影山克典「IT化に関する施策と司法書士実務」

登記情報[1]の記事です。

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律などの一部を改正する法律[2]

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/hourei/digital.html

未来投資 戦 略 2017―Society 5.0 の実現に向けた改革―平成 29 年6月9日

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/miraitousi2017_t.pdf

未来投資戦略 2018

―「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革― 平成 30 年6月 15 日

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/miraitousi2018_zentai.pdf

成長戦略実行計画 令和2年7月17日

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/ap2020.pdf

成長戦略フォローアップ 令和2年 7月17日

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/fu2020.pdf

規制改革推進に関する答申 令和2年7月2日

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/20200702/200702honkaigi01.pdf

令和2年度革新的事業活動に関する実行計画 令和2年7月17日

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/ps2020.pdf

経済財政運営と改革の基本方針2020 令和2年7月17日

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/2020_basicpolicies_ja.pdf

上の政策が大体掲載されているページ

首相官邸 政策会議

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/kettei.html

オンラインサービスにおける身元確認手法の整理に関する報告書 2020/3/31

https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200417002/20200417002-3.pdf

規制改革制度ワーキングチーム 第18回各府省情報化専任審議官等連絡会議合同会議(資料2-2)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/densi/dai33/siryou2-2.pdf

金融業界における書面・押印・対面手続きの見直しに向けた検討会

https://www.fsa.go.jp/singi/shomen_oin/index.html

目指すもののうち、司法書士実務に関係があると思われる考え方など

・行政手続・・・窓口に行かない。同じ情報を出すことがない。本人確認をオンラインで行う。一部について、電子申請の義務化、マイナンバーカード普及のための施策。

・商業登記・・・法務局への届け出印を持っていない法人の登場。グレーゾーン解消制度(本店移転登記)。

・代理、署名押印・・・代理申請における当事者の電子署名の省略、クラウド型の電子署名、電子署名ではなく、IDとパスワードで本人であることを担保する。

書面・対面なしで完結させている取引(住宅ローン契約の電子化、ブロックチェーンによるデリバティブ取引、電⼦発注(⼯事受発注電⼦化)など。)。

・不動産登記・・・不動産売買契約をオンラインで行う場合の本人確認(特に意志の確認)。相続登記の自動化の可能性。相続人が被相続人が名義人となっている不動産を法務局に照会できる制度を創設予定。戸籍等のオンライン(代理)申請。デジタル遺言(アメリカ合衆国フロリダ州、ネバダ州にて利用開始予定)。

添付情報のオンライン化+提出

・裁判手続、執行手続・・・申立てから終了までのオンライン化を目指す。

・家事事件・・・オンラインによる面会交流。

諸外国

アメリカ、韓国、ドイツ、スイス。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

動きが速いのかどうなのか、判断出来ませんでした。書類も100ページ以上のものがほとんどなので、概要と目次と気になる部分を読むことで済ませました。

私はこちらの考えです。

──2014年以前から、政府はDX(デジタルトランスフォーメーション)を熱望していたのでしょうか。それとも学生運動を通じて、その重要性に気付いたのでしょうか?DXに対する政府の態度はどのように変化しましたか。

わたしたちは、デジタルに“トランスフォーム”(変換)するとは考えていません。どちらかというと従来のアナログのプロセスをより多くの人に届くように“増幅”していると考えています。「デジタルトランスフォーメーション」は何かを奪うものではないんです。たとえば、電子署名法を導入したときも、台湾で広く使われている木彫りの「印鑑」が「もう使えません」とは言いませんでした。印鑑は継続して使えます。電子署名も、印鑑も、どっちでもいいんです。ちなみに、印鑑の電子化を受けてマルチタッチの電子印鑑を生産するイノベーターもいて、印鑑を携帯電話のスクリーンに押しあてると電子印鑑として使えるというものです。それは“トランスフォーム”(変換)ではなく、既存の文化を「増幅」することを意味しています。

