家族信託の相談会その55

お気軽にどうぞ。

2023年5月26日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え

1組様 5000円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

渋谷陽一郎「信託契約書から学ぶ民事信託支援業務(2)日弁連ガイドラインの概要と依頼者は誰かという問題(2)」

市民と法[1]の記事「渋谷陽一郎「信託契約書から学ぶ民事信託支援業務(2)日弁連ガイドラインの概要と依頼者は誰かという問題(2)」からです。

この点、遺産分割協議の場合と同様、司法書士は、どこまで、それらの関係者の利害の調整者となりうるのか(なることは可能なのか)、中立調整という役割を担うことは可能なのか(中立調整の定義は何か)、などのクリティカルな問題を生じる。

 司法書士がどこまで、関係者の利害の調整者となりうるか、について、選択肢を全て示して、利害関係者の一人が反対の意思を表示した場合、賛成の意思を表示しなかった場合、意思表示をしなかった場合、だと思います。

 中立調整の定義は、分かりませんでした。よって中立調整という役割を担うことが出来るかどうかも分かりません。法律整序事務と中立調整とは異なることを前提としています。

この点、家族信託をめぐって事後的に紛争が生じた場合でも、信託契約案の作成が原因であると主張されれば、それはさかのぼって組成時から潜在的紛争性を秘めていた事件であると評価されるリスクを生じうる。

公正証書遺言案の作成においても、同じようなリスクはあるので、作成する司法書士はそのリスクを許容する必要があると感じました。

信託の場合、そうはいっても、法律整序的な関与といえども、信託の素人である信託当事者の信託行為の意思形成過程に対して、事実上、影響を与えてしまうリスクがある。

 任意後見契約書(案)の作成など他の業務についても、法律行為を行う当事者の意思形成過程に対して影響を与えます。登記申請においても、法的効果などを説明して署名や押印をもらい、その過程で意思形成に影響を与えていると考えられます。影響を与えない業務というのが思い浮かびませんでした。

注意すべきは、司法書士は、選択肢の一部を提示するのではなく、すべての選択肢を提示する必要があることである。

同意です。すべて、というと難しく感じますが、依頼者に提示する時点で司法書士が知っている選択肢(施行日が確定している法改正も含みます。)、という範囲だと理解しています。

それでは、信託契約書案の作成において、司法書士が、信託当事者や利害関係者(委託者の推定相続人等)に対して、調整型の関与を行うことは可能であろうか。

 すべての利害関係者に対して、調整型の関与を行うことは難しいと思います。利害関係人を把握することが難しい場面があるからです。信託契約書案作成の委任契約書において、利害関係人の範囲は特定してもよいのではないかと思います。

仮に、中立調整を称しつつ、―中略―中立義務違反で訴えられたら、当該司法書士は、どのように抗弁するのだろうか―略―

中立義務が、司法書士業務の関係法令にあるのか分かりませんでした。

さらにいえば、関係者の利害が一致して友好的であればよいが、少しでも利害が対立している場合あるいは利害が事後的に対立した場合には、結局、中立調整者を標榜した司法書士がその責任を問われることになるという意味では、重い業務となる。

最初から依頼を受けないか、委任契約を辞任することで対応可能だと感じます。


[1] 140号、2023年4月、民事法研究会、P88

『任意後見と民事信託を中心とした財産管理業務対応の手引き 各制度の横断的なポイント整理とケース・スタディ』

著者:日本司法書士会連合会 民事信託等財産管理業務対策部/編『任意後見と民事信託を中心とした財産管理業務対応の手引き 各制度の横断的なポイント整理とケース・スタディ』2023年3月、日本加除出版

https://www.kajo.co.jp/c/book/05/0503/40939000001

・位置付け

日本司法書士会連合会が、2023年3月現在の民事信託支援業務を含めた財産管理業務の実務について、指針を示したものとして位置づけられる。他の書籍と違い、この書籍に従った実務を行った場合、日本司法書士会連合会の指針に従って行ったことを説明することができる。

 司法書士が民事信託支援業務を行うことが出来る法令上の根拠(司法書士法、司法書士法施行規則)は、記載がない(はじめに、において司法書士法1条について記載がある。)。犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令8条4項6号、日本司法書士会連合会における犯罪による収益の移転防止に関する執務指針、各都道府県の司法書士会の会則における本人確認に関する規定についても記載がありません。

