内閣府規制改革推進に関する答申案メモ

第13回規制改革推進会議

令和4年5月27日(金)

1.規制改革推進に関する答申(案)について

(資料)

資料1 規制改革推進に関する答申(案)

資料2 規制改革推進に関する答申(概要)

資料3 規制改革実施計画のフォローアップ結果について

参考資料      再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/220527/agenda.html

規制改革推進に関する答申(案)~コロナ後に向けた成長の「起動」~

令和4年5月27日規制改革推進会議

 総論 ………………………….. …………. 1

1.はじめに ………………….. .. 1

2.基本的な方向性 …………………… 1

3.審議経過等 …………………………… 6

4.本答申の実現に向けて……………………… ………… 7

5.次のステップへ ………………………… 7

Ⅱ 各個別分野における規制改革の推進 各個別分野における規制改革の推進 各個別分野における規制改革の推進 ……………………. 8

1.分野横断的な新た取組…………… ……… 8

(1)多様でフェアな社会の実現に資する技術者等の要件見直し…… .. 8

ア 建設業における技術者の資格要件見直し………………. …. 9

イ 下水道分野における技術者の資格要件見直し ………………. 10

ウ 水道分野における技術者の資格要件見直し………………….. 10

エ プログラム医療機器(SaMD)の開発に関する等総括製造販売責任者資格 要件の見直し …………….. ……………… 10

(2)ローカルルールの見直し…………… .. 11

ア 介護分野におけるローカルルール手続負担の軽減 ………… 11

農地転用許可制度における運用のばらつき解消……………….. 13

ウ 地方公共団体等と事業者の間の手続における「ローカル」解消…… 14

(3)規制改革関連制度の連携………………………. . 14

2.スタートアップ・イノベーション…………………… 16

(1)スタートアップに関する規制・制度見直し……….. …. 16

法人設立手続の迅速化・負担軽減…………… 16

イ エクイティの柔軟な活用を可能とする制度見直し……….. 18

経営者保証制度に関する取組…………………… 18

エ 事業成長担保権の創設・整備について……… 18

オ 新技術・製品開発を促進するための政府調達手法の整備………. 18

カ 海外人材の活躍に資する制度見直し…………. 19

(2)常駐・専任規制等の見直し………………….. 19

・ 生産性向上に資する建設業における技術者等の配置・専任要件見直し… 19

(3)電力・都市ガス高圧の分野における保安のテクノロジー化(スマート保安………. 20

(4)イノベーション促進に向けた日本の技術基準適合証明の見直し… 20

(5)デジタル社会に対応したセキュリティトークン市場の環境整備. … 21

(6)デジタル時代におけるコンテンツの円滑な流通に向けた制度整備…… 22

(7)MaaS推進も見据えたバス事業者の申請オンライ化及びGTFS-JP普・促進…. 24

(8)電力データ活用による新たな付加価値創造…………….. 25

(9)イノベーションや地域の課題に応えるラストワマイル配送実現….. 25

(10 )DXを通じたタクシーの利便性向上………… 26

(11 )Society 5.0の実現に向けた電波・放送制度改革の在り方について……… 27

ア 電波の有効利用………… 27

イ デジタル時代における放送制度の在り方ついて……………….. 27

(12 )調停による和解合意に執行力を付与し得る制度の創設等ついて….. 29

(13 )老朽化や被災した区分所有建物の再生円滑に向けた規制改革の推進…………. 30

(14 )美容師の養成在り方…….. 32

(15 )重点的にフォローアップ取り組んだ事項………………. .. 33

・ 資金移動業者の口座へ賃金支払……………. …………….. 33

3.人への投資 ……………….. 34

(1)個に応じた学びを大切する、社会開かれた初等・中等教育… 34

ア 誰一人取り残されない、デジタル活用を前提とした個別最適な教育… 35

イ 外部人材の積極活用を通じた社会とつながる質高い学び実現…….. 36

(2)グローバルなイノベーションを育む高等教育………….. 39

ア イノベーションの芽を育む大学設置基準等.. 39

イ 社会変革を促す新しい学究を支える環境整備……………. 41

(3)柔軟な働き方の実現に向けた各種制度活用・見直し……….. 41

ア 労働時間制度(特に裁量)の見直し……….. 41

イ 既存の各種制度活用・拡充………………….. 42

(4)個人の自律的・主体的なキャリア形成の促進…………… . 43

ア 職務等に関する労働契約関係の明確化…. ………. 43

イ 多様な働き手の長期的キャリア形成に向けた能力開発支援….. 44

ウ 求職者等のニーズに応える業関連情報提供…………….. 45

エ 産業界や地域の実情に即した学び直しや能力開発の実現に向けた支援… 45

(5)求人者と職のマッチングに資する取組…. 46

ア 雇用仲介制度の見直し………. 47

イ 求職者等のニーズに応える職業選択関連情報の提供………… 47

(6)育児休業の取得促進……… 47

(7)保育士及び所の在り方(保育の質向上) ………….. 48

(8)養育費の確保に向けた取組…………………. 49

(9)放課後児童クラブにおける入所決定の在り方…….. . 51

(10)重点的にフォローアップ取り組んだ事項.. 51

・ 大学等における多様なリカレント講座の開発促進…….. 51

4.医療・介護感染症対策…… 52

(1)新型コロナウイルス感染症に係る在宅での検査等の円滑化………. 52

ア 質の確保された抗原定性検査キットの利用環境の整備……….. 53

イ 新型コロナウイルス感染症の検査・診療体制の整備…………. 54

(2)医療DXの基盤整備(在宅でや健康管理充実)………… 54

ア オンライン診療・服薬指導の更なる推進…… 54

イ 電子処方箋の普及及び医療分野における資格確認・本人の円滑化….. 57

ウ 患者のため医薬品アクセスの円滑化………. 58

エ 家庭用医療機器において兆候を検出した疾病名の表示…………… 59

