渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』第9章民事信託コンサルティング

渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』2023年、日本法令。

第9章民事信託コンサルティング

P726、最終的に投げ売りを容認するなら、その旨の規定も欲しい。について・・・一定の売り出し期間を超えた場合、最低売却価額なしで売買契約の締結可能、のような条項になるのかなと想像しました。

P736、登録免許税は国税であるが、かような国税の取扱いが、地方税である不動産取得税の特例(地方73の7四)に影響(連動)するリスクも指摘されている。について・・・・登録免許税法7条1項2号、別表1,1(二)イとみなされない場合に不動産取得税が課税されるというリスクなのか、分かりませんでした。

P737、仮に成年被後見人となれば自動的に資格喪失する、について。・・・民法653条の委任契約の終了により退任、という解釈。

P738、非公開会社における民事信託の場合、予期せず信託の終了事由に該当してしまえば、再度、株主総会等の譲渡承認の決議を要するのかという問題がある。について。・・・・所有権者が変わる場合は、譲渡承認が必要だと考えます。

P740、受託者を残余財産の帰属権利者と指定し、その受託者が信託の残余財産を取得するような場合、信託法31条の利益相反行為(同条1項1号の信託財産を固有財産に帰属させること)に該当するか議論されてきた。とりわけ、貴族の段階ではなく、当初の指定の段階における利益相反行為性が論点となる。について。・・・自益信託で信託契約による場合、委託者兼受益者が契約当事者の一方となっており、受益者の保護は一定程度図られていると考えられます。他には信託目的との関係で著しい損害を受益者に与えることが明らかでなければ、利益相反に該当するというのは、難しいのではないかと考えます。

P741、また、残余財産の帰属権利者の指定をもって信託目的として資産承継などを定める場合、当該目的との関係で法的性格が変化し得るのか、そして、なぜ、残余財産受益者の制度を用いないのか(課税リスク等があるのか)その他の問題点がある。について。

  • (1)当該目的との関係で法的性格が変化し得るのか

 法的性格というのが適当な言葉なのか分かりませんが、変化し得る、連動してその信託が判断される、という可能性はあると思います。

  • (2)なぜ、残余財産受益者の制度を用いないのか

 残余財産受益者(信託法181条1項1号)を利用しない理由は、課税上の懸念の他に信託の効力開始当初から、受益者としての権利義務を持つと解釈した場合に、信託が複雑になることを避ける意味合いがあるのではないかと思います。また、残余財産受益者の制度を用いる事例として、自己信託以外にどのような場合が適当なのか、示してくださると助かります。

  • (3)その他の問題点がある

 どのような問題点があるのか、分かりませんでした。

相続財産、の記載について。・・・信託財産ではないかと思いました。

Q641認知症対策としての農地の条件付信託契約の可否について・・・委任状を日付が白紙の状態であらかじめ取得しておき、という実務があるのか、分かりませんでした。

Q646配偶者の二次相続を想定した信託、相続税法基本通達第21条の6―

(信託財産である居住用不動産についての贈与税の配偶者控除の適用)関係について・・・相続税を1番に重視するのかは、個別の依頼者の考えに合わせて選択してもらうように提示したいと思いました。

共有化について・・・大きな土地に建物が建っているなど、分けることが出来ずに共有にする場合以外に、不動産や株式を共有にする場合が他にどのような事例があるのか気になりました。

Q653受益者の扶養義務範囲と信託財産からの給付(相続税法21条の3第1項2号)について・・・信託契約書に記載するのか、受益者に該当するのか、私は税理士へ最終判断をお願いします。

Q660名義預金と自己信託の関係、自己信託特有の問題として、委託者兼受託者が認知症となれば、信託が機能不全に陥る(自己信託は認知症対策とならない。)について・・・自己信託の場合、次順位の受託者を信託行為で定めておくのが通常だと考えていたので、意外でした。