 記載がない、ということは、司法書士であれば当然出来る業務で他士業の独占業務と抵触することはない、と考えられているのか、司法書士という資格がなくても誰でもできる業務について、市民が自ら使う場合や企業が事業として行う場合を想定しているのだと考えられます。

・特徴

P4 任意後見契約に関する作成支援業務を、任意後見支援業務としている。任意後見監督人選任審判の申立書作成などは、含まない。

P17

 

遺言代用信託について、死亡後に財産を承継させたい者について、当初から受益者として指定しておきつつ、給付を受けることができるのは委託者の死亡後に限るという定め方をすることもできるが、実務上、このような定め方をする例は多くない。

遺言信託(信託法2条2項2号)に似ている方法だと思われます。実務上、多く利用されていない、というのはどのような情報を基にしているのか、分かりませんでした。後継ぎ遺贈型の受益者連続信託についても同じような記載があります。

P19~信託に適していない財産として、担保付きの不動産が挙げられていること。

P20~民事信託支援業務の依頼者は、委託者、委託者と受託者双方が認められると記載されていること。委託者と受託者双方と委任契約を締結する場合には、基準を設けている。費用負担について、基準では委託者と受託者が平等に負担とされているが、委託者負担が望ましいと考えている?

P24~金銭の分別管理について

狭義の信託口口座が開設出来ない場合、委託者と受託者の確認書で対応。

P31~ 感情的に対立している親族の有無を把握しても、民事信託支援業務を進めることを妨げていない。

P33~司法書士が受益者代理人に就任することは可能と記載。

P36 

一般的に、法律専門家は、信託業法3条により、受託者に就任することはできないと解されている。この規制が、清算受託者にまで及ぶか否かについては、公式な見解等はないももの、

条文の通りだと思います。信託法177条1項本文で、信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務を行う、とされ、清算受託者は受託者であると記載があります。

P39 信託の目的は、財産ごとに定めることが合理的な場合もある。運用方法が違う不動産(例えば自宅と原野と収益不動産など。)ごとに別信託にするか、信託を設定しないかの判断もあり。

P40 受益者に義務を課したり、その権利を制限したりすることはできない。

信託法、民法その他の法令で許容されていない限り、という前提が必要だと思います。例として信託法163条1項9号など。

P124 任意後見契約の同意を必要する特約と、民事信託との関係について記載なし。

P128 任意後見人の同意権・取消権により(制限行為能力者制度の取消権によって)本人保護はできない、の記載について、代理人・同意権者として権利行使可能なのに、なぜ本人保護にならないのか、分かりませんでした。

P134

委託者の地位の承継について、その原因を問わず、という文言が必要なのか分かりませんでした。P180について同じ。

P135 受託者が自宅を売却する。の部分は、清算受託者が自宅を売却する、に変更が必要だと思います(信託法177条。)。

P136

条項例、2清算受託者は、前項第1号の規定にかかわらず、信託不動産を売却換価した上で、前記第2号の方法により引渡すことができる。

この条項例だと、

P135(b)記載の遺産分割によって受益権を取得したものが現金での引継ぎを希望する場合

のうち受益者の希望が入らず、受託者の裁量で信託不動産を売却しても良い、しなくても良い、ことが可能になると考えられます。帰属権利者が書面などで希望する場合、という文言を入れる必要があると考えられます。P145について同じ。

P136

信託の設定により相続財産ではなくなり、相続登記の義務化の対象とはならない。

 私なら、相続開始から10年を経過すると主張できなくなる権利もあり、民法904条の3について説明や注釈を加えると思います。

 P139 信託契約の名前に、不動産及び金銭管理処分、などと付ける必要性が分かりませんでした。

P141 (信託不動産の換価等の処分)第10条―中略―その他信託不動産の処分を要する事情が生じた場合において、自らの裁量において、信託不動産の売却、取壊し等の処分を行うことができる。

について、私なら、処分を要する事情が生じた場合の売却・取壊しについては、受託者の裁量とせず、受益者の同意を得る、とすると思います。P176について同じ。

P143 (受託者の解任)第16条(4)について、受託者として信託事務を遂行し難い重大な事由が発生したとき、の基準が分かりませんでした。私なら、法定の受益者への事務報告を怠ったとき、など具体的に定めると思います。

