民事信託・家族信託における口座について

(一社)民事信託推進センターテーマ別勉強会の備忘録

定義

法律に、口座の定義についての記載はない[1](あれば教えてください)。

書籍[2]には、銀行などの金融機関が預金等の受払い及び残高を整理するため各顧客ごとに設ける勘定のこと。法令上はこの意味で用いられる、と記載されています。

口座の開設要件

・形式要件、実質要件、運用要件がある。

 何となく分かるのですが、形式がなければ管理できないし、実質がなければ中身が空っぽだし、開設出来なければ運用できないので、分ける意味があまり分かりませんでした。おそらく、口座を開設して閉鎖するまでのことを考えれば良い、ということなのだと想像します。

勉強会の講義では、

1 その預金口座が受託者の名義であること。

2 受託者の個人口座と区別する名称が付されていること。

の2つを満たせば良いとのことでした。

1と2に加えて、

3 金融機関の内部のシステム上、受託者個人とは分離独立したCIF(カスタマー・インフォメーション・ファイル)コードを備えていること。

4 金融機関の内部手続きにおいて、受託者の個人口座とは異なる取扱いとなることが定められていること。

5 個別の信託契約書の内容に即した管理が行われる口座であること。

を要件とする記事[3]もあります。

 私の場合は、口座開設前に次の要件を記載した書類を金融機関にFAXします。FAXでも送信記録が残るのですが、メールで済ませたいところですね。

(1)形式・名称は信託口、普通預金の特約付き問いません。

(2)受託者個人の口座が差押えを受けたとしても、信託専用の口座はその影響を受けないこと

(3)受託者が亡くなった際、相続を証する書面を不要として、受託者の死亡が分かる書類と就任承諾書の提出および身分証明書の提示で受託者の変更ができること

(4)受益者が亡くなった際、相続を証する書面を不要として、受益者の死亡が分かる書類と受益者の身分証明書の掲示をもって受益者の変更ができること

(5)キャッシュカードの発行

 意外だったのが、(4)について、これは面白いね、というコメントをいただいたことです。そうなのかと新しい発見でした。また金融機関の中には、信託口口座を普通預金で作成した場合に、年間管理料を徴収するところもあるらしく、そのような場合は、金融機関の注意義務も(何らかの契約を交わしていなくても)大きくなると考えられる、というところは同感でした。

金融機関の懸念

  • 預金口座への差押え
  • 個人受託者の場合の死亡や後見開始のリスク
  • 受託者の要件として意思能力の確認が必要か。

証券口座 

・受託者は何をすべきか。注意義務のレベルは何か。

善管注意義務(受託者の能力、社会的地位、信託行為の内容から導かれる注意義務)を負うのか(民法644条、信託法29条2項)。

自己のためにするのと同一の注意(受託者個人の財産を管理するのと同じ注意義務)を負うのか(民法827条、信託法29条2項ただし書)。

・アメリカでは、自己のためにするのと同一の注意の方が義務のレベルが高い。

いくつかの基準[4]

・受認者は自ら有すると表明した専門的技能を実際に保持し、かつこれを行使しなければならない。

・受認者の成果は、サービスを提供する際のプロセスで評価される。

・受認者が負担する法的リスクが注意義務に影響を及ぼすことがある。

・受認者に対する評価は、関係者の合理的な期待と受認者の裁量に対する制約の影響を受ける。

・適用される法が異なると注意義務の内容も変化することがある。

・受認者の専門性に対する裁判所の評価。

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・委託者が能動的な場合、受託者が財産が減少させても良いと一筆取っておいても、金融機関(証券会社)が責任を取る場合がある。

・証券会社は、取引用の銀行口座を作る銀行を指定する権利があるか。

・証券会社が家族信託サービスを始める際の契約書類の定型化が難しい。

・現在、民事信託・家族信託サービスを提供していることが確認できる証券会社

・野村証券(株) 楽天証券(株) 大和証券(株) 

上の3社のホームページから、サービスの仕組みを知ることは出来ませんでした。

 大和証券(株)について、下の記事のように、家族信託サービスを使うメリットはないんじゃないかと言ってみたところ、委託者が株取引を好きな場合はあり得るということでした。世の中には色んな人が人がいるんだろうなと感じました。

https://miyagi-office.info/wp-admin/post.php?post=1629&action=edit


[1] 山中眞人「信託口座は難しくない―利用者のニーズと口座開設銀行の責任」『信託フォーラムvol.11』2019 日本加除出版

[2] 法令用語研究会『法律用語辞典』2012年 有斐閣

[3] 渋谷陽一郎「民事信託のための信託口預金口座(1)」金融法務事情2021号P62

[4] タマール・フランケル著 『フィデュ―シャリー「託される人」の法理論』P173~ 2014 弘文堂

Zoomを利用したオンライン研修で、チャット欄を荒らしてしまうケース

7月7日(火)(一社)民事信託推進センターが開催して頂いた「テーマ別勉強家」に参加出来ました。内容について、今回は措きます。

Zoomを利用したオンライン研修で、申込時に、画面上で口頭で議論する方(パネリスト)、聴講する人に分けられていました。1時間弁護士の講義を聴いて、その後パネリストで申込した人同士で議論する形でした。

