【文書回答事例】信託契約における残余財産の帰属権利者として取得した土地等の譲渡に係る租税特別措置法第35条第3項に規定する被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用可否について

税務に関する記事です。最終判断は税理士・公認会計士に相談をお願いします。

https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/joto-sanrin/221220/01.htm#a01

1 事前照会の趣旨

 照会者(受託者)は、照会者の母(委託者兼受益者。以下「母甲」といいます。)との間で母甲の居住用家屋及びその敷地(以下「本件物件」といいます。)を信託財産とする信託契約(以下、「本件信託契約」といい、本件信託契約に係る信託を「本件信託」といいます。)を締結していたところ、本件信託は受益者の死亡を信託終了事由としていたことから、母甲の相続開始により本件信託は終了し、残余財産となった本件物件は、残余財産の帰属権利者である照会者及びその弟(以下「照会者ら」といいます。)に帰属することとなりました。

 照会者らは、母甲の相続開始日が属する年の翌年に本件物件を譲渡しましたが、その譲渡に係る譲渡所得の計算上、租税特別措置法第35条第3項《居住用財産の譲渡所得の特別控除》に規定する特例(以下「本件特例」といいます。)を適用するに当たり、本件物件が本件信託の残余財産として照会者らに帰属したこと(以下「本件帰属」といいます。)は、同項に規定する取得(相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含みます。以下同じです。)による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等(以下「被相続人居住用家屋等」といいます。)の取得。)に該当すると解し、その他の要件を満たす限りにおいて、本件特例の適用を受けることができると解してよいか照会します。

2 事前照会に係る取引等の事実関係

(1) 照会者らは、いずれも母甲の相続人です。

(2) 照会者は、令和2年〇月〇日、母甲との間で、委託者兼受益者を母甲、受託者を照会者、信託財産を本件物件及び金銭、本件信託の終了事由を母甲の相続開始等、本件信託終了時の残余財産の帰属権利者を照会者らとする旨の本件信託契約を締結しました。

(3) 本件信託契約においては、その信託期間を契約締結のときから委託者兼受益者が死亡したときまでとし、かつ信託期間が満了した際には信託が終了する旨定められていたため、当該契約に基づき、令和3年〇月〇日、母甲の相続開始により本件信託は終了し、残余財産となった本件物件は、照会者らへ帰属しました。

(4) 照会者らは、令和4年〇月〇日、本件物件を譲渡しました。

3 事前照会者の求める見解となることの理由

 本件特例は、譲渡をした者が「相続又は遺贈による被相続人居住用家屋等の取得」をした相続人(包括受遺者を含みます。以下同じです。)であることを要件の一つとしています。

 また、相続税法第9条の2第4項《贈与又は遺贈により取得したものとみなす信託に関する権利》では、受益者の死亡に基因して終了する信託に係る残余財産の帰属は、適正な対価の負担があるもの及び信託終了の直前において当該信託の受益者であった者に対するものを除いて、遺贈により取得したものとみなす旨規定されています。

 そして、本件特例が適用対象者を「相続又は遺贈による被相続人居住用家屋等の取得」をした相続人としているのは、相続人がその意思の如何にかかわらず、相続により被相続人居住用家屋等の取得をし、その後の適正管理の責任を負うことになるためと考えられますが、照会者らは、これと同様の状況にあるということができます。

 したがって、本件物件は、相続税法上のいわゆるみなし相続財産に該当すること及び照会者らは本件特例の趣旨と同様の状況にあることから、本件帰属は、本件特例に規定する「相続又は遺贈による被相続人居住用家屋等の取得」に該当すると考えます。

関係する法令条項等 租税特別措置法第35条

信託法第183条

回答年月日 令和4年12月20日

回答者 東京国税局審理課長

回答内容 標題のことについては、下記の理由から、貴見のとおり取り扱われるとは限りません。

 なお、この回答内容は、東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではないことを申し添えます。

(理由)

租税特別措置法(以下「措置法」といいます。)第35条第3項に規定する特例(以下「本件特例」といいます。)は、相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含みます。以下同じです。)による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等(以下「被相続人居住用家屋等」といいます。)の取得をした相続人(包括受遺者を含みます。以下同じです。)が、一定の譲渡をした場合に、その譲渡所得の計算上、本件特例の適用を受けることができる旨規定しています。

 ところで、信託契約などにより信託の受益権を取得する行為や、信託が終了し残余財産が権利者に移転した場合などについては、法律上の「贈与」又は「遺贈」には該当しないものの、実質的には贈与又は遺贈と同様の効果をもたらすことから、相続税法においては、これらの取得又は移転などについて贈与又は遺贈による取得とみなして相続税又は贈与税の課税対象とする措置が講じられています(相続税法第9条の2)。

 この点、本件特例は、例えば措置法第39条《相続財産に係る譲渡所得の課税の特例》に規定する特例のように、相続税法の規定により遺贈等による財産の取得とみなされる場合を対象に含む旨は規定していません。 

また、本件特例は、相続人が、相続により、その意思の如何にかかわらず、被相続人居住用家屋等の適正管理の責任を負うこととなることを踏まえた趣旨の下、適用対象者を相続人に限定し、かつ、「相続又は遺贈による被相続人居住用家屋等の取得」をした場合に限り適用すると規定したものであると考えられるところ、信託終了による残余財産の取得は法律上の相続又は遺贈には当たらず、受託者(照会者)は信託行為の当事者であること、信託行為の当事者ではない帰属権利者は、その権利を放棄することができること(信託法183③)を踏まえると、上記本件特例の趣旨の下では、帰属権利者による残余財産の取得を相続人による相続又は遺贈による財産の取得と同様に取り扱うことは相当ではないと考えられます。

 以上のことから、信託契約に基づき、委託者兼受益者の相続開始という信託終了事由の発生により信託が終了したことに伴い、当該信託に係る残余財産を帰属権利者が取得したことは、本件特例に規定する相続人による「相続又は遺贈による被相続人居住用家屋等の取得」に該当するとは認められず、また、死因贈与契約に基づき当該残余財産を取得したとする事情も認められませんので、当該残余財産の譲渡に係る譲渡所得の計算上、本件特例の適用を受けることはできません。

 私には、信託契約により、当事者の意思で決めたのだから、相続・遺贈と同視することはできず、特例を認めることは出来ない、という趣旨に読めました。しかしこの指摘は、受託者兼残余財産の帰属権利者である照会者には当てはまりますが、照会者の弟は残余財産の帰属権利者であることを知らなかった可能性もあり、その点はどうするのだろうか、と考えてしまいました。残余財産の帰属権利のみを放棄することが出来る点が、全ての積極財産、消極財産を放棄することが出来る相続放棄と異なる点です。この点は、残余財産の帰属権利者が2人いる照会者の弟にとって、通常の相続・遺贈と異なり管理責任(令和5年4月1日施行)を逃れることができる点は有利といえるのかなとも思いました。

20230305追記

参考 『月刊登記情報2023年3月号(736号)』税理士白井一馬「自宅を信託財産にした場合における相続後の「空き家譲渡特例」の適用可否」

https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/T/

租税特別措置法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332AC0000000026&keyword=%E7%A7%9F%E7%A8%8E%E7%89%B9%E5%88%A5

第三十五条 個人の有する資産が、居住用財産を譲渡した場合に該当することとなつた場合には、その年中にその該当することとなつた全部の資産の譲渡に対する第三十一条又は第三十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。

一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から三千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十五条第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が三千万円に満たない場合には当該資産の譲渡に係る部分の金額とし、同項第二号の規定により読み替えられた第三十二条第一項の規定の適用を受ける場合には三千万円から同項の規定により控除される金額を控除した金額と当該資産の譲渡に係る部分の金額とのいずれか低い金額とする。)を控除した金額(」とする。

二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から三千万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十五条第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が三千万円に満たない場合には、当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。

2 前項に規定する居住用財産を譲渡した場合とは、次に掲げる場合(当該個人がその年の前年又は前々年において既に同項(次項の規定により適用する場合を除く。)又は第三十六条の二、第三十六条の五、第四十一条の五若しくは第四十一条の五の二の規定の適用を受けている場合を除く。)をいう。

一 その居住の用に供している家屋で政令で定めるもの(以下この項において「居住用家屋」という。)の譲渡(当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするもの及び所得税法第五十八条の規定又は第三十三条から第三十三条の四まで、第三十七条、第三十七条の四若しくは第三十七条の八の規定の適用を受けるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)又は居住用家屋とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。以下この項及び次項において同じ。)をした場合

二 災害により滅失した居住用家屋の敷地の用に供されていた土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡又は居住用家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものの譲渡若しくは居住用家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものとともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡を、これらの居住用家屋が当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にした場合

3 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下第五項までにおいて同じ。)による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む。以下この項において同じ。)が、平成二十八年四月一日から令和五年十二月三十一日までの間に、次に掲げる譲渡(当該相続の開始があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にしたものに限るものとし、第三十九条の規定の適用を受けるもの及びその譲渡の対価の額が一億円を超えるものを除く。以下この条において「対象譲渡」という。)をした場合(当該相続人が既に当該相続又は遺贈に係る当該被相続人居住用家屋又は当該被相続人居住用家屋の敷地等の対象譲渡についてこの項の規定の適用を受けている場合を除く。)には、第一項に規定する居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、同項の規定を適用する。

一 当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(当該相続の時後に当該被相続人居住用家屋につき行われた増築、改築(当該被相続人居住用家屋の全部の取壊し又は除却をした後にするもの及びその全部が滅失をした後にするものを除く。)、修繕又は模様替に係る部分を含むものとし、次に掲げる要件を満たすものに限る。以下この号において同じ。)の政令で定める部分の譲渡又は当該被相続人居住用家屋とともにする当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の政令で定める部分の譲渡

イ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。

ロ 当該譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準として政令で定めるものに適合するものであること。

二 当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の全部の取壊し若しくは除却をした後又はその全部が滅失をした後における当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(ロ及びハに掲げる要件を満たすものに限る。)の政令で定める部分の譲渡

イ 当該相続の時から当該取壊し、除却又は滅失の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。

ロ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。

ハ 当該取壊し、除却又は滅失の時から当該譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。

4項以下略

信託法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000108

(帰属権利者)

第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。

3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。

4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。ただし、第三者の権利を害することはできない。

5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。

6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。

関連

国税庁法令解釈通達

土地信託に関する所得税、法人税並びに相続税及び贈与税の取扱いについて 別紙

第2 所得税に関する取扱い

(居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用)

2-54 措置法第35条第1項((居住用財産の譲渡所得の特別控除))に規定する「その居住の用に供している家屋」又は「その敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利」には、個人の有する信託財産の構成物でこれらの資産に該当するもの(以下この項において「信託居住用財産」という。)が含まれるのであるが、この場合における同条の規定の適用については、次の諸点に留意する。

(1) 信託居住用財産の譲渡には、信託受益権の譲渡によるものが含まれること。

(2) 譲渡された信託財産である家屋が同条第1項に規定する「その居住の用に供している家屋」に該当するかどうかは、当該家屋の受益者について、措置法通達35-2又は35-3に定めるところにより判定すること。

(3) 措置法令第23条第1項((特例の対象となる家屋の範囲))に規定する「その者が主としてその居住の用に供していると認められる一の家屋」の判定の基礎には、その者の有する信託居住用財産が含まれること。

(4) 信託居住用財産の譲渡が措置法第35条第1項に規定する「特別の関係がある者に対してするもの」に該当するかどうかは、その譲渡に係る信託居住用財産の受益者について判定すること。

(5) 同項に規定する「その年の前年又は前々年において既にこの項又は第36条の2若しくは第36条の5の規定の適用を受けている」かどうかの判定の基礎には、その者の有する信託居住用財産の譲渡が含まれること。

20230619追記

『月刊登記情報』2023年6月号(739号)「信託契約の対象不動産を検討する際の実務上の留意点~令和4年12月20日東京国税局回答を受けて~」JFD司法書士法人 司法書士 福田秀樹

家族信託の相談会その51

お気軽にお問い合わせください。

2023年1月27日(金)14時~17時

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1組様 5000円

場所 司法書士宮城事務所(西原町)

