令和6年3月15日法務省民二第535号「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続人申告登記関係 (通達))第1通則

令和6年3月15日法務省民二第535号「民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続人申告登記関係 (通達))第1通則

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00465.html

民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号。以下「改正法」という )の施行に伴う不動産登記事務の取扱い(相続人申告登記関係。令和6年4月1日施行)については、下記の点に留意するよう、貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。

なお、本通達中、「法」とあるのは改正法による改正後の不動産登記法(平成16年法律第123号)を、「令」とあるのは不動産登記令(平成16年政令第379号)を、「規則」とあるのは不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第7号。以下「改正省令」という。)による改正後の不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)を、「準則」とあるのは不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付け法務省民二第456号当職通達)をいいます。

  • 本通達の趣旨

本通達は、所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、所有者不明土地の発生を予防するとともに、土地の適正な利用及び相続による権利の承継の一層の円滑化を図るための民事基本法制の見直しを内容とする改正法の施行に伴い、不動産登記事務の取扱い(相続人申告登記関係)において留意すべき事項(民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(相続登記等の申請義務化関係 (令和5年9月12日付け法務省民二第927号当職通達)において示したものを除く。)を明らかにしたものである。

  • 相続人申告登記に関する事務の取扱い

第1 通則1

定義

(1)「相続人申出」とは、法第76条の3第1項の規定による申出をいうとされた(規則第158条の2第1号)。

(2) 「相続人申告登記」とは、法第76条の3第3項の規定による登記をいうとされた(規則第158条の2第2号)。

(3) 「相続人申告事項」とは、法第76条の3第3項の規定により所有権の登記に付記する事項をいうとされた(規則第158条の2第3号)。

(4) 「相続人申告名義人」とは、相続人申告登記によって付記された者をいうとされた(規則第158条の2第4号)

(5) 「相続人申告事項の変更の登記」とは、相続人申告事項に変更があった場合に当該相続人申告事項を変更する登記をいうとされた(規則第158条の2第5号)。

(6) 「相続人申告事項の更正の登記」とは、相続人申告事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該相続人申告事項を訂正する登記をいうとされた(規則第158条の2第6号)。

(7) 「相続人申告登記の抹消」とは、相続人申告登記を抹消することをいうとされた(規則第158条の2第7号)。

(8) 「相続人申出等」とは、相続人申出、相続人申告事項の変更若しくは更正の申出又は相続人申告登記の抹消の申出をいうとされた(規則第158条の2第8号)。

(9) 「相続人申告登記等」とは、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記、相続人申告事項の更正の登記又は相続人申告登記の抹消をいうとされた(規則第158条の2第9号)。

(10)「相続人電子申出」とは、規則第158条の4第1号に掲げる方法による相続人申出等をいうとされた(規則第158条の2第10号)。

(11) 「相続人書面申出」とは、規則第158条の4第2号に掲げる方法による相続人申出等をいうとされた(規則第158条の2第11号)。

(12) 「相続人申出等情報」とは、規則第158条の3第1項各号、第158条の19第1項各号又は第158条の24第2項各号に掲げる事項に係る情報をいうとされた(規則第158条の2第12号)。

(13) 「相続人申出書」とは、相続人申出等情報を記載した書面をいうとされた(規則第158条の2第13号)。

(14) 「相続人申出等添付情報」とは、相続人申出等をする場合において、規則第3章第3節第2款の2の規定によりその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならないものとされている情報をいうとされた(規則第158条の2第14号)。

(15) 「相続人申出等添付書面」とは、相続人申出等添付情報を記載した書面をいうとされた(規則第158条の2第15号)

2 相続人申出等情報

  • 相続人申出等において明らかにすべき事項

ア 相続人申出等は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならないとされた(規則第158条の3第1項)。

(ア) 申出人の氏名及び住所

(イ) 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名

(ウ) 申出の目的

(エ) 申出に係る不動産の不動産所在事項

イ 相続人申出等情報の内容とする前記ア(ウ)の申出の目的は、次の振り合いによるものとする。

(ア) 相続人申出の場合「相続人申告」

(イ) 相続人申告事項(氏名)の変更の申出の場合「何番付記何号名義人氏名変更」

(ウ) 相続人申告事項(住所)の変更の申出の場合「何番付記何号名義人住所変更」

(エ) 相続人申告事項(氏名)の更正の申出の場合「何番付記何号名義人氏名更正」

(オ) 相続人申告事項(住所)の更正の申出の場合「何番付記何号名義人住所更正」

(カ) 相続人申告事項(氏名又は住所以外)の更正の申出の場合「何番付記何号相続人申告事項更正」

(キ) 相続人が単独でした相続人申出に係る相続人申告登記についての抹消の申出「何番付記何号名義人抹消」

(ク) 相続人が複数人でした相続人申出に係る相続人申告登記の一部についての抹消の申出の場合「何番付記何号名義人一部抹消」

(2) 不動産番号の取扱い前記(1)ア(エ)にかかわらず、不動産番号を相続人申出等情報の内容としたときは、同(エ)に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とすることを要しないとされた(規則第158条の3第2項)。

(3) 相続人申出等情報の内容とするものとする事項)相続人申出等においては、前記(1)ア(ア)から(エ)までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするものとするとされた(規則第158条の3第3項)。

ア 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先

イ 相続人申出等添付情報の表示

ウ 申出の年月日

エ 登記所の表示

3 相続人申出等の方法

相続人申出等は、次に掲げる方法のいずれかにより、相続人申出等情報を登記所に提供してしなければならないとされた(規則第158条の4)。

ア 電子情報処理組織を使用する方法

イ 相続人申出書を提出する方法

4 相続人申出等情報の作成及び提供

ア 相続人申出等情報は、申出の目的及び登記原因に応じ、一の不動産及び申出人ごとに作成して提供しなければならないとされた ただし、次に掲げるときは この限りでないとされた(規則第158条の5)