 

私は前回の研修後に「チャットで他の方とテキストベースでやり取り出来るようにして欲しい。」との要望を出してOKを貰っていたので(前回は1人で書き込みしていました。)、チャット欄に思ったまま書き込んでいました。グーグルドライブで資料を共有する方法を私が知らなかったり、送信先をパネリストのみにしていたので、聴講の方と資料共有出来なかったりということで、研修を止めたりしちゃいました。研修中に修正できたので勉強になりました。

 

今回はライブ感・参加している手触りがあり、個人的には良かったです。運営の方からすると、少しやりにくかったと思います。

私は、弁護士が講義しているしている間にもチャット欄で、「沖縄はこうなんですけど、全国統一ですか。」とか「添付の資料だと、家族信託サービスを使うメリットはないと思うのですが、どう思いますか。」とか投げかけていました。他に「面白い。」「なるほど。」などとつぶやいていました。

そうこうしているうちに、私のチャットが運営さんからパネリストに読み上げられて、議論の対象となったりしました。ミュート解除の要請が運営さんから来ます。犬と子供の声が入るので拒否して、チャットで返します。時間が過ぎます。5回くらいミュート解除の要請が来ます。拒否ボタンをクリックします。チャット欄が私のコメントで埋まっていきます。みんなもどんどん書き込めば良いのになぁ、と思います。

荒らしたくて荒らしたわけではないんですが、結果的にこんな感じになりました。

 

面白い、などつぶやきも運営さんが読み上げます。いやいや、そこは普通分かるでしょ、質問ではないでしょ。

パネリストさん(私も入っていますが)に質問するときは、挙手、というボタンがあるので、それでやることが可能です。

チャット欄の良いところは、講義している間でも、聴講者も含めてテキストベースでやり取りが出来るところ、だと思います。

運営さんに、聴講の方もチャット欄に書き込めるようにしてください、とお願いしましたが、拒否されました。

 

教育関係者が話していたのですが、進んでいるところだと小中高生もZoomに限らず、オンライン講義のチャット欄を使いこなしているようです。おそらく、その年齢の子どもがいる司法書士さんなら、子どもに訊いた方が早いかもしれません。

 

とりあえず、コロナ後に元の対面研修に戻らずにオンライン研修(+対面研修のハイブリッド型)を続けてもらえば、徐々に良くなると感じました。

 

 

委託者変更登記と文章の読み方

横山亘「照会事例から見る信託の登記実務(1)」[1]からの引用です。

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(注1)―略― 渋谷陽一郎『信託目録の理論と実務』(民事法研究会、2014年)P372項に「仮に信託設定時の信託目録において、受益者変更に伴い、委託者の地位も当該受益者に変更する、という信託行為に関する定めが信託目録に記載されている場合、受益者変更登記の過程に即して委託者変更が行われてきたと推定することができる。それゆえ、現在の受益者名義に委託者変更に係る登記を行うことは可能であろう。それは、信託目録上で公示された定めに基づく変更であるからだ。」という見解が存在する。

 しかしながら、筆者は、一般に信託目録の記録内容にそのような推定効が付与されているとは、理解していない。

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日本語の読み方の問題なのかな、と感じることがあったので、少し考えてみます。渋谷陽一郎氏がどのような意図で書かれているのかは分かりませんが、単純に日本語の文章として読んでみます。

横山亘氏は、一般に信託目録の記録内容にそのような推定効が付与されてはいないと理解している、と記載しています。

そのような考えから、二つの結果を導き出しています。

1つめが、委託者変更登記を行うべきである。

2つめが、委託者変更登記が行われていない場合、信託目録のその他の事項と受益者の欄の変更登記過程を照らし合わせて、委託者も変更されていると推定される効力は発生しない、ということです。

1つめについては、文章の読み方が違っているのではないかと思います。渋谷陽一郎氏の著書では、信託目録のその他の事項に記載がされば、委託者変更登記も可能であろう、と記載されいるので委託者変更登記を否定するものではありません。また、信託目録のその他の事項に記載がされば、委託者変更登記をする必要はない、とも記載されていません。おそらく、考えた末の結果は両氏とも共通であると思いますが、引用されている文章は批判の対象にはならないと思います。

2つめは、委託者の変更登記が行われていない場合です。この点についても、日本語の文章の読み方だと感じます。不動産登記法97条1項1号と11号は効力について差があるのか、と考えてみると、そのような判例、先例、通達は私は調べることが出来ませんでした。そして効力について差はない、と考えると1つめと同じく、考えた末の結果は両氏とも共通であると思いますが、引用されている文章は批判の対象にはならないと思います。

