照会事例から見る信託の登記実務(15)

登記情報[1]の横山亘「照会事例から見る信託の登記実務(15)」からです。

信託目録中の「信託財産の処分につき受益者の指図を要する。」の定めは、信託契約の当事者でない受益者の指図、すなわち、第三者の許可、同意、承諾を要件としていることから、信託財産処分の成立要件となっていると考えられます。―中略―信託行為の特約を登記事項とし、登記官を含む第三者にこれを公示している趣旨からすれば、受益者は、物権変動の原因となる法律行為につき第三者の許可、同意、承諾をする立場であり、それが信託財産処分の成立要件となっていることからも、登記実務上、受益者の指図についての情報の提供が求められるべきと解されます。

不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416CO0000000379

(添付情報)

第七条登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。

五 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報

ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報

(承諾を証する情報を記載した書面への記名押印等)

第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。

2 前項の書面には、官庁又は公署の作成に係る場合その他法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

 信託目録に、AとBが結婚(婚姻届を提出した日)したときに売買契約が成立する、という定めがあるときには、第三者の許可などは不要とされています。

 信託目録中に、信託財産の処分につき受益者の指図を要する、という定めがある場合も、処分(売買契約)の成立要件であるのかは不明ですが、受益者の指図についての情報の提供が求められるべき、とされています。AとBが結婚(婚姻届を提出した日)した事実についての情報の提供と、受益者の指図についての情報の提供は、不動産登記令7条1項5号ハで定めるものではありません。

信託目録に、「受益者は、受益者の承諾を得て、信託財産を管理処分することができる。」旨の定めがある場合について、受託者が信託財産を第三者に売却し、所有権の移転の登記の申請をするときは、添付情報として受益者の承諾を証する情報を提供する必要がありますか。あるいは、登記原因証明情報にその旨が記録されていればよいでしょうか。

 受益者の承諾を証する情報(不動産登記令7条1項5号ハ)と印鑑証明書の添付が必要とされています。記事では、登記原因証明情報中において、受益者の承諾を証する情報の作成名義が受益者でない場合は、承諾の文言があったとしても、不動産登記令7条1項5号ハの要件を満たさないとされていますが、どうでしょうか。差し入れ方式の承諾書や受託者が作成した承諾情報に、受益者が署名押印している情報は要件を満たさないのでしょうか。不動産登記令7条1項5号ハの情報について、作成者は問わないとされています[2]。よって作成者が受託者などの受益者以外の者であっても、不動産登記令7条1項5号ハの要件を満たすと考えることが出来ます。

信託が終了した場合には、不動産登記法の規定に従い、既にされている「所有権移転の登記(民法177条)」の登記事項が変更という形で整理されるとともに、「信託の登記(信託法14条)」が抹消されることになると考えており、本問の場合には、所有権移転の登記及び信託の登記の抹消ではなく、受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記の抹消がされると理解しています。

 受託者の固有財産となった旨の登記及び信託登記の抹消登記申請時において、登記識別情報の提供は不要とされています。理由は登記義務者である受益者に、登記識別情報が通知されていないから、ということです。

 登録免許税については、通常の所有権の移転に変更する登記(権利の変更)と位置付け、原則として不動産1個につき1000円(登録免許税法2条別表第1(十四)(十五))と考えられるが、先例(昭和41年12月13日民事甲3615号民事局長電報)により1000分の20とされています。記事では登録免許税法7条1項2号、2項の適用を排除していません。理由は、信託の設定時に、移転分について登録免許税が減免されているから、徴収漏れを防ぐ目的であることがあげられています(登録免許税法7条1項。)。

 私は、そのような理由であれば信託設定時の信託の登記の税率を上げて、民事信託については、ただし書きなどで手当てすれば良いのかなと思います。理由は利益を受ける受益者については、課税を所有権移転登記と同程度にしても、どちらかというと不公平感が少ないと感じるからです。

申請書様式要素構造(登記識別情報関係様式編)

民法(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

信託法(信託財産に属する財産の対抗要件)

第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。

登録免許税法(信託財産の登記等の課税の特例)

第七条 信託による財産権の移転の登記又は登録で次の各号のいずれかに該当するものについては、登録免許税を課さない。

一 委託者から受託者に信託のために財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録

二 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託の信託財産を受託者から当該受益者(当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)に移す場合における財産権の移転の登記又は登録