https://note.com/blkswn_tokyo/n/ne3513163c79b

・気になること

・電子国家といわれているエストニア(人口約133万人)について

新型コロナ感染症(covid19)について、数字だけ見ると、対応できているのか分からないこと。

感染者数2,272 死亡者数63 回復者数2,024

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

貧困率や格差が相対的に高い。

https://www.globalnote.jp/post-2498.html?cat_no=604

・アメリカについて

新型コロナ感染症(covid19)についてはニュースを読む通り。分断、格差については、Black Lives Matterを読む通り。

・韓国について

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200824001000882

https://www.globalnote.jp/post-2594.html?cat_no=604

・ドイツ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-07/QEP0TLDWLU6I01

https://www.globalnote.jp/post-2520.html?cat_no=604

・スイス

https://www.globalnote.jp/post-2791.html?cat_no=604

デジタル化は方法の1つなんだろうなと、ぼんやり考えています。自分の業務のうち、試すことが出来るものは試していきたいです。

・最近話題になっていたこと(特に支持しているわけではありません。)

リーガルテック企業の方が何度も取り上げていた自由研究

文部科学大臣賞 「知ってる?はんこってなんで押さなきゃいけないの―日本の特別な文化―」

https://concours.toshokan.or.jp/wp-content/uploads/contest-data/230002/?fbclid=IwAR3MoHjyWk2-6Cr58CcuqtOtX5lxI1ARjz2_MNTCi5lVhFWWW3HivtkEVKE#p=51


[1] 705号 2020.8きんざいP25~

[2] 影山克典「デジタル手続法は司法書士実務をどう変えるか」市民と法118号3項~

いくつかのアウトプット先

例えば司法書士会やリーガルサポートの研修を受けたとき、土日が多いと思います。ほとんど1日使います。私も最初の5年位は、ほとんど全ての研修に行っていました。ただ、受けた後、どこにアウトプットするのかが分かりませんでした。

仕事で直ぐに使う知識は、あっても1個、2個だと思います。そのための研修だといわれたらそうなのですが、他に、事例紹介だったら自分ならこうする、講義形式だったら自分ならこういう風にまとめてこういう伝え方をする、と考えながら受けることがあります。研修の講師が一番勉強になるといわれますが、そこに到達するためには実力だけではなく講師を選ぶ人との仲が良いこと(少なくても悪くない事)が大事だったりします。

そのようなとき、研修を受けた時間を無駄にしないためにも、HP、ブログ,note,SNS以外のアウトプット先をいくつか紹介します。既に知っていたらすみません。

・Reserchgate

https://www.researchgate.net/

 科学者・研究者向けのSNSです。スライド、データ、査読前論文、会議資料などをアップすることが出来ます。自分の仕事をデータ化して提供することも出来ます。やり方を知っておくと、オンライン・オフラインの勉強会や研修会でそのまま使うことが出来ます。
 また、他の研究者、科学者との交流や自分の専門分野についてsurvey(調査)するときにも役立ちます。修士、博士課程を持っていなくても世界中に論文をアップ出来るのは、私が知っている限りここだけなので(自然科学を除きます)、主に論文形式やデータ提供に使います。

Speaker Deck

https://speakerdeck.com/

 研修を受けた場合、本を読んで考えをまとめた場合、仕事で1つテーマを掘り下げたときは、PDFにしてアップすることが出来ます。Reserchgateと同様に、アップしておくと、オンライン・オフラインの勉強会や研修会でそのまま使うことが出来ます。主にプレゼンテーション(発表用)なので、分かりやすさや目立ちやすさに重点が置かれているように感じます。

・Slideshare

https://www.slideshare.net/malcchi/slideshare-13260498

 基本的にはSpeaker Deckと同じような使い方になります。ただし、こちらはPDF以外のファイル形式も受け付けているので、プレゼンテーション一本ではなく、幅広い使い方がありそうです。まだ私も使いこなせていません。

以上、知っている範囲です。

自筆証書遺言書保管制度についてのQ&A

Q&A about self-signed will testamentary keeping system

法務省HP (2020年7月2日閲覧)

Ministry of Justice HP

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00048.html

1 法務局(遺言書保管所)で遺言書の書き方を教えてくれますか。

遺言書の作成に関するご相談には一切応じられません。

 遺言書の様式については,注意事項をご覧いただき,あらかじめご自身で作成の上,来庁いただくようお願いします。

Can you tell me how to write a will at the Legal Affairs Bureau (will 入力ミス? storage)?