オ 医療機器等の広告規制の見直し……….. 59

(3)医療DXを支える医療関係者の専門能力の最大発揮…………60

ア 薬剤師の地域における対人業務の強化(物物業務の効率)….. 60

イ 医療人材の不足を踏まえたタスクシフト/タスクシェアの推進.. 61

ウ 地域医療構想調整会議の透明性の向上等…… 61

エ 社会保険診療報酬支払基金等における審査・業務の円滑化.. 62

オ 医療現場の負担軽減のための手続のデジタル化等…………… 62

(4)質の高い医療を支える先端的な医薬品・医療機器の開発の促進… 63

ア プログラム医療機器(SaMD)に関する承認審査等の見直し.. 63

イ プログラム医療機器(SaMD)の開発に関する医療機器製造業規制等の見直し… 64

ウ 創薬等に向けた医療データの利活用促進.. 64

エ 治験の円滑化………. 65

(5)利用者のケアの充実が図られ専門職が力を発揮できる持続的な介護制度の構築.. 65

ア 特定施設(介護付き有料老人ホーム)等における人員配置基準の特例的な柔軟化… 66

イ 特別養護老人ホームにおける施設内の医療サービス改善……….. 66

ウ 介護分野におけるローカル等よる手続負担の軽減【再掲】…… 67

(6)その他………… 68

・サービス付き高齢者向け住宅における有資格等の常駐要件見直し….. 68

5.地域産業活性化 ………………. 69

(1)個人事業主の事業承継時の手続簡素化………… 70

(2)地方経済の課題解決や地方創生に資する民泊サービスの推進…… 71

ア 地方における住宅宿泊管理業の担い手確保.. 71

イ 申請手続の簡素化・オンライン化の推進等.. 71

(3)農業者の成長段階に応じた資金調達円滑化. 72

(4)農地利用の最適化の推進… 73

(5)農業用施設の建設に係る規制の見直し ……. 74

(6)農地の違反転用等の課題………… 75

(7)トラクターの公道走行に係る手続の簡素化…………. 77

(8)牛乳・製品の生産流通に関する規制改革. 78

(9)畜舎に関する規制の見直し………………. 80

(10)林業の成長産化に向けた改革の推進………. 81

ア 森林経営管理制度……… 81

イ 国産材の利活用……….. 82

ウ 高性能林業機械の導入促進……………… 83

(11 ) 改正漁業法の制度運用(資源管理)………… 85

(12 )漁業者の所得向上に向けた漁協のガバナンス強化……. 86

(13 )水産流通適正化法の制度運用等……………. 89

6.デジタル基盤 ………………….. 91

(1)社会のデジタル化基盤整備…………………….. 91

ア 5G等の普及拡大に向けた取組………………… 91

イ インターネットバンキングの利用促進………. 93

ウ 企業の会計務におけるデータ流通促進……… 94

エ 金融商品取引における書面交付原則のデジタル原則化….. 96

オ 船荷証券の電子化……… 97

公正証書の作成に係る一連の手続のデジタル化.……… 97

自筆証書遺言制度のデジタル化.………………. 99

ク 株主総会資料のオンライン提供の拡大…….. 100

(2)行政手続デジタル化の基盤整備…………… 101

ア 共通基盤の整備………. 101

イ 情報連携基盤の整備…. 103

ウ 情報システム調達を通じたデジタル化の推進………….. 104

(3)行政手続のオンライン化の推進…………….. 105

ア 行政手続のオンライン化の推進……………… 105

イ 性質上オンライン化が適当でないとされた手続の検証……. 107

ウ 地方公共団体等と事業者の間の手続の標準化・デジタル化…… 108

(4)行政の手続におけるキャッシュレス化の推進…….112

(5)行政手続におけるオンライン利用率を大胆に引き上げる取組の推進….113

オンライ利用率を大胆に引き上げる取組の推進…..113

(6)司法手続におけるデジタル化の推進…………. 123

ア 民事訴訟手続のデジタル化……. 123

事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等のデジタル化… 124

ウ 刑事手続のデジタル化. 126

(参考資料1)…………….. 128

規制改革推進会議委員及び専門名簿………………. 128

(参考資料2)…….. 130

規制改革推進会議及びワーキング・グループの審議経過…….. 130

Ⅰ 総論

1.はじめに

規制改革推進会議(以下「会議」という。)は、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方について、総合的に調査審議する内閣総理大臣の諮問機関であり、常設の機関として令和元年10月24日に設置されて以降、令和2年7月2日、令和3年6月1日にそれぞれ審議の結果の取りまとめを行っている。

本答申は、前回の取りまとめ以降、約10か月をかけて取り組んできた規制改革項目について、審議の結果を取りまとめたものである。

2.基本的な方向性

(1)規制改革推進会議の役割

政府は、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトにした新しい資本主義の実現に向けたビジョンを示し、その具体化を進めるための検討を行っている。こうした中で、規制改革推進会議の役割は、国民の声や産業界から具体的に要望のある個別課題にスピーディかつきめ細かく対応し、個別具体的な規制・制度を見直していくことで、成長と分配の好循環の起爆剤となる成長を実現していくことである。

成長が好循環の起爆剤となるためには生産性向上が不可欠である。生産性向上の制約要因となる規制・制度について、イノベーションの進展も含めて、その時々の経済社会の状況に応じて不断の見直しを行うことが必要である。特に、デジタル時代の経済社会の変化は予想が困難で劇的かつ急激なため、そうした目まぐるしく大きな変化を素早く察知し、適切かつ柔軟に対応することが必要であり、特定の技術・手段などを求める画一的で「事前型の規制・制度」から、技術中立的でリスクベース・ゴールベースの柔軟な『事後型の規制・制度』への見直しを進めていかなければならない。すなわち、そのような事後型の規制体系への見直しを通じて、新しい技術の登場やその活用、イノベーションの社会実装を促進し、付加価値の高い新製品・新サービスの創出と市場への浸透による、新たな成長産業を創出していくべきである。

