家族信託の相談会その68

お気軽にどうぞ。

2024年9月27日(金)14時~17時

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障害を持つ子の親なき後への備え

1組様 5,500円

場所 司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

登記研究918号

登記研究918号(2024年8月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

【論説・解説】

■後見登記等に関する法令の改正経緯等について(上)

法務省民事局民事第一課長 櫻 庭   倫

はじめに

第1 後見登記等に関する法律の改正経緯

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第43号)一部改正により、後見登記等ファイルおよび閉鎖登記ファイルについて、行政機関の保有する情報の公開に関する法律が適用除外になるとともに施行。

 中央省庁等改革関係法施行法

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/h146160.htm

 (後見登記等に関する法律の一部改正)

第三百三十条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項中「又はその支局若しくは出張所」を「若しくはこれらの支局又はこれらの出張所」に改める。

・支局、出張所の位置付けを明確化。

 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15520021213152.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第二十四条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

第十一条第二項に次のただし書を加える。

 ただし、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して前項各号の嘱託、申請又は請求をするときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。

・オンライン申請における現金納付が可能に。

後見登記等に関する法律

https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000152

(行政不服審査法の適用除外)

第十六条行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、前条第一項の審査請求については、適用しない。

特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/16620070331023.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第三百四十条 後見登記等に関する法律の一部を次のように改正する。

 第十一条第二項中「登記印紙」を「収入印紙」に改める。

非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

(後見登記等に関する法律の一部改正)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/17720110525053.htm

第百二十九条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第三号及び第四号中「氏名」の下に「又は名称」を加え、「(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)」を削り、同項第九号を次のように改める。

  九 家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第百二十七条第一項(同条第五項並びに同法第百三十五条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定により成年後見人等又は成年後見監督人等の職務の執行を停止する審判前の保全処分がされたときは、その旨

  第四条第一項中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 前号に規定する規定により成年後見人等又は成年後見監督人等の職務代行者を選任する審判前の保全処分がされたときは、その氏名又は名称及び住所

  第四条第二項中「後見等の開始の審判前の保全処分(政令で定めるものに限る。)」を「家事事件手続法第百二十六条第二項、第百三十四条第二項又は第百四十三条第二項の規定による審判前の保全処分(以下「後見命令等」と総称する。)」に、「政令で定める事項」を「次に掲げる事項」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 後見命令等の種別、審判前の保全処分をした裁判所、その審判前の保全処分の事件の表示及び発効の年月日

  二 財産の管理者の後見、保佐又は補助を受けるべきことを命ぜられた者(以下「後見命令等の本人」と総称する。)の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)

  三 財産の管理者の氏名又は名称及び住所

  四 家事事件手続法第百四十三条第二項の規定による審判前の保全処分において、財産の管理者の同意を得ることを要するものと定められた行為

  五 後見命令等が効力を失ったときは、その事由及び年月日

  六 登記番号

  第五条第三号及び第六号中「氏名」の下に「又は名称」を加え、「(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)」を削り、同条第九号を次のように改める。

  九 家事事件手続法第二百二十五条において準用する同法第百二十七条第一項の規定により任意後見人又は任意後見監督人の職務の執行を停止する審判前の保全処分がされたときは、その旨

  第五条中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 前号に規定する規定により任意後見監督人の職務代行者を選任する審判前の保全処分がされたときは、その氏名又は名称及び住所

  第六条中「第四条第二項」及び「政令で定める保全処分」を「後見命令等」に改める。

  第七条第一項第一号中「掲げる者」を「規定する者」に改め、同項第二号中「掲げる者」を「規定する者」に改め、同号を同項第四号とし、同項第一号の次に次の二号を加える。

  二 第四条第一項第十号に規定する職務代行者 同号に掲げる事項

  三 第四条第二項第二号又は第三号に規定する者 同項各号に掲げる事項

  第七条第一項に次の一号を加える。

  五 第五条第十号に規定する職務代行者 同号に掲げる事項

  第七条第二項中「成年被後見人等の親族」の下に「、後見命令等の本人の親族」を加える。

  第八条第二項中「前条第一項第二号」を「前条第一項第四号」に改める。

  第十条第一項第四号を次のように改める。

  四 自己を成年後見人等、成年後見監督人等又は任意後見監督人の職務代行者(退任したこれらの者を含む。)とする登記記録

  第十条第一項に次の三号を加える。

  五 自己を後見命令等の本人とする登記記録

  六 自己を財産の管理者(退任した者を含む。)とする登記記録

  七 自己の配偶者又は四親等内の親族を後見命令等の本人とする登記記録

  第十条第二項第一号中「若しくは」を「、後見命令等の本人又は」に改め、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る登記記録で政令で定めるもの」を削り、同項第三号中「成年被後見人等」の下に「又は後見命令等の本人」を加え、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る登記記録で政令で定めるもの」を削り、同条第三項第三号を次のように改める。

  三 自己が成年後見人等、成年後見監督人等又は任意後見監督人の職務代行者であった閉鎖登記記録

  第十条第三項に次の二号を加える。

  四 自己が後見命令等の本人であった閉鎖登記記録

  五 自己が財産の管理者であった閉鎖登記記録

  第十条第四項中「若しくは」を「、後見命令等の本人又は」に改め、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る閉鎖登記記録で政令で定めるもの」を削る。

・後見人等が法人であることを想定。

・政令から法律への引き上げ事項。

行政事件不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律法律第六十九号(平二六・六・一三)

https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_housei.nsf/html/housei/18620140613069.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第八十三条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「を不当とする」を「に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した」に改め、同条第三項中「登記官は、」の下に「処分についての」を、「ある」の下に「と認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきもの」を加え、同条第四項中「審査請求を理由がないと認めるときは」を「前項に規定する場合を除き」に改め、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、監督法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。