We cannot respond to any inquiries regarding the writing of wills.

Regarding the style of wills, please read the precautions and prepare it yourself before visiting the office.

2 遺言書の様式について,用紙に模様があるのですが,申請可能ですか。

 その模様が文字の判読に支障が無いものであれば,申請可能です。

Regarding the form of the will, there is a pattern on the paper. Is it possible to apply?

If the pattern does not interfere with the reading of the characters, you can apply.

3 遺言書を何色か色分けして書いてもよいですか。

 保管されている遺言書について,相続人等がその内容を確認する手段として遺言書情報証明書の交付の請求や遺言書の閲覧があります。閲覧については原本とモニターによる方法があり,色分けを確認することができますが,遺言書情報証明書は白黒で出力されるため色分けを確認することができません。したがって、本制度を利用する場合、遺言書を色分けして作成することはお勧めしません。

Is it possible to write the will in different colors?

Regarding the stored wills, heirs, etc. have a request for issuance of a will’s information certificate and inspection of the wills to confirm the contents. You can check the color coding by browsing the original and the monitor, but you cannot check the color coding because the wills information certificate is output in black and white. Therefore, when using this system, it is not recommended to create wills in different colors.

4 保管制度が開始する前に作成した遺言書でも 作成した遺言書が所定の様式(注意事項参照)に合うものであれば、預かってもらえますか。

 法務省ホームページ(hot p://www.moj.go.jp/MINJI/5minji03_00051.html)に掲載している様式をダウンロードして入力することで作成いただくことができます。なお、法務局(遺言書保管所)の窓口でも入手可能です。

If the testament that I created before the storage system started is compatible with the prescribed form (see notes), can you keep it?

You can create it by downloading and entering the form posted on the Ministry of Justice website (htt p://www.moj.go.jp/MINJI/5minji03_00051.html). It can also be obtained at the window of the Legal Affairs Bureau (will hot storage).

5 保管の申請をしたいのですが,遺言者本人が病気のため法務局(遺言書保管所)へ出頭できない場合はどうすればよいですか。

 本人出頭義務を課しているととから、その場合には.本制度をご利用いただけません。なお介助のために付添人に同伴していただくことは差し支えありません。

I would like to apply for storage, but what should I do if the testamentary person cannot report to the Legal Affairs Bureau (will-will storage) due to illness?

In that case, because you are obliged to appear. This system is not available. In addition, it is safe to have your attendant accompany you for assistance.

6 保管の申請時には,遺言書を封筒に入れたまま法務局(遺言書保管所)へ持参すればよいですか。

 申請時には遺言書原本のみをお出しいただくことになります。封筒は不要です。

When applying for storage, should I bring the will to the Legal Affairs Bureau (will hot storage) while keeping it in an envelope?

Only the original will not be submitted at the time of application. No envelope required.

7 本人確認について,顔写真付きの身分証明書を所持していない場合はどうすればよいですか。

 本人出頭義務を課していることから、なりすましを防止する必要があるため、顔写真付きの身分証明書の提示が必須となります。例えば,マイナンバーカードであれば、誰でも取得できますのでご検討願います。

What should I do if I don’t have an identification card with a face photo?

Since you are required to appear as a person, it is necessary to present an identification card with a face photo because it is necessary to prevent impersonation. For example, anyone can obtain a My Number Card, so please consider it.

