市民と法[1]の記事からです。
司法書士の信託契約書作成業務を規則31条業務であると主張する論者らは、直ちに、反論することを要しよう(法律家間の論争として争わなければ認めたことになってしまう。)
今のところ、反論を読んだことはありません。
(一社)民事信託士協会
https://www.civiltrust.com/shintakushi/q&a/index.html
司法書士が民事信託士として民事信託を行う法的根拠は、司法書士法施行規則に附帯業務として財産管理業務等が明文化されたことにあります。直接的には、信託監督人、受益者代理人等の地位に就いたり、継続的な相談業務として法務顧問契約を結んだり、信託契約書等を作成する権限が認められています。但し、当事者間や相談等において利害対立が顕著となり紛争性を帯びてきた場合には、弁護士法との関係で業務範囲外となるので、注意が必要です。
根拠を示していない有料団体も多く、根拠を示しているだけ良いのかなと個人的には思います。また、講義の中で質問しても、「講義と関係ないから答えない。」という姿勢を取る司法書士もいるので、難しいなと思います(その結果が除名となります。)。
司法書士による法律整序書類の作成支援の場合、司法書士法上の法令実務精通義務および善管注意義務として、法令順守義務を負うことから、公証人の場合と同様にして、信託条項の違法、無効、明白な不要、法的矛盾、遺漏などを発見し、指摘することは、適法性のゲートキーパーとして、司法書士法上の職責となろう。これらの確認と指摘は、信託行為の意思形成を主導するような法律事務とは異なる。
司法書士業務の性質を、公証人の職務によせていくのは賛成です。ここから法律整序という言葉が強調され、記事の指針案にも「法律整序書面としての信託契約書~」とついています。指針の内容も、信託契約書の読み聞かせなど、公正証書作成の業務と似てきている感触を抱きます。
[1] 129号民事法研究会2021年6月P19~