三 受託者の変更に伴い受託者であつた者から新たな受託者に信託財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録

2 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合であつて、かつ、当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人)であるときは、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併)による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。


[1] 718号、2021年9月金融財政事情研究会P21~

[2] 河合芳光『逐条不動産登記令』P79、2005(平成17)年金融財政事情研究会

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法定相続情報証明制度について―その2―

法務局 「法定相続情報証明制度」について

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html

名古屋法務局チャンネル 法定相続情報証明制度について

https://www.youtube.com/watch?v=djhtquCGvZc

日本司法書士会連合会 新しい相続手続「法定相続証明制度」とは

https://www.shiho-shoshi.or.jp/html/hoteisozoku/

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)施行日: 令和三年四月一日

(令和三年法務省令第十四号による改正)

第六章 法定相続情報(法定相続情報一覧図)247条、248条

・不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付け法務省民二第456号民事局長通達)

・不動産登記規則の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務等の取扱いについて(平成29年4月17日付け法務省民二第292号民事局長通達)

・法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いの一部改正について(平成30年3月29日付け法務省民二第166号民事局長通達)

・不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いについて(通達)〔令和3年3月29 日付法務省民二第655 号民事局長通達〕

Q 住民票の除票が保存されている場合、不在住証明書も併せて発行することが出来るか。

A 可能。理由「申請日において、対象者が、対象期間に、請求住所において住民登録がなかったことを証明するから。」。例えば、住民票の除票に記載されている前の住所の住民(市民)となった日以前に、申請した市区町村に住民登録をしていなかったことを証明する。

Q 相続登記の申請時に、相続関係説明図に、法定相続情報一覧図の写しでは確認することができない身分事項等が記載されている場合(例えば,被相続人の子のうちの一人が先に死亡している場合であって、一覧図の写しには先に亡くなった子の存在が記載されていないが、相続関係説明図には亡くなった子が記載されているとき)であっても、一覧図の写しを還付可能か。

A 可能。

Q 法定相続情報一覧図の写しに、被相続人の最後の住所が記載され,これが登記記録上の住所と同一であった場合は,被相続人の同一性について確認がとれたものとして取り扱うことが可能か。

A 可能。

第3 法定相続情報一覧図

Q 相続登記等の申請(相続関係説明図利の移の提出あり)と併せて、法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出がされた場合、どのように対応するのか。登記申請が電子申請による場合は、特例方式により紙で添付書面が提出されたときに、併せて法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付が紙によって申出がされた場合。

A 相続の登記等の申請を登記する。その後に、原本還付された戸除籍謄抄本、法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出書の添付書面として取り扱って、内容を確認する。登記等の申請の審査の過程において、併せて法定相続情報一覧図の内容の確認まで行う。この場合には、戸除籍謄抄本は一式の添付で足りる。

Q 不動産の所在地を管轄する登記所に、法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出がされた場合に、登記情報を参照するなどして、登記名義人等を確認する必要はあるか。

A 必要はない。不動産番号のみが記載された場合は、登記所コードが合致しているかどうかを確認する。

登記所コードの調べ方

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/toukinet/mock/SC01WS01.html

Q法定相続情報一覧図の保管と、一覧図の写しの交付の申出を行った登記所について,規則第247条第1項に規定される被相続人の本籍地は,被相続人の死亡時点の本籍地(最後の本籍地)でよいか。

A 相続人の死亡時点の本籍地(最後の本籍地)でよい。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(法定相続情報一覧図)第二百四十七条 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について

相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。

一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日

二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄

Q 規則第247条第3項第3号に規定する被相続人の最後の住所を証する書面が添付されない場合は、申出先登記所を被相続人の最後の住所地を管轄する登記所とすることは可能か。

A できない。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(法定相続情報一覧図)第二百四十七条第3項第3号

三 被相続人の最後の住所を証する書面

Q 申出人が東日本大震災における原子力発電所の事故により避難している避難者については,避難場所の地を管轄する登記所に対して申出をすることができると考えるがどうか。

A 可能。この場合、規則第247条第3項第6号に規定する添付書面として,届出避難場所証明書の添付を求めることとなる。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000010018

