令和4年度税制改正要望と令和4年度予算概算要求

気になったものをまとめておきます。

令和4年度税制改正要望

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/request/index.htm

沖縄県産酒類に係る酒税の特例措置の段階的廃止等

税目 酒税 内閣府沖縄振興局

 50年続いた本措置について、軽減率を段階的に引き下げ、終期を明示して廃止する最後の要望とする。具体的には、本措置の軽減率を、県内移出量等に応じて段階的に引き下げ、本措置の適用期限を、泡盛は 10年間(令和14年5月 14 日まで)、その他(ビール等)は約4年5月の間(ビール類の税率統一が行われる前日(令和8年9月30 日まで))とする。

信託における特定口座利用の明確化

税目 所得税 金融庁総合政策局総合政策課

 特定口座で管理されている上場株式等については、金融機関に信託できる旨を明確化すること。

 高齢化が進む中、認知判断能力や身体機能の低下時における資産形成・管理について、健常時から備えておくことの重要性が高まっている。このため、認知症等の発症に備え、事前に特定口座を開設するとともに、金融機関と信託契約を締結することで、顧客の資産管理を行うサービスが検討されているところ。しかしながら、特定口座で管理されている上場株式等については、金融機関に信託できるのか、税法上、必ずしも明らかではないため、当該サービスの提供に至っていない現状。※ 特定口座においては、金融機関が取得価額の管理や売却損益の計算、納税手続を行うため、顧客自身による確定申告が不要。

生命保険料控除制度の拡充 減収見込額 ▲61,800 百万円

税 目 所得税 金融庁総合政策局総合政策課

 所得税法上の生命・介護医療・個人年金の各保険料控除の最高限度額を5万円とすること、また、所得税法上の保険料控除の合計適用限度額を15万円とすること。

死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ 減収見込額 ▲14,724 百万円

税目 相続税 金融庁総合政策局総合政策課

 死亡保険金の相続税非課税限度額について、現行限度額※に「配偶者及び未成年の被扶養法定相続人数×500万円」を加算すること。※ 法定相続人数×500 万円

相続登記の促進のための登録免許税の特例措置の拡充及び延長

税目 登録免許税 法務省

 所有者不明土地等問題への対策を更に推進するため,現行の租税特別措置法第84条の2の3の規定に基づく登録免許税の免税措置の適用期限を3年延長するとともに,その適用対象についても拡充するなどの措置を講ずる必要がある。

所有者不明土地・建物の解消に向けた不動産登記法の改正を踏まえた登録免許税の特例の新設 

税目 登録免許税 法務省

 所有者不明土地等問題の抜本的な解決に向けて,相続登記や住所等の変更登記の申請の義務化や新たな職権的登記の創設等を内容とする不動産登記法の改正を踏まえ,所有者不明土地・建物の解消及び発生予防のための対策として登録免許税に係る必要な措置を講ずる。

緊急小口資金等の特例貸付に係る非課税措置の創設

税目 所得税 厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等により生活に困窮される方を対象に、緊急小口資金等の特例貸付として、都道府県社会福祉協議会が最大 200 万円までの貸付を実施している。この特例貸付については、新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、生活に困窮された方の生活にきめ細かに配慮するため、償還時に住民税非課税世帯の場合は償還を免除することができる特例を設けているところ、その債務免除益について、非課税措置を講じる。

ひとり親家庭住宅支援資金貸付金に係る非課税措置の創設

税目 所得税、国税徴収法 厚生労働省

 自立に向けて意欲的に取り組むひとり親への支援として住居費の貸付を行う「ひとり親家庭住宅支援資金貸付金」において一定の条件を満たした場合に免除される返済の免除益や、ひとり親が教育訓練を受講する場合の受講費を助成する自立支援教育訓練給付金及び修学中の生活費等を補助する高等職業訓練給付金の拡充分等について、非課税措置等を講ずる。※母子及び父子並びに寡婦福祉法第 31 条の3及び第 31 条の4(第 31 条の 10 で準用する場合を含む)