家族信託の相談会その67

お気軽にどうぞ。

2024年7月26日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障害を持つ子の親なき後への備え

1組様 5,500円

場所

司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

登記研究916号、令和6年6月号

登記研究916号(令和6年6月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

【論説・解説】■「供託規則の一部を改正する省令等の施行に伴う供託事務の取扱いについて(令和5年9月11日付け法務省民商第173号法務省民事局長通達)」の解説

法務省民事局民事第二課補佐官(前法務省民事局商事課補佐官) 金 森 真 吾

はじめに

第1 本通達の趣旨

 提出書類の契印に変わる措置の導入、委任契約書における押印の特則設置、文字の訂正における押印の特則設置、登記事項証明書の添付省略、提示省略対象の明確化。

第2 供託所に提出すべき書類への措置等

 総ページ数何枚目のうちの、何枚目であるか、分かるように明示。署名。

第3 供託物払渡請求書等への押印の特則等

 供託有価証券払渡請求書を除いて、代理人の記名があれば、代理人の押印不要。

 一定の書類について、訂正印が不要に。

第4 簡易確認手続の対象の明確化等

 登記された法人が代理人になっている場合、簡易確認手続きの対象となることの明文化。

第5 経過措置

 改正前の印刷した用紙が無くなるまで、使える。

第6 規則書式、準則附録第10号様式の改正等について

 書式などの若干の変更。

第7 その他

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第122回)

一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問、神 﨑 満治郎

243 労働組合の設立の登記の添付書類等について

労働組合法施行令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324CO0000000231_20150801_000000000000000

(法人である労働組合の登記)

第三条 法第十一条第一項の規定による登記には、左の事項を掲げなければならない。

一 名称

二 主たる事務所の所在場所

三 目的及び事業

四 代表者の氏名及び住所

五 解散事由を定めたときはその事由

第八条 法第十一条第一項の規定による登記の申請書には、規約、第二条第二項の証明書及び代表者の資格を証する書面を添附しなければならない。

第十一条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条第一項、第二項及び第四項、第十八条、第十九条の二、第二十条第一項及び第二項、第二十一条から第二十三条の二まで、第二十四条第一号から第十四号まで、第二十六条、第二十七条、第五十一条から第五十三条まで、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条までの規定は、法人である労働組合の登記に準用する。この場合において、同法第十七条第四項中「事項又は前項の規定により申請書に記載すべき事項」とあるのは「事項」と、「前二項」とあるのは「同項」と読み替えるものとする。

労働組合法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000174_20230614_505AC0000000053

(労働組合として設立されたものの取扱)

第五条 労働組合は、労働委員会に証拠を提出して第二条及び第二項の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。但し、第七条第一号の規定に基く個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない。

 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。

一 名称

二 主たる事務所の所在地

三 連合団体である労働組合以外の労働組合(以下「単位労働組合」という。)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。

四 何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと。

五 単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。

六 総会は、少くとも毎年一回開催すること。

七 すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によつて委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少くとも毎年一回組合員に公表されること。

八 同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。

九 単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。

・・・規約には、定められている事項以外も規定することができる。

(法人である労働組合)

第十一条 この法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は、その主たる事務所の所在地において登記することによつて法人となる。

2 この法律に規定するものの外、労働組合の登記に関して必要な事項は、政令で定める。

3 労働組合に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ第三者に対抗することができない。

・・・労働組合は規約の作成、総会の開催による組織に関する事項の決定で成立し、労働委員会の証明を得て第三者に立証。法人として活動するには登記が必要。

■Q&A不動産表示登記(92)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第四章 建物(区分建物)

 第一節 登記事項 Q261 区分建物に関する登記の沿革はどのようなものか。

家屋税法・御署名原本・昭和十五年・法律第一〇八号5条。税務署に家屋台帳の備え付け。

https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F0000000000000037671&ID=&TYPE=

登記研究420号P108昭和35年4月1日民事甲第685号民事局長通達「登記簿・台帳一元化実施要領」(抄)

当時の共用部分の取扱いについて、登記研究112号P28昭和32年2月16日民事甲第330号通達「普通分譲住宅の階段室の所有権に関する登記について」

昭和38年4月1日区分所有法施行。

昭和59年1月1日改正区分所有法施行、専有部分と敷地利用権の分離処分禁止につき、昭和63年12月18日施行。

■商業登記の変遷(62)

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

第7章 商業登記に関する運用等の歩み

 第7節 電子認証制度

  • 序 説

 本人性、法人格の存在、代表権限の存在を電子的に証明。

  • 経緯等

 1997年(平成9年)5月 経済構造の変革と創造のための行動計画

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h13/html/D3012000.htm

 1999年(平成11年)高度情報通信社会推進に向けた基本方針

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/japanese/papers/h12/html/C3110000.html