(ア) 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、後記第2の1(1)ア(ア)から(ウ)までに掲げる事項(相続人申出において明らかにすべき事項)が同一である相続人申出をするとき。

(イ) 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、同一の相続人申告名義人の氏名又は住所についての変更又は更正の申出をするとき。

(ウ) 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について、抹消の理由並びに抹消すべき後記第2の3(1)ア(エ)及び(オ)に掲げる事項(所有権の登記名義人及び中間相続人について相続が開始した年月日等)が同一である相続人申告登記の抹消の申出をするとき。

イ 前記ア(ア)の「後記第2の1(1)ア(ア)から(ウ)までに掲げる事項が同一である相続人申出」とは、例えば、所有権の登記名義人についての相続により所有権を取得した当該登記名義人の配偶者及びがする相続人申出が該当する。

ウ 前記ア(ウ)の「抹消の理由」とは、抹消の申出の対象とする相続人申告登記において該当する後記第4の1(1)ア(ア)又は(イ)(相続人申告登記の抹消の申出に係る要件)の内容を指すものである。

 これにより、例えば、同一の登記所の管轄区域内にある複数の不動産の所有権の登記名義人である者に係る一人の相続人申告名義人が、相続放棄をしたことを理由として、各不動産の相続人申告登記の抹消の申出を一括で行うことができる。

 また、同一人が同一の登記所の管轄区域内にある複数の不動産についての相続人申出を一括で行った場合において、申出の権限を有しない者による申出であることを理由として、当該申出に基づく各不動産の相続人申告登記の抹消の申出を一括で行うこともできる。

5 相続人申出等添付情報

 代理人によって相続人申出等をするときは、当該代理人の権限を証する情報をその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならないとされた(規則第158条の6)。

 なお、後記7(2)のとおり、相続人電子申出において送信する代理人の権限を証する情報については、他の相続人申出等添付情報と異なり、作成者の電子署名を要しない。相続人書面申出における代理人の権限を証する情報については、作成者の押印又は署名を要しない。

6 相続人申出等添付情報の省略等

(1) 同一の登記所に対して同時に二以上の相続人申出等をする場合において 各相続人申出等に共通する相続人申出等添付情報があるときは、当該相続人申出等添付情報は、一の相続人申出等の相続人申出等情報と併せて提供することで足りるとされた(規則第158条の7において準用する規則第37条第2項)。

(2) 前記(1)の場合においては、当該相続人申出等添付情報を当該一の相続人申出等の相続人申出等情報と併せて提供した旨を他の相続人申出等の相続人申出等情報の内容としなければならないとされた(規則第158条の7において準用する規則第37条第2項)。

(3) 法人である代理人によって相続人申出等をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができるとされた(規則第158条の7において準用する規則第37条の2)。

7 相続人電子申出の方法

(1)相続人電子申出における相続人申出等情報及び相続人申出等添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならないとされた。ただし、相続人申出等添付情報の送信に代えて、登記所に相続人申出等添付書面を提出することを妨げないとされた(規則第158条の8第1項)。

(2) 前記(1)本文により送信する相続人申出等添付情報(規則第158条の6に規定する代理人の権限を証する情報(前記5の代理人の権限を証する情報)を除く)は、作成者による規則第42条の電子署名が行われているものでなければならないとされた(規則第158条の8第2項において準用する令第12条第2項及び規則第158条の8第3項において準用する規則第42条)。

なお、前記(1)本文により送信する相続人申出等情報については、電子署名を要しない。

  • 前記(2)の電子署名が行われている相続人申出等添付情報を送信するときは、規則第43条第2項の電子証明書を併せて送信しなければならないとされた(規則第158条の8第2項において準用する令第14条及び規則第158条の8第3項において準用する規則第43条第2項)。

8 相続人電子申出において相続人申出等添付書面を提出する場合についての特例等

(1) 前記7(1)ただし書(いわゆる別送方式)により相続人申出等添付書面を提出するときは、相続人申出等添付書面を登記所に提出する旨及び各相続人申出等添付情報につき書面を提出する方法によるか否かの別をも相続人申出等情報の内容とするものとするとされた(規則第158条の9第1項)。

(2) 前記(1)の場合には、当該相続人申出等添付書面は、相続人申出等の受付の日から二日以内に提出するものとするとされた(規則第158条の9第2項)。

(3) 前記(1)の場合には、申出人は、当該相続人申出等添付書面を提出するに際し、規則別記第4号の2様式による用紙に次に掲げる事項を記載したものを添付しなければならないとされた(規則第158条の9第3項)。

受付番号その他の当該相続人申出等添付書面を相続人申出等添付情報とする申出の特定に必要な事項

イ 前記7(1)ただし書(いわゆる別送方式)により提出する相続人申出等添付書面の表示

9 相続人書面申出の方法

  • 相続人書面申出をするときは、相続人申出書に相続人申出等添付書面を添付して提出しなければならないとされた(規則第158条の10第1項)。なお、相続人申出書に押印することを要しない。

(2) 相続人申出書に記載する文字は、字画を明確にしなければならないとされた(規則第158条の10第2項において準用する規則第45条第1項)。

(3) 相続人申出書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならないとされた。この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならないとされた(規則第158条の10第3項)。

  • 申出人又はその代理人は、相続人申出書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならないとされた(規則第158条の10第4項)。

