅の各共用設備をいう。
- 「住宅の購入賃借」[i][24]とは,住宅の購入賃借人が購入賃貸人に対し購入賃借住宅の価額の 20 パーセントを前払いし(購入賃借人が前払いをする条件の場合を除くが,購入賃借住宅の価額の 50 パーセントを超えてはならない);残金を一定期間内に購入賃貸人に対し毎月支払うべき住宅賃料として算定し;住宅の購入賃借期間が満了し,残金の支払を完了したときは,購入賃借人が当該住宅の所有権を取得することをいう。
[2] 「共同住宅」は“nhà chung cư”である。
[3] 「アパートメントメント」は“căn hộ”である。
[4] 「商業住宅」は“nhà ở thương mại”である。
[5] 「公務住宅」は“nhà ở công vụ”である。
[6] 「再定住用住宅」は“nhà ở để phục vụ tái định cư”である。
[7] 「回収」は“thu hồi”である。
[8] 「収去」は“giải tỏa”である。
[9] 「社会住宅」は“nhà ở xã hội”である。
[10] 「住宅建築投資プロジェクト」は“dự án đầu tư xãy dựng nhà ở”である。
[11] 「新築」は“xây dựng mới”である。
[12] 「修繕」は“sửa chữa”である。
[13] 「住宅の開発」は“phát triển nhà ở”である。
[14] 「再築」は“xây dựng lại”である。
[15] 「住宅の改築」は“cải tạo nhà ở”である。
[16] 「住宅のメンテナンス」は“bảo trì nhà ở”である。
[17] 「維持」は“duy trì”である。
[18] 「保守,点検」は“duy tu, bảo dưỡng”である。
[19] 「故障」は“hư hỏng”である。
[20] 「住宅の所有者」は“chủ sở hữu nhà ở”である。
[21] 「共同住宅の所有者」は“chủ sở hữu nhà chung cư”である。
[22] 「共同住宅における個別所有部分」は“phần sở hữu riêng trong nhà chung cư”である。
[23] 「共同住宅における共同所有部分」は“phần sở hữu chung trong nhà chunh cư”である。
[24] 「住宅の購入賃借」は“thuê mua nhà ở”である。
第 4 条 住居を有する権利及び住宅を所有する権利
世帯,個人は,住宅の建築投資,購入,賃借,購入賃借,受贈,相続,出資の受入,交換,使用借[3],寄宿[4],委任による管理及び法令の規定に基づくその他の各形式を通じて住居を有する権利を有する。この法律第 8 条 2 項に規定される各形式を通じて合法的に住宅を有する組織,世帯,個人は。この法律の規定に従い当該住宅の所有権を有する。
第 5 条 住宅所有権の保護
1. 国は,この法律の規定に従い,各所有者の住宅に関する合法的な所有権を公認し,保護する。
2 組織,世帯,個人の合法的な所有に属する住宅は,国有化されることはない。国防,治安のため;国家,公共の利益のための経済・社会の開発のために真に必要な場合,又は戦争状態,緊急状態,自然災害の予防,防止に際し,国が組織,世帯,個人の合法的な所有に属する住宅の収用[5],徴用[6],先買[7]又は収去を決定したときは,国は,法令の規定に従い,住宅所有者に対し賠償し,支援し,再定住の政策を実施する責任を負う。
第 6 条 厳禁される各行為
1. 国,組織,世帯,個人の住宅所有権を侵害する。
2 組織,世帯,個人の住宅に関する国家管理責任の履行,住宅の所有,使用及び取引に関する権利の行使及び義務の履行を妨害する。
- 承認[8]済みの住宅の建築企画[9],開発プログラム[10],計画[11]に従わずに,プロジェクトの投資方針[12]を決定し,又は建築投資プロジェクトを承認する。
- 住宅用地でない土地上に住宅を建築する。住宅の種類に応じて国が規定する住宅の設計基準,面積基準を遵守せず建築をする。住宅の売買契約,購入賃借
契約中で,法律が規定する住宅の使用面積の計算方法と異なる方法を適用する。
- 違法に住宅面積を占有,使用する。共同所有又はほかの所有者に属する空間及び面積を簒奪する。無断で共同住宅内の個別所有部分の耐力構造を変更し,設計を変更する。
- 共同所有,使用権に属する面積部分及び設備を個人的に使用する。混合共同住宅内の共同所有に属する面積部分又は役務に資する面積部分を住宅建築投資プロジェクトの投資方針決定及び承認済みのプロジェクトの内容と異なる目的で使用する。ただし,権限を有する国家機関が使用目的の変更を許可した場合を除く。
- 住宅の開発のために調達した資本又は前払いした住宅の購入代金を異なる目的で使用する。
- 住宅建築プロジェクトの投資家が,投資協力,合弁,事業協力,出資参加者又はその他の組織,個人に対し,住宅の賃貸,購入賃貸,売買契約,住宅に関する取引の手付契約の締結,プロジェクト中の土地使用権の経営を委任し,又は引き渡す。
- この法律の規定に従わずに,住宅の売買,売買契約の移転,賃貸,購入賃貸,贈与,交換,相続,抵当,出資,使用貸,寄宿,管理委任の各取引を実施する。
- 所有者の同意を得ず,賃借,購入賃借,使用借,寄宿し,管理の委任を受けた住宅を改築,増築,解体[13]する。
- アパートメントを居住以外の目的で使用する。承認済みのプロジェクトによる共同住宅内の事業面積部分を,可燃物,爆発物の事業,環境汚染,騒音を惹起する役務の事業,又は政府が規定する共同住宅内の世帯,個人の生活に悪影響を与えるその他の活動を行うために使用する。
- 経営条件に関する法律の規定を遵守せず,個別住宅を,可燃物,爆発物の事業,環境汚染,騒音を惹起し,居住区の社会秩序,安全,生活に悪影響を与える役務の事業のために使用する。
- 住宅について不正確,不誠実,規定に沿わない又は権限を有する国家機関の請求に沿わない情報を報告,提供する。権限を有する国家機関が管理する住宅に関するデータベース内の情報を破損し,改竄する。
第二章 住宅の所有
第 7 条 ベトナムにおいて住宅を所有することができる対象者
- 内国組織,世帯,個人
- 外国定住ベトナム人
- この法律第 159 条 1 項に規定される外国組織,個人
第 8 条 住宅所有権の公認条件
1. 内国組織,世帯,個人。外国定住ベトナム人については,ベトナムへの入国許可を受けなければならない。外国組織,個人については,この法律第 160 条に規定される条件を満たさなければならない。
2 以下の各形式に通じて合法的に住宅を有する。
- 内国組織,世帯,個人については,住宅の建築投資,購入,購入賃借,受贈,相続,出資の受入,交換及び法令の規定に基づくその他の各形式を通じて
- 外国定住ベトナム人については,不動産事業を営む企業,合作社(以下「不動産事業者」と総称する)の商業住宅の購入,購入賃借;世帯,個人の住宅の購入,受贈,交換,相続;法令の規定に基づき自ら住宅を建築するための底地の販売を許可された商業住宅建築投資プロジェクトにおいて土地使用権の譲渡を受ける形式を通じて
- 外国組織,個人については,この法律第 159 条 2 項に規定される各形式を通じて
第 9 条 住宅所有権の公認
- この法律第 8 条に規定される組織,世帯,個人が条件を満たし,合法的に住宅を有しているときは,権限を有する国家機関から当該住宅について土地使用権,住宅及びその他の土地に付着する財産所有権の証明書(以下「証明書」という)の発給を受けることができる。証明書の発給を受ける住宅は,既存住宅でなければならない。
- 住宅の所有者に対する証明書発給の手順,手続は,土地に関する法令の規定に従って行われる。
この法律第 123 条 1 項の規定による期限付き住宅所有の場合,買主は住宅所有期間中,証明書の発給を受ける。合意に基づく住宅所有の期限が満了するときは,住宅所有権は当初の所有者に再移転する。住宅買主に対する証明書の発給及び住宅所有期限満了時の証明書の処理は,政府の規定に従って行われる。
- 証明書を発給する権限を有する機関は,この法律及び建築に関する法令の規定に従い,証明書中に住宅の種別[14]及び等級[15]を明記しなければならない。アパートメントの場合,総建築床面積及びアパートメントの使用面積を記載しなければならない。住宅がプロジェクトにより建築される場合,権限を有する機関により承認済みの住宅建築プロジェクト名を記載しなければならない。
- 購入賃貸,販売のためプロジェクトにより建築投資される住宅については,投資家には証明書を発給せず,住宅の購入賃借人,買主に証明書を発給する。ただし,投資家が未だ購入賃貸,販売していない住宅について証明書の発給を求める場合を除く。投資家が賃貸のため住宅を建築した場合,当該住宅について証明書の発給を受ける。
- 世帯,個人の住宅が,二階建て以上で,各階に二つ以上のアパートメントを有し,この法律第 46 条 2 項に規定される条件を満たす場合,権限を有する機関から当該住宅内のアパートメントごとに証明書の発給を受ける。
第 10 条 住宅所有者及び住宅使用者の権利
1. 世帯,個人,内国組織,外国定住ベトナム人である住宅所有者は,以下の各権利を有する。
- 自己の合法的な所有に属する住宅について不可侵の権利を有する。
- 住宅を居住目的及び法律が禁止していないその他の各目的で使用する。
- この法律及び土地に関する法令の規定に従い,自己の合法的な所有権に属する住宅について証明書の発給を受ける。
- 住宅を売却し,売買契約を移転し,賃貸し,購入賃貸し,贈与し,交換し,相続させ,抵当に入れ,出資し,使用貸し,寄宿させ,管理を委任する。ベトナムにおいて住宅を所有することができない対象者に住宅を贈与し,相続させた場合,この対象者は当該住宅の価額のみ享受することができる。
đ) この法律及び関係法令の規定に従い,当該住宅区の各公共便益施設を共同利用する。
共同住宅の所有者の場合,共同住宅の共同所有部分及び当該共同住宅区の共用インフラストラクチャ施設について共同所有権,使用権を有する。ただし,事業のために建築された施設,又は法令の規定若しくは住宅売買契約,住宅購入賃借契約中の合意により国に引き渡されるべき施設を除く。
- この法律及び建築に関する法令の規定に従い,住宅をメンテナンス,改築,解体,再築する。
- 国防,治安のため;国家,公共の利益のための経済・社会の発展のために,又は戦争状態,緊急状態,自然災害の予防,防止に際し,自己の合法的な所有に属する住宅が国により収去,収用,徴用されるときは法律の規定に従い賠償を受け,住宅が国により先買されるときは市場価額による清算を受ける。
- 自己の合法的な所有権を侵害する各行為及び住宅に関する法令に違反す
るその他の各行為について不服を申し立て,告訴告発し,訴えを提起する。
2 この法律第 123.条 1 項の規定による期限付き住宅所有の場合,各当事者が別段の合意をする場合を除き,住宅所有期間中,所有者はこの条第 1 項に規定される各権利を行使する。合意による住宅所有期限が満了したときは,住宅を管理,使用している所有者はこの住宅を当初の住宅所有者に引き渡さなければならない。
- 外国組織,個人である住宅所有者は,この法律第 161 条の規定による各権利を有する。
- 住宅所有者でない住宅使用者は,住宅所有者との合意に基づき住宅の管理,使用に関する各権利を行使することができる。
第 11 条 住宅所有者及び住宅使用者の義務
1. 内国組織,世帯,個人,外国定住ベトナム人である住宅所有者は,以下の各義務を有する。
- 住宅を規定された目的通りに使用する。自己の所有する住宅に関する書類を作成し,保存する。
- 法令の規定に従い,防火,消火を行い,社会衛生,環境,秩序,安全を維持する。
- 住宅を売却し,売買契約を移転し,賃貸し,購入賃貸し,贈与し,交換し,相続させ,抵当に入れ,出資し,使用貸し,寄宿させ,管理を委任するときは,法令の各規定を完全に遵守する。夫婦の共有財産である住宅の取引については,さらに婚姻家族法の各規定に従って実施しなければならない。
- 住宅をメンテナンス,改築,解体,再築するときは,法令の規定通りに実施し,国の利益,公共の利益,その他の組織,世帯,個人の権利及び合法的な利益に悪影響を与え又は損害を与えてはならない。この法律第 123 条 1 項の規定による期限付き住宅所有の場合,住宅の改築,解体は各当事者間の合意に基づいて実施される。
đ) 防火,消火に関する法令及び保険事業に関する法令の規定に基づき火災,爆発保険への加盟が強制される住宅については,火災,爆発保険料を納付する。
- 住宅に関する違反処分,紛争,不服申立て,告訴告発の解決,国が土地を回収し,住宅を収去し,住宅を収用,徴用,先買するときの賠償,援助,再定住,住宅の解体に関する権限を有する国家機関の法的効力を生じた決定を執行する。
- 関係当事者及び権限を有する者に共同所有,共同使用に属する設備インフラストラクチャ,技術的インフラストラクチャシステム,面積部分を検査,監視,メンテナンスさせる責任を有する。
- 住宅所有権の公認を受けるとき,各取引を実施するとき,及び住宅を使用する過程で,法令の規定に従い国に対し財務義務を履行する。
2 外国組織,個人である住宅所有者は,この条第 1 項に規定される各義務のほか,この法律第 162 条 2 項に規定される義務を履行しなければならない。
3. 住宅所有者でない住宅使用者は,住宅所有者との合意及びこの法律の規定に基づき住宅の管理,使用について各義務を履行する。
第 12 条 住宅所有権の移転時点
1. 住宅を売買する場合でこの条第 3 項に規定されるもの以外,及び住宅を購入賃借する場合,住宅所有権の移転時点は,買主,購入賃借人が購入代金,購入賃料を全額支払い,住宅の引渡しを受けた時点である。ただし,各当事者が別段の合意をする場合を除く。
すみれ
「代金を支払って家の鍵をもらった時か。」
2.住宅を出資し,贈与し,交換する場合,住宅所有権の移転時点は,出資受入者,受贈者,被交換人が出資者,贈与者,交換人から住宅の引渡しを受けた時点である。
- 住宅建築プロジェクトの投資家と買主の間で住宅を売買する場合,住宅所有権の移転時点は,買主が住宅の引渡しを受けた時点,又は買主が投資家に購入代金を全額支払った時点である。不動産事業者の購入商業住宅については,所有権の移転時点は,不動産事業に関する法令の規定に従う。
- 住宅を相続する場合,住宅所有権の移転時点は,相続に関する法令の規定に従う。
- この条第 1 項,第 2 項及び第 3 項に規定される住宅に関する各取引は,この法律の規定に従い住宅取引に関する各条件を遵守し,契約が効力を生じていなければならない。
第三章 住宅の開発
第一節 住宅の開発に関する総則
第 13 条 住宅開発の政策
- 国は,土地使用企画,計画,都市企画,特殊機能区企画,農村建設企画の承認を通じて住宅用地を整備する責任を有する。
- 国は,大破[16]し,倒壊するおそれがあり,使用者の安全を保証することができない共同住宅の改築,再築のための企画,土地,金融[17],与信[18],新たな科学技術,建築資材の応用研究に関する仕組み,政策を策定し,組織,世帯,個人が市場メカニズムによる賃貸,購入賃貸,販売用住宅の開発に参加するのを奨励する。
- 国は,社会住宅に関する支援政策を実施するため,免税,減税,土地使用料,土地賃貸料の減額,優遇金利による長期的与信の仕組み,政策及びその他の金融に関する優遇の仕組みを策定し,国の資本から援助する。
- 国は,各区域[19],各地域[20],各地帯[21]に適合した住宅の種別ごとに,モデル設計,典型的な設計を研究し,策定するための政策をとる。省エネルギー住宅の開発を奨励する政策をとる。
- 省,中央直轄都市(以下「省級」と総称する)人民委員会,商業住宅建築プロジェクトの投資家は,住宅に関する法令の規定に従い社会住宅を建築するための住宅用地を確保しなければならない。
第 14 条 住宅の開発に関する要件
- 様々な対象者の住宅に関する需要及び各時期の国土,各地方[22],各地域,地帯の経済・社会の状況に適合している。
- 各時期の国家住宅開発戦略[23],建築企画,土地使用企画に適合し,地方の住宅開発プログラム,計画に含まれている。
- 住宅に関する法令の規定,建築基準,規格,品質を遵守している。火災,爆発の予防,防止に関する各要件を満たしている。建築の過程で建築様式,景観,衛生,環境,安全を確保しており,自然災害,気候変動に対応することができる。エネルギー,土地資源を効率的に使用する。
- 都市区域については,住宅開発は建築詳細企画に適合し,主としてプロジェクトにより実施される。住宅建築投資プロジェクトはこの条第 1 項,第 2 項及び第 3 項に規定される要件を満たし,住民の分布,都市整備を担保しなければならない。特級,第一級及び第二級の都市[24]については,主として共同住宅を開発し,賃貸住宅を建築する。
- 農村区域,山岳,国境,島嶼地帯については,住宅開発は農村住居区企画,新農村建設プログラム,各民族の風俗,慣習,各地域,地帯の自然条件に適合していなければならない。移動耕作,遊牧を漸進的に廃止し,持続可能な農村
開発を保証する。プロジェクトによる住宅開発,複数階建ての住宅を奨励する。
第 15 条 地方の住宅開発プログラム,計画
- 承認済みの国家住宅開発戦略,経済・社会開発マスタープラン[25],土地使用企画,都市企画,特殊機能区企画,地方の農村建設企画に基づき,省級人民委員会は,都市及び農村における 5 年間及び 10 年間又はより長期の地方の住宅開発プログラムを策定し,この法律第 169 条の規定に従い,採択のため同級の人民評議会に提出する。
- この条第 1 項の規定に従い承認された地方の住宅開発プログラムに基づき,省級人民委員会は,商業住宅,社会住宅,公務住宅,再定住用住宅,世帯,個人の住宅の開発計画からなり,賃貸用社会住宅開発計画を明記した毎年及び 5 年間の管轄区域[26]の住宅開発計画を策定し,承認しなければならない。
第 16 条 住宅開発用地の確定
- 都市企画,農村建設企画,経済区,工業団地,輸出加工区,ハイテクパーク
(以下「工業団地」と総称する)企画;科学研究院,管轄区域の公立寄宿民族普通学校を除く各大学教育施設,職業訓練学校(以下「研究養成区」と総称する)の建設企画を策定,承認するときは,企画を承認する権限を有する国家機関は,企画中で住宅建築用地の面積を明確に確定しなければならない。
- 特級,第一級,第二級及び第三級の各都市においては,商業住宅建築プロジェクトの投資家は,政府の規定に従い,技術的インフラストラクチャシステムの建設投資済みのプロジェクトの土地の一部を,社会住宅を建築するために確保しなければならない。その他の等級の都市については,省級人民委員会は,地方の具体的な状況に基づき,投資家に対し,技術的インフラストラクチャシステムの建築投資済みのプロジェクトの土地の一部を,社会住宅を建築するために確保するよう求める。
第 17 条 住宅開発の形式及び住宅建築投資プロジェクト
- 住宅開発の形式は次のとおりである。
- プロジェクトによる住宅開発 b) 世帯,個人の住宅開発
- この法律の規定による住宅建築投資プロジェクトは次のとおりである。
- 独立住宅建物又は住宅建物群の新築又は改築投資プロジェクト b) 農村区域における技術的インフラストラクチャ及び社会的インフラストラクチャシステムを整えた住宅区建設投資プロジェクト c) プロジェクト内で住宅建築用地を確保している都市区建設投資プロジェクト又は混合土地使用プロジェクト
d) 居住及び事業の混合使用目的を有する建物の建築投資プロジェクト
第 18 条 住宅開発の各事例及びプロジェクトによる住宅建築の各事例
1. 住宅開発の各事例は次のとおりである。
- 商業住宅の開発
- 社会住宅の開発
- 公務住宅の開発
- 再定住用住宅の開発
đ) 世帯,個人の住宅の開発
2.プロジェクトによる住宅開発の各事例は次のとおりである。
- 各不動産事業者の賃貸,購入賃貸,販売用住宅の開発
- 共同住宅,老朽化した住宅区の改築,再築
- 再定住用住宅の開発 d) 国有住宅の開発
第 19 条 住宅建築投資プロジェクトに関する要件
- この法律第 17 条 2 項に規定される各住宅建築投資プロジェクトは,この法律の規定に従って実施されなければならない。
- 住宅建築投資プロジェクトは承認済みの詳細企画がある区域においてのみ策定,承認及び展開することができ,権限を有する国家機関の投資方針決定の各内容を遵守し,この法律第 14.条に規定される各要件を満たさなければならない。
- 住宅建築投資プロジェクト,プロジェクト内の各区域は,ベトナム語により命名されなければならない。商業住宅建築プロジェクトの投資家がプロジェクトを外国語により命名する需要を有する場合,先にベトナム語による正式名称を記載し,その後に外国語を記載する。プロジェクト名,プロジェクト内の各区域の名称は,権限を有する国家機関により決定され,建築投資及び管理の過程を通じて使用され,建築投資が完了した後にも使用される。
- 住宅建築プロジェクトの投資家は,承認済みのプロジェクトの各内容を完全に実施しなければならない。投資家がプロジェクト名,実施の進度,建築すべき住宅の種別,住宅の建築総床面積,総数,各種別の住宅の割合,国家資本により投資されるプロジェクトであれば総投資額の各内容の調整を要請する場合,建築を実施展開する前に,この法律第 170 条の規定に従い,権限を有する機関の決定を受けなければならない。
- 省級人民委員会は,以下の規定に従い,商業住宅,社会住宅,公務住宅,再定住用住宅建築プロジェクトからなる管轄区域における各住宅建築投資プロジェクトの目録を具体的に確定し,省級人民委員会のウェブサイト上で公開する責任を負う。
a) プロジェクトの数;管轄区域における各住宅建築投資プロジェクト中の毎年の建築投資住宅の総数及び住宅の総床面積 b) プロジェクト名,建築投資地点,プロジェクトの規模,プロジェクトの詳細企画,プロジェクトの実施進度,投資目標,住宅の数,住宅の建築総床面積,住宅事業の形式及び不動産事業に関する法令の規定に基づくその他の内容からなる管轄区域における住宅建築投資プロジェクトごとの基本内容
c) この項 a 号及び b 号に規定されるプロジェクトに関する各情報の公開は,プロジェクトの実施過程を通じて行われなければならない。
第 20 条 住宅建築の原則
- 住宅の建築は,自然条件,災害の予防,防止,科学,技術の水準,歴史的,文化的伝統に適合し,権限を有する国家機関により承認済みの建築詳細企画に適合していなければならない。
- 都市区域においては,住宅の建築は,改築が新築と調和し,個別住宅の建物が都市の建築の総体と結びついており,都市設計及び都市建築企画管理規則を遵守しなければならない。
- 農村区域においては,住宅の建築は,自然の景観と調和し,地域,地帯ごとの世帯,個人及び民族の風俗,慣習,経営生産の状況に適合していなければならない。
第二節 プロジェクトによる商業住宅の開発
第 21 条 商業住宅建築プロジェクトの投資家となる条件
- ベトナムの法令の規定に基づき設立され,活動する企業,合作社
- 不動産事業に関する法令の規定に基づく法定資本を有し,投資に関する法令の規定に基づくプロジェクトごとの実施のための供託資本を有する。
- 法令の規定に基づく不動産事業を営む機能を有する。