基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設 減収見込額 ▲12,979百万円

税目 所得税、相続税、贈与税 厚生労働省

 持分なし医療法人への移行を促進するため、持分の払い戻しが経営に与えるリスクの高い医療法人について、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際に、当初出資金を超える部分に課税される「みなし配当課税」を、基金が払い戻しされるまでの間、納税猶予する措置を講ずる。さらに、基金拠出型医療法人への移行後、相続・贈与発生時の基金にかかる相続税・贈与税を猶予する措置を講ずる。※医療法施行規則第 30 条の 37 及び第 30 条の 38

印紙税のあり方の検討

税目 印紙税  経済産業省 経済産業政策局 企業行動課

 印紙税は経済取引における契約書や領収書等に対して課せられる文書課税であるが、近年の電子取引の増大等を踏まえ、制度の根幹からあり方を検討し見直す。

コロナ禍等を踏まえた法人版・個人版事業承継税制に関する検討 制度自体の減収額 (▲58,000 百万円)

税目 相続税 贈与税 経済産業省中小企業庁事業環境部財務課

(租税特別措置法第70条の6の8から第70条の7の8まで、租税特別措置法施行令第40条の7の8から第40条の8の8まで、租税特別措置法施行規則第23条の8の8から第23条の12の5まで)

 法人版・個人版事業承継税制における円滑な事業承継の実施のための措置について検討する。具体的には、非上場株式等に係る納税猶予制度について、コロナ禍の影響も含め、事業承継の実施状況や本税制の活用状況等を踏まえ、必要な税制措置を検討する。また、個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度について、事業承継を促進する観点から、同族会社や事業用資産を有しない個人との課税の公平性や、制度の濫用を防止する観点等を踏まえつつ、青色申告書の貸借対照表に計上される事業用資産を対象とすることを検討する。

所有者不明土地法に基づく土地収用法の特例対象拡大に伴う特例措置の拡充

税目 所得税、法人税 国土交通省不動産・建設経済局土地政策課

 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(以下「所有者不明土地法」という。)に定める土地収用法の特例により収用又は使用される土地の対象範囲の拡大に伴い、土地収用法に基づく収用等の場合と同様の税制上の特例につき、以下の内容を措置する。

令和4年度予算概算要求

https://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_002340.html

空き家対策、所有者不明土地等対策及び適正な土地利用等の促進 [76 億円(1.11)

https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/22syokan/

歯科保健医療提供体制の整備【推進枠】 6.9億円(2.1億円)

 「歯科保健医療ビジョン」や新型コロナウイルス感染症への対応等も踏まえた各地域での施策が実効的に進められるよう、好事例の収集・分析及び周知等、歯科保健医療提供体制の構築に向けて取り組む。また、歯科専門職間の連携を進め、より質の高い歯科医療を提供する観点から、歯科衛生士・歯科技工士を確保するため、離職防止・復職支援のために必要な経費を支援する。

人生の最終段階における医療・ケアの体制整備【一部推進枠】1.4億円(1.2億円)

 人生の最終段階における医療・ケアを受ける本人や家族等の相談に適切に対応できる医師、看護師等の育成に加え、人生会議(※)を普及・啓発するため、国民向けイベントを行うなど、人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境整備を更に推進する。※ 人生会議:人生の最終段階で希望する医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組。ACP(Advance Care Planning)の愛称。

成年後見制度の利用促進【一部新規】【一部推進枠】9.5億円(5.9億円)

保健医療情報を医療機関等で確認できる仕組みの推進【一部推進枠】23億円(4.5億円)

保健医療情報を本人や本人の同意を得た全国の医療機関等で確認できる仕組みに関し、データヘルス改革に関する工程を踏まえ、オンライン資格確認等システムの改修を行う。また、今後の情報項目のさらなる拡充に向け、必要な実証事業等を行う。

電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備【新規】【推進枠】9.6億円

新規学卒者等(専門学校生等)への就職支援【新規】【一部推進枠】 4.6億円

第2の就職氷河期世代をつくらないよう、新卒応援ハローワーク等に就職支援ナビゲーターを新たに配置し、特に新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた分野の専門学校生・未就職卒業者への支援を強化する。

子どもらしい生活を送ることができないヤングケアラーや育児等に不安を抱える家庭に対する相談支援、家事・育児の支援【一部新規】【一部推進枠】

低所得の妊婦に対する妊娠判定料支援や訪問支援など妊産婦等への支援【新規】【推進枠】19億円

https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2022/index.html

事業承継・引継ぎ・再生支援事業【47.1 億円(16.2 億円)