 2000年(平成12年)書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法

  3.制度創設と概要等

 2000年(平成12年)平成12年4月19日法律40号改正商業登記法

 電子認証制度、」商業登記電子証明書の発行手続きに関する規定の創設、

 平成12年9月22日法務省令37号改正商業登記規則

 商業登記電子証明書に関する細則の規定。

 2005年(平成17年)3月22日 すべての商業登記所が電子認証登記所の指定を受けて電子認証事務を取り扱う。

法務省 商業登記に基づく電子認証制度

https://www.moj.go.jp/ONLINE/CERTIFICATION

 法務省 電子認証に関する事件の概況

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00126.html

 

■民事信託の登記の諸問題(33)渋 谷 陽一郎

第234 家族信託の登記に固有な申請構造を巡る令和6年1月10日登記先例

第235 令和6年1月10日登記先例の意義、第236 令和6年1月10日登記先例の事案、第237 本登記先例に対する解説のポイント1──不動産登記法104条の2第2項の登記申請構造の適用、第238 本解説のポイント2──不動産登記法62条の適用の原則、第239 受益者の地位の相続という問題

不動産登記法104条の2第2項(権利の変更の登記等の特則)の登記申請構造の適用。・・・不動産登記法104条の2第2項を準用する結果、登記申請構造を適用し、変更登記を行うことを明示。特例のもととなる原則は、不動産登記法62条(一般承継人による申請)。登記研究143号P21昭和34年9月15日民事甲第2067号民事局長回答「相続を放棄した者の登記申請義務等について」。

P63、登記申請人適格の所在、について。・・・所在の意味が分かりませんでした。

P64、委託者兼受益者の相続人(子たる兄弟姉妹)が複数存在する場合、登記申請権の承継は不可分であるとして、委託者兼受益者の相続人全員が、登記義務者となって、その全員の印鑑証明書を提供すべきということになるのだろうか。・・・分かりませんでした。

 P64、信託法91条の受益者連続の規定によらずして、それ以外にも、信託行為で、信託行為でもって、受益権の相続を禁止できるのか、について・・・分かりませんでした。

【資 料】

会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(9)

登記研究184号P55昭和37年6月13日民事甲第1563号民事局長回答 「仙台法務局管内登記課長会同協議問題の決議について」

 払込期日の繰り上げ。

登記研究207号P60昭和40年1月13日民事甲第79号民事局長回答「払込期日を延期して新株発行をした場合の変更登記申請の添付書面について」

 払込期日の延期。

登記研究697号P225 、2006年3月30日【質疑応答】〔七八二六〕再生計画に記載された払込期日とは異なる払込期日に払込みが行われた場合における新株発行による変更の登記の可否

 再生計画で定められた払込期日は、あくまで予定を記載したもの。

登記研究228号P41昭和41年10月5日民事甲第2875号民事局長通達 「新株発行による変更登記について」

 株主保護のための規定。

登記研究91号P34昭和30年6月25日民事甲第1333号民事局長通達 「商法の一部を改正する法律等の施行に伴う登記事務取扱について(商通第二十三号)」

 通達が発せられた当時は、既存株主の持ち株比率の維持が株主の利益とされていた面があった。現在は、重視されていない。登記研究561号P49から、1994年10月30日発行、菊池 洋一:法務省民事局第四課長、鳥本 喜章:法務省民事局付検事、小林 健二:法務省民事局第四課補佐官、片岡 貞敏:法務省民事局第四課補佐官、林 久義:法務省民事局第四課係長、高村 一之:法務省民事局第四課係長、早貸 淳子:法務省民事局第四課係長、松本 昌 【論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(47)

登記研究698号P73から、平成18年3月31日民商第782号民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 会社法207条。会計帳簿には、必ずしも金銭債権の弁済期が到来した事実を確認できることを要しない。

登記研究877号P191から、令和3年1月29日法務省民商第14号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 会社法202条の2。上場会社であることを証明する情報の提供の可否。

登記研究721号P177から、2008年3月30日【質疑応答】〔七八六六〕会社法第一九九条第一項第一号の募集株式数の定め方について

 株主割当ての決議後、申込みがなかった数を第三者に割り当てる、という数の定め方の可否。

登記研究590号P156から、平成8年7月25日法務省民四第1350号民事局第四課長通知「転換社債の転換条件変更の登記申請について」

 転換社債の総額引き受け契約。条件変更の場合、会社の決議、変更契約を証する情報、社債権者の保護が必要。

登記研究664号P146から、平成14年8月28日法務省民商第2037号 民事局商事課長通知「新株予約権の登記の申請書に添付すべき書面について」

 申込みと契約書の案、引受人の一覧表を合綴した書面が、新株予約権の申し込み又は引き受けがあったことを証する書面(商業登記法57条)に該当するか。民事月報平成27年5月号、櫻庭倫「平成26年商業・法人登記実務における諸問題」