(法定相続情報一覧図)第二百四十七条第3項第6号

六 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)

総務省 ・概要資料「届出避難場所に関する証明書の交付について」PDF

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei03_02000012.html

Q 相続が起きた後、遺産分割などをしない間に相続人の1人が亡くなった場合について。それぞれの相続に係る申出先の登記所が異なる場合。

 例えば,最初の相続において、被相続人Aが不動産を管轄する甲登記所に申出をしようとした場合に、同時に申出をしようとする次の相続の被相続人Bについては、規則第247条第1項本文に掲げられる申出先登記所のいずれにも甲登記所が当たらないときなど。

 一次相続(二次相続)の申出先登記所において,二次相続(又は一次相続)の申出も受付出来るのか。

A 2つの相続に係る申出が同時にされる場合、受領可能。

Q 申出書及び添付書面は、家族等が登記所に持っていくことが出来るか。

A 可能。

Q 法定相続情報を登記官が確認している途中で,申出人が申出の取りやめを求めた場合は,これを認めて差し支えないか。

A 差し支えない。その場合には,申出書と添付書面を申出人に返却する。

Q 申出の取りやめは、電話でも良いのか。委任による代理人から申出の取りやめをする場合は,取りやめに関する委任が必要か。

A 電話でも良い。取りやめに関する委任は必要ない。

Q 昭和22年5月2日までの間のいわゆる旧民法(明治31年法律第9号)下において生じた相続についても,法定相続情報一覧図の保管及び一覧図の写しの交付の申出をすることができるか。

A 可能。

デジタル化と司法書士

九州ブロック司法書士会協議会令和3年度会員研修会

〔講演第1部〕デジタル化で司法書士は生き残れるか

九州大学大学院法学研究院教授   七戸克彦 令和3年9月4日

1. 平成期の「司法書士の危機」 ワープロの登場。東芝。

1-1. 平成14年:簡裁代理権

1-2. 平成16年:現行不動産登記法制定

1-3. 平成19年:長瀬訓令(業務停止2年 有期懲戒の最長)

1-4. 平成28年:債務整理最高裁判決

1-5. 令和 2 年:調査説明義務最高裁判決

1-5. 従来の判例理論

(1)調査確認義務(原則と3つの例外)

・【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・【例外】①登記申請の委任者から関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合、②司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、③登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性があるにもかかわらず追加的な調査・確認を行わなかった場合

(2)説明(助言・警告・注意喚起)義務

・委任者以外の第三者との関係では説明義務は負わない。

1-5.令和2年最高裁判決

最(2小)判令和2・3・6民集74巻3号149頁

・A→B→X→Cの物権変動のうち、A→B登記の前件申請を弁護士D、B→C登記(中間省略登記)の後件申請を司法書士Yが受任したが、前件取引がAの成りすましによる不動産詐欺であったことから、無効となったB→(X)→Cの後件取引の中間者XがYに対して不法行為責任(説明(警告)義務違反)を追求した事案。

1-5. 令和2年最高裁判決【判旨①】

・ 登記申請等の委任を受けた司法書士は、その委任者との関係において、当該委任に基づき、当該登記申請に用いるべき書面相互の整合性を形式的に確認するなどの義務を負うのみならず、当該登記申請に係る登記が不動産に関する実体的権利に合致したものとなるよう、上記の確認等の過程において、当該登記申請がその申請人となるべき者以外の者による申請であること等を疑うべき相当な事由が存在する場合には、上記事由についての注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務を負うことがあるものと解される。

1-5. 令和2年最高裁判決【判旨②】

・ 登記申請の委任を受けた司法書士は、委任者以外の第三者が当該登記に係る権利の得喪又は移転について重要かつ客観的な利害を有し、このことが当該司法書士に認識可能な場合において、当該第三者が当該司法書士から一定の注意喚起等を受けられるという正当な期待を有しているときは、当該第三者に対しても、上記のような注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務を負い、これを果たさなければ不法行為法上の責任を問われることがあるというべきである。

2. 電子契約と司法書士

・ 不動産取引が〈電子契約〉化した場合、司法書士の①書類確認と、②契約締結および決済への立会業務(いわゆる前段業務)は、どのように変化するのか?