また、旧態依然とした規制・制度を見直し、「場所」や「対面・目視」などの物理的な制約や非効率的な手順・作業から人々を開放するとともに、既に一部の分野において人間の能力を上回っているデジタル技術等を活用し、事業活動の生産性向上や消費者の利便性を向上させることにより、「人」が生み出すことのできる付加価値や活躍の機会を増やしていくべきである。同時に、社会のデジタル化や知識経済化が急速に進展する中で、「無形資産」の重要性もますます高まってきており、研究開発などのイノベーション活動に必要不可欠な人的資本への投資を積極的に行っていかなければ、我が国の国際競争力を高めることはできない。

これらの目的を果たすためには、単に規制・制度を形式的に見直すだけではなく、改革の成果が国民に浸透する段階まで見据えて取り組んでいかなければならない。現場の声を拾い上げるとともに、現場まで改革の成果を届ける双方向の「コミュニケーション」により、国の規制・制度の見直しだけでなく、自治体の現場での運用、民間のルール・慣習などを含め、改革を実行していく。

これまで、本会議では、イノベーションの社会実装に向けたFinTech(フィンテック)やモビリティの分野に関する規制や慣行の見直し、農業者や漁業者が出荷先を自由に選べるようにするための制度や慣行の見直し、産業医の常駐・兼務規制の見直しなどに取り組んできた。また、デジタルに関しては、行政手続等に関して、押印を義務付ける手続、書面の作成・提出等を求める手続、対面や出頭を求める手続などの見直しを進め、行政手続において約99%の押印義務の廃止、オンライン化されていない行政手続の約98%を令和7年までのオンライン化方針、オンライン診療・服薬指導に関する新型コロナウイルス感染症を受けた特例措置の恒久化、オンライン教育に関する規制・制度の見直しなどを実現してきた。このように本会議では、現場のニーズに即した個別具体的な改革に取り組むとともに、それらの改革事項のフォローアップを丁寧に行い、規制所管省庁による確実な実行・実施を求めてきた。

(2)分野横断的な新た取組み

会議では、分野横断的な新たな取組として、資格要件の在り方やローカルルールの見直し、規制改革関連制度の連携に関する実施事項を本答申に盛り込んだ。具体的には、次のとおりである。

◆地方の人手不足や「人」活躍に資する資格要件の見直し

技術者や士業等の資格取得については、試験や学歴・実務経験等が要件として定められている場合が多い。これらの要件は、受験資格として実務経験を求めつつ学歴によって必要な実務経験年数が異なるものや、試験ではなく学歴と実務経験によって資格を取得できるが、大卒・高卒等の学歴や卒業した学科によって必要となる実務経験年数が異なるものなどに類型化することができる。

卒業人数が限られている指定学科卒者の採用が中小企業にとっては困難であることに加え、早期に資格を取得したい優秀な若手技術者や他業種から中途採用した人材のキャリア形成の妨げになっているとの指摘がある。その他、指定学科の卒業者と指定学科以外の卒業者に大きな差はないとの意見もある。さらに、フリーランスや兼業・副業等も含め、働き方の多様化により、有資格者の雇用環境も変化してきている。

また、ここでいう「学歴」については、様々な資格において、文部科学省所管の学校教育法における大学(院)・短大・高等専門学校(いわゆる高専)を念頭に制度が設計されており、これ以外の教育施設であるいわゆる「省庁大学校」などは含まれていないケースもある。地域によっては、資格が指定する学科を置く大学等が所在していないこともあり、こうした取扱いの差についても、地域の実情も踏まえ、行政の縦割りを超えた検討を進めていかなければならない。

こうした資格要件には、制度の制定当初は一定の合理性があったと考えられるが、技術の進展、雇用形態の変化、地方や中小企業の人手不足、「人」の活躍といった観点など、その時々の経済社会の変化を踏まえ、不断の見直しが求められる。業界や資格によって資格を取り巻く状況やその取得要件は様々であるところ、横串で一気通貫の見直しを行うことは困難な側面もあると考えられるが、学歴によって差を設けることについて必ずしも合理的かつ明確な理由がないものについて、本会議における先行的取組を横展開しつつ、分野横断的に一つ一つ見直していくことが必要である。

◆事業者等の負担軽減を図るためローカルールの見直し

各種様式や法令の解釈・運用に地域ごとにばらつきが存在し、これが国民や事業者 の負担になっているという、いわゆる「ローカルルール」問題が指摘されている。

地域ごとのばらつきにいては、企業活動・形態の広域化・多様化の進展に加え、 コロナ禍を契機とした社会全体のデジタル化の要請と相まって、特に地方公共団体ごとに異なる 書式・様式等の課題がこれまで以上に顕在化してきている。

また、行政手続上の書式・様等違いだけでなく、各種制度の運用面のばらつきの問題も指摘されている。特に、法令や審査基準の根拠が不明確なローカルルールは、地方公共団体の行政区域を超える事業活動を行う企業等にとって負担なだけでなく、各種制度や行政に対する不公平感や不信感を助長することにもつがりかねない。

国と地方の役割分担中で、「最後は自治体判断」であることを前提とする結果、かえって国民・事業者の負担が増大し、利便性が損なわれることがあっては本末転倒である。

分権化すべきは政策であって、書式・様式等の業務の細目ではない。運用面のばらつきについても、法令、審査基準等の根拠を明確にしていない、理解不足又は  誤った解釈により制度が運用されている等の不適切な事例について、制度周知を徹底するなど、その解消を図っていかなければならない。

こうしたローカルルールについては、企業活動の広域化や行政手続のデジタル化の進展も踏まえ、手続様式の標準化、法令解釈や法令の趣旨を踏まえた運用の適正化・精緻化といった必要な措置を講じていく必要がある。