  第十五条第五項中「長は、」の下に「処分についての」を、「ある」の下に「と認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきもの」を加え、同条に次の二項を加える。

 6 法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。

 7 第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十五条第四項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「後見登記等に関する法律第十五条第四項の意見」とする。

・行政不服審査法の改正に伴う改正。

行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律

法律第五十一号(平二八・五・二七)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19020160527051.htm

(鉄道抵当法等の一部改正)

第五条 次に掲げる法律の規定中「第二条第三項」を「第二条第五項」に改める 

二十 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十四条

・行政機関の保有する情報の公開に関する法律の、保有個人情報の定義規定の移動に伴う改正。

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律

法律第十六号(令元・五・三一)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19820190531016.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第五十六条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十一条第二項ただし書を削る。

・オンライン申請の場合の手数料納付手続に関する改正。

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律

法律第三十七号(令三・五・一九)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20420210519037.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第三十五条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十四条の見出しを「(個人情報の保護に関する法律の適用除外)」に改め、同条中「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第五項」を「個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項」に、「第四章」を「第五章第四節」に改める。

第2 後見登記等に関する政令の改正経緯

行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う法務省関係政令の整備に関する政令(平成13年政令第83条)

民間事業者による信書の送達に関する法律及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成14年政令第386号)

・費用、郵送事業者について法務省令で定めることが可能になる。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成15年政令第551号)

後見登記等に関する政令及び登記手数料令の一部を改正する命令(平成16年政令第69号)

・オンラインで登記事項証明書等の送付を請求した場合の手数料は、送付料を含む。

特別会計に関する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成23年政令第48条)

非訟事件手続法等の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成24年政令第197号)

行政不服審査法及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成27年政令第392号)

行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(令和元年政令第183号)

後見登記等に関する政令の一部の改正する政令(令和3年政令第33号)

・押印規定の削除。

個人情報の保護に関する法律施行令等の一部を改正する等の政令(令和3年政令第292号)

新連載 ポイント解説

■基礎から考える商業登記実務(第2回)

横浜地方法務局法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

1 はじめに

株式会社の取締役の退任を証する書面いついて

商業登記法(取締役等の変更の登記)第五十四条4項

4第一項又は第二項に規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。

2 取締役の退任を証する書面が必要とされる理由

 退任事由と、退任事由が生じた日を証する。

3 取締役の権利義務の承継

 権利義務取締役について。会社法346条1項。 昭和43年12月24日最高裁判所第三小法廷判決昭和41(行ツ)65株式会社変更登記申請却下処分取消請求民集第22巻13号3334頁

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55059

日付について、登記研究102号P31、昭和31年4月6日民事甲第746号民事局長回答 「取締役の退任の日について」⑸ その他の退任事由による退任の場合

4 退任事由ごとの退任を証する書面の態様と基本的な要件及び留意点等

 ⑴ 任期の満了による退任の場合⑵ 辞任による退任の場合⑶ 解任による退任の場合⑷ 死亡による退任の場合

辞任について、登記研究204号P46、昭和39年10月3日民事甲第3197号民事局長回答「代表取締役の変更の登記について」

解任について、登記研究512号P64、昭和35年10月20日民事四発第197号民事局第四課回答「商法第二百五十八条第一項の規定により権利義務を有する取締役の解任について」

登記研究188号P64、昭和38年5月18日民事甲第1356号民事局長回答「取締役及び監査役の任期満了による退任の日並びに株主総会の延期続行について」

登記研究154号P54、昭和35年8月16日民事四発第146号民事局第四課長心得回答「営業年度の変更による取締役の任期の短縮について」

有限会社の取締役について、登記研究392号P102、昭和54年12月8日 法務省民四第6104号民事局第四課長回答「取締役辞任の時期について」

 誰が、いつ、どの会社の取締役を辞任したのかを明らかにする必要がある。

登記研究313号P64、1973年12月20日第六部質疑・応答(5064~5068)◎五〇六七「株主総会議事録に取締役(又は監査役)の辞任の旨の記載があるときは、当該辞任取締役の署名等のされていないものであつても、それをもつて商業登記法第八一条第二項の退任を証する書面とすることができる。」

取締役が死亡又は行方不明の場合について、登記研究808号P111、平成27年2月20日法務省民商第18号法務省民事局長通達「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

種類株主総会の議事録添付について。登記研究 662号P183、平成14年12月27日法務省民商第3239号民事局長通達「商法等の一部を改正する法律等の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

権利義務取締役の死亡について、登記研究325号P73、1974年12月20日第六部質疑・応答(5120~5129)「取締役の変更の登記について」

5 おわりに

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第123回)

一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問、神 﨑 満治郎

244 商業登記法は制定されているのに、なぜ、法人登記法は制定されていないのか。

 法人の設立根拠法→登記手続法令。

■Q&A不動産表示登記(94)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第四章 建物(区分建物) 第一節 登記事項

  Q263 区分建物の登記記録はどんな仕組みになっているのか。

不動産登記規則(登記記録の編成)第四条3項

 3区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。

  Q264 区分建物における表示に関する登記事項とは何か。

不動産登記法

https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123#Mp-Ch_4-Se_2-Ss_3

(建物の表示に関する登記の登記事項)

第四十四条建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)

二家屋番号

三建物の種類、構造及び床面積

四建物の名称があるときは、その名称

五附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積

六建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨

七建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積

八建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称

九建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権

■逐条解説不動産登記規則(47)

元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史

第96条 職権による表示に関する登記の手続

不動産登記規則

https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018

(職権による表示に関する登記の手続)

第九十六条登記官は、職権で表示に関する登記をしようとするときは、職権表示登記等事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。