要予約

司法書士宮城事務所 shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp

後援  (株)ラジオ沖縄

信託財産の「管理」と「処分」(2)―質疑応答7097登記研究508号173頁―

 家族信託実務ガイド[1]の記事、渋谷陽一郎「信託財産の「管理」と「処分」(2)―質疑応答7097登記研究508号173頁―」からです。

【7097】信託財産の所有権移転登記と信託条項

〔要旨〕信託財産について所有権移転登記の申請をする場合、信託条項に「受託者は受益者の承諾を得て管理処分をする」旨記載されているときには、受益者の承諾書の添付を要する。

実は「信託口口座」と命名されたからといって、それを倒産隔離することは容易ではないのではないか、という厳しい指摘がなされています(仮にそうである場合には「信託口口座」の費用や報酬の正当性の問題を議論する必要があり、景表法的な消費者誤認を避けるという問題も考慮する必要があります)。

 現在、私自身の業務は、金融機関との信託口口座開設の調整です。信託契約書案をFAX・メール送信する際に、次のような内容を記載します。返信が書面やメールなどで来たことはありませんが、送信した記録は残ります。現状は、この記録を残しておくぐらいしか出来ていません。

要件

(1)受託者個人の口座が差押えを受けたとしても、信託専用の口座はその影響を受けないこと

(2)受託者が亡くなった際、相続を証する書面を不要として、受託者 の死亡が分かる書類と就任承諾書の提出および身分証明書の提示で受託者の変更ができること

(3)受益者が亡くなった際、相続を証する書面を不要として、受益者の死亡が分かる書類と受益者の身分証明書の掲示をもって受益者の変更ができること

(4) キャッシュカードの発行

問い合わせ

  • 復代理人は、委任状と身分証明書の掲示で銀行窓口業務に対応してもらえるのでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あたかも、会社法の世界で、世界のトヨタの株主総会と、町の法人成り家族経営の商店の株主総会(家族会議)が、同一の規律で扱われているようなものでしょう(そこで、機関設計を選択し得る会社法が制定されました)。現行の信託法が目指したのは、前者のような国際的な大規模信託にも耐えられる信託の規律かもしれません。

 そのような面もあると思います。私は、会社法と信託法は、選択して組み立てることが可能な面が多く、類似点の方が多いのではないかと感じます[2]。また信託業法が適用される信託に関しては、細かな規律を守る必要があります。

書式1 信託目録 調整

番号 受付年月日・受付番号 予備

四 信託条項

1 信託の目的

高齢者の生活および介護の支援

2 信託財産の管理方法

受託者の権限

 高齢者の介護支援のための信託不動産の売却処分

特約 信託不動産の処分は受益者の承諾を得て行う(以下省略)

 高齢者の介護支援のための信託不動産の売却処分、の「高齢者の介護支援のための」については、信託目録に記録するのであれば登記原因証明情報にも記載が必要になってくるのか、気になりました。特約、という表現に関しては、条文上制限しか認めておらず(信託法26条)、拡大はないので、制限と記録してもよいのかなと思いました。

さらには、旧法では、受益者取消権の相手方として転得者まで明記されていましたが、改正法では、削除されてしまいました。どうしてでしょうか。

 受託者の行為の相手方に取消しの意思表示を行えば、転得者にもその効果が及ぶからではないかと思います[3]

参考

旧信託法

第四条

受託者ハ信託行為ノ定ムル所ニ従ヒ信託財産ノ管理又ハ処分ヲ為スコトヲ要ス

第三十一条

受託者カ信託ノ本旨ニ反シテ信託財産ヲ処分シタルトキハ受益者ハ相手方又ハ転得者ニ対シ其ノ処分ヲ取消スコトヲ得但シ信託ノ登記若ハ登録アリタルトキ又ハ登記若ハ登録スヘカラサル信託財産ニ付テハ相手方及転得者ニ於テ其ノ処分カ信託ノ本旨ニ反スルコトヲ知リタルトキ若ハ重大ナル過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキニ限ル

信託法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000108

(受託者の権限の範囲)

第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。

(受託者の権限違反行為の取消し)

第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。

一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。

二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。

2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。

一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。

二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。

3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。

4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から一年を経過したときも、同様とする。

民法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

(取消しの効果)

第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。


[1] 2022年11月、第27号、日本法令、P74~

[2] 2012年9月1日立命館大学大垣尚司教授「私人間信託と専門家の役割」。

[3] 道垣内弘人編著『条解信託法』、2017年、弘文堂、P151.民法121条。

デジタル臨時行政調査会(第6回)

加工

デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表

2022年12月21日 デジタル臨時行政調査会

https://www.digital.go.jp/councils/administrative-research/c43e8643-e807-41f3-b929-94fb7054377e/

●道路台帳の閲覧:2024年6月まで

道路台帳について、閲覧の際、多くの場合、各地方の閲覧所等に赴く必要があったが、ホームページ等で時間・場所を問わずに閲覧が可能になり、国民の利便性の向上につながる。

道路法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC1000000180

(道路台帳)

第二十八条 道路管理者は、その管理する道路の台帳(以下本条において「道路台帳」という。)を調製し、これを保管しなければならない。

2 道路台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

3 道路管理者は、道路台帳の閲覧を求められた場合においては、これを拒むことができない。

電子官報の実現

○官報の原本が慣習で紙媒体とされており、行政手続における書面の廃止やデータの再利用ができない

商業登記法等で公告をしたことを証する書面として紙の官報を提出させている規定が12法律のほか政省令等に存在。

会社等の登記申請の際は年間約13,500件から14,500件程度、紙の官報が提出されている。(内閣府調べ)

改革①:行政手続における官報(紙)の提出を不要に

○セキュリティ強化等を行い、閣議了解等により官報(紙)と「インターネット版官報」の同一性を保証

○官報(紙)の書面添付を義務づけている行政手続(12法律等で規定)の運用を見直し

別表1 66

表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律

法務省

第5条登記官による調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表1 67

表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律

法務省

第6条第1項

立入調査目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表1 68 不動産登記法

法務省

第135条第1項筆界調査委員による事実の調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表1 69 不動産登記法

法務省

第136条第1項測量及び実地調査目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表1 70 不動産登記法

法務省

第137条第1項立入調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表1 1615 電子署名及び認証業務に関する法律

デジタル庁、法務省

第6条第2項認定の基準目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

法律改正

電子署名及び認証業務に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000102

(認定の基準)

第六条 主務大臣は、第四条第一項の認定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、その認定をしてはならない。

一 申請に係る業務の用に供する設備が主務省令で定める基準に適合するものであること。

二 申請に係る業務における利用者の真偽の確認が主務省令で定める方法により行われるものであること。

三 前号に掲げるもののほか、申請に係る業務が主務省令で定める基準に適合する方法により行われるものであること。

2 主務大臣は、第四条第一項の認定のための審査に当たっては、主務省令で定めるところにより、申請に係る業務の実施に係る体制について実地の調査を行うものとする。

新規228

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

法務省第6条第2項実地調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー法務省1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規229

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

法務省

第6条第3項実地調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー法務省1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規230

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

法務省

第6条第7項実地調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー法務省1

告示、通知・通達等の発出又は改正

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=503AC0000000025_20230427_000000000000000

(事実の調査)第六条

2 前項の規定により事実の調査をする職員は、承認申請に係る土地又はその周辺の地域に所在する土地の実地調査をすること、承認申請者その他の関係者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他承認申請に係る審査のために必要な調査をすることができる。

3 法務大臣は、その職員が前項の規定により承認申請に係る土地又はその周辺の地域に所在する土地の実地調査をする場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、その職員に、他人の土地に立ち入らせることができる。

7 第三項の規定による立入りをする場合には、職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

新規231 不動産登記規則

法務省

第93条測量及び実地調査

目視規制1-① 2 要

令和6年度4月~6月

目視ー共通9

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規821所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第6条立入検査等

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規822所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第8条第1項立入検査等

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規823所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第8条第3項立入検査等

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規824

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第13条第5項収用委員会の立入調査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規825

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第13条第6項収用委員会の立入調査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規826所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第26条第1項第三章第一節第二款(裁定による特定所有者不明土地の使用)の規定の施行のための立入検査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規827所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第26条第2項第三章第一節第二款(裁定による特定所有者不明土地の使用)の規定の施行のための立入検査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規828

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第32条第5項収用委員会の立入調査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規829所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第32条第6項収用委員会の立入調査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規830所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第36条第1項第三章第二節第一款(収用適格事業のための特定所有者不明土地の収用又は使用に関する特例)の規定の施行のための立入調査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規831所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

国土交通省

第36条第2項第三章第二節第一款(収用適格事業のための特定所有者不明土地の収用又は使用に関する特例)の規定の施行のための立入調査

目視規制1-① 2 要

令和5年度4月~9月

目視ー共通2

告示、通知・通達等の発出又は改正

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=430AC0000000049_20221101_504AC0000000038

(特定所有者不明土地への立入り等)

第六条 地域福利増進事業を実施しようとする者は、その準備のため他人の土地(特定所有者不明土地に限る。次条第一項及び第八条第一項において同じ。)又は当該土地にある簡易建築物等その他の工作物に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、当該土地又は工作物に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。ただし、地域福利増進事業を実施しようとする者が国及び地方公共団体以外の者であるときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、当該土地の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けた場合に限る。

(証明書等の携帯)

第八条 第六条の規定により他人の土地又は工作物に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書(国及び地方公共団体以外の者にあっては、その身分を示す証明書及び同条ただし書の許可を受けたことを証する書面)を携帯しなければならない。

2 (略)

3 前二項の証明書又は書面は、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(裁定)

第十三条 

5 収用委員会は、前項の規定により意見を述べるため必要があると認めるときは、その委員又はその事務を整理する職員に、裁定申請に係る特定所有者不明土地又は当該特定所有者不明土地にある簡易建築物等その他の工作物に立ち入り、その状況を調査させることができる。

6 前項の規定により立入調査をする委員又は職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(報告及び立入検査)

第二十六条 都道府県知事は、この款の規定の施行に必要な限度において、使用権者(裁定申請をしている事業者でまだ土地使用権等を取得していないもの及び使用権者であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に、使用権者の事務所、使用権設定土地その他の場所に立ち入り、その事業の状況若しくは事業に係る施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 第十三条第六項及び第七項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

(裁定)

第三十二条 

5 収用委員会は、前項の規定により意見を述べるため必要があると認めるときは、その委員又はその事務を整理する職員に、裁定申請に係る特定所有者不明土地又は当該特定所有者不明土地にある簡易建築物等その他の工作物に立ち入り、その状況を調査させることができる。

6 第十三条第六項及び第七項の規定は、前項の規定による立入調査について準用する。

(立入調査)

第三十六条 都道府県知事は、この款の規定の施行に必要な限度において、その職員に、裁定申請に係る特定所有者不明土地又は当該特定所有者不明土地にある簡易建築物等その他の工作物に立ち入り、その状況を調査させることができる。

2 第十三条第六項及び第七項の規定は、前項の規定による立入調査について準用する。

別表1 60 民法

法務省

第98条第2項公示による意思表示方法(掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和5年度4月~9月

掲示ー法務省1

法律改正

民法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

(公示による意思表示)

第九十八条

2 前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。

別表1 61 民事訴訟法

法務省

第111条裁判所が送達すべき民事訴訟法関係書類の公示送達方法(裁判所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要注7

令和8年5月

(可能な限り早期の完了を目指す)

掲示ー共通4

告示、通知・通達等の発出又は改正

民事訴訟法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=408AC0000000109_20220525_504AC0000000048

(公示送達の方法)

第百十一条 公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。

別表1 62 非訟事件手続法

法務省

第102条第1項裁判上の公示催告方法(裁判所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和5年度4月~9月

掲示ー法務省1

法律改正

非訟事件手続法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=423AC0000000051_20220525_504AC0000000048

(公示催告についての公告)

第百二条 公示催告についての公告は、前条に規定する公示催告の内容を、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、官報に掲載する方法によってする。