デジタル庁と連携し、「G ビズ ID」や「J グランツ」等のデジタルサービスを通じ、行政手続効率化や行政データ活用を実現するデジタル・ガバメントを推進する。 経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業【28.8 億円(20.7 億円)】 うち 27.4 億円はデジタル庁計上

https://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei02_00074.html

所有者不明土地等問題への対応及び地図整備の推進

令和4年度概算要求等額 6,989百万円(210百万円増)

 「経済財政運営と改革の基本方針」や「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」等の政府方針に基づき,所有者不明土地等問題の解消や相続登記の促進,登記所備付地図の整備等の取組を推進する。

法務行政における質の向上及び業務の効率化を図るためのデジタル化の推進

令和4年度概算要求等額 58,705百万円(9,019百万円増

Webブラウザのみで登記申請手続を可能に

スマートフォンで登記情報提供サービスの利用を可能に

戸籍事務におけるマイナンバー制度の利活用の推進

令和4年度概算要求等額 25,430百万円(18,217百万円増

マイナンバーの提供等による戸籍謄抄本の添付省略

戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付省略

本籍地以外の市区町村での戸籍謄抄本の発行

https://www.jinji.go.jp/kisya/2108/gaisanyokyu4.html

国家公務員志望者増に向けた人材発掘施策の新規展開 68(新規)

妊娠、出産、育児等と仕事の両立に係る啓発 9(1)

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kanbo04_02000169.html

デジタル時代における郵便局等の公的地域基盤連携の推進 1.0 億円

https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.htm

GIGAスクール運営支援センター整備事業 令和4年度要求・要望額 64億円(新規)

学習者用デジタル教科書普及促進事業 令和4年度要求・要望額 57億円(前年度予算額 22億円)

CBTシステム(MEXCBT)等の機能改善と拡充令和4年度要求・要望額 10億円(前年度予算額 6億円)

高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)16,069百万円(15,890百万円)

照会事例から見る信託の登記実務(15)

登記情報[1]の横山亘「照会事例から見る信託の登記実務(15)」からです。

信託目録中の「信託財産の処分につき受益者の指図を要する。」の定めは、信託契約の当事者でない受益者の指図、すなわち、第三者の許可、同意、承諾を要件としていることから、信託財産処分の成立要件となっていると考えられます。―中略―信託行為の特約を登記事項とし、登記官を含む第三者にこれを公示している趣旨からすれば、受益者は、物権変動の原因となる法律行為につき第三者の許可、同意、承諾をする立場であり、それが信託財産処分の成立要件となっていることからも、登記実務上、受益者の指図についての情報の提供が求められるべきと解されます。

不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416CO0000000379

(添付情報)

第七条登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。

五 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報

ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報

(承諾を証する情報を記載した書面への記名押印等)

第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。

2 前項の書面には、官庁又は公署の作成に係る場合その他法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

 信託目録に、AとBが結婚(婚姻届を提出した日)したときに売買契約が成立する、という定めがあるときには、第三者の許可などは不要とされています。

 信託目録中に、信託財産の処分につき受益者の指図を要する、という定めがある場合も、処分(売買契約)の成立要件であるのかは不明ですが、受益者の指図についての情報の提供が求められるべき、とされています。AとBが結婚(婚姻届を提出した日)した事実についての情報の提供と、受益者の指図についての情報の提供は、不動産登記令7条1項5号ハで定めるものではありません。

信託目録に、「受益者は、受益者の承諾を得て、信託財産を管理処分することができる。」旨の定めがある場合について、受託者が信託財産を第三者に売却し、所有権の移転の登記の申請をするときは、添付情報として受益者の承諾を証する情報を提供する必要がありますか。あるいは、登記原因証明情報にその旨が記録されていればよいでしょうか。

 受益者の承諾を証する情報(不動産登記令7条1項5号ハ)と印鑑証明書の添付が必要とされています。記事では、登記原因証明情報中において、受益者の承諾を証する情報の作成名義が受益者でない場合は、承諾の文言があったとしても、不動産登記令7条1項5号ハの要件を満たさないとされていますが、どうでしょうか。差し入れ方式の承諾書や受託者が作成した承諾情報に、受益者が署名押印している情報は要件を満たさないのでしょうか。不動産登記令7条1項5号ハの情報について、作成者は問わないとされています[2]。よって作成者が受託者などの受益者以外の者であっても、不動産登記令7条1項5号ハの要件を満たすと考えることが出来ます。