渋谷陽一郎氏が登記申請する側から書いているのに対して(その他の信託条項に登記されているいるいて、受益者変更登記がなされているから登記が完了する)、横山亘氏が登記申請を審査する側(その他の事項の信託条項と受益者変更登記を照らし合わせて審査する必要がある)の視点で解釈しているのかなと想像しています。


[1] 登記情報704号P24~ 2020年7月 金融財政事情研究会

司法書士の民事信託に関する実務の局面が1つ変わった

 個人的に、司法書士の民事信託・家族信託支援業務について、局面が1つ変わったと感じる出来事がありました。

「信託の学校」を準備しているのは知っていましたが、昨日料金を知りました。

「信託の学校HP」より 2020706閲覧

https://schooloftrust.com/?fbclid=IwAR1OI7t2liVT5bXtA9I3WOilwShT7CAxE7A_XI4bRbAuO_uMF7PMLtGtgps

会費について

入会金 2万円(税抜)

月会費 3500円(税抜)

入会した日が属する月の月会費は、入会金の中に含まれます。

その他、セミナー受講などの費用などは、別途ご案内します。

・よくある質問

・会員になるための資格はありますか?

 ありません。弁護士・司法書士・行政書士・税理士などの士業者だけでなく、ファイナンシャルプランナー、コンサルタント、金融機関の職員など、幅広く勉強していただけます

・民事信託の受任に際して、アドバイスをいただくことはできますか?

個別にお問い合わせください。会費以外に、費用が発生します。

信託の学校の講師

代表 谷口 毅(鳥取県司法書士会・鳥取県行政書士会)

岡根昇(大阪司法書士会)

池田弘子(東京司法書士会)

国本美津子(兵庫県司法書士会)

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分かること

・学校の講師・構成員は全員司法書士。生徒に資格は不要。

・年間46,200円の対価は初心者向け講座、事例に応じた書式集の提供と解説。

・動画視聴。

・登記先例・質疑応答の解説集に独自の解説(解釈)を付けて提供。

・判例に独自の解説を付けて提供。

・メールマガジンの提供。

・セミナー受講などの費用などは、別途ご案内する。

・民事信託のアドバイスを受けるには、会費以外に費用が発生する。

局面が変わったと思ったのは、一点です。
・信託の学校の人(現在の役職は分かりません)。

・日本司法書士会連合会民事信託支援業務推進委員会副委員長、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート元鳥取支部長、鳥取県司法書士会理事[1]を務めた谷口毅司法書士(東京大学卒)

・大阪司法書士会副会長、公益社団法人成年後見センター・ リーガルサポート大阪支部相談役、民事信託法研究委員会委員[2](現在は分かりません)を務めた岡根昇司法書士。

・民事信託士[3]の池田弘子司法書士。

・一般社団法人日本財産管理協会認定会員[4]の国本美津子司法書士。

一般社団法人民事信託士協会は、決算書を見る限りでは独立機関だと思います。

一般社団法人日本財産管理協会は決算書が非公開のため、調べることが出来ませんでした。

 他の肩書が付いている組織には、全国の司法書士が各自支払っている司法書士会費というお金が流れています。

 日本司法書士会連合会民事信託支援業務推進委員会は、名前から分かる通り司法書士会費が含まれています。都道府県の司法書士会についても日本司法書士会連合会からのお金が一定割合配分されています(日本司法書士会連合会交付金[5])。

 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート[6]については、日本司法書士会連合会からお金が流れているのか、決算書から読み取ることが出来ませんでした。ただ設立前に全国の司法書士から寄付を集めています。

 私の場合は、リーガルサポートに入会しているので、その会費(年2万4000円)が含まれています。各都道府県支部についても一定割合のお金が、リーガルサポート本部から配分されています。

 このような肩書を公開している司法書士が、同業者(とその他の方)を相手にビジネスを始めました。年間46,200円+セミナー受講費用は別途ご案内(おそらく生徒の人数によって変わります。たくさん集まれば生徒は「特別無料」になると思います。)+アドバイスは別途費用発生(ここは明確に書かれているので、会費を支払うだけでは質問も出来ないということを意味します)。読んでいてため息が出ました。他の団体と比べてもよくて同じか、やや高額です。

 局面が1つ、個人的には(非常に)良くない方向に変わったと感じます。この流れを止める気はありませんが。

 役職に就きたくて就いているのかは、各司法書士と面識があるわけではないので分かりません。役職の業務量の多さも承知しています。都道府県によっては、仕方なく持ち回りで務める事例もあると思います。沖縄県ではそういう面が多いです(やりたいことが明確で役職に就いている方もいます)。

 ただ、その公開されている肩書については、外から見ると就きたくて就いたのかは関係なくなります。良くも悪くも自分で背負っているとみられます。そして、その肩書が存在している組織には、各司法書士が売り上げから支払っているお金が流れています。その後に信託の学校に会費プラス〇円を支払うと、二回払っているように、私には感じられます。
 