8 保管の申請の手数料について、保管年数に応じて手数料も増えるのですか。

 保管申請の手数料は、その後の保管年数に関係なく申請時に定額(遺言書1通につき、3,900円)を納めていただきます。

Does the storage application fee increase according to the number of years of storage?

The storage application fee will be a fixed amount (3,900 yen per will) when applying, regardless of the number of years of storage thereafter.

9 手数料納付のための収入印紙はどこで購入すればよいですか。

 各法務局(遺言書保管所)庁舎内の収入印紙の販売窓口又はお近くの郵便局等で販売しています。詳しくは、申請・請求予定先の法務局(遺言書保管所)にお問い合わせください。

Where can I purchase a revenue stamp for paying fees?

Each Notification Legal Affairs Bureau (Will not storage) Sold at the sales counter for revenue stamps in the government building or the post office near you. For details, please contact the Legal Affairs Bureau (will not storage) where you plan to apply/claim.

10 遺言書を法務局(遺言書保管所)に預けたことを家族に伝えておいた方がよいですか。

 法務局(遺言書保管所)に預けたことをご家族(相続人となり得る方)に伝えておいていただくと,相続開始後,ご家族が,スムーズに遺言書情報証明書の請求手続等を行うことができます。保管証を利用すると確実です。

Should I inform my family that I have deposited the will to the Legal Affairs Bureau (will not storage)?

If you tell your family (who can be an heir) that you have deposited it at the Legal Affairs Bureau (will not storage), your family will smoothly perform a request procedure for a will not information certificate after the inheritance starts. can do. It is sure to use the storage certificate.

11 保管証を紛失した場合には,再発行可能ですか。

 保管証の再発行はできませんので、大切に保管してください。なお、保管証があるとその他の手続がスムーズですが、保管証がない場合でも手続は可能です。

Is it possible to reissue the storage certificate if it is lost?

Please keep it in a safe place as a storage certificate cannot be reissued. Note that other procedures will be smoother if you have a storage certificate, but you can still do it if you do not have a storage certificate.

12 保管の申請の撤回を行った場合に、その遺言は無効に怠るのですか。

 遺言書の保管の申請の撤回は、法務局(遺言書保管所)に遺言書を預けることをやめることであり、その遺言の効力とは関係がありません。

If I withdraw my request for storage, will I fail to nullify the will?

The withdrawal of the application for storage of wills means that it will stop depositing wills at the Legal Affairs Bureau (will storage), and is not related to the effect of the will.

13 遺言書の閲覧をしたいのですが,遺言書が保管されている法務局(遺言書保管所)が遠方の場合もその法務局(遺言書保管所)へ行かなければなりませんか。

 遺言書の閲覧方法として.遺言書原本を閲覧する方法のほか,モ二ターで遺言書を閲覧する方法があります。モニターの方法による場合には,全国どこの法務局(遺言書保管所)においても閲覧が可能となります。

I would like to browse the wills, but if the legal bureau where the wills are stored (will storage) is far away, do I have to go to that legal bureau (will storage)?

As a method of viewing wills. In addition to viewing the original wills, you can also view the wills using a monitor. If you use the monitoring method, you can view the information at any legal affairs office (will storage) anywhere in the country.

14 遺言書情報証明書等の交付に遺言書情報証明書を取得したいのですが,自分で法務局(遺言書保管所)へ行かなければなりませんか。

 保管の申請の場合(Q6 )と異なり、遺言書情報証明書等の交付については、ご自身で法務局(遺言書保管所)の窓口に出向いて請求するほか、郵送による請求や、法定代理人による手続も可能です。なお、保管の申請書や請求書等の書類については司法書士等にその作成を依頼することができます。

I would like to browse the wills, but if the legal bureau where the wills are stored (will storage) is far away, do I have to go to that legal bureau (will storage)?

As a method of viewing wills. In addition to viewing the original wills, you can also view the wills using a monitor. If you use the monitoring method, you can view the information at any legal affairs office (will storage) anywhere in the country.