地方自治化を尊重しつつ、地方における規制改革を推進するため、先行事例を横展開し、国とて分野横断的に検討していくべきである。

第五に、デジタル基盤である。人の付加価値向上や生産性の向上を推進していく上で、DXは、その重要な共通基盤となるものであり、分野横断的に推進していくことが不可欠と考えられる。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、我が国の経済社会は大きなダメージを受けた一方で、本会議が取り組んできた押印・書面・対面に関する規制・制度の見直しの進展とともに、国民・産業界の意識が劇的に変化し、遅々として進まなかったデジタル化が急速に進むなど、社会の変化の兆しが表れている。

これを契機に、デジタル基盤の整備が立ち遅れる地方も含め、デジタルをデフォルトにし、デジタル田園都市国家の実現を目指す。そして、誰一人取り残されないよう、我が国の基盤となるDXを一気呵成に推し進めるために、デジタル改革・規制改革・行政改革を一体的に推進していく必要がある。本会議としても、デジタル臨時行政調査会と連携して、押印・書面・対面・常駐規制の見直しに取り組み、行政手続のオンライン化・利用率の引上げ、ベース・レジストリの整備・連携やキャッシュレス化の推進、司法、金融、建設等の個別分野のデジタル化、5Gの普及・拡大に取り組み、デジタル基盤の整備を推進する。


「農地法の運用について」の制定について

令和4年3月31日3農振第2887号

https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/nouchi_tenyo.html

ア 法人設立手続の迅速化・負担軽減

設立登記申請の4週間前など近接した時期

出資に係る払込み

ウ 経営者保証制度に関する取組

融資相談があっ場合には必ず同保証免除特例制度の基準を満たすかどうか事業者に伝える現行の運用の継続、信用保証協会に倣った経営者保証を徴求しない具体的基準に倣った提示を行うように促す。

法務省、 経済産業省及び内閣府は外国人による創業活動を支援

法人設立手続における英語対応




文部科学省は、スクールロイヤー人材の更なる活用促進を図り

(1)個人事業主の承継時手続簡素化

【可能な限り速やかに法案提出 】

h 農林水産省は、農業現場において eMAFF 地図の活用が進むよう、eMAFFチャットツールを活用



自筆証書遺言保管制度の対象だけでなく、自筆証書遺言全般について

納税者が必要とする課税明細書等

地方公共団体へ技術的助言を行う。


関連

令和4年第7回経済財政諮問会議

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0531/agenda.html

  • 令和4年5月31日
  • 経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)に向けて

不動産学会2022年度シンポジウム「民事基本法制の見直しと所有者不明土地問題」メモ

日本本不動産学会2022年度春季全国大会シンポジウム            

主 催 公益社団法人日本不動産学会

後 援

(予定)      国土交通省、独立行政法人都市再生機構、独立法人住宅金融支援機構

一般社団法人不動産協会、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、

公益社団法人全日本不動産協会、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会、

一般社団法人不動産流通経営協会、一般社団法人全国住宅産業協会、

一般社団法人不動産証券化協会、一般財団法人民間都市開発推進機構、

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会、公益財団法人不動産流通推進センター

                            (順不同)

2022年5月30日(月)

13:00~13:20 2021年度業績賞表彰式

13:30~16:15 シンポジウム

インターネット(Zoom)配信

一般公開・無料

開催趣旨         「民法等の一部を改正する法律案」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案」が令和3年4月に成立した。これにより、相続登記の義務化、相続財産の管理・清算や遺産分割の促進、共有物の使用・管理・変更・分割ルールの合理化、相隣関係規定の見直し、所有者不明土地・建物管理人や管理不全土地・建物管理人の制度の導入、相続によって取得した土地の国庫帰属の申請など、所有者不明土地の発生を予防し、利用・管理の円滑化を図るための民事基本法制の枠組みが整備された。

 所有者不明土地問題に関しては、2018年度春季全国大会シンポジウム、日本不動産学会誌122号での特集など、不動産学会においても活発に研究、議論が行われてきた。これらの成果を踏まえつつ、本シンポジウムでは、所有者不明土地問題の現状と課題を把握するとともに、今般の法改正の意義、効果、課題等について、実務,学界,多様な専門分野の立場から,多角的に議論する。

プログラム    パネリスト:(五十音順)    

      今川 嘉典(司法書士,日本司法書士連合会前会長)  

      大谷 太(法務省大臣官房参事官)   

      小柳 春一郎(獨協大学法学部教授) 

      中川 雅之(日本大学経済学部教授、(公社)日本不動産学会理事)   

      吉田 修平(弁護士、(公社)日本不動産学会理事)   

      吉原 祥子(公益財団法人東京財団政策研究所 研究員・研究部門主任)      

コーディネーター:  

      藤原 徹(横浜市立大学客員研究員、株式会社トポロジ執行役員)   

      松尾 弘(慶應義塾大学大学院法務研究科教授、(公社)日本不動産学会理事)

不動産登記の国際比較

保険制度がない。

レジストレーションシステム(手続きが堅い・訴訟リスク減)・・・人口密度の高い国(シンガポール等)

レコーディングシステム(手続きが柔軟・訴訟リスク増)・・・日本・インド

レジストレーションシステムに移行しようとしている日本は合理的か。

登記の強度と(手続きと訴訟等)コスト

・・・・・・・・・・・・・・

土地について、宅地、雑種地

建物について、研究所,病院,診療所,劇場,映画館,遊技場,競技場,競馬場,給油所などについてレコーディングシステムを採用することは可能なのかなと思いました。

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訴訟コストについて・・・相手方を探すコスト

相続人申告登記制度の意義・・・相続登記の単純義務化への緩衝。登記ではなく申出?

