『市民と法No.142【特集】他士業からみた司法書士──さらなる連携に向けて──』

『市民と法No.142【特集】他士業からみた司法書士──さらなる連携に向けて──』2023年08月、民事法研究会

大論公論

 時代の動きに応える司法アクセス拡充の取組みを

 日本司法支援センター理事長 丸島俊介

2022年の法テラスによる情報提供件数、62万件を超える。

短期集中連載

 改正民事訴訟法は司法書士実務を変えるか(7)

 事件の終了(判決・和解)と民事執行手続

 司法書士 山田茂樹

登記が残されたままの古い仮差押登記について、

法制審議会民事執行・民事保全・倒産及び家事事件等に関する手続(IT化関係)部会第14回会議(令和4年12月2日開催)

https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00170.html

○小澤委員 ありがとうございます。その他の(3)の配当等の額の供託についてですけれども、この配当などの額の供託について、御提案の規律を設けることに賛成をいたします。司法書士として長年不動産取引に関する登記実務をしておりますと、取り分け古い時代の登記記録に抵当権等の仮登記がなされ、そのままとなっている物件に遭遇することが珍しくないのですが、御提案の内容は、競売により既に抹消された仮登記等について、配当留保された供託の帰趨についての規律を定めることにより、登記後放置されたとも言える仮登記権利者について、執行手続から除外する道が設けられるものと理解をしています。

民事執行手続からは外れてしまいますが、将来的には、登記されたままとなっている古い仮差押えについても、係属事件番号を公示するなど、登記権利者の保護と取引の円滑などとのバランスに配慮しつつ、検討されるべきだろうと思っておりますが、裁判IT化に関しては、まずは、この顕著な問題となっている配当等の額の供託についての規律を定めることが妥当であると考えております。

【論説/解説】

・司法書士による遺産承継業務の実務の課題と展望

 早稲田大学教授 山野目章夫

  一般社団法人日本財産管理協会副理事長・司法書士 佃 一男

               同副理事長・司法書士 小越 豊

                 同理事・司法書士 藤井里絵

司法書士が行う遺産承継業務の根拠規定・

司法書士3条か司法書士29から導かれる司法書士法施行規則31条か。

遺産分割協議成立への支援業務。

 遺産分割協議が始まった後。

 紛争性と特別受益。

 司法書士として、支援型と調整型・・・支援型は行き着くと代理行為となる可能性がある、との指摘。調整型は相続人間の認識の相違があり、司法書士が証拠書面や根拠法によって説明しても折り合いがつかない場合は委任契約を終了する、という整理。支援型について、私の認識(民事信託支援業務)と違い、そのような解釈もあるのだなと思いました。

 中立型支援業務、というのが、相続人全員に対して一定の要件の順守を求めることや、司法書士登録年数を求めることなど、初めてそのような実務を知りました。

・未成年後見実務における「身上保護」および「親権」についての省察

 公益社団法人佐賀県社会福祉士会・成年後見センターぱあとなあ・社会福祉士 江藤 渉

各専門職のチームによる意思決定支援の必要性の指摘。

・賃貸保証業者の保証契約書と適格消費者団体による差止請求の当否(下) ――最判令4・12・12が建物の賃貸借実務に与える影響――

 弁護士 升田 純

 消費者契約法10条に関する判決であること。

 適格消費者団体の提起に係る差止請求訴訟における判断であること。

 判決が判断していない、特約について議論、訴訟、賃貸保証業者による改定が予想されること。改正後の効力がどこまで及ぶか。

【特集】他士業からみた司法書士――さらなる連携に向けて――

[1]土地家屋調査士との連携

   土地家屋調査士 内野 篤

 表題部所有者の住所が変更されていない場合、既に亡くなっている場合など。相続土地国庫帰属制度を利用したい方がいた場合の、要件を満たしているかの調査。

[2]社会福祉士との連携

   認定社会福祉士 星野美子

成年後見制度を通じた連携。親子について、親に社会福祉士、子に司法書士が成年後見人に就任した事例紹介。

[3]行政書士との連携

   特定行政書士・主任介護支援専門員・宅地建物取引士 村尾和俊

 ケアマネジャーの資格を持っている行政書士と、専業の行政書士では、少し視点が異なるのではないかな、と感じました。P74、医療と介護の「上位」にあるみたいな感覚、というのは人により違うのかなと思います。私は、医師を司法書士、介護を行政書士、などと考えたことはありませんでした。医療でも、医師、看護師、看護助手などで異なると思いますし、介護でも、介護福祉士、介護助手、社会福祉士、介護支援専門員などで異なると思います。

士業とクリニック経営は似ている部分があると思います。

[4]介護支援専門員との連携

   主任介護支援専門員 上川清香

 保険外対応(無償)を多数行っていること。

簡裁民事実務研究101

 中古自動車売買における契約不適合責任

 神奈川簡易裁判所判事 丸尾敏也

 契約不適合に関する民法562条2項、541条、542条、563条、654条、415条、543条、564条、566条、166条、572条について。

現代家族の肖像と法律問題(30)

 弁護士 升田 純

 民法1012条、1014条と、最判平成7月1月24日判時1523号P81、最判平成14年6月10日判時1791号P59の変更。

すぐに使える! 資産税の豆知識44 令和6年1月1日以後の生前贈与と、それに関連する相続税について

 税理士 福壽一雄

 額面通りに7年間の生前贈与が適用されるのは、令和13(2031)年1月1日以後の相続開始から。

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