2登記官は、地図若しくは地図に準ずる図面を訂正しようとするとき(第十六条の申出により訂正するときを含む。)又は土地所在図、地積測量図、建物図面若しくは各階平面図を訂正しようとするとき(第八十八条の申出により訂正するときを含む。)は、職権表示登記等事件簿に事件の種別、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。

 地方税法

https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226#Mp-Ch_3-Se_2-Ss_4

(固定資産課税台帳の登録事項)第三百八十一条7項

7 市町村長は、登記簿に登記されるべき土地又は家屋が登記されていないため、又は地目その他登記されている事項が事実と相違するため課税上支障があると認める場合には、当該土地又は家屋の所在地を管轄する登記所にそのすべき登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとるべきことを申し出ることができる。この場合において、当該登記所は、その申出を相当と認めるときは、遅滞なく、その申出に係る登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとり、その申出を相当でないと認めるときは、遅滞なく、その旨を市町村長に通知しなければならない。

不動産登記法(分筆又は合筆の登記)第三十九条2項、3項

2登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。

3登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。

■商業登記の変遷(64)第8章 商業登記に関する判例の歩み 第1節 登記の効力 第2節 登記義務等

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 一般的効力と不実登記の効力。登記義務に関して登記の要否、登記期間、登記懈怠による過料。

登記研究495号P56、昭和44年3月6日民事甲第381号民事局長通達「議決権行使の代理人資格を株主に制限する定款の定めの効力について(商通第七〇号)」

■民事信託の登記の諸問題(35)

渋 谷 陽一郎

 本当に重要なことは、将来、想定される登記申請が受理され、その時点における登記官の審査を経て、登記実行処分されることである。について・・・この考え方だと、表題登記と似ているのかなと思いました。個人的には、将来の連続性を保つことが最も重要なことなのかは分かりませんでした。重要なことの一つであると思います。

 委託者の地位を承継した者が、当初の委託者による錯誤更正の証明を代替できるのか(地位の承継は権利義務の承継を伴い、登記申請義務も負うと解釈できるが)という実務論点もある。について・・・可能と考えます。出来ないと考える場合、どのような構成を取るのか分かりませんでした。

 

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(11)

登記研究152号P46、昭和35年6月20日民事甲第1520号民事局長回答「定款所定の員数を欠く取締役会の決議の可否について」

 定款の取締役の数の規定を、取締役の死亡により満たしていなくても、会社法369条の出席議決権の過半数の要件規定を満たしていれば、有効な決議となる。

登記研究516号P75、1991年1月30日発行、吉戒 修一:法務省民事局第四課長、門野坂 修一:法務省民事局付、竹田 盛之輔:法務省民事局第四課補佐官、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、宮田 和一:法務省民事局第四課係長、吉越 満男:法務省民事局第四課係長、大河原 清人:法務省民事局第四課係長、堀  【論説・解説】 株式会社に関する先例をめぐって(36)

登記研究213号P62、昭和40年7月13日民事甲第1747号民事局長回答「法定数を欠く取締役会の決議に基づく変更登記申請の受理について」

登記研究227号P71、昭和41年8月31日民事甲第2527号民事局長電報回答「取締役会の定数の算定方法について」

 取締役会の決議について、開催が有効かどうか、決議が有効かどうかを考える。取締役会に出席した取締役は、原則として開会から閉会まで居ることが想定されている。開催が有効かどうかは、定款、法令の順に順守する必要がある。現存する取締役が会社法369条の議決に加わることができる取締役、となる。

登記研究450号P123、昭和60年3月15日法務省民四第1603号民事局第四課長回答「特別利害関係を有しない取締役一名による取締役会決議の効力について」

登記研究269号P70、昭和45年3月2日民事甲第876号民事局長回答 「取締役会の決議等について」

登記研究522号P39、1991年7月30日発行、吉戒 修一:法務省民事局第四課長、門野坂 修一:法務省民事局付、竹田 盛之輔:水戸地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、宮田 和一:法務大臣官房司法法制調査部(前法務省民事局第四課係長)、吉越 満男:法務省 【論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(37)

 利害関係を有する取締役は、会社法369条1項の議決に加わることができる取締役に含まれない(会社法369条2項)。

登記研究63号P34、昭和27年12月27日法務省民事甲第905号法務省民事局長通達「取締役会における代理出席の可否について(商通第十一号)」

 取締役は、業務執行権と監督義務(会社法348条3項4号など)がある。

登記研究140号P32、昭和34年4月21日民事甲第772号民事局長回答 「取締役会の決議が可否同数のときは議長が決する旨の定款の規定の効力について」

 議長に、取締役が持つ議決権以外の議決権を与えることは出来ない。

登記研究452号P109、昭和60年7月8日法務省民四第3951号民事局第四課長回答「外国文字をもって作成された取締役会議事録を添付した登記申請の受否について」

登記研究72号P34、昭和28年10月2日民事甲第1813号民事局長電信回答「株主総会等の議事録に関する出席取締役の署名について」

登記研究496号P23、1989年5月30日発行 柳田 幸三:法務省民事局第四課長、渋佐 愼吾:法務省民事局局付、山田 紘:富山地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、浅野 克男:人事院公平局調整課審理官(前法務省民事局第四課係長)、藤部 富美男:法務省民事 【第一部 論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(23)

 定款に署名の定めがある場合、議事録作成時に海外出張中や病気療養中のとき。(会社法施行規則72条3項)。

登記研究189号P68、昭和38年5月25日民事四発第118号民事局第四課長回答「商業登記申請書に添付する取締役会議事録の署名について」

登記研究877号P131、令和3年1月29日法務省民商第10号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 会社法348条2項を証する情報は、取締役会の署名又は記名押印の規定に準ずる。