第 22 条 商業住宅建築投資プロジェクト及びプロジェクトの投資家の選定
- 商業住宅建築投資プロジェクトは,この法律及び建築に関する法令の規定に従い,策定,審査,承認,実施展開されなければならない。
- 商業住宅建築プロジェクトの投資家の選定は,以下の各形式により行われる。
- 土地に関する法令の規定による土地使用権の競売
- 土地を使用するプロジェクトの入札
- 投資家がこの法律第 21 条に規定される条件を完全に満たし,この法律第
23 条 1 項及び 4 項の規定に従い合法的な土地使用権を有する場合に投資家を指定する。
- 商業住宅建築プロジェクトの投資家の選定は,省級住宅管理機関の報告により省級人民委員会が決定する。政府の規定に従いプロジェクトが大規模である,又は複数の省,中央直轄都市に関連する場合,投資家の選定を行う前に,この法律第 170 条 2 項の規定により権限を有する機関に報告し,決定を受けなければならない。
第 23 条 商業住宅建築投資プロジェクトを実施するための土地使用の形式
- 合法的な使用権を有する住宅用地を使用して商業住宅を建築する。
- 国から賃貸,購入賃貸,販売用住宅を建築するための土地の交付を受ける。
- 国から賃貸用住宅を建築するための土地の賃貸を受ける。
- 土地に関する法令の規定に従い住宅用地の使用権を譲り受け,商業住宅を建築する。
第 24 条 商業住宅の種別及び面積基準
- 商業住宅の種別,種別ごとの面積基準は,プロジェクトの投資家の選択,決定によるが,建築詳細企画,住宅建築基準,規格及び権限を有する国家機関の住宅建築プロジェクトの投資方針決定の内容に適合していなければならない。
- アパートメントについては,各戸に必要設備が備わっているアパートメントとして,建築基準,規格に従ったアパートメントの床面積を有するよう設計,建築しなければならない。
- 個別住宅については,建築基準,規格に従って承認を受けた建築詳細企画,設計通りに建築しなければならない。
第 25 条 商業住宅建築プロジェクトの投資家の権利
- 関連機関,組織に対し,プロジェクトの策定,審査,承認及び実施展開の過程で法令の規定通りに各手続を実施するよう請求する。
- この法律,不動産事業に関する法令の規定に従い,締結した契約の内容に従い,住宅を賃貸,購入賃貸,販売し,資本を調達し,住宅の賃料,購入賃料,販売代金を徴収する。
- 土地に関する法令及び不動産事業に関する法令の規定に従い,プロジェクトにおける土地使用及び商品事業者の各権利を行使する。
- 不動産事業に関する法律に従い,プロジェクトの一部又は全部を譲渡することができる。
- 権限を有する国家機関のプロジェクトの投資方針決定に従い,プロジェクト範囲内の技術インフラストラクチャシステムの管理,活用することができる。
- この法律律第 9 条及び土地に関する法令の規定に従い,権限を有する国家機関に対し,プロジェクトで建設された住宅について証明書の発給を請求する。
- 法令の規定に従い,プロジェクトを実施する過程で国の各優遇政策を享受することができる。
- この法律及び関連法令の規定によるその他の各権利を行使する。
第 26 条 商業住宅建築プロジェクトの投資家の責任
- この法律及び建築に関する法令の規定通りに,プロジェクトを策定,審査,承認及び実施展開をする。
- 投資に関する法令の規定に従い,プロジェクト実施のための供託をする。不動産事業に関する法令の規定に従い,住宅取引保証金を納付する。法令の規定に従い,プロジェクトを実施するための財務能力を確保する。
- 詳細企画,権限を有する国家機関のプロジェクトの投資方針決定の内容通りにプロジェクト内の住宅及び各技術的インフラストラクチャ,社会的インフラストラクチャ構造物を建築する。承認を受けた住宅の設計,面積基準及びプロジェクトの進度を遵守する。
- 住宅に関する法令の規定に従い,社会住宅を建築するため,プロジェクト内で技術的インフラストラクチャ建築投資済みの土地を確保する。
- この法律第 19 条 5 項 b 号に規定される各情報を自己のウェブサイト上及びプロジェクト管理委員会の事務所において公開する。住宅に関する法令及び不動産事業に関する法令の規定に従い,定期的に,またプロジェクト完了時にプロジェクトの実施展開の状況,結果を報告する。
- プロジェクトの商品事業契約中の各約束を完全に履行し,顧客に対し住宅,及び取引住宅に関連する各書類を引き渡す。不動産事業に関する法令の規定通りに,住宅の売買,賃貸,購入賃貸取引及び土地使用権の経営を実施する。
- 買主に対し住宅を引き渡した日から,又は購入賃借人が合意された金員全額を支払った時点から 50 日以内に,権限を有する国家機関に対し,住宅の買主,購入賃借人への証明書の発給を要請手続を実施しなければならない。ただし,買主,購入賃借人が自ら証明書の発給手続を実施した場合を除く。賃貸住宅を建築する場合,この法律第 76 条及び第 77 条の規定に従い,住宅の記録を作成し,保管する責任を負う。
- この法律及び建築に関する法令の規定に従い,住宅の品質保証をする。法令の規定に従い,国に対する各財務義務を履行する。
- 住宅の開発,資本の調達,顧客の前払金の支払,住宅に関する各取引の実施及びこの条に規定されるその他の各活動において違反があったときは,権限を有する機関の法的効力を生じた各決定を執行する。
- 住宅の建築投資に参加した顧客又は組織,世帯,個人に損害を与えた場合,賠償する。
第三節 公務住宅の開発
第 27 条 公務住宅及び公務住宅開発計画
- 国は中央予算及び地方予算からなる予算から資本を投資し,公務住宅を建築し,又は商業住宅を購入,賃借して公務住宅とする。公務住宅は,中央の公務住宅及び地方の公務住宅からなる。
- 公務住宅の建築,公務住宅とするための商業住宅の購入,賃借投資は,この条第 3 項に規定される公務住宅開発計画に基づかなければならず,公務住宅の使用者の業務における安全,生活,交通の利便性を確保する。
- 公務住宅開発計画は,次のとおり策定,承認される。
- 中央機関は,その機関の公務住宅の需要を確定して建設省に送付し,審査し,各中央機関の公務住宅開発計画を作成して政府首相に提出し,承認を受けることができるようにする責任を負う。ただし,この項 b 号に規定される場合を除く。
- 国防省,公安省は,この法律第
32 条 1 項 d
号に規定される対象者の公務住宅の需要を確定し,公務住宅開発計画を策定し,建設省の同意意見を得た上で政府首相に提出し,承認を受ける責任を負う。
- 省級人民委員会は,この法律第 15 条の規定に従い,地方の住宅開発計画中で公務住宅開発計画を策定し,承認する。
- この項 a 号,b 号及び c 号に規定される計画を策定する機関は,住宅の種別,住宅の数,床面積;建築地点及び住宅を建築するための土地の面積,又は公務住宅とするために購入,賃借する商業住宅の面積;資金源,毎年及び 5 年間の投資の配分からなる,公務住宅の需要を明確に確定し,各関連機関の責任を確定しなければならない。
- 政府は,公務住宅とするための建築,商業住宅の購入又は賃借投資,公務住
宅の賃借対象者,条件,及び公務住宅の管理,使用について詳細を規定する。
第 28 条 公務住宅建築投資プロジェクト及びプロジェクトの投資家の選定
- 新築及び商業住宅の購入投資からなる公務住宅建築投資プロジェクトは,この法律及び建築に関する法令の規定に従い,策定,審査,承認及び実施展開される。
- 公務住宅建築投資プロジェクトは,以下の各種別を有する。
- 各中央機関の各対象者に賃貸するために,政府首相が建設省の要請により投資を決定するプロジェクト。ただし,この項 b 号に規定される場合を除く。
- この法律第 32 条 1 項 d 号に規定される各対象者に賃貸するために,国防省,公安省が建設省の同意意見及び政府首相の承認を得た上で,投資を決定するプロジェクト
- 地方における仕事に異動,転任する各対象者に賃貸するために,省級人民委員会が省級住宅管理機関の要請により投資を決定するプロジェクト 区,県,市社,省所属都市及び同格のもの(以下「県級」と総称する)における仕事に異動,転任する各対象者,この法律第 32 条 1 項 c 号,đ号,
e 号及び g 号に規定される各対象者については,省級人民委員会がプロジェクトの投資を決定し,又は県級人民委員会に対しプロジェクトの投資の決定を委任する。
- 公務住宅建築プロジェクトの投資家の選定は,次のとおりである。
- 政府首相は,建設省の要請により,この条第 2 項 a 号に規定されるプロジェクトの投資家の選定を決定する。
- 国防大臣,公安大臣は,この条第 2 項 b 号に規定されるプロジェクトの投資家の選定を決定する。
- 省級人民委員会は,省級住宅管理機関の要請により,この条第 2 項 c 号に規定されるプロジェクトの投資家の選定を決定する。
[1] 「既存住宅」は“nhà ở có sẵn”である。
[2] 「将来形成住宅」は“nhà ở hình thành trong tương lai”である。
[3] 「使用借」は“mượn”である。
[4] 「寄宿」は“ở nhờ”である。
[5] 「収用」は“trưng mua”である。
[6] 「徴用」は“trưng dụng”である。
[7] 「先買」は“mua trước”である。128 条参照。
[8] 「承認」は“phê duyệt”である。
[9] 「企画」は“quy hoạch”である。
[10] 「プログラム」は“chương trình”である。
[11] 「計画」は“kế hoạch”である。
[12] 「投資方針」は“chủ trương đầu tư”である。
[13] 「解体」は“phá dỡ”である。
[14] 「種別」は“loại”である。
[15] 「等級」は“cấp”である。
[16] 「大破」は“hư hỏng nặng”である。
[17] 「金融」は“tài chính”である。
[18] 「与信」は“tín dụng”である。
[19] 「区域」は“khu vực”である。
[20] 「地域」は“vùng”である。
[21] 「地帯」は“miền”である。
[22] 「地方」は“địa phương”であり,中央に対する対義語である。
[23] 「戦略」は“chiến lược”である。
[24] 「特級,第一級及び第二級の都市」は“đô thị loại đặc biết, loại 1 và loại 2”である。
[25] 「マスタープラン」は“quy hoạch tổng thể”である。
[26] 「管轄区域」は“địa bàn”である。
第 29 条 公務住宅建築用地
- 公務住宅建築用地の面積は,この法律第 16 条 1 項に規定される権限を有する国家機関により承認済みの建築企画中で具体的に確定される。
- 中央機関の公務住宅については,建設省が主管し,省級人民委員会と協調して管轄区域における公務住宅建築用地の面積を確定する。ただし,この条 第 3.項に規定される場合を除く。省級人民委員会は,建設省の請求に従い,公務住宅建築用地を配置する責任を負う。
- この法律第 32 条 1 項 d 号に規定される各対象者のための公務住宅については,国防省,公安省が主管し,省級人民委員会と協調して公務住宅建築用地の面積を確定する。
- 地方の公務住宅については,省級人民委員会が,この法律第 16 条 1 項に規定される企画を策定,承認するときに,公務住宅建築用地を配置する責任を負う。
- 国は,この条の規定により公務住宅の建築のために使用される土地については土地使用料を徴収しない。
第 30 条 公務住宅とするための商業住宅の購入,賃借
- プロジェクトにより建築され,この法律第 31 条に規定される住宅の種別及び面積基準に適合する商業住宅がある地方については,この法律第 28 条 2 項に規定される権限を有する機関は,公務住宅とするためにこれらの住宅を購入又は賃借することができる。
- 公務住宅とする商業住宅の購入は,プロジェクトとして策定され,この法律第28条2項に規定される権限を有する機関により承認されなければならない。
- 公務住宅とする商業住宅の購入価格は,投資決定者が,住宅購入時点の市場における住宅売買価格及び価格査定機能を有する部局の価格査定結果を参考に決定する。
- 賃貸するための公務住宅が十分にない場合,この法律第 28 条 2 項に規定される権限を有する機関は,公務住宅とするために商業住宅を賃借することを決定する。
- 中央予算は,国防省,公安省の住宅を含む中央機関の各対象者のための公務住宅とする商業住宅を購入又は賃借するための資本を供給する。地方予算は,地方機関の各対象者のための公務住宅とする商業住宅を購入又は賃借するための資本を供給する。
第 31 条 公務住宅の種別及び面積基準
- 公務住宅は個別住宅及び共同住宅からなり,公務住宅の賃借対象者の種別ごとに適切な相互に異なる面積基準を有する。
- 公務住宅の面積基準は,建設省の要請により,政府首相が規定し,時期ごとに適切になるよう調整される。
第 32 条 公務住宅の賃借対象者及び条件
- 公務住宅の賃借対象者は,次のとおりである。
- 職務に従事している期間中の公務住宅の対象である党,国の指導幹部
- この項 a 号に規定されない党,国の各機関,政治・社会組織の幹部,公務員で,中央機関における業務に異動,転任し,副大臣級及び同格以上の職務にある者,地方における業務に異動,転任し,県級人民委員会主席,局長級及び同格以上の職務にある者
- この項 b 号に規定されない党,国の各機関,政治・社会組織の幹部,公務員であり,遠隔地域,経済・社会の状況が特別困難な地域,国境,島嶼区域における業務に異動,転任した者
- 人民武装勢力に属する士官,専業軍人であり,国防,治安の要求により異動,転任した者。ただし,武装勢力の駐屯地内に居住しなければならないと法令が規定する者を除く。
đ) 農村区域,遠隔地域,経済・社会の状況が特別困難な地域,国境,島嶼区域における業務に異動,転任した教員 e) 農村区域,遠隔地域,経済・社会の状況が特別困難な地域,国境,島嶼区域における業務に異動,転任した医師,医療職員
g) 科学技術法の規定に従い,特別重要な国家級の科学技術任務の主宰を委ねられた科学者
- 公務住宅の賃借条件は次のとおりである。
- この条第 1 項 a 号に規定される対象者は,治安上の必要性により公務住宅の割当てを受ける。
- この条第 1 項 b 号,c 号,d 号,đ号,e 号及び g 号に規定される対象者は,自己の所有に属する住宅を有しておらず,業務地の地方において社会住宅を購入,賃借,購入賃借することができない,又は業務地の地方において自己の所有に属する住宅を有しているが,世帯の一人当たりの平均住宅面積が,政府が時期ごと,区域ごとに規定される最低住宅面積を下回る。
第 33 条 公務住宅の賃料確定の原則
- 公務住宅の使用過程における運営管理,メンテナンス,賃貸管理を実施するために必要な各費用を正しく完全に算定する。
- 公務住宅建設地の使用料は算定しない。公務住宅建築投資資本又は公務住宅とする商業住宅の購入費用の償却費用は算定しない。
- 公務住宅の賃料は,この法律第 81 条 2 項に規定される権限を有する機関が決定し,時期ごとに適切になるよう検討,調整される。
- 公務住宅とするために商業住宅を賃借する場合,公務住宅の賃借人は,政府の規定により商業住宅の賃料より低い住宅賃料を支払う。
第 34 条 公務住宅の賃借人の権利及び義務
- 公務住宅の賃借人は,以下の各権利を有する。
- 住宅賃借契約中の合意に従い住宅及び各付属設備の引渡しを受ける。
- 職務,業務に従事している期間中,本人及び家族の各構成員のために住宅を使用することができる。
- 住宅運営管理部局に対し,自己の故意過失によらずに生じた故障の修繕を要請する。
- 住宅の賃借期間が満了したが,依然としてこの法律の規定による公務住宅の賃借対象者であり,条件を完全に満たすときは,公務住宅賃借契約を延長することができる。
đ) 法令の規定及び公務住宅賃借契約中の合意に基づく住宅に関するその他の各権利を行使する。
- 公務住宅の賃借人は以下の各義務を負う。
- 住宅賃借期間中,住宅を自分自身及び家族の各構成員の居住,生活の需要に資する目的で住宅を使用する。
- 住宅及び付属財産を注意深く使用する。公務住宅を恣に改築,修繕,解体してはならない。共同住宅を使用する場合,共同住宅の管理,使用に関する規定も遵守しなければならない。
- 公務住宅を転貸し,使用貸し,管理を委任してはならない。
- 賃貸人と締結した住宅賃借契約に従い住宅の賃料を支払い,役務提供者の規定に従い生活に資するその他の費用を精算する。
đ) 公務住宅の賃借対象者でなくなったとき,住宅賃借の需要がなくなったとき,又は違反行為をし,この法律の規定により住宅の回収を受けるときは,公務住宅管理機関の通知を受領した日から 90 日以内に公務住宅を国に返還する。
- 住宅回収の強制を受ける場合,権限を有する機関の住宅回収強制決定を執行する。
g) 法令の規定及び住宅賃借契約中の合意に基づく住宅に関するその他の各義務
第四節 再定住用住宅の開発
第 35 条 再定住用住宅開発の原則
- 特級,第一級及び第二級の都市の内部区域において土地を回収し,住宅を解体して異なる構造物を建設する場合,国は,土地を回収し,住宅を解体する前に,再定住を手配するため,プロジェクトにより建築される商業住宅又は社会住宅の使用を通じて住宅を準備する。ただし,この法律第 36 条 4 項に規定される場合を除く。
- この条第 1 項に規定されない区域において土地を回収し,住宅を解体して異なる構造物を建設する場合で,プロジェクトにより建築された商業住宅又は社会住宅があるときは,国は,これらの住宅を使用して再定住を手配する。商業住宅又は社会住宅がなければ,国は,土地を回収し,住宅を解体する前に再定住用住宅の建築投資を行う。ただし,この法律第 36 条 4 項に規定される場合を除く。
- 商業住宅の建築投資プロジェクトを実施するために土地を回収し,住宅を解体する場合で,解体される住宅を有する者に同所における再定住の需要があるときは,プロジェクト投資家は,再定住のために当該プロジェクト内の商業住宅を優先的に,直ちに手配しなければならない。
- 工業団地のインフラストラクチャプロジェクトを実施するために土地を回収し,住宅を解体する場合で,解体される住宅を有する者に再定住の需要があるときは,プロジェクト投資家は,工業団地で就業する労働者のための住宅建築を企画された区域内で再定住を手配するために住宅を建築し,又は再定住する者のためにその他の地において住宅を手配しなければならない。
- 再定住用住宅の建築投資をする場合,プロジェクトにより行わなければならない。農村区域については,再定住用住宅建築投資プロジェクトは,再定住の対象者のための生産用地の手配も含まなければならない。
- 再定住用住宅は,承認済みの建築詳細企画,設計記録に従った技術的インフラストラクチャ及び社会的インフラストラクチャシステム完全に備え,この法律第 14 条の規定を遵守したものでなければならない。
第 36 条 再定住用住宅の手配の形式
1. プロジェクトにより建築された商業住宅を購入し,再定住の対象者に賃貸,購入賃貸,売却する。
2.プロジェクトにより建築された社会住宅を使用し,再定住の対象者に賃貸,購入賃貸,売却する。
- 国が,承認済みの企画により再定住用住宅建築用と確定された土地上に,国家予算資本,国債,債券,政府開発支援資本,各ドナーの優遇借入資本,国の開発投資信用資本により,直接住宅建築投資を行い,又は建築・移転契約の形式による建築投資を行い,再定住の対象者に賃貸,購入賃貸,売却する。
- 世帯,個人が,金員の弁済を受け,自ら再定住住宅とする地区の商業住宅の購入,賃貸,購入賃貸を選択する,又は国から自ら承認済みの企画に従い住宅を建築するための土地の交付を受ける。
第 37 条 再定住用住宅の建築用地
- 再定住用住宅の建築用地の手配は,この法律第 35 条及び土地に関する法令に規定される各原則に従わなければならない。
- 再定住用住宅の建築用地の面積は,この法律第 16 条 1 項に規定される権限を有する機関が承認する建築企画中で具体的に確定される。
第38条 再定住用住宅建築投資プロジェクト及びプロジェクトの投資家の選定
- 再定住用住宅建築投資プロジェクトは,この法律及び建築に関する法令の規定に従い策定,審査,承認及び実施展開される。
- 再定住用住宅建築プロジェクトの投資家は,省級人民委員会に属する専門プロジェクト管理委員会,省級土地開発組織及び不動産事業者からなる。プロジェクトの投資家の選定は,この条第 3 項及び第 4 項の規定に従って行われる。
- この法律第 36 条 3 項に規定される資金源を使用する,又は形式により実施される再定住用住宅建築プロジェクトについては,省級住宅管理機関が投資決定者に対し投資家の選定決定について報告する。
- この法律第 36 条 3 項の規定されない再定住用住宅建築プロジェクトについては,投資家の選定権限は次のとおりである。
- 国家の重要プロジェクトのために再定住用住宅を建築する場合,政府首相が投資家の選定を決定し,又は建設大臣に選定決定を委任する。
- この項 a 号に規定されないプロジェクトのために再定住用住宅を建築する場合,省級人民委員会が投資家の選定を決定する。
第 39 条 再定住用住宅の種別及び面積基準
- 都市区域については,再定住用住宅は以下の各基準を満たさなければならない。
- 承認済みの地方の建築詳細企画及び住宅開発プログラム,計画に適合するよう建築される共同住宅又は個別住宅である。
- 共同住宅の場合,各戸に必要設備が備わっており,建築基準,規格に従って設計,建築しなければならない。再定住用住宅を設計する際,投資家は,面積の一部をプロジェクトごとの実際の状況に適合させて事業を行うために配置することができる。
- 個別住宅の場合,承認済みの建築詳細企画,設計に従って建築し,この法律第 20 条に規定される住宅建築の原則を遵守し,土地に関する法令の規定による最低住宅地面積を確保しなければならない。
- 農村区域については,再定住用住宅は,居住面積及び住宅に付着する生活,生産に資する各構造物を含むよう設計,建築され,この法律第 20 条に規定される住宅建築の原則を遵守し,土地に関する法令の規定による最低住宅地面積を確保しなければならない。
第 40 条 再定住用住宅の品質管理
- プロジェクト内の住宅及び構造物は,設計に関する要件,建築基準,規格を満たすときに限り完了検査を受けることができる。プロジェクトの投資家は,権限を有する機関が再定住計画案を承認した後に,再定住用住宅及び補助構造物(あれば)の面積設計を変更してはならない。
- 再定住の対象者に対する住宅の手配は,建築に関する法令の規定に従い住宅の完了検査を受けた後に限り行われる。
- 以下の各組織,個人は,再定住用住宅の品質について責任を負う。
- 再定住用住宅建築プロジェクトの投資家
- 再定住用住宅を建築するために建築・移転契約を締結した権限を有する国家機関
- 再定住の手配に用いられる商業住宅,社会住宅の建築プロジェクトの投資家
- 省級住宅管理機関は,管轄区域の再定住用住宅の品質管理業務について案内し,検査する責任を負う。
第 41 条 再定住のための商業住宅の購入及び社会住宅の使用