登記研究698号P116から、平成18年3月31日民商第782号民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 分配可能額が存在することを証する書面(会社法170条)について。

登記研究804号P215から、平成27年2月6日法務省民商第13号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 会社法279条3項に基づく登記申請について。

登記研究736号P178から、2009年6月30日【質疑応答】「新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の登記について」

 価額を定める時期について。

登記研究767号P138から、2012年1月30日【質疑応答】〔7934〕新株予約権1個当たりの目的となる株式の数及び株式分割等に伴ういわゆる希薄化条項を募集事項である「募集新株予約権の内容及び数」として定めたときの登記について

 登記事項(会社法911条3項12号)となるか、について。

登記研究660号P208から、2003年1月30日【質疑応答】 〔七七六七〕新株予約権について譲渡禁止特約を付すことの可否

 発行決議で譲渡制限、契約で譲渡禁止を定めることの可否について。

【法 令】

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する 政令(令和5年6月9日政令第205号)

商業登記規則等の一部を改正する省令(令和6年4月16日法務省令第28号)

 株式会社の代表取締役等の住居非表示措置について。

後見登記等に関する省令の一部を改正する省令(令和6年4月18日法務省令第29号)

 登記申請をオンラインで行う場合にクラウド・コンピューティング・サービス技術を使用可能な定めを規定。

不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和6年4月22日法務省令第32号)

 ビデオ電話方式による登記簿の附属書類の閲覧について規定。

 【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6230〕地役権設定の仮登記における要役地への職権登記の可否について【解説付】(令和5年11月22日付け法務省民二第1511号法務局民事行政部長、地方法務局長(岡山を除く。)宛て法務省民事局民事第二課長通知)

 不動産登記法80条4項が規定する、地役権の設定の登記、に仮登記も含まれるか。

 

〔6231〕外国に住所を有する外国人又は法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の住所証明情報の取扱いについて(令和5年12月15日付け法務省民二第1596号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 各法務局での取り扱いの取りまとめ。

▽商業・法人登記関係

〔6232〕商業登記等事務取扱手続準則の一部改正について(令和5年11月20日付け法務省民商第210号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 内部処理の様式などを定める。

登記研究915号(令和6年5月号)

登記研究915号(令和6年5月号)2024/05、テイハン

https://www.teihan.co.jp/book/b10084677.html

【論説・解説】

■「遺言書保管事務取扱手続準則の一部改正について(令和5年8月31日付け法務省民商第168号法務省民事局長通達)」の解説

法務省訟務局訟務企画課予算係長(前法務省民事局商事課遺言書保管第一係長兼第二係長) 菅 野 裕 紀

1 はじめに

https://www.moj.go.jp/MINJI/12.html

 指定者通知を行う人の、範囲と人数を改正。

2 本通達の発出の背景

 ⑴ 指定者通知の対象者となる者の範囲の拡大について

 想定ニーズ・・・士業者、信託銀行、葬儀会社など。

 ⑵ 指定者通知の対象となる人数の拡大について

3 事務処理上の留意点

遺言書情報証明書の交付請求を出来る者かは、遺言の内容によります(遺言書事実証明書の交付請求をしてみてください。)、という注意書き。

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第121回)一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問 神 﨑 満治郎

242 登記手続において、組合等登記令の適用を受ける法人の種類及びその登記手続の概要について

1 登記手続において、組合等登記令の適用を受ける法人

組合等登記令別表

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339CO0000000029

2 登記手続の概要

(設立の登記)第二条 組合等の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、設立の認可、出資の払込みその他設立に必要な手続が終了した日から二週間以内にしなければならない。

2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。

一 目的及び業務

二 名称

三 事務所の所在場所

四 代表権を有する者の氏名、住所及び資格

五 存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由

六 別表の登記事項の欄に掲げる事項

(変更の登記)第三条、(他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記)第四条、(代理人の登記)第六条、(解散の登記)第七条、(継続の登記)第七条の二、(合併等の登記)第八条、(分割の登記)第八条の二、(移行等の登記)第九条、(清算結了の登記)第十条、二週間以内。