10 相続人申出書等の送付方法

(1) 相続人申出等をしようとする者が相続人申出書又は相続人申出等添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとするとされた(規則第158条の11第1項)。

(2) 前記(1)の場合には、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を入れた封筒の表面に相続人申出書又は相続人申出等添付書面が在中する旨を明記するものとするとされた(規則第158条の11第2項)。

11 受領証の交付の請求

(1) 相続人書面申出をした申出人は、申出に係る登記が完了するまでの間、相続人申出書及びその相続人申出等添付書面の受領証の交付を請求することができるとされた(規則第158条の12において準用する規則第54条第1項)。

(2) 前記(1)により受領証の交付を請求する申出人は、相続人申出書の内容と同一の内容を記載した書面を提出しなければならないとされた。ただし、当該書面の申出人の記載については、申出人が二人以上あるときは、相続人申出書の筆頭に記載した者の氏名及びその他の申出人の人数を記載すれば足りるとされた(規則第158条の12において準用する規則第54条第2項)。

(3) 登記官は、前記(1)による請求があった場合には、前記(2)により提出された書面に相続人申出等の受付の年月日及び受付番号並びに職氏名を記載し、職印を押印して受領証を作成した上、当該受領証を交付しなければならないとされた(規則第158条の12において準用する規則第54条第3項)

12 相続人申出等添付書面の原本の還付請求

(1) 相続人申出等添付書面を提出した申出人は、相続人申出等添付書面の原本の還付を請求することができるとされた。ただし、当該申出のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第1項)。

(2) 前記(1)本文により原本の還付を請求する申出人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第2項)。

(3) 登記官は 前記(1)本文による請求があった場合には 調査完了後当該請求に係る書面の原本を還付しなければならないとされた。この場合には、前記(2)の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、前記(2)の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第3項)。なお、当該原本還付の旨の記載は、準則第30条の例によるものとする。

(4) 前記(3)により登記官印を押印した前記(2)の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとするとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第4項 )。

(5) 前記(3)にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な相続人申出等のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第5項)。

(6) 前記(3)による原本の還付は、申出人の申出により、原本を送付する方法によることができるとされた。この場合においては 申出人は送付先の住所をも申し出なければならないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第6項)。

(7) 前記(6)の場合における書面の送付は、前記(6)の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとするとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第7項)。

(8) 前記(7)の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第8項)。

(9) 前記(8)の指定は、告示してしなければならないとされた(規則第158条の13において準用する規則第55条第9項)。

(10) 相続人申出における相続人申出等添付書面の原本の還付を請求する場合において 後記第2の1(2)ア(ア)から(ウ)までに掲げる情報(相続人申出において提供しなければならない情報)に係る相続関係説明図が提出されたときは、当該相続関係説明図を当該情報を記載した書面の謄本として取り扱って差し支えない。

13 相続人申出等の受付等

(1) 登記官は、前記3(相続人申出等の方法)により相続人申出等情報が登記所に提供されたときは、当該相続人申出等情報に係る相続人申出等の受付をしなければならないとされた(規則第158条の14第1項)。

(2) 前記(1)による受付は、受付帳に申出の目的、申出の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録する方法によりしなければならないとされた(規則第158条の14第2項)。なお、当該受付帳は、規則第18条の2第1項の登記の申請について調製する受付帳を指す。

(3) 登記官は、相続人申出等の受付をしたときは、当該相続人申出等に受付番号を付さなければならないとされた(規則第158条の14第3項)。

(4) 登記官は、相続人書面申出の受付にあっては、前記(2)により受付をする際、相続人申出書に申出の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならないとされた(規則第158条の14第4項)。

(5) 前記(1)、(2)及び(4)は、後記第3の4(2)の許可があった場合(相続人申告事項の更正をすべき場合)又は後記第4の3(4)により相続人申告登記の抹消(申出によらない相続人申告登記の抹消)をしようとする場合について準用することとされた(規則第158条の14第5項)。

(6) 前記(1)から(5)までのほか、相続人申出等の受付及び相続人申出書等の処理に関する取扱いについては、準則第31条及び第32条の例によるものとする。

14 調査

 登記官は、相続人申出等情報が提供されたときは、遅滞なく、相続人申出等に関する全ての事項を調査しなければならないとされた(規則第158条の15において準用する規則第57条)。

15 相続人申出等の却下

  •  登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、相続人申出等を却下しなければならないとされた。ただし、当該相続人申出等の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでないとされた(規則第158条の16第1項)。

ア 申出に係る不動産の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。

イ 一個の不動産の一部についての申出を目的とするとき。

ウ 申出に係る登記(相続人申告登記のうち規則第158条の19第1項第1号に規定する中間相続人に係るものを除く )が既に登記されているとき。

エ 申出の権限を有しない者の申出によるとき。

オ 相続人申出等情報又はその提供の方法が規則により定められた方式に適合しないとき。

カ 相続人申出等情報の内容である不動産が登記記録と合致しないとき。

キ 相続人申出等情報の内容が相続人申出等添付情報の内容と合致しないとき。

ク 相続人申出等添付情報が提供されないとき。

(2) 登記官は 前記(1)ただし書の期間を定めたときは 当該期間内は当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該相続人申出等を却下することができないとされた(規則第158条の16第2項)。

(3) 登記官は、相続人申出等を却下するときは、決定書を作成して、これを申出人ごとに交付するものとするとされた。ただし、代理人によって相続人申出等がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りるとされた(規則第158条の16第3項において準用する規則第38条第1項)。

(4) 前記(3)の交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができるとされた(規則第158条の16第3項において準用する規則第38条第2項)。

