家族信託の講座その1 無事に終了
2017年の記事です。
来年に向けて、そして今年の集大成と位置付けていた事務所主催の講座を先週無事に終えることができました。
約1年ぶりの開催、説明や進め方も今までとは違う方法、そして初の有料講座。
年末の慌ただしい中、来てくださった方、チラシを置いてくださった事業者様、そして、場所とドルチェセットを提供していただいたPIZZANIA MARINO様。
ありがとうございました。
改善することもありました。
回数は制限がありますが、今後も話法を磨いていきたいと思います。
色々な質問
・信託専用口座の名義は、どのような記載方法になりますか?
・信託監督人を付けないといけない、と他の専門家(この方が信託監督人)から言われていますが本当ですか?
・○○プランナーという方へ家族信託の相談をしていますが、プランの料金が○○○万円です。他に専門家に頼む際の費用が○○万円と言われています。妥当ですか?
・信託専用口座があるのに、受益者個人の口座はなぜ必要なんですか?
・受託者と受益者代理人が夫婦なのに、意味があるんですか?
・受託者は、信託専用口座からお金を引き落とすことは自由なんですか?自分のために使おうと思えば使えるんですか?
株式会社の株式との比較
株式 受益権
地位 株主 受益者
権利 自益権・共益権・処分権 受益債権
共益権
意思決定機関 株主総会 受益者集会
共有となる原因 吸収合併・相続などの包括承継 信託設定時
受益権移転時
信託終了時
株式の集約
(出典:日本M&AセンターHP2017/06/14閲覧)
M&Aコンサルタントの目
バトンタッチしやすい会社は、3つの準備ができている
【準備1. 社長業務の権限委譲を進めると同時にノウハウを把握する】
社長業務の権限委譲を進めながら、経営の肝となるノウハウについてはキーマン任せにせずに経営者が把握しておくことが大切です。
【準備2. M&Aへの反対を想定したとき、対処できるかどうか】
M&A=株の売買による経営権の移転です。株が売れる状態になっていることがM&Aのための条件になるわけです。
もっと言えば、相続などでの株式の分散はM&Aの意思決定においてハードルになってしまうということです。なるべくオーナー経営者に株式を集約しておきましょう。
【準備3. 直近の業績を試算表で把握できる状態にする】
すぐに試算表が出てくる会社は信頼され、結果として売れる会社になるのです。
【準備+1 経営者に認知症の傾向がある場合】
民事信託、家族信託を利用して株式や事業の名義を受託者に移しておく。
バトンタッチにかかる交渉は、ときに長時間を要することもあると思います。
もし途中で経営者、株主に認知症の傾向が出てきた場合は、最後に株式譲渡の契約ができなくなることも考えられます。
このような場面で民事信託、家族信託を利用する方法
(例)株主を委託者兼最初の受益者、
息子を受託者、次の受益者、
残余財産の帰属権利者を信託終了時の受益者、
信託目的を会社(事業)の売却として信託契約を締結する。
交渉に関しては、現経営者を同席してもらい、株式譲渡契約は受託者である息子が行う。
売却代金が信託財産に入金され、クロージング後に信託契約を終了し、株主が委託者兼最初の受益者が存命であれば、受託者が受益者に対して売却代金を引き渡す。
合同会社の資本
合同会社の資本
(設立時)
社員資本 300万円
資本金 300万円
資本剰余金 0円
利益剰余金 0円
3年後、1000万円の利益が出た場合
社員資本 1300万円
資本金 300万円
資本剰余金 0円
利益剰余金 1000万円