 その結果、実務に不安のある新しく入ってきた司法書士の金銭的な負担が増えて、経営が出来なくなり大手法人に就職することになるか、利用者に信託の学校に払った分を上乗せして負担を迫るかになります。


[1] https://www.office-tsubasa.net/ 

[2] 月報司法書士2019年1月号

[3] http://www.civiltrust.com/shintakushi/introduce/2019.html

[4] https://kunimoto-office.com/office/

[5] 沖縄県司法書士会定時総会資料(第80回)令和2年5月30日P41、https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/release/report/

[6] https://www.legal-support.or.jp/akamon_regal_support/static/page/main/R2/k31.pdf

自筆証書遺言書保管制度についてのQ&A

自筆証書遺言書保管制度についてのQ&A

Q&A about self-signed will testamentary keeping system

法務省HP (2020年7月2日閲覧)

Ministry of Justice HP

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00048.html

法務局(遺言書保管所)で遺言書の書き方を教えてくれますか。

遺言書の作成に関するご相談には一切応じられません。遺言書の様式については,注意事項をご覧いただき,あらかじめご自身で作成の上,来庁いただくようお願いします。

Can you tell me how to write a will at the Legal Affairs Bureau (will will storage)?

We cannot respond to any inquiries regarding the writing of wills.

Regarding the style of wills, please read the precautions and prepare it yourself before visiting the office.

遺言書の様式について,用紙に模様があるのですが,申請可能ですか。

その模様が文字の判読に支障が無いものであれば,申請可能です。

Regarding the form of the will, there is a pattern on the paper. Is it possible to apply?

If the pattern does not interfere with the reading of the characters, you can apply.

遺言書を何色か色分けして書いてもよいですか。

保管されている遺言書について,相続人等がその内容を確認する手段として遺言書情報証明書の交付の請求や遺言書の閲覧があります。閲覧については原本とモニターによる方法があり,色分けを確認することができますが,遺言書情報証明書は白黒で出力されるため色分けを確認することができません。したがって、本制度を利用する場合、遺言書を色分けして作成することはお勧めしません。

Is it possible to write the will will in different colors?

Regarding the stored wills, heirs, etc. have a request for issuance of a wills information certificate and inspection of the wills as a means to confirm the contents. You can check the color coding by browsing the original and the monitor, but you cannot check the color coding because the wills information certificate is output in black and white. Therefore, when using this system, it is not recommended to create wills in different colors.

保管制度が開始する前に作成した遺言書でも 作成した遺言書が所定の様式(注意事項参照)に合うものであれば、預かつてもらえますか。

法務省ホームページ(htt p://www.moj.go.jp/MINJI/5minji03_00051.html)に掲載している様式をダウンロードして入力することで作成いただくことができます。なお、法務局(遺言書保管所)の窓口でも入手可能です。

If the testament that I created before the storage system started is compatible with the prescribed form (see notes), can you keep it?

You can create it by downloading and entering the form posted on the Ministry of Justice website (htt p://www.moj.go.jp/MINJI/5minji03_00051.html). It can also be obtained at the window of the Legal Affairs Bureau (will will storage).

保管の申請をしたいのですが,遺言者本人が病気のため法務局(遺言書保管所)へ出頭できない場合はどうすればよいですか。

本人出頭義務を課しているととから、その場合には.本制度をご利用いただけません。なお介助のために付添人に同伴していただくことは差し支えありません。

I would like to apply for storage, but what should I do if the testamentary person cannot report to the Legal Affairs Bureau (will-will storage) due to illness?

In that case, because you are obliged to appear. This system is not available. In addition, it is safe to have your attendant accompany you for assistance.

保管の申請時には,遺言書を封筒に入れたまま法務局(遺言書保管所)へ持参すればよいですか。

申請時には遺言書原本のみをお出しいただくことになります。封筒は不要です。

When applying for storage, should I bring the will to the Legal Affairs Bureau (will will storage) while keeping it in an envelope?

Only the original will will be submitted at the time of application. No envelope required.

本人確認について,顔写真付きの身分証明書を所持していない場合はどうすればよいですか。

本人出頭義務を課していることから、なりすましを防止する必要があるため、顔写真付きの身分証明書の提示が必須となります。例えば,マイナンバーカードであれば、誰でも取得できますのでご検討願います。

保管の申請の手数料について、保管年数に応じて手数料も増えるのですか。

保管申請の手数料は、その後の保管年数に関係なく申請時に定額(遺言書1通につき、3,900円)を納めていただきます。

Does the storage application fee increase according to the number of years of storage?

The storage application fee will be a fixed amount (3,900 yen per will) when applying, regardless of the number of years of storage thereafter.

手数料納付のための収入印紙はどこで購入すればよいですか。

各告法務局(遺言書保管所)庁舎内の収入印紙の販売窓口又はお近くの郵便局等で販売しています。詳しくは、申請・請求予定先の法務局(遺言書保管所)にお問い合わせください。

Where can I purchase a revenue stamp for paying fees?