市民と法148号2024年8月

市民と法148号、2024年8月、民事法研究会

http://www.minjiho.com/shopbrand/037/P/

大論公論 簡易裁判所のデジタル化と認定司法書士に対する期待

 大阪地方裁判所民事上席裁判官・大阪簡易裁判所司法行政事務掌理裁判官 松永栄治

・利用者の出頭による費用面及び時間面のコストを抑えたいという利用者のニーズに応えることが出来る。・・・今後、利用件数は増えるのか気になりました。

・簡易裁判所の平均審理期間は、1998年2,0カ月から2023年3,1カ月と長くなっている。

【論説/解説】

・総合法律支援法の沿革と今後の展望

 東海大学教授 吉岡すずか

 特定援助対象者法律相談援助について。月平均62件の相談実績。

 災害援助、刑事領域への拡大。

・「デジタル技術を活用した遺言制度の在り方に関する研究会報告書」を読んで

 弁護士 佐々木好一

 「私の下記所有財産を住所○○、氏名○○【配偶者・子・(    )】に、【相続させる・遺贈する】」の○○と選択をほんの自書で行い、その他は全て記載済みのものを利用する、という方法があり得るのではないかと思いました。

・ネット銀行の抵当権設定登記手続と司法書士業務のDX化

 司法書士 土屋佑介

住信SBIネット銀行の住宅ローンは、魅力的な商品性に加え、AI審査の導入など、融資判断の迅速化に積極的に取組み、多くのお客さまにご愛顧いただいております。その結果、2023年10月には住宅ローン取扱額10兆円を突破し、2023年度の新規実行額は1兆4,852億円

https://www.netbk.co.jp/contents/company/press/2024/0412_002540.html#:~:text=%E4%BD%8F%E4%BF%A1SBI%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E9%8A%80%E8%A1%8C%E3%81%AE%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%80%81%E9%AD%85%E5%8A%9B,%E5%86%86%E3%81%A8%E5%9B%BD%E5%86%85%E8%A1%8CNo.

 ネット銀行が委任する司法書士をどう探すか、各ネット銀行が工夫。司法書士においても、通常より広範な業務を行っているものと推測。・・・どのような工夫があるのか、どのくらい広範なのか気になりました。

 ネット銀行の電子署名に関する管理と、委任状の記載事項。

・空家等管理活用支援法人の指定制度における審査基準のあり方

 司法書士 立川健豊

 ■空家等管理活用支援法人の指定等の手引き

国土交通省 市町村が支援法人の指定等を行うにあたっての基本的な考え方や、審査の基準を含む事務取扱要綱(例)

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html

 自治体により、空家等管理活用支援法人の指定を行わない例。

・区分所有法制の見直しに関する要綱を読む(下)――改正の背景・各制度の概要・今後必要な施策――

 弁護士・横浜市立大学客員准教授 佐藤 元

 法制審議会-区分所有法制部会

https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00004

 建替え決議要件を緩和する事由。建替え決議がされた場合の賃貸借契約の終了請求権と損失補償義務。

 区分所有関係の解消制度、区分所有建物滅失後の再建制度。建物敷地売却制度。建物更新(リノベーション)決議。

 

・相続登記申請義務化時代の司法書士制度論(4)――AI時代の司法書士原論――

 司法書士 長谷川清

 司法書士事務所の運営とAI、主に生成AIとの関係。AI時代と表現。相続人申告登記の申出制度に、自動調査・校合を行うAI登記官の出現の可能性。・・・司法書士と同じように、AIを使用する登記官が出現する、という意味なのかなと思います。それは法務省が生成AIの使用方法についてガイドラインを省内でガイドラインが作成されることと、ほぼ同義ではないかと思います。利用方法さえ定めれば、今すぐにでも使用することが出来る状況にはなっているからです。

 韓国における未来登記システムについて。ここでいう登記システムは記事全体を読む限り、不動産登記に関するシステムの話をしています。

 一般国民が容易に理解して活用できる未来型登記簿、というものがどういうものなのか、想像が出来ませんでした。

 無管轄、非対面等が大きな特徴である。について・・・無管轄というのは、どこの法務局に登記の申請、申告の申出、各種証明書の請求をしてもよい、という意味だと考えられます。非対面はどのように本人の意思を担保するのか、気になりました。

 不動産売買契約事実申告登記制度の創設について。・・・税務申告に近いイメージを持ちました。相続税が課税されないが申告が必要なときなど。仮登記制度や仮登記仮処分制度の手続要件の緩和や、登録免許税を不動産1個1,000円(仮登記仮処分命令の手続き費用も一件1,000円)にすることで解決出来ないのかなと思いました。

 司法書士がAIを、まずは使ってみる、という心意気になるには、研修に組み入れるために10年単位の月日を要する、との記述について。・・・研修に入っていなくても、既にどのように使いこなすか、試行錯誤している方がいらっしゃいます。

対談 司法書士のアイデンティティの行方(上)

 司法書士 稲村 厚、 司法書士 渋谷陽一郎

 極めて中途半端な法律家、について。・・・私の認識は、有利な方に自身の立場を入れ替えることが出来る隣接法律専門職です。司法書士試験合格時は、言葉の王様、事務の王様だと考えていました。ただ、私や本記事の著者を含めた先輩方を見ていて、言葉の使い方が雑だと思うことが現在進行中でずっとあるので、さすがに言葉の王様、事務の王様なんて言えないです。

 司法書士制度が「未完の制度」あるいは「生成中の法律家制度」であるがゆえに非常に魅力的であったものが、どうも最近そういう議論がまったくなくなっちゃって、あの情熱はどこへいっちゃったのかなというふうに思います。について・・・1つは成年後見センター・リーガルサポートその他の司法書士が中心となって運営している法人、各司法書士会執行部における、多数決による除名規定や会員への指導とその活用の多さだと思います。事実認定や法律構成の議論ではなく多数決(役員にとって都合の悪いことは、多数決で決めて追い出す。)の論理が持ち出されると、普段の仕事と矛盾しますし、司法書士制度論など語る熱量は消えます。言うべきことは言う、など、少なくとも同業者の会務を熱心にやっている人にそういう対応をしても現状無意味で、かえって失望します。

