受託者としての一般社団法人

1、受託者としての一般社団法人を設立して、通帳名義を(一社)○○ファミリートラストとすると、当然に信託財産になるのか。
(1)定款の目的には、「信託業法に抵触しない民事信託の受託」があるものとします。
(2)受託者と一般社団法人は、家族信託、民事信託を一回受託することとします。
(3)今回の信託行為は、信託契約とし、受託者の信託事務に通帳作成および信託金銭の入金は含まれています。


(信託の方法)
第3条
1信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
① 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法

(信託の効力の発生)
第4条  前条第1号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。

条文から考えると、委託者が一般社団法人に財産を信託する契約を結んだ場合、信託の効力は発生します。
その効果は、
(1)信託した財産が委託者から離れ、受託者名義になる。
(2)受託者固有の財産とも分離されるが、家族信託用に設立した法人なので、受託者固有の財産というのはない。債務もない。


(1)信託契約を結んだ後、通帳を作りに行きます。
(2)一般社団法人の代表者が銀行に行って、通帳を作成しました。
(3)口座名義は、(一社)○○ファミリートラストとし、信託されたお金をその通帳に入れました。

一般社団法人の目的に、旅行業など別の業種が入っていると話は違ってきますが、「信託業法に抵触しない民事信託の受託」のみの場合、受託者である一般社団法人は、信託のためにする意思を持って通帳を作り、入金した、と観ることが出来ます。
よって、受託者としての一般社団法人を設立して、通帳名義を(一社)○○ファミリートラストとすると、当然に信託財産になると考えられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(3)一般社団法人の構成員が委託者2人のみであり、受益者も委託者2人のみである場合、結論は違ってくるか。
信託財産となることには変わりがありません。利益相反になるのかは、内部の人間からでは分からないのではないでしょうか。公証人や銀行から指摘されることもないと考えられます。

不動産オークションに係る宅地建物取引業法の取扱い

(出典:経済産業省HP 2017年7月5日閲覧)

本件の概要

産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」について、経済産業省所管の事業分野の企業からの照会に対して、回答を行いました。

1、「グレーゾーン解消制度」の活用結果

照会
・今般、不動産のオークションを実施するため、売主の保有する物件の情報を事業者のシステムに登録し、その物件情報を提携する不動産会社に提供することを検討している事業者より、このような自社システムを介して物件情報を不動産会社に提供しオークションを実施する行為が、宅地建物取引業法第二条第二号の「宅地建物取引業」に該当するかについて照会がありました。

回答
• 照会者は、自ら宅地等の売買及び交換の当事者となるものでも、宅地等の売買、交換及び貸借の代理をするものでもない。
• また、照会書に記載された新事業の仕組みでは、売主からの依頼による物件情報等のシステムへの登録の際に、物件の調査や自ら取得した物件情報を提供すること、価格決定について売主に助言を与える等の売主の出展行為を積極的に支援することや入札を促進する宣伝広告をいずれも行わないこと、内覧の実施に関与しないこと、最高価格の決定により直ちに売主と買主の間で売買契約が成立するものではなく物件の紹介を受けた宅地建物取引業者の仲介により別途売買契約を締結することなどから判断して、宅地等の売買、交換及び貸借の媒介をするものでもない。
• 以上のことから、宅地建物取引業法第二条第二号の「宅地建物取引業」に該当しない。

これにより、不動産オークション事業に対する宅地建物取引業法の適用有無が明確化され、新たなサービスの創出及び拡大に繋がることが期待されます。

産業競争力強化法
(解釈及び適用の確認)

第9条 新事業活動を実施しようとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に対し、その実施しようとする新事業活動及びこれに関連する事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令(告示を含む。以下この条及び第十五条において同じ。)の規定の解釈並びに当該新事業活動及びこれに関連する事業活動に対する当該規定の適用の有無について、その確認を求めることができる。

2 前項の規定による求めを受けた主務大臣は、当該求めに係る解釈及び適用の有無の確認がその所管する法律及び法律に基づく命令に関するものであるときは、遅滞なく、当該求めをした者に回答するものとする。

3 第一項の規定による求めを受けた主務大臣は、当該求めに係る解釈及び適用の有無の確認が他の関係行政機関の長の所管する法律及び法律に基づく命令に関するものであるときは、遅滞なく、当該関係行政機関の長に対し、その確認を求めるものとする。この場合において、当該確認を求められた関係行政機関の長は、遅滞なく、当該主務大臣に回答するものとする。