P156

(受益権の譲渡禁止及び質権の設定)

第●条 受益者は、受益権を譲渡することができない。

→私なら、受益者は、受益権を譲渡・質入れをすることができない、に変更します。また、(新受託者の選任)の条項には、生年月日を付け加えます。

P164~第3章障がいのある子を持つ親からの相談、において負担付き遺贈の利用がプラン例1の選択肢として挙げられていること。

P172 民事信託と任意後見を利用する場合に、受託者兼受任者となるとき、受託者に対する監督が空洞化するとして司法書士を信託監督人としている。任意後見監督人が選任された場合も、司法書士の信託監督人が就任し続けるのか、受益者(委任者・本人)にとってどのような利益があるのか、分かりませんでした。P182によると、任意後見監督人選任後も司法書士が信託監督人として就任し続けるプランです。法律専門家を受益者代理人と信託監督人に選任するプランも提示されています。その場合、受益者代理人、信託監督人、任意後見監督人が、受託者を監督(任意後見監督人は任意後見任を通して間接的に。)することになるのですが、ここまで監督を重くする必要性が分かりませんでした。

P177(受益債権)第●条の(2)第二次受益者の受益債権、がどのような意味を持つのか分かりませんでした。当初受益者の受益債権が抑制される、という意味なのでしょうか。

P175~(信託の目的)、(信託不動産の管理)条項で、受益者が施設入所・入院などにより信託不動産に居住しなくなった場合は、受託者の裁量で信託不動産を売却してもよい、とあります。最期は自宅で迎えたい、という方はそんなに多くないのか、分かりませんでした。P141、P178について同じ。

P210(4)株式の受益権を受託者に暦年贈与することについて、当初忠実義務違反、善管注意義務違反のリスクを挙げている。その解決策として、年間110万円ずつ贈与すること、としているが、解決策になっているのか、分かりませんでした。

P215 株式の信託における指図権の内容について、指図の内容が信託の目的又は受益者の利益に明白に反する場合は、受託者は指図に従う必要がない、と定められていますが、どのように判断すれば良いのか分かりませんでした。

・条項例と信託目録の関係について

本書中、様々な条項例が掲載されています。長文になる条項や他の条項を援用する条項もあります。信託財産に属する財産の中に不動産がある場合、これらをどのように信託目録に記録するのか、分かりませんでした。

P246、252

民事信託支援業務について、着手金を徴収することは可能の記載。計算方法に指針がないので、委任者が納得すれば、どのような方法でも良い。

P248

民事信託支援業務におけるリスク説明義務について、重要事項説明書ではなく、委任契約書の免責事項としている。

家族信託の相談会その54

お気軽にどうぞ。

2023年4月28日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え

1組様 5000円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

令和5年3月30日法務省民二第555号司法書士による本人確認情報の作成について(回答)

要件

申請人と面識がある場合

・医療機関・施設などから、入所者の健康上の理由等により、直接面談が困難であるとの要請があった場合→自宅療養の場合でケースワーカー、介護支援専門員から要請された場合は?家族の要請の場合は?

・直接面談と変わらない、相互に意思の疎通ができる状況であること。

・資格者代理人は、テレビ会議による面談を行った合理的理由(医療機関・施設などから、入所者の健康上の理由等により、直接面談が困難であるとの要請があった場合)を明らかにして提供すること。

・同席した施設の職員又は申請人等の家族等から、画面越しに映された申請人等が本人に相違ない旨を聴取して具体的に記録して提供。

・テレビ会議による面談の際に本人に間違いないという判断をした理由を、本人確認情報の内容として提供。

・登記官への事前照会。

申請人と面識がない場合

申請人と面識がある場合に加えて、

・事前に、申請人を知る者から、不動産登記規則第72 条第2項各号に掲げる本人確認書類の原本の提示を受け、提示された当該書類の内容を直接確認。

申請人を知る者の例

・親族、ケースワーカー、社会福祉士、介護支援専門員、顧問税理士、取引に関わっていた宅地建物取引士、登記義務者と同じ会社の社員、登記義務者が入所直前に居住していたマンションの管理組合の理事長。