- 再定住のための商業住宅の購入については,再定住の手配を委ねられた部局は,以下の規定に従い再定住の対象者のために手配するため,プロジェクトの投資家と商業住宅の売買契約を締結し,又は購入発注契約を締結する。
- 再定住の手配を委ねられた部局が投資家と住宅の売買契約と締結する場合,再定住の手配を受ける者は,この部局と住宅の売買,賃貸,購入賃貸契約を締結する。
- 再定住の手配を委ねられた部局が投資家と住宅の購入発注契約を締結する場合,再定住の手配を受ける者は,住宅購入発注契約中で合意された内容に基づき,投資家と直接住宅の売買契約を締結する。
- 商業住宅建築プロジェクトの投資家は,権限を有する国家機関に対し,この項a号及びb号に規定される住宅の買主,購入賃借人への証明書の発給要請手続をする責任を負う。ただし,住宅の買主,購入賃借人が自ら証明書の発給手続をする場合を除く。
- 再定住の手配のための社会住宅の使用については,再定住の対象者は,この法律の規定に従い社会住宅を賃借し,購入賃借し,購入する。
- 政府は,再定住用住宅とするための建築投資,商業住宅の購入又は社会住宅を使用,住宅の種別,住宅の面積基準,住宅の手配を受ける対象者,条件,住
宅引渡し手順,手続及び再定住用住宅の管理,使用について詳細を規定する。
第五節 世帯,個人の住宅開発
第 42 条 農村区域における世帯,個人の住宅開発に関する要件
- 農村住居区建設企画に適合し,住居区域の技術的インフラストラクチャシステムと結びついており,衛生,環境に関する要件を満たしている。
- 建築又は既存住宅の改築は,伝統的な住宅建築の維持,保存と結びついており,区域ごと,地域,地帯ごとの風俗,慣習,生産の状況に適合していなければならない。
すみれ
「いきなり違う色のペンキは濡れないってことか」
- 世帯,個人は,自己の合法的な住宅用地上にのみ住宅を建築することができる。
- プロジェクト内で住宅を建築する場合,承認済みのプロジェクトの建築詳細企画に適合していなければならない。建築許可証,設計記録が必要な区域については,承認済みの建築許可証,設計記録の内容を遵守しなければならない。
- 省級人民委員会は,各世帯,個人が芸術,文化,歴史的価値を保存する必要がある区域内の住宅を保存,メンテナンス,改築することができるよう,予算から経費の一部又は全部を支援することを検討する。
第 43 条 都市区域における世帯,個人の住宅開発に関する要件
- 合法的な土地使用権を有し,建築に関する法令の規定に従い住宅を有し,改築,再築する。
- 建築又は既存住宅の改築は,建築詳細企画,都市設計に適合していなければならない。建築許可証が必要な住宅については,建築許可証に従い建築する。
- 住宅の建築は,区域の共通技術的インフラストラクチャシステムと結びついており,衛生,環境,住宅建築に関する要件を満たし,隣接構造物に影響を与えない。
第 44 条 世帯,個人の住宅開発用地
- 世帯,個人の合法的な住宅用地,又は住宅を建築するためにほかの組織,世帯,個人から賃借,使用借した住宅用地
- 土地に関する法令の規定に従い住宅を建築するために国から交付を受けた土地
- 土地に関する法令の規定に従い土地の回収を受ける際に国から賠償を受けた土地
第 45 条 世帯,個人の住宅開発の方式
- 農村区域における世帯,個人は,以下の各方式により住宅建築を行う。
- 自ら住宅を建築し,ほかの組織や個人に建築を委託し,又はほかの組織,個人から建築について支援を受ける。
- 相互に協力して住宅を建築する。
- 都市区域における世帯,個人は,以下の各方式により住宅を建築する。
- 自ら住宅を建築し,ほかの組織,個人に建築を委託し,又はほかの組織,個人から建築について支援を受ける。
- 建築に関する法令が建築を実施する能力を有する組織,個人の使用を要求する場合,建築を実施する能力を有する組織,個人に住宅の建築を委託する。
- 協力して住宅を含む都市の改築,整備をする。
第 46 条 世帯,個人の住宅の基準及び品質
- 住宅は,土地に関する法令の規定による住宅建築用地に関する条件を完全に満たす住宅用地上に建築されなければならない。
- 都市区域における世帯,個人は,建築に関する法令の規定に従い住宅の建築,改築を行い,自ら住宅の品質について責任を負わなければならない。
二階建て以で,各階に二つ以上の各戸に必要設備が備わり,建築企画,基準によるアパートメントごとの最低建築床面積基準を満たすアパートメントを有するよう設計,建築され,この法律の規定による共同住宅の個別所有部分,共同所有部分を有する住宅の建築許可を受けた場合,国から当該住宅内のアパートメントごとに所有権の公認を受けることができる。
- 個別住宅は,建築工事の等級及び住宅の実際の状況に基づき確定される使用期限を有する。
住宅が大破し,倒壊するおそれがあり,使用者の安全を保証することができないときは,この法律第四章第四節の規定に従い解体を行う。
第 47 条 住宅開発における世帯,個人の責任
- 建築に関する法令の規定に基づく住宅の改築,建築の手順,手続を遵守しなければならない。
- 住宅の改築,建築の過程において衛生,環境の維持に関する規定を遵守しなければならない。
- 住宅の改築,建築の過程において隣接する世帯の人身及び財産の安全を保証し,損害を与えた場合,法令の規定に従い賠償しなければならない。
- 世帯,個人は,賃貸し,購入賃貸し,売却するために住宅の建築投資を行うときは,この法律第八章の規定も遵守しなければならない。
- 住宅を改築,建築する際,法令の規定に基づくその他の責任を果たす。
第 48 条 世帯,個人の相互協力による住宅の建築,都市の改築,整備
- 世帯,個人は,協力団体の各構成員が拠出する財務能力,労働者,資材,労力により,相互に協力して住宅を建築し,又は住宅を含む都市の改築,整備をする。
- 協力団体の各構成員は,資本,労働者,資材の拠出方法,実施機関,各構成員の権利及び義務について合意し,協力団体の合意の実施を誓約しなければならない。
第四章 社会住宅に関する政策
第一節 総則
第 49 条 社会住宅に関する支援政策の享受対象者
以下の各対象者は,この法律第 51 条に規定される条件を満たせば,社会住宅に関する支援政策を享受することができる。
- 革命功労者の優遇に関する法令の規定による革命功労者
- 農村区域の貧困及び準貧困世帯
- 頻繁に自然災害,気候変動の影響を受ける地域の農村区域の世帯
- 都市区域の低所得者,貧困及び準貧困世帯
- 工業団地内外の各企業で就業している労働者
- 人民警察及び人民軍隊に属する機関,部局の士官,専門下士官,技術専門下士官,専業軍人,労働者
- 幹部,公務員,準公務員に関する法令の規定による幹部,公務員,準公務員
- この法律第 81 条 5 項の規定により公務住宅を返還した各対象者
- 各学院,大学,専門学校,職業訓練学校の学生,生徒;公立の寄宿民族学校の学生は,学習期間中住宅を使用することができる。
- 法令の規定に従い土地の回収,住宅の解体を受けたが,国から住宅,住宅用地による賠償を受けていない世帯,個人
第 50 条 社会住宅に関する支援政策の実施形式
- この法律第 49 条 1 項,4 項,5 項,6 項,7 項,8 項及び 10 項に規定される対象者に対する社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却を支援する。この法律第 49 条 9 項に規定される対象者については,社会住宅の賃借に限りすることができる。
- この法律第 49 条 1 項,2 項及び 3.項に規定される対象者が居住用の住宅を新築又は改築,修繕することができるよう,住宅に関する目標プログラムに従い支援する。
- この法律第 49 条 1 項,2 項及び 3 項に規定される対象者に対し,土地に関する法令の規定に従い,土地使用料を減免した住宅用地を交付し,又は住宅を贈与して支援する。
- この法律第 49 条 1 項,4 項,5 項,6 項及び 7 項に規定される対象者が居住用の住宅を新築又は改築,修繕することができるよう,社会政策銀行,国が指定する金融機関を通じて国の優遇資本を貸し付けて支援する。
第 51 条 社会住宅に関する支援政策の享受条件
- この法律第
50 条 1 項に規定される各場合については,以下の規定による住宅,居住,収入に関する各条件を満たさなければならない。
- 自己の所有に属する住宅を有しておらず,社会住宅を購入し,賃借又は購入賃借しておらず,生活,学習地においていかなる形式の住宅,住宅用地の支援政策を享受していない。又は,自己の所有に属する住宅を有しているが,世帯の一人当たりの住宅面積が政府が時期ごと,区域ごとに規定される最低住宅面積を下回る。
- 社会住宅の所在地の省,中央直轄都市において常住登録をしていなければならない。常住登録をしていない場合,その省,都市において
1 年以上暫定居住登録をしている。ただし,この法律第 49
条 9 項に規定される場合を除く。
- この法律第49条4項,5項,6項及び7項に規定される対象者については,個人所得税に関する法令の規定により常時所得税の納付不要者でなければならない。貧困,準貧困世帯については,政府首相の規定による貧困,準貧困に当たらなければならない。この法律第 49 条 1 項,8 項,9 項及び 10 項に規定される対象者については,この号の規定による収入に関する条件を満たす必要はない。
- この法律第 50 条 2 項及び 3.項に規定される場合については,権限を有する国家機関の住宅の目標プログラムの承認決定において規定される条件を満たさなければならない。
- この法律第50条4項に規定される場合については,以下の規定による住宅,居住に関する条件を満たさなければならない。
- 住宅用地を有しているが住宅を有していない,又は住宅を有しているが破損しており,雨漏りする。
- 住宅用地,新築又は改築,修繕が必要な住宅の所在地において常住登録をしている。
第 52 条 社会住宅に関する支援政策の実施原則
- 社会住宅に関する支援政策の実施は,以下の各原則に従わなければならない。
- 政策の実施について,国,住民コミュニティ,家系及び支援を受ける対象者の間に結びつきがある。
- 公開,透明性を確保し,権限を有する国家機関及び住民コミュニティの検査,監察を受ける。
- この法律の規定による対象者や条件を遵守する。
- 同一の対象者が相互に異なる複数の支援政策を享受することができる場合,最大の支援政策一つを享受する。各対象者がともに基準及び条件を備える場合,障害者,女性である対象者が優先的に支援を受ける。
đ) 世帯に複数の支援政策を享受する対象者が複数いる場合,世帯全体に対し一つの支援政策のみを適用する。
- 省級人民委員会は,管轄区域における社会住宅に関する支援政策を実施し,実施について検査,監査する責任を負う。
第二節 賃貸,購入賃貸,売却用社会住宅の開発,管理政策
第 53 条 社会住宅の開発の形式
- 国は,規定に従い社会住宅の建築用と確定された土地上に,国家予算資本,国債,債券,政府開発支援資本,各ドナーの優遇借入資本,国の開発投資信用資本により,社会住宅の建築投資を行い,又は建築・移転契約の形式による建築投資を行い,賃貸,購入賃貸する。
- 資本を投下して賃貸,購入賃貸,売却するために社会住宅の建築投資をし,又は自己の部局の労働者に賃貸するために住宅を購入,賃借する企業,合作社は,この法律第 58 条 1 項及び第 59 条の規定による国の優遇措置を受ける。
- 資本を投下して賃貸,購入賃貸,売却するために自己の合法的な住宅用地上で社会住宅の建築投資をする世帯,個人は,この法律第 58 条 1 項の規定による国の優遇措置を受ける。
第 54 条 社会住宅建築投資プロジェクトに関する要件
- この法律第 19 条に規定される各要件を満たす。承認済みの住宅開発プログラム,計画中にない社会住宅を建築する場合,省級人民委員会は,住宅建築プロジェクトの投資方針を決定する前に,同級の人民評議会の意見を聴取しなければならない。
- 省級人民委員会は,個別の区域を設定し,賃貸用社会住宅の建築投資プロジェクトを策定しなければならない。
- この条第 2 項に規定される賃貸用社会住宅建築投資プロジェクトを策定しなければならない区域外の社会住宅建築プロジェクトについては,投資家は,プロジェクト内に賃貸用社会住宅の面積として最低 20 パーセントを確保しなければならない。投資家は,賃貸用社会住宅の 20 パーセントの面積についてこの法律第 58 条 1 項の規定による賃貸用住宅の建築に関する優遇措置を享受することができ,賃貸の 5 年後,社会住宅の売却に関する規定に従いこの住宅を賃借中の者に対し売却することができる。
- 社会住宅建築投資プロジェクトは 権限を有する国家機関により,住宅の品質,面積基準,賃料,購入賃料,売却価格及び賃借,購入賃借を受け,購入する対象者の見直しについて管理,検査されなければならない。
第 55 条 社会住宅の種別及び面積基準
- 権限を有する国家機関により承認済みの建築詳細企画に適合する共同住宅又は個別住宅である。
- 個別住宅の場合,社会住宅の建築基準,規格,面積基準に従い設計,建築されている。
- 共同住宅の場合,各戸が必要設備を備え,社会住宅の建築基準,規格,面積基準を遵守するようアパートメントが設計,建築されている。
第 56 条 社会住宅の建築用地
- 都市企画,農村建設企画,工業団地,研究養成区建設企画を承認する際,企画を承認する権限を有する人民委員会は,社会住宅建築用地の面積を明確に確定する責任を負う。
- 社会住宅を開発するために確保された土地の面積及び区域,地点に関する各情報は,省級人民委員会及び省級住宅管理機関のウェブサイト上で公開されなければならない。
- 社会住宅の開発用地は,次のとおりである。
- 賃貸,購入賃貸,販売用住宅を建築するために国から交付を受けた土地
- 賃貸用住宅を建築するために国から賃貸を受けた土地
- この法律第 16 条 2 項の規定に従い投資家が社会住宅を建築するために確保した商業住宅建築投資プロジェクトの土地
- 社会住宅を建築するために用いられる組織,世帯,個人の合法的な住宅用地
第 57 条 社会住宅建築プロジェクトの投資家
- この法律第 53 条 1 項に規定される資金源,又は形式により投資される社会住宅については,中央の投資資本のときは建設省,地方の投資資本のときは省級住宅管理機関が,投資決定権限を有する者に対し投資家の選定決定について報告する。
- この法律第
53 条 1 項に規定される資金源又は形式によらずに投資される社会住宅については,以下の規定に従い,省級住宅管理機関が省級人民委員会に対し投資家の選定決定について報告する。
- 国が社会住宅を建築するために土地を交付し,又は土地を賃貸する場合,投資家となる登録をした投資家が二人以上いるときは入札の形式により投資家を選定し,投資家となる登録をした投資家が一人のみときは,その投資家を指名する。
- この法律第 16 条 2 項の規定に従い商業住宅建築投資プロジェクト内に土地を確保して社会住宅を建築する場合,商業住宅建築プロジェクトの投資家は,直接社会住宅の建築投資をする責任を負う。ただし,国がこの土地を使用してほかの組織に社会住宅の建築投資を実施させる場合を除く。
- 企業,合作社が合法的な土地使用権を有し,住宅建築企画に適合し,投資家となる条件を満たし,社会住宅を建築する需要を有する場合,当該企業,合作社は,社会住宅建築プロジェクトの投資家となることができる。
- 工業団地内で就業する労働者用の社会住宅を建築する場合,工業団地のインフラストラクチャ事業企業,工業団地内で生産する企業,又は不動産事業機能を有する企業は,国からプロジェクトの投資家となるよう割当てを受けることができる。
- 自己の合法的な住宅用地上で社会住宅の建築投資をする需要を有する世帯,個人については,当該世帯,個人が社会住宅建築投資を行う。
- この条第 1 項,第 2 項及び第 3.項に規定される社会住宅の建築投資家は,この法律の規定に従い社会住宅を建築する責任を負う。
第 58 条 社会住宅建築プロジェクトの投資家への優遇措置
- この法律第 53 条 1 項に規定される資金源又は形式によらずに賃貸,購入賃貸,売却用の社会住宅の建築投資に参加する企業,合作社は,以下の各優遇措置を享受することができる。
- 社会住宅の建築投資のために国から交付又は賃貸を受けた土地について土地使用料,土地賃料の免除を受ける。
- 税に関する法令の規定に従い付加価値税,企業所得税の減免を受ける。賃貸用社会住宅を建築する場合,購入賃貸,売却用社会住宅を建築する場合と比べより多くの付加価値税,企業所得税の減額を受けることができる。
- 社会政策銀行,ベトナムで活動している金融機関から優遇資本を借り入れる。賃貸用社会住宅を建築する場合,購入賃貸,売却用社会住宅を建築する場合と比べより低い金利,より長い借入期間で資本を借り入れることができる。
- 社会住宅建築プロジェクトの範囲内の技術的インフラストラクチャシステムの建築投資経費の全部又は一部について省級人民委員会から支援を受ける。賃貸用社会住宅を建築する場合,この経費全部の支援を受ける。
đ) 法令の規定によるその他の各優遇措置
- 資本と投下して賃貸,購入賃貸,売却用社会住宅の建築投資をする世帯,個人については,以下の各要件を満たせば,この条第
1 項に規定される各優遇措置を享受することができる。
- 権限を有する機関により承認済みの建築企画に従い住宅を建築し,住宅の所在区域のインフラストラクチャとの結びつきを確保する。 b) 住宅が社会住宅の建築基準,規格,面積基準に適合している。
c) 住宅の売却価格,賃料, 購入賃料が住宅所在地の省級人民委員会が発行する価格表に準拠している。
第 59 条 自ら労働者の住居を手配する組織への優遇措置
- 工業生産,役務を営む企業,合作社が自己の労働者の居住用に自ら住宅を購入又は賃借し,賃料を徴収しない,又は賃料を徴収するが賃料額が省級人民委員会の発行する社会住宅の賃料額を上回らない場合,企業所得税を算定する際,住宅の購入費用又は住宅の賃料を生産原価中の合理的な費用であると算定することができる。
- 工業生産,役務を営む企業,合作社が自己の労働者の居住用に自ら住宅の建築投資をし,賃料を徴収しない,又は賃料を徴収するが賃料額が省級人民委員会の発行する社会住宅の賃料額を上回らない場合,この法律第 58 条 1 項に規定される各優遇措置のほか,企業所得税を算定する際,住宅の建築費用を生産原価に算入することができる。
第 60 条 国の投資による社会住宅の賃料額,購入賃料額の確定
国がこの法律第 53 条 1 項に規定される資金源又は形式により投資した社会住宅の賃料額,購入賃料額の確定は,次のとおり行われる。
- 住宅を賃貸する場合,賃料額は,賃貸契約を締結した日から最低 20 年の期間中に住宅のメンテナンス費用,住宅建築の投資資本回収費用を賄うことができるよう算定される。学生,生徒に賃貸する住宅については,運営管理費用及びメンテナンス費用のみを賄うことができるよう算定し,住宅建築の投資資本回収費用は算入しない。
- 住宅を購入賃貸する場合,購入賃料額は,購入賃貸契約を締結した日から最低 5 年の期間中に住宅建築の投資資本回収費用を賄うことができるよう算定される。
- 社会住宅建築用地については土地使用料,土地賃料を算定しない。
- この法律第81条2項に規定される権限を有する機関は,社会住宅の賃料額,購入賃料額を決定する。
第 61 条 国の建築投資によらない社会住宅の賃料額,購入賃料額,売却価格の確定
- この法律第 53.条 1
項に規定される資金源又は形式によらず建築投資された社会住宅の賃料額,購入賃料額,売却価格は,次のとおり確定される。
- 社会住宅の賃料額は,投資家が,住宅のメンテナンス費用,住宅建築の投資資本回収費用,借入利子(あれば),政府の規定による基準利潤を賄えるような算定に基づき,この法律第 58 条 1 項に規定される国の優遇措置は算定せずに確定する。
- 社会住宅の購入賃料額は,この項 a 号の規定に従い確定される。ただし,住宅のメンテナンス経費は,購入賃借人がこの法律第 108 条 1 項の規定に従い納付する。
- 社会住宅の売却価格は,プロジェクトの投資家が,住宅建築の投資資本回収費用,借入利子(あれば),政府の規定による基準利潤を賄うことができるような算定に基づき,この法律第 58 条 1 項に規定される国の優遇措置は算定せずに確定する。
- 社会住宅の建築投資家は,賃料額,購入賃料額,売却代金を公表する前に,社会住宅の所在地の省級人民委員会に報告し,審査を受ける責任を負う。
- 世帯,個人の建築投資による社会住宅については,投資家は自らこの法律第
58 条 2 項 c 号の規定を遵守した賃料額,購入賃料額,売却代金を確定する。
第 62 条 社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却の原則
- 社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却は,この法律の規定に従わなければならない。この法律第 50 条 1 項に規定される対象者はそれぞれ同時に一軒の社会住宅のみを賃借,購入賃貸又は購入することができる。公立の寄宿民族学校の学生については,住宅の賃料及び使用の過程における各役務の代金を支払わなくてよい。
- 社会住宅の賃借契約の期間は,最低 5 年である。社会住宅の購入賃料の弁済期間は,住宅の購入賃借契約の締結日から最低 5 年である。
- 社会住宅の賃借人,購入賃借人は,賃借,購入賃借の期間中,住宅を売却,転貸,使用貸してはならない。賃借人,購入賃借人は,住宅の賃借,購入賃借の需要がなくなったときは, 契約を終了させ,住宅を返還しなければならない。
- 社会住宅の購入賃借人,買主は,住宅の購入賃料,購入代金を全額弁済した日から最低 5 年間,住宅を売却してはならない。買主,購入賃借人が住宅の購入代金,購入賃料を全額弁済した日から 5 年間のうちに住宅を売却する需要を有する場合,当該社会住宅の管理部局にのみ売却することができ,この部局が購入しなければ,社会住宅を購入することができる対象者に対し,売却の地点,時点における同種の社会住宅の最高売却価格と等しい売却価格により売却することができ,個人所得税を納付する必要はない。
- 社会住宅の買主,購入賃借人は,この住宅の購入代金,購入賃料を全額弁済日から 5 年間が経過し,証明書の発給を受けた後は,需要を有する各対象者に対し市場原理に従い住宅を売却することができるが,政府の規定に従い土地使用料を納付し,税に関する法令の規定に従い所得税を納付しなければならない。
この法律に規定される社会住宅を購入することができる対象者に対し売却する場合,最高で売却の地点,時点における同種の社会住宅の売却価格と等しい売却価格により売却することができ,個人所得税を納付する必要はない。
社会住宅を購入賃借,購入した再定住の対象者である世帯,個人については,住宅の購入代金,購入賃料を全額弁済し,証明書の発給を受けた後に,需要を有する各対象者に対し市場原理に従い住宅を売却することができるが,政府の規定に従い国に土地使用料を納付し,税に関する法令の規定に従い所得税を納納付しなければならない。