信託が終了した場合には、不動産登記法の規定に従い、既にされている「所有権移転の登記(民法177条)」の登記事項が変更という形で整理されるとともに、「信託の登記(信託法14条)」が抹消されることになると考えており、本問の場合には、所有権移転の登記及び信託の登記の抹消ではなく、受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記の抹消がされると理解しています。

 受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記の抹消登記申請時において、登記識別情報の提供は不要とされています。理由は登記義務者である受益者に、登記識別情報が通知されていないから、ということです。

 登録免許税については、通常の所有権の移転に変更する登記(権利の変更)と位置付け、原則として不動産1個につき1000円(登録免許税法2条別表第1(十四)(十五))と考えられるが、先例(昭和41年12月13日民事甲3615号民事局長電報)により1000分の20とされています。記事では登録免許税法7条1項2号、2項の適用を排除していません。理由は、信託の設定時に、移転分について登録免許税が減免されているから、徴収漏れを防ぐ目的であることがあげられています(登録免許税法7条1項。)。

 私は、そのような理由であれば信託設定時の信託の登記の税率を上げて、民事信託については、ただし書きなどで手当てすれば良いのかなと思います。理由は利益を受ける受益者については、課税を所有権移転登記と同程度にしても、どちらかというと不公平感が少ないと感じるからです。

申請書様式要素構造(登記識別情報関係様式編)

民法(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

信託法(信託財産に属する財産の対抗要件)

第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。

登録免許税法(信託財産の登記等の課税の特例)

第七条 信託による財産権の移転の登記又は登録で次の各号のいずれかに該当するものについては、登録免許税を課さない。

一 委託者から受託者に信託のために財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録

二 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託の信託財産を受託者から当該受益者(当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)に移す場合における財産権の移転の登記又は登録

三 受託者の変更に伴い受託者であつた者から新たな受託者に信託財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録

2 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合であつて、かつ、当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人)であるときは、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併)による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。


[1] 718号、2021年9月金融財政事情研究会P21~

[2] 河合芳光『逐条不動産登記令』P79、2005(平成17)年金融財政事情研究会

9月相談会のご案内ー家族信託の相談会その35ー

お気軽にどうぞ。

家族信託の相談会その35
2021年9月24日(金)14時~17時
□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え

1組様 5000円

場所 司法書士宮城事務所(西原町)
要予約   司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp
後援  (株)ラジオ沖縄

法定相続情報証明制度について―その2―

法務局 「法定相続情報証明制度」について

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html

名古屋法務局チャンネル 法定相続情報証明制度について

https://www.youtube.com/watch?v=djhtquCGvZc

日本司法書士会連合会 新しい相続手続「法定相続証明制度」とは

https://www.shiho-shoshi.or.jp/html/hoteisozoku/

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)施行日: 令和三年四月一日

(令和三年法務省令第十四号による改正)

第六章 法定相続情報(法定相続情報一覧図)247条、248条

・不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付け法務省民二第456号民事局長通達)

・不動産登記規則の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務等の取扱いについて(平成29年4月17日付け法務省民二第292号民事局長通達)

・法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いの一部改正について(平成30年3月29日付け法務省民二第166号民事局長通達)

・不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いについて(通達)〔令和3年3月29 日付法務省民二第655 号民事局長通達〕

Q 住民票の除票が保存されている場合、不在住証明書も併せて発行することが出来るか。

A 可能。理由「申請日において、対象者が、対象期間に、請求住所において住民登録がなかったことを証明するから。」。例えば、住民票の除票に記載されている前の住所の住民(市民)となった日以前に、申請した市区町村に住民登録をしていなかったことを証明する。

Q 相続登記の申請時に、相続関係説明図に、法定相続情報一覧図の写しでは確認することができない身分事項等が記載されている場合(例えば,被相続人の子のうちの一人が先に死亡している場合であって、一覧図の写しには先に亡くなった子の存在が記載されていないが、相続関係説明図には亡くなった子が記載されているとき)であっても、一覧図の写しを還付可能か。