別表1 67戸籍等の謄本等の交付の請求の受付及び引渡しの業務の公共サービス実施民間事業者における実施に関する省令

法務省

第1条公共サービス実施民間事業者における業務実施時間等の掲示義務

書面掲示1-① 3-4 要

令和5年度4月~9月

掲示ー共通1

省令改正

戸籍等の謄本等の交付の請求の受付及び引渡しの業務の公共サービス実施民間事業者における実施に関する省令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418M60000010065

(掲示)

第一条 公共サービス実施民間事業者は、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(以下「法」という。)第三十四条第一項第一号に掲げる業務を実施する特定業務取扱事業所(法第三十四条第八項に規定する特定業務取扱事業所をいう。)ごとに、公衆の見やすい場所に、当該業務の実施を委託した地方公共団体(以下「委託地方公共団体」という。)、実施する業務の内容及び当該業務の実施時間を掲示しなければならない。

別表1 68 後見登記等に関する省令

法務省

第16条職権による登記の抹消の際の公告の方法(登記所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和5年度4月~9月

掲示ー共通1

省令改正

後見登記等に関する省令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412M50000010002_20220131_504M60000010003

(職権による登記の抹消の際の公告の方法)

第十六条 令第九条第二項に規定する公告は、抹消すべき事件又は事項が登記された登記所の掲示場その他登記所内の公衆の見やすい場所に二週間掲示して行う。

別表1 159入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律施行規則

農林水産省

第16条入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律第二十五条第五項の規定による立入り又は立木竹の伐採をする旨の公告の方法(市町村の事務所の掲示場の掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和5年度10月~3月

掲示ー共通3

省令改正

入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=341M50010000043_20201221_502M60000200083

(立入り等の公告)

第十六条 法第二十五条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定による公告は、立入り又は立木竹の伐採の目的、場所及び期日を記載した書面を、立ち入ろうとする土地又は伐採しようとする立木竹の所在する土地を管轄する市町村の事務所の掲示場に五日間掲示してしなければならない。

別表1 160農業振興地域の整備に関する法律施行規則

農林水産省

第13条第1項書類の送付に代わる公告の方法(市町村の事務所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和8年5月

(可能な限り早期の完了を目指す)

掲示ー共通4

省令改正

別表1 161農業振興地域の整備に関する法律施行規則

農林水産省

第14条第2項農業振興地域の整備に関する法律第十三条の五において準用する土地改良法第百十八条第三項の規定による公告の方法(市町村の事務所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和5年度10月~3月

掲示ー共通3

省令改正

農業振興地域の整備に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=344M50010000045

(書類の送付に代わる公告)

第十三条 法第十三条の五において準用する土地改良法第百十二条の規定による公告は、市町村の事務所の掲示場に五日間送付すべき書類の要旨を掲示してしなければならない。

(測量検査の通知)

第十四条 

2 法第十三条の五において準用する土地改良法第百十八条第三項の規定による公告は、前項に掲げる事項を記載し、市町村の事務所の掲示場に五日間掲示してしなければならない。

別表1 195 土地区画整理法

国土交通省

第77条第5項建築物の移転及び除却時に通知する相手方が確知できない場合等における掲示(公告)義務(土地区画整理法第百三十三条第二項、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第七十一条及び新都市基盤整備法第二十九条において準用)

書面掲示1-① 3-4 要

令和6年度4月~6月

掲示ー共通1

法律改正

土地区画整理法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=329AC0000000119

(建築物等の移転及び除却)第七十七条

5 前項後段の公告は、官報その他政令で定める定期刊行物に掲載して行うほか、その公告すべき内容を政令で定めるところにより当該土地区画整理事業の施行地区内の適当な場所に掲示して行わなければならない。この場合において、施行者は、公告すべき内容を当該土地区画整理事業の施行地区を管轄する市町村長に通知し、当該市町村長は、当該掲示がされている旨の公告をしなければならない。

別表1 319戸籍等の謄本等又は戸籍の附票等の写しの交付の請求の受付及び引渡しの事務の郵便局における取扱いに関する省令

総務省 法務省

第1条特定の事務を取り扱う郵便局における指定地方公共団体等の情報掲示義務

書面掲示1-② 3-4 要

令和5年度4月~9月

掲示ー共通1

省令改正

別表1 320戸籍の附票等の写しの交付の請求の受付及び引渡しの業務の公共サービス実施民間事業者における実施に関する省令

総務省 法務省

第1条公共サービス実施民間事業者における委託地方公共団体等の情報掲示義務

書面掲示1-② 3-4 要

令和5年度4月~9月

掲示ー共通1

省令改正

戸籍の附票等の写しの交付の請求の受付及び引渡しの業務の公共サービス実施民間事業者における実施に関する省令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418M60000018002

(掲示)

  • 公共サービス実施民間事業者は、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(以下「法」という。)第三十四条第一項第四号に掲げる業務を実施する特定業務取扱事業所(法第三十四条第八項に規定する特定業務取扱事業所をいう。)ごとに、公衆の見やすい場所に、当該業務の実施を委託した地方公共団体(以下「委託地方公共団体」という。)、実施する業務の内容及び当該業務の実施時間を掲示しなければならない。

別表2 77 不動産登記法

法務省

第133条第2項筆界特定の申請の通知の公示方法(対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和8年5月

(可能な限り早期の完了を目指す)

掲示ー共通4

法律改正

不動産登記法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123

(筆界特定の申請の通知)

第百三十三条 

2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、関係人の氏名又は名称、通知をすべき事項及び当該事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨を対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。

別表2 82一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則

法務省

第88条第1項一般社団法人等における公告方法

書面掲示2-4①② 3-4 要

令和4年度1月~3月

掲示ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419M60000010028_20220901_502M60000010052

第八十八条 法第三百三十一条第一項第四号に規定する措置として法務省令で定める方法は、当該一般社団法人等の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法とする。

変更登記が必要?

別表2 91 国有財産法施行令

財務省第19条の3第1項

国有財産の調査又は測量を行うための他人の土地への立ち入りの公告方法(財務事務所等及び市町村の事務所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和8年5月(可能な限り早期の完了を目指す)

掲示ー共通4

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表2 92 国有財産法施行令

財務省

第19条の5国有地との境界確定に係る公告方法(財務事務所等及び市町村の事務所の掲示場に掲示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和8年5月

(可能な限り早期の完了を目指す)

掲示ー共通4

告示、通知・通達等の発出又は改正

国有財産法施行令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=323CO0000000246_20170401_429CO0000000040

(立入りの公告)

第十九条の三 法第三十一条の二第二項の規定による公告は、当該公告に係る土地の所在する地域を管轄する財務事務所(当該財務事務所がない場合には、当該地域を管轄する財務局(当該地域が福岡財務支局の管轄区域内にある場合には、福岡財務支局)。第十九条の五において同じ。)及び当該土地の所在する市町村(都の特別区の区域にあつては、特別区。第十九条の五において同じ。)の事務所の掲示場に少なくとも十日間掲示して、しなければならない。

(境界確定に係る公告)

第十九条の五 法第三十一条の四第五項及び法第三十一条の五第三項の規定による公告は、当該公告に係る境界の存する地域を管轄する財務事務所及び当該境界の存する市町村の事務所の掲示場に少なくとも二十日間掲示して、しなければならない。

別表2 108 行旅病人及行旅死亡人取扱法

厚生労働省

第9条行旅死亡人の状況・遺留物件等告示方法(公署の掲示場に告示)

書面掲示1-① 3-4 要

令和6年度4月~6月

掲示ー共通1

法律改正

行旅病人及行旅死亡人取扱法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=132AC0000000093_20150801_000000000000000

第九条 行旅死亡人ノ住所、居所若ハ氏名知レサルトキハ市町村ハ其ノ状況相貌遺留物件其ノ他本人ノ認識ニ必要ナル事項ヲ公署ノ掲示場ニ告示シ且官報若ハ新聞紙ニ公告スヘシ

別表2 113墓地、埋葬等に関する法律施行規則

厚生労働省

第3条第2号死亡者の本籍等にかかる情報の掲示義務

書面掲示1-① 2-4①② 要

令和5年度10月~3月

掲示ー共通3

告示、通知・通達等の発出又は改正

墓地、埋葬等に関する法律施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323M40000100024_20201225_502M60000100208

第三条 死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂(以下「無縁墳墓等」という。)に埋葬し、又は埋蔵し、若しくは収蔵された死体(妊娠四月以上の死胎を含む。以下同じ。)又は焼骨の改葬の許可に係る前条第一項の申請書には、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 無縁墳墓等の写真及び位置図

二 死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面

別表2 154 農業協同組合法

農林水産省

第97条の4第1項農業協同組合・農事組合法人における公告方法(事務所の掲示場に掲示)を定款で定める義務

書面掲示2-4①② 3-4 要

令和5年度10月~3月

掲示ー共通3

告示、通知・通達等の発出又は改正

→変更登記?

農業協同組合法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000132_20220901_501AC0000000071

第九十七条の四 組合及び農事組合法人は、公告の方法として、事務所の掲示場に掲示する方法を定款で定めなければならない。

② 組合及び農事組合法人は、公告の方法として、前項の方法のほか、次の各号に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。ただし、第十条第一項第三号又は第十号の事業を行う組合にあつては、第二号又は第三号に掲げる方法のいずれかを定款で定めなければならない。

一 官報に掲載する方法

二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

三 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であつて同号に規定するものをとる方法をいう。以下この条において同じ。)

別表2 155 水産業協同組合法

農林水産省

第126条の4第1項水産業協同組合における公告方法(事務所の掲示場に掲示)を定款で定める義務

書面掲示2-4①② 3-4 要

令和5年度10月~3月

掲示ー共通3

告示、通知・通達等の発出又は改正

→実務の変更?

水産業協同組合法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000242_20220901_501AC0000000071

(公告の方法等)

第百二十六条の四 組合は、公告の方法として、事務所の掲示場に掲示する方法を定款で定めなければならない。

→実務の変更?

別表1 148 公証人法

法務省

第44条公証人証書の原本の閲覧

往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和6年度4月~6月

閲覧縦覧ー法務省1

告示、通知・通達等の発出又は改正

公証人法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=141AC0000000053

第四十四条 嘱託人、其ノ承継人又ハ証書ノ趣旨ニ付法律上利害ノ関係ヲ有スルコトヲ証明シタル者ハ証書ノ原本ノ閲覧ヲ請求スルコトヲ得

② 第二十八条第一項及第二項、第三十一条並第三十二条第一項ノ規定ハ前項ニ依リ公証人証書ノ原本ヲ閲覧セシムヘキ場合ニ之ヲ準用ス

③ 公証人嘱託人ノ承継人ニ証書ノ原本ヲ閲覧セシムヘキ場合ニ於テハ承継人タルコトヲ証スヘキ証書ヲ提出セシメ其ノ承継人タルコトヲ証明セシムヘシ

④ 検察官ハ何時ニテモ証書ノ原本ノ閲覧ヲ請求スルコトヲ得

別表1 151 信託法

法務省

第172条第1項,第4項

資料の閲覧往訪閲覧1-① 3-3 要

令和5年度4月~9月

閲覧縦覧ー法務省2

法律改正

信託法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000108

(保全処分に関する資料の閲覧等)

第百七十二条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。

4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。

別表1 598沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法施行規則

内閣府 防衛省

第2条第1項地図等の閲覧の場所及び公告往訪閲覧

2-4①2-4②3-4 要

令和5年度10月~3月

閲覧縦覧ー共通5

告示、通知・通達等の発出又は改正

沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=352AC0000000040

別表2 149 商法

法務省

第539条第1項書面の閲覧

往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

商法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=132AC0000000048_20200401_429AC0000000045

(貸借対照表の閲覧等並びに業務及び財産状況に関する検査)

第五百三十九条 匿名組合員は、営業年度の終了時において、営業者の営業時間内に、次に掲げる請求をし、又は営業者の業務及び財産の状況を検査することができる。

一 営業者の貸借対照表が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 営業者の貸借対照表が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもので法務省令で定めるものをいう。)をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