15 遺言書情報証明書はどのような手続に使用できますか。

 今まで遺言書の原本を必要としていた相続登記手続等や銀行での各種手続について,遺言書情報証明書を使用していただくことを想定しています。

What kind of procedure can I use the wills information certificate?

We assume that you will use a will information certificate for inheritance registration procedures and various procedures at banks that required the original wills until now.

16 家族(相続人)は法務局(遺言書保管所)に保管されている遺言書を返却してもらうことができますか。

 法務局(遺言書保管所)に保管されている遺言書については、家族(相続人)であっても返却を受けることはできません。内容を確認するには、遺言書情報証明書の交付の請求又は遺言書の閲覧をしてください。

Is it possible for the family (inheritor) to return the wills stored in the Legal Affairs Bureau (will storage)?

Regarding the wills stored in the Legal Affairs Bureau (will storage), even family members (inheritors) cannot be returned. To confirm the contents, please request the issuance of a will information certificate or browse the will.

17 予約せずに直接法務局(遺言書保管所)に行った場合には申請を受け付けてもらえますか。

 各種申請・請求に当たっては原則として予約が必要です。予約せずに来庁された場合、長時間お待ちいただいたり、その日に手続ができなかったりする場合があります。

If I go directly to the Legal Affairs Bureau (will storage) to make a reservation, can you accept the application?

As a rule, reservations are required for various applications and requests. If you come to the agency without making a reservation, you may have to wait a long time, or you may not be able to complete the procedure on that day.

18 自筆証書遺言を作成したら必す法務局(遺言保管所)に預けなければならないのですか。

 本制度は,自筆証書遺言に係る遺言書について、法務局(遺言書保管所)に保管をするという選択肢を増やすものであり、従来どおり自宅等で保管していただくことも可能です。

Do I have to deposit the self-signed certificate will at the required legal bureau (will test depository) when I create it?

This system will increase the option to keep wills related to autograph deeds wills at the Legal Affairs Bureau (will as a rule storage), and you can also keep them at home etc. as before.

19 自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選べばよいですか。

 自筆証書遺言と公正証書遺言の主な特徴については、パンフレットに記載していますので参考にしてください。なお、どちらを選ぶべきか、ご本人の判断ですので、法務局(遺言保管所)ではお答えできません。

Should I choose between a self-signed will and a notarized will?

Please refer to the pamphlet for the main features of the testamentary will and the notarized will. Please note that it is up to you to decide which one to choose, and the Legal Affairs Bureau (will-will storage) cannot answer.

押印についてのQ&A

法務省HP 20200630閲覧

http://www.moj.go.jp/content/001322410.pdf

                         令和2年6月 19 日

                            内 閣 府

                            法 務 省

                            経 済 産 業 省

問1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。

・ 私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。

・ 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

契約自由の原則のうち、契約方式の自由(伊藤眞『民法2債権各論 第3版』P18)。

特段の定め・・・定期借地権(借地借家法22条)は公正証書による書面等でしなければならない、など。

ここからは、契約書、文書、書面を「契約締結のための情報とそれに付随する情報」と読み替えて考えてみます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問2.押印に関する民事訴訟法のルールは、どのようなものか。

・ 民事裁判において、私文書が作成者の認識等を示したものとして証拠(書証)になるためには、その文書の作成者とされている人(作成名義人)が真実の作成者であると相手方が認めるか、そのことが立証されることが必要であり、これが認められる文書は、「真正に成立した」ものとして取り扱われる。

民事裁判上、真正に成立した文書は、その中に作成名義人の認識等が示されているという意味での証拠力(これを「形式的証拠力」という。)が認められる。

・ 民訴法第 228 条第4項には、「私文書は、本人[中略]の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」という規定がある。