A 可能。

Q 法定相続情報一覧図の写しに、被相続人の最後の住所が記載され,これが登記記録上の住所と同一であった場合は,被相続人の同一性について確認がとれたものとして取り扱うことが可能か。

A 可能。

第3 法定相続情報一覧図

Q 相続登記等の申請(相続関係説明図利の移の提出あり)と併せて、法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出がされた場合、どのように対応するのか。登記申請が電子申請による場合は、特例方式により紙で添付書面が提出されたときに、併せて法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付が紙によって申出がされた場合。

A 相続の登記等の申請を登記する。その後に、原本還付された戸除籍謄抄本、法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出書の添付書面として取り扱って、内容を確認する。登記等の申請の審査の過程において、併せて法定相続情報一覧図の内容の確認まで行う。この場合には、戸除籍謄抄本は一式の添付で足りる。

Q 不動産の所在地を管轄する登記所に、法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出がされた場合に、登記情報を参照するなどして、登記名義人等を確認する必要はあるか。

A 必要はない。不動産番号のみが記載された場合は、登記所コードが合致しているかどうかを確認する。

登記所コードの調べ方

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/toukinet/mock/SC01WS01.html

Q法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出を行った登記所について,規則第247条第1項に規定される被相続人の本籍地は,被相続人の死亡時点の本籍地(最後の本籍地)でよいか。

A 相続人の死亡時点の本籍地(最後の本籍地)でよい。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(法定相続情報一覧図)第二百四十七条 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について

相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。

一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日

二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄

Q 規則第247条第3項第3号に規定する被相続人の最後の住所を証する書面が添付されない場合は、申出先登記所を被相続人の最後の住所地を管轄する登記所とすることは可能か。

A できない。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(法定相続情報一覧図)第二百四十七条第3項第3号

三 被相続人の最後の住所を証する書面

Q 申出人が東日本大震災における原子力発電所の事故により避難している避難者については,避難場所の地を管轄する登記所に対して申出をすることができると考えるがどうか。

A 可能。この場合、規則第247条第3項第6号に規定する添付書面として,届出避難場所証明書の添付を求めることとなる。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(法定相続情報一覧図)第二百四十七条第3項第6号

六 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)

総務省 ・概要資料「届出避難場所に関する証明書の交付について」PDF

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei03_02000012.html

Q 相続が起きた後、遺産分割などをしない間に相続人の1人が亡くなった場合について。それぞれの相続に係る申出先の登記所が異なる場合。

 例えば,最初の相続において、被相続人Aが不動産を管轄する甲登記所に申出をしようとした場合に、同時に申出をしようとする次の相続の被相続人Bについては、規則第247条第1項本文に掲げられる申出先登記所のいずれにも甲登記所が当たらないときなど。

 一次相続(二次相続)の申出先登記所において,二次相続(又は一次相続)の申出も受付出来るのか。

A 2つの相続に係る申出が同時にされる場合、受領可能。

Q 申出書及び添付書面は、家族等が登記所に持っていくことが出来るか。

A 可能。

Q 法定相続情報を登記官が確認している途中で,申出人が申出の取りやめを求めた場合は,これを認めて差し支えないか。

A 差し支えない。その場合には,申出書と添付書面を申出人に返却する。

Q 申出の取りやめは、電話でも良いのか。委任による代理人から申出の取りやめをする場合は,取りやめに関する委任が必要か。

A 電話でも良い。取りやめに関する委任は必要ない。

Q 昭和22年5月2日までの間のいわゆる旧民法(明治31年法律第9号)下において生じた相続についても,法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付の申出をすることができるか。

A 可能。

デジタル化と司法書士

九州ブロック司法書士会協議会令和3年度会員研修会

〔講演第1部〕デジタル化で司法書士は生き残れるか

九州大学大学院法学研究院教授   七戸克彦 令和3年9月4日

1. 平成期の「司法書士の危機」 ワープロの登場。東芝。

1-1. 平成14年:簡裁代理権

1-2. 平成16年:現行不動産登記法制定

1-3. 平成19年:長瀬訓令(業務停止2年 有期懲戒の最長)

1-4. 平成28年:債務整理最高裁判決

1-5. 令和 2 年:調査説明義務最高裁判決

1-5. 従来の判例理論

(1)調査確認義務(原則と3つの例外)

・【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・【例外】①登記申請の委任者から関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合、②司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、③登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性があるにもかかわらず追加的な調査・確認を行わなかった場合