(5) 登記官は、相続人申出等添付書面が提出された場合において、相続人申出等を却下したときは、相続人申出等添付書面を還付するものとするとされた。ただし、偽造された書面その他の不正な相続人申出等のために用いられた疑いがある書面については、この限りでないとされた(規則第158条の16第3項において読み替えて準用する規則第38条第3項)。

(6) 前記(1)から(5)までのほか、相続人申出等の却下に関する取扱いについては、準則第28条の例によるものとする。

16 相続人申出等の補正期限の連絡等

 相続人申出等の補正期限の連絡等に関する取扱いについては、準則第36条の例によるものとする。

17 相続人申出等の取下げ

  •  相続人申出等の取下げは、次のア及びイに掲げる相続人申出等の区分に応じ、当該ア及びイに定める方法によってしなければならないとされた(規則第158条の17第1項において準用する規則第39条第1項)。

相続人電子申出 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して相続人申出等を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法

イ 相続人書面申出 相続人申出等を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法

(2) 相続人申出等の取下げは、登記完了後は、することができないとされた(規則第158条の17第1項において準用する規則第39条第2項)。

(3) 登記官は、相続人申出書又は相続人申出等添付書面が提出された場合において、相続人申出等の取下げがされたときは、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を還付するものとするとされた(規則第158条の17第2項前段)。ただし、偽造された書面その他の不正な相続人申出等のために用いられた疑いがある書面については、この限りでないとされた(規則第158条の17第2項後段において準用する規則第38条第3項ただし書)。

(4)前記(1)から(3)までのほか、相続人申出等の取下げに関する取扱いについては、準則第29条の例によるものとする。

18 登記の方法等

(1) 相続人申出に関する登記は、付記登記によってするものとするとされた(規則第3条第3号)。

(2) 登記官は、同一の不動産に関し相続人申出等が二以上あったときは、これらに係る相続人申告登記等を受付番号の順序に従ってするものとする。同一の不動産に関し権利に関する登記の申請及び相続人申出等があったときも同様とする。

19 相続人申告登記等の完了通知

(1) 登記官は、相続人申告登記等を完了したときは、申出人に対し、職権による登記が完了した旨を通知しなければならないとされた。この場合において、申出人が二人以上あるときは、その一人に通知すれば足りるとされた(規則第158条の18第1項)。

(2) 前記(1)の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならないとされた(規則第158条の18第2項)。

ア 申出の受付の年月日及び受付番号

イ 不動産所在事項

ウ 登記の目的

  •  前記(1)の通知は、次のア及びイに掲げる相続人申出等の区分に応じ、当該ア及びイに定める方法によるとされた(規則第158条の18第3項)。

ア 相続人電子申出 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された通知事項(職権による登記が完了した旨及び前記(2)アからウまでに掲げる事項をいう。以下同じ。)を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申出人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

イ 相続人書面申出 通知事項を記載した書面を交付する方法

なお、前記(1)の通知は、別記様式又はこれに準ずる様式により行うものとする。

(4) 送付の方法により通知事項を記載した書面の交付を求める場合には、申出人は、その旨及び送付先の住所を相続人申出等情報の内容としなければならないとされた(規則第158条の18第4項)。

(5) 送付の方法により通知事項を記載した書面を交付する場合における書面の送付は、前記(4)の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとするとされた(規則第158条の18第5項において準用する規則第55条第7項)。

(6) 前記(5)の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならないとされた(規則第158条の18第5項において準用する規則第55条第8項)。

(7) 前記(6)の指定は、告示してしなければならないとされた(規則第158条の18第5項において準用する規則第55条第9項)。

(8) 登記官は、次に掲げる場合には、前記(1)にかかわらず、申出人に対し、職権による登記が完了した旨の通知をすることを要しないとされた(規則第158条の18第6項)。

ア 前記(3)アの方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに通知事項が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から30日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該通知事項を記録しないとき。

イ 前記(3)イの方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、通知事項を記載した書面を受領しないとき。

 なお、前記イの場合には、通知事項を記載した書面は適宜廃棄して差し支えない。送付の方法により通知事項を記載した書面を交付する場合において、当該書面が返戻されたときも、同様とする。

20 相続人申出等情報等の保存

 相続人申出等情報及びその相続人申出等添付情報その他の相続人申出等に関する登記簿の附属書類については、権利に関する登記の申請情報及びその添付情報その他の登記簿の附属書類と同様に保存するものとする。なお、申請書類つづり込み帳には、権利に関する登記の申請と相続人申出等とを区別せず、受付番号の順序に従ってこれらの書類をつづり込むものとする。

21 登記事項証明書に付記する事項

 相続人申告事項を記載した登記事項証明書には、「「登記の目的」欄に「相続人申告」と記載されている登記は、所有権の登記名義人(所有者)の相続人からの申出に基づき、登記官が職権で、申出があった相続人の住所・氏名等を付記したものであり、権利関係を公示するものではない。」と記載するものとする。

加工、一般社団法人スタートアップデータ標準化協会登記データWG登記データWG「投資契約・株主間契約・買収分配合意書・定款別紙の雛形」

一般社団法人スタートアップデータ標準化協会登記データWG

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000109715.html

・株主間契約

 以下の当事者は、発行会社の株主としての権利行使、発行会社の事業運営、発行会社の株式等の譲渡等に関して、●年●月●日(以下「本契約締結日」という。)付で合意し、以下のとおり株主間契約(以下「本契約」という。)を締結する。なお、本契約に定める用語は、別紙1の意味を有する。

表1:【当事者の一覧】

・・・例

定義名称・氏名保有株式数指名権事前承諾等情報提供
発行会社株式会社●    
株主     
経営株主  取締役2名  
投資家株主  取締役1名事前承諾必要
普通株主     

