アパートの所有権と、その賃貸人たる地位を分離して相続

子ども2人の夫婦で、夫が亡くなり将来は子ども2人へ適切に引き継いでもらいたい、配偶者が元気なうちは、生活に必要な分を確保したい、というような事例です。

アパートに関して、アパートの所有権と、賃貸人の地位を分離して相続することを検討しても良い、二次相続を考慮すると節税にもつながると思われます、というような考えがあって、初めて知りました。たしかに不動産の所有権と、賃貸借契約の賃貸人の地位は別に考えることができます。

この場合、固定資産税などの支払いは所有者である子ども(2人か1人)が行い、修繕、賃料の受取り、ローン返済を配偶者が行うことになるのかなと思いました。

配偶者が亡くなったときは、賃貸人の地位とローンが残っている場合は、債務者の地位を子どもが話し合いで決める、ということになるのでしょうか。

家族信託をもし使うのであれば、配偶者が亡くなった場合でも相続税がかからないように(この場合だと約4200万円)遺産分割協議をします。

その後、子の1人を受託者にして、配偶者を委託者&最初の受益者にする信託契約を締結します。信託する財産には自宅も含めることができます。残っているローンは、信託することができません。

子2人がアパートの共有持ち分を持っている場合は、それを信託するかはケースによります。

配偶者の生活費は、アパートの持分に応じた賃料から、金融機関から連帯債務が認められれば、持分に応じた債務返済分と修繕引当金を差し引いた額を充てます。

配偶者が亡くなった場合は、子2人で残った財産と債務を分けます。分けたあと、信託を終了するということができます。

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参考

かふうVol.604

「よくわかる不動産相続Q&A」

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