- 社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却がこの法律の規定通りでないいかなる場合も,住宅の賃貸,購入賃貸,売買契約は法的価値を有さず,賃借人,購入賃借人,買主は,社会住宅管理部局に対し住宅を引き渡さなければならない。住宅を引き渡さない場合,住宅の所在地の省級人民委員会は,当該住宅を強制的に回収する。
住宅の賃料,購入代金の処理は,民事法令の規定に従って行われる。社会住宅の購入賃料の処理は,この法律第 135 条の規定に従って行われる。
第 63 条 社会住宅の売却,賃貸,購入賃貸
1. 社会住宅建築プロジェクトの投資家は将来形成住宅の売却,購入賃貸又は既存住宅の売却の形式を選定することができる。
2 将来形成社会住宅の販売,購入賃貸は,以下の条件を満たさなければならない。
- 承認済みの住宅建築投資プロジェクトの記録及び技術設計があり,建築許可証が必要なときは建築許可証があること
- 建築に関する法令の規定に従い,住宅の基礎部分の建設が終了しており,承認済みの建築詳細企画,設計記録及びプロジェクトの進度に従って住宅区域の道路,交通,給水,排水,生活電力,公共照明システムを完成して,売却,購入賃貸することができること。投資家が住宅に抵当権を設定している場合は抵当権を解除すること。ただし,買主,購入賃借人及び抵当権者が同意する場合を除く。
- 住宅が売却の条件を満たしていることに関する省級住宅管理機関の通知文書があること。ただし,国がこの法律第 53 条 1 項に規定される資本金により投資した社会住宅を除く。
- 既存社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却は,以下の条件を満たさなければならない。
- 賃貸,購入賃貸,販売用住宅区域について,承認済みの建築詳細企画,設計記録,プロジェクトの進度に従って技術的インフラストラクチャシステム及び社会的構造物の建設投資が終了していること。投資家が住宅に抵当権を設定している場合は住宅を売却,購入賃貸する前に抵当権を解除すること。ただし,買主,購入賃借人及び抵当権者が同意する場合を除く。
- 住宅が売却,賃貸,購入賃貸の条件を満たしていることについて省級住宅管理機関の通知文書があること。ただし,国がこの法律第 53 条 1 項に規定される資本金により投資した社会住宅を除く。
- この法律第 118 条 1 項 b 号及び c 号に規定される条件を満たした住宅
- 社会住宅建築プロジェクトの投資家は将来形成社会住宅の賃貸借契約を締結してはならない。住宅がこの条第 2 項 a 号及び b 号に規定される条件を満たす場合,投資家は,賃貸借の手付契約に限り締結し,最大で暫定的に計算した住宅賃料の 12 か月分の手付金を徴収することができる。住宅賃貸借の手付契約の締結は,この法律に規定される社会住宅を賃借することができる対象者及び条件を遵守しなければならない。住宅がこの条第 3 項に規定される条件を満たした後に,投資家は手付契約の締結者と住宅賃貸借契約を締結することができる。
- この条に規定される社会住宅の買主の前払は,住宅売買契約中の合意に従い,住宅建築の完成率及び承認済みのプロジェクトの進度に適合するように行われるが,買主の前払金の総額は,買主に住宅を引き渡すまでは売買住宅の価額の 70 パーセントを超えてはならず,住宅の買主が当該住宅に対する証明書の発給を受けるまでは 95 パーセントを超えてはならない。
- 政府は,社会住宅に関する支援政策を享受することができる対象者,条件の証明書,社会住宅とするための建築投資,商業住宅の購入,社会住宅の住宅の種別及び面積基準,賃貸用社会住宅を建築する場合の減税及び金融の優遇措置,社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却及び管理,使用について詳細を規定する。
第 64 条 社会住宅の管理,使用
1. この法律第 53.条 1 項に規定される資本金又は形式により投資された社会住宅については,社会住宅管理機関は,住宅を管理,運営する組織の選定を決定する。複数の組織が参加登録した場合,住宅管理,運営組織の選定は,入札により行われる。
2.この法律第 53 条 1 項に規定される資本金又は形式によらずに投資された社会住宅については,住宅の管理,運営は,以下のとおりである。
- 賃貸用社会住宅の場合,投資家は自ら管理,運営し,又はこの法律の規定に従い管理運営能力を有する組織に対し住宅の管理,運営を委託する。
- 購入賃貸用社会住宅の場合, 購入賃貸期間中は,投資家はこの項 a 号の規定に従って管理,運営する。購入賃借人が投資家に対し購入賃料を全額支払った後は,管理,運営は,この項 c 号の規定に従って行う。
- 売却用社会住宅の場合, 個別住宅であれば,買主が自ら管理,運営し,共同住宅であれば,この法律に規定される共同住宅の管理,運営に関する規定を遵守しなければならない。
- 社会住宅の管理,運営活動は,公益役務と同様の優遇措置を享受することができる。
- 社会住宅の管理,運営組織は,住宅の管理,運営役務の代金を引き下げるた
め社会住宅区において法律が禁止していないほかの役務を営むことができる。
第三節
居住のため自ら建築又は改築,修繕する世帯,個人への社会住宅政策
第 65 条 居住のため自ら建築又は改築,修繕する世帯,個人への住宅支援政策
- 国は,住宅に関する目標プログラムを通じて,この法律第 49 条 1 項,2 項及び 3 項に規定される世帯,個人が居住のため自ら建築又は改築,修理するのを支援する。
- この条第 1 項に規定される対象者への住宅支援政策は,以下のとおりである。
- 国家予算から資金の一部を支援する。
- 社会政策銀行から優遇的な金融融資をして支援する。
- 農村区域の住宅区域においてインフラストラクチャ施設を建設して支援する。
- 住宅用地がない場合に,土地に関する法令の規定に従い土地使用料を免除又は軽減して土地を交付して支援する。
đ) この項 a 号及び b 号に規定される支援額では依然として住宅を改築する財務能力がない対象者に対し住宅を贈与して支援する。
- 国は,この法律第 49 条 1 項,4 項,5 項,6 項及び 7 項に規定される世帯,個人が居住のため自ら建築又は改築,修繕できるようにするため,社会政策銀行,国が指定する与信組織を通じて優遇融資をして支援する。
第 66 条 居住のため自ら建築又は改築,修繕する世帯,個人への住宅支援政策の実施形式
- 世帯,個人が住宅を自ら建築又は改築,修繕する。
- 住宅を自ら建築又は改築,修繕することができない障害者,孤独者である場合,国が住宅を建築又は改築する。
第五章 住宅開発のための財政
第 67 条 住宅開発に資する各資金源
- 組織,世帯,個人の資本
- 社会政策銀行,ベトナムで活動している与信組織,金融組織からの借入れ
- この法律の規定に従い前払された住宅の代金,購入賃料,賃料
- 組織,個人の出資,投資協力,事業協力,合弁,連携の形式による出資金
- 住宅に関する目標プログラム及び賃貸,購入賃貸用社会住宅の建築を通じて社会政策の受益対象者に住宅について支援するための中央資本及び地方資本からなる国の資本
- 外国及びその他の合法的な資金源から調達する資本
第 68 条 住宅開発用資本の調達の原則
- 資本の調達形式は,この法律の規定による住宅の種別ごとに適当なものでなければならない。資本の調達形式が,住宅に関する法令の規定による住宅の種別ごとの形式に適合しておらず,条件を満たさない場合,法的価値を有しない。
- 資本を調達する組織,個人は,住宅に関する法令の規定による資本の調達条 件を満たさなければならない。
- 公開性,透明性を確保し,住宅開発用資本を有している組織,個人の合法的な権利及び利益を保護する。
- 組織,個人は,調達した資本を当該住宅の開発の目的に沿って使用し,調達した資本をほかのプロジェクト,ほかの目的のために使用してはならない。
- 住宅開発及び社会住宅政策の実施に資する資本は,この法律,関連法令の規定及び各当事者の合意に従って管理されなければならない。
- 政府は,住宅の種別ごとの開発用資本の調達,資本調達の内容,条件,形式について詳細を規定する。
第 69 条 商業住宅開発のための資本
- 投資家の所有する資本
- 組織,世帯,個人の出資,投資協力,事業協力,合弁,連携の形式による出資金
- 将来形成住宅の売買,賃貸,購入賃貸契約に基づき前払された売買代金,購入賃料,賃料
- ベトナムで活動している与信組織,金融組織からの借入れ
第 70 条 社会住宅政策実施のための資本
- 投資家の資本,又は組織,世帯,個人の出資,投資協力,事業協力,合弁,連携の形式による出資金
- 社会住宅に関する援助政策の受益対象者の資本
- この法律第 53 条 1 項に規定される国の投資資本
- 社会住宅政策の受益対象者に対する国の直接支援金。社会政策銀行,国が指定する与信組織を通じて国が優遇的に貸し付ける資本
- 基金及びその他の合法的な支援源からの支援金
第 71 条 公務住宅開発のための資本
- 中央予算及び地方予算からなる国家予算資本
- 法令の規定に基づくその他の資金源
第 72 条 再定住用住宅開発のための資本
- 投資家の資本,又は組織,世帯,個人の出資,投資協力,事業協力,合弁,連携の形式による出資金
- この法律第 36 条 3 項に規定される国の投資資本
- 土地開発基金からの資本
- 法令の規定による更地造成時の賠償金及び再定住支援金からの資本
- その他の合法的な資金源から調達した資本
第 73 条 世帯,個人の住宅開発のための資本
- 世帯,個人の資本
- 世帯,個人間の協力資本。同族,住民コミュニティの支援金
- ベトナムで活動している与信組織,金融組織からの借入れ
- この法律第 65 条に規定される社会住宅に関する支援政策の受益対象者に対する国の支援金
- その他の合法的な資金源からの支援金
第 74 条 社会住宅開発のための社会政策銀行の優遇貸付け
- 国は,住宅に関する目標プログラムを実施し,社会住宅を建築するため,予算から社会政策銀行に資本を供給して,低金利,長期の優遇貸付けを支援する。
- 社会政策銀行は,社会住宅の購入,購入賃借の重要のある国内の世帯,個人から預貯金を調達し,一定の預貯金期間後,これらの対象者に低金利と長期で優遇的に貸し付ける。
- 社会政策銀行は,この条第 1 項及び第 2 項に規定される目的に沿って資金を管理及び使用するため,個別の項目を建てなければならない。
- 建設省,労働傷病者社会省は,この条第 1 項及び第 2 項に規定される資本の管理及び資本の使用の管理に参加する責任を負う。
- 政府はこの条について詳細を規定する。
第六章 住宅の管理,使用
第一節 住宅の管理,使用に関する総則
第 75 条 住宅の管理,使用の内容
- 住宅に関する記録の作成,保管及び管理
- 住宅の保険
- 芸術,文化,歴史的価値のある住宅の管理,使用
- 国有住宅の管理,使用
- 住宅の保証,メンテナンス,改築,解体
第 76 条 住宅に関する記録の作成
- 住宅所有者又は所有者不明の場合の使用者,国有住宅の管理組織は,この条第 2 項及びこの法律第 77 条の規定に従い住宅に関する記録を作成,保管する責任を負う。
- 住宅に関する記録は,次のとおりである。
- 2006 年 7 月 1 日より前に建築された都市及び農村における住宅については,住宅に関する法令の規定に従い,住宅が合法的に建築されたことの証明書又は住宅に関する情報申告書がなければならない。
- 2006 年 7 月 1 日以降に建築された都市における住宅については,住宅に関する記録は,住宅が合法的に建築されたことの証明書;建築に関する法令の規定によるコンサルティング業者,施行業者の確定書類,設計図,住宅及び土地の計画図,完工記録からなる(あれば)。
- 2006 年 7 月 1 日以降に建築された農村における住宅については,住宅に関する記録は,住宅が合法的に建築されたことの証明書;設計図,住宅及び土地の概略図からなる(あれば)。
- プロジェクトにより住宅を建築した場合については,住宅に関する記録は,法律の規定による住宅建築投資プロジェクトの記録及び完工記録からなる。
すみれ
「記録が保存されていると後から便利かも」
第 77 条 住宅に関する記録の保管及び管理
- 住宅に関する記録を保管する組織,個人は,以下のとおりである。
- 住宅所有者又は所有者不明の場合の使用者,国有住宅の管理組織は,住宅に関する記録を保管する責任を負う。
- 県級住宅管理機関は,管轄区域の内国世帯,個人,海外定住ベトナム人の住宅に関する記録を保管する責任を負う。
- 省級住宅管理機関は,管轄区域の内国組織,外国組織,外国個人及び住宅建築投資プロジェクトの住宅に関する記録を保管する責任を負う。
- 権限を有する国家機関は,証明書の発給手続をする際,住宅に関する記録を更新するため,この法律第 76 条 2 項に規定される住宅に関する情報を同級の住宅管理機関に提供する責任を負う。
省級人民委員会は,証明書の発給手続をする権限を有する機関と地方の住宅管理機関の間の住宅に関する情報提供の協力について規定し,住宅に関する記録中に記載された住宅,土地に関する情報の統一性を確保する。
第 78 条 住宅の保険
- 国は,住宅所有者が住宅の保険に加入するのを奨励する。防火,消火に関する法令の規定により火災,爆発のおそれがある施設の目録に含まれる住宅については,住宅の所有者は強制火災,爆発保険に加入しなければならない。
- 住宅保険の形式,保険料額及び保険期間は,保険事業に関する法令及び防火,消火に関する法令の規定に従う。
第 79 条 芸術,文化,歴史的価値のある住宅の管理,使用
- 芸術,文化,歴史的価値のある住宅は,古い別荘も含み,所有形態に関わらず,以下のとおり確定される。
- 権限を有する国家機関により国家級又は省級の歴史・文化遺産であると分類された住宅
- この項 a 号に規定されない住宅で,省級人民委員会がこの条第 2 項に規定される権限を有する機関の提案に従って承認した目録に含まれる住宅
- 省級人民委員会は,省級の建築,建設,文化に関する機関,職業協会の代表及び関連を有する科学者からなる評議会を設立し,管轄区域の芸術,文化,歴史的価値のある住宅の基準及び目録を確定させ,承認する。
- この条第 1 項に規定される住宅の管理,使用は,この法律及び文化遺産に関する法令の規定に従う。国有住宅である場合,本章第二節の規定にも従う。
- この条第 1 項 a 号に規定される住宅及び国有住宅の管理,保存,メンテナンス,改築のための経費は,国家予算から支出する。
国有住宅を除くこの条第 1 項 b 号に規定される住宅については,地方の実情に応じて,省級人民委員会は,所有者が住宅を管理,保全,メンテナンス,改築するための経費の一部又は全部の支援を決定する。
第二節 国有住宅の管理,使用
第 80 条 国有住宅の種類
- 国が国家予算により建築投資し,若しくは購入した,又は法令の規定に基づき国の所有に属すると確定された公務住宅
- 国がこの法律第 36 条 3 項に規定される資本金又は形式により投資した再定住用住宅
- 国がこの法律第 53 条 1 項に規定される資本金又は形式により投資した社会住宅
- 国家予算により,若しくは国家予算に由来する資本により建築投資された,又は国の所有に属すると確立された古い住宅であり,住宅に関する法令の規定に従い,世帯,個人に対し賃貸しているもの
第 81 条 国有住宅の管理,使用
- 国有住宅は,目的どおりに,効果的に使用され,損失や浪費を避けなければならない。国有住宅の売却,賃貸,購入賃貸,回収及び管理,使用は,この法律の規定どおりに行われなければならない。
- 以下の機関は,所有者の代理人であり,国有住宅を管理する責任を負う。
- 建設省は,中央予算により投資された公務住宅,社会住宅を管理する。国防省,公安省は,国防省,公安省が投資した住宅を管理する。
- 省級人民委員会は,管轄区域内の地方予算により投資された住宅及び管理を割り当てられた住宅を管理する。
- 国有住宅の管理運営は,住宅管理機能のある企業,合作社により行われ,公益役務と同様の優遇措置を享受することができる。国有住宅の管理運営組織の選定は,この条第 2 項に規定される権限を有する機関により決定される。
- 公務住宅は賃貸のみに使用され,社会住宅は賃貸,購入賃貸のために建築される。使用の需要がなくなった,又はほかの場所へ移転する必要があるが,解体又はその他の社会住宅の再築投資が不要である場合,建設省は,使用機能の変更について審査して政府首相に報告し,この法律の規定に従って賃貸管理し,又は売却する。
- 公務住宅の賃借人は,住宅の賃借の条件を満たさなくなった,若しくはほかの場所へ移転することになったとき,又は住宅の管理,使用に関する規定に違反する行為をして回収の対象者となったときは,公務住宅を国へ返還しなければならない。
公務住宅の返還者が,この法律第 84.条 1 項 a 号,e 号及び h 号に規定される違反行為をした回収の対象者でなく,かつ公務住宅を返還した後の生活地に住宅を有しないときは,この者を直接管理,使用する機関,組織は,その居住地の省級人民委員会と協力し,実情に応じて,社会住宅の賃貸,購入賃貸,売却又は住宅建築用地の交付により解決する責任を負う。
- 政府は,国有住宅の賃貸,購入賃貸,売却,賃料の免除,軽減及び住宅の管理,使用について詳細を規定される。
第 82 条 国有住宅を賃借,購入賃借,購入することができる対象者,条件
- 国有住宅を賃借,購入賃借,購入することができる対象者は,以下のとおりである。
- この法律第 32 条 1 項及び第 49 条 9 項に規定される対象者は,住宅の賃借に限りすることができる。
- この法律第 49 条 1 項,4 項,5 項,6 項,7 項,8 項及び 10 項に規定される対象者は,社会住宅の賃貸,購入賃貸について審査を受けることができる。
- この法律第 49 条 10 項に規定される対象者で,未だ社会住宅を賃借,購入賃借,売却していない者は,再定住用住宅を賃借,購入賃借,購入することができる。
- この法律第 80 条 4 項に規定される古い住宅を実際に使用している対象者は,その住宅を賃借又は購入することができる。
- 国有住宅の賃借,購入賃借,購入の条件は,以下のとおりである。
- 公務住宅の賃借の対象者は,この法律第 32 条 2 項に規定される条件を満たさなければならない。
- 社会住宅の賃借,購入賃借の対象者は,この法律第 51 条 1 項に規定される条件を満たさなければならない。この法律第 49 条 10 項に規定される対象者は,未だ再定住用住宅,土地の手配を受けていないこと。
- 再定住用住宅の賃借,購入賃借,購入の対象者は,権限を有する国家機関の決定により土地の回収,住宅の解体を受けた対象者であり,未だ社会住宅を賃借,購入賃借,購入していないこと。
- 古い住宅の賃借又は購入の対象者は,その住宅を実際に使用しており,賃借又は購入の需要がなければならない。
第 83 条 国有住宅の賃貸,購入賃貸,売却
- 国有住宅の賃貸,購入賃貸,売却は公開性,透明性を確保しなければならない。この法律第 82 条,第 84.条の規定及び第八章の住宅の売買,賃貸,購入賃貸取引に関する規定を遵守するほか,以下の規定も遵守しなければならない。
- 公務住宅を賃借する場合,この法律第 33 条の規定を遵守しなければならない。
-
- 再定住用住宅を賃貸,購入賃貸,売却する場合,この法律第 35 条及び第
41 条の規定を遵守しなければならない。
- 社会住宅を賃貸,購入賃貸,売却する場合,この法律第 62
条及び第 63 条の規定を遵守しなければならない。
- 古い住宅を賃貸,売却する場合,その住宅は使用権に関する不服申立て,紛争がなく,住宅に関する法令の規定により賃貸又は売却できるものでなければならない。
- 住宅の賃貸借,購入賃貸借,売買契約は,この法律第
121 条に規定される内容を含まなければならない。契約の締結は,以下のとおりである。
- 社会住宅を売買,購入賃貸借し,又は古い住宅を売買する場合,契約は買主,購入賃借人と住宅管理機関の間で締結される。
- 再定住用住宅を賃貸借,購入賃貸借,売買する場合,契約は再定住対象者と再定住をした組織の間で締結される。
- 古い住宅の賃貸借,公務住宅の賃貸借,社会住宅の賃貸借を含む住宅の賃貸借の場合,契約は賃借人と住宅管理機関の間で締結される。
第 84 条 国有住宅の回収
- 以下のいずれかの場合,国有住宅を回収する。
- 住宅の販売,賃貸,購入賃貸が,この法律の規定による権限に基づいておらず,対象者が適当でなく,又は条件を満たしていない。
- 契約による賃借期限が満了し,賃借人が引続き賃借する需要を有しないとき,又は両当事者が住宅の賃貸借,購入賃貸借契約の終了を合意したとき
- 賃借人,購入賃借人が賃借,購入賃借している住宅を返還した。
- 賃借人が,この法律の規定による住宅を賃借することができる条件を満たさなくなった。
đ) 賃借人が死亡し,又は裁判所の失踪宣告があり,同居人がいないとき。公務住宅の賃借の場合,公務住宅を賃借することができる者が死亡し,又は裁判所の失踪宣告があったとき。
- 賃借人,購入賃借人が正当な理由なく 3
か月以上住宅の賃料を支払わない。
- 賃貸,購入賃貸している住宅が権限を有する国家機関の決定により改築,再築のため解体されることになったとき
- 賃借人,購入賃借人が契約中で合意された目的どおりに住宅を使用しない,又は賃借,購入賃借している住宅を無断で譲渡,売却,転貸,使用貸し,無断で破損,増築,改築,解体する。
- この条第 1 項に規定される回収を受ける住宅を賃借,購入賃借している者は,住宅を住宅管理組織に引き渡さなければならない。引き渡さない場合,住宅所有者の代理機関が,強制的に回収する。省級人民委員会は,強制回収決定が発行された日から 30 日以内に,この住宅の強制回収を行う責任を有する。
第三節 住宅の保証,メンテナンス,改築
第 85 条 住宅の保証
- 住宅の建築を施工する組織,個人は,建築に関する法令の規定に従い,住宅について保証しなければならない。住宅の設備を供給する組織,個人は,製造業者が規定する期限に従い設備について保証しなければならない。
売却,購入賃貸用住宅を建築投資する場合,売主,購入賃貸人は,この条 第 2 項及び 3.項の規定に従って住宅について保証しなければならない。売主,購入賃貸人は,建築を施工し,設備を供給する組織や個人に法律の規定による保証の実施を要請することができる。
- 住宅は,建築が完了し,及び使用するための検査を受けた日から以下の期限まで保証される。
a) 共同住宅については最低 60 か月
b) 個別住宅については最低 24 か月
- 住宅の保証内容は,骨組み,柱,梁,床,壁,天井,屋根,テラス,階段,タイル,塗装,舗装,燃料供給システム,生活給電,照明給電システム,水槽及び生活給水システム,浄化槽及び汚水,生活廃棄物排出システムの故障の修繕,回復,住宅が傾き,沈下し,割れ,崩れた場合の回復の保証,及び住宅の売買,購入賃貸借契約中の合意によるその他の内容を含む。住宅に付着するその他の設備については,売主,購入賃貸人は,製造業者が規定する期限に従い修繕,交換を保証しなければならない。
第 86 条 住宅のメンテナンス