表2:【事前承諾事項・事前協議/通知事項】

  1. 事前承諾事項:発行会社は、以下の各号の取引又は行為を行うに際して、表1において事前承諾の対象となっている株主から、事前の書面による承諾を得なければならない。本契約において企図された行為を契約条件に従い実施する場合を除く。

・・・本契約において企図された行為を契約条件に従い実施する場合を除く。について、ただし、のまえがきなし。事前承諾は書面に限られる。表1の指名権について、別紙の定義はないので。表1に記載されている役員、人数を指名する権利をいうと思われます(第1条記載。)。

経営株主は、取締役2名を指名することができる権利を持つ。株主という名前なので、発行会社の株式を1株以上持っている株主を指すと思われます。

(1)      定款変更

(2)      剰余金の配当

(3)      発行会社の株式等の発行等

(4)      発行会社が発行した株式等の取得

(5)      合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付その他の組織再編行為、又は事業の全部若しくは一部の譲渡若しくは譲受の承認

(6)      解散又は倒産手続等の申立て

(7)      前各号を行うこと又は行うことをにつき検討することを内容とする契約の締結

(8)      [●]

・・・(3)株式等の発行等、について別紙に定義。ある会社による当該会社の株式等の発行、処分又は付与。ある会社、がどのような意味なのか分かりませんでした。当該会社(発行会社)(4)について、会社法155条~。(7)の、を、はおそらく誤字。

2.       事前協議・通知事項:発行会社は、以下の各号の取引又は行為を行うに際して、表1において事前協議又は事前通知の対象となっている株主に対して、事前に協議又は通知を実施しなければならない。

[●]

第1章 発行会社の運営

第1条 (取締役)

 発行会社の取締役の員数は、合計[●]名以内とし、各株主は、表1に従い取締役又はオブザーバーの派遣に関する権利を有する。株主が本項に基づき指名した取締役については、当該株主のみが解任に関する決定を行うことができる。発行会社を含む他の当事者は、本項に従い取締役の選任・解任に必要な会社法に基づく手続を履践する。オブザーバーは、取締役会に参加し、議長の許可を得て、必要に応じ発言することができる。

・・・経営株主が指名して、株主総会で選任された取締役は、経営株主以外、解任に関する決定を行うことが出来ない。会社法108条1項9号の株式ではなく、指名や決定を行う権利がある株式。

 オブザーバーの定義が記載されています。

第2条 (取締役会等の開催)

 発行会社は、毎月1回以上定例取締役会(取締役会を設置していない場合は取締役が参加する経営会議)を開催し、業務執行の状況の報告を行う。

・・・会社法363条2項類似。

第3条 (重要な取引又は行為に関する制約)

発行会社は、表2に記載の取引又は行為(これらを行うための機関決定を含む。)を、表1に定められた条件に反して行ってはならない。

第4条 (財務情報等の提供)

1.        発行会社は、以下の各号の情報を、投資家株主の求めに応じて提供する。

(1)      単年度予算(各月の売上、費用、キャッシュフローの状況を含む。):当該事業年度の開始30日前まで

(2)      単年度の事業計画:当該事業年度の開始30日前まで

(3)      年次計算書類(貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書を含む。以下同じ。):当該事業年度の終了後速やかに(但し、遅くとも同事業年度終了後90日が経過するまで)

(4)      四半期ごとの計算書類(別途全当事者間で不要とした期間については作成・提出を要しない。):当該四半期の終了後速やかに(但し、遅くとも同四半期終了後45日が経過するまで)

・・・投資家の求めがない場合、情報提供しなくても良いのか分かりませんが、投資家が不要と意思表示しない限り、提供する意味だと思いました。

  • 投資家株主は、実務上合理的な範囲において、自己の費用で自ら又は会計士その他の代理人を通じて、発行会社の本社及びその他の事業所を訪問し、発行会社の会計帳簿、書類その他合理的に要求する記録及び施設を、閲覧、謄写又は検査することを要求することができる。発行会社は、実務上可能な限り、かかる閲覧等に必要な協力を行う。

・・・会社法433条より、株主に有利な条項。

3.        前項に規定するほか、発行会社は、発行会社に係る以下の事項が発生、認識、決定又は合理的に予見される場合には、実務上可能な限り速やかに当該事項の概要を投資家株主に書面その他の方法により通知するものとする。ただし事業に重大な悪影響を与えるおそれがないことが客観的に明らかである場合にはその限りでない。

(1)      役員又は主要な従業員の退解任、死亡、重大な病気又は業務上の不祥事があった場合

(2)      重要な資産に関してその価値の著しい減少等が生じた場合

(3)      訴訟、行政手続又は税務調査が開始された場合

(4)      仮差押、差押若しくは競売の申請、倒産手続若しくは担保権実行の申立、又は手形若しくは小切手の不渡があった場合

(5)      第三者から買収、資本提携その他の組織再編取引の提案又は打診を受けた場合

第5条 (発行会社の経営)

経営株主は、発行会社の役員又は従業員としての地位にある間は、発行会社の役員又は従業員としての職務の遂行に専念するものとし、投資家株主の過半数の事前の承諾なく、以下の行為を行ってはならない。

(1)      発行会社の取締役を辞任すること、及び、定款上の取締役の任期満了時に発行会社の取締役として再任されることを拒否すること。

(2)      他の会社その他の営利団体の常勤役員、従業員を兼務又は兼職すること

(3)      発行会社の株主、取締役、監査役又は従業員としての地位にある間及び発行会社の株主、取締役、監査役又は従業員のいずれでもなくなった日から1年間が経過するまでは、自らのために、発行会社の事業と競合する事業を直接又は間接に行ってはならず、発行会社の事業と競合する事業を支援(株式等を保有し、役員又は従業員となることを含む。)してはならない。