別表2 151 信託法

法務省

第190条第2項(第3項:貸付信託法の閲覧の条項にて準用されている。)受益者原簿の閲覧

往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

別表2 152 信託法

法務省

第38条第1項,第6項

帳簿等の閲覧往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

信託法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000108

(受益権原簿の備置き及び閲覧等)

第百九十条 

2 委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

3 前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。

一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。

三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

四 請求者が前項の規定による覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

(帳簿等の閲覧等の請求)

第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求

二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。

一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求

二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

→民事信託にも影響あり。

別表2 153 建物の区分所有等に関する法律

法務省

第33条第2項規約の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

注9法制審議会において、規約の閲覧に関する規定を含む区分所有法制の見直しについて、引き続き調査審議が行われる見込みである。

建物の区分所有等に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069_20220401_502AC0000000008

(規約の保管及び閲覧)

第三十三条 

2 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。

別表2 154 商業登記法

法務省

第11条の2 登記簿の附属書類の閲覧

往訪閲覧1-①2-3①2-3②2-3③要

令和6年度4月~6月

閲覧縦覧ー法務省4

省令改正

商業登記法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338AC0000000125

(附属書類の閲覧)

第十一条の二 登記簿の附属書類の閲覧について利害関係を有する者は、手数料を納付して、その閲覧を請求することができる。この場合において、第十七条第三項に規定する電磁的記録又は第十九条の二に規定する電磁的記録に記録された情報の閲覧は、その情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものを閲覧する方法により行う。

新規112 会社法

法務省

第442条第3項計算書類等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規113 会社法

法務省

第442条第4項計算書類等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規114 会社法

法務省

第31条第2項定款の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規115 会社法

法務省

第74条第7項議決権の代理権を証明する書類の閲覧

往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規117 会社法

法務省

第76条第5項電磁的記録に記録された議決権行使書面の閲覧

往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規118 会社法

法務省

第81条第3項議事録の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規119 会社法

法務省

第82条第3項創立総会の決議の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規120 会社法

法務省

第125条第2項株主名簿の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

→実務対応が必要?

新規121 会社法

法務省

第171条の2第2項全部取得条項付種類株式に関わる事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規122 会社法

法務省

第173条第3項全部取得条項付種類株式の取得に関わる事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規123 会社法

法務省第179条の5第2項特別支配株主等に係る事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規124 会社法

法務省第179条の10第3項売渡株式等の取得に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規125 会社法

法務省

第182条の2第2項株式の併合に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規126 会社法

法務省

第182条の6第3項株式の併合に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規127 会社法

法務省

第231条第2項株券喪失登録簿の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規128 会社法

法務省

第252条第2項新株予約権原簿の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規129 会社法

法務省

第310条第7項議決権の代理行使に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規130 会社法

法務省

第312条第5項電磁的方法による議決権の行使に関わる事項の閲覧

往訪閲覧2-3① 3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規131 会社法

法務省

第318条第4項議事録の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規132 会社法

法務省

第319条第3項株主総会の決議に関わる事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規133 会社法

法務省

第371条第2項議事録等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規134 会社法

法務省

第374条第2項計算書類等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規135 会社法

法務省

第378条第2項計算書類等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規136 会社法

法務省

第389条第4項会計帳簿等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規137 会社法

法務省

第394条第2項議事録等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規138 会社法

法務省

第396条第2項会計帳簿等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規139 会社法

法務省

第399条の11第2項議事録等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規140 会社法

法務省

第413条第2項議事録等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規141 会社法

法務省

第413条第3項議事録等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規142 会社法

法務省

第433条第1項会計帳簿等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規143 会社法

法務省

第496条第2項貸借対照表等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規144 会社法

法務省

第618条第1項計算書類等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規145 会社法

法務省

第625条第1項計算書類等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規146 会社法

法務省

第684条第2項社債原簿の閲覧

往訪閲覧2-3①-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規147 会社法

法務省

第731条第3項議事録の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規148 会社法

法務省

第735条の2第3項社債権者集会の決議に関わる事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規149 会社法

法務省

第775条第3項

組織変更計画に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規150 会社法

法務省

第782条第3項吸収合併契約等に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規151 会社法

法務省

第791条第3項

吸収分割又は株式交換に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規152 会社法

法務省

第794条第3項吸収合併契約等に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規153 会社法

法務省

第801条第4項吸収合併等に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規154 会社法

法務省

第803条第3項

新設合併契約等に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③

3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規155 会社法

法務省

第811条第3項新設分割又は株式移転に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規156 会社法

法務省

第815条第4項新設合併契約等に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規157 会社法

法務省

第816条の2第3項

株式交付計画に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規158 会社法

法務省

第816条の10第3項株式交付に関する事項の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

新規159 会社法

法務省

第886条第1項事件に関する文書の閲覧

往訪閲覧1-① 3-3 要

令和5年度4月~9月

閲覧縦覧ー法務省2

法律改正

新規160 会社法

法務省

第906条第1項報告又は計算に関する資料の閲覧

往訪閲覧1-② 3-3 要

令和5年度4月~9月

閲覧縦覧ー法務省2

法律改正

新規161 会社法

法務省

第906条第4項報告又は計算に関する資料の閲覧

往訪閲覧1-② 3-3 要

令和5年度4月~9月

閲覧縦覧ー法務省2

法律改正

新規162 会社法

法務省

第951条第2項財務諸表等の閲覧

往訪閲覧2-3①2-3②2-3③3-3 要

令和4年度1月~3月

閲覧縦覧ー共通1

告示、通知・通達等の発出又は改正

会社法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086

(計算書類等の備置き及び閲覧等)

第四百四十二条 

3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求

二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(定款の備置き及び閲覧等)

第三十一条 

2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。

一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求

二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(議決権の代理行使)

第七十四条 

7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(電磁的方法による議決権の行使)

第七十六条 

5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。

(議事録)

第八十一条 

3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(創立総会の決議の省略)

第八十二条 

3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(株主名簿の備置き及び閲覧等)

第百二十五条 

2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第百七十一条の二

2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第百七十三条の二 

3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第百七十九条の五 

2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

(売渡株式等の取得)

第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。

2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。

(売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第百七十九条の十 

3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第百八十二条の二 

2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第百八十二条の六

3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等)

第二百三十一条 

2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(新株予約権原簿の備置き及び閲覧等)

第二百五十二条 

2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(議決権の代理行使)

第三百十条 

7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(電磁的方法による議決権の行使)

第三百十二条

5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

(議事録)

第三百十八条 

4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求

二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(株主総会の決議の省略)

第三百十九条 

3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(議事録等)

第三百七十一条

2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(会計参与の権限)

第三百七十四条

2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧

及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。

一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面

二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの

3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。

5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。

6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。

(会計参与による計算書類等の備置き等)

第三百七十八条

2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求

二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(議事録)

第三百九十九条の十一

2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(議事録)

第四百十三条 

2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。

一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面

二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの

3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。

(会計帳簿の閲覧等の請求)

第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(貸借対照表等の備置き及び閲覧等)

第四百九十六条

2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求

二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(計算書類の閲覧等)

第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。

(社債原簿の備置き及び閲覧等)

第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。

2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(議事録)

第七百三十一条

3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

(社債権者集会の決議の省略)

第七百三十五条の二

3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求

二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。

(組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第七百七十五

3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 第一項の書面の閲覧の請求

二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第七百八十二条 

3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。

一 第一項の書面の閲覧の請求

二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第七百九十一条

3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第七百九十四条

3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。

一 第一項の書面の閲覧の請求

二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百一条 

4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項第一号の書面の閲覧の請求

二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百三条 

3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。

一 第一項の書面の閲覧の請求

二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百十一条

3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。

(新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百十五条 

4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項第一号の書面の閲覧の請求

二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百十六条の二

3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 第一項の書面の閲覧の請求

二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百十六条の十

3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。

一 前項の書面の閲覧の請求

二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

(事件に関する文書の閲覧等)

第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。

第九百六条 

利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。

4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。

(財務諸表等の備置き及び閲覧等)

第九百五十一条 

2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。

一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求

三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

日弁連信託センター「民事信託業務に関するガイドライン」

https://www.nichibenren.or.jp/activity/civil/trust_center.html

民事信託業務に関するガイドライン

2022年12月16日

日本弁護士連合会

Ⅰはじめに ……………………………………………… 2

第1 本ガイドライン策定の目的 ……………………………… 2

第2 対象となる民事信託 …………………………………… 3

第3 本ガイドラインの位置付け ……………………………… 3

Ⅱ 民事信託業務を行う際の留意点 ……………………………. 3

第1 依頼者の意思確認 …………………………………….. 3

第2 民事信託以外の選択肢の検討 ……………………………. 5

第3 依頼者らに説明すべき事項 ……………………………… 6

第4 信託契約の条項の検討 …………………………………. 7

第5 遺留分への配慮 ………………………………………. 8

第6 コーディネーターとしての役割 ………………………….. 9

第7 公正証書の作成 ………………………………………. 10

第8 信託口口座の開設 …………………………………….. 11

第9 信託財産の対抗要件の具備等 …………………………….. 13

第10 弁護士による継続的な関与 …………………………….. 14

第11 信託監督人及び受益者代理人への就任…………………….. 15

第12 信託の変更 …………………………………………. 17

第13 民事信託と税務 ………………………………………. 17

第14 マネー・ローンダリング対策 ……………………………. 18

Ⅲ 紛争の対応 ……………………………………………. 20

第1 民事信託に関する紛争への対応 …………………………… 20

第2 民事信託に関連しない紛争への対応……………………….. 25

Ⅰ はじめに

第1 本ガイドライン策定の目的

1 現行信託法の性格

現行信託法(平成18 年法律第108 号)は2006 年12 月15 日に公布され、2007 年9 月30 日に施行された。当時、民事信託はほとんど利用されておらず、信託銀行が受託者となる商事信託の利用が中心であった。そのため、現行信託法は、主に、商事信託による利用を想定して作られた法律と評価できる[1]

2 民事信託に合わせたアレンジの必要性

民事信託と商事信託では、制度を利用する目的、信託財産の種類、受託者の資質、信託終了時の処理方法等について、全く様相を異にしている。そのため、主に商事信託への適用を前提に制定された現行信託法を民事信託に適用する際には、民事信託の特質に合わせたアレンジが必要になる。

3 民事信託を正しく利用する必要性

東京地判平成30 年9 月12 日(金融法務事情2122 号85 頁)の事案に代表されるように、民事信託を委託者の推定相続人の利益を実現するため濫用的に利用する事例が増えている。このような民事信託の濫用的な利用方法が広まるならば、民事信託は信用できない制度とのイメージが付いてしまうとの危惧がある。民事信託が信頼できる制度としてこれからも利用され続けるために、民事信託は正しく利用されなければならない。

4 民事信託の健全な発展のために

今後、民事信託を健全に発展させるためには、民事信託の特質を理解した上で、正しく利用することが必要になる。ところで、信託は非常に柔軟な仕組みであり、事案に応じて様々なスキームに利用することができる。その反面、その正しい利用方法が実務的に確立しておらず、また、十分に周知されていない状況にある。

 そこで、本ガイドラインは、日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)として、民事信託を取り扱う全ての会員に対し、民事信託を正しく利用するための指針を示すものである。

第2 対象となる民事信託

本ガイドラインでは、民事事件を取り扱う弁護士が接することが多いと想定される民事信託2であり、かつ、信託当事者ないし関係者が家族、家族が運営に関与している法人又は知人等により構成されている信託を対象としている。弁護士や信託銀行が受託者となる信託については、検討の対象とはしていない。

 なお、信託行為には、信託契約(信託法3 条1 号)、信託による遺言(信託法3 条2 号)及び自己信託(信託法3 条3 号)があるが、本ガイドラインでは、実務においてその利用が圧倒的に多い信託契約を対象として記述を行う。

第3 本ガイドラインの位置付け

本ガイドラインは、民事信託[2]を正しく利用するための指針として推奨される民事信託業務の在り方を類型的に示すものである。実際に起こり得る全ての事例を網羅するものではなく、また、個別の事案について会員を拘束するものでもない。