4 前項の規定による回答を受けた主務大臣は、遅滞なく、その回答の内容を当該回答に係る第一項の規定による求めをした者に通知するものとする。

受付番号順で処理するから、出来るかなと思ったのですが。 土日を会社設立日にするのは難しいんですね。

規制改革ホットライン検討要請項目の現状と対応策(内閣府HP2017年7月7日)


 ※「規制改革推進会議における再検討項目」欄の記号(◎、○、△)については、所管省庁の回答をもとに、規制改革推進会議が以下のとおり判断したものです。     
◎:各ワーキング・グループ等(本会議で取り扱うこととされている事項に関する提案については本会議)で検討している事項及び検討を予定している事項      
○:再検討が必要(「◎」に該当するものを除く)と判断し、規制シートの作成対象とする事項
△:再検討の要否を判断するため、事務局が提案内容に関する事実関係を確認する事項


会社設立日が休日でも可能になるような仕組みを
会社設立の依頼があった場合、依頼者は毎月1日や大安、自らの思い入れのある日を第1希望で出してきます。
しかし、その日が土日祝祭日だと法務局が休みのため不可能になっています。
登記申請書に、「設立日○月○日希望」などと記載できれば利用者の目的に沿うことと思います。

会社や一般社団法人等の一定の法人はその根拠法において,登記することによって 成立するとされています(会社法第49条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法 律第22条等)。法人の成立について,このように規定されている法人については,実際に設立の登記をした日がその法人の成立年月日となります。  
一方,登記所(法務局)の業務は,行政機関の休日に関する法律第1条第1項の規定 により,土日祝日は原則として行わないものとされていますので,根拠法に上記のように 規定されている法人については,土日祝日を法人成立の日とすることはできないこととなります。
会社法49条,一般 社団法人及び一般 財団法人に関する 法律第22条等 行政機関の休日に 関する法律第1条 第1項


対応不可
 行政機関の休日に関する法律の規定により,原則として登記所(法務局)の業務を土 日祝日に行うことはできません。また,申請人の希望に応じて土日祝日に登記所が業務を行うこととするとしても,登記の順位保全の観点(同一商号・同一本店の設立登記については,先に申請をした方が登記され,後からの申請は却下されます。

商業登記法第27 条,第24条第13号から,土日祝日に希望があった申請のみを取り扱うことは極めて不公平な取扱いであり,全ての申請人からの全ての申請を受け付ける必要があることとなります。  

このような対応を行うことは,行政機関の休日に関する法律の趣旨に照らしても,極めて困難であると考えます。

不動産登記の信託目録(受益者「等」)

民事信託・家族信託で、

不動産を信託して登記した場合の信託目録の中身(不動産登記法97条)

受益者「等」の記録パターン

・受益権を持っていることを、受益者自身も確認したい場合など

1、受益者の氏名と住所

受益者 沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                山田太郎

・受益者が障がいを持つ未成年者であり、名前を出したくない場合など

2、受益者代理人の氏名と住所

 受益者代理人 沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                    山田花子

・受益権を持っていることを、受益者自身も確認したい。将来、認知症などになって施設入所することになったら、土地や家を貸したり売ったりすることを考えている場合など

3、受益者と受益者代理人の氏名と住所[1]

受益者    沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                   山田太郎

受益者代理人 沖縄県○○市○○丁目○○番○○号

                   山田花子

・受益者の氏名を出したくない事情がある。受益者が亡くなる以外の理由で頻繁に交代する。

4、受益者を指定する条件を記録

受益者 委託者の親族が受益者となる。

・受益者の氏名を出したくない事情がある。受益者が亡くなる以外の理由で頻繁に交代する。


[1] 平成19年9月28日民二第2048号民事局長通達第二、一

遺言と家族信託の使い分け

遺言と家族信託の使い分け

目的別

1、残された家族を相続で苦労させたくない・・・遺言

2、相続人に対する、遺留分の順序指定をしておきたい(例、1番に預金債権、2番に信託受益権、など)・・・遺言

3、死後認知をする必要がある・・・遺言

4、自筆で書いておきたい、秘密で行いたい、死亡危急遺言など、事情がある・・・遺言

5、施設に入ったら実家は売却したい・・・家族信託・民事信託

6、今のうちに家族へアパートの経営事業を任せたい・・・家族信託・民事信託

7、配偶者と自分の生活は守って、亡くなった場合は子供がいないので甥に残った財産をあげたい・・・家族信託・民事信託

8、株式を贈与したいが、贈与税が気になる・・・家族信託・民事信託

9、共有の不動産管理を一本化したい・・・家族信託・民事信託

10、金融機関の教育資金贈与信託は、教育資金に使わずに残った分は贈与になる・・・家族信託・民事信託

PAGE TOP