 紛争性の有無という基準は曖昧、について同意です。

 司法書士制度は消滅するという予言について・・・あり得ると思いますが、一度法律に基づいて作られて、現在2万人以上が職業としている制度について、消滅するのは難しいと思います。

 無報酬性を前面に出すかどうかは、各司法書士が自分の頭で考えてやるかやらないかを決めて良いと思います。上から押しつけられて嫌々やっても、そのしわ寄せは事務所の職員にいきがちです。

 元司法試験の受験生であったことは、個々人または同じグループ内で解決していただきたいと思います。別の職業である弁護士に関する感情的な面を、司法書士会に持ってきて何かしらいい影響があるのか、分かりませんでした。

 

現代家族の肖像と法律問題(36)

 弁護士 升田 純

 東京高判平15・4・23金法1681号35頁。遺言執行者は、遺言の執行として金融機関等に対して預金等の払戻し等を求める権限を有するものではないとした事例。・・・民法899条の2、1014条による見直し。

相続・今昔ものがたり(43)――事例で読み解く相続実務――

 法制史学会会員・司法書士 末光祐一

〔付録〕相続分の譲渡に関連する先例

 登記研究848号、平成30年3月16日法務省民二第137号民事局民事第二課長通知「異順位の共同相続人の間で相続分の譲渡がされた後に遺産分割協議が行われた場合における所有権の移転の登記の可否について」

 登記研究750号、平成22年4月2日法務省民二第908号民事局民事第二課長通知「「相続分の売買」を登記原因とする土地の所有権の移転の登記に係る登録免許税の租税特別措置法第七二条の適用の可否について」

 登記研究536号、平成4年3月18日法務省民三第1404号民事局第三課長回答「数次相続人間における相続分譲渡と所有権移転登記手続)について」

 登記研究444号、昭和59年10月15日法務省民三第5195号民事局第三課長回答「相続分譲渡による相続登記の可否」

 登記研究220号、昭和40年12月7日民事甲第3320号民事局長回答 「相続分譲渡に関する調停調書を添付してなされた相続による所有権移転登記申請の取扱いについて」

信託契約書から学ぶ民事信託支援業務8 信託契約書の起案の作法(3)

 司法書士 渋谷陽一郎

 司法書士の場合、委託者に加えて委託者の家族も依頼者であるという場合がある。について・・・委任契約書に家族も記載するという場合は、どのような場合なのか、気になりました。

 原則として、全員に信託財産から受益させたいのならば、全員を受益者にすればよい。について・・・同意です。

全青司ノート67 オンライン申請システム障害

 全国青年司法書士協議会民法・不動産登記等研究委員会常任幹事・司法書士 牧野賢努

 e-Statを加工して、月別時間軸とオンライン申請率をデータ化した表を作成。印紙収入にも触れられています。商業・法人登記、船舶の登記などを含む登録免許税納付額の合計は、6559億8380万3300円(2022年度)でした。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250002&kikan=00250&tstat=000001012460&cycle=8&year=20221&month=0&tclass1=000001012463&result_back=1&tclass2val=0

渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』第10章

渋谷陽一郎『Q&A 家族信託大全』2023年、日本法令。  

  • 第10章 民事信託の実務論点

Q669、受益権証書と受益証券について。受益権証書と受益証券の違いについての解説がなされています。信託法185条は、受益証券を発行する場合のみ、信託行為に定めるとしており、受益証券を発行しない旨の信託条項は、不要だと考えます。信託法に規定のない受益権証書についても、同じ考え方になると考えます。

Q676、受益者等が存しなくなってしまった信託と税務リスクについて、受益者連続型信託において、信託期中、個人である受益者、指定していた次の受益者も想定外に死亡、その次の順位に指定した受益者は出生していないなどの事情で、信託の終了事由に該当しない場合には、受託者が法人とみなされ、死亡した受益者から受託者に対する信託財産の遺贈とみなされ、課税リスクが生じる。について・・・信託の終了事由をどのように定めているのか、気になりました。また、目的不達成により終了させることも可能だと思います(信託法165条)。

Q677、跡継ぎ遺贈型の受益者連続信託(信託法91条)の期間経過の都度、信託を再設定すれば事実上永久信託も可能という士業者もいるが、信託法の潜脱とならないか注意したい。について・・・経験はありませんが、委託者・受託者が個人であれば、信託を再設定する場合は委託者・受託者ともに異なる人物である可能性が高く、信託法の潜脱には当たらないと考えます。よって、もし私に依頼が来た場合は、原則として受任すると思います。

Q678、連続受益権に対する差押え、中間の連続受益者は、連続受益権の処分を禁止されるのが一般だ。の記載について・・・連続受益権の処分が禁止されるのが一般というのが実務であるということを、初めて知りました。後順位受益者を予備的に定めている場合は、禁止されないのではないかと思いましたが、一般的に禁止される実務が浸透している理由は、信託の目的で明確に定めている場合を除いて、何なのだろうと思いました。

 受託者の承諾を得て処分できるとする民事信託契約書もあるが、受託者が許諾した場合、その後の連続はどうなるか(許可の基準は何か)。について・・・受託者の許諾の基準とその後の連続については、受益権の処分(譲渡)に関する契約書と信託契約書の整合性によると考えます。

 中間の連続受益権への差押えや連続受益者の破産開始決定申立てによる連続受益権の破産財団化の場合は、どうなるのか。事実上、中間の連続受益者の信用力が信託に混入しないか。について・・・中間の受益者の連続受益権に差押えが行われることによって、中間の連続受益者の信用力が信託に混入する理由が分かりませんでした。差押えが禁止・制限される債権など、原則として民事執行法の債権執行(民事執行法143条~。)の規定に従うと考えます。