Ⅱ 民事信託業務を行う際の留意点

第1 依頼者の意思確認

1 信託契約の締結に当たっては、依頼者は委託者であることを理解し、また、依頼者は委託者であることを関係者にも説明しなければならない。

2 信託契約を締結する前には、必ず委託者と面談し、委託者の意思能力及び信託設定意思の確認をしなければならない。

【解説】

1 依頼者は委託者であること

(1) 信託契約書の案文の作成に関する業務を受任した場合の依頼者

民事信託は、財産管理及び財産承継に当たって委託者の意思を実現するための制度である。しかし、前述のとおり、受託者又は帰属権利者となる委託者の推定相続人が主導し、その推定相続人の利益を図ることを目的とする信託契約書が作成される危険性があることには、特に注意が必要である。信託契約書の案文の作成に関する業務を受任した弁護士が、善管注意義務、忠実義務を負うべき依頼者はあくまで委託者であり、このことを十分に理解した上で、この業務に当たらなければならない。

(2) 常に「依頼者は委託者」であることを意識すること

契約によって信託を設定するに際して、信託契約の当事者となる委託者及び受託者とともに各信託条項を含めたスキームを協議し、委託者以外の受益者がいる場合にはその意向も事実上無視できないことがある。その場合でも、弁護士は、常に「依頼者は委託者」であることを意識して、委託者の意思を実現するための信託契約書の案文を作成しなければならない。

 例えば、委託者と受益者の合意による受託者の解任権(信託法58 条1 項)や委託者と受益者の合意による信託の終了権(信託法164 条1 項)を制限することは、通常、依頼者である委託者の利益になるとは考えられない。受託者候補者の意向に従い、安易に、これらの権利を制限することは厳に慎むべきである。仮にこれらの権利を制限するときには、委託者が本心からそれを望んでいるか、慎重に確認しなければならない。

2 委託者との面談

信託契約を締結するには、委託者に意思能力及び信託設定意思があることが大前提になる。民事信託では、受託者候補者から相談を受けることがあるが、その場合でも、必ず委託者と面談し、委託者に意思能力及び信託設定意思があることを確認しなければならない。

3 委託者の意思確認の方法

(1) 親族からの不当な影響を排除する必要

委託者が高齢の場合、信託契約の締結に際し親族等から不当な影響を受けたことを理由に、後に信託の効力が争われる危険がある。弁護士は、委託者が親族等から不当な影響を受けていないか慎重に見極め、委託者の信託を設定する意思を確認しなければならない。また、委託者が親族等から不当な影響を受けたと疑われるような状況を排除するための配慮(予防措置)をすることが望ましい。例えば、委託者が親族に伴われて相談に来たときには、親族の同席なしに個別に意思確認をする機会を設けることなどが考えられる。

(2) 意思確認の工夫

高齢者には気分や判断能力に変化があり得ることを踏まえ、日時(午前又は午後等)、場所(法律事務所又は施設)、方法(面談、電話又は手紙)を変えるなどして、意思確認を複数回行うことも望ましい。

4 委託者の意思能力の確認手段

(1) 委託者の意思能力に関する基本的な考え方

自然人は、裁判所によって意思能力を欠くと判断された場合以外は、能力者として尊重されなければならない。仮に認知症と診断されていても、程度は様々であることから、それだけで信託契約を締結できないと判断すべきではない。

(2) 客観的資料の確認

委託者の意思能力の確認手段としては、医療や介護に関わる記録や証言など、入手できる範囲の客観的資料が参考になる。

 後述の「第7 公正証書の作成」のとおり、信託契約は、原則として、公正証書によって書面化することが推奨される。このことは、委託者の意思能力の確認について、公証人によるスクリーニングを経るという意味合いもある。

第2 民事信託以外の選択肢の検討

1 民事信託に関する相談を受けた際、依頼者の事情に応じ、任意後見、法定後見、贈与、遺言等、他の法制度の利用可能性も十分に検討した上で、利用する制度の選択肢を提示する。

2 受託者候補者の適格性を確認し、ふさわしい受託者が見いだせない場合は、依頼者に対し信託契約の締結が困難であることを説明する。

【解説】

1 民事信託の相談を受けた場合の留意点

(1) 民事信託が唯一の解決手段ではないこと

信託は自由度が高い制度であるが、どのような事案でも利用できるものではなく、また、依頼者にとって信託の活用だけで十分とも限らない。

 弁護士としては、依頼者の能力、意図、目的、必要性(財産管理のみで足りるか、身上保護にも対応が必要か)、財産の規模や内容、資産運用の要否等の諸事情を考慮し、適切な制度(民事信託のほか、任意後見、法定後見、贈与、遺言等)の利用を提案することが求められる。仮に、民事信託の利用を前提に相談を受けた場合でも、事案に応じ、民事信託以外の選択肢を提示することもあり得る。また、これらの制度と民事信託を併用することも可能である。

(2) 身上保護に対する配慮

民事信託の受託者には、身上保護に関する権限がなく、依頼者の身上保護に対処する必要がある事案では、任意後見や法定後見を利用することが必要になる。この場合には、任意後見又は法定後見のみを利用することも考えられるが、前述のとおり、民事信託と併用することも可能である。

(3) 信託商品の活用

 障害のある親族のための特定障害者扶養信託[3]や、生命保険信託[4]等、民事信託以外の信託商品の情報提供も有益な場合がある。

2 ふさわしい受託者が確保できない場合

(1) 受託者候補者の適格性

信託は、信じて託せる人(適切な受託者)がいて、初めて利用できる制度である。既に、特定の親族が本人の財産管理を事実上任され、適切に財産管理を行ってきた実績があり、権利義務を明確にするために民事信託を利用するケースでは、受託者候補者の適格性を判断しやすい。

 これに対して、受託者候補者に、このような財産管理の実績がない場合には、受託者候補者の知識、能力、資力及び意欲に基づき、適切な受託者かどうか判断することになる。

(2) 民事信託の利用を断念する可能性

 仮に、個人、法人(信託銀行、信託会社又は社団法人)を含めて検討した上で、適切な受託者を見いだせない場合には、依頼者に対し、民事信託の利用が困難であることを説明し、他の選択肢があればそれを提示することが望ましい。

第3 依頼者らに説明すべき事項

1 信託契約の締結に当たっては、依頼者に対し、どのような財産の管理又は処分が行われるかについて説明し、また、受託者に就任する予定の者に対しては、受託者は各種の重い義務を負っていることを説明しなければならない。

2 依頼者及び受託者候補者に対して、民事信託には解釈が定まっていない論点が多く、将来、事情が変更する可能性があることを説明するよう努める。

【解説】

1 依頼者への説明

前述の「第1 依頼者の意思確認」のとおり、信託契約書の案文の作成に関する業務を受任した場合の依頼者は、委託者である。信託契約の締結に当たっては、その依頼者に対し、信託を設定することにより、いかなる財産が対象となるのか、その財産がいかなる目的でどのように管理又は処分されるのか、その財産が誰にどのように承継されるのか等の法律効果を説明しなければならない。

2 受託者候補者への説明

信託法において受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除いて、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することはできず(信託法8 条)、専ら受益者のために尽くすべき忠実義務を負っている(信託法30条から32 条まで)。また、受託者は信託の事務処理に当たっては、自己の財産に対する注意義務よりも重い善管注意義務を負っている(信託法29 条2 項本文)。

 信託契約を締結する際には、受託者候補者に対し、受託者は各種の重い義務を負っていること及び行うべき信託事務の内容を説明しなければならない。

3 民事信託における論点

民事信託に関しては裁判例が少なく、まだ十分に議論されていない論点も多い。特に、税務上の問題については、未解明な論点が多い。

 後に紛争が生じる可能性がある論点について、弁護士自身の知識が不確実な場合には、安易な回答は避けることが望ましい。特に税務上の論点については、回答する場合であっても、将来事情が変更する可能性を伝えておくべきである。

第4 信託契約の条項の検討

1 信託契約の条項の検討に当たっては、信託法、信託法施行令、信託法施行規則、信託計算規則、民法その他信託に関連する法令の内容及び趣旨を踏まえた条項になるよう留意する。

2 信託契約の条項は、その内容が一義的に明確であり、かつ、矛盾がないようにしなければならない。

3 信託契約の文例を利用するに当たっては、文例の内容を検討し、事案に即した条項とするよう必要な修正を行わなければならない。

【解説】

1 信託法等に対する正しい理解

(1) 信託契約書の位置付け

信託契約書は、売買契約書や賃貸借契約書などと同様に、特定の法律要件、法律効果の発生を規定した法律文書である。法律要件、法律効果を正しく規定するためには、他の法律文書と同じく、根拠となる諸法令を正しく理解しておかなければならない。

(2) 信託に関係する諸法令

信託契約書の案文を作成する際には、信託法は十分に理解しておかなければならない。この信託法が委任する規則として、信託法一般に関して信託法施行規則、信託の計算に関する事項に関して信託計算規則がある。信託法に規定がない契約の成立や意思表示などについては、民法が適用される。

 また、信託財産に不動産が含まれる場合には、不動産登記について、不動産登記法の理解も必要となる。

 さらに、信託契約書の案文の作成に当たっては、当事者に予見できない租税の負担が発生することは避けなければならない。そのため、租税法、特に、所得税法、相続税法の理解も必要となる。相続税に関しては、財産の評価を規定する財産評価基本通達も関連する。

2 信託契約の条項の明確性と矛盾のないこと

(1) 条項を明確にする意義

 信託契約の条項を明確にする意義の一つとしては、将来の紛争予防がある。不明確な条項によって、解釈に疑義が生じ、紛争が発生することは避けなければならない。

(2) 矛盾のない条項

 信託契約の条項間において矛盾のあるものが見られる。例えば、受益者の死亡により受益権が消滅すると規定しておきながら、その消滅する受益権を遺産分割協議の対象としているケース等である。

信託契約書の作成に関わる場合には、信託法を正確に理解し、信託契約の条項間に矛盾のないようにしなければならない。

3 文例の利用

信託契約書の案文を作成する場合、文例の利用は有用であり、参考資料として用いることは推奨される。しかしながら、事案の特徴を理解せず、文例をそのまま用いることは厳に慎まければならない。

 依頼者の意図、信託を利用する目的、家族構成、信託する財産の種類や規模などは、事案によって異なっている。信託契約書の案文の作成に際しては、文例はあくまで参考資料にとどめ、事案に即した案文を作成しなければならない。

第5 遺留分への配慮

信託契約書の案文の作成に際しては、遺留分侵害額請求権を行使される可能性があるか十分に検討しなければならない。

【解説】

1 信託と遺留分

民法の遺留分にかかる規定は強行規定であり、信託契約を締結する場合にもその適用は避けられない[5]

 信託と遺留分との関係について、遺留分侵害額請求の対象は信託財産であるとする信託財産説と、受益権であるとする受益権説等がある。この論点は、平成30 年相続法改正後も引き続き解釈に委ねられており、未だに結論は出ていない[6]

2 遺留分に配慮する必要性

このように、信託を設定したことにより、特定の相続人の遺留分を侵害した場合には、遺留分侵害額請求の対象や効果が確定しておらず、仮に、裁判になった場合には、解決まで時間がかかることが予想される。

 そこで、弁護士が遺言書作成の依頼を受けた場合において、遺留分に配慮した遺言を作成するよう努めるのと同様に、民事信託においても、遺留分に配慮して、信託契約書の案文を作成することが求められる。

 もっとも、依頼者があえて遺留分を侵害する内容の信託契約を締結することを希望する場合には、その依頼者の希望を実現するため、そのような内容の信託契約を締結することはあり得る。この場合には、依頼者に対し、紛争が生じる可能性が高いこと、紛争を解決するには時間と費用がかかることを十分に説明しておかなければならない。

第6 コーディネーターとしての役割

信託契約を締結する際には、弁護士が、公証人、金融機関、司法書士及び税理士などとの間で、コーディネーターとしての役割を果たすことが求められる。

【解説】

1 信託契約書の案文の作成以外に行う必要がある事務

民事信託に関する業務では、信託契約書の案文を作成すること以外にも行うべき事務がある。

 後述の「第7 公正証書の作成」のとおり、信託契約は公正証書によることが推奨される。そのため、公証人との間で信託契約公正証書の案文について事前調整を行う必要がある。