「不動産の登記義務ってあるんですか?」という問い合わせへの答え

過料があるという意味ではある、と答えることがいいのかも。

所有不動産記録証明書制度について、今後システム上

・改製原戸籍等の提供で、旧姓での請求も併せて認めること。

・(改正原)戸籍の附票(の除票)に記載されている全ての住所について、請求を認めること。

・表題部のみの登記がされている土地建物についても、対象に含めることが可能になるか。

・・・今後、使いやすいシステムを作るようにする。

・相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

フランスの判例

H28.12.21広島高裁松江支部判決

国の行政処分

権利の濫用との関係

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=503AC0000000025_20230427_000000000000000

(承認に関する意見聴取)

第八条 法務大臣は、第五条第一項の承認をするときは、あらかじめ、当該承認に係る土地の管理について、財務大臣及び農林水産大臣の意見を聴くものとする。ただし、承認申請に係る土地が主に農用地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地又は採草放牧地をいう。以下同じ。)又は森林(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林をいう。以下同じ。)として利用されている土地ではないと明らかに認められるときは、この限りでない。

所有者不明土地・建物管理人や管理不全土地・建物管理人の制度

コスト減

不動産事業者なら、購入する感覚で管理する?

所有者と管理人の権限間の関係

共有・相隣関係

ガイドライン

(公社)日本不動産学会誌Vol.36 No.2(141)P4~「民事基本法制の見直しと所有者不明土地問題」

加工所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議第10回

日時:令和4年5月27日(金)

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shoyushafumei/dai10/gijisidai.html

議事

各省の検討状況等について

基本方針(案)について

配付資料

資料1-1国土交通省提出資料

資料1-2法務省提出資料

資料1-3総務省提出資料

資料2-1所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針(案)

資料2-2所有者不明土地等問題 対策推進の工程表(案)

決定等

所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針

所有者不明土地等問題 対策推進の工程表

所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針

令和4年5月27日

所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議

 所有者不明土地は、相続が生じても登記がされないことなどを原因として発生し、管理の放置による環境悪化を招くほか、公共事業の用地買収、災害の復旧・復興事業の実施や民間の土地取引の際に、所有者の探索に多大な時間と費用を要するなど、国民経済にも著しい損失を生じさせており、人口減少・超高齢社会、相続多発時代を迎えようとする中、社会全体の生産性を向上させるためにも、所有者不明土地等問題の解決は喫緊の課題となっている。

 このため、これまでに制定された法律及び今国会において成立した法律の円滑な施行を図るとともに、別添工程表のとおり、更なる住民基本台帳ネットワークシステムの活用による所有者不明土地の解消や円滑な利用の促進等の重要課題については、今後、さらに具体的な検討を進め、来年の通常国会に必要となる法案を提出するなど、期限を区切って着実に対策を推進する。

1 新しい法制度の円滑な施行

 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(以下「特措法」という。)について、今国会での改正により拡充、新設された内容を含め、制度の周知、地方公共団体等への財政的支援や人的支援、長期相続登記等未了土地の解消作業を進める。

 農地、林地についても農業経営基盤強化促進法や森林経営管理法等について、制度の普及啓発を図り、農地や森林経営管理の集積・集約化を促進する。

 また、表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律に基づき、表題部所有者不明土地の解消作業を着実に進める。

 土地基本法の一部を改正する法律(以下「改正土地基本法」という。)に基づき、土地の基本理念、責務、土地基本方針等について、地方公共団体等に対する普及啓発を図るとともに、所有者不明土地等問題の解消に向けた各種施策の一体的実施のため、組織・定員を含めた体制の強化や予算要求等を検討する。

2 土地所有者等の責務

 土地の公共性を踏まえ、改正土地基本法の土地の利用・管理に関する土地所有者等の責務や基本理念について、広く国民、土地所有者等に周知する。また、土地基本方針のフォローアップや更新を図りながら、関係省庁が連携して、令和3年に見直された民事基本法制や、今国会で改正された特措法の着実な施行をはじめ土地所有者等の責務を具体化する施策を一体的に検討・推進していく。

3 地籍調査の加速化及び法務局地図作成事業の推進

 土地の適切な利用の基礎データとなり、登記にも反映される地籍調査に関し、令和2年の国土調査法等の改正により導入した新たな調査手続・調査手法の普及のための職員の派遣等、地籍調査を円滑かつ迅速に実施するための地方公共団体への支援を推進するとともに、必要な予算の確保に努め、地方公共団体の取組を後押しする。さらには、第7次国土調査事業十箇年計画の中間年(令和6年)で行うこととされている計画の検証・見直しを見据え、調査手法等の改善に係る地方公共団体や民間事業者等のニーズを汲み取り、これを踏まえて、国と地方の役割分担を含め、関係省庁が連携しつつ、より円滑かつ迅速に地籍調査を推進する方策について検討し、当該計画の目標の達成に向けた所要の改善措置を講じる。

 また、土地に関する重要な情報基盤である登記所備付地図の整備に向けて、法務局の地図作成事業について、大都市部での実施や地域の防災・減災対応等のニーズを踏まえた重点化と効率化の検討を進めるとともに、筆界保全標の設置に着実に取り組む。

4 民事基本法制の円滑な施行に向けた準備等

 土地所有権の内容は法令の制限に服し、公共の福祉優先の理念に基づく立法が妨げられないことを前提に、令和3年に民法、不動産登記法等が改正されるとともに、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律が制定された。

 具体的には、相続登記や住所等変更登記の申請義務化、相続登記の申請義務を簡易に履行するための相続人申告登記や所有不動産記録証明制度の新設、職権により住所等変更を登記に反映させる仕組み等により、不動産登記情報の最新化を図る方策や相続等により取得した土地を一定の要件の下で国庫に帰属可能とする制度など所有者不明土地の発生を予防する仕組みと、不明共有者がいる場合に金銭供託等により共有関係を解消する方策、所有者不明土地・建物に特化した財産管理制度や管理不全土地・建物の管理制度、長期間経過後に法定相続分で遺産分割を行う仕組み、ライフライン設置のための隣地使用を可能とする相隣関係規定の整備など、所有者不明土地等を円滑に利用する仕組みが構築された。