この規定により、契約書等の私文書の中に、本人の押印(本人の意思に基づく押印と解釈されている。)があれば、その私文書は、本人が作成したものであることが推定される。

・ この民訴法第 228 条第4項の規定の内容を簡単に言い換えれば、裁判所は、ある人が自分の押印をした文書は、特に疑わしい事情がない限り、真正に成立したものとして、証拠に使ってよいという意味である。そのため、文書の真正が裁判上争いとなった場合でも、本人による押印があれば、証明の負担が軽減されることになる。

・ もっとも、この規定は、文書の真正な成立を推定するに過ぎない。その文書が事実の証明にどこまで役立つのか(=作成名義人によってその文書に示された内容が信用できるものであるか)といった中身の問題(これを「実質的証拠力」という。)は、別の問題であり、民訴法第 228 条第4項は、実質的証拠力については何も規定していない。

・ なお、文書に押印があるかないかにかかわらず、民事訴訟において、故意又は重過失により真実に反して文書の成立を争ったときは、過料に処せられる(民訴法第 230 条第1項)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・文書が成立したこと(形式的な不備がない。)

・文書が当事者の意思、事実を反映していること。

を別に考える。

・文書が当事者の意思、事実を反映していることに関しては、押印の有無は関係がない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問3.本人による押印がなければ、民訴法第228条第4項が適用されないため、文書が真正に成立したことを証明できないことになるのか。

・ 本人による押印の効果として、文書の真正な成立が推定される(問2参照)。

・ そもそも、文書の真正な成立は、相手方がこれを争わない場合には、基本的に問題とならない。また、相手方がこれを争い、押印による民訴法第 228 条第4項の推定が及ばない場合でも、文書の成立の真正は、本人による押印の有無のみで判断されるものではなく、文書の成立経緯を裏付ける資料など、証拠全般に照らし、裁判所の自由心証により判断される。他の方法によっても文書の真正な成立を立証することは可能であり(問6参照)、本人による押印がなければ立証できないものではない。

・ 本人による押印がされたと認められることによって文書の成立の真正が推定され、そのことにより証明の負担は軽減されるものの、相手方による反証が可能なものであって、その効果は限定的である(問4、5参照)。

・ このように、形式的証拠力を確保するという面からは、本人による押印があったとしても万全というわけではない。そのため、テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

文書の成立について争う可能性がなければ、本人によるハンコを省略することも有意義。

重要な文書であっても、ハンコ以外の方法で代替することも可能。法に基づく電子署名以外で、例えば何が思い浮かぶでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問4.文書の成立の真正が裁判上争われた場合において、文書に押印がありさえすれば、民訴法第 228 条第4項が適用され、証明の負担は軽減されることになるのか。

・ 押印のある文書について、相手方がその成立の真正を争った場合は、通常、その押印が本人の意思に基づいて行われたという事実を証明することになる。

・ そして、成立の真正に争いのある文書について、印影と作成名義人の印章が一致することが立証されれば、その印影は作成名義人の意思に基づき押印されたことが推定され、更に、民訴法第228条第4項によりその印影に係る私文書は作成名義人の意思に基づき作成されたことが推定されるとする判例(最判昭 39・5・12民集 18 巻4号 597 頁)がある。これを「二段の推定」と呼ぶ。

・ この二段の推定により証明の負担が軽減される程度は、次に述べるとおり、限定的である。

① 推定である以上、印章の盗用や冒用などにより他人がその印章を利用した可能性があるなどの反証が相手方からなされた場合には、その推定は破られ得る。

② 印影と作成名義人の印章が一致することの立証は、実印である場合には印鑑証明書を得ることにより一定程度容易であるが、いわゆる認印の場合には事実上困難が生じ得ると考えられる(問5参照)。