・最(2小)判令和2・3・6民集74巻3号149頁が電子契約だった場合、どのようになるのか。

2-2. 電子署名及び認証業務に関する法律

(定義)第2条〔第1項〕この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。〔「本人性」要件〕

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。〔「非改ざん性」要件〕

2-2.電子署名及び認証業務に関する法律

第2章 電磁的記録の真正な成立の推定

第3条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

民事訴訟法と対応

民事訴訟法228条4項 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正なものと推定する。

2-3. 印判の由来

・日本の印判の歴史には3つの系統がある。

1 封印・封字の系譜

福岡市博物館 金印

http://museum.city.fukuoka.jp/gold/

外務省 わかる国際情勢

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol12/index.html

(2)公印・職印の系譜

宮内庁 御璽・国璽

https://www.kunaicho.go.jp/about/seido/seido09.html

一家に一本、ネジザウルス!をめざす社長ブログ 

http://blog.livedoor.jp/engineerjpmaster/

(3)印鑑の系譜

踏む(押す)という所作

長崎 踏み絵 聖パウロ女子修道会(女子パウロ会)

https://www.pauline.or.jp/historyofchurches/history05.php

平戸松浦家の名宝と禁教政策―投影された大航海時代―

http://www.seinan-gu.ac.jp/museum/wp-content/uploads/2014/12/pr-2013hirado.pdf

新潟県 三行半

新潟日報 貞心尼に新説 実像に迫る

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210830638771.html

国税庁 地券

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/tokubetsu/h15shiryoukan/a.htm

(電子署名)

第12条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第1項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。

2 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

3. 電子署名・電子証明書と登記業務

3-1. 不動産登記令(平成16年政令第379号)

第14条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合において、電子署名が行われている情報を送信するときは、電子証明書(電子署名を行った者を確認するために用いられる事項が当該者に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録をいう。)であって法務省令で定めるものを併せて送信しなければならない。

3-2. 署名→電子署名、押印→電子証明書

4. 不登法の真実性担保手段の欠陥

4-1. 他部局・他府省の保有する情報(戸籍・住民票・不動産課税台帳等)との連携が取れていないこと

4-2. 添付情報(とくに登記原因証明情報)に関する実質的審査が行われていないこと

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

(情報の提供の求め)第151条 登記官は、職権による登記をし、又は第14条第1項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。

令和3年改正不動産登記法151条(新設)

(所有権の登記名義人についての符号の表示)

第七十六条の四 登記官は、所有権の登記名義人(法務省令で定めるものに限る。)が権利能力を有しないこととなったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、当該所有権の登記名義人についてその旨を示す符号を表示することができる。

自然人を想定(法人はGビズID)。権利能力を有しないこととなった、は遺族感情を踏まえての表現。職権。条文上は、書面でも電子情報でも。要綱では、電子情報が予定されている。「検索」の記載有。

https://www.moj.go.jp/content/001340751.pdf

マイナンバーカードではなくて、住民基本台帳ネットワークを利用する理由。

戸籍法部会資料 戸籍事務へのマイナンバー制度導入のための主な検討事項

https://www.moj.go.jp/content/001340751.pdf

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

第3 登記所が他の公的機関から所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するための仕組み

相続の発生や氏名又は名称及び住所の変更を不動産登記に反映させるための方策を採る前提として、登記所が住民基本台帳ネットワークシステムから所有権の登記名義人の死亡情報や氏名又は名称及び住所の変更情報を取得するため、次のような仕組みを設けるものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

① 自然人である所有権の登記名義人は、登記官に対し、自らが所有権の登記名義人として記録されている不動産について、氏名及び住所の情報に加えて、生年月日等の情報(検索用情報)(注)を提供するものとする。この場合において、検索用情報は登記記録上に公示せず、登記所内部において保有するデータとして扱うものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

② 登記官は、氏名、住所及び検索用情報を検索キーとして、住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会を行うなどして自然人である登記名義人の死亡の事実や氏名又は名称及び住所の変更の事実を把握するものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-1. 他部局・他府省の電子情報との連携

(注) 上記の新たな仕組みに係る規定の施行後においては、新たに所有権の登記名義人となる者は、その登記申請の際に、検索用情報の提供を必ず行うものとする。当該規定の施行前に既に所有権の登記名義人となっている者について

は、その不動産の特定に必要な情報、自己が当該不動産の登記名義人であることを証する情報及び検索用情報の内容を証する情報とともに、検索用情報の提供を任意に行うことができるものとする。

(2)法制審議会答申(要綱)第2部第3(続)

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

* 判例の【原則】と【3つの例外】は、電子契約の場合には、どのようになるか?