 受益権の譲渡禁止・制限の定めがある場合はどうなるのか、について・・・受益権の譲渡禁止・制限の定めは、信託関係者内部の定めであり、信託債権者には及ばないと考えます(信託法93条)。

Q681、受益者連続と遺留分、第二次受益者や第三次受益者が、委託者の地位を承継している場合はどうなるか。について・・・委託者の地位を承継しているか否かに関係なく、受益者に相続が開始した場合に遺留分権者がいるときには、遺留分が生じると考えます(民法1042条~)。

Q683、複層化信託と税務リスク、節税目的の信託の組成それ自体が租税回避行為と評価されるリスクはないだろうか注意したい。について・・・私は信託の期間が分からないこと、信託財産の価額評価が変わり得ること、税務通達が変更し得ることが、複層化信託を利用するリスクだと考えていて、利用したことがありません。信託の組成それ自体が租税回避行為と評価されるとすると、相続税法基本通達9の3-1は、どのような場合に利用されることを想定しているのか、気になりました。

Q685、受益者連続における登記実行処分の確実性、祖父が、孫の代まで資産や事業の承継関係を拘束してしまってよいのか、という論点もある。について・・・孫(第2次受益者以降の順位の受益者)は受益権の放棄が出来るので(信託法99条)、問題はないと思います。

Q688、帰属権利者の決定と遺産分割協議という論点(その2)、について、帰属権利者の指定や変更を、信託の変更によって行うという学説(能見善久=道垣内弘人『信託法セミナー4』2016年、有斐閣、P111~。)に同意です。

Q690、受益者間の遺産分割協議という論点、遺産分割協議が成立しない、という可能性はあり得ることだと思います。成立しない場合は、通常の相続と同じく、遺産分割調停などの家事手続に載せて処理することになると考えます。

Q695、信託監督人の普及の遅れ、野球において、選手経験のない監督は存在しないし、いても役に立たない。について・・・野球に関する規則の中に、監督就任の要件に選手経験が必要とされる記載は、見つけることが出来ませんでした。いても役に立たないのか、選手・野球未経験で甲子園に出場した監督はいます。インターネット上で調べていただきたいと思います。

Q697、後見人の権限行使不可条項、受益者に対しては制限せず、後見人についてだけ、その代理行為を禁止するという信託条項は、そのままの規定通り、実効性があるのだろうか。について・・・受益者と後見人の権限が重複するよりは、先に委託者の意思が入っている信託の安定性を重視して権限を分けるのは、悪いことなのか、分かりませんでした。私は権限を分ける条項を利用しますが、後見人の法定代理権を、信託行為で不可に出来ると考えているわけではなく、信託行為時の委託者の意思として記載しています。受託者と後見人が対立関係に至るかどうかは、受託者による趣旨説明と個人差がある後見人の理解度によると考えます。Q698の、万が一法定後見人が選任される事態に至ることも想定して、どこまで信託に関する権利を委ねるかをよく考えて、信託行為の定め(信託契約書の信託条項)を検討すべきという指摘がある。という他の書籍の引用をしていることとの整合性が分かりませんでした。

登記研究917号

登記研究917号(令和6年7月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/book/b10086597.html

【論説・解説】新連載 ポイント解説

■基礎から考える商業登記実務(第1回)

横浜地方法務局法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

ポイント:株式会社の取締役の就任承諾書について

本連載について

 実体法である会社法と手続法である商業登記法その他の関連法令との関係性の理解が必要。・・・記事に記載の通り、実体法上、登記申請で添付情報が求められる理由、添付情報として成立するための要件について整理出来ると理解が深まると感じます。

1 はじめに

 商業登記法54条1項

(取締役等の変更の登記)

第五十四条 取締役、監査役、代表取締役又は特別取締役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役、代表取締役又は特別取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役)の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。

2 取締役の就任承諾書が必要とされる理由

 会社との委任関係(会社法330条、民法643条)。株式会社での取締役選任決議(会社法329条1項)が委託、選任された者が承諾することにより、委任契約の成立。任期満了が契約の消滅、辞任・解任が契約の一方当事者からの解除、自然人の死亡・破産手続の開始は委任の終了事由に該当(民法135条2項、540条、651条、653条、会社法339条1項)。

3 就任承諾書の態様と基本的な要件

 誰が、いつ、どの会社の取締役に就任することを承諾したかが明らかにされていることが必要・・・就任承諾書に、令和〇年〇月〇日開催の貴社株主総会において、という記載も、必須の記載事項なのか、分かりませんでした。

4 取締役に就任する時期(日付)

 選任決議で、取締役に就任する日を決めた場合は、取締役の就任承諾があれば、選任決議で決めた日から取締役に就任する。

 取締役に選任された者が、就任する日を定めて承諾した場合は、その日に取締役に就任する。

 ある人が、株主総会で取締役に選任された場合、就任承諾すると意思表示していた場合、株主総会決議の日に取締役に就任する。

5 商業登記手続における就任承諾書の要件の加重

商業登記規則61条4項、7項

(添付書面)第六十一条

4 設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わって承諾する場合にあっては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わって就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。

7 設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わって承諾する場合にあっては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わって就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わって就任を承諾した場合にあっては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。

6 就任承諾書として株主総会の議事録の記載を援用する場合と出席した取締役の氏名の記載

 新たに取締役に就任する場合と、現在の取締役が辞任する場合の後任の取締役に就任する場合は、分けて考える。

 株主総会で席上就任承諾した新任取締役がいる場合で、株主総会議事録に出席取締役(会社法施行規則72条4項)として記名しないときは、取締役の就任時期が株主総会終結後であることを、株主総会議事録に記載することが必要との見解。