Each Notification Legal Affairs Bureau (Will will storage) Sold at the sales counter for revenue stamps in the government building or the post office near you. For details, please contact the Legal Affairs Bureau (will will storage) where you plan to apply/claim.

遺言書を法務局(遺言書保管所)に預けたことを家族に伝えておいた方がよいですか。

法務局(遺言書保管所)に預けたことをご家族(相続人となり得る方)に伝えておいていただくと,相続開始後,ご家族が,スムーズに遺言書情報証明書の請求手続等を行うことができます。保管証を利用すると確実です。

Should I inform my family that I have deposited the will to the Legal Affairs Bureau (will will storage)?

If you tell your family (who can be an heir) that you have deposited it at the Legal Affairs Bureau (will storage), your family will smoothly perform a request procedure for a will information certificate after the inheritance starts. can do. It is sure to use the storage certificate.

保管証を紛失した場合には,再発行可能ですか。

保管証の再発行はできませんので、大切に保管してください。なお、保管証があるとその他の手続がスムーズですが、保管証がない場合でも手続は可能です。

Is it possible to reissue the storage certificate if it is lost?

Please keep it in a safe place as a storage certificate cannot be reissued. Note that other procedures will be smoother if you have a storage certificate, but you can still do it if you do not have a storage certificate.

保管の申請の撤回を行った場合に、その遺言は無効に怠るのですか。

遺言書の保管の申請の撤回は、法務局(遺言書保管所)に遺言書を預けるととをやめることであり、その遺言の効力とは関係がありません。

If I withdraw my request for storage, will I fail to nullify the will?

The withdrawal of the application for storage of wills means that it will stop depositing wills at the Legal Affairs Bureau (will will storage), and is not related to the effect of the will.

遺言書の閲覧をしたいのですが,遺言書が保管されている法務局(遺言書保管所)が遠方の場合もその法務局(遺言書保管所)へ行かなければなりませんか。

遺言書の閲覧方法として.遺言書原本を閲覧する方法のほか,モ二ターで遺言書を閲覧する方法があります。モニターの方法による場合には,全国どこの法務局(遺言書保管所)においても閲覧が可能となります。

I would like to browse the wills, but if the legal bureau where the wills are stored (will will storage) is far away, do I have to go to that legal bureau (will will storage)?

As a method of viewing wills. In addition to viewing the original wills, you can also view the wills using a monitor. If you use the monitoring method, you can view the information at any legal affairs office (will will storage) anywhere in the country.

遺言書情報証明書等の交付に遺言書情報証明書を取得したいのですが,自分で法務局(遺言書保管所)へ行かなければなりませんか。

保管の申請の場合(Q6 )と異なり、遺言書情報証明書等の交付については、ご自身で法務局(遺言書保管所)の窓口に出向いて請求するほか、郵送による請求や、法定代理人による手続も可能です。なお、保管の申請書や請求書等の書類については司法書士等にその作成を依頼することができます。

I would like to browse the wills, but if the legal bureau where the wills are stored (will will storage) is far away, do I have to go to that legal bureau (will will storage)?

As a method of viewing wills. In addition to viewing the original wills, you can also view the wills using a monitor. If you use the monitoring method, you can view the information at any legal affairs office (will will storage) anywhere in the country.

遺言書情報証明書はどのような手続に使用できますか。

今まで遺言書の原本を必要としていた相続登記手続等や銀行での各種手続について,遺言書情報証明書を使用していただくことを想定しています。

What kind of procedure can I use the wills information certificate?

We assume that you will use a will will information certificate for inheritance registration procedures and various procedures at banks that required the original wills until now.

家族(相続人)は法務局(遺言書保管所)に保管されている遺言書を返却してもらうことができますか。

法務局(遺言書保管所)に保管されている遺言書については、家族(相続人)であっても返却を受けるととはできません。内容を確認するには、遺言書情報証明書の交付の請求又は遺言書の閲覧をしてください。

Is it possible for the family (inheritor) to return the wills stored in the Legal Affairs Bureau (will will storage)?

Regarding the wills stored in the Legal Affairs Bureau (will will storage), even family members (inheritors) cannot be returned. To confirm the contents, please request the issuance of a will information certificate or browse the will.

予約せすに直接法務局(遺言書保管所)に行つた場合には申請を受け付けてもらえますか。

各種申請・請求に当たっては原則として予約が必要です。予約せずに来庁された場合、長時間お待ちいただいたり、その日に手続ができない場合があります。

If I go directly to the Legal Affairs Bureau (will will storage) to make a reservation, can you accept the application?

As a general rule, reservations are required for various applications and requests. If you come to the agency without making a reservation, you may have to wait a long time, or you may not be able to complete the procedure on that day.