- 住宅の所有者は,住宅のメンテナンスを行う責任を負う。所有者を確定することができない場合,管理,使用している者が住宅のメンテナンスを行う責任を負う。
- 住宅のメンテナンスは,この法律及び建築に関する法令の規定に従って行わなければならない。この法律第 79 条 1 項に規定される住宅については,芸術的建築,歴史的,文化的遺産の補修,保管,再建に関する企画及び法令の規定にも従って行わなければならない。
- 所有者,住宅のメンテナンスを行う組織は,住宅のメンテナンスの過程で人,財産の安全を確保し,衛生,環境を保護しなければならない。国有住宅をメンテナンスする場合,この法律第 90 条の規定にも従わなければならない。
第 87 条 住宅の改築
- 住宅の所有者は,自己が所有する住宅を改築することができる。住宅の所有者でない者は,所有者の同意を得たときに限り,住宅を改築することができる。
- 住宅の改築は,この法律及び建築に関する法令の規定に従って行わなければならない。住宅を改築するためにプロジェクトを設立しなければならないと法令が規定する場合,承認済みのプロジェクトにより行わなければならない。国有住宅については,住宅の改築は,この法律第 90 条の規定にも従わなければならない。
- この法律第 79 条に規定される住宅については,改築は文化的遺産の企画,k 建築,管理に関する法令の規定も遵守しなければならない。改築する前に権限を有する機関の承認を得なければならないと法令が規定する場合,所有者,住宅管理機関は,権限を有する機関の承認文書により行わなければならない。
- この法律第 79 条 1 項に規定される目録に記載された古い別荘については,以下の規定も遵守しなければならない。
- 別荘の当初の状態を変更してはならない。
- 省級住宅管理機関の査定結果により大破し,倒壊するおそれがあるとされない限り,解体してはならない。再築のため解体しなければならない場合,当初の建築技法に従い,古い別荘の材料,建築密度,階数及び高さどおりにしなければならない。
- 面積を増やすために構造を追加し,又は増築し,別荘外の空間を占有してはならない。
第 88 条 住宅のメンテナンス,改築に関する所有者の権利及び義務
- 住宅のメンテナンス,改築について,所有者は以下の権利を有する。
- 自らメンテナンス,改築を行い,又は組織,個人にメンテナンス,改築を委託する。建築業を営む能力を有する組織,個人により行わなければならないと法令が規定する場合,能力を有する組織,個人にメンテナンス,改築を委託しなければならない。
- 建築に関する法令の規定に基づく,住宅のメンテナンス,改築に建築許可証が必要な場合,条件が設定されている場合,条件を満たした上で,権限を有する国家機関に対し建築許可書の発給を請求する。
- 法律の規定によるその他の権利
- 住宅のメンテナンス,改築について,所有者は以下の義務を負う。
- 住宅のメンテナンス,改築に関する法令の規定を遵守し,その他の所有者が住宅のメンテナンス,改築を行うための条件を整備する。
- 他人に損害を与えた場合,賠償する。
- 法律の規定によるその他の義務
第 89 条 賃貸中の住宅のメンテナンス,改築
- 住宅の賃貸人は,賃借人の同意を得て,住宅を改築する権利を有する。ただし,緊急時,又は不可抗力の理由による場合を除く。賃借人は,賃貸人が住宅のメンテナンス,改築を行うことができるようにする責任を負う。
- 住宅の賃貸人は,残りの賃貸期間が賃貸借契約の期間の三分の一以下であれば,改築後に合理的な賃料に調整することができる。賃借人が賃料の調整に同意しない場合,契約の履行を一方的に終了し,法令の規定に従い損害賠償を受けることができる。
- 賃借人が住宅のメンテナンス又は改築のため転居しなければならない場合,各当事者は一時的な居所及び住宅のメンテナンス,改築期間中の賃料について合意する。賃借人が自ら住宅を手配し,メンテナンス,改築期間中の賃料を既に前払している場合,賃貸人はこの金額を賃借人に返還しなければならない。メンテナンス,改築の期間は賃貸借期間に算入しない。賃借人は,住宅のメンテナンス,改築が終了した後,引続き住宅を賃借することができる。
- 賃借人は賃貸人に対し,住宅のメンテナンス,改築を請求することができる。ただし,賃借人が住宅を破損した場合を除く。賃貸人が住宅のメンテナンスをしない場合,賃借人はメンテナンスをする権利があるが,少なくとも 15 日前に賃貸人に対し文書により通知しなければならない。 通知書には,メンテナンスの程度及び経費を明記しなければならない。賃貸人は,賃借人に対しメンテナンスの経費を支払い,又は賃料から控除しなければならない。
第 90 条 国有住宅のメンテナンス,改築
- 住宅のメンテナンス,改築は,権限を有する国家機関により承認を受け,この法律及び建築に関する法令の規定に従って実施しなければならない。
- 賃貸中の住宅を改築する場合,この法律第 89 条の規定に従う。賃借人が自己負担で改築するのを許可する住宅管理機関の同意文書がある場合,改築された部分も依然として国有であり,住宅の管理を委ねられた組織は,賃借人に対し経費を返還し,又は賃料から控除しなければならない。
第 91 条 共同所有住宅のメンテナンス,改築
- 共同所有住宅の各共有者は,自己の持分に対応して共同所有住宅のメンテナンス,改築をする権利及び責任を有する。共有者ごとの持分を確定することができない場合,メンテナンス,改築の責任は各共有者間で等しく分割される。共同所有住宅のメンテナンス,改築をするには,各共有者の同意を得なければならない。
- 共同所有部分のメンテナンス,改築の経費は,共有者の持分に応じて分割される。ただし,共有者が別段の合意をした場合を除く。複数の共有者がいる共同住宅については,共同所有部分のメンテナンス経費の拠出は,この法律第
108 条の規定に従って行う。
第四節 住宅の解体
第 92 条 住宅を解体しなければならない場合
- 住宅が大破し,倒壊のおそれがあり,使用者の安全を確保することができない旨の住宅所在地の省級住宅管理機関の品質査定の結論がある,又は緊急状態,自然災害を予防,防止する場合。
- この法律第 110 条 2 項に規定される住宅
- 権限を有する国家機関の決定により土地を回収するために解体しなければならない住宅
- 建築禁止区域に建築され,又は権限を有する国家機関が承認した企画による住宅用地でない土地上に建築された住宅
- 建築に関する法令の規定により解体しなければならない住宅
第 93 条 住宅を解体する責任
- 住宅の所有者又は管理,使用している者は,住宅を解体する責任を負う。住宅又はその他の施設を再築するために住宅を解体する場合,投資家が住宅を解体する責任がある。
- 住宅の所有者は,建築に関する法令の規定による能力を有するときは自ら住宅を解体し,又は解体の能力を有する組織,個人に委託する。
- 共同住宅を改築,再築するために共同住宅を解体する場合,この法律第七章第二節の規定にも従わなければならない。
- 社,坊,市鎮人民委員会(以下「社級人民委員会」と総称する)は,管轄区域における住宅の解体を監視,督促する責任を負う。
第 94 条 住宅を解体する際の要件
- 解体区域から人及び財産を遠ざけなければならない。
- 標識を置き,周辺区域との分離措置を講じなければならない。
- 法令の規定に従い,人,財産,周辺施設,解体の対象でない技術的インフラストラクチャ施設の安全を確保し,衛生,環境を保障する。
- 緊急の場合を除き,12 時から 13 時まで及び 22 時から 5 時までの間は住居区において住宅の解体を行ってはならない。
第 95 条 住宅の強制解体
- この法律第 92 条の規定に従い住宅を解体しなければならないが,住宅の所有者,投資主,又は管理,使用している者が自発的に住宅を解体しない場合,この条第 2 項に規定される権限を有する国家機関は,住宅の強制解体決定を下す。
- 住宅の強制解体決定を下す権限は,以下のとおりである。
- 県級人民委員会主席は,この法律第 92 条 3 項に規定される土地回収のための住宅の解体,この法律第 92 条 1 項,4 項及び 5 項に規定される個別住宅の解体について強制決定を下す。
- 省級人民委員会主席は,この法律第 92 条 1 項,2 項,4 項及び 5 項に規定される共同住宅の解体について強制決定を下す。
- 県級人民委員会は,この条第 2 項に規定される住宅強制解体決定に従い住宅を強制的に解体する責任を負う。
- 住宅の強制解体の経費は,以下のとおりである。
- 住宅の所有者,管理,使用している者又は投資家は,住宅の強制解体の費用及び解体に関連する各費用を負担しなければならない。
- 住宅の所有者,管理,使用している者,投資家が支払わない場合,権限を有する国家機関は,解体の経費を確保するために,財産強制措置の適用決定を下す。
第 96 条 住宅が解体される際の所有者の居所
- 住宅の所有者は,住宅が解体される際は自ら居所を手配しなければならない。
- 土地を回収するために住宅を解体する場合,所有者の居所は,この法律及び土地に関する法令の規定に従い,国が土地を回収する際の再定住用住宅に関する政策に従って処理される。
- 共同住宅を改築,再築するために共同住宅を解体する場合,解体される共同住宅の所有者の居所は,この法律第 116 条の規定に従って処理される。
第 97 条 賃貸中の住宅の解体
- 賃貸人は,解体の少なくとも 90 日前に賃借人に対し文書により通知しなければならない。ただし,緊急の場合,又は権限を有する国家機関の行政決定により解体する場合を除く。
- 住宅を再築するために解体するが,賃貸借期間が満了していない場合,賃貸人は,解体及び再築期間中,賃借人のためにほかの居所を手配しなければならない。ただし,賃借人が自ら手配する旨合意した場合を除く。住宅の再築が完了した後,賃借人は契約期間が満了するまで引続き賃借することができる。ただし,賃借人が引続きその住宅を賃借する必要性がない場合を除く。賃借人が自ら居所を確保する場合,解体及び再築期間中は賃料を支払う必要がない。解体及び再築の期間は,賃貸借契約の期間に算入しない。
第七章 共同住宅の管理,使用
第一節 共同住宅の管理,使用,メンテナンス
第 98 条 共同住宅の等級
- 共同住宅は,管理し,又は市場において取引を行う際に共同住宅の価値を確定するため,複数の等級に分類される。
- 建設大臣は,共同住宅の分類について規定し,分類を公認する。
第 99 条 共同住宅の使用期限
- 共同住宅の使用期限は,建築工事の等級及びこの条第 2 項に規定される共同住宅の所在地の省級住宅管理機関の品質査定の結論に基いて確定される。省級人民委員会は,住宅の品質査定の経費を確保する。
- 共同住宅が建築に関する法令の規定による使用年限が満了し,又は大破し,倒壊するおそれがあり,使用者の安全を確保することができない場合,省級住宅管理機関は,共同住宅の品質査定を行い,以下の規定に従って処理する。
- 共同住宅が依然として品質を保ち,使用者の安全を確保することができる場合,所有者は,査定の結論中に記載される期限まで引続き使用することができる。ただし,この法律第
110 条 2 項及び 3
項に規定される場合を除く。
- 共同住宅が大破し,倒壊するおそれがあり,使用者の安全を確保することができない場合,省級住宅管理機関は,品質査定の結論を発行し,省級人民委員会に対し報告して所有者に対し文書により通知できるようにする。
通知書の内容は,省級人民委員会及び住宅管理機関のウェブサイト,地方のマスメディアを通じて公開しなければならない。
共同住宅の所有者は,共同住宅を改築,再築するために解体し,又はこの
条第 3 項の規定に従い,解体してほかの施設を建築するために権限を有する機関に引き渡す責任を負う。
- この条第2項b号に規定される共同住宅の処理及び共同住宅がある土地の使用権の処理は,以下のとおりである。
- 共同住宅のある土地が住宅建築企画に依然として適合している場合,所有者は,本条第 2 項の規定に従い,共同住宅を改築,再築することができる。
- 共同住宅のある土地が住宅建築企画に最早適合しない場合,所有者は,解体して承認済みの企画に従いほかの施設を建築するため,共同住宅を権限を有する機関に引き渡す責任を負う。
- 共同住宅の所有者が住宅を解体しない,又は引き渡さない場合,省級人民委員会主席は,住宅の引渡しのため,強制解体又は強制移転を決定する。
- 解体される共同住宅の所有者のための居所の手配は,この法律第 116 条 の規定に従って行う。
共同住宅を再築するために解体する場合,所有者は,共同住宅のある土地の使用権を引続き行使することができる。ほかの施設を建築するために解体する場合,共同住宅のある土地の使用権の処理は,土地に関する法令の規定に従う。
第 100 条 共同住宅の個別所有部分及び共同所有部分
- 共同住宅の個別所有部分は,以下のものからなる。
- アパートメントに付属するバルコニー,開廊の面積を含むアパートメント内部の面積部分
- 共同住宅の所有者の個別所有部分として公認された共同住宅内のその他の面積部分
- アパートメントに付属する又は個別所有に属するその他の面積部分に付属する個別使用技術設備システム
- 共同住宅の共同所有部分は,以下のものからなる。
- この条第 1 項に規定される個別所有に属する面積部分以外の共同住宅の残りの面積部分。共同住宅の公共生活室
- 骨組み,柱,耐力壁,外壁,各アパートメント間の隔壁,床,屋根,テラス,廊下,階段,エレベーター,非常口,ゴミ箱,技術区画,給電,給水,ガス供給システム,通信,放送,放映,排水システム,浄化槽,避雷針,消火器を含む共同住宅内の共同使用空間,耐力構造システム,技術設備,及び共同住宅の所有者の個別所有に属しないその他の部分
- 外部の技術的インフラストラクチャシステムであるが,当該共同住宅に結びついているもの。ただし,公共目的で使用される,又は承認済みのプロジェクトの内容に従い,管理のため国に引き渡され,若しくは投資家に引き渡された技術的インフラストラクチャシステムを除く。
- 中庭,庭園,公園及び承認済みの住宅建築投資プロジェクトの内容により確定されたその他の施設を含む,共同住宅区域内の公共施設で,事業のために建築投資されたものでなく,承認済みのプロジェクトの内容に従い,国に引き渡さなければならないものでないもの。
すみれ
「マンションのことかな。」
第 101 条 駐車場及びアパートメントの使用面積,共同住宅内のその他の面積の確定
- 四輪自動車,二輪自動車,三輪自動車,自転車及び障害者用車両を含む,共同住宅の所有者,使用者のための駐車場は,投資家が建築基準,規格,承認済みの設計に従い建設し,目的どおりに使用しなければならない。駐車場の所有権,使用権は,以下のとおり確定される。
- 共同住宅の所有者,使用者のための自転車,障害者用車両,二輪自動車,三輪自動車の駐車場は,共同住宅の所有者の共同所有権,共同使用権に属する。
- 共同住宅の所有者のための四輪自動車の駐車場については,アパートメント又は共同住宅内のその他の面積の買主,購入賃借人が,購入又は賃借を決定する。購入又は賃借しない場合,駐車場は投資家の管理権に属し,投資家は,駐車場の建設投資費用を販売代金,購入賃料に算入してはならない。共同住宅区の四輪自動車の駐車場の配分は,共同住宅の所有者を優先し,その後にコミュニティの車に割り当てられる。
- 共同住宅の所有者のアパートメント又は個別所有に属する共同住宅内のその他の面積部分の使用面積は,水平投影面積により算定され,アパートメント内部の各部屋間の壁の面積,バルコニーの面積,開廊の面積(あれば)を含み,住宅の外壁,各アパートメント間の隔壁の面積,柱がある部分の床面積,アパートメント内部の技術区画の面積は算入しない。バルコニーの面積を算定する際は,床面積全部を算定する。バルコニーに共通の壁がある場合,共通の壁の端から測定する。
第 102 条 共同住宅の会議
- 共同住宅の会議とは,共同住宅の所有者,共同住宅の所有者が参加しないときは共同住宅の使用者の会議をいう。
- 共同住宅の会議は,建設大臣が発行する共同住宅の管理,使用規則による条件を満たしたときに,この条第 3 項又は第 4 項に規定される内容を決定するために行われる。
- 複数の所有者がいる共同住宅については,共同住宅の会議は以下の事項について決定するために行われる。
- 共同住宅の管理委員会の委員を推薦,選出,罷免する。共同住宅の管理,使用の内規を承認,補充,修正する。
- 共同住宅の管理委員会の活動規則を承認,補充,修正する。管理委員会の委員の責任手当及びその他の管理委員会の活動に必要な合理的な費用の額を決定する。
- この法律第 106 条の規定による共同住宅の管理運営役務の代金及び共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費の使用を承認する。
- 投資家に共同住宅の管理運営機能,能力がない場合,管理運営機能,能力があるが管理運営に参加しない場合,又は管理運営に参加するが共同住宅の管理委員会と締結した役務供給契約中で合意された需要を満たすことができない場合,共同住宅の管理運営組織の選定を決定する。
đ) 共同住宅の共同所有部分の管理運営活動,メンテナンス活動に関する報告を承認する。
- 共同住宅の管理,使用に関するその他の内容を決定する。
- 所有者が一人である共同住宅については,共同住宅の会議は,この条第 3 項 a 号,b 号及び e 号に規定される事項を決定するために行われる。
- この条第 3 項に規定される事項に関する共同住宅の会議の決定はすべて,多数決の原則に従った評決又は投票の形式により行われ,議事録に記録され,共同住宅の会議の主催者及び会合の書記が署名する。
第 103 条 共同住宅の管理委員会
- 所有者が一人である共同住宅,又は複数の所有者がいるがアパートメントの数が
20 未満である共同住宅については,共同住宅の所有者,使用者は,共同住宅の管理委員会の設立又は共同住宅の管理委員会の不設立の決定について合意する。共同住宅の管理委員会を設立する場合,以下のとおり行う。
- 所有者が一人である共同住宅については,管理委員会の委員は共同住宅の所有者及び使用者の代表からなる。
- 複数の所有者がいる共同住宅については,共同住宅の管理委員会の委員は,この条第 2 項の規定に従う。
- 複数の所有者がおり,アパートメントの数が 20 以上である共同住宅については,共同住宅の管理委員会を設立しなければならない。共同住宅の管理委員会の委員は,共同住宅の所有者の代表,投資家の代表(あれば)からなる。共同住宅の使用者が共同住宅の会議に参加する場合,共同住宅の管理委員会の委員に使用者を入れることができる。
- 所有者が一人である共同住宅の管理委員会は,自己管理モデルに従う。複数の所有者がいる共同住宅の管理委員会は,株式会社の取締役会モデル,又は合作社の主任委員会モデルに従って組織され,活動し,法人格を有し,独自の印章を有し,この法律第 104 条 1 項に規定される権限を行使し,責任を果たす。
共同住宅の管理委員会の委員を選出,罷免するとき,共同住宅の所有者,使用者は,株式会社を設立し,又は合作社を設立する必要はない。管理委員会の委員の選出,罷免は,建設大臣が発行する共同住宅の管理,使用規則に従い共同住宅の会議において行われる。
第 104 条 共同住宅の管理委員会の権限及び責任
- 複数の所有者がいる共同住宅については,共同住宅の管理委員会は以下の権限を有し,責任を負う。
- 共同住宅の所有者,使用者が共同住宅の管理,使用の内規,規則を遵守するよう督促し,注意する。
- この法律の規定及び共同住宅の会議の決定に従い,共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費を管理,使用し,この経費の収支について共同住宅の会議に対し報告する。
- 共同住宅の会議に対し,共同住宅の管理運営役務の代金額の承認を要請する。
- この法律第 102 条 3 項 d 号の規定に従い,共同住宅の会議が選定した後に,投資家又は共同住宅の管理運営の機能,能力を有する組織と共同住宅の管理運営役務提供契約を締結する。
この法律第 105 条 1 項 b 号の規定により管理運営組織を必要としない共同住宅で,共同住宅の会議が管理委員会に対し管理運営を委ねた場合,共
同住宅の管理委員会は,共同住宅の会議の決定に従い管理運営経費を徴収し,支出する。
đ) 共同住宅の共同所有部分のメンテナンスを行うために,建築に関する法令の規定に従い住宅のメンテナンス能力を有する組織と契約し,メンテナンス活動を監督する。共同所有部分のメンテナンスは,共同住宅を管理運営している組織,又は建築に関する法令の規定に従いメンテナンス能力を有するその他の組織により行うことができる。
- 共同住宅の管理,使用及び役務の供給について共同住宅の使用者の意見,提言を収集,総合し,関連機関,組織,個人と協力して検討し,解決する。
- 地方政府,町内会と協力し,健康的な生活習慣を構築し,共同住宅内の秩序,安全を維持する。
- 共同住宅の会議が承認した共同住宅の管理委員会の活動規則を遵守し,恣に共同住宅の管理委員会の委員を罷免,補充してはならない。
- 共同住宅の会議の決定に従った責任報酬及びその他の合理的な費用を受けることができる。
- 本項の規定に違反して権限を行使し,責任を果たさないときは,法律上の責任,共同住宅の所有者,使用者に対する責任を負う。
- 共同住宅の会議から委ねられた法令の規定に反しないその他の業務を行う。
- 所有者が一人である共同住宅については,共同住宅の管理委員会は,この条第 1 項 a 号,e 号,g 号,h 号,i 号,k 号及び l 号に規定される権限を行使し,責任を果たす。
第 105 条 共同住宅の管理運営
- 共同住宅の管理運営は,以下のとおりである。
- エレベーターがある共同住宅については,共同住宅の管理運営機能,能力を有する組織により行う。
- エレベーターがない共同住宅については,共同住宅の会議は自ら管理運営し,又は共同住宅の管理運営機能,能力を有する組織に共同住宅の管理運営を委託する。
- 共同住宅の管理運営組織は,以下に規定される機能及び能力に関する条件を満たさなければならない。
- 企業法又は合作社法の規定に基づき設立され,活動し,共同住宅の管理運営機能を有する。
- 技術,役務,警備,衛生,環境部門を含む共同住宅の管理運営に関する専門部署を有しなければならない。
- 建築,電気,水道技術,防火,消火,共同住宅に付属する設備の運営を含む,住宅の管理運営に関する要件を満たし,建設大臣の規定に従い共同住宅の管理運営に関する専門的な見識の教育,研修を受けた証明書を有する幹部,職員を有する。
- 共同住宅の管理運営組織は,共同住宅の技術システム,設備を管理運営し,役務を供給し,メンテナンス能力があればメンテナンスを行い,共同住宅の管理運営に関連するその他の業務を行う。
- 共同住宅の管理運営組織は,この法律第 106 条 3 項及び 4 項に規定される代金額に従い,共同住宅の所有者,使用者から管理運営経費を徴収することができる。国有の共同住宅については,管理運営役務の代金額は,この法律第 106 条 5 項 a 号の規定に従う。
- 共同住宅の管理運営組織は,一つ又は複数の地区において複数の共同住宅を管理運営することができる。
第 106 条 共同住宅の管理運営役務の価格