(2)説明(助言・警告・注意喚起)義務

・委任者以外の第三者との関係では説明義務は負わない。

1-5.令和2年最高裁判決

最(2小)判令和2・3・6民集74巻3号149頁

・A→B→X→Cの物権変動のうち、A→B登記の前件申請を弁護士D、B→C登記(中間省略登記)の後件申請を司法書士Yが受任したが、前件取引がAの成りすましによる不動産詐欺であったことから、無効となったB→(X)→Cの後件取引の中間者XがYに対して不法行為責任(説明(警告)義務違反)を追求した事案。

1-5. 令和2年最高裁判決【判旨①】

・ 登記申請等の委任を受けた司法書士は、その委任者との関係において、当該委任に基づき、当該登記申請に用いるべき書面相互の整合性を形式的に確認するなどの義務を負うのみならず、当該登記申請に係る登記が不動産に関する実体的権利に合致したものとなるよう、上記の確認等の過程において、当該登記申請がその申請人となるべき者以外の者による申請であること等を疑うべき相当な事由が存在する場合には、上記事由についての注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務を負うことがあるものと解される。

1-5. 令和2年最高裁判決【判旨②】

・ 登記申請の委任を受けた司法書士は、委任者以外の第三者が当該登記に係る権利の得喪又は移転について重要かつ客観的な利害を有し、このことが当該司法書士に認識可能な場合において、当該第三者が当該司法書士から一定の注意喚起等を受けられるという正当な期待を有しているときは、当該第三者に対しても、上記のような注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務を負い、これを果たさなければ不法行為法上の責任を問われることがあるというべきである。

2. 電子契約と司法書士

・ 不動産取引が〈電子契約〉化した場合、司法書士の①書類確認と、②契約締結および決済への立会業務(いわゆる前段業務)は、どのように変化するのか?

・最(2小)判令和2・3・6民集74巻3号149頁が電子契約だった場合、どのようになるのか。

2-2. 電子署名及び認証業務に関する法律

(定義)第2条〔第1項〕この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。〔「本人性」要件〕

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。〔「非改ざん性」要件〕

2-2.電子署名及び認証業務に関する法律

第2章 電磁的記録の真正な成立の推定

第3条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

民事訴訟法と対応

民事訴訟法228条4項 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正なものと推定する。

2-3. 印判の由来

・日本の印判の歴史には3つの系統がある。

1 封印・封字の系譜

福岡市博物館 金印

http://museum.city.fukuoka.jp/gold/

外務省 わかる国際情勢

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol12/index.html

(2)公印・職印の系譜

宮内庁 御璽・国璽

https://www.kunaicho.go.jp/about/seido/seido09.html

一家に一本、ネジザウルス!をめざす社長ブログ 

http://blog.livedoor.jp/engineerjpmaster/

(3)印鑑の系譜

踏む(押す)という所作

長崎 踏み絵 聖パウロ女子修道会(女子パウロ会)

https://www.pauline.or.jp/historyofchurches/history05.php

平戸松浦家の名宝と禁教政策―投影された大航海時代―

http://www.seinan-gu.ac.jp/museum/wp-content/uploads/2014/12/pr-2013hirado.pdf

新潟県 三行半

新潟日報 貞心尼に新説 実像に迫る

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210830638771.html

国税庁 地券

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/tokubetsu/h15shiryoukan/a.htm

(電子署名)

第12条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第1項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。

2 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

3. 電子署名・電子証明書と登記業務

3-1. 不動産登記令(平成16年政令第379号)

第14条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合において、電子署名が行われている情報を送信するときは、電子証明書(電子署名を行った者を確認するために用いられる事項が当該者に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録をいう。)であって法務省令で定めるものを併せて送信しなければならない。

3-2. 署名→電子署名、押印→電子証明書

4. 不登法の真実性担保手段の欠陥

4-1. 他部局・他府省の保有する情報(戸籍・住民票・不動産課税台帳等)との連携が取れていないこと

4-2. 添付情報(とくに登記原因証明情報)に関する実質的審査が行われていないこと

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

(情報の提供の求め)第151条 登記官は、職権による登記をし、又は第14条第1項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。

令和3年改正不動産登記法151条(新設)