施設に現に赴いた司法書士によるテレビ会議を用いた本人確認情報の作成について

日本司法書士会連合会 不動産登記法改正等対策部

部長 里村美喜夫

当対策部において、標記の件について意見をまとめましたのでご意見を求めます。

【意見の趣旨と概要】

不動産登記法第23 条第4項第1号の規定により、登記官が資格者代理人から提供を受ける、申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)を提供する方法により登記を申請する場合においては、不動産登記規則第72 条第1項第1号の規定により申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下「申請人等」という。)と面談した日時、場所及びその状況を明らかにするものでなければならないとされている。

一方、近時、医療機関や高齢者施設等(以下「施設」という。)での面談について、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、対面による直接の面談(以下「直接面談」という。)をすることができない状況になっているとの事例報告が増えている。よって、本人確認情報を提供する面談方法については、直接面談以外のこれに準じる方法により、提供する情報を明らかにすることが要請されている。

そこで、申請人等が入院・入所している施設に現に赴いた資格者代理人が、同じ施設内の申請人等とは別室または施設内の別の場所において、申請人等とテレビ会議やウェブ会議等を用いた面談(資格者代理人と申請人等が、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に同時に認識しながら通話をすることができる方法。以下「テレビ会議による面談」という。)により、本人確認情報を得た場合においては、下記のとおり、一定の要件のもとに、不動産登記規則第72 条第1項第1号に該当すると考える。

(前提条件)

1.前提として、テレビ会議による面談であっても、直接面談と変わらない意思の疎通ができる状況である必要がある。

(面識がある場合)

2.資格者代理人が申請人等の氏名を知り、かつ、当該申請人等と面識があるとき施設に入所している申請人等の施設から、入所者の健康上の理由等[1]1により、直接面談が困難であるとの要請があった場合において、直接面談ができない合理的理由があると認められるときは、テレビ会議による面談により、資格者代理人は本人確認情報の提供をすることができる。なお、資格者代理人は、テレビ会議による面談を行った合理的理由を明らかにして提供しなければならない。

併せて、本人確認をする資格者代理人は、同席した施設の職員又は申請人等の家

族等(以下「申請人を知る者」という。)から、画面越しに映された申請人等が本人に相違ない旨を聴取してその旨を具体的に記録することにより、テレビ会議による面談の際に本人に間違いないという判断をした理由を、本人確認情報の内容として提供しなければならない。

この場合、テレビ会議による面談によって、資格者代理人が適式に本人確認をし

ており、本人確認情報の内容として登記官がその内容を相当と認めるときは、登記官はこれを受理して差し支えない。

→現時点で、事前照会必要。

(面識がない場合)

3.資格者代理人が申請人等の氏名を知らず、又は当該申請人等と面識がないとき上記「2.資格者代理人が申請人等の氏名を知り、かつ、当該申請人等と面識があるとき」に加え、資格者代理人は、申請人を知る者から、不動産登記規則第72 条第2項各号に掲げる本人確認書類の原本の提示をあらかじめ受け、提示された当該書類の内容を直接確認した上で、テレビ会議による面談を行わなければならない。

この場合、テレビ会議による面談によって、資格者代理人が適式に本人確認をし

ており、本人確認情報の内容として登記官がその内容を相当と認めるときは、登記官はこれを受理して差し支えない。

考え方

面識がある場合においても、面識がない場合においても、資格者代理人が現に赴いた施設の別室に申請人等がおり、当該施設内で映像と音声の送受信により相手方と相互に通話をし、直接面談と変わらない状態で意思の疎通や本人の確認ができること。

テレビ会議による面談を行ったやむを得ない事由が、申請人等の入所する施設から、健康上の理由等により直接面談が困難であるとの要請があったものであり、本人確認情報の内容として、テレビ会議による面談を実施する合理的理由が明らかにされていること。

施設におけるテレビ会議による面談に同席した申請人を知る者から、画面越しに映された申請人等が本人に相違ない旨を資格者代理人が聴取して、本人に間違いないという判断した理由が本人確認情報の内容として具体的に明らかにされていること。

資格者代理人が申請人等の氏名を知らず、又は当該申請人等と面識がない場合には、申請人を知る者から、不動産登記規則第72 条第2項各号に掲げる本人確認書類の原本の提示をあらかじめ受け、かつ、提示された当該書類の内容を直接確認しなければならないこと(同条第1項第3号)。

