https://bambooincubator.jp/template/angels
BAMBOO INCUBATOR 投資契約書雛形『ANGELs』
誤りなどありましたら、指摘願います。
構成
普通株式を発行して、エンジェル投資家に割り当てる場合の書式
・登記申請書
・臨時株主総会議事録
・株主リスト
・払込みがあったことを証する書面
・資本金計上証明書
・株主名簿
・投資契約書(普通株式)
みなし優先株式を発行して、エンジェル投資家に割り当てる場合の書式
投資契約及び株主間契約
・投資契約書(みなし優先株式)
・みなし優先株式に関する株主間合意書
発行時書式
・臨時株主総会議事録
・株主リスト
・払込みがあったことを証する書面
・資本金計上証明書
・株主名簿
優先株式への転換時書式
・合意書・同意書(転換)
・臨時株主総会議事録(転換)
経済産業省 第8回 スタートアップ・イノベーションワーキング・グループ 議事次第
令和5年3月2日(木)
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2210_01startup/230302/startup08_agenda.html
普通株式を発行して、エンジェル投資家に割り当てる場合の書式
・登記申請書(会社法915条)
法務省 1-20 株式会社変更登記申請書(募集株式発行)
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#1-20
に準じた形になっています。
添付書類に、株主総数引受契約書兼投資契約書(商号登記法56条)がありませんが、臨時株主総会議事録の別紙として提供する方法を採っています。臨時株主総会で私なら、登記すべき事項に原因年月日の欄を追加すると思いました。
・臨時株主総会議事録
総数引き受け契約(会社法205条)、払込期日の方法です。総数契約書兼投資契約書で合意した株式の数を、募集株式の数の下限としています。
・株主リスト
株主総会等の年月日を記載してください、の等は、株主総会の決議の省略(会社法319条)を指しているのかなと思いました。
・株主名簿
会社法121条の通り。
・投資契約書
総数引受契約書(会社法205条)を兼ねています。
定義の条項について
反社会的勢力の分量が多いです。企業が今後、証券取引所に上場する可能性を考えた場合の細かい定義だと思います。
官公庁、証券取引所などから出ている反社会的勢力の定義で、同じような定義を探すことが出来ませんでした。
経営株主の定義があります。説明がある別紙には、所在地、名称、連絡先の記載欄があります。経営株主という名前から、取締役などの業務を執行する役員で、一定の割合の株式を持っている人のことを指すと想定されます。一定の割合、が過半数を指すのか、それとも発行会社によって、投資家に説明が出来れば何パーセントでも良いのか、分かりませんでした。
資金使途条項について
原則として発行会社は、投資家に説明した事業を遂行する目的にのみ使用、例外として事業内容を大幅に変更する場合で、投資家との協議を経たときは、可能としています。ここで協議を行う投資家は、全ての投資家を指していると思われます。投資家との協議を得て、同意を得られた場合は可能だと思いますが、同意を得られなかった場合は、発行会社が株式を買い取るのか、分かりませんでした。
発行会社及び経営株主による事実の表明及び保証条項において
信用状況に悪影響を及ぼすべき、の、べき、が分かりませんでした。裁判その他の法的手続又は行政・税務その他の手続、について、その他の手続として、どのような手続が考えられるのか、分かりませんでした。
反社会的勢力に関与していないことを表明保証する特別利害関係者等、どのような立場の人なのか、分かりませんでした。
事業の全部又は重要な一部の休廃止又は第三者への譲渡もしくは経営の委任がないことを表明保証しています。事業の重要な一部の休廃止について、休止・廃止しても経営に不都合がなければ良いのではないか、と思いましたが、私に根拠があるわけではないので、分かりませんでした。
100万円を超える債務の不履行がないことの表明保証は、金額が分かりやすくて良いなと思いました。
投資家の事前の承諾を得ていない、合併、事業譲渡、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付、発行会社の主要株主(発行会社の発行済株式総数の10%以上にあたる株式を所有する株主をいう。以下同じ。)の異動、その他の企業再編又は企業譲渡行為についての交渉又はその準備の事実がないことについて、表明保証する条項となっています。主要株主の定義が出てきます。定義条項の2条に置いても良いのかなと思いました。交渉や準備に関しても、投資家の事前の承諾が必要なのだなと思いました。
払込みの条件条項について
書面により、というところが気になりましたが、13条で電磁的記録(Eメール等)でもよいと手当てされています。
発行行会社及び経営株主が交付した書面及び提供した資料もしくは情報が、払込期日現在においても、重要な点において真実かつ正確であることを表明保証しています。重要な点と重要でない点は、どのように分けるのか、分かりませんでした。次号の、重大な悪影響を及ぼす事態が発生していないこと、の重大な悪影響を及ぼす事態、についても同じくです。
事前通知条項について