・・・会社法309条の加重規定。

第6条 (インセンティブプラン)

 発行会社は、自らの裁量により、発行会社又はその子会社の役員又は従業員若しくは外部アドバイザーに対するインセンティブプランとして、合理的な内容及び条件のもとで発行される普通株式を目的とする新株予約権(ストックオプション)を発行することができる。

第7条 (法令等の遵守及び反社会的勢力との接触禁止等)

 発行会社及び経営株主は、適用ある法令等を遵守し、反社会的勢力と一切関係を持たないものとする。

第8条 (優先引受権)

1.        発行会社は、株式等の発行等を行おうとする場合には、当該株式等の発行等が行われる日の60日前までに、投資家株主に対して、(ⅰ)当該発行等に係る株式等の種類及び数、(ⅱ)当該株式等に係る払込金額又は処分金額、(ⅲ)その割当人その他の処分の相手方の氏名・名称と住所、並びに(ⅳ)その他株式等の発行等に関する主要な条件を記載した書面(以下「発行条件説明書」という。)を送付する。

2.       前項の場合、投資家株主は、発行条件説明書を受領した日から30日以内に、条件説明書記載の株式等のうち自らが引受け等を希望する株式等の数(但し、株式保有割合に応じた数を上限とする。)を書面により発行会社に通知することにより、当該通知記載の数の株式等を発行条件説明書記載の条件により優先的に引受け等する権利(以下「優先引受権」という。)を行使することができる。なお、投資家株主が発行条件説明書を受領した日から30日以内に優先引受権を行使しなかった場合には、投資家株主は、優先引受権を行使しなかった株式等の発行等については優先引受権を失う。

3.        投資家株主が、前項に規定する期間内に優先引受権を行使しなかった場合、発行会社は、当該期間の経過後30日以内に限り、関連する発行条件説明書記載の株式等のうち投資家株主が優先引受権を行使しなかった部分について、発行条件説明書に記載の条件よりも実質的に当該割当人等に有利でない条件(なお、払込金額又は処分金額は、当該発行条件説明書に記載の払込金額又は処分金額と同額以上であることを要する。)で株式等の発行等を行うことができる。

・・・・発行会社の投資家株主に対する事前通知義務が定められています。投資家株主に到達した日の管理が必要。書面に限る。発行条件説明書の定義がされています。優先引受権の定義がされています。発行会社からの事前通知を、投資家が4月1日に受け取った場合、4月30日までに投資家株主が優先引受権を行使しないとき、発行会社は5月1日から5月30日までの間、発行条件説明書の内容と異なる株式等の発行等を行うことができる。

第2章 発行会社の株式等の譲渡等

第9条 (譲渡禁止等)

1.        経営株主、普通株主及び投資家株主は、本章の手続によることなくして、自らが保有する発行会社の株式等につき第三者(発行会社の他の株主を含む。)に対する譲渡、承継、担保提供その他の処分を行ってはならない。

2.        各当事者は、本章の定めに従った株式等の譲渡につき、その承認のために法令等又は発行会社の定款その他の社内規則上必要とされる一切の手続を実施する。

第10条         (先買権)

  1. 経営株主、普通株主及び投資家株主(当該株主を以下「譲渡希望株主」という。)が自らが保有する発行会社の株式等の全部又は一部(以下「譲渡対象株式等」という。)を第三者(発行会社の他の株主を含むものとし、以下「譲渡相手方」という。)に譲渡することを希望する場合、譲渡希望株主は、①譲渡希望株主が経営株主又は普通株主である場合には投資家株主及び発行会社、②譲渡希望株主が投資家株主である場合には経営株主及び発行会社に対して、(ⅰ)譲渡対象株式等の数、(ⅱ)1株当たりの譲渡予定価格(以下「譲渡予定価格」という。)、(ⅲ)譲渡相手方の氏名・名称と住所及び(ⅳ)その他譲渡に関する主要な条件を記載した書面(以下「譲渡条件説明書」という。)を送付する。

・・・株主割当て、株主への譲渡を最初に考える。

2.       前項の場合、①譲渡希望株主が経営株主又は普通株主である場合には投資家株主、②譲渡希望株主が投資家株主である場合には経営株主及び発行会社は、譲渡条件説明書を受領した日から30日以内に、譲渡条件説明書記載の株式等のうち自ら買受けを希望する株式等の数を書面により当該譲渡希望株主及び発行会社(発行会社が先買権を行使する場合を除く。)に通知することにより、譲渡対象株式等の全部又は一部を譲渡条件説明書記載の条件と同等の条件にて譲渡予定価格で自ら買い受ける権利(以下「先買権」という。)を行使することができる。

3.        発行会社、経営株主又は投資家株主が先買権を行使した場合(先買権を行使した発行会社、経営株主又は投資家株主を以下「先買権行使株主等」という。)、当該行使を受けた譲渡希望株主は、前項に規定する期間の経過後速やかに、当該先買権行使株主等が買受けを希望した数の譲渡対象株式等を譲渡条件説明書記載の条件と同等の条件にて譲渡予定価格で当該先買権行使株主等に対し譲渡しなければならない。なお、複数の先買権行使株主等が先買権を行使し、各先買権行使株主等が買受けを希望した数の合計が譲渡対象株式等の数を超過する場合、各先買権行使株主等の株式保有割合に応じて案分した数(但し、発行会社及び経営株主が先買権行使株主等である場合には、譲渡対象株式等の数から経営株主が買い受けを希望する株式等の数を控除した数を、発行会社の買い受ける株式等の数とする。)が当該先買権行使株主等に対して譲渡される株式等の数の上限となる(1株未満の端数が生じた場合の取扱いについては、譲渡希望株主及び先買権行使株主等の間で協議の上、決定する。)。譲渡希望株主は、前項に規定する期間の経過後速やかに、先買権を行使した先買権行使株主等及び各先買権行使株主等に対して譲渡する株式等の数につき投資家株主及び発行会社に通知(かかる通知を以下「先買権行使結果通知」という。)を行う。