・【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・【例外】①関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合、②司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、③登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性がある場合

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【原則】委任者から交付された関係書類の適式性の限りで確認すれば足りる。

・ 電子契約では、関係書類はすべて電子情報になっている。

・ 電子契約の関係書類(情報)の「適式性」審査の具体的内容は、どのようなものになるのか?

デジタルによる本人確認方法や電子署名の方法について、対面でアドバイスを行い仕事にする方法の可能性。

参考

2020年12月電子契約・電子署名の活用に関する諸問題(契約実践編)

法人間で締結される電子契約の証拠力を中心に

弁護士 宮川 賢司 / 弁護士 西 愛礼 / 弁護士 辻 勝吾/弁護士 望月 亮佑 / 弁護士 一圓 健太

https://www.amt-law.com/asset/pdf/bulletins14_pdf/201130.pdf

・ 電子契約の場合の〈本人確認〉は、どのような方法になるのか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外①】関係書類の真否等についてとくに調査を依頼された場合には、調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)が加重される。

・ 電子契約の締結ならびに決済への〈立会業務〉の具体的な内容は、どのようなものになるのか?

e-KYCについて

平成30年11月30日金融庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」の公表について

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20181130/20181130.html

・ 電子契約・決済への立会を依頼された司法書士が負う加重的な調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)の具体的内容は、どのようなものか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外②】司法書士が却下事由の存在を知っていた場合や書類の記載の不合理が一見して明白な場合、司法書士は債務不履行ないし不法行為に基づく損害賠償責任を負う。

電子契約の場合に、却下事由の存在に関する〈悪意〉あるいは〈過失〉とは、具体的にはどのようなものになるのか?

4-2. 電子契約と添付情報の真実性担保

【例外③】登記義務者の本人性や書類の偽造につき疑念性がある場合には、調査確認義務・説明義務(助言忠告義務)が加重される。

・ 電子契約の場合に、ⓐ本人性あるいはⓑ情報の偽造につき〈疑念性がある場合〉とは、具体的にはどのようなものになるのか?

5. 電子契約と司法書士

「第3部 パネルディスカッション」に向けて――

・ 不動産取引が〈電子契約〉化した場合、司法書士には、①電子契約の有効性確認のスキルが必要となる一方、②対面での本人確認・意思確認ができなくなる時代が来る。

DX不動産推進協会

https://www.dxppa.or.jp/

(所有不動産記録証明書の交付等)

改正不動産登記法第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。

2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。

3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。

4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。

→相続人申告登記と、一部遺産分割(例えば、10筆あるうちの宅地のみ行えば、相続登記の義務化は免れれる。)を行って相続登記義務化を免れることが可能?

信託を用いた高齢者による金融商品の運用

会報信託[1]の記事、三井住友信託銀行法務部加賀田俊将「信託を用いた高齢者による金融商品の運用」から考えてみたいと思います。

安心サポート信託<ファンドラップ型>

https://www.smtb.jp/personal/entrustment/civil

ファンドラップ?

・・・投資対象が投資信託に限定されている「ラップ口座」のこと。ラップ口座とは金融機関と投資一任契約を結び、金融商品への投資を金融機関に一任する取引口座、ひいてはそのサービス自体を指す。投資対象が投資信託に限定されていないラップ口座では、有価証券など(株や債券、投資信託)に対して投資が行われる。

ラップ口座?

・・・金融機関と投資一任契約を結び、金融商品への投資を金融機関に一任する取引口座、ひいてはそのサービス自体のこと。最低預け入れ金額は金融機関によって異なる。

(一社)投資信託協会 用語集

https://www.toushin.or.jp/words/keyword/2611/

投資一任契約?