自筆証書遺言を作成したら必す法務局(遺言保管所)に預けなければならないのですか。

本制度は,自筆証書遺言に係る遺言書について、法務局(遺言書保管所)に保管をするという選択肢を増やすものであり、従来どおり自宅等で保管していただくことも可能です。

Do I have to deposit the self-signed certificate will at the required legal bureau (will test depository) when I create it?

This system will increase the option to keep wills related to autograph deeds wills at the Legal Affairs Bureau (will will storage), and you can also keep them at home etc. as before.

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選べばよいですか。

自筆証書遺言と公正証書遺言の主な特徴については、パンフレットに記載していますので参考にしてください。なお、どちらを選ぶべきかは、ご本人の判断ですので、法務局(遺言保管所)ではお答えできません。

Should I choose between a self-signed will and a notarized will?

Please refer to the pamphlet for the main features of the testamentary will and the notarized will. Please note that it is up to you to decide which one to choose, and the Legal Affairs Bureau (will-will storage) cannot answer.

7月の相談会と講座のご案内

□ 認知症や急な病気への備え
□ 次世代へ確実に引き継ぎたいものを持っている。
□ 家族・親族がお金や土地の話で仲悪くなるのは嫌。
□ 収益不動産オーナーの経営者としての信託 
□ ファミリー企業の事業の承継
その他:
・共有不動産の管理一本化・予防
・配偶者なき後、障がいを持つ子の親なき後への備え
後援(株)ラジオ沖縄 

日時:令和2年7月31日(金)14時~17時  
場所: 司法書士宮城事務所(西原町)
要予約 電話・HP・メール
問い合わせ先:司法書士宮城事務所(098)945-9268、HP,メール【shi_sunao@salsa.ocn.ne.jp】
料金:1組5000円

7月30日は講座です。

押印についてのQ&A

法務省HP 20200630閲覧

http://www.moj.go.jp/content/001322410.pdf

                         令和2年6月 19 日

                            内 閣 府

                            法 務 省

                            経 済 産 業 省

問1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。

・ 私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。

・ 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。

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契約自由の原則のうち、契約方式の自由(伊藤眞『民法2債権各論 第3版』P18)。

特段の定め・・・定期借地権(借地借家法22条)は公正証書による書面等でしなければならない、など。

ここからは、契約書、文書、書面を「契約締結のための情報とそれに付随する情報」と読み替えて考えてみます。

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問2.押印に関する民事訴訟法のルールは、どのようなものか。

・ 民事裁判において、私文書が作成者の認識等を示したものとして証拠(書証)になるためには、その文書の作成者とされている人(作成名義人)が真実の作成者であると相手方が認めるか、そのことが立証されることが必要であり、これが認められる文書は、「真正に成立した」ものとして取り扱われる。

民事裁判上、真正に成立した文書は、その中に作成名義人の認識等が示されているという意味での証拠力(これを「形式的証拠力」という。)が認められる。

・ 民訴法第 228 条第4項には、「私文書は、本人[中略]の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」という規定がある。

この規定により、契約書等の私文書の中に、本人の押印(本人の意思に基づく押印と解釈されている。)があれば、その私文書は、本人が作成したものであることが推定される。

・ この民訴法第 228 条第4項の規定の内容を簡単に言い換えれば、裁判所は、ある人が自分の押印をした文書は、特に疑わしい事情がない限り、真正に成立したものとして、証拠に使ってよいという意味である。そのため、文書の真正が裁判上争いとなった場合でも、本人による押印があれば、証明の負担が軽減されることになる。

・ もっとも、この規定は、文書の真正な成立を推定するに過ぎない。その文書が事実の証明にどこまで役立つのか(=作成名義人によってその文書に示された内容が信用できるものであるか)といった中身の問題(これを「実質的証拠力」という。)は、別の問題であり、民訴法第 228 条第4項は、実質的証拠力については何も規定していない。

・ なお、文書に押印があるかないかにかかわらず、民事訴訟において、故意又は重過失により真実に反して文書の成立を争ったときは、過料に処せられる(民訴法第 230 条第1項)。

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・文書が成立したこと(形式的な不備がない。)

・文書が当事者の意思、事実を反映していること。

を別に考える。

・文書が当事者の意思、事実を反映していることに関しては、押印の有無は関係がない。

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問3.本人による押印がなければ、民訴法第228条第4項が適用されないため、文書が真正に成立したことを証明できないことになるのか。

・ 本人による押印の効果として、文書の真正な成立が推定される(問2参照)。

・ そもそも、文書の真正な成立は、相手方がこれを争わない場合には、基本的に問題とならない。また、相手方がこれを争い、押印による民訴法第 228 条第4項の推定が及ばない場合でも、文書の成立の真正は、本人による押印の有無のみで判断されるものではなく、文書の成立経緯を裏付ける資料など、証拠全般に照らし、裁判所の自由心証により判断される。他の方法によっても文書の真正な成立を立証することは可能であり(問6参照)、本人による押印がなければ立証できないものではない。