 今後、令和5年以降の施行に向けて、新制度の内容や遺産分割の重要性、令和4年度から拡充された相続登記の免税措置等について国民に十分かつ丁寧な周知を図るとともに、政省令等事項や具体的運用を速やかに定める。具体的には、相続人申告登記に係る具体的な内容や、申請義務違反に過料を科すための要件の具体的な類型などに関する政省令等の検討を進める。また、帰属制度が積極的に活用されるよう、土地を国庫に帰属させるための要件や審査手順、負担金の額などに関する政省令等の検討を進めるとともに、土地を地域で有効活用するための地方公共団体等との連携などを、きめ細やかに検討し明確化していく。  

 更に、法務局や帰属土地の管理官庁の体制整備や新たな仕組みの導入に必要となるシステム開発等を行う

 法定相続情報証明制度の円滑な運用や、法務局における遺言書の保管制度の活用などにより、相続登記を促進する。

5 多様な土地所有者の情報を円滑に把握する仕組み

 関係行政機関や民間事業者が土地所有者に関する情報を円滑に把握できるよう、令和3年に、登記所が他の公的機関(住民基本台帳ネットワークシステム、商業登記等)から、土地所有者の死亡や住所等変更情報を入手し、個人情報保護にも配慮しつつ、不動産登記情報の最新化に繋げる仕組みや、海外に居住する土地所有者の日本国内における連絡先を登記事項とするなどの仕組みが導入された。今後、これらの仕組みの円滑な施行に向けて、法務局の体制整備や不動産登記システムと住民基本台帳ネットワークシステム等との円滑な連携を可能とする実効性のあるシステム整備を進める。

 特措法に基づき地域福利増進事業を実施する場合の土地所有者の探索や、法務局による土地の所有者の調査に際して、住民基本台帳ネットワークシステムを活用することにより、迅速かつ効率的に土地所有者等に係る最新の情報を把握することが可能となるよう、次期通常国会での住民基本台帳法の改正案の提出に向け検討する。

 また、行政機関等に対して戸籍情報を電子的に提供する戸籍情報連携システムの整備を着実に進め、令和5年度中に運用を開始する。

 不動産登記簿をはじめ、行政目的ごとに整備されている土地に関する各種台帳間の双方向での情報連携を促進することにより、所有者探索の容易化・事務負担の軽減を図るなど、土地情報連携の高度化を進める。

 固定資産課税台帳の情報を特措法等の規定に基づき情報提供できる仕組みについて、今後とも、関係省庁が連携して、拡充していく取組を推進する。

 こうした仕組みを構築するまでの間も、地方公共団体の協力による登記手続の促進や、関係機関から地方公共団体への照会による所有者情報の把握の取組を進める。

6 所有者不明土地等の円滑な利活用・管理、土地収用手続の円滑な運用

 所有者不明土地を取り巻く社会経済情勢の変化やこれまでの制度改正を受け、国土審議会のとりまとめにおいて、特措法の見直しの方向性として、所有者不明土地の利用の円滑化の促進を図るため地域福利増進事業を使いやすくすることや、管理の適正化を図るため市町村長が活用できる仕組みを創設すること、こうした施策に地域が一体となって取り組むための体制の構築が示されたことを踏まえ、今国会において特措法が改正されたところである。

 具体的には、地域福利増進事業の対象事業の拡充(地域の災害対策に関する施設や再生可能エネルギー発電設備の整備)や使用権の上限期間の延長等、管理不全

 状態の所有者不明土地について、市町村長が勧告、命令、代執行を行うことを可能とする制度や民法の管理不全土地管理命令を市町村長が請求可能とする特例、所有者不明土地や低未利用土地の適正な利用、管理等に取り組む法人を指定する制度の創設等が措置されたところである。

 今後、措置された制度について、市町村をはじめとする地域の関係者が積極的に活用することができるよう、周知徹底を図るとともに、土地政策推進連携協議会の設置など関係機関の体制整備や、必要となる予算の確保に努める。

 併せて、長期相続登記等未了土地解消作業について、令和4年度から、民間事業者からの要望受入れをはじめとする見直しが行われたことを踏まえ、地方公共団体等との連携をさらに強化しつつ、土地の利活用に繋がる取組を更に推進する。また、表題部所有者不明土地解消作業について、解消効果の高い対象土地選定の仕組みや困難度の高い所有者探索等の作業を迅速化する方策を検討・実施する。

 所有者不明土地等と共通の課題がある空き家対策との連携については、これまでも、所有者不明土地・建物に特化した財産管理制度や管理不全土地・建物の管理制度を創設することや、地域福利増進事業等において朽廃空き家のある所有者不明土地を利活用できるよう拡充することなどにより進めてきたところだが、今後、さらに一体的に推進する。また、区分所有建物の取り扱い、民間による開発や空き家・空き地の利活用等にも配慮し、連携して検討を行う。

 とりわけ、今後急増することが見込まれる老朽化マンション等の老朽化区分所有建物対策として、区分所有法制の抜本的な見直しに向けた検討を行う。具体には、所有者不明マンション等に特化した財産管理制度の創設、出席者のみの多数決による決議を可能とする仕組みの創設等のマンション等の管理の円滑化を図る方策や、建替え要件の緩和、多数決による売却等の新たな再生手法の創設等の老朽化マンション等の再生の円滑化を図る方策、今後の災害の発生を見越した被災マンション等の再生の円滑化を図る方策について検討を進め、今年度中できるだけ速やかに論点整理を取りまとめる。

 共有者による私道の円滑な利用や管理が可能となるよう、民法の共有制度の見直しを踏まえた共有私道ガイドラインの改訂を速やかに行い、その周知徹底を図る。

 土地売却に伴う分筆登記や地積更正登記等を円滑化し、土地利用を促進するため、隣地所有者が不明の場合など一定の場合に、隣地所有者の立会いがなくとも法務局の調査に基づき筆界認定を行い、分筆登記等を可能とする仕組みを法務局で導入することとし、本年中のできるだけ早い時期から全国の法務局での運用を開始する。