- 共同住宅の管理運営役務の価格の確定は,公開され,透明性があり,共同住宅の種別ごとに管理運営が必要な業務,使用する役務の内容に基づかなければならない。
- 共同住宅の管理運営役務の価格は,共同所有部分のメンテナンス経費,駐車費用,燃料,エネルギー,水道,テレビ,通信の使用費用,及び共同住宅の所有者,使用者の個別の使用に資するその他の役務費用を含まない。
- 複数の所有者がいる共同住宅については,共同住宅の管理運営役務の価格は,以下のとおりである。
- 最初の共同住宅の会議が開かれていない場合,共同住宅の管理運営役務の価格は,住宅の売買,購入賃貸借契約中の合意に従う。
- 共同住宅の会議が既に開かれている場合,共同住宅の管理運営役務の価格は,共同住宅の会議が決定する。
- 所有者が一人である共同住宅については,共同住宅の管理役務の価格,は共同住宅の所有者と使用者の間の合意による。共同住宅が国有である場合,共同住宅管理役務の価格は,この条第 5 項の規定による。
- 省級人民委員会は,以下の場合に適用する共同住宅の管理運営役務の価格表を発行する責任を負う。
- 管轄区域の国有共同住宅の管理運営経費を徴収する。
- 各当事者が住宅の売買,購入賃貸借契約中で合意するための基礎となる,又は共同住宅の管理運営組織と共同住宅の所有者,使用者の間で役務の価格について紛争がある場合,共同住宅の管理運営役務の価格について合意することができない場合,省級人民委員会が発行する役務の価格表の価格を適用する。
第 107 条 共同住宅のメンテナンス
- 共同住宅のメンテナンスは,個別所有部分のメンテナンス及び共同所有部分のメンテナンスからなる。共同住宅の所有者は,共同住宅の個別所有部分のメンテナンスを行い,共同所有部分のメンテナンス経費を拠出する責任を負う。
- 複数の所有者がいる共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費の拠出は,この法律第 108 条の規定に従う。複数の所有者がある共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費の使用は,この法律第 109 条の規定に従う。
- 共同住宅のメンテナンスの内容,メンテナンスのプロセス及びメンテナンス記録の管理は,建築に関する法令の規定に従う。
第 108 条 複数の所有者がいる共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費
- 複数の所有者がいる共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費は,以下のとおりである。
- 投資家が売却,購入賃貸したアパートメント,共同住宅内のその他の面積部分については,投資家は,売却,購入賃貸したアパートメント,共同住宅内のその他の面積部分の価額の 2 パーセントを支払わなければならない。この金額は,買主,購入賃借人が住宅の引渡しを受ける際に支払わなければならない住宅の代金,購入賃料に含まれ,売買契約,購入賃貸借契約中に明記される。
- 投資家が共同住宅を引き渡し,使用を開始する時点まで売却,購入賃貸せず保持している,又は未だ売却,購入賃貸していない,アパートメント,共同住宅内のその他の面積部分については,共同所有に属する面積部分を除き,投資家は,保持しているアパートメント,面積部分の価額の 2 パーセントを支払わなければならない。この価額は,当該共同住宅の最高価格のアパートメントの売却価格に基づき算定する。
- この条第 1 項に規定されるメンテナンス経費が共同住宅の共同所有部分のメンテナンスに足りない場合, 共同住宅の所有者は,所有者ごとの個別所有の面積部分に対応する経費を追加拠出する責任を負う。
- 投資家が 2006 年 7 月 1 日より前にアパートメント又は共同住宅内のその他の面積部分の売買,購入賃貸借契約を締結し,共同所有部分のメンテナンス経費を徴収していない場合,共同住宅の所有者は共同住宅の会議を開き,この経費の拠出金額について合意する。経費の拠出金額は,共同住宅の管理委員会がベトナムで活動している与信組織に開設した預金口座に毎月送金し,又はメンテナンスが必要な事項が発生したときに拠出される。
- 投資家が 2006 年 7 月 1 日以降にアパートメント又は共同住宅内のその他の面積部分の売買,購入賃貸借契約を締結したが,住宅の売買,購入賃貸借契約中でメンテナンス経費について合意していない場合,投資家はこの金員を支払わなければならない。住宅の売買,購入賃貸借契約中で,売買代金,購入賃料にメンテナンス経費が算入されていない場合,所有者がこの条第 3 項の規定に従い共同所有部分のメンテナンス経費を支払う。
- 共同住宅が居住及び事業の混合使用目的を有するが,同一の建物内でアパートメント機能区域,事業,役務区域という相互に異なる機能区域に分離することができ,これらの機能区域それぞれが建物全体の共同所有部分と区別される共同所有部分を有し,独立して管理運営される場合,投資家及びアパートメント又は共同住宅内のその他の面積部分の買主,購入賃借人は,売買,購入賃貸借契約中で,共同所有部分のメンテナンス経費を複数の部分に分割する割合について合意し,この法律第 109 条 4 項の規定に従って管理,使用する。
第 109 条 複数の所有者がいる共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費の管理,使用
- この法律第108条1項に規定されるメンテナンス経費については,投資家は,アパートメント又は共同住宅内のその他の面積部分の買主,購入賃借人から経費を徴収した日から 7 日以内に,この経費を管理するため,ベトナムで活動している与信組織で開設した預金口座に預け入れ,共同住宅の所在地の省級住宅管理機関に対し通知する責任を負う。
共同住宅の管理委員会が設立された日から 7 日以内に,投資家は,この法律の規定に従って管理,使用するため,メンテナンス経費及びその利息を管理委員会に対し引き渡し,省級住宅管理機関に対し通知する。投資家がこの経費を引き渡さない場合,共同住宅の管理委員会は,政府の規定に従って引き渡すのを投資家に強制するよう共同住宅の所在地の省級人民委員会に対し請求する権利を有する。
- この法律第 108 条に規定されるメンテナンス経費は,共同住宅の共同所有部分のメンテナンスのためにのみ使われ,共同住宅の管理運営及びその他の目的のために使用してはならない。共同住宅が解体されることになったが,メンテナンス経費が残っている場合,再定住の支援に使用し,又は再築された共同住宅の共同所有部分のメンテナンス基金に組み入れる。
- 共同住宅の管理委員会は,共同住宅の会議が毎年承認するメンテナンス計画に従い,メンテナンス経費を目的どおりに,メンテナンスが必要な項目どおりに管理,使用する責任を負う。共同所有部分のメンテナンス経費の使用は,財務請求書に基づき,財務に関する法令の規定に従い弁済,決算され,共同住宅の会議に対し報告しなければならない。
この条第 2 項及びこの項に反して経費の使用を決定した共同住宅の管理委員会の委員は,法律の規定に従い処分を受け,損害を賠償しなければならない。
- この法律第 108 条 5 項に規定されるメンテナンス経費の管理,使用は,以下のとおりである。
- 建物全体の共同所有部分及びアパートメント区域の共同所有部分のためのメンテナンス経費は,共同住宅の管理委員会が開設した口座に入金され,この条の規定に従い管理,使用される。
- 事業,役務区域の共同所有部分のためのメンテナンス経費は,事業,役務区域の所有者が,この機能区域の共同所有部分のメンテナンスのため,自ら管理,使用することができる。
第二節 共同住宅の改築,再築のための共同住宅の解体
第 110 条 共同住宅の改築,再築のために共同住宅を解体する場合
- この法律第 99 条 2 項 b 号の規定に従い共同住宅の改築,再築のために解体しなければならない共同住宅
- 破損しているものの解体しなければならない対象にはなっていないが,承認済みの建築企画に従い,この条第 1 項の規定により解体される対象住宅区と調和的に改築,建築する必要がある区域にある共同住宅
- この条第 1 項及び第 2 項に規定される対象でないが,所有者全員が共同住宅の会議で共同住宅の再築のために解体することを合意した共同住宅
第 111 条 共同住宅の改築,再築計画の策定
- 共同住宅の所在地の省級人民委員会は,管轄区域の各種共同住宅を点検し,統計を作成し,この法律第 110 条 1 項及び 2 項に規定される対象共同住宅の改築,再築計画を策定,承認する責任を負う。
- 共同住宅の改築,再築計画は個別に策定,承認し,又は地方の住宅開発計画中で確定され,地方のマスメディア,省級人民委員会,省級住宅管理機関のウェブサイト上で公開され,共同住宅の所在地に居住区,社級人民委員会に対し通知しなければならない。
第 112 条 共同住宅の改築,再築のための解体に関する要件
- 共同住宅の改築,再築のための解体は,この法律第 110 条に規定される場合で,承認済みの地方の建築企画及び住宅開発プログラム,計画に適合していなければならない。
- 共同住宅の改築,再築のために解体する前に,投資家は再定住計画案を策定し,共同住宅の所在地の省級人民委員会に報告して承認を得なければならない。
再定住計画案は,解体される共同住宅がある居住区に対し通知し,地方のマスメディア,省級人民委員会及び住宅管理機関のウェブサイト上で公開しなければならない。
- 共同住宅の改築,再築は,プロジェクトにより行わなければならない。共同住宅の改築,再築のために解体するときは,承認済みの建築企画に従いプロジェクトの区域内の住宅区の改築と連携していなければならない。
- 国有共同住宅を改築,再築する場合,権限を有する機関の承認を得,国有住宅の改築,再築に関する規定を遵守しなければならない。
第 113 条 共同住宅の改築,再築の形式
1. 不動産事業者は,共同住宅の改築,再築のために出資し,又はこの法律第
110 条に規定される共同住宅の所有者とともに出資する。ただし,この法律第 110 条 1 項及び 2 項に規定される共同住宅の所有者が解体を執行しない場合を除く。
2. この法律第 110 条 1 項及び 2 項に規定される共同住宅の所有者が解体を執行しない場合,国は強制的に解体し,この法律第 36 条 3 項に規定される資本又は形式により直接共同住宅の改築,再築の投資をする。
第 114 条 共同住宅の改築,再築プロジェクトの投資家
- 共同住宅の改築,再築プロジェクトの投資家の選定は,以下のとおりである。
- 国がこの法律第 36 条 3 項に規定される資本により共同住宅の改築,再築の投資をする場合,省級住宅管理機関は,投資決定権限を有する者に対し投資家の選定について報告して決定を得る。
- 国がこの法律第 36 条 3 項に規定される建築・移転形式により共同住宅の改築,再築の投資をする場合,省級住宅管理機関は,省級人民委員会に対し投資家の選定について報告して,投資家となるための登録をする投資家が二人以上いる場合は入札形式により,投資家となるための登録をする投資家が一人のみの場合は指名の形式により決定を得る。
- 不動産事業者が共同住宅の改築,再築に出資する場合,共同住宅の所有者と事業者は投資家となる組織について合意し,省級住宅管理機関に対し,省級人民委員会に報告して承認を得るよう要請する。
- 共同住宅の改築,再築プロジェクトの投資家の選定は,省級人民委員会が承認済みの共同住宅の改築,再築計画がある場合に限り行われる。
- この条第 1 項 b 号及び c 号に規定される共同住宅の改築,再築の投資家は,この法律第 21 条に規定される条件を満たさなければならない。
第 115 条 共同住宅解体時の再定住計画案
- 所有者が一人のみであるが,賃貸している共同住宅の場合,賃借人のための住宅の手配は,所有者と賃借人の合意により行われる。
- 所有者が複数であり,不動産事業者が出資している共同住宅の場合,共同住宅の所有者と事業者は,この法律第 116 条に規定される原則に従い再定住計画案について合意し,共同住宅の所在地の省級人民委員会に報告して承認を得る。
共同住宅の所有者は,共同住宅の所在地の省級人民委員会に報告して承認を得る前に,再定住計画案について合意するため共同住宅の会議を開かなければならない。
- この法律第 110 条 1 項及び 2 項に規定される共同住宅の所有者が解体を執行しない場合,住宅所在地の省級人民委員会は強制的に解体し,この法律第 116 条に規定される原則に従い再定住計画案を策定,承認する。
第 116 条 再定住用住宅の手配
- 共同住宅の改築,再築のために解体される共同住宅の所有者のための再定住の手配は,以下のとおりである。
- 所有者が同一の場所で再定住する需要を有しない場合,地方の具体的な状況に応じて,この法律第 36 条の規定に従い再定住住宅,土地の手配を受ける。
- 所有者が同一の場所で再定住する需要を有する場合,古い住宅の面積以上の面積の新たな住宅の手配を受ける。
国が共同住宅の改築,再築の投資をし,古い住宅と新たな住宅の価額に差がある場合,差額の清算は,承認済みの再定住計画案に従って行う。不動産事業者と所有者が共同住宅の改築,再築の投資について合意した場合,差額の清算は各当事者間の合意に従って行う。
- 住宅による再定住の手配は,国の投資によるときは,再定住の手配を受ける者と再定住の手配を委ねられた組織の間で住宅の賃貸借,購入賃貸借,売買契約を締結することにより行う。不動産事業者の建築投資によるときは,プロジェクトの投資家と締結する。
- この項の規定により再定住の手配を受けるほか,再定住の手配を受ける者は,賠償,支援,再定住に関する法令の規定による支援について審査を受けることができる。
- その他の施設を建築するために解体される共同住宅の所有者のための再定住の手配は,この法律第 36 条の規定に従って行う。
- 国が共同住宅の改築,再築の投資をする場合,プロジェクトの投資家は,再定住の手配を受ける者が改築,再築期間中居住することができるよう,一時的な居所を確保し,又は再定住者が自ら確保できるよう金員により清算する。不動産事業者と所有者が共同住宅の改築,再築の投資について合意する場合,各当事者は,改築,再築期間中の所有者の一時的居所について合意する。
- 政府は,共同住宅の改築,再築のため共同住宅の解体及び再定住の手配を受ける者のための住宅の手配について詳細を規定する。
第八章 住宅に関する取引
第一節 住宅の取引に関する総則
第 117 条 住宅取引の形式
住宅の取引は,住宅の売買,賃貸借,購入賃貸借,商業住宅の売買契約の移転,住宅の贈与,交換,相続,抵当権の設定,出資,使用貸借,寄宿及び管理の委任の形式からなる。
第 118 条 取引される住宅に関する条件
- 売買,購入賃貸借,贈与,交換,抵当権の設定,住宅による出資の取引の場合,住宅は以下の条件を満たさなければならない。
- 法令の規定に従った証明書がある。ただし,この条第 2 項に規定される場合を除く。
- 所有権について紛争,不服申立て,提訴がなされていない。期限付き住宅所有の場合,所有期間中である。
- 判決執行のため差し押さえられ,又は権限を有する国家機関の法的効力を生じた行政決定を執行するために差し押さえられていない。
- 権限を有する機関の土地回収決定の対象になっておらず,住宅の収去,解体の通知を受けていない。
この項 b 号及び c 号に規定される条件は,将来形成住宅の売買,購入賃貸借の場合には適用しない。
- 以下の住宅取引は,必ずしも証明書がなくてもよい。
- 将来形成住宅の売買,抵当権設定
- 組織による温情の家,感謝の家の贈与
- 国有住宅の売買,購入賃貸借;国有でない社会住宅,再定住用住宅の売買,購入賃貸借;この法律第 62 条 4 項に規定される住宅の売却
- 賃貸借,使用貸借,寄宿,管理の委任 đ) 住宅の相続
- 投資家から住宅の引渡しを受けたが,未だ権限を有する国家機関に対しその住宅の証明書の発給申請書を提出していない場合を含む,住宅建築投資プロジェクトで建築された商業住宅の売買契約の移転
この項に規定される取引対象住宅に関する証明書類は,政府が規定するところによる。
- 賃貸住宅の場合,この条第 1 項 b 号,c 号及び d 号に規定される条件のほか,住宅は,品質,賃借人の安全を確保し,電気,給排水システムの完備し,衛生環境を確保しなければならない。
第 119 条 住宅取引の当事者に関する条件
- 住宅の売主,賃貸人,購入賃貸人,商業住宅の売買契約の譲渡人,住宅の贈与者,交換人,被相続人,抵当権設定者,出資者,使用貸人,寄宿許諾人,管理の委任者は,以下の条件を満たさなければならない。
- 住宅の所有者,又は所有者からこの法律の規定及び民事に関する法令の規定に従い住宅取引の実施を許可,委任された者である。商業住宅の売買契約を譲り渡す場合,投資家の住宅を購入した者,又は住宅売買契約を譲り受けた者である。
- 個人であれば,民事に関する法令の規定に従い住宅取引を実施するための民事行為能力を有していなければならない。組織であれば,法人格を有しなければならない。ただし,組織が温情の家,感謝の家を贈与する場合を除く。
- 個人である住宅の買主,賃借人,購入賃借人,商業住宅の売買契約の譲受人,交換を受ける者,受贈者,相続人,出資受領者,担保権者,使用借人,寄宿人,管理の受任者は,以下の条件を満たさなければならない。
- 国内の個人であれば,民事に関する法令の規定に従い住宅取引を実施するための民事行為能力を有しなければならないが,必ずしも取引住宅の所在地に常住登録をしていなくてもよい。
- 外国の個人,海外定住ベトナム人であれば,ベトナムの法令の規定に従い住宅取引を実施するための民事行為能力を有しており,この法律の規定に従いベトナムにおいて住宅を所有することができる対象者でなければならないが,必ずしも取引住宅の所在地に一時居住又は常住登録をしていなくてもよい。
- 組織である住宅の買主,賃借人,購入賃借人,商業住宅の売買契約の譲受人,交換を受ける者,受贈者,相続人,出資受領者,担保権者,使用借人,寄宿人,管理の受任者は,法人格を有していなければならないが,事業登記の地,設立の地により区別しない。海外の組織である場合,この法律の規定に従いベトナムにおいて住宅を所有することができる対象者でなければならない。組織が住宅の管理を受任する場合,不動産役務の事業機能を有し,不動産事業に関する法令の規定に従いベトナムで活動していなければならない。
第 120 条 住宅取引の実施手順,手続
- 住宅取引の当事者は,この法律第 121 条に規定される内容を有する,住宅の売買,賃貸借,購入賃貸借,贈与,交換,抵当権設定,出資,使用貸借,寄宿,管理委任契約,又は商業住宅の売買契約の移転文書(以下「住宅に関する契約」と総称する)の作成について合意する。組織が温情の家,感謝の家を贈与する場合,贈与文書のみを作成すれば足りる。
- 各当事者は,一方当事者が権限を有する国家機関に対し住宅の所有権の発給申請書類を提出することができるよう合意する。プロジェクトの投資家の住宅を購入,購入賃借する場合,投資家は,権限を有する国家機関が買主,購入賃借人に証明書を発給するための手続をする責任を負う。ただし,買主,購入賃借人が自ら証明書の発給を申請する場合を除く。
- 権限を有する国家機関は,住宅及びその住宅がある土地の適法な使用権の買主,購入賃借人,受贈者,交換を受ける者,出資受領者,相続人に対し証明書を発給する際は,住宅の所有権を譲り受けた者に対し,同時に住宅の所有権及び土地の使用権を公認する。
第 121 条 住宅に関する契約
住宅に関する契約は,各当事者の合意により,以下の内容を含む文書にまとめられなければならない。
- 個人の氏名,組織の名称及び各当事者の住所
- 取引住宅の特徴とその住宅が付着する土地の特徴の描写。アパートメントの売買,購入賃貸借契約については,各当事者は,共同所有,共同使用部分;個別所有権に属する使用面積;アパートメントの建築床面;当初承認された設計の目的による共同住宅内の共同所有,共同使用部分の目的を明記しなければならない。
- 契約に価格に関する合意がある場合,出資価額,住宅の取引価格。国が価格について規定する住宅の売買,賃貸借,購入賃貸借の場合,各当事者は当該規定によらなければならない。
- 住宅の売買,賃貸者,購入賃貸借,売買契約の移転の場合,支払の期限及び方式
- 住宅の引渡期限;新たに建築投資される住宅の購入,購入賃借の場合は住宅の保証期間;住宅の賃貸借,購入賃貸借,抵当権設定,使用貸借,寄宿,管理の委任の期間;出資の期間
6. 各当事者の権利及び義務
- 各当事者の約束
- その他の合意
- 契約の効力発生時期
- 契約の署名年月日
- 各当事者の署名及び氏名。組織である場合,押印し(あれば),署名者の職位を明記しなければならない。
第 122 条 住宅に関する契約の公証,確証及び効力発生時期
- 住宅の売買, 贈与,交換,出資,抵当権設定,商業住宅の売買契約の移転の場合,契約の公証,確証を受けなければならない。ただし,この条第 2 項に規定される場合を除く。
この項に規定される取引については,契約の効力発生時期は,契約の公証,確証の時点である。
- 組織が温情の家,感謝の家を贈与する場合;国有住宅の売買,購入賃貸借;社会住宅,再定住用住宅の売買,購入賃貸借;,一方当事者が組織である住宅による出資;住宅の賃貸借,使用貸借,寄宿,管理の委任の場合,各当事者が希望する場合を除き,契約の公証,確証を実施しなくてもよい。
この項に規定される取引については,契約の効力発生時期は,各当事者の合意による。当事者間に合意がない場合,契約の効力発生時期は,契約締結の時点である。
- 住宅の相続文書は,民事に関する法令の規定に従い公証又は確証される。
- 住宅に関する契約の公証は,公証職業組織において実施される。住宅に関する契約の確証は,住宅所在地の社級人民委員会において実施される。
第二節 住宅の売買,住宅の売買契約の移転
第 123 条 住宅の売買,商業住宅の売買契約の移転取引
- 住宅の売買は,この法律第 121 条に規定される内容を有する契約書を作成してしなければならない。各当事者は,政府の規定に従い,一定の期間に限り,売主が買主に対し住宅を売却し,住宅が付着する土地の使用権を移転することについて合意することができる。
番人
「借地権付か。」
- 投資家の商業住宅の買主が未だ権限を有する国家機関に対しその住宅の証明書の発給申請書を提出しておらず,需要がある場合,住宅の売買契約を移転することができる。契約の譲受人は,投資家と締結した住宅の売買契約に基づく義務を完全に履行する責任を負う。
住宅売買契約の移転の手順,手続,移転文書の内容及び様式は,建設大臣の規定に従う。契約の譲渡人は,税,手数料に関する法令の規定に従い,税,手数料を納付しなければならない。
第 124 条 住宅の売買価格,商業住宅の売買契約の移転価格
住宅の売買価格,商業住宅の売買契約の移転価格は,各当事者の合意により,住宅の売買契約書,売買契約の移転文書に明記される。国が住宅の売買価格について規定する場合,各当事者はその規定に従わなければならない。
第 125 条 延べ払い,分割払いによる住宅の売買