 添付書面、商業登記法の準用、各登記の特則など。

■Q&A不動産表示登記(91)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第三章 建物(非区分建物)

 第二節 各種の登記の申請

  Q260 建物を取り壊した場合はどのような登記を申請するのか。

 不動産登記法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123

(建物の滅失の登記の申請)第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

 滅失の判断・・・建物の同一性。建物の効用、売買の実例など。

不動産登記準則

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00465.html

(建物の再築)第83条 既存の建物全部を取り壊し、その材料を用いて建物を建築した場合(再築)は、既存の建物が滅失し、新たな建物が建築されたものとして取り扱うものとする。

(建物の移転)第85条 建物を解体移転した場合は、既存の建物が滅失し、新たな建物が建築されたものとして取り扱うものとする。

2 建物をえい行移転した場合は、建物の所在の変更として取り扱うものとする。

(附属建物がある主たる建物の滅失による表題部の変更の登記の記録方法)第102条 附属建物がある主たる建物の滅失による表題部の登記事項に関する変更の登記をする場合には、表題部の主たる建物の表示欄の原因及びその日付欄に滅失の登記原因及びその日付を記録し、当該表示欄に主たる建物となるべき附属建物に関する種類、構造及び床面積を記録し、当該原因及びその日付欄に「令和何年何月何日主たる建物に変更」のように記録するものとする。この場合には、当該附属建物の表示欄の原因及びその日付欄に「令和何年何月何日主たる建物に変更」のように記録して、当該附属建物についての従前の登記事項を抹消するものとする。

登記研究255号昭和43年12月23日民事三発第1075号民事局第三課長回答「建物の滅失登記申請における申請人について」

 取り壊しの場合は工事証明書など。

■商業登記の変遷(61)司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 印鑑証明。直接証明方式→間接証明方式類似→コンピュータ方式→印鑑カード方式(間接証明方式)へ。

■民事信託の登記の諸問題(32)渋 谷 陽一郎

第228 信託法の条文の読み方

信託法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000108

(受託者の権限の範囲)

第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。

第229 信託法26条の構造

 接続詞の読み方。

第230 信託法26条の解釈における見解の対立

 このように解した場合でも、この「管理又は処分」は、後段の「信託の目的の達成のために必要な行為」である必要があるのだろうか。・・・一定の目的の従う必要がある(信託法2条1項)。

第231 信託法26条における本文とただし書の関係

 信託の目的の達成のために必要な行為の中に、管理又は処分は含まれていると考えます。例示、具体化することによって、結果的に、受託者の権限を信託の目的に加えて更に制限することになる場合も出てくると考えられます。

第232 信託契約書の信託条項──目的と権限の関係

 目的が上位規範、権限が目的を第三者にも分かるように具体化したものだと考えます。

第233 信託条項間の整合性とは何か

 信託の目的と、受託者の権限(信託目録では信託財産の管理方法)が矛盾しないこと。・・・受託者、第三者が混乱する。

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(8)

登記研究804号平成27年2月6日法務省民商第13号法務省民事局長通達 「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

登記研究804号2015年2月、南野 雅司:法務省民事局商事課法規係長 「商業登記規則等の一部を改正する省令の解説」

 株式の譲渡制限に関する定めの廃止・変更、株式の併合、合併。

登記研究 698号平成18年3月31日民商第782号民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」・・・発行可能株式総数、発行可能種類株式総数の変更には、定款変更の株主総会決議が必要。

登記研究423号昭和57年11月13日法務省民四第6854号「民事局第四課長回答「株式の併合による会社が発行する株式の総数の変更について」

 株式の併合の割合に比例して、株主総会決議がなくても発行可能株式総数を減少する取扱い・・・廃止。

登記研究698号平成18年3月31日民商第782号民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 株式の消却と発行可能株式総数、発行可能種類株式総数。