 また、預金に関しては、後述の「第8 信託口口座の開設」のとおり、受託者の固有財産との分別管理のために信託口口座を開設することになる。そのため、信託口口座を開設する予定の金融機関との間で調整が必要になってくる[7]

 さらに、信託財産に不動産が含まれる場合には、信託の登記等に関し司法書士に相談することが必要になる。

 信託に関する税務については、信託税制に詳しい税理士の意見を確認することが望ましい。

2 コーディネーターとしての役割

 このように、信託契約を締結する際には、弁護士が、スキームの全体を見通し、公証人、金融機関、司法書士及び税理士などとの間で、コーディネーターとしての役割を果たすことが求められる。この役割は、依頼者である委託者の意思を実現するために行う活動であり、単なる「調整役」ではない。

第7 公正証書の作成

1 信託契約は、原則として公正証書によって行う。

2 公正証書の作成の嘱託に当たっては、委託者の代理人による嘱託は避け、委託者本人が嘱託を行う。

【解説】

1 公正証書を作成する意義

(1) 有効性の担保及び紛争予防

信託法上、信託契約は公正証書によらなければならないとされていない(信託法2 条参照)。しかし、実務上、信託契約公正証書が作成されることが一般的である。

 公証人は、法令に違反した事項、無効の法律行為及び行為能力の制限によって取り消すことできる法律行為について公正証書を作成することができず(公証人法26 条)、また、その法律行為が有効であるかどうか、当事者が相当の考慮をしたかどうか又はその法律行為をする能力があるかどうかについて疑いがあるときは、関係人に注意をし、かつ、その者に必要な説明をさせなければならないとされている(公証人法施行規則13 条1 項)。その結果、信託契約を公正証書にすることにより、委託者の意思能力及び信託設定意思の確認について公証人によるスクリーニングを経られることになる。そのため、信託契約書が公正証書によって作成されたという事実は、委託者の意思を判断する上での重要な判断要素となる。

 このように、信託契約を公正証書によって行うことは、契約の有効性を一定程度担保することができ、紛争予防に資することになる。

公証人法施行規則

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324M50000001009

第十三条 公証人は、法律行為につき証書を作成し、又は認証を与える場合に、その法律行為が有効であるかどうか、当事者が相当の考慮をしたかどうか又はその法律行為をする能力があるかどうかについて疑があるときは、関係人に注意をし、且つ、その者に必要な説明をさせなければならない。

(2) 金融機関との関係

後述の「第8 信託口口座の開設」のとおり、信託口口座の開設条件として、信託契約が公正証書によって行われていることを挙げる金融機関が圧倒的に多い。

信託口口座の開設者は受託者であり、金融機関は受託者としか取引をしないため、委託者の意思を直接確認する機会がない。前述のとおり、信託契約書が公正証書によって作成されていれば、公証人により委託者の意思確認がなされているため、金融機関としては口座開設に応じやすくなるのである。

(3) 公正証書による必要性

このように、契約の有効性の担保、紛争予防という公正証書一般に期待されている効果に加え、金融機関が求める口座開設条件を満たすという観点から、信託契約は公正証書によって行うことが推奨される。

2 委託者本人による嘱託

公正証書の作成の嘱託は、代理人によることも可能であるが、遺言公正証書のように、公証人が嘱託者本人の意思能力や当該法律行為を行う意思を慎重に確認する必要のある法律行為に関しては、代理人による嘱託は認められていない。

 信託契約も、委託者が信託財産とする財産の管理方法や承継先をあらかじめ定めておくものであるという点で、遺言に類似し、委託者本人の意思を確認する必要性が高い類型の法律行為である。そのため、信託契約を公正証書によって行う場合には、原則として、委託者本人の嘱託によらなければならない。

 信託口口座の開設に際しても、金融機関が口座開設の条件として、委託者本人の嘱託による公正証書であることを求める場合もある。

第8 信託口口座の開設

1 受託者が信託財産に属する金銭を預貯金で管理する場合には、信託口口座を開設するようにしなければならない。

2 信託口口座の取扱いは金融機関によって異なるため、信託契約書を作成する前に、口座開設の可否及び要件について金融機関に確認することが望ましい。

【解説】

1 信託口口座の必要性

(1) 信託口口座の意義

民事信託において、受託者が信託財産に属する金銭を預金する場合には、受託者の固有財産に属する預金と分別管理するため、名義の上でも信託財産のみを預け入れる口座で管理することが必要である(本ガイドラインでは、当該口座を「信託口口座」という。)。

(2) 受託者の分別管理義務

受託者の分別管理義務について、信託財産に属する財産が金銭の場合には、信託法上、受託者が「その計算を明らかにする方法」により管理すれば足り(信託法34 条1 項2 号ロ)、信託口口座の開設は義務付けられているわけではない。しかし、固有財産に属する預金と信託財産に属する預金を同じ口座で管理していた場合、信託財産であることが外形上明らかになっていないため、受託者が破産した際に破産管財人から、信託財産に属する預金も破産財団に属していると主張されるおそれがある。また、民事信託の場合には、受託者は財産管理に習熟していないことが通常である。そこで、固有財産に属する預金と信託財産に属する預金とを別の口座で管理することにより、受託者に信託財産を管理していることを意識させ、受託者の忠実義務違反に対する心理的な制約を設けることが重要となる。そのため、民事信託では、受託者に信託口口座を開設させるようにしなければならない。

(3) 信託口口座の口座名義

信託口口座の口座名義は、「〇〇(委託者名)信託受託者 △△(受託者名)」や「委託者〇〇 受託者△△ 信託口」等があるが、金融機関によって異なる[8]

2 金融機関の取扱い

現時点において、信託口口座の開設に応じている金融機関は、まだ少数である。信託口口座の開設に応じている金融機関の間でも、その開設条件は異なっている。そのため、口座開設を申し込んだとしても、金融機関による審査の結果、口座開設を断られることもあり得る。そこで、信託契約書の案文を完成させる前に、金融機関に口座開設の条件を確認しておくことが望ましい。

第9 信託財産の対抗要件の具備等

信託契約の締結後、速やかに、信託財産に属する財産を受託者に移転し、当該財産の譲渡の対抗要件及び信託財産に属することを第三者に対抗するための要件を具備するよう信託契約の当事者に促すとともに、必要な助言を行わなければならない。

【解説】

1 財産の処分及び公示

(1) 財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分

信託を設定するに当たり、委託者は、受託者に対し、財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分を行う(信託法3 条)。

 ところで、信託財産となり得るのは積極財産のみであり、消極財産(債務)を信託することはできない[9]

(2) 譲渡の対抗要件

信託を設定するに当たり財産が譲渡されると、財産の所有権が委託者から受託者に移転する。

 そのため、財産の譲渡を第三者に対抗するには、民法等に定められた一般的な対抗要件(民法177 条、178 条、467 条等)を具備する必要がある。

(3) 信託の対抗要件

さらに、登記又は登録しなければ権利の得喪を第三者に対抗することができない財産については、前述の財産の譲渡の対抗要件に加え、譲渡された財産が信託財産に属することを公示するための対抗要件を具備する必要がある(信託法14 条)。

(4) 分別管理義務との関係

受託者は、信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを分別して管理する義務を負っている(信託法34 条1 項本文)。そして、信託の登記又は登録をすることができる財産については、分別管理の方法として信託の登記又は登録によらなければならない(同項1 号)[10]

2 信託契約の当事者への助言

信託を設定するためには、前述の各手続が必要になる。民事信託に関する業務を受任する場合には、信託契約書の案文を作成するだけでなく、依頼者である委託者の意思を実現するために、信託契約の当事者に対し、これらの手続を行うよう促し、また、当事者に必要な助言を行わなければならない。

第10 弁護士による継続的な関与

1 民事信託では、受託者に対する実効性ある監督を行うため、原則として、受託者に対する監督機関(信託監督人又は受益者代理人)を設置する。

2 受託者に対する監督機関(信託監督人又は受益者代理人)には、信託契約の締結に関わった弁護士が就任することが望ましい。

【解説】

1 受託者に対する監督の必要性

(1) 受託者に対する実効性ある監督

現行の信託法では、裁判所による一般的監督に関する規定はなくなったが、それは受託者に対する監督が必要ないということを意味するものではない。

 民事信託を信頼できる制度として利用し続けるためには、受託者に対する実効性ある監督を行う必要がある。

(2) 過去の後見制度における不祥事から得られる教訓

後見制度では、かつて、後見人による不祥事が多数発生していた。この過去の出来事から、継続的な財産管理において、第三者による適切な監督が行われなければ、財産管理者による一定数の不祥事が発生するという教訓が得られる。

(3) 民事信託では委託者及び受益者による受託者の監督は期待できないこと

 信託法では、委託者や受益者が受託者を監督することを予定している。しかし、現在の民事信託においては、委託者や受益者は、高齢者であることが通常であり、時の経過とともに判断能力が減退することが想定される。そこで、委託者や受益者以外の者が受託者を監督する仕組みを設ける必要がある。

(4) 民事信託で活用すべき監督機関

 その監督機関として、信託法上の信託監督人(信託法131 条以下)又は受益者代理人(信託法138 条以下)を活用することが期待される。

2 監督機関の人選

(1) 後見制度における監督人の欠格事由

民法850 条は「後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。」、任意後見に関する法律5 条は「任意後見受任者又は任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、任意後見監督人となることができない。」と規定し、後見監督人及び任意後見監督人の欠格事由を定めている。これは、後見監督人又は任意後見監督人による実効性ある監督を実現するため、後見監督人の後見人からの独立性及び任意後見監督人の任意後見受任者又は任意後見人からの独立性を確保しようとするものである。

 民事信託における受託者に対する監督機関についても、この規定の趣旨は妥当する。

(2) 民事信託における監督機関の適任者

そこで、監督業務並びに法律及び紛争解決に精通している弁護士が受託者の監督に当たることが適当である。また、信託契約の締結に関わった弁護士は、委託者の意思や希望を十分に理解している。委託者の意思に基づいた信託の運営を行うためには、信託契約の締結に関わった弁護士が信託監督人又は受益者代理人としてその後の信託の運営に関与することが望ましい。

 また、信託契約の締結に関わった弁護士が何らかの事情で信託監督人又は受益者代理人に就任できない場合にも、受託者に対する実効性ある監督を実現するため、他の弁護士など受託者とは一定の身分関係がない第三者が信託監督人又は受益者代理人に就任することが望ましい[11]

第11 信託監督人及び受益者代理人への就任

1 信託監督人又は受益者代理人に就任した弁護士は、信託法に精通し、かつ、信託契約の内容及び趣旨を十分に理解した上で、善良な管理者の注意をもって、受益者のために誠実かつ公平に職務に当たるようにしなければならない。

2 信託監督人又は受益者代理人に就任した弁護士は、信託法及び信託契約によって与えられた権限を適時かつ適切に行使して受託者の信託事務の処理を監督しなければならない。

【解説】

1 信託監督人及び受益者代理人

(1) それぞれの権限

信託監督人は、信託契約に別段の定めがある場合を除き、受託者の監督のための権利(信託法92 条各号(17 号、18 号、21 号及び23 号を除く。)に掲げる権利)を行使する権限を有する(信託法132 条1 項)。

 受益者代理人は、別段の定めがある場合を除き、受益者が有する信託法上の一切の権利(信託法42 条に定める責任の免除に係るものを除く。)を行使する権限を有する(信託法139 条1 項)。そして、受益者代理人が就任したときは、受益者は、受託者を監督する権利(信託法92 条各号に掲げる権利)及び信託契約において定めた権利を除き、自ら受益者としての権利を行使することができなくなる(信託法139 条4 項)。

(2) それぞれの義務

 信託監督人及び受益者代理人は、信託法上、善良な管理者の注意をもって、かつ、受益者のために誠実かつ公平に与えられた権限を行使しなければならないとされている(信託法133 条、140 条)。このうち、誠実義務については、受益者と信託監督人若しくは受益者代理人又は第三者の利益が対立する場面においては、信託監督人又は受益者代理人は、自身又は第三者の利益を図って受益者の利益を害してはならないとする義務であると一般的に解されている。