- 延べ払い,分割払いによる住宅の売買は,各当事者の合意により,住宅の売買契約書,売買契約の移転文書に明記される。延べ払い,分割払いの期間中,買主は住宅を使用することができるが,自らメンテナンスを行う責任を負う。ただし,この法律の規定又は当事者間の合意による保証期間中の場合を除く。
- 延べ払い,分割払いによる住宅の買主は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,住宅の購入代金を全額支払った後にはじめて,この住宅の売買,贈与,交換,抵当権設定,出資の取引をほかの者とすることができる。
延べ払い,分割払いの期間中に買主が死亡した場合,適法な相続人は,住宅の買主の権利及び義務を引き継ぐことができ,売主に住宅の購入代金を全額支払った後に,権限を有する国家機関から証明書の発給を受けることができる。
- 住宅の買主が延べ払い,分割払いの期間中に購入した住宅の返還を希望し,住宅の売主の同意を得た場合,両当事者は,住宅の返還及び住宅の購入代金の清算の方式について合意する。
第 126 条 共同所有住宅の売買
- 共同所有住宅の売却は,所有者全員の同意を得なければならない。売却に同意しない所有者がいる場合,ほかの共同所有者は,裁判所に対し法令の規定に従い解決するよう請求することができる。共同所有者は,優先購入権を有し,共同所有者が購入しないときは,住宅はほかの者に売却される。
裁判所の失踪宣告を受けた共同所有者がいる場合,ほかの共同所有者は住宅を売却することができる。失踪宣告を受けた者の住宅の持分の価額は,法令の規定に従って処理される。
- 共同所有者が自己の持分を売却する場合,ほかの共同所有者は優先購入権を有する。住宅の持分の売却及び売却の条件について通知を受けて日から 30 日以内にいずれの共同所有者も購入しない場合,当該持分はほかの者に売却される。優先購入権に関する違反は,民事に関する法令の規定に従って処理される。
第 127 条 賃貸中の住宅の売買
1. 所有者が賃貸中の住宅を売却する場合,賃借人に対し,売却及び売却の条件について文書により通知しなければならない。賃借人は,賃貸人が賃貸住宅の売却を通知した時点まで,賃貸人に対し住宅の賃料を全額支払っている場合,優先購入権を有する。ただし,住宅が共同所有の場合を除く。賃借人が通知を受けた日から 30 日以内に購入しない場合,所有者はほかの者に売却することができる。ただし,期限について当事者間に別段の合意がある場合を除く。 2. 賃貸中の国有住宅を売却する場合は,この法律第六章第二節の規定に従う
第 128 条 住宅の先購入
各当事者が住宅売買契約を締結したが,国が国防,治安,国家の利益,公共の利益の目的で使用するため当該住宅を購入する需要を有する場合,省級人民委員会主席は,当該住宅の先購入決定を発行する。売買代金,支払の条件及び方式は,各当事者が締結した売買契約中の合意に従う。国は,各当事者に損害
を賠償する(あれば)。各当事者が締結した売買契約は,法的効力を生じない。
第三節 住宅の賃貸借
第 129 条 住宅の賃借期間及び賃料
- 住宅の賃貸人及び賃借人は,賃借期間,賃料及び定期又は一回払いによる賃料の支払方法について合意することができる。国が住宅の賃料について規定する場合,各当事者はその規定に従わなければならない。
- 住宅の賃借期間が満了していないが,賃貸人が住宅を改築し,賃借人の同意を得た場合,賃貸人は住宅の賃料を調整することができる。住宅の新たな賃料は,各当事者の合意による。合意することができない場合,賃貸人は,賃貸借契約を一方的に終了することができるが,賃借人に対し法令の規定に従い賠償しなければならない。
- 住宅の賃貸人及び賃借人は,住宅の賃借及び賃貸の過程で適法な権利及び利益を国により保護される。
第 130 条 共同所有住宅の賃貸借
- 共同所有住宅の賃貸は,その住宅の所有者全員の同意を得なければならない。ただし,共同所有者の自己の所有権に属する住宅部分を賃貸する場合を除く。
- 共同所有者は,住宅の賃貸借契約の締結を代表者に対し委任することができる。
第 131 条 住宅の賃貸借契約が終了する場合
- 国有住宅を賃貸借する場合,住宅の賃貸借契約は,この法律第 84 条 1 項に規定されるいずれかの場合に終了する。
- 国有以外の住宅を賃貸借する場合,住宅の賃貸借契約は,以下のいずれかの場合に終了する。
- 住宅の賃貸借契約の期間が満了した。契約中で期間を確定していない場合,契約は,住宅の賃貸人が住宅の賃借人に対し契約の終了について通知した日から 90 日後に終了する。
- 両当事者が契約の終了について合意した。
- 賃貸住宅が滅失した。
- 賃借人が死亡し,又は裁判所の失踪宣告を受け,死亡,失踪のときに同居している者がいない。
đ) 賃貸住宅が大破し,倒壊するおそれがある,又は権限を有する国家機関の土地の回収,住宅の収去,解体決定があった区域に属する。ほかの目的で使用するため,国が賃貸住宅を収用,徴用した。
賃貸人は賃借人に対し,この号に規定される住宅の賃貸借契約の終了について 30 日前に文書により通知しなければならない。ただし,当事者間に別段の合意がある場合を除く。
- この法律第 132 条の規定による終了
第 132 条 住宅の賃貸借契約の一方的終了
- 契約中の合意による賃借期間中,賃貸人は,住宅の賃貸借契約を一方的に終了し,賃貸している住宅を回収することはできない。ただし,この条第 2 項に規定される場合を除く。
- 賃貸人は,以下のいずれかに該当する場合,住宅の賃貸借契約を一方的に終了し,賃貸している住宅を回収することができる。
- 国有住宅,社会住宅の賃貸人が,この法律の規定による権限,対象者,条 件に反して賃貸をした。
- 賃借人が正当な理由なく 3 か月以上合意による住宅の賃料を支払わない。
- 賃借人が契約中で合意された目的どおりに住宅を使用しない。
- 賃借人が恣に賃借している住宅を破損,増築,改築,解体した。
đ) 賃借人が賃貸人の同意なく賃借している住宅を交換,使用貸,転貸した。
- 賃借人が秩序,衛生環境を乱し,周辺の市民の生活に重大に影響を与え,住宅の賃貸人又は町内会長,集落の長から三回にわたって注意を受けたが,依然として改善しない。
g) この法律第 129 条 2 項に規定される場合
- 住宅の賃借人は,住宅の賃貸人が以下のいずれかの行為をした場合,住宅の賃貸借契約を一方的に終了することができる。
- 住宅が大破したのに修繕しない。
- 住宅の賃料を不合理に増額する,又は合意に従い賃借人に事前に通知せずに,賃料を増額する。
- 第三者の利益により住宅の使用権が制限されるとき
- 住宅の賃貸借契約を一方的に終了する当事者は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,他方当事者に対し少なくとも 30 日前に通知しなければならない。この項の規定に違反して損害を与えた場合,法令の規定に従い賠償しなければならない。
第 133 条 住宅の賃借継続権
- 住宅の所有者が死亡したが,住宅の賃借期間が満了していない場合,賃借人は契約期間が満了するまで賃借を継続することができる。相続人は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,締結済みの住宅の賃借契約を履行する責任を負う。所有者に法令の規定による適法な相続人がいない場合,当該住宅は国の所有権に属し,住宅を賃借している者は,国有住宅の管理,使用に関する規定に従い賃借を継続することができる。
- 所有者が賃貸している住宅の所有権をほかの者に譲渡し,住宅の賃借期間が満了していない場合,賃借人は,契約期間が満了するまで賃借を継続することができる。新たな所有者は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,締結済みの住宅の賃貸借契約を履行する責任を負う。
- 賃借人が死亡したが,住宅の賃借期間が満了していない場合,賃借人と同居している者は,住宅の賃貸借契約の期間が満了するまで賃借を継続することができる。ただし,公務住宅の賃借の場合,又は当事者間に別段の合意があり,法令に別段の規定がある場合を除く。
第四節 社会住宅の購入賃貸
第 134 条 社会住宅の購入賃貸の手続
1. 社会住宅の購入賃貸は,この法律第 121 条に規定される内容を有する契約書を作成してしなければならない。組織,個人が建築投資した社会住宅の購入賃貸借の場合,購入賃貸借契約は 投資家と購入賃借人の間で締結される。国有社会住宅の購入賃貸借の場合,購入賃貸借契約の締結は,この法律第 83 条
2 項 a 号の規定に従う。
2. 契約による住宅の購入賃貸借期間が満了し,購入賃借人が合意に従い購入賃料全額を支払ったときは,購入賃貸人は,権限を有する国家機関に対し購入賃借人へ証明書を発給するよう申請を手続しなければならない。ただし,購入賃借人が自ら証明書の発給申請手続きをする場合を除く。
第 135 条 社会住宅の購入賃借人の権利及び義務
1. 社会住宅の購入賃借人は,この法律第 62 条の規定に従い,住宅購入賃貸借契約中で合意したその他の義務を履行しなければならない。
購入賃借人が住宅の引渡しを受けたが,購入賃貸借契約が終了した場合,購入賃借人は,この住宅を購入賃貸人に返還しなければならない。購入賃借人は,初回に支払った金員の返還を受けることができる。ただし,この法律第 84 条1 項 e 号及び h 号並びに第 136 条 2 項に規定される場合を除く。
2. 購入賃借人が死亡した場合,以下のとおり処理する。
- 適法な相続人がその住宅で同居している場合,当該適法な相続人は購入賃借を継続することができる。ただし,適法な相続人が自主的に購入賃借住宅を返還する場合を除く。
- 適法な相続人がいるもののその住宅で同居しておらず,住宅の購入賃借人が購入賃貸借期間の三分の二を履行した場合,当該適法な相続人は,残りの購入賃借期間に対応する金員を支払い,権限を有する国家機関から住宅の証明書の発給を受けることができる。
- 適法な相続人がいるが,この項 a 号及び b 号の規定に当たらない場合,購入賃貸人は,その住宅を回収することができ,適法な相続人は,購入賃借人が初回に支払った金員に返還の時点の銀行間の無期限の金利に関する規定による利息を付して返還を受けることができる。
- 適法な相続人がいない場合,購入賃借人が初回に支払った金員は国庫に属し,購入賃貸人は購入賃貸住宅を回収し,この法律の規定により社会住宅を賃借,購入賃借することができる者と賃貸借,購入賃貸借契約を締結することができる。
第 136 条 購入賃貸借契約が終了する場合及び購入賃貸社会住宅の回収
- 国有社会住宅の購入賃貸借の場合,購入賃貸借契約の終了及び住宅の回収は,この法律第 84 条 1 項 a 号,b 号,c 号,e 号,g 号及び h 号に規定されるいずれかの場合に行われる。
- 国有でない社会住宅の購入賃貸借の場合,購入賃貸人は,以下のいずれかの場合,購入賃貸借契約を終了し,購入賃貸している住宅を回収することができる。
- 購入賃借人が購入賃借期間中に恣に購入賃貸住宅をほかの者に対し賃貸又は売却した。
- 購入賃借人が正当な理由なく 3 か月以上合意による賃料をしはらわない。
- 購入賃借人が恣に購入賃借中の住宅を破損,増築,改築,解体した。
- 購入賃借人が購入賃貸借契約中で合意された目的どおりに住宅を使用しない。
đ) この法律第 135 条 2 項 d 号に規定される場合 e) 各当事者の合意によるその他の場合
- この条第 1 項に規定される対象でない社会住宅の購入賃借人は,契約中の合意に従い購入賃貸借契約を終了することができる。住宅の引渡しを受けている場合,住宅を購入賃貸人に返還しなければならない。
第五節 住宅の贈与
第 137 条 共同所有住宅の贈与
- 合一共同所有に属する住宅を贈与する場合,共同所有住宅の所有者全員の文書による同意を得なければならない。
- 共同所有住宅を部分により贈与する場合,所有者は自己の所有権に属する住宅部分のみを贈与することができ,共同所有住宅のほかの所有者の適法な権利及び利益に影響を与えてはならない。部分の贈与を受けた後,住宅の新たな所
有者は,ほかの共同所有者の適法な権利及び利益に影響を与えてはならない。
第 138 条 賃貸中の住宅の贈与
- 賃貸中の住宅の所有者は,賃借人に対し住宅の贈与について事前に文書により通知しなければならない。
- 当事者間に別段の合意がある場合を除き,賃借人は贈与者と締結した住宅の賃貸借契約の期間が満了するまで引続き住宅を賃借することができる。
第六節 住宅の交換
第 139 条 共同所有住宅の交換
- 合一共同所有に属する住宅を交換する場合,共同所有住宅の所有者全員の同意を得なければならない。
- 共同所有住宅を部分により交換する場合,所有者は,自己の所有権に属する住宅部分のみ交換することができ,共同所有住宅のほかの所有者の適法な権利及び利益を影響与えてはならない。共同所有部分の交換を受けた後,新たな所
有者は,ほかの共同所有者の適法な権利及び利益に影響を与えてはならない。
第 140 条 賃貸中の住宅の交換
- 賃貸中の住宅の所有者は,賃借人に対し住宅の交換について事前に文書により通知しなければならない。
- 当事者間に別段の合意がある場合を除き,賃借人は前の所有者と締結した住宅の賃貸借契約の期間が満了するまで引続き住宅を賃借することができる。
第 141 条 差額の清算
住宅を交換し,相互に所有権を譲渡する際,住宅の価額に差があるときは,当事者間に別段の合意がある場合を除き,住宅を交換する各当事者は差額を清算しなければならない。
第七節 住宅の相続
第 142 条 合一共同所有に属する住宅の相続
合一共同所有に属する住宅で,相続者が一人である,又は共同所有に属する住宅の残りの所有者である場合,これらの者は,遺言又は法律に従い,当該住宅を相続することができる。合一共同所有に属する住宅の所有者でない相続人がいる場合,当事者間に別段の合意がある場合を除き,相続人は,相続することができる住宅の価額部分の清算を受けることができる。
第 143 条 持分のある共同所有住宅の相続
持分のある共同所有住宅の場合,被相続人の住宅持分は,遺言又は法令に従い相続人に分割される。住宅を売却して代金を分割する場合,相続人は優先的に購入することができ,相続人が購入しない場合,共同所有住宅のほかの所有者が当該住宅の相続部分を優先的に購入することができ,相続人に購入した住宅の価額を支払う。
第八節 住宅の抵当
第 144 条 住宅の抵当権設定者及び抵当権者
- 組織である所有者は,ベトナムで活動している与信組織のために住宅に抵当権を設定することができる 。
- 個人である所有者は,法令の規定に従い,ベトナムで活動している与信組織,経済組織又は個人のために住宅に抵当権を設定することができる。
第 145 条 共同所有住宅の抵当
共同所有住宅の抵当は,共同所有住宅の部分の抵当を除き,共同所有住宅の各所有者の文書による同意を得なければならない。合一共同所有に属する住宅の所有者は,民法典の規定に従い,住宅抵当権設定者の義務の履行について連帯して責任を負う。
第 146 条 賃貸中の住宅の抵当
- 住宅の所有者は,賃貸中の住宅に抵当権を設定することができるが,賃借人に対し抵当権の設定について事前に文書により通知しなければならない。賃借人は,住宅の賃貸借契約の期間が満了するまで引続き住宅を賃借することができる。
- 賃借中の住宅が抵当権設定者の義務を履行するために処分される場合,住宅の賃借人は,契約が満了するまで引続き賃借することができる。ただし,賃借人がこの法律第 132 条 2 項の規定に違反した場合,又は当事者間に別段の合意がある場合を除く。
第 147 条 住宅建築投資プロジェクトの抵当及び将来形成住宅の抵当
- 住宅建築プロジェクトの投資家は,ベトナムで活動している与信組織のために,プロジェクト又はプロジェクトで建築される住宅に抵当権を設定して,プロジェクトに投資し,又は住宅を建築するために借入れをすることができる。投資家が住宅に抵当権を設定しているが,住宅に関する法令の規定に従い住宅を分割するために出資を調達する需要がある,又は住宅を売却,購入賃貸する需要がある場合,出資調達契約,顧客との売買,購入賃貸借契約を締結する前に,住宅の抵当を解除しなければならない。ただし,出資者,住宅の買主,購入賃借人及び抵当権者が同意する場合を除く。
この項の規定に従い出資調達契約,顧客との売買,購入賃貸借契約を締結する前に住宅の抵当が解除されたことの確認は,住宅所在地の省級住宅管理機関の住宅が売却条件を備えていることの通知書中に明記される。
- 自己の適法な土地上に将来形成住宅を建築する組織,個人;投資家の住宅建築投資プロジェクトの将来形成住宅を購入する組織,個人は,住宅を建築し,又は住宅を購入するために,ベトナムで活動している与信組織のために当該住宅に抵当権を設定することができる。
第 148 条 住宅建築投資プロジェクトの抵当及び将来形成住宅の抵当に関する条件
- 住宅建築投資プロジェクトの抵当,将来形成住宅の抵当の条件は,以下のとおりである。
- 投資家が住宅建築投資プロジェクトの一部又は全部に抵当権を設定する場合,承認済みのプロジェクト記録,プロジェクトの技術設計及び権限を有する国家機関の証明書又は土地交付,土地賃貸決定がある。
- 投資家がプロジェクトで建築される将来形成住宅に抵当権を設定する場合,この項 a 号に規定される条件のほか,抵当住宅は建築に関する法令の規定に従い基礎の建設が完了していなければならず,この項 a 号の規定によるプロジェクトの一部又は全部の範囲に属していない。
- 組織,個人がこの法律第 147 条 2 項に規定される住宅に抵当権を設定する場合,土地に関する法令の規定に従い適法な土地使用権証明書があり,建築許可証が必要な場合は建築許可証がなければならない。
住宅建築投資プロジェクトの投資家の住宅を購入して将来形成住宅に抵当権を設定する場合,投資家と締結した住宅の売買契約書があり,住宅の売買契約の譲受人であるときは規定による住宅の売買契約の移転文書があり,売買契約中で合意された進度に従って投資家に住宅の代金を支払ったことを証明する文書があり,売買契約又は売買契約の移転について不服申立て,提訴,紛争があってはならない。
- 住宅建築投資プロジェクトの抵当及び将来形成住宅の抵当は,この法律の規定に基づく場合に限り実施することができる。住宅建築投資プロジェクト又は将来形成住宅である財産の抵当がこの法律の規定に反する場合,法的効力を生じない。
第 149 条 抵当住宅,抵当住宅建築投資プロジェクトの財産の処分
- 将来形成住宅の抵当の処分を含む住宅である担保財産の処分は,この法律,民事に関する法令及び関連法令の規定に従って行う。
- 住宅建築投資プロジェクトである抵当財産の処分は,民事に関する法令及び関連法令の規定に従って行う。プロジェクトを譲り受ける組織,個人は,この法律の規定によるプロジェクトの投資家となる条件を満たし,不動産事業に関する法令の規定に従いプロジェクトの譲渡について権限を有する国家機関に登録しなければならない。
第九節 住宅による出資
第 150 条 住宅による出資の条件,手続
- 住宅の所有者,又は商業住宅を建築するプロジェクトの投資家は,法令が当該住宅における事業を禁止していない分野で事業を営むため,住宅により出資することができる。住宅による出資は,この法律第 121 条に規定される内容を有する契約により行わなければならない。
- 出資する住宅は,既在住宅であり,この法律第 118 条 1 項に規定される条 件を満たさなければならない。
第 151 条 共同所有住宅による出資
- 共同所有住宅による出資は,共同所有者全員の同意を得なければならない。
- 共同所有住宅の所有者は,住宅による出資契約に署名し,又は住宅による出資契約に署名する代表者の選出について文書により合意することができる。
第 152 条 賃貸中の住宅による出資
- 賃貸中の住宅の所有者は,賃借人に対し住宅による出資について事前に文書により通知しなければならない。
- 賃借人は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,出資者と締結した住宅の賃貸借契約の期間が満了するまで引続き住宅を賃借することができる。
第十節 住宅の使用貸借,寄宿
第 153 条 共同所有住宅の使用貸借,寄宿
- 合一共同所有に属する住宅の使用貸借,寄宿の許諾は,その住宅の所有者全員の同意を得なければならない。持分のある共同所有住宅の所有者である場合,自己の所有部分を使用貸し,寄宿を許諾することができるが,ほかの共同所有者の適法な権利に影響を与えてはならない。住宅の使用貸人,寄宿許諾者は,この法律第 154 条の規定及び契約中の合意に従い契約が終了するときは,住宅を取り戻し,寄宿の許諾を終了することができる。
- 共同所有住宅の所有者は,代表者に対し住宅の使用貸借,寄宿契約への署名を委任することができる。
第 154 条 住宅の使用貸借,寄宿が終了する場合
- 使用貸借,寄宿の期間が満了した。
- 使用貸借,寄宿している住宅が滅失した。
- 住宅の使用借人,寄宿舎が死亡し,又は裁判所の失踪宣告を受けた。
- 使用貸借,寄宿している住宅が倒壊するおそれがあり,又は権限を有する国家機関の収去,解体又は土地回収決定を受けた。
- 各当事者の合意による。
第十一節 住宅管理の委任
第 155 条 住宅管理の委任の範囲,内容
- 住宅管理の委任とは,住宅の所有者がほかの組織,個人に対し,委任期間中,住宅の管理,使用に関する住宅の所有者の権利の行使,義務の履行を委任することをいう。住宅管理の委任は,既在住宅に限りすることができる。
- 住宅の管理,使用の委任の内容,期間は 各当事者の合意により,委任契約中に明記される。当事者間に委任期間に関する合意がない場合,委任契約は,委任契約書に署名した日から 1 年間効力を有する。
- 住宅管理の委任者は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,管理費用を支払わなければならない。
第 156 条 共同所有住宅の管理委任
- 合一共同所有に属する住宅の管理委任は,共同所有住宅の所有者の同意を得なければならない。持分のある共同所有住宅の所有者は,自己所有部分の管理を他人に委任することができるが,ほかの共同所有者の権利に影響を与えてはならない。
- 共同所有住宅の所有者は,ほかの所有者に対し住宅管理の委任について通知する責任を負う。ただし,住宅管理の委任を受けた者が同時に当該住宅の共同所有者である場合を除く。
第 157 条 住宅管理委任契約が終了する場合
- 委任契約の期間が満了した。
- 委任した内容が実施された。
- 管理を委任した住宅が滅失した。
- 委任者又は受任者は,この法律第 158 条の規定に従い,住宅管理委任契約を一方的に終了することができる。
- 住宅管理の委任者又は受任者が死亡した。
- 住宅管理の受任者が裁判所の失踪宣告,又は民事行為能力喪失宣告を受けた。
- 各当事者の合意による。
第 158 条 住宅管理委任契約の一方的終了
- 住宅管理の委任者は,以下のいずれかの場合,委任契約を一方的に終了することができる。
- 委任が管理費用付きのときは,委任者は受任者に対し委任契約の一方的終了について事前に通知しなくてよいが,受任者に対し受任者が実施した業務に対応する管理費用を支払い,損害を賠償しなければならない。