登記研究143号昭和34年8月29日民事甲第1923号民事局長電報回答 「株式会社の新株発行について」

 発行可能株式総数の増加決議を条件とする新株の超過発行を行う取締役会の決議。

登記研究218号昭和40年11月13日民事甲第3214号民事局長電報回答 「新株発行を条件とする授権資本の枠増加の変更登記の受否について」

 新株発行の前後と発行可能株式総数、発行可能種類株式総数の変更決議・登記申請の可否。

登記研究273号昭和45年6月29日民事四発第468号民事局第四課長電報回答「枠外発行を条件とする授権資本の枠拡大の決議について」

 株主総会の条件付き決議の限界。条件決議自体が決議時点で定款、法令に違反しないこと。

登記研究423号昭和57年11月12日法務省民四第6853号民事局第四課長回答「授権資本の枠を超える新株発行による変更登記の受否について」

 新株発行の無効の訴え(会社法828条1項2号)は株主を守るためなので、株主全員が同意する株主総会決議がある場合は無効が治癒される。

登記研究731号平成20年9月30日法務省民商第2665号民事局商事課長通知「吸収合併に際しての発行可能株式総数を超えた株式の発行及び当該枠外発行の数を前提とする発行可能株式総数の増加に係る条件付定款変更の可否について」

登記研究344号昭和51年3月18日法務省民四第2157号民事局第四課長回答「株式の譲渡制限に関する規定の設定による変更の登記の受否について」

 株式の譲渡制限に関する規定の設定決議を行う株主総会に参加していない新株主は、株式買い取り請求も不可能であって、不利。

登記研究231号昭和41年12月23日民事四発第772号民事局第四課長電報回答「株式の譲渡制限に関する規定の登記事務取扱いについて」

 全株主から株券の提供がされている場合でも、法令に定める株券提供公告期間が満了していることが必要。公告期間中に株式の譲渡があった場合の譲受人保護。

登記研究707号2007年1月【質疑応答】〔七八四五〕株式会社の定時株主総会における株券を発行する旨の定款の定めの廃止決議と株式譲渡制限の定款の定めの設定決議について

登記研究 708号2007年2月【質疑応答】〔七八四七〕株式会社が解散した場合における株式譲渡制限規定の変更の登記の要否について

 当会社、株主総会、清算人会等へ変更。取締役会という機関がなくなるから(会社法477条)。

登記研究206号71頁昭和39年12月26日民事甲第4024号民事局長回答「後配株式を普通株式に変更するための手続について」

 普通株式も種類株式の一種だから。

登記研究725号平成20年3月21日法務省民商第990号民事局商事課長通知「端株発行会社が普通株式を分割する際に取得条項付種類株式の内容を変更する場合における会社法第一一一条第一項の当該種類株式の株主全員の同意及び同法第三二二条第一項の当該種類の株式を有する株主を構成員とする種類株主総会の決議の要否について」

 取得条項付種類株主が、その地位を知らないうちに奪われる可能性があるかないか。取得対価として受ける財産の種類等に変更があるか否か。

【法 令】不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和6年3月1日法務省令第7号)

 相続人申告登記、ローマ字氏名の併記、旧氏の併記など。

【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6227〕信託財産を受託者の固有財産とする旨の登記の可否について【解説付】(令和6年1月10日付け法務省民二第17号法務局民事行政部長(東京を除く。)、地方法務局長宛て法務省民事局民事第二課長通知)

 登記義務者は原則受益者の法定相続人。信託の変更の登記は、受託者による単独申請(不動産登記法103条2項、98条2項、信託目録に定めがない場合、受託者作成の、利益相反行為を許容する定めのある報告的登記原因証明情報の提供。)。登記権利者を受託者、登記義務者を受益者の同一人として、信託財産を受託者の固有財産とする旨の登記申請。

▽商業・法人登記関係

〔6228〕商業・法人登記における印鑑関係事務取扱要領の一部改正について(令和5年11月10日付け法務省民商第202号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

 印鑑記録の更生申し出の追加。

▽遺言書保管関係

〔6229〕遺言書保管事務取扱手続準則の一部改正について(令和5年8月31日付け法務省民商第168号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)

【質疑応答】

▽商業・法人登記関係

〔8010〕一般財団法人設立において、金銭による財産の拠出を設立者又は遺言執行者から委任を受けた設立時理事名義の口座に行った場合について

 口座名義人の範囲について。理事長でない設立時理事名義でも良い。

〔8011〕公証人による定款の認証前に財産の拠出を履行した場合の財産の拠出の履行があったことを証する書面について

 登記研究902号令和4年6月13日法務省民商第286号法務省民事局商事課長通知「株式会社の発起設立の登記の申請書に添付すべき会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面の払込みの時期について」について、一般財団法人にも適用できる部分は適用。

家族信託の相談会その66

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司法書士宮城事務所(西原町)

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司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

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