資格者代理人が行った本人確認情報の提供について、登記官がその内容を相当と認めること。

別室・面識あり・同席者あり

本 人 確 認 情 報

○○法務局 御中

当職は、本件登記申請の代理人として、下記のとおり、申請人が申請の権限を有

する所有権登記名義人であることを確認するため必要な情報を提供します。

令和4年12月11日

○○○○市西区○○一丁目2番3号 司法書士 司法三郎

(登録番号 ●●県司法書士会第○○○○号)

1 登記の目的 所有権移転

2 不動産の表示 ●●県○○市〇〇区○町○番 宅地 111・11㎡

3 登記済証を提出できない理由 紛失

4 申 請 人 ○○市〇〇区○丁目○番○号 法務一郎

生年月日 昭和**年**月**日生

5 面談した日時・場所・状況

日 時 令和4年12月11日 午前10時30分より

場 所 司法書士 司法三郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 1階 面会室

法務一郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 3階 面会室

面談状況 本件登記申請人が本件不動産について所有権移転登記をするにあたり、所有権移転登記申請の必要書類の確認等を行うため、当職が登記義務者と面談した。

〇〇病院から、現在職員以外の人間と原則として面会禁止としているので、ZOOMを用いて、司法書士 司法三郎の面談場所である面会室と、登記義務者の面談場所である面会室を接続して面談する方法以外での面談は認められないという要請があり、このような方法で面談を行った。

映像及び音声のやり取りは司法書士 司法三郎の携帯電話と病院が用意したパソコンを接続して行い、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に同時に認識しながら通話をすることができる状態で、対面の面談と変わらない状態での意思疎通、本人の確認ができる状態で行われた。

同 席 者 登記権利者 法務太郎氏(長男)1階 面会室で同席した。

6 申請人との面識の有無 当職は申請人とは過去に面識がある。

7 面識の経緯・時期 具体的な事由

当職は本件登記申請の3ケ月以上前に当該申請人について、資格者代理人として本人確認情報を提供して次の所有権移転登記の申請をしている。

御庁 平成**年**月**日 受付第 ****** 号

(以下省略)

事例1

別室・面識なし・同席者あり

本 人 確 認 情 報

○○法務局 御中

当職は、本件登記申請の代理人として、下記のとおり、申請人が申請の権限を有する所有権登記名義人であることを確認するため必要な情報を提供します。

令和4年12月11日

○○市西区○○一丁目2番3号 司法書士 司法三郎

(登録番号 ●●県司法書士会第○○○○号)

1 登記の目的 所有権移転

2 不動産の表示 ●●県○○市〇〇区○町○番 宅地 111・11㎡

3 登記済証を提出できない理由 紛失

4 申 請 人 ○○市〇〇区○丁目○番○号 法務一郎

生年月日 昭和**年**月**日生

5 面談した日時・場所・状況

日 時 令和4年12月11日 午前10時30分より

場 所 司法書士 司法三郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 1階 面会室

法務一郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 3階 面会室

面談状況 本件登記申請人が本件不動産について所有権移転登記をするにあたり、所有権移転登記申請の必要書類の確認等を行うため、当職が登記義務者と面談した。

〇〇病院から、現在職員以外の人間と原則として面会禁止としているので、ZOOMを用いて、司法書士 司法三郎の面談場所である面会室と、登記義務者の面談場所である面会室を接続して面談する方法以外での面談は認められないという要請があり、このような方法で面談を行った。

映像及び音声のやり取りは司法書士 司法三郎の携帯電話と病院が用意したパソコンを接続して行い、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に同時に認識しながら通話をすることができる状態で、対面の面談と変わらない状態での意思疎通、本人の確認ができる状態で行われた。

面談に同席した○○病院の職員〇〇○○氏より、画面に映し出された登記義務者は同病院に入院している者で、本人に間違いないことを聴取した。

同 席 者 ○○病院の職員〇〇○○氏 1階 面会室で同席した。(注)

6 申請人との面識の有無 当職は申請人とは過去に面識はない。

7 面識がない場合における確認資料

職は、申請人の氏名を知らず、又は面識がないため、申請人から次の確認資料の提示を受け確認した。

確認資料のうち次の①②の原本は〇〇病院が登記義務者から預かり、保管していたので、登記義務者の同意を得て、面談当日に、〇〇病院の職員からあらかじめ当職に手渡された。