 公共事業の迅速な実施に向け、収用手続の合理化・迅速化のための新制度の円滑な運用、適用事例等の横展開を図るとともに、地方公共団体の実務を支援する。

7 関連分野の専門家等との連携協力

 所有者不明土地等問題は、関連分野の専門家等と地方公共団体、地域コミュニティ等と関係行政機関が連携しつつ、これらの意見等を十分踏まえながら対応する。

所有不動産記録証明制度

所有不動産記録証明制度

令和8 年4 月までに施行(所有者不明土地ガイドブック~迷子の土地を出さないために!~令和4(2022)年3月国土交通省)

不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000123_20260427_503AC0000000024#Mp-Ch_5

第119条の2  何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めものを含む。)として記録されている不動産(これに準ずる者として法務省令で定めものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明証書」という。)の交付を請求することができる。

2 相続人その他一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。

3 前2項の交付請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。

4 前条第3項及び第4項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。

1 請求権者

・所有権の登記名義人 (1項)

相続人その他の一般承継人(2項)

1,2とも法人対象

任意代理人【部会資料 (60)9 頁】・【Q&A325頁】

代理申請の場合・・・委任者の実印が押印された委任状及び印鑑登録証明書(例えば、3か月以内に取得したものに限定する。)の提供がある場合には、受任者宛ての送付を可能とするといった手法を併用することも考えられる。

民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する要綱案 (案) (2)

https://www.moj.go.jp/content/001339375.pdf

・不在者財産管理人、相続財産管理人、遺言執行者、破産管財人これらに類する法定代理人(不動産の管理権限を有する者に限る)【部会資料 (60)10 頁】

「所有権の登記名義人に準ずるものとして法務省令で定めるもの」(1項括弧書)

将来、表題部所有者などを対象とすることも可能なように省令で定めることとした。【部会資料 (53)23 頁】・【ポイント 11頁】・【Q&A323頁】

 証明の意味、形式、その他

・請求された登記名義人の氏名又は名称及び住所等の情報に基づいて全国全てでシステム検索を行った結果・あくまで情報が一致したものの目録としての証明であり、 不動産の網羅性には限界あり【部会資料(60)9頁】

記録がないことの証明書も交付(1項括弧書)

・・・相続放棄・成年後見申立手続、生活保護申請手続き(無資産証明書)等に利用可能?電子化が必要?

・法務大臣の指定する法務局(3項)

郵送による請求を認める。【部会資料(60)10頁】 郵送による本人申請請求の場合・・・本人確認書類の写しを送付させた上で、対象不動産の登記に記録された本人の住所地(所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人による交付請求の場合にはその本人の住所証明書類の原本に記載された住所地)宛てに送付するなどして、請求者本人が確実にその書類を取得するように配慮することが考えられる。

民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する要綱案 (案) (2)

https://www.moj.go.jp/content/001339375.pdf

不動産IDとの連携はあるか?

私は、現在の不動産IDルールガイドラインの通りに進むのであれば、難しいと思います。理由としては、不動産IDの目的が不動産事業者の取引の円滑、行政の職務(防災、災害対応)となっており、物件ポータルサイトもそのような仕様になるだろうと思われるからです。

個人的に考える課題

・旧姓での請求も併せて認めること。

・(改正原)戸籍の附票に記載されている全ての住所について、請求を認めること。

・表題部のみの登記がされている建物についても、対象に含めること

加工マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策の現状と課題2022 年3月

2022 年4月金 融 庁「マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策の現状と課題(2022 年3月)」からです。

https://www.fsa.go.jp/news/r3/20220408/20220408.html

参考

犯罪収益移転防止に関する年次報告書(令和3年)警察庁

https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/nenzihokoku/nenzihokoku.htm

 これらのマネロンの主体に関する分析等も踏まえ、犯罪収益移転危険度調査書(2021 年12 月)においては、各業態における危険性が認められる商品・サービスの分析のほかに、

・ 取引形態として、非対面取引、現金取引、外国との取引

 資金移動業者も預金取扱金融機関と同様に、内外の為替取引に係るマネロン等リスクに対応する必要がある。すなわち、国内の資金移動に加え、法制度や取引システムの異なる外国へ犯罪収益が移転され、その追跡を困難にさせるといった為替取引に共通するリスクに直面している。資金移動業者によっては、代理店における不適切な本人確認により、マネロン等リスクが生じうる可能性もある。

(3) 非対面決済におけるリスク

 非対面でモバイル送金・決済サービスを提供する事業者は、マネロン等を企図する者が、何らかの方法によって不正入手したID・パスワードを利用し、正規のアカウント所有者になりすまして資金の移転や引き出しを行うリスクに直面している。

 資金移動業者に認められている取引時確認の方法の一つとして銀行依拠による取引時確認がある。これは、一定の特定取引のうち、預貯金口座における口座振替の方法により決済されるものについて、当該口座を開設した事業者が預貯金契約の締結を行う際に、顧客等又は代表者等について取引時確認を行い、その記録を保存していることを資金移動業者が確認する方法(犯罪収益移転防止法施行規則第13 条第1項第1号)であり、資金移動業者において、顧客が保有する銀行の預貯金口座と当該資金移動業者における口座を連携するとともに、取引時確認を完了させる方法として用いられている。

 日本資金決済業協会も、2020 年12 月、銀行口座との連携における不正防止のために資金移動業者が講じる措置等の考え方等を示した「銀行口座との連携における不正防止に関するガイドライン」を公表した。

 これらのガイドラインでは、資金移動業の利用者について、公的個人認証その他の方法により実効的な取引時確認を行い、本人確認書類等により確認した当該利用者の情報と連携先が保有する情報を照合(公的個人認証を用いる場合を除き、利用者の氏名・住居・生年月日に加え、電話番号等も対象項目とすることが望ましい。)することにより、当該利用者と預貯金者との同一性を確認するなど、適切かつ有効な不正防止策を講じること、また、連携先の銀行等において実効的な要素を組み合わせた多要素認証等の認証方式(例えば、固定式のID・パスワードによる本人認証に加えてハードウェアトークンやソフトウェアトークンによる可変式パスワードを用いる方法、公的個人認証等の電子証明書を用いる方法が導入されていること。)が導入されていることを確認していること等を求めている。