2 信託法への精通と信託契約に対する正しい理解

 民事信託において、受益者の利益が保護されるためには、何よりもまず、受託者が信託法を遵守し、信託契約に従って適切に信託事務処理を行うことが必要である。そこで、信託監督人又は受益者代理人に就任した弁護士は、まず、信託法に精通しておくほか、信託契約の内容及び趣旨を十分に理解しておく必要がある。

3 適時かつ適切な監督権限行使

前述のとおり、信託監督人又は受益者代理人は、その権限を行使するに当たり、善管注意義務を負っている。信託監督人又は受益者代理人は、適時に信託事務処理状況の報告請求権(信託法36 条)や信託帳簿等の閲覧等請求権(信託法38 条)等を行使し、受託者が信託法を遵守し、信託契約に従って適切に信託事務処理を行うよう監視することが求められる。こうした権利行使の適切なタイミングはケースバイケースであるが、少なくとも、受託者の信託事務処理に不審な兆候が見られるときは、速やかな権利行使が求められる。

第12 信託の変更

信託の変更が行われる場合には、その信託の変更が、信託法の規定及び信託契約の条項に合致しているかを確認する。

【解説】

1 信託法の規定

信託設定時に予測しなかった事情の変更が生じることがあり、このような場合には、関係当事者の合意等により信託の変更をすることができる。

 原則として、委託者、受託者及び受益者の三者間の合意により変更することができ(信託法149 条1 項)、さらに、三者間の合意によらなくても信託の変更をする場合も規定されている(信託法149 条2 項、3 項)。また、信託契約に別段の定めを規定することができ、その場合には、その別段の定めに従って、信託の変更をすることができる(信託法149 条4 項)。

2 信託の変更の要件の確認

そこで、弁護士が信託の変更に関与する場合には、その信託の変更が信託法の規定や別段の定めを規定している信託契約の条項に合致しているかを確認することが必要となる。

第13 民事信託と税務

1 信託に関する課税関係について、正確な知識を習得するように努める。

2 信託契約の締結に当たっては、税理士と協働するなどして、課税上の過誤がないように努める。

3 民事信託を活用することにより、基本的に節税はできないことに留意し、依頼者等に誤解があればそれを解消するように努める。

4 信託の設定、信託の存続中、信託の終了等の各場面で、委託者、受託者や受益者等が適切に届出や申告等を行えるよう、適切な助言をするように努める。

【解説】

1 税務に関する基本的な知識の習得

民事信託では、信託財産に属する財産が委託者から受託者に移転し、形式的には受託者名義の財産となる一方、財産権の名義人である受託者は当該信託から利益を受けてはならず、その財産からの実質的な利益は受益者に帰属する。

 このような財産の名義の形式面と利益帰属の実質面の乖離に関し、税務では、基本的に実質面を重視している。これに対して、流通税等においてその実質を考慮した非課税ないしは軽減措置が規定されているものの、その規定は複雑であり、適用要件を充足しているかについて慎重な検討が必要となる。

 税務については、税理士などの知見を活用すべきであるが、弁護士自身も税務に関する基本的な知識を習得しておかなければ、思わぬ過誤を犯しかねない。

 そのため、弁護士自ら問題点を認識し得る程度に、税務に関する基本的な知識を習得するように研鑽すべきである。

2 税理士との協働

 弁護士が日常的に税務関係の業務を扱っている場合を除き、民事信託に関わる税務問題に対処するため、いつでも税理士に相談できるような仕組みを整えておくことが望ましい。

3 節税への誤解の解消

 民事信託を利用することで、相続税や贈与税等の資産税や所得税等の所得課税を節税できる余地はない。この点の認識はある程度社会に浸透しているが、流通税の節税を意図した民事信託の活用なども一部では取り沙汰されている。

依頼者やその関係者が税負担を軽減したいとの期待を抱くことはあり得る。民事信託を利用すると節税ができるかのような誤解には十分注意を払い、依頼者らに誤解があれば、その誤解を解消するように努めるべきである。

4 届出や申告等への助言

 民事信託では、信託の設定時、信託の存続中及び信託の終了の各場面において、委託者、受託者や受益者等の税務的な対応が必要となっている。そこで、税理士と協働し、信託を設定した時点における税務的な助言のほか、信託存続中の信託収益に関する所得税の申告や信託の終了等の状況の変化に応じ、受託者や受益者が適切に届出や申告等が行えるよう、助言することが望まれる。

第14 マネー・ローンダリング対策

日弁連の会規に従い、依頼者の本人特定事項の確認及び取引記録の保存等のマネー・ローンダリング対策を行わなければならない。

【解説】

1 日弁連の会規

犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19 年法律第22 号)12 条1 項[12]を受け、日弁連は、依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規程(会規第95 号。以下「規程」という。)及び依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規則(規則第154 号。以下「規則」という。)を制定している。

 同規程では、民事信託に関しても、①依頼者の本人特定事項の確認義務、②取引記録の保存義務等が規定されている。

2 民事信託に関わる規定

(1) 依頼者の本人特定事項の確認義務

規程2 条2 項では、「弁護士等は、取引その他の行為であって次に掲げるもの(以下「取引等」という。)について、依頼者のためにその準備又は実行をするに際しては、次項各号に掲げる方法により、依頼者の本人特定事項を確認しなければならない。」と規定され、同項8 号に「信託契約の締結、信託の併合若しくは分割又は信託契約若しくは規約に規定された目的若しくは受託者の変更」とあり、民事信託に関しても依頼者の本人特定事項の確認をすることが義務付けられている。

(2) 記録の作成・保存義務

規程5 条では、依頼者の本人特定事項の確認をしたときは、本人確認記録の作成及び保存並びに取引記録の作成及び保存を行わなければならないとされている。

ア 本人確認記録

①本人特定事項の確認を行った者の氏名その他当該確認者を特定するに足りる事項及び②本人特定事項の確認のために採った措置並びに本人確認書類の提示を受けたときはその日付及び時刻を記録した書面を作成しなければならない(規程5 条1 項、規則8 条各号)。

さらに、依頼者から提示又は提出等を受けた書類の原本又は写しは、当該信託に関する取引等の終了後5 年間保存しなければならない(規程5 条1 項)。

イ 取引記録

民事信託に関する取引等の準備又は実行をしたときには、①依頼者の本人特定事項の確認記録を検索するための事項、②民事信託に関する取引等の日付、③民事信託に関する取引等に係る財産の価額、④民事信託に関する取引等によって財産が移転する先の名義その他の当該財産の移転先を特定するに足りる事項等を記録した書面を作成しなければならない(規程5 条2 項、規則9 条各号)。

3 弁護士業務におけるマネー・ローンダリング危険度調査書

会規のほか、日弁連は「弁護士業務におけるマネー・ローンダリング危険度調査書(第5 版)」を会員に示し、リスクの高い信託を例示している[13]

Ⅲ 紛争の対応

1 信託契約の締結に関与した弁護士が当該民事信託に関する紛争又は当該民事信託に関連しない紛争に関与する場合には、弁護士法及び弁護士職務基本規程に照らし、受任可能かどうかを慎重に検討しなければならない。

2 弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任している場合、その権限を適切に行使し紛争を解決するよう努める。

【解説】

第1 民事信託に関する紛争への対応

1 総論

(1) 信託契約の締結に関与していない場合

信託契約の締結に関与していない弁護士が、民事信託に関する紛争に関する事件を受任する場合は、他の事件と同様に弁護士法(昭和24 年法律第205号)及び弁護士職務基本規程(会規第70 号)にのっとって事件受任をすることになる。つまり、民事信託に関する紛争自体に事件の受任に関する固有のルールが存在するわけではない。

(2) 信託契約の締結に関与していた場合

弁護士が信託契約の締結に関与していた場合には、その弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任しているか否かにより、依頼者及び相手方との関係、紛争の内容等を踏まえ受任の可否を検討する必要がある。

 以下では、信託契約の締結に関与した弁護士が、当該民事信託に関する紛争(事件)を受任する場合を前提に、受任の可否を判断するに当たり留意すべき点について検討する。

2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合

(1) 信託監督人又は受益者代理人としての権限行使

ア 信託監督人及び受益者代理人の権限及び義務

信託監督人及び受益者代理人の権限及び義務は、前述の「Ⅱ 民事信託業務を行う際の留意点」「第11 信託監督人及び受益者代理人への就任」において、既に紹介したとおりである。

イ 信託監督人又は受益者代理人としての権限行使の必要性

信託契約の締結に関与した弁護士が、信託監督人又は受益者代理人に就任している場合は、その権限を行使することにより紛争の解決を図ることが可能であれば、その権限の行使を躊躇すべきではない。これを怠った場合、善管注意義務違反等の責任を問われるおそれがあることに留意すべきである。

ウ 信託関係者への十分な説明

もっとも、信託契約の締結に当たっては、弁護士は、依頼者である委託者のみならず、受託者などとも協議を重ねていることが多い。このような信託関係者[14]との関与の仕方や信託関係者に対する説明次第では、弁護士の信託契約の締結に当たっての依頼者が委託者ではなく信託関係者間の「調整役」であるとの誤解を招くだけでなく、信託監督人又は受益者代理人としての権限行使に支障を来すおそれもある。

 そこで、当該弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任するに当たっては、委託者を依頼者として信託契約の締結に関与していること及び信託監督人又は受益者代理人の役割等について、信託関係者(特に受託者)に十分説明し、理解を得ておくことが必要不可欠である。

(2) 信託関係者と第三者との間の紛争

受託者と第三者との間の紛争

 設定した信託をめぐり受託者と第三者(信託関係者ではない親族を含む。以下同じ。)の間で紛争が生じた場合、信託監督人又は受益者代理人に就任している弁護士が、受託者の代理人として、当該第三者を相手方とする事件を受任することができるか問題となる。

この点に関しては、後見監督人と後見人との関係において、後見監督人が後見人の代理人に就任して訴訟事件を追行する等の業務を行うのは差し控えるべきとの指摘が参考になる[15]。この場合、後見監督人が後見人から弁護士報酬を得て業務を遂行することとなれば、後見人の事務を監督する立場としてふさわしいとはいえず、結果的に後見監督事務に対する信頼を損ねることにもなりかねない。このような考え方は、受託者と信託監督人又は受益者代理人との関係にも基本的に当てはまるものと考えられる。実際に、信託監督人又は受益者代理人に就任している弁護士が受託者の代理人として事件を受任した後に、受託者に対し監督権限を行使すべき事情が生じた場合に、対応が困難となることは明らかである。この場合、監督権限の行使について、弁護士職務基本規程28 条2 号に抵触する可能性もあるが、そもそも、信託監督人又は受益者代理人と受託者との関係は監督する者と監督される者の関係にあるから、信託監督人又は受益者代理人にとっての受託者を事件の相手方に準じて解釈する余地がある。このような解釈をとった場合は、他の信託関係者の同意を得ずに受託者から依頼を受けることは弁護士法25 条3 号及び弁護士職務基本規程27 条3 号の趣旨に抵触すると解される可能性がある[16]

以上の点を踏まえて、受託者から事件を受任するかどうかは慎重に判断すべきである。

委託者と第三者との間の紛争

この類型の紛争として、信託した財産の所有権帰属をめぐる紛争、詐害信託をめぐる紛争等が想定されるが、第三者を相手方とする紛争に関しては、委託者の代理人として事件を受任することは差し支えない。

受益者と第三者との間の紛争

この類型の紛争として、第三者から詐害信託で訴えられた場合が想定されるが、委託者の場合と同様、受益者の代理人として事件を受任することは差し支えない。

(3) 信託関係者間の紛争

委託者と受託者との間の紛争

信託監督人及び受益者代理人は、受益者のために受託者の信託事務の遂行を監督する立場にある。したがって、信託監督人又は受益者代理人に就任している弁護士が、民事信託をめぐる委託者と受託者との間の紛争に関し、受託者の代理人になる場合には、弁護士法25 条1 号及び弁護士職務基本規程27 条1 号に抵触するケースが多いと考えられる。