7 おわりに

 記事を鵜呑みにしないこと。

・ご本人に確認していないのですが、この記事に対してなのかな、と思った金子先生の記事。

2024.07.22(月)【登記所と実業界との感覚差】(金子登志雄)

http://www.esg-hp.com/

■民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続登記等の申請義務化関係)

法務省民事局付 森 下 宏 輝、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省民事局民事第二課補佐官 太 田 裕 介

1 はじめに

令和5年9月12日法務省民二第927号通達「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続登記等の申請義務化関係)」について

2 解 説

 条文では義務として規定されていますが(不動産登記法76条の2、76条の3)、相続人に対する特定承継遺言がある場合で相続人申告登記の申出をする必要があるときは、どのような場合が想定されるのか、気になりました。

 通達3の2、登記官が相続登記などの申請義務に違反したと認められる者があることを職務上知ったとき、について。登記官は、相続登記申請のチェックの際、遺言書や遺産分割協議書などに登記申請しない不動産があった場合は、その不動産について相続登記がなされているかどうかを調べていることになります。相続登記がなされていない場合、遺産分割協議書の日付なども3年以内か確認しているのかなと思われます。仕事が1つ増えたのだなと思いました。

■Q&A不動産表示登記(93)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第四章 建物(区分建物)

 第一節 登記事項 Q262 区分建物とは何か。

 壁やシャッターで仕切られている場合(登記研究249号、昭和40年3月1日民事三発第307号民事局第三課長回答「区分所有建物について」)。

■商業登記の変遷(63)

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 印鑑証明書の交付請求手数料の計算方法について、大工の工賃と白米小売価格の相乗平均値をもとに換算、企業物価指数と消費者物価指数の相乗平均値をもとに換算、などの方法が1998年(平成10年)までは導入されていたと初めて知りました。

■民事信託の登記の諸問題(34)

渋 谷 陽一郎

第240 本解説のポイント3──みなし受益者の登記

 不動産登記法103条記載の、受託者の義務について確認。

第241 本解説のポイント4──受益者変更登記の要否

 不動産登記法103条により受託者が受益者変更登記申請をしない場合の、信託財産を固有財産とする旨の登記申請の登記義務者の確認。

第242 本解説のポイント5──信託変更登記申請における登記原因証明情報

 不動産登記法、不動産登記令の構造上、受託者が単独で報告登記原因証明情報を作成することが出来る。もし、受益者の変更原因がないことを利害関係人が争う場合、別途争うことになる。

第243 本解説のポイント6──共同申請構造と登記義務者・権利者の同一人性

第244 本解説のポイント7──受託者=帰属権利者における利益相反の許容

 不動産登記法104条の2第2項の信託財産を固有財産とする旨の登記申請を行う場合は、利益相反行為に該当する。よって、信託目録か登記原因証明情報において、信託法31条2項但し書きの記録・記載が必要とされる。

第245 本解説のポイント8──変更登記であるが実質的な移転登記

 実質的な権利変動が登録免許税法7条2項の要件を満たしている限り、適用される。

本解説の表現は、やや微妙であるが、直截的に、変更登記申請の登記原因を「委付」にすることが許容される、としていると解すべきではないだろうか。について・・・登記研究624号P126は、「委付」とは,自己の所有物又は権利を相手方に交付し,自己と相手方との間の法律関係を消滅させるとの意味であり,昭和50年法律第94号による改正前の商法691条1項に おいて,船舶所有者は海産を債権者に「委付」して責任を免れることができることを規定していたことから,受託者の固有財産とした場合にも,「委付」という登記原因が用いられるようになった、としています。相手方を受託者兼残余財産の帰属権利者、信託財産を固有財産とする旨の登記及び信託登記抹消登記申請を、法律関係を消滅させ、清算受託者が信託債権者への責任を免れる行為だと考えることが出来るのであれば、登記原因を委付とすることは認められると思います。

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(10)

登記研究46号P30、昭和26年10月3日民事甲第1940号民事局長回答 「商業登記事務取扱について」

 会社法298条、299条の株主総会招集通知に記載する株主総会の目的である事項について、どこまで具体的に記載する必要があるか。

登記研究251号P51、昭和43年8月30日民事甲第2770号民事局長通達「株式会社役員の変更登記申請の受否について(商通第七十三号)」

 株主総会の招集者と出席者について。昭和31年12月18日民事甲第2822号民事局長回答「商業登記事務取扱について」の変更。

登記研究152号P43、昭和35年6月3日民事四発第107号民事局第四課長心得電報回答「株主総会における議決権の行使について」

登記研究495号P33、柳田幸三:法務省民事局第四課長、渋佐愼吾:法務省民事局局付、山田紘:法務省民事局第四課補佐官、門田稔永:法務省民事局第四課補佐官、浅野克男:法務省民事局第四課係長、藤部富美男:法務省民事局第四課係長 【第一部 論説・解説】「株式会社に関する先例をめぐって(22)」

 株主総会決議の要件を軽減するような、議決権に定めないという解釈は、法令上議決権が認められない種類株式などを除いて、行うことは出来ない。

登記研究666号P195、平成14年6月10日法務省民商第1408号民事局商事課長通知「基準日後に発行された新株の株主の議決権について〔解説付〕」

 基準日(会社法124条)を定めた場合の効力について。

登記研究495号P56、昭和44年3月6日民事甲第381号民事局長通達 「議決権行使の代理人資格を株主に制限する定款の定めの効力について(商通第七〇号)」

 登記研究164号P36、昭和36年5月1日民事甲第949号民事局長通達 「議決権行使の代理人の資格を制限する定款の定めについて」の変更。議決権行使の代理人資格を株主に制限することは、議決権を行使する代理人の資格を制限すべき合理的な理由のうちに入る。