①確認資料の特定事項及び有効期限

名称 国民健康保険の被保険者証

令和*年1月まで有効

②確認資料の特定事項及び有効期限

名称 基礎年金番号通知書

8 登記名義人であることを確認した理由

前項の本人確認書類につき、以下のとおり確認した。

①②の確認資料に記載されている氏名及び住所が一致していること、及び記載されている氏名及び住所が登記名義人本人のものであることを確認した。加えて、証明書の外観・形状に異常がないことを視認した。

さらに、住所・氏名・生年月日、本件不動産に関すること、本件不動産の取得の経緯、登記済証紛失に関することについて申述を求めたところ正確に矛盾なく回答した。

(以下省略)

(注)司法書士が申請人と面識がない場合においては、当該申請人を知る者に面談状況を確認させ、その内容を本人確認情報に記載して提供したときは、当該記載は、登記官が本人確認情報の内容を相当と評価する際の重要な判断材料であると考える。

事例2

別室・面識なし・同席者あり

本 人 確 認 情 報

○○法務局 御中

当職は、本件登記申請の代理人として、下記のとおり、申請人が申請の権限を有する所有権登記名義人であることを確認するため必要な情報を提供します。

令和4年12月11日

○○市西区○○一丁目2番3号 司法書士 司法三郎

(登録番号 ●●県司法書士会第○○○○号)

1 登記の目的 所有権移転

2 不動産の表示 ●●県○○市〇〇区○町○番 宅地 111・11㎡

3 登記済証を提出できない理由 紛失

4 申 請 人 ○○市〇〇区○丁目○番○号 法務一郎

生年月日 昭和**年**月**日生

5 面談した日時・場所・状況

日 時 令和4年12月11日 午前10時30分より

場 所 司法書士 司法三郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 1階 面会室

法務一郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 3階 面会室

面談状況 本件登記申請人が本件不動産について所有権移転登記をするにあたり、所有権移転登記申請の必要書類の確認等を行うため、当職が登記義務者と面談した。

〇〇病院から、現在職員以外の人間と原則として面会禁止としているので、ZOOMを用いて、司法書士 司法三郎の面談場所である面会室と、登記義務者の面談場所である面会室を接続して面談する方法以外での面談は認められないという要請があり、このような方法で面談を行った。

映像及び音声のやり取りは司法書士 司法三郎の携帯電話と病院が用意したパソコンを接続して行い、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に同時に認識しながら通話をすることができる状態で、対面の面談と変わらない状態での意思疎通、本人の確認ができる状態で行われた。

当職は、面談に同席した、登記義務者の息子である法務太郎氏より、画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取した。(注)

同 席 者 登記権利者 法務太郎氏(長男)1階 面会室で同席した。

6 申請人との面識の有無 当職は申請人とは過去に面識はない。

7 面識がない場合における確認資料

当職は、申請人の氏名を知らず、又は面識がないため、申請人から次の確認資料の提示を受け確認した。

確認資料の原本は〇〇病院の職員を介して面談当日にあらかじめ当職に手渡された。

確認資料の特定事項及び有効期限

名称 普通自動車運転免許証

20**(令和*年)**月**日まで有効

写真の添付 別紙のとおり

8 登記名義人であることを確認した理由

前項の本人確認書類につき、以下のとおり確認した。

証明書の写真により本人との同一性を確認し、証明書の外観・形状に異常がないことを視認した。

また、住所・氏名・生年月日、本件不動産に関すること、本件不動産の取得の経緯、登記済証紛失に関することについて申述を求めたところ正確に矛盾なく回答した。

(以下省略)

(注)司法書士が申請人と面識がない場合においては、当該申請人を知る者に面談状況を確認させ、その内容を本人確認情報に記載して提供したときは、当該記載は、登記官が本人確認情報の内容を相当と評価する際の重要な判断材料であると考える。

■親族以外の「当該申請人を知る者」の事例について

1.登記義務者のケースワーカーである(相談員である社会福祉士である)○○○○氏より画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取した。

2.登記義務者の顧問税理士、○○○○氏より画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取した。

3.不動産売買の仲介業者であり、本件取引に関わっていた、宅地建物取引士、○○○○氏より画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取した。