(4) デジタル技術を活用した取引時確認手法(e-KYC)におけるリスク

 e-KYC(electronic Know Your Customer)とは、犯罪収益移転防止法における取引時確認として、オンラインで完結する本人特定事項の確認方法で、同法施行規則第6条第1項第1号ホからトまで等に定められる方法をいう。

 特に、近年、金融機関等では、顧客から写真付き本人確認書類の画像と本人の容貌の画像の送信を受ける方法(同号ホ)が多く用いられている。また、金融機関等が、当該e-KYC を実施するにあたっては、申し込みのあった顧客について本人であることの確認や本人確認書類の精査等を他の企業に委託していることが多い。

 しかしながら、金融機関等が、当該e-KYC 業務の委託先に対して、適切な研修や指導を実施しなかった場合やe-KYC の本人確認手続の一部を受託した事業者が適切な確認作業を実施していない場合、委託先におけるe-KYC 業務が適切に実施されず、適切な取引時確認がなされない可能性があることから、金融機関等は、委託先における確認手続が法令等に基づき適切に実施されることを確保するためのモニタリング等の措置を講じることが重要である。

(5) サイバー犯罪(フィッシング詐欺、ランサムウェア)

 また、テレワーク等による外部から内部ネットワークへの接続が急増し、セキュリティ対策の一環としてVPN 機器を導入する企業等が増加しているが、そのVPN 機器の脆弱性等から組織内部のネットワークに侵入し、ランサムウェアに感染させる手口が被害の多くを占めている。

参考 警視庁 令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(速報版)

https://www.npa.go.jp/news/release/2022/20220209001.html

 自己名義の口座や偽造した本人確認書類を悪用するなどして開設した架空・他人名義の口座を遊興費や生活費欲しさから安易に譲り渡す者等がおり、マネロンの敢行をより一層容易にしている。

イ 預金取扱金融機関の現状と課題

非対面取引形式による商品・サービスを提供しているにもかかわらず、これらの商品・サービスに対するリスクの特定・評価を行っておらず、全ての商品・サービス等のリスクを包括的に評価していない。

・ 顧客の実態把握やKYC(Know Your Customer)は、文字どおり顧客の実態を把握することであり、マネロン等対策のみならず、サービス業としての金融機関の基本動作であるとの認識の下、経営陣が率先して継続的顧客管理措置に取り組んでいる。

P45 例えば、連携先と協力し、連携サービス全体のリスク評価を実施すること、連携先との役割分担・責任を明確化すること、リスク評価の結果を踏まえ、連携先と協力し、利用者に係る情報を照合するほか、リスクに見合った適切かつ有効な不正防止策を講じることが求められている。具体的には、口座振替サービスとの連携に際し、資金移動業の利用者について、公的個人認証その他の方法により実効的な取引時確認を行い、本人確認書類等により確認した当該利用者の情報と連携先が保有する情報を照合することにより、当該利用者と預貯金者との同一性を確認するなど、適切かつ有効な不正防止策を講じることや不正取引の検知(モニタリング)等が重要である。

参考

令和2年9月15日金融庁

資金移動業者の決済サービスを通じた銀行口座からの不正出金に関する対応について

https://www.fsa.go.jp/news/r2/sonota/20200915/20200915.html

(イ) リスクの低減

1 適正な取引時確認及び確認記録の作成・保存

 銀行依拠による取引時確認等を実施する中で、顧客に正確な情報を申告させておらず、かつ、申告された事項を事後的に検証していない結果、取引時確認により確認を行った「本人特定事項(氏名・住居・生年月日)」・「職業」・「取引目的」の記録に、通常あり得ない職業や「回答しない」との記載、絵文字や記号が含まれる記載がされているという事業者が認められた。

P77

ウ  リスクに応じた簡素な顧客管理

 犯罪収益移転防止法における「簡素な顧客管理を行うことが許容される取引」との混同を避けるため、ガイドラインにおいては、「リスクに応じた簡素な顧客管理(Simplified Due Diligence:SDD)」という表記に変更するとともに、その内容を明確にするため、一例として、「取引のモニタリングに係る敷居値を上げたり、顧客情報の調査範囲・手法・更新頻度等を異にしたりする」ことを追記した。

P87(3) 実質的支配者リスト制度の創設

マネロン等対策においては、法人の悪用防止のため、実質的支配者( BO :Beneficial Owners)の確認が重要とされており、犯罪収益移転防止法においても、法人顧客の実質的支配者の確認が義務付けられている。

 実質的支配者の透明性確保は国際的な課題とされており、現在でもFATF や各国においても検討が求められている中、我が国では、法務省が2020 年4月より、「商業登記所における法人の実質的支配者情報の把握促進に関する研究会」を開催し制度の検討を行っており、金融庁もこれに参画してきた。

当該研究会の結果を受け、2022 年1月31 日より、実質的支配者リスト制度が開始された。これは、全国の商業登記所が、株式会社等(利用者)が提出した自社の実質的支配者に関する情報が記載された書面(実質的支配者リスト)を確認したうえで、その写しを交付する制度である。実質的支配者リストの写しを活用することで、確認手続きの円滑化が期待されるものであり、金融庁においても、法務省と連携し、所管業界への周知や制度の活用を呼び掛けている

参考

令和3年3月5日金融庁

金融活動作業部会(FATF)による「リスクベース・アプローチによる監督に関するガイダンス」の公表について

https://www.fsa.go.jp/inter/etc/20210305.html

FATF 基準(勧告24)改訂

https://www.fatf-gafi.org/publications/fatfrecommendations/documents/r24-statement-march-2022.html

渡部友一郎弁護士「第3回基礎からわかるリーガルテック―リーガルテックと司法書士業務―」『登記情報』726号2022年5月号(一社)金融財政事情研究会P26~

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