・ 本人による押印がされたと認められることによって文書の成立の真正が推定され、そのことにより証明の負担は軽減されるものの、相手方による反証が可能なものであって、その効果は限定的である(問4、5参照)。

・ このように、形式的証拠力を確保するという面からは、本人による押印があったとしても万全というわけではない。そのため、テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

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・テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

文書の成立について争う可能性がなければ、本人によるハンコを省略することも有意義。

重要な文書であっても、ハンコ以外の方法で代替することも可能。法に基づく電子署名以外で、例えば何が思い浮かぶでしょうか。

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問4.文書の成立の真正が裁判上争われた場合において、文書に押印がありさえすれば、民訴法第 228 条第4項が適用され、証明の負担は軽減されることになるのか。

・ 押印のある文書について、相手方がその成立の真正を争った場合は、通常、その押印が本人の意思に基づいて行われたという事実を証明することになる。

・ そして、成立の真正に争いのある文書について、印影と作成名義人の印章が一致することが立証されれば、その印影は作成名義人の意思に基づき押印されたことが推定され、更に、民訴法第228条第4項によりその印影に係る私文書は作成名義人の意思に基づき作成されたことが推定されるとする判例(最判昭 39・5・12民集 18 巻4号 597 頁)がある。これを「二段の推定」と呼ぶ。

・ この二段の推定により証明の負担が軽減される程度は、次に述べるとおり、限定的である。

① 推定である以上、印章の盗用や冒用などにより他人がその印章を利用した可能性があるなどの反証が相手方からなされた場合には、その推定は破られ得る。

② 印影と作成名義人の印章が一致することの立証は、実印である場合には印鑑証明書を得ることにより一定程度容易であるが、いわゆる認印の場合には事実上困難が生じ得ると考えられる(問5参照)。

・ なお、次に述べる点は、文書の成立の真正が証明された後の話であり、形式的証拠力の話ではないが、契約書を始めとする法律行為が記載された文書については、文書の成立の真正が認められれば、その文書に記載された法律行為の存在や内容(例えば契約の成立や内容)は認められやすい。他方、請求書、納品書、検収書等の法律行為が記載されていない文書については、文書の成立の真正が認められても、その文書が示す事実の基礎となる法律行為の存在や内容(例えば、請求書記載の請求額の基礎となった売買契約の成立や内容)については、その文書から直接に認められるわけではない。このように、仮に文書に押印があることにより文書の成立の真正についての証明の負担が軽減されたとしても、そのことの裁判上の意義は、文書の性質や立証命題との関係によっても異なり得ることに留意する必要がある。

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押印は文書の成立(形式的証拠力)を認める1つの資料。実質的証拠力は、文書の性質や何を証明したいかによる。

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問5.認印や企業の角印についても、実印と同様、「二段の推定」により、文書の成立の真正について証明の負担が軽減されるのか。

・ 「二段の推定」は、印鑑登録されている実印のみではなく認印にも適用され得る(最判昭和 50・6・12 裁判集民 115 号 95 頁)。

・ 文書への押印を相手方から得る時に、その印影に係る印鑑証明書を得ていれば、その印鑑証明書をもって、印影と作成名義人の印章の一致を証明することは容易であるといえる。

・ また、押印されたものが実印であれば、押印時に印鑑証明書を得ていなくても、その他の手段により事後的に印鑑証明書を入手すれば、その印鑑証明書をもって、印影と作成名義人の印章の一致を証明することができる。ただし、印鑑証明書は通常相手方のみが取得できるため、紛争に至ってからの入手は容易ではないと考えられる。

・ 他方、押印されたものが実印でない(いわゆる認印である)場合には、印影と作成名義人の印章の一致を相手方が争ったときに、その一致を証明する手段が確保されていないと、成立の真正について「二段の推定」が及ぶことは難しいと思われる。そのため、そのような押印が果たして本当に必要なのかを考えてみることが有意義であると考えられる。

・ なお、3Dプリンター等の技術の進歩で、印章の模倣がより容易であるとの指摘もある。

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実印でない場合・・・二段の推定が及ぶことは難しい。

実印である場合・・・3Dプリンター等の技術の進歩に注意する。

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問6.文書の成立の真正を証明する手段を確保するために、どのようなものが考えられるか。

・ 次のような様々な立証手段を確保しておき、それを利用することが考えられる。

① 継続的な取引関係がある場合

取引先とのメールのメールアドレス・本文及び日時等、送受信記録の保存(請求書、納品書、検収書、領収書、確認書等は、このような方法の保存のみでも、文書の成立の真正が認められる重要な一事情になり得ると考えられる。)

② 新規に取引関係に入る場合

契約締結前段階での本人確認情報(氏名・住所等及びその根拠資料としての運転免許証など)の記録・保存

本人確認情報の入手過程(郵送受付やメールでの PDF 送付)の記録・保存

文書や契約の成立過程(メールや SNS 上のやり取り)の保存

③ 電子署名や電子認証サービスの活用(利用時のログイン ID・日時や認証結果などを記録・保存できるサービスを含む。)