4.登記義務者と同じ会社の社員○○○○氏より画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取した。

5.登記義務者が入所直前に居住していたマンションの管理組合の理事長である○○○○氏より画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取した。

事例3

別室・面識なし・同席者なし

本 人 確 認 情 報

○○法務局 御中

当職は、本件登記申請の代理人として、下記のとおり、申請人が申請の権限を有する所有権登記名義人であることを確認するため必要な情報を提供します。

令和4年12月11日

○○市西区○○一丁目2番3号 司法書士 司法三郎

(登録番号 ●●県司法書士会第○○○○号)

1 登記の目的 所有権移転

2 不動産の表示 ●●県○○市〇〇区○町○番 宅地 111・11㎡

3 登記済証を提出できない理由 紛失

4 申 請 人 ○○市〇〇区○丁目○番○号 法務一郎

生年月日 昭和**年**月**日生

5 面談した日時・場所・状況

日 時 令和4年12月11日 午前10時30分より

場 所 司法書士 司法三郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 1階 面会室

法務一郎:○○市〇〇区〇〇二丁目2番2号

〇〇病院 3階 面会室

法務花子:○○市〇〇区○丁目○番○号(登記義務者の自宅)

面談状況 本件登記申請人が本件不動産について所有権移転登記をするにあたり、所有権移転登記申請の必要書類の確認等を行うにため、当職が登記義務者と面談した。

〇〇病院から、現在職員以外の人間と原則として面会禁止としているので、ZOOMを用いて、司法書士 司法三郎の面談場所である面会室と、登記義務者の面談場所である面会室を接続して面談する方法以外での面談は認められないという要請があり、このような方法で面談を行った。同時に登記義務者の自宅を接続し、登記義務者の妻、法務花子ともZOOMを用いて面談を行った

映像及び音声のやり取りは司法書士 司法三郎の携帯電話と病院が用意したパソコン、同時に法務花子が用意したパソコンを接続して行い、映像と音声の送受信により三者が相手の状態を相互に同時に認識しながら通話をすることができる状態で、対面の面談と変わらない状態での意思疎通、本人の確認ができる状態で行われた。(注)

当職は、同時に接続した法務花子氏から、画面に映し出された登記義務者が本人に間違いないことを聴取し、確認した。

同 席 者 なし。

6 申請人との面識の有無 当職は申請人とは過去に面識はない。

7 面識がない場合における確認資料

当職は、申請人の氏名を知らず、又は面識がないため、申請人から次の確認資

料の提示を受け確認した。

確認資料の原本は〇〇病院の職員を介して面談当日にあらかじめ当職に手渡された。

確認資料の特定事項及び有効期限

名称 普通自動車運転免許証

20**(令和*年)**月**日まで有効

写真の添付 別紙のとおり

8 登記名義人であることを確認した理由

前項の本人確認書類につき、以下のとおり確認した。

証明書の写真により本人との同一性を確認し、証明書の外観・形状に異常がないことを視認した。

また、住所・氏名・生年月日、本件不動産に関すること、本件不動産の取得の経緯、登記済証紛失に関することについて申述を求めたところ正確に矛盾なく回答した。

(以下省略)

(注)司法書士が申請人と面識がない場合においては、当該申請人を知る者に面談状況を確認させ、その内容を本人確認情報に記載して提供したときは、当該記載は、登記官が本人確認情報の内容を相当と評価する際の重要な判断材料であると考える。

申請人を知る者の登記義務者の確認は、同時の機会にテレビ会議で相互に認識しながら行うのであれば、必ずしも登記義務者や司法書士と同一の場所に赴いて同席して行われる必要はないと考える。

資格者代理人による不動産登記法第23条第4項の本人確認の取扱いについて

○ 医療機関・高齢者施設では、新型コロナウイルス感染症対策として、入居者と外部の者との直接的な面会を制限する傾向にあり、対面が困難な状況にあることを踏まえ、次の条件を満たす場合には、テレビ会議やウェブ会議を用いた面談であっても適式な面談とする。

前提となる現行制度

○ 申請人(登記義務者)が、登記識別情報を(失念した等の理由で)提供できない場合において、資格者代理人が申請人と面談を行い、(本人確認を行った上で作成した)本人確認情報を登記申請時に提供し、登記官がこれを相当と認めたときは、事前通知手続が省略される(不動産登記法第23条第4項)。