投資家に事前通知するのは、取締役会または株主総会の何日前でも良いのか、気になりました。投資家に事前通知を要する事項に株式分割が入っていないのは、株主が損をすることはないからかな、と思いました。株式併合が入っていないのは、株主総会で決議するから良い、という考えなのかなと思いました。
経営株主の兼業、競業避止義務条項について
経営株主は、投資家の事前の承諾がある場合は兼業可能とされています。経営株主が、兼業の承諾を求めたときの全ての投資家、という意味だと思います。競業避止義務条項についても同じ基準だと思われます。
経営株主が自己の責に帰すべき事由により発行会社の取締役を辞任又は退任する場合には、発行会社は、(いつの時点の?全ての?)投資家と事前協議が必要とされています。辞任届を会社に提出する前に、投資家と協議をすれば、辞任の承諾を得られなくても辞任することが出来るものと思われます。投資家にとって、不意打ちにならないように、この役員が辞めるのではあれば、株式を誰かに譲渡しよう、など考える時間と機会を与えるものための条項だと想定します。
株式の譲渡及び買取り条項について
買取対象株式の定義が出てきます。第2条の定義条項においても良いのかなと思いました。この条項でしか使わないため、あえて第2条に置いていないかもしれません。
買取り対象株式の価額調整に関する条項があります。
5つある計算方法のうち、一番高い価額とされており、投資家にとって不利にならないような条項になっていると思います。
株式の譲渡条項について
この条項にある第三者とは、経営株主による事実の表明及び保証条項で定められている、発行会社、経営株主を含む発行会社の取締役、監査役、従業員、株主、取引先、顧問その他のアドバイザー及び特別利害関係者等、以外の人を指しているのかなと思いました。それとも、発行会社以外を第三者、としているのかもしれません。
通知条項について
この条項で、契約書の中で書面と定められていたものが、全て電子メールとの併用が可能となります。
契約の終了条項について
投資家が発行会社の株主とならなかった場合と、投資家が発行会社の株主でなくなった場合が規定されています。投資家が発行会社の株主とならなかった場合は、臨時株主総会で募集株式の発行を決議して、投資契約を締結した後、払込み期日の前後に、何かしらの事実があった場合などが考えられます。表明保証違反、払込みがされなかった(会社法209条)、など。投資家が発行会社の株主でなくなった場合は、株式を譲渡した場合などが考えられます。
発行会社が証券取引所に株式の上場申請を行った場合には、一度契約は失効し、上場できなかった場合は、上場申請日に遡って契約は有効になることが定められています。この契約書は株式総数引き受け契約を含んでいるので、発行会社の発行済み株式の総数も減り、登記等も申請する必要があるのかなと思いましたが、上場できなかった場合の対応や投資家・発行会社の意思も想像すると違和感があります。事前通知条項などが失効する意味なのかなと思いました。
エンジェル税制等条項について
第一基準日・・・租税特別措置法施行規則第18条の15第8項第1号イ
1項は、投資家による表明保証に関する規定です。
租税特別措置法施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332M50000040015
(特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等)
第十八条の十五
8 法第三十七条の十三第二項に規定する財務省令で定める書類は、次に掲げる書類(第三号に掲げる書類にあっては、同条第一項に規定する控除対象特定株式を取得した日の属する年中の同号イからハまでに掲げる事項の記載があるものに限る。)とする。
一 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める書類
イ 法第三十七条の十三第一項第一号に掲げる株式会社に該当する特定中小会社(中小企業等経営強化法施行規則第八条第五号イ又はロに該当する会社に限る。)が発行した特定株式である場合 当該特定中小会社から交付を受けた都道府県知事の当該特定株式に係る基準日(第一項各号に掲げる特定株式の区分に応じ当該各号に定める日をいう。ハ、ニ、次号及び第十項において同じ。)において(1)から(3)までに掲げる事実の確認をした旨を証する書類((4)に掲げる事項の記載があるものに限る。)
(1) 当該特定中小会社が中小企業等経営強化法施行規則第八条各号に掲げる要件に該当するものであること。
(2) 当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者による当該特定株式の取得が、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者と当該特定中小会社との間で締結された第四項第一号に定める契約に基づき払込みによりされたものであること。
(3) 当該特定株式が特例控除対象特定株式(施行令第二十五条の十二第八項に規定する特例控除対象特定株式をいう。以下この条において同じ。)に該当する場合には、当該特定中小会社が第十項第一号に定める要件に該当するものであること。