最高裁判所第二小法廷判決昭和43年11月1日昭和40(オ)1206 株主総会決議無効確認請求

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54982

登記研究884号P131、令和3年6月16日法務省民商第103号法務省民事局商事課長通知「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律等の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて【解説付】」

 株主総会議事録における開催場所の記載(会社法298条)と定款添付の要否について。

登記研究896号P126、令和4年8月3日法務省民商第378号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 社債、株式等の振替に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=413AC0000000075_20240522_506AC0000000032

(電子提供措置に関する会社法の特例)第百五十九条の二第1項 振替株式を発行する会社は、電子提供措置(会社法第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をいう。)をとる旨を定款で定めなければならない。

会社法911条3項12号の2、915条1項。登記研究896号P19、村上裕貴:法務省民事局商事課法規係長【論説・解説】「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)」の解説。

登記研究493号P43、昭和38年10月9日民事甲第2817号民事局長電報回答「株主総会の議事録等について」

 株主総会特別決議(会社法309条2項)の要件について、株主総会議事録の記載方法。

登記研究 223号、昭和41年3月22日民事甲第982号民事局長回答「取締役、監査役変更登記申請の受否について」

 役員変更登記申請の前提として、新株発行に伴う変更登記が必要。登記研究 496号、柳田 幸三:法務省民事局第四課長、渋佐 愼吾:法務省民事局局付、山田 紘:富山地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、浅野 克男:人事院公平局調整課審理官(前法務省民事局第四課係長)、藤部 富美男:法務省民事 【第一部 論説・解説】 株式会社に関する先例をめぐって(23)・

登記研究452号、昭和60年7月8日法務省民四第3952号民事局第四課長回答「外国文字をもって作成された株主総会議事録を添付した登記申請の受否について」

 日本の会社法に基づいて設立された株式会社の株主総会議事録は、日本語で記載されていることを要する。外国語を併記することは禁止されていない。

登記研究698号、平成18年3月31日民商第782号民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

 株主総会議事録の議長及び出席した取締役の記名押印について、原則と例外。

登記研究496号、昭和38年12月18日民事四発第313号民事局第四課回答「株主総会議事録と出席取締役の署名拒否について」

 登記研究496号、柳田 幸三:法務省民事局第四課長、渋佐 愼吾:法務省民事局局付、山田 紘:富山地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、浅野 克男:人事院公平局調整課審理官(前法務省民事局第四課係長)、藤部 富美男:法務省民事【第一部 論説・解説】「株式会社に関する先例をめぐって(23)」

 株主総会議事録に、出席取締役の署名または記名押印が必要な場合についての処理。

登記研究164号昭和36年5月1日民事四発第81号民事局第四課長事務代理回答「株主総会等の議事録の作成に関する件について」

 議事録全般について。1通の議事録で完成したものである必要がある。登記研究463号、神崎満治郎:東京法務局総務部職員課長(前法務省民事局第一課補佐官)【先例漫歩】商業・法人登記の実務(10)。

登記研究698号、民商第782号民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

会社法319条、325条、会社法施行規則72条、95条について。

登記研究823号P165、平成28年6月23日法務省民商第98号民事局長通達「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 株主総会において登記すべき事項を議決している場合、登記すべき事項ごとに株主リストの要否と株主の変動を考慮する。登記研究832号、辻 雄介:法務省民事局付、大西 勇:法務省民事局商事課係長(商業法人登記第一係担当)【論説・解説】株主リストに関する一考察。

【法 令】

国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第1267号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(令和6年3月25日政令第63号)

 施行期日は2024年(令和6年)4月1日。

犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和6年3月25日政令64号)

 改正附則4条(旧法確認及び目的等相当確認を行っている顧客等との取引に準ずる取引等)

会社法施行規則の一部を改正する省令(令和6年3月27日法務省令第11号)

 公開会社が株式・新株予約券の募集事項の決定を取締役会により定めた場合、株主への通知に代えて、誰でも閲覧できる状態にしておく情報の中から、四半期報告書などを削除。

【訓令・通達・回答】

▽不動産登記関係

〔6233〕被相続人の同一性の証明に関する不動産登記事務の取扱いについて【解説付】(令和5年12月18日付け法務省民二第1620号法務局民事行政部長(東京を除く。)、地方法務局長宛て法務省民事局民事第二課長通知)

・固定資産税の納税証明書・評価証明書・不在籍証明書・不在住証明書を提供

  ・登記記録上の不動産の表示・所有者の氏名が、提供された情報と一致。

  ・提供された情報に記載された納税義務者の住所・氏名が、住民票の写し等に記載された被相続人の住所・氏名と一致。

  ・住民票の写し等に記載された被相続人の本籍及び氏名が、戸籍等の謄本に記載された本籍・氏名と一致。

3つが揃っている場合は、所有権の登記名義人と戸籍上の被相続人とは同一である旨の相続人全員の上申書は不要。

・遺言公正証書が登記原因証明情報の一部として提供された場合に、固定資産税の納税証明書・評価証明書・不在籍証明書・不在住証明書を提供。

  ・登記記録上の不動産の表示・所有者の氏名が、提供された情報と一致。

  ・提供された情報に記載された納税義務者の住所・氏名が、遺言公正証書に記載された被相続人の住所・氏名と一致。

  ・遺言公正証書に記載された遺言者・相続人の氏名・生年月日が戸籍等の謄本に記載された被相続人・相続人の氏名及び生年月日と一致

3つが揃っている場合は、所有権の登記名義人と戸籍上の被相続人とは同一である旨の相続人全員の上申書は不要。

 登記研究831号、平成29年3月23日法務省民二第175号民事局民事第二課長通知「被相続人の同一性を証する情報として住民票の写し等が提供された場合における相続による所有権の移転の登記の可否について」が適用されない場合の補充的措置。

PAGE TOP