・・・投資運用業者が金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて投資者の財産を有価証券等に対する投資により運用する。

(一社)日本投資顧問業協会 投資運用業および投資助言・代理業入門

https://www.jiaa.or.jp/komon/

一般社団法人 安心サポートセンター

https://www.annshinn-sc.jp/

 身上保護機能を顧客に提供する。所在地が鹿児島県。依頼があれば、財産管理契約(民法643条~の委任契約)の受託者、任意後見契約(任意後見契約に関する法律3条に基づく契約)の受任者になることが可能。死後事務委任契約(民法873条の2、最高裁判所平成4年9月22日判決など。)も締結可能。

投資一任契約上の地位の信託譲渡?

・・・顧客の契約上の地位と、投資信託受益権という財産(信託法2条3項)を、受託者の三井住友信託銀行に譲渡(信託法3条1項1号)。

指定運用の包括信託?

・・・委託者が指定した範囲で運用する、2個以上の財産を一つの信託行為により引き受ける信託。

 最低信託金額3000万円。信託期間は、第三受益者(残余財産を交付する者)が受益権を取得した日から起算して2年を経過した日の属する月の末日まで。もし、2021年1月23日に取得すると、2023年1月31日まで。毎年顧客(受益者?)の意思確認を行う。

社団等・・・(一社)安心サポートのことか不明でした。

 メリットとして、死亡時に有価証券の時価が下落していた場合には顧客は損失を被るが、この商品を利用すると死亡時に投資一任契約は終了しない。

・・・第2次受益者死亡時に有価証券の時価が下落していた場合、損失を被るので、メリットとはいえないのではないかと感じました。

 信託法20条3項3号・4号により、三井住友信託銀行は、受託者として、顧客の意向に従って運用・換価する債務、顧客に対して預かったお金(有価証券)を返す債務がある。顧客が三井住友信託銀行に対して、有価証券の運用・換価などを求める債権を三井住友信託銀行が持ったとしても、混合(債権と債務が同じ人に帰属したから、意味がないので消える、民法520条。)せずにサービスを続けることが出来る。信託を利用する特徴だと感じます。

適合性の確認?・・・金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)

(適合性の原則等)第四十条 金融商品取引業者等は、業務の運営の状況が次の各号のいずれかに該当することのないように、その業務を行わなければならない。

一 金融商品取引行為について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており、又は欠けることとなるおそれがあること。

二 前号に掲げるもののほか、業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱いを確保するための措置を講じていないと認められる状況、その他業務の運営の状況が公益に反し、又は投資者の保護に支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める状況にあること。

 基本的には、受託者(三井住友信託銀行)の知識、経験、信託財産及び信託目的を基準に適合性を判断という箇所に、違和感があります。

善管注意義務?・・・金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)

(善管注意義務)第四十三条 金融商品取引業者等は、顧客に対し、善良な管理者の注意をもつて有価証券等管理業務を行わなければならない。

 受託者の裁量は、運用財産の解約面について部分的に有するのみの構成。法定後見人が選任された場合、裁判による信託の終了(信託法165条)以外に法定後見人が信託の終了を行うことが出来ない仕組み。私も信託契約書、任意後見契約書案の作成では、信託を優先するような条項を原則として入れています。

 ただ、法的に確実とはいえないと考えていたので、言い切っていることに関して、何かしら根拠があるのだと想像します。

 このような商品構成だと、第2次受益者も任意後見契約を締結する義務のようなものがあるのかなと思いました。

 受益者が意思能力を喪失した場合、―中略―信託契約上、社団は任意後見人就任以降において受益者の信託契約に基づく全ての権利の行使及び全ての義務の履行を行うことができるものとされている。

 任意後見人の監督の下(任意後見契約に関する法律7条)ではないかなと感じました。またこの商品において、信託監督人の設置が可能とされていますが、信託銀行を監督する者として、親族、専門職、福祉関係、どのような方を想定しているのか分かりませんでした。

 利益相反関係(民法108条、顧客の相続人である代理人が得をして、顧客が損をしてしまう仕組み)、を回避するための方法として、原則として受託者の裁量で信託財産から払い出しを行う。

 総合的に、身寄りがいない方で現預金が5,000万円以上ある方にとっては、検討しても良い商品だと感じました。


[1] 287号2021年8月(一社)信託協会P4~

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