・ なお、次に述べる点は、文書の成立の真正が証明された後の話であり、形式的証拠力の話ではないが、契約書を始めとする法律行為が記載された文書については、文書の成立の真正が認められれば、その文書に記載された法律行為の存在や内容(例えば契約の成立や内容)は認められやすい。他方、請求書、納品書、検収書等の法律行為が記載されていない文書については、文書の成立の真正が認められても、その文書が示す事実の基礎となる法律行為の存在や内容(例えば、請求書記載の請求額の基礎となった売買契約の成立や内容)については、その文書から直接に認められるわけではない。このように、仮に文書に押印があることにより文書の成立の真正についての証明の負担が軽減されたとしても、そのことの裁判上の意義は、文書の性質や立証命題との関係によっても異なり得ることに留意する必要がある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

押印は文書の成立(形式的証拠力)を認める1つの資料。実質的証拠力は、文書の性質や何を証明したいかによる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問5.認印や企業の角印についても、実印と同様、「二段の推定」により、文書の成立の真正について証明の負担が軽減されるのか。

・ 「二段の推定」は、印鑑登録されている実印のみではなく認印にも適用され得る(最判昭和 50・6・12 裁判集民 115 号 95 頁)。

・ 文書への押印を相手方から得る時に、その印影に係る印鑑証明書を得ていれば、その印鑑証明書をもって、印影と作成名義人の印章の一致を証明することは容易であるといえる。

・ また、押印されたものが実印であれば、押印時に印鑑証明書を得ていなくても、その他の手段により事後的に印鑑証明書を入手すれば、その印鑑証明書をもって、印影と作成名義人の印章の一致を証明することができる。ただし、印鑑証明書は通常相手方のみが取得できるため、紛争に至ってからの入手は容易ではないと考えられる。

・ 他方、押印されたものが実印でない(いわゆる認印である)場合には、印影と作成名義人の印章の一致を相手方が争ったときに、その一致を証明する手段が確保されていないと、成立の真正について「二段の推定」が及ぶことは難しいと思われる。そのため、そのような押印が果たして本当に必要なのかを考えてみることが有意義であると考えられる。

・ なお、3Dプリンター等の技術の進歩で、印章の模倣がより容易であるとの指摘もある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

実印でない場合・・・二段の推定が及ぶことは難しい。

実印である場合・・・3Dプリンター等の技術の進歩に注意する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問6.文書の成立の真正を証明する手段を確保するために、どのようなものが考えられるか。

・ 次のような様々な立証手段を確保しておき、それを利用することが考えられる。

① 継続的な取引関係がある場合

取引先とのメールのメールアドレス・本文及び日時等、送受信記録の保存(請求書、納品書、検収書、領収書、確認書等は、このような方法の保存のみでも、文書の成立の真正が認められる重要な一事情になり得ると考えられる。)

② 新規に取引関係に入る場合

契約締結前段階での本人確認情報(氏名・住所等及びその根拠資料としての運転免許証など)の記録・保存

本人確認情報の入手過程(郵送受付やメールでの PDF 送付)の記録・保存

文書や契約の成立過程(メールや SNS 上のやり取り)の保存

③ 電子署名や電子認証サービスの活用(利用時のログイン ID・日時や認証結果などを記録・保存できるサービスを含む。)

・ 上記①、②については、文書の成立の真正が争われた場合であっても、例えば下記の方法により、その立証が更に容易になり得ると考えられる。また、こういった方法は技術進歩により更に多様化していくことが想定される。

(a) メールにより契約を締結することを事前に合意した場合の当該合意の保存

(b) PDF にパスワードを設定

(c) (b)の PDF をメールで送付する際、パスワードを携帯電話等の別経路で伝達

(d) 複数者宛のメール送信(担当者に加え、法務担当部長や取締役等の決裁権者を宛先に含める等)

(e) PDF を含む送信メール及びその送受信記録の長期保存

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

押印に代わる方法の例示。

・請求書、納品書、検収書、領収書、確認書等は、相手のメールアドレス・本文、日時などの送受信記録を保存しておけば、文書が成立したと認められる重要な一事情になり得る。

・電子署名や電子認証サービスの活用(利用時のログイン ID・日時や認証結果などを記録・保存できるサービスを含む。)

主に後者。クラウド型電子署名について新たに記録。

PAGE TOP