①現在の面談方法

資格者代理人が申請人と対面にて面談を行う(申請人と面識がない場合には、対面で身分証の提示を求める。)。

②新たな面談方法

★ 実施に必要な条件

① ウェブ会議によっても、対面の面談と変わらない意思疎通ができること。

② 施設側の要請に基づくものであり、感染拡大防止等、申請人と直接面談ができない合理的理由があること。

③ 資格者代理人と申請人との間に面識がない場合には、事前に申請人の身分証(運転免許証等)原本の提示を受けること。

④ 同一施設内(資格者代理人は施設に現に赴く)で、かつ、施設の職員又は申請人の家族の同席の下で行われること(具体的な面談事例は以下のとおり。)。

直接面談が困難な状況にある施設に入所中の申請人を対象とした本人確認情報の提供について(お知らせ)

新型コロナウイルス感染症の拡大などに伴い、集団感染の防止の観点から、高齢者施設・医療機関等(以下「施設」という。)においては、申請人や申請人たる法人の代表者である入所者・患者等(以下「申請人等」という。)と対面による直接の面談(以下「直接面談」という。)ができない場合があります。

そこで、不動産登記制度の円滑な運用のため、下記のとおり、資格者代理人が施設に直接赴いた上で、テレビ会議を用いて本人確認を行った場合の不動産登記法第23 条第4項第1号に規定する本人確認情報(以下「本人確認情報」という。)の提供について、下記のとおり取りまとめましたので(概要は別添資料を参照)、お知らせいたします。貴会会員にご周知くださるようお願いいたします。

なお、下記の内容は、法務省民事局に確認済みですので、申し添えます。

【本通知の趣旨と理由】

施設において申請人等と直接面談ができない状況下において、資格者代理人が施設に直接赴き、申請人等とは直接接触しない施設内の別室等においてテレビ会議を用いて本人確認を行った場合において、以下の【要件】を満たしているときは、不動産登記規則第72 条の本人確認情報に該当するものとして差し支えない。

【要件】

・面識がある場合においても、面識がない場合においても、資格者代理人が現に赴いた施設の別室に申請人等がおり、当該施設内で映像と音声の送受信により相手方と相互に通話をし、直接面談と変わらない状態で意思の疎通や本人の確認ができること。

・テレビ会議による面談を行ったやむを得ない事由が、申請人等の入所する施設から、健康上の理由等により直接面談が困難であるとの要請があったものであり、本人確認情報の内容として、テレビ会議による面談を実施する合理的理由が明らかにされていること。

・施設におけるテレビ会議による面談に同席した施設の職員や申請人等の家族等から、画面越しに映された申請人等が本人に相違ない旨を資格者代理人が聴取して、本人に間違いないという判断をした理由が本人確認情報の内容として具体的に明らかにされていること。

・資格者代理人が申請人等の氏名を知らず、又は当該申請人等と面識がない場合には、施設の職員又は申請人等の家族等から、不動産登記規則第72 条第2項各号に掲げる本人

【別紙2】

確認書類の原本の提示をあらかじめ受け、かつ、提示された当該書類の内容を直接確認しなければならないこと(同条第1項第3号)。

・資格者代理人が行った本人確認情報の提供について、登記官がその内容を相当と認めること。

(ご留意)具体的な事案の対応にあたっては、管轄法務局と事前協議をしてください。

参考

登記研究 745号 127頁  2010年3月30日 【質疑応答】 〔七九〇七〕遺言執行者である司法書士が自身に申請権限があることを証明するために作成した本人確認情報の提供があった場合の事前通知の省略の可否

登記研究 735号 159頁  2009年5月30日 【質疑応答】 〔七八八九〕破産管財人代理と面談した結果をもって法二三条四項一号の本人確認情報とすることの可否について

登記研究 714号 197頁  2007年8月30日 【質疑応答】 〔七八五四〕海外に居住する日本人が登記識別情報の提供を要する登記の申請をする場合において、登記識別情報を提供できないときに、日本領事の署名証明書をもって本人確認情報とすることの可否


[1] コロナなどの感染の拡大を防止する場合。施設の衛生上の必要性がある場合。

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