4.        前各項に従って譲渡が行われなかった譲渡対象株式等(以下「残存譲渡対象株式等」という。)が存在する場合、譲渡希望株主は、第1項に規定する期間(前項の適用がある場合には前項に規定する期間)の経過後30日以内に限り、譲渡相手方に対し、かかる譲渡対象株式等を譲渡条件説明書記載の条件よりも譲渡相手方に有利でない条件(なお、譲渡価格は当該譲渡条件説明書記載の譲渡予定価格と同額以上であることを要する。)で譲渡することができる。

第11条         (売却強制権)

 本章の定めにかかわらず、発行会社の取締役会及び過半数の投資家株主が、以下の各号の取引(以下「支配権移転取引」という。)を承認した場合、全ての経営株主及び投資家株主は、発行会社又は過半数投資家株主の書面による要求に従い(かかる書面による要求を「売却強制権行使通知」という。)、当該支配権移転取引における各種類の株式等への対価の種類・価額が各種類ごとに同一であることを条件に、当該支配権移転取引に参加し、また、必要に応じてかかる取引に関する株主総会議案に賛成すべく議決権を行使し、その他当該支配権移転取引を実行するために必要な行為を行い、発行会社は、かかる取引につき適用される法令等並びに定款及び社内規則上必要とされる一切の手続を適法かつ有効に履践する。本条に基づく売却強制権行使通知は、関連する支配権移転取引の実行日の30日前までに経営株主、普通株主及び投資家株主に送付されなければならない。

(1)      発行会社の株式等の発行又は譲渡による買収(当該買収直前時点の発行会社の株主が当該買収直後の時点で合計で発行会社の総議決権の過半数を保有する場合を除き、また、資金調達目的で又は資金調達の一環としてなされるものを除く。)

(2)      発行会社が消滅会社となる合併(当該合併の効力発生日直前時点の発行会社の株主がかかる効力発生日直後の時点で合計で当該合併の存続会社又はその親会社の総議決権の過半数を保有する場合を除く。)

(3)      発行会社が完全子会社となる株式交換又は株式移転(当該株式交換又は株式移転の効力発生日直前時点の発行会社の株主がかかる効力発生日直後の時点で合計で当該株式交換又は株式移転の完全親会社又はその親会社の総議決権の過半数を保有する場合を除く。)

(4)      発行会社が株式交付子会社となる株式交付(当該株式交付の効力発生日直前時点の発行会社の株主がかかる効力発生日直後の時点で合計で株式交付親会社の総議決権の過半数を保有する場合を除く。)

(5)      発行会社の事業若しくは資産の全部又は実質的な全部の譲渡又は会社分割による他の会社への承継(発行会社の完全子会社に対して行われるものを除く。)

第12条         (支配権移転取引の際のみなし清算)

1.        経営株主、普通株主及び投資家株主は、支配権移転取引(但し、次項に規定するものを除く。)が行われた場合、当該取引における対価を取得することとなる経営株主、普通株主及び投資家株主(個別に又は総称して以下「みなし清算株主」という。)の間で、当該取引における対価の合計額(対価が金銭以外の財産である場合には、①経営株主及び普通株主であるみなし清算株主全体の株式保有割合のうち、合計で過半数を保有する単独又は複数の者と②投資家株主であるみなし清算株主全体の株式保有割合のうち、合計で過半数を保有する単独又は複数の投資家株主の合意により当該財産の公正価額として定める額)を残余財産の額とみなし、また、みなし清算株主を発行会社の全株主とみなして、発行会社の定款の残余財産の分配に関する定めを適用した場合にかかる定款の定めに基づきそれぞれのみなし清算株主が支払いを受けるべき残余財産分配額に従って、当該取引における対価を分配する。

2.        発行会社が分割会社となる会社分割(但し、当該会社分割に際して会社法に規定される剰余金の配当が行われるものに限る。)、又は第11条第5号に規定する取引が行われた場合、当事者は、全ての経営株主・普通株主・投資家株主間で前項の規定に準じた経済的配分がなされるように、合理的な対応を行う。

第13条         (株式公開)

 発行会社は、[●年●月末日]までに、国際的に認知された金融商品取引所(外国における取引所を含む。以下同じ。)に普通株式の上場又はこれと同程度の投資回収を投資家株主にもたらす他の方法により、投資家株主が保有株式を売却する機会を提供すべく合理的に最大限の努力をする。

第3章 表明及び保証

第14条         (表明及び保証)

1.        各経営株主は、各々個別に、各普通株主及び投資家株主に対し、本契約締結日において(但し、特段の記載がある場合は当該時点において)、別紙3.1に記載された事項が真実かつ正確であることを表明し、保証する。

2.        投資家株主は、経営株主及び各普通株主に対し、本契約締結日において(但し、特段の記載がある場合は当該時点において)、別紙3.2に記載された事項が真実かつ正確であることを表明し、保証する。

第4章 補償等

第15条         (補償等)

 各当事者は、本契約に基づく自らの義務の不履行又は表明及び保証が真実又は正確でなかったことに起因又は関連して、他の当事者が、請求、損失、損害、責任、義務、費用及び支出(合理的な弁護士及び会計士の費用を含む。以下「損害等」という。)を被った場合、当該他の当事者に対し、かかる損害等を賠償又は補償する。