(4) 当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の氏名及び住所(国内に住所を有しない者にあっては、所得税法施行規則第八十一条第一号又は第二号に定める場所。以下この号において同じ。)、払込みにより取得がされた当該特定株式の数及び当該特定株式と引換えに払い込むべき額並びにその払い込んだ金額
(特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例)
第四十一条の十九 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、次の各号に掲げる株式会社(以下この項において「特定新規中小会社」という。)の区分に応じ当該各号に定める株式(以下この項において「特定新規株式」という。)を払込み(当該株式の発行に際してするものに限る。以下この項及び次項において同じ。)により取得(第二十九条の二第一項本文の規定の適用を受けるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)をした場合において、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者(当該取得をした日においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合に当該特定新規中小会社が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおける当該株主その他の政令で定める者であつたものを除く。)がその年中に当該払込みにより取得をした特定新規株式(その年十二月三十一日において有するものとして政令で定めるものに限る。以下この条において「控除対象特定新規株式」という。)の取得に要した金額として政令で定める金額(当該金額の合計額が八百万円を超える場合には、八百万円)については、所得税法第七十八条(同法第百六十五条第一項の規定により準じて計算する場合を含む。)の規定を適用することができる。この場合において、同法第七十八条第一項中「支出した場合」とあるのは「支出した場合又は租税特別措置法第四十一条の十九第一項(特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例)に規定する特定新規株式を同項に規定する払込みにより取得(同項に規定する取得をいう。以下この項において同じ。)をした場合」と、同項第一号中「の額」とあるのは「の額及びその年中に取得をした租税特別措置法第四十一条の十九第一項に規定する控除対象特定新規株式の取得に要した金額として同項に規定する政令で定める金額」と、同条第四項中「控除は」とあるのは「控除(租税特別措置法第四十一条の十九第一項の規定による控除を含む。)は」とする。
一 中小企業等経営強化法第六条に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社(その設立の日以後の期間が一年未満のものその他の財務省令で定めるものに限る。) 当該株式会社により発行される株式
二 内国法人のうちその設立の日以後五年を経過していない株式会社(第三十七条の十三第一項第二号に規定する中小企業者に該当する会社であることその他の財務省令で定める要件を満たすものに限る。) 当該株式会社により発行される株式で同号イ又はロに掲げるもの
三 第三十七条の十三第一項第三号に掲げる指定会社 当該指定会社により発行される株式
四 国家戦略特別区域法第二十七条の五に規定する株式会社 当該株式会社により発行される株式で国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第五十六号)附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日から令和六年三月三十一日までの間に発行されるもの
五 内国法人のうち地域再生法第十六条に規定する事業を行う同条に規定する株式会社 当該株式会社により発行される株式で地域再生法の一部を改正する法律(平成三十年法律第三十八号)の施行の日から令和六年三月三十一日までの間に発行されるもの
2 前項の規定の適用を受けた控除対象特定新規株式及び当該控除対象特定新規株式と同一銘柄の株式で、その適用を受けた年中に払込みにより取得をしたものについては、第三十七条の十三第一項及び第三十七条の十三の二第一項の規定は、適用しない。
3 第一項の規定の適用を受けた場合における控除対象特定新規株式と同一銘柄の株式の取得価額の計算の特例その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
租税特別措置法施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332CO0000000043
(特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例)
第二十六条の二十八の三 法第四十一条の十九第一項に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 法第四十一条の十九第一項に規定する特定新規株式(以下この条において「特定新規株式」という。)を払込み(同項に規定する払込みをいう。以下この条において同じ。)により取得(同項に規定する取得をいう。以下この条において同じ。)をした日として財務省令で定める日において、財務省令で定める方法により判定した場合に当該特定新規株式を発行した特定新規中小会社(同項に規定する特定新規中小会社をいう。以下この条において同じ。)が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおける当該判定の基礎となる株主として財務省令で定める者