 他方、信託契約書の作成に関与した弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任している場合、当該民事信託をめぐる紛争に関し、改めて委託者から依頼を受け、委託者の代理人として事件を受任することは差し支えないとも思われる。もっとも、当該弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任している場合には、委託者から改めて受任するまでもなく、信託監督人又は受益者代理人としての権限を行使すれば足りるケースが多いと考えられる。

受益者と受託者との間の紛争

前述の「ア 委託者と受託者との間の紛争」の場合と同様の理由により、信託監督人又は受益者代理人に就任している弁護士は、民事信託をめぐる受益者と受託者との間の紛争に関し、受託者の代理人になることができない。

 他方、当該民事信託をめぐる紛争に関し、受益者から依頼を受け、受益者の代理人として事件を受任することは差し支えないと思われる。もっとも、当該弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任している場合には、信託監督人又は受益者代理人としての権限を行使すれば足りるケースが多いことは、委託者から受任する場合と同様である。

ウ 委託者と受益者との間の紛争

委託者と受益者との間の紛争については、自益信託の場合はそもそも問題とならない。他益信託の場合は、例えば受託者に対する監督権限の行使や信託の変更等の場面で委託者と受益者との間で意見が相違することはあり得るものの、一般的には、委託者と受益者との間の紛争にまで発展するおそれのある重要な場面は想定し難い。

3 信託監督人又は受益者代理人に就任していない場合

(1) 信託関係者と第三者との間の紛争

ア 受託者と第三者との間の紛争

弁護士法25 条2 号及び弁護士職務基本規程27 条2 号の「相手方の協議を受けた事件」とは、当事者間に紛争が存在することを前提としているところ、民事信託における信託契約の締結は、当事者間に紛争が存在することを前提とするものではない。また、民事信託に関する業務は、通常、信託契約書の案文の作成及びそれに付随するコーディネーターとしての事務の完了により受任事務が終了している。以上を踏まえると、信託契約の締結に関与した弁護士であっても、信託監督人及び受益者代理人に就任していない場合であれば、当該民事信託に関し第三者との間で生じた紛争に関し、受託者の代理人として事件を受任することは、直ちに弁護士法及び弁護士職務基本規程に抵触しないケースが多いと考えられる。

 もっとも、受託者の代理人として事件を受任した後に信託関係者間で紛争が生じた場合、当該弁護士は既に受託者から事件を受任していることから、委託者又は受益者から事件を受任することができなくなる。それ自体はやむを得ないこととしても、委託者又は受益者は、その後、紛争が生じた場合に、信託契約の締結に関与した弁護士が自らの代理人として対応することを期待している。このような事情にも配慮し、受託者から事件を受任しても差し支えないかどうかを慎重に検討すべきであろう。

イ 委託者と第三者との間の紛争

前述の「2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合」「(2) 信託関係者と第三者との間の紛争」「イ 委託者と第三者との間の紛争」と同様に、原則として、事件を受任すること自体は差し支えない。

ウ 受益者と第三者との間の紛争

前述の「2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合」「(2) 信託関係者と第三者との間の紛争」「ウ 受益者と第三者との間の紛争」と同様に、原則として、事件を受任すること自体は差し支えない。

(2) 信託関係者間の紛争

ア 委託者と受託者との間の紛争

信託契約の締結に関与した弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任していない場合、信託契約の締結に関する事務は「相手方の協議を受けた事件」には該当せず、信託契約の締結に関する事務は既に終了しているとの解釈に基づけば、当該民事信託に関する委託者と受託者の間の紛争について、委託者から事件を受任するだけでなく、受託者から事件を受任することも可能であるとの解釈が成り立つ余地はある。

 もっとも、信託契約の締結の場面では、委託者を依頼者として関与した経緯に鑑みれば、当該民事信託に関する紛争に関し、受託者の代理人として関与することは、弁護士職務基本規程5 条、6 条に抵触するおそれがあるので避けるべきであろう。

 他方、信託契約の締結に関与した弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任していない場合、当該民事信託をめぐる紛争に関し、改めて委託者から依頼を受け、委託者の代理人として事件を受任することは差し支えないと思われる。

イ 受益者と受託者との間の紛争

民事信託においては、委託者が当初受益者を兼ねていることが一般的であり(自益信託)、この場合は、委託者と受託者の間の紛争に関し検討したことがそのまま当てはまる。

 これに対し、委託者と受益者が異なるときに、当該民事信託に関し、受益者と受託者の間で紛争が生じた場合、受益者から事件を受任することは可能だとしても、受託者から事件を受任することも可能であるとの解釈が成り立つ余地はあるか。

 この場合、受益者と信託契約書の作成に関与した弁護士との間には委任関係は存在しなかったことから、受任は可能であると解釈する余地はあり得よう。しかし、設定した民事信託では、委託者の意思に基づき受益者に受益権を取得させていることを考慮すると、当該民事信託の受益者と受託者との間の紛争に関し、受益者の代理人ではなく受託者の代理人として関与することは、委託者の意思に反するおそれがある。そのため、受託者の代理人として事件を受任することは、弁護士職務基本規程5 条、6 条に抵触するおそれがあるため、やはり避けるべきであろう。

ウ 委託者と受益者との間の紛争

 委託者と受益者との間の紛争については、自益信託の場合はそもそも問題とならない。他益信託の場合は、例えば受託者に対する監督権限の行使や信託の変更等の場面で委託者と受益者との間で意見が相違することはあり得るものの、一般的には、委託者と受益者との間の紛争にまで発展するおそれのある重要な場面は想定し難い。

第2 民事信託に関連しない紛争への対応

1 総論

(1) 信託契約書の作成に関与していない場合

前述の「第1 民事信託に関する紛争への対応」「1 総論」と同様に、弁護士法及び弁護士職務基本規程にのっとって事件受任をすることになる。

(2) 信託契約書の作成に関与していた場合

前述の「第1 民事信託に関する紛争への対応」「1 総論」と同様に、信託契約書の作成に関与した弁護士が信託監督人又は受益者代理人に就任しているか否かにより、依頼者及び相手方との関係、紛争の内容等を踏まえ受任の可否を検討する。

2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合

(1) 信託関係者と第三者の間の紛争

ア 受託者と第三者との間の紛争

民事信託に関連しない紛争であっても、信託監督人又は受益者代理人にとっての受託者を事件の相手方に準じて解釈すれば、他の信託関係者の同意を得ずに受託者から依頼を受けることは弁護士法25 条3 号及び弁護士職務基本規程27 条3 号の趣旨に抵触するおそれがあり、受託者から事件を受任するかどうかは慎重に判断すべきであることは、前述の「第1 民事信託に関する紛争への対応」「2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合」「(2) 信託関係者と第三者との間の紛争」「ア 受託者と第三者との間の紛争」と同様である。

イ 委託者と第三者との間の紛争、受益者と第三者との間の紛争

第三者を相手方とする紛争に関しては、原則として、委託者又は受益者の代理人として受任することは差し支えない。

(2) 信託関係者間の紛争

民事信託に関連しない紛争であっても、信託監督人又は受益者代理人に就任している弁護士が、信託当事者間の紛争に関し、受託者の代理人になることができないこと、他方で、委託者又は受益者から依頼を受け、委託者又は受益者の代理人として事件を受任することは差し支えないと思われることも、「第1 民事信託に関する紛争への対応」「2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合」「(3) 信託関係者間の紛争」と同様である。

3 信託監督人・受益者代理人に就任していない場合

(1) 信託関係者と第三者の間の紛争

信託契約書の作成に関与した弁護士が、信託に関わらない第三者との間の紛争に関し、信託関係者の代理人になったとしても、問題が生ずることは想定し難いが、受託者の代理人になる場合は、前述の「第1 民事信託に関する紛争への対応」「3 信託監督人又は受益者代理人に就任していない場合」「(1) 信託関係者と第三者との間の紛争」「ア 受託者と第三者との間の紛争」で指摘した点に配慮すべきである。

(2) 信託関係者間の紛争

遺言や遺産分割をめぐる紛争など、形式上は民事信託に関する紛争でなくとも、信託関係者間の信認関係に影響するため、民事信託に関係しない紛争とはいえない場合がある。

受託者の代理人になる場合には、前述の「第1 民事信託に関する紛争への対応」「3 信託監督人又は受益者代理人に就任していない場合」「(2) 信託関係者間の紛争」と同様の配慮が必要である。

 


[1] 現行信託法には、受益者指定権等(89 条)、遺言代用信託等の特例(90 条)や後継ぎ遺贈型の受益者連続信託の特例(91 条)のように、民事信託の利便性の向上のための規律が設けられた(田中和明『詳解 信託法務』449 頁以下(清文社、2010 年))。しかし、これらはわずか3 か条にすぎず、現行信託法は、主に商事信託への適用を前提に制定された法律と評価することができる。

[2] 代表的な見解は、民事信託とは、その原因となる経済行為は、長期の財産管理制度と組み合わせられた贈与であり、主として財産の管理・承継のために利用される信託をいうとしている(神田秀樹・折原誠『信託法講義[第2 版]』5 頁(弘文堂、2019 年))。

[3] 相続税法21 条の4

[4] 委託者の生命保険金請求権を信託財産として設定される信託のことである。

[5] 道垣内弘人『信託法 現代民法別巻 第2 版』66 頁(有斐閣、2022 年)、寺本昌広『逐条解説新しい信託法(補訂版)』259 頁(商事法務、2008 年)、西希代子「遺言代用信託の理論的検討-民法と信託法からのアプローチ-」信託フォーラム Vol.2 54 頁(2014)など

[6] 前掲5) 道垣内66 頁

[7] 信託口口座に関して、日弁連は「信託口口座開設等に関するガイドライン」を公表している。

https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/activity/civil/shintakukouza_guide.pdf

[8] 信託口口座の詳細については、前掲注7)の日弁連「信託口口座開設等に関するガイドライン」を参照されたい。

[9] ただし、委託者の既存債務を受託者が債務引受けするとともに、当該債務を信託財産責任負担債務とする条項を設け(信託法21 条1 項3 号)、消極財産を信託に含めることは可能である。

[10] 一部士業の間では、不動産に関し、信託を設定したにもかかわらず、委託者から受託者への所有権移転登記及び信託の登記を遅らせること(いわゆる「登記留保」)が行われている。

 しかし、不動産に関し信託の登記を行わないことは、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗できないだけでなく(信託法14 条)、分別管理義務違反にもなる(信託法34 条1 項1 号・2 項)。

[11] ただし、実際に紛争が生じた場合の対応については、後述の「Ⅲ 紛争の対応」「第1 民事信託に関する紛争への対応」「2 信託監督人又は受益者代理人に就任している場合」のとおり留意すべき事項がある。

[12] 犯罪による収益の移転防止に関する法律12 条1 項は、「弁護士等による顧客等又は代表者等の本人特定事項の確認、確認記録の作成及び保存、取引記録等の作成及び保存並びにこれらを的確に行うための措置に相当する措置については、第2 条第2 項第46 号から第49 号までに掲げる特定事業者の例に準じて日本弁護士連合会の会則で定めるところによる。」と規定する。この「第2 条第2 項第46 号から第49 号までに掲げる特定事業者」とは、司法書士又は司法書士法人、行政書士又は行政書士法人、公認会計士又は監査法人、税理士又は税理士法人を指す。

[13] 日弁連ウェブサイト会員専用サイトに掲載。

https://member.nichibenren.or.jp/gyoumu/rinri_fatf/documentFile/money_laundering_05.pdf

[14] ここでの信託関係者とは、委託者、受託者(後継受託者も含む。)、受益者(第二次受益者以降の受益者及び残余財産受益者も含む。)及び帰属権利者を想定している。

[15] 片岡武ほか『第2 版 家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務』95 頁(日本加除出版、2014 年)

[16] 株式会社の監査役については、弁護士である監査役が会社の訴訟代理人となることが監査役について取締役等との兼任を禁止する旧商法267 条に違反するものではなく、双方代理にも当たらないとの最判昭和61 年2 月18 日民集第40 巻1 号32 頁がある。利益相反について判断したものではないが、参考になる事例である。

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