第5章 本契約の終了

第16条         (本契約の終了)

1.        本契約は以下の各号のいずれかに該当する場合にのみ終了する。

(1)      全当事者が本契約を終了することに書面により合意した場合

(2)      シリーズA投資契約が同契約に基づく株式発行の実行前に終了した場合

(3)      発行会社以外の当事者のいずれもが発行会社の株式を保有しなくなった場合

(4)      株式公開がなされた場合。なお、発行会社が金融商品取引所に株式の上場申請を行った場合には、当該申請日以降、本契約に定める当事者の権利及び義務は失効するものとし、当該上場申請の不受理、取下げ、却下又は上場承認取消等により発行会社の株式公開がなされなかった場合(当該上場申請に基づく株式公開が不可能であると合理的に判断される場合を含む。本条において以下同じ。)には、申請日に遡って、当事者の権利及び義務は再び有効になる。

2.        本契約締結日以降、経営株主、普通株主又は投資家株主のいずれかが発行会社の株主ではなくなった場合、その者に関しては本契約は解除される(但し、経営株主に関しては、発行会社の株主ではなくなると同時に第1条に従って取締役を辞任する場合を除き、発行会社の株主としての地位に基づく部分に限る。)。

3.        本契約の終了又は前項に基づく解除は将来に向かってのみその効力を生じ、本契約に別段の定めがある場合を除き、本契約の終了又は解除前に本契約に基づき発生した権利及び義務はかかる本契約の終了又は解除による影響を受けない。

4.        本契約が終了又は解除された場合においても、前章、前項及び本項、第6章の規定は期限の定めなく(但し、第19条の規定は本契約が終了した日から起算して1年間)、引き続きその効力を有するものとする。

第6章 一般条項

第17条         (本契約の効力発生)

1.        本契約は、投資家株主及び発行会社の間で本契約締結日付で締結されるシリーズA投資契約書(以下「シリーズA投資契約」という。)に基づきいずれかの投資家株主が最初に発行会社の発行するA種優先株式を取得したことを条件として、かかる取得の日付で(但し、本章は、本契約締結日付で)、その時点で発行会社の株式を保有する投資家株主、経営株主、普通株主及び発行会社との間で効力を生じる。その後シリーズA投資契約に基づき他の本契約締結日時点での投資家株主が発行会社の発行するA種優先株式を取得した場合には、その時点で本契約は当該投資家株主との間でも効力を生じる。

2.        本契約締結日以後にシリーズA投資契約に基づき投資家(シリーズA投資契約に定める意味を有する。)としてシリーズA投資契約の当事者に追加され、かつ、本契約に調印した者(個別に又は総称して以下「追加投資家」という。)は、かかる調印を行った日(以下「追加加入日」という。)付で新たに「投資家株主」として本契約の当事者に追加されるものとする。発行会社は、本契約の他の当事者を代理して、追加投資家が本条に従い本契約の当事者に加わることを承認することができる。

3.        追加投資家との関係では、本契約は、シリーズA投資契約に基づき当該追加投資家が発行会社の発行するA種優先株式を取得したことを条件としてかかる取得の日付で(但し、本章は追加加入日付で)効力を生じるものとし、当該日以降、追加投資家を含めた各当事者が相互に全ての他の当事者に対し本契約に基づく自らの権利及び義務を保持する。また、当該追加投資家に関しては、文脈上別異に解すべき場合を除き、本契約における「本契約締結日」を「追加加入日」と読み替えるものとし、その他適切な読み替えを行う。

4.        前二項に基づき本契約の当事者が追加された場合、当該追加投資家に関する情報が表1の「投資家株主」の欄に追加され、また、発行会社は、当該追加時点での発行会社以外の全当事者に対して、当該追加後の表1及び当該追加投資家による本契約の調印頁の写しを交付する。

第18条         (当事者の追加)

1.        発行会社は、本契約締結日後、発行会社の株式等の発行若しくは処分又は株式等の譲受け等により新たに発行会社の株式を取得する者(以下「追加当事者」という。)が生じた場合には、かかる者を本契約の当事者として加えるよう最大限努力し、他の当事者はこれに協力する。

2.        発行会社は、追加当事者をして、本契約に調印させるものとし、追加当事者は、かかる調印を行った日(以下「参加日」という。)付で新たにその取得する株式に応じて「投資家株主」又は「普通株主」として本契約の当事者に追加される。発行会社は、本契約の他の当事者を代理して、追加当事者が本条に従い本契約の当事者に加わることを承認することができる。

3.       追加当事者との関係では、本契約は、当該追加当事者が発行会社の株式を取得したことを条件としてかかる取得の日付で(但し、本章は参加日付で)効力を生じるものとし、当該日以降、追加当事者を含めた各当事者が相互に全ての他の当事者に対し本契約に基づく自らの権利及び義務を保持する。また、当該追加当事者に関しては、文脈上別異に解すべき場合を除き、本契約における「本契約締結日」を「参加日」と読み替え、その他適切な読み替えを行う。

4.       前三項にかかわらず、本契約締結日後、発行会社が優先株式以外の種類株式を発行又は処分することにより新たに発行会社の株式を取得する者が生じる場合には、本契約の当事者は、本契約の当事者及び当該取得者との間で、本契約と同様の目的を有する契約を新たに締結するために、必要な協力を行う。

第19条         (秘密保持)

1.        各当事者は、本契約の内容並びに本契約の締結及び履行に関して他の当事者から取得した一切の情報(以下「秘密情報」という。)をいかなる者に対しても開示し、又は漏洩してはならず、また、本契約締結及びその