二 当該特定新規株式を発行した特定新規中小会社の設立に際し、当該特定新規中小会社に自らが営んでいた事業の全部を承継させた個人(以下この項において「特定事業主であつた者」という。)
三 特定事業主であつた者の親族
四 特定事業主であつた者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
五 特定事業主であつた者の使用人
六 前三号に掲げる者以外の者で、特定事業主であつた者から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの
七 前三号に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族
八 前各号に掲げる者以外の者で、特定新規中小会社との間で当該特定新規株式に係る投資に関する条件を定めた契約として財務省令で定める契約を締結していないもの
1項1号では、投資家が寄付金控除の適用を受けようとする場合、その前提条件(発行会社と資本上の関係があること、親族ではないこと。)を表明保証しています。
租税特別措置法
特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等)
第二十九条の二 会社法(平成十七年法律第八十六号)第二百三十八条第二項の決議(同法第二百三十九条第一項の決議による委任に基づく同項に規定する募集事項の決定及び同法第二百四十条第一項の規定による取締役会の決議を含む。)により新株予約権(政令で定めるものに限る。以下この項において「新株予約権」という。)を与えられる者とされた当該決議(以下この条において「付与決議」という。)のあつた株式会社若しくは当該株式会社がその発行済株式(議決権のあるものに限る。)若しくは出資の総数若しくは総額の百分の五十を超える数若しくは金額の株式(議決権のあるものに限る。)若しくは出資を直接若しくは間接に保有する関係その他の政令で定める関係にある法人の取締役、執行役若しくは使用人である個人(当該付与決議のあつた日において当該株式会社の政令で定める数の株式を有していた個人(以下この項及び次項において「大口株主」という。)及び同日において当該株式会社の大口株主に該当する者の配偶者その他の当該大口株主に該当する者と政令で定める特別の関係があつた個人(以下この項及び次項において「大口株主の特別関係者」という。)を除く。以下この項、次項及び第六項において「取締役等」という。)若しくは当該取締役等の相続人(政令で定めるものに限る。以下この項、次項及び第六項において「権利承継相続人」という。)又は当該株式会社若しくは当該法人の取締役、執行役及び使用人である個人以外の個人(大口株主及び大口株主の特別関係者を除き、中小企業等経営強化法第十三条に規定する認定新規中小企業者等に該当する当該株式会社が同法第九条第二項に規定する認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画(当該新株予約権の行使の日以前に同項の規定による認定の取消しがあつたものを除く。)に従つて行う同法第二条第八項に規定する社外高度人材活用新事業分野開拓に従事する同項に規定する社外高度人材(当該認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画に従つて当該新株予約権を与えられる者に限る。以下この項において同じ。)で、当該認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の同法第八条第二項第二号に掲げる実施時期の開始の日(当該認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の変更により新たに当該社外高度人材活用新事業分野開拓に従事することとなつた社外高度人材にあつては、当該変更について受けた同法第九条第一項の規定による認定の日。次項第二号において「実施時期の開始等の日」という。)から当該新株予約権の行使の日まで引き続き居住者である者に限る。以下この条において「特定従事者」という。)が、当該付与決議に基づき当該株式会社と当該取締役等又は当該特定従事者との間に締結された契約により与えられた当該新株予約権(当該新株予約権に係る契約において、次に掲げる要件(当該新株予約権が当該取締役等に対して与えられたものである場合には、第一号から第六号までに掲げる要件)が定められているものに限る。以下この条において「特定新株予約権」という。)を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権に係る株式の取得をした場合には、当該株式の取得に係る経済的利益については、所得税を課さない。ただし、当該取締役等若しくは権利承継相続人又は当該特定従事者(以下この項及び次項において「権利者」という。)が、当該特定新株予約権の行使をすることにより、その年における当該行使に際し払い込むべき額(以下この項及び次項において「権利行使価額」という。)と当該権利者がその年において既にした当該特定新株予約権及び他の特定新株予約権の行使に係る権利行使価額との合計額が、千二百万円を超えることとなる場合には、当該千二百万円を超えることとなる特定新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益については、この限りでない。