・ 上記①、②については、文書の成立の真正が争われた場合であっても、例えば下記の方法により、その立証が更に容易になり得ると考えられる。また、こういった方法は技術進歩により更に多様化していくことが想定される。

(a) メールにより契約を締結することを事前に合意した場合の当該合意の保存

(b) PDF にパスワードを設定

(c) (b)の PDF をメールで送付する際、パスワードを携帯電話等の別経路で伝達

(d) 複数者宛のメール送信(担当者に加え、法務担当部長や取締役等の決裁権者を宛先に含める等)

(e) PDF を含む送信メール及びその送受信記録の長期保存

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押印に代わる方法の例示。

・請求書、納品書、検収書、領収書、確認書等は、相手のメールアドレス・本文、日時などの送受信記録を保存しておけば、文書が成立したと認められる重要な一事情になり得る。

・電子署名や電子認証サービスの活用(利用時のログイン ID・日時や認証結果などを記録・保存できるサービスを含む。)

主に後者。クラウド型電子署名について新たに記録。

信託契約書に記載されている金銭と、口座に入金した金額が違う場合

 

 

あるメールマガジンの記事です。下線は私です。

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2000万円の金銭信託、3000万円口座に入金したらどうなる?

今回はこのような内容をメインで議論しました。その逆もあり得ますよね。

3000万円の金銭信託で、2000万円しか口座に入れなかったらどうなるか。

つまり、信託の設定より少ない場合と、設定より多い場合ですね。

いずれにしても、書籍にはまず書いていない内容でしょうね。実務をしているからこそ出てくる問題。

少ない場合 (3000万円の金銭信託で、2000万円しか口座に入れなかった)

協会のメンバーからは、そもそも、聞き取りが上手くいっていなかったという厳しい指摘も。

残りの1000万円を管理していいないのだから、受託者の責任が問われますよね。

親から子の信託で、信託契約3000万円、口座に入金2000万円、残りの1000万円を填補する責任が問われます。

誰が問うか?受益者です。?

つまり、受益者である親が、受託者である子に対して「残りの1000万円ちゃんと口座に入金して管理しなさい」って言える(信託法40条1項)

でも、その親が1000万円入れてくれないのだから、しょうがないです。

関与した、専門家としては、信託の変更をすべき場面と言えるでしょう。

でも、協会メンバーからはこんなシーンもあったそうです。

3000万円の信託、1000万円を口座に入れた。

残り2000万円を入れようと思っていたら、コロナ騒動。銀行に行くにいけない状態。その間に、委託者がすっかり認知症で判断能力がなくなったそう。そうすると、残りの2000万円は信託の口座に動かせないですよね。ですから、認知症対策で信託を組む場合は、迅速さが求められるでしょう。

今回のコロナはしょうがないとしても、転んでけがしたとか、病気になって、急遽入院することになったとかも、あり得ます。

何があるかわかりませんから、素早く財産の移動まで行う必要がありますよね。

■ 多い場合 (2000万円の金銭信託で、3000万円入金した)追加信託をしましょう!と言うことですね。(笑)

では、追加信託の書類を作っていなかったらどうなるか?つまり、贈与税の問題です。

これについては、受益者が誰かがポイントになりそうです。委託者兼受益者の自益信託の場合は、自分のお金を余計に信託の口座に入金して、そして自分が受益者。

となると、税務的には、贈与税の問題はなさそうと、協会のメンバーからの意見でした。確かに、自益信託ですから贈与税の問題はなさそうですね。(相続税法9条の2 第1項)

でも、税務的には問題がなくても民事的には問題です。親から子の信託で、他の子からクレームがでるかもしれません。

ですからの後々のトラブルを防ぐためにも、早めに追加信託の手続きをしておくべきでしょうね。

 

いずれにしても、信託の設定金額と、信託の口座への入金金額が、大きく異なる場合、問題が生じる可能性があります。(特に民事上)

ですから、その場合は、信託の変更や追加信託をするなりして、迅速に対処した方が良さそうですね。

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少ない場合 (3000万円の金銭信託で、2000万円しか口座に入れなかった)

私に関しては、今のところ金融機関が事前に契約書をチェックして、信託口通帳作成時に入金確認をするので、金額がずれる、ということはないのですが、今後何かの事情でこのようなことはあり得るかもしれません。

少ない場合も多い場合も、最初に考えるのは分別管理が可能か否か、ではないかなと考えます。

これは信託口通帳は必ずしも作成する必要はない、と記載している専門家の方々がいつも言っていることです。信託契約書で口座が特定されていたら、受託者名義の通帳で良い、というような主張です。

 

分別管理が不可能であれば、その後信託法40条、103条、149条、163条などの順番で考えていくのが筋として良いのかなと感じます。

この点については、税務と民事法に異なる点はないのではないかと考えます。

またコロナも関係がないと考えます。