- 委任が管理費用付きでないときは,当事者間に別段の合意がある場合を除き,委任者は受任者に対し委任契約の一方的終了について少なくとも 30 日前に通知しなければならない。
- 受任者は,以下のいずれかの場合,委任契約を一方的に終了することができる。
- 委任が管理費用付きのときは,委任者に対し委任契約の一方的終了について事前に通知しなくてよいが,損害を賠償しなければならない(あれば)。
- 委任が管理費用付きでないときは,当事者間に別段の合意がある場合を除き,受任者は委任者に対し委任契約の一方的終了について少なくとも 30 日前に通知しなければならない
- 委任者及び受任者は,住宅管理委任契約の一方的終了について関連を有するする第三者に通知しなければならない。
第九章 外国の組織,個人のベトナムにおける住宅所有権
第 159 条 ベトナムにおいて住宅を所有することができる外国の組織,個人の対象者及び住宅の所有形式
- ベトナムにおいて住宅を所有することができる外国の組織,個人は,以下のとおりである。
- この法律及び関連法令の規定に従いベトナムにおいてプロジェクトによる住宅の建築投資をする外国の組織,個人
- 非内国企業,外国企業の支店,駐在事務所,外国投資基金及びベトナムで活動している外国銀行の支店(以下「外国組織」と総称する)。
- ベトナムへ入国できる外国の個人。
- 外国の組織,個人は,以下の形式によりベトナムにおいて住宅を所有することができる。
- この法律及び関連法令の規定に従いベトナムにおいてプロジェクトによる住宅の建築投資をする。
- 住宅建築投資プロジェクトのアパートメント及び個別住宅を含む商業住宅の購入,購入賃借,受贈,相続。ただし,政府の規定による国防,治安保障区域を除く。
第 160 条 ベトナムにおいて住宅を所有することができる外国の組織,個人の条件
- この法律第 159 条 1 項 a 号に規定される外国の組織,個人については,投資証明書を有し,この法律及び関連法令の規定に従ったプロジェクトにより建築される住宅を有しなければならない。
- この法律第 159 条 1 項 b 号に規定される外国の組織については,ベトナムの権限を有する国家機関から発給を受けた投資証明書,又はベトナムにおける活動を許可する書類(以下「投資証明書」と総称する)を有しなければならない。
- この法律第 159 条 1 項 c 号に規定される外国の個人は,ベトナムへの入国を許可されており,法令の規定による外交,領事特権,免責を享受する対象者でない。
- 政府は,ベトナムにおいて住宅を所有することができる外国の組織,個人の対象者,条件の証明書類について詳細を規定する。
第 161 条 外国の組織,個人である住宅所有者の権利
1. この法律第 159 条 1 項 a 号に規定される外国の組織,個人は,この法律第
10 条の規定に従い所有者の権利を行使することができる。借地上に住宅を建築する場合,住宅の賃貸に限りすることができる。
2. この法律第 159 条 1 項 b 号及び c 号に規定される外国の組織,個人は,ベトナム国民と同一の住宅所有者の権利を有するが,以下の規定を遵守しなければならない。
- 共同住宅の一つの建物内のアパートメントの数の 30 パーセントを超えない限度で,購入,購入賃借,受贈,相続及び所有することができる。別荘,連結住宅を含む個別住宅については,一つの坊級行政単位と同等の人口の一つの区域内では,250 軒を超えない限度で購入,購入賃借,受贈,相続及び所有することができる。
一つの坊級行政単位と同等の人口を有する一つの区域に複数の共同住宅がある,又は一つの通りに個別住宅がある場合,政府は,外国の組織,個人が購入,購入賃借,受贈,相続及び所有することができるアパートメントの数,個別住宅の数を具体的に規定する。
- この法律第 159 条 2 項 b 号に規定されない住宅を受贈,相続する場合,又はこの項 a 号に規定される住宅数を超える場合,当該住宅の価額のみを享受することができる。
- 外国の個人については,住宅の売買,購入賃貸借,贈与契約の取引,相続における合意により住宅を所有することができるが,最長でも証明書の発給を受けた日から 50 年を超えず,需要があれば,政府の規定に従い期限を延長することができる。住宅の所有期限は証明書に明記される。
外国の個人がベトナム国民又は海外定住ベトナム人と結婚した場合,住宅を安定的,長期的に所有することができ,ベトナム国民と同一の所有者の権利を有する。
- 外国の組織については,住宅の売買,購入賃貸借,贈与契約の取引,相続における合意により住宅を所有することができるが,最長でも,延長した期限も含め,当該組織に対して発給された投資証明書に記載された期限を超えない。住宅の所有期限は証明書の発給を受けた日から算定され,証明書に明記される。
đ) この法律の規定による住宅の所有期限が到来する前に,所有者は,ベトナムのおいて住宅を所有することができる対象者に対し贈与又は売却することができる。住宅の所有期限を経過したが,所有者が売却,贈与しない場合,当該住宅は国有となる。
第 162 条 外国の組織,個人である所有者の義務
1. この法律第 159 条 1 項 a 号に規定される外国の組織,個人は,この法律第
11 条の規定に従い所有者の義務を負う。
2. この法律第 159 条 1 項 b 号及び c 号に規定される外国の組織,個人は,ベトナム国民と同一の義務を負うが,以下の規定を遵守しなければならない。
- 外国の個人である所有者は,法令が禁止していない目的で使用するために住宅を賃貸することができるが,住宅を賃貸する前に,所有者は,建設大臣の規定に従い,住宅所在地の県級住宅管理機関に対し住宅の賃貸について文書により通知し,法令の規定に従い,住宅の賃貸について納税しなければならない。
外国の個人がベトナム国民又は海外定住ベトナム人と結婚した場合,ベトナム国民と同一の義務を負う。
- 外国の組織である所有者は,当該組織で勤務している者の居住のためにのみ住宅を使用することができ,住宅を賃貸し,事務所とし,又はその他の目的で使用してはならない。
- ベトナムで活動している与信組織を通じて住宅の購入代金,購入賃料を支払う。
第十章 住宅に関する情報システム及びデータベース
第 163 条 住宅に関する情報システム
住宅に関する情報システムは,以下のものからなる。
- 住宅情報技術インフラストラクチャ
- オペレーティングソフトウェア,システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアシステム
- 住宅に関するデータベース
第 164.条 住宅に関するデータベース
- 住宅に関するデータベースは,中央から地方まで統一的に建築,運用されなければならならず,土地に関するデータベース及び情報と連携する。
- 住宅に関するデータベースは,以下のものからなる。
- 住宅に関する法規範文書の体系に関するデータベース
- 住宅開発プログラム,計画,住宅に関する調査,統計,住宅建築投資プロジェクトに関する基本情報,住宅の数量,種別,住宅の面積,住宅建築投資用土の面積を含む住宅開発に関するデータベース
- 住宅の管理,使用過程における変動に関するデータベース d) 住宅に関するその他のデータベース
- 10 年に一度定期的に,政府は住宅の調査,統計を全国の人口総調査とともに行う。国家の人口及び住宅の調査,統計の期間中,政府は,住宅に関する政策の策定の基礎とするため住宅に関する調査,統計を行う。
- 住宅に関する基本統計の指標は,国家の総合統計指標に反映されなければならない。
- 住宅に関する調査,統計の経費は,国家の予算から確保される。
第 165 条 住宅に関する情報システム及びデータベースの構築権限,責任
- 建設省は,国家住宅情報システム,データベースを構築し,管理,活用する責任を負う。各省庁及び省級人民委員会は,建設省が国家住宅情報システムを更新することができるよう住宅に関するデータの提供に協力する責任を負う。
- 省級人民委員会は,地方の住宅に関する情報システム及びデータベースを構築,管理,活用し,住宅に関する情報とその住宅が付着する土地に関する情報の公開性,統一性を確保する責任を負う。
- 国は,住宅に関する情報システム及びデータベースを構築,運営,維持するための予算を手配する。建設省は,このシステムの構築,管理,運営,維持するための予算について政府首相に提案する。
- 政府は,住宅に関するデータベースの構築,構造,統計する情報,指標及び住宅に関する情報システム及びデータベースの管理,運営,活用について詳細を規定する。
第 166 条 住宅に関する情報及びデータベースの管理,開発
- 住宅に関するデータベースは厳密に管理され,効果的に,目的どおりに活用,使用しなければならない。
- 権限を有する機関が提供する住宅に関するデータベース内の情報は,紙の記録,文書と同一の法的価値を有する。
- この条第 4 項に規定される住宅に関するデータベース及び情報の管理機関は,組織,個人が必要なときは所定の手順,手続に従って住宅に関する情報を活用,使用することができるよう条件を整備しなければならない。
組織,個人は,必要なときは,住宅に関する情報の提供を受けることができ,規定による情報活用使用経費を納付しなければならない。ただし,権限を有する国家機関の請求により,国家管理業務,法令違反行為の調査,検証,処分に資するため情報を提供する場合を除く。
- 建設省は,全国の住宅に関するデータベース及び情報を統一的に管理する。省級,県級住宅管理機関は,管轄区域の住宅に関するデータベース及び情報を管理する。
第十一章 住宅に関する国家管理
第 167 条 住宅に関する国家管理の内容
- 住宅開発,管理の戦略,提案,プログラム,計画を策定し,実施を指導する。
- 住宅に関する法規範文書,住宅の開発,管理のための機制,政策を発行し,実施する。
- 技術,住宅の分類及び住宅の品質管理に関する基準,規格を策定し,発行する。
- 住宅建築プロジェクトの投資方針を決定し,住宅建築投資プロジェクトを査定,承認,調整し,実施を停止をする。
- 住宅に関する記録を管理し;国有住宅を管理し,住宅建築投資プロジェクトを管理する。
- 調査,統計し,住宅に関するデータベース及び情報システムを構築,管理,運営,活用し,住宅に関する情報を提供する。
- 住宅分野における科学技術を研究,応用し,法令に関する知識を普及する。
- 住宅の開発及び管理のための人材を養成し,研修を行う。
- 住宅に関する公的役務活動を管理する。
- 共同住宅の管理運営の専門的知識,技能の教育,研修施設を公認し;共同住宅の管理運営に関する研修コースの修了証明書を発給し;共同住宅の格付けを公認し;住宅分野における専門的知識,技能の研修証明書を発給,回収する。
- 住宅分野について案内,促進,検査し,不服申立て,紛争,告訴告発を解決し,違反を処理する。
- 住宅分野について国際協力をする。
第 168 条 国家住宅開発戦略の策定
- 時期ごとの国土の経済・経済開発戦略に基づき,建設省は,時期ごとの国家住宅開発戦略を策定し,政府首相に提出して承認を受ける責任を負う。
- 国家住宅開発戦略は,以下の内容からなる。
- 住宅開発の観点
- 最低住宅面積,都市,農村及び全国の一人当たりの住宅面積,各種別の住宅の開発の比率;住宅について困難を抱える対象者のための社会住宅の面積の需要を含む住宅開発の目標
- 住宅開発のための任務及び解決策。その中で社会住宅政策の享受対象者ごとの住宅開発目標プログラムを明確に確定する。
- 住宅の開発及び管理に関する中央機関及び省級人民委員会の責任 đ) その他の関連する内容
- 都市,農村及び全国における一人当たりの平均住宅面積;住宅の数;新築住宅床面積;住宅の品質;住宅について困難を抱え国の住宅に関する支援を受ける対象者を含む国家住宅開発戦略中の住宅開発に関する基本指標は,時期ごとの国の経済・社会発展開発ミッションに反映されなければならない。
第 169 条 住宅開発プログラム,計画の評決,承認
- 地方の住宅開発プログラム,計画の評決,承認は,以下のとおり行う。
- 中央所轄都市については,都市人民委員会がこの法律第 15 条の規定に従い住宅開発プログラムを策定し,同級の人民評議会に評決のため提出する前に,建設省の意見を聴取しなければならない。都市人民委員会は,同級の人民評議会が評決した後に,プログラムを承認して実施展開する。
建設省の意見を聴取する内容は,住宅建築の企画,土地の手配;対象者ごとの再定住計画案,一人当たりの平均住宅面積;建築投資が必要な住宅の数,面積,種別ごとの比率;投資資金の予定;住宅開発に関する優遇措置;住宅開発プログラムの実施展開に関する関係機関の責任を含む。
- 省については,省人民委員会がこの法律第 15
条の規定に従い住宅開発プログラムを策定して同級の人民評議会に評決のため提出する。
- 承認済みの住宅開発プログラムに従い,省級人民委員会は,この法律第
15 条の規定に従い管轄区域の住宅開発計画を策定,承認する責任を負う。計画に住宅開発のための予算の使用を記載する場合,承認する前に同級の人民評議会の意見を聴取しなければならない。
- 地方の住宅開発プログラム,計画の構築の手順,手続及び内容は,政府の規定に従う。
第 170 条 住宅建築プロジェクトの投資方針の決定
- 公投資資本による再定住用住宅,社会住宅,公務住宅の建築投資プロジェクトは,プロジェクトを策定,承認する前に,公投資法の規定に従いプロジェクト投資方針を決定する。投資プロジェクトが中央資本による場合,建設省の査定意見を聴取しなければならない。投資プロジェクトが地方資本による場合,省級住宅管理機関の査定意見を聴取しなければならない。
- 投資法の規定により投資方針決定の対象となるその他の住宅建築プロジェクトについては,投資法の規定に従う。投資法の規定により投資方針決定の対象外のプロジェクトについては,政府の規定に従い投資方針を承認する。
第 171 条 住宅建築プロジェクトの投資方針承認申請記録
- この法律第 170 条 1 項に規定される場合,投資法による投資方針承認申請記録のほか,この条第 2 項 a 号及び b 号に規定される書類がなければならない。
- 投資法の規定により投資方針を決定する場合,投資法の規定による投資方針承認申請記録のほか,以下の書類を提出しなければならない。
- 住宅建築プロジェクトの方針承認申請書。申請書には,承認が必要な法的根拠,内容及び承認を申請する理由を明記する。
- 権限を有する国家機関が承認したプロジェクトを行う区域の詳細企画図
第 172 条 住宅分野における科学技術の研究,応用及び国際協力
- 国は,住宅の開発及び管理の要求に資するため,科学技術の研究,応用及び国際協力を奨励する政策をとり,条件を整備する。
- 国は,品質,進度を保証し,エネルギーを節約した住宅の建築及び建築費の削減のため,新たな科学技術,新たな資材の応用の経費を支援する。
第 173 条 住宅の開発,管理に関する専門的知識,技能の教育,研修
- 各級,部門の住宅の管理,開発分野で勤務する公務員,職員は,住宅の開発,管理に関する専門的知識,技能の教育,研修コースに参加しなければならない。共同住宅の管理運営組織において管理,経営,勤務する個人は,共同住宅の管理運営に関する専門的知識、技能の教育,研修コースに参加し,建設大臣の規定によるコースの修了証明書を有しなければならない。
- 建設大臣は,全国の住宅の開発,管理分野で勤務する公務員,職員に対する住宅の開発,管理に関する専門的知識,技能の教育,研修のプログラム及び内容を規定する。
第 174 条 住宅に関する国家管理機関
- 政府は,全国で統一的に住宅の国家管理を行う。
- 建設省は,政府が全国で統一的に住宅の国家管理を行うことについて責任を負う。
- 関係省庁は,自己の機能,任務,権限の範囲内で住宅の国家管理を行い,建設省と協力して住宅に関する法令の規定を執行する。
- 各級の人民委員会は,この法律の規定及び政府の権限分配に従い管轄区域で住宅の国家管理を行う。
第 175 条 建設省の責任
- 住宅の法規範文書,開発戦略,提案,プログラム,計画の策定を主管し,政府,政府首相に提出する。
- 権限に従い住宅に関する法規範文書を発行し,執行する。技術,住宅の分類の基準,規格;社会住宅,再定住用住宅,国有住宅の賃料,購入賃料,売却代金の確定方法,形式;社会住宅,再定住用住宅,国有住宅の売買,賃貸借,購入賃貸借契約の内容,様式を規定する。
- 各中央所轄都市の住宅開発プログラムについて意見を述べる。中央機関の公務住宅開発計画を査定して政府首相に提出する。住宅建築プロジェクトの投資方針を査定する。この法律の規定に反する住宅建築投資プロジェクトの実施を調整又は停止する。
- 中央機関の国有住宅を管理し,住宅に関する記録を保管する。
- 調査,統計を行い,住宅に関するデータベース及び情報システムを構築し,管理,運営,活用し,国家住宅データベースの情報を提供する。
- 住宅分野における科学技術の研究,応用,法律知識の普及を組織する。
- 住宅の開発,管理に関する専門的知識,技能の教育,研修を組織し,共同住宅の管理運営の専門的知識,技能の教育,研修施設を公認し,共同住宅の管理運営に関する研修コースの修了証明書の発給について規定し,住宅の格付けについて規定し,公認する。
- 住宅分野について案内,督促,検査し,不服申立て,紛争,告訴告発を解決し,違反を処理する。
- 住宅分野における国際協力を行う。
- この法律に規定される,又は政府,政府首相から委ねられた住宅分野におけるその他の義務を履行する。
第 176 条 住宅の査察
- 建設省,建築局に属する建築査察官は,住宅の開発及び管理,使用に関わる組織,世帯,個人に対し住宅に関する行政査察及び専門査察を実施する。
- 住宅に関する専門査察は,以下のものからなる。
- 住宅の開発及び管理,使用に関する組織,世帯,個人の法令遵守の査察
- 住宅に関する法令違反を発見,防止し,権限に基づいて処理し,又は権限を有する国家機関に建議する。
- 建設省は,全国で住宅に関する専門査察を指導し,実施する責任を負う。建築局は,地方で住宅に関する専門査察を実施する責任を負う。
- 政府はこの条について詳細を規定する。
第十二章
住宅に関する紛争,不服申立て,告訴告発の解決及び法律違反の処理
第一節 住宅に関する紛争,不服申立て,告訴の解決
第 177 条 住宅に関する紛争の解決
- 国は,各当事者が住宅に関する紛争を和解により解決することを奨励する。
- 組織,個人の所有する住宅の所有権,使用権に関する紛争,住宅に関する契約,共同住宅の管理運営契約に関する紛争は,人民裁判所が法令の規定に従って解決する。
- 国有住宅の管理,使用についての紛争は,地方の管理下の住宅が省級人民委員会により処理され,中央機関下の管理住宅が建設省により処理される。省級人民委員会または建設省の決定に同意しない場合,行政手続上の法律の規定に従って人民裁判所に申し立てることができる。
- 共同住宅の管理運営経費,共同住宅の共同所有部分のメンテナンス経費の管理,使用に関する紛争は,住宅所在地の省級人民委員会が解決する。省級人民委員会の決定に同意しない場合,行政訴訟に関する法令の規定に従い人民裁判所に訴えを提起することができる。
第 178 条 住宅に関する不服申立て,告訴告発及び不服申立て,告訴告発の解決
- 住宅の開発及び管理に関連する不服申立て,告訴告発及び不服申立て,告訴告発の解決は,不服申立法,告訴告発法の規定による。
- 住宅について権限を有する国家機関の不服申立て,告訴告発の解決決定,又は裁判所の判決,決定が法的効力を生じたときは,関係当事者は当該決定又は判決を執行しなければならない。
第二節 住宅に関する法令違反の処分
第 179 条 住宅に関する法令違反者の処分
- 住宅に関する法令に違反する行為をした者は,違反の性質,程度に応じて,法令の規定に従い行政処分又は刑事責任の追及を受ける。
- 公務を執行する際に以下の違反行為をした者は,違反の性質,程度に応じて,懲戒処分,行政処分又は刑事責任の追及を受ける。
- 職務,権限を濫用し,住宅建築プロジェクトの投資方針の決定;住宅建築プロジェクトの査定,承認;住宅の売却価格,賃料額,購入賃料額の決定,査定;住宅に関する支援政策の実施;住宅に関する財務義務の確定;住宅に関する情報の提供に関する法令の規定,及びこの法律に規定される住宅の開発,管理,取引に関するその他の規定に違反した。
- 無責任に管理して住宅に関する法令違反を惹起し,又はその他の違反行為をし,国の利益,住宅開発に関わる組織,世帯,個人,住宅の適法な所有者及び使用者の適法な権利及び利益に損害を与えた。
- 住宅分野の行政手順,手続に関する規定,住宅の開発,管理の報告,統計に関する規定に違反した。
- 政府はこの条について詳細を規定される。
第 180 条 住宅に関する法令に違反し,国,組織,世帯,個人に損害を与えた場合の処理
住宅に関する法令に違反し,国の利益,組織,世帯,個人の適法な権利及び利益に損害を引き起こした人は,この法律第 179 条の規定に従い処分を受けるほか,国又は被害者に損害を賠償しなければならない。
第十三章 施行条項
第 181 条 施行効力
- この法律は,2015 年 7 月 1 日から執行効力を生ずる。
- 法律 34/2009/QH12 及び法律 38/2009/QH12 によりいくつかの条項が修正,補充された住宅法 56/2005/QH11,ベトナムにおける外国の組織,個人による住宅の購入及び所有の試行に関する国会決議 19/2008/QH12 号は,この法律が施行効力を生ずる日から効力を失う。
第 182 条 経過規定
- この法律が施行効力を生ずる日の前に承認済みの住宅建築投資プロジェクトは,この法律の規定に従い再度承認を受ける必要はない。ただし,国が承認済みの規格を調整したことによりプロジェクトの内容を調整しなければならない場合,又はこの法律の規定に従い社会住宅若しくは賃貸用社会住宅を建築するために商業住宅建築投資プロジェクト内の土地を確保しなければならない場合を除く。
地方の住宅開発プログラム,計画にないが既にプロジェクトの投資方針の承認を受けている社会住宅開発プロジェクトは,この法律の規定に従い引続き実施される。
- 投資家から商業住宅の引渡しを受けたが,この法律の施行効力が生ずる日までに権限を有する国家機関に対し住宅の証明書の発給申請書を提出していない場合,この法律の規定に従い住宅の売買契約を移転することができる。
- この法律の施行効力が生ずる日までに管理委員会を設立した共同住宅については,所有者は,この法律に規定されるモデルに従って管理委員会に活動させるため再度投票し,又は管理委員会の任期が満了するまでモデルを維持して活動させることができる。
- この法律の施行効力が生ずる日までに住宅の売買契約,購入賃貸借契約を締結した場合で,各当事者が住宅の保証期間,住宅の売買,購入賃貸借面積についてこの法律の規定と異なる合意をしたときは,各当事者は,合意に従って引続き履行し,又はこの法律の規定に従い再合意する。
- 政府はこの条について詳細を規定する。
第 183 条 詳細の規定
政府,権限を有する機関は,法律中で委ねられた条項について詳細を規定する。
この法律は 2014 年 11 月 25 日,ベトナム社会主義共和国第 13 期国会第 8 会
期において可決された。 ^
国会議長
Nguyễn Sinh Hùng