1項各号、2項以下略―
1項2号は、投資家が、大口株主、大口株主の特別関係者、取締役等、権利承継相続人に該当しないことを表明保証する規定です。
租税特別措置法施工令
(特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等)
第二十五条の十二
8 法第三十七条の十三第一項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年中に取得をした同項に規定する控除対象特定株式(同項第一号又は第二号に掲げる株式会社でその設立の日以後の期間が五年未満の株式会社であることその他の財務省令で定める要件を満たすもの(次項及び第十項第一号ロにおいて「特例株式会社」という。)の特定株式に係るものに限る。以下この項において「特例控除対象特定株式」という。)の取得に要した金額の合計額につき同条第一項の規定の適用を受けた場合において、当該適用を受けた金額として財務省令で定める金額(以下この項において「適用額」という。)が二十億円を超えたときは、その適用を受けた年(以下この項及び次項において「適用年」という。)の翌年以後の各年分における所得税法第四十八条の規定並びに所得税法施行令第二編第一章第四節第三款及び第百六十七条の七第四項から第七項までの規定並びに第二十五条の十二の四第四項の規定の適用については、これらの規定により当該各年分の必要経費又は取得費に算入すべき金額の計算の基礎となる当該適用年に法第三十七条の十三第一項の規定の適用を受けた特例控除対象特定株式(以下この条において「特例適用控除対象特定株式」という。)に係る同一銘柄株式一株当たりの同令第百五条第一項の規定により算出した取得価額は、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額とし、当該同一銘柄株式一株当たりの同令第百十八条第一項の規定により算出した必要経費に算入する金額及び取得費に算入する金額は、当該控除に準じて計算した金額とする。
一 当該特例適用控除対象特定株式に係る同一銘柄株式一株当たりの当該適用年の十二月三十一日における所得税法施行令第百五条第一項の規定により算出した取得価額
二 当該特例適用控除対象特定株式に係る適用年の次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を当該適用年の十二月三十一日において有する当該特例適用控除対象特定株式に係る同一銘柄株式の数で除して計算した金額
イ 当該適用年において当該特例適用控除対象特定株式以外の特例適用控除対象特定株式(ロにおいて「他の特例適用控除対象特定株式」という。)がない場合 適用額から二十億円を控除した残額
ロ 当該適用年において他の特例適用控除対象特定株式がある場合 適用額から二十億円を控除した残額に、当該特例適用控除対象特定株式の取得に要した金額(第三項の規定により計算される同項に規定する取得に要した金額をいう。ロにおいて同じ。)と当該他の特例適用控除対象特定株式の取得に要した金額との合計額のうちに占める当該特例適用控除対象特定株式の取得に要した金額の割合を乗じて計算した金額
1項3号は、投資家が株式取得後に株式の数の変更があった場合、発行会社へ報告することを表明保証する規定です。ただし書きとして、寄付金控除を受けようとする適用年に、特定株式の取得に要した金額が20億円以下の場合は、報告しなくても良い、としています。
20億円を超えることはあまりないと思われるので、報告義務が生じることはないのかなと思いました。
2項は発行会社による誓約事項です。
1号は、投資家が寄付金控除を受ける場合には、必要な書類を作成し、投資家に交付することを誓約しています。
中小企業等経営強化法施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411M50000400074_20230401_505M60000400021
(特定新規中小企業者に係る株式の払込みの確認)
第十一条 法第七条の規定による確認を受けようとする法第六条に規定する特定新規中小企業者は、その発行する株式を払込みにより取得した個人ごと(第九条第一項の確認を受けた特定新規中小企業者が、その発行する株式の払込みの期日又はその期間を複数回定めた場合にあっては、個人及び当該期日又は当該期間ごと)に、様式第六による申請書一通を都道府県知事に提出するものとする。
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。
一 当該特定新規中小企業者(第九条第一項の確認を受けていないもの及び同項の確認を受けた後にその主たる事務所を他の都道府県に移転したものに限る。以下この号において同じ。)が法第六条に規定する要件に該当することを証する書類として次に掲げる書類
イ 登記事項証明書