(所有権の登記名義人についての符号の表示)

第七十六条の四 登記官は、所有権の登記名義人(法務省令で定めるものに限る。)が権利能力を有しないこととなったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、当該所有権の登記名義人についてその旨を示す符号を表示することができる。

自然人を想定(法人はGビズID)。権利能力を有しないこととなった、は遺族感情を踏まえての表現。職権。条文上は、書面でも電子情報でも。要綱では、電子情報が予定されている。「検索」の記載有。

https://www.moj.go.jp/content/001340751.pdf

マイナンバーカードではなくて、住民基本台帳ネットワークを利用する理由。

戸籍法部会資料 戸籍事務へのマイナンバー制度導入のための主な検討事項

https://www.moj.go.jp/content/001340751.pdf

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

第3 登記所が他の公的機関から所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するための仕組み

相続の発生や氏名又は名称及び住所の変更を不動産登記に反映させるための方策を採る前提として、登記所が住民基本台帳ネットワークシステムから所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するため、次のような仕組みを設けるものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

① 自然人である所有権の登記名義人は、登記官に対し、自らが所有権の登記名義人として記録されている不動産について、氏名及び住所の情報に加えて、生年月日等の情報(検索用情報)(注)を提供するものとする。この場合において、検索用情報は登記記録上に公示せず、登記所内部において保有するデータとして扱うものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

② 登記官は、氏名、住所及び検索用情報を検索キーとして、住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会を行うなどして自然人である登記名義人の死亡の事実や氏名又は名称及び住所の変更の事実を把握するものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

(注) 上記の新たな仕組みに係る規定の施行後においては、新たに所有権の登記名義人となる者は、その登記申請の際に、検索用情報の提供を必ず行うものとする。当該規定の施行前に既に所有権の登記名義人となっている者について

は、その不動産の特定に必要な情報、自己が当該不動産の登記名義人であることを証する情報及び検索用情報の内容を証する情報とともに、検索用情報の提供を任意に行うことができるものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

* 判例の【原則】と【3つの例外】は、電子契約の場合には、どのようになるか?

・【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・【例外】①関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合、②司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、③登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性がある場合

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・ 電子契約では、関係書類はすべて電子情報になっている。

・ 電子契約の関係書類(情報)の「適式性」審査の具体的内容は、どのようなものになるのか?

デジタルによる本人確認方法や電子署名の方法について、対面でアドバイスを行い仕事にする方法の可能性。

参考

2020年12月電子契約・電子署名の活用に関する諸問題(契約実践編)

法人間で締結される電子契約の証拠力を中心に

弁護士 宮川 賢司 / 弁護士 西 愛礼 / 弁護士 辻 勝吾/弁護士 望月 亮佑 / 弁護士 一圓 健太

https://www.amt-law.com/asset/pdf/bulletins14_pdf/201130.pdf

・ 電子契約の場合の〈本人確認〉は、どのような方法になるのか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外①】関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合には、調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)が加重される。

・ 電子契約の締結ならびに決済への〈立会業務〉の具体的な内容は、どのようなものになるのか?

e-KYCについて

平成30年11月30日金融庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」の公表について

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20181130/20181130.html

・ 電子契約・決済への立会を依頼された司法書士が負う加重的な調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)の具体的内容は、どのようなものか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外②】司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、司法書士は債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

電子契約の場合に、却下事由の存在に関する〈悪意〉あるいは〈過失〉とは、具体的にはどのようなものになるのか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外③】登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性がある場合には、調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)が加重される。

・ 電子契約の場合に、ⓐ本人性あるいはⓑ情報の偽造につき〈疑念性がある場合〉とは、具体的にはどのようなものになるのか?

5. 電子契約と司法書士

「第3部 パネルディスカッション」に向けて――

・ 不動産取引が〈電子契約〉化した場合、司法書士には、①電子契約の有効性確認のスキルが必要となる一方、②対面での本人確認・意思確認ができなくなる時代が来る。

DX不動産推進協会

https://www.dxppa.or.jp/

(所有不動産記録証明書の交付等)

改正不動産登記法第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。

2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。

3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。

4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。

→相続人申告登記と、一部遺産分割(例えば、10筆あるうちの宅地のみ行えば、相続登記の義務化は免れれる。)を行って相続登記義務化を免れることが可能?

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