ロ 基準日(第一項に規定する株式の払込みの期日(払込みの期間を定めた場合にあっては、出資の履行をした日)又は当該株式が当該特定新規中小企業者の設立に際して発行された場合は、当該設立の日(当該特定新規中小企業者が第八条第五号ハに該当する会社である場合は、当該設立の日の属する年十二月三十一日)をいう。ニ及び第二号イからハまでにおいて同じ。)におけるその株主名簿
以下略―
2号は、投資家が払込みを行う際において、発行会社が寄付金控除を受けることが出来る会社であることを誓約しています。
中小企業等経営強化法施行規則
第十条 前条第一項の規定による確認を受けようとする新規中小企業者は、同項の確認に加え、次に掲げる要件のいずれかに該当することについて、都道府県知事の確認を受けることができる。この場合においては、前条第二項の様式第一による申請書に代えて、様式第二による申請書を都道府県知事に提出するものとする。
一 設立の日以後の期間が一年未満の会社(設立事業年度を経過していないものに限る。)であって、事業の将来における成長発展に向けた事業計画を有するもの
二 次のイ及びロのいずれにも該当するものであること。
イ 設立の日以後の期間が五年未満の会社であって、設立後の各事業年度における営業活動によるキャッシュ・フロー(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号)第百十二条第一号に掲げる営業活動によるキャッシュ・フローをいう。)が零未満であるもの
ロ 次の(1)から(4)までのいずれかに該当するもの
(1) 設立の日以後の期間が一年未満の会社(設立事業年度を経過しているものに限る。)であって、前事業年度において試験研究費等合計額の収入金額に対する割合が百分の五を超えるもの又は第八条第五号イ(2)若しくは(3)に該当するもの
(2) 設立の日以後の期間が一年以上二年未満の会社であって、前事業年度において試験研究費等合計額の収入金額に対する割合が百分の五を超えるもの、売上高成長率が百分の百二十五を超えるもの又は第八条第五号イ(3)に該当するもの
(3) 設立の日以後の期間が二年以上三年未満の会社であって、前事業年度において試験研究費等合計額の収入金額に対する割合が百分の五を超えるもの又は売上高成長率が百分の百二十五を超えるもの
(4) 設立の日以後の期間が三年以上五年未満の会社であって、前事業年度において試験研究費等合計額の収入金額に対する割合が百分の五を超えるもの
以下略―
3号は、発行会社が設立の日から一定の期間を経過していないことなどを誓約しています。
中小企業等経営強化法施行規則
第十二条 第八条第五号イ又はロ及び第六号イ又はロに掲げる要件に該当する特定新規中小企業者(第十条第一項の確認を受けていないものに限る。)は、前条第一項の確認に加え、第十条第一項第一号又は第二号に該当することについて、都道府県知事の確認を受けることができる。この場合においては、前条第一項の様式第六による申請書に代えて、様式第七による申請書を都道府県知事に提出するものとする。
2 第十条第二項及び第三項の規定は、前項の確認の申請について準用する。この場合において、第十条第二項中「同条第二項」とあるのは「同条第一項」と、同条第三項中「新規中小企業者」とあるのは「特定新規中小企業者」と、「様式第五」とあるのは「様式第十二」と読み替えるものとする。
4号は、投資家が寄付金控除を受けようとする場合、都道府県知事による確認書を交付することを誓約しています。
租税特別措置法施行規則第18条の15
8項
三 当該特定株式を発行した特定中小会社(当該特定中小会社であつた株式会社を含む。)から交付を受けた当該特定株式を払込みにより取得をした当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が有する当該特定中小会社の株式の当該取得の時(当該取得の時が二以上ある場合には、最初の取得の時)以後の当該株式の異動につき次に掲げる事項がその異動ごとに記載された明細書
イ 異動事由
ロ 異動年月日
ハ 異動した株式の数及び当該異動直後において有する株式の数
ニ その他参考となるべき事項
以下略―
5号は、株式の異動についての明細書を、投資家に交付することを誓約しています(投資家が税制上の減免を求めるときには、それに応じた様式。)
6号は、発行会社に、投資契約が終了するような事実が生じた場合は、その事実を証する書面を作成し、投資家に交付することを誓約しています。
7号は、発行会社が、投資家が寄付金控除を受けることが出来る状態であることを確認できる情報、書類を投資家に交付することを誓約しています。
参考
中小企業庁 投資契約書のひな形について
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/shikinguri/equityfinance/index.html
経済産業省 エンジェル投資に対する措置
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/angeltax/investment.html
弁護士法人アインザッツ エンジェル税制の体系について
https://einsatz.law/blog/angel-tax-system/
一般社団法人Fintech協会
20231208_スタートアップに対する株式投資にかかる契約書雛形の公表について_FAJ-1
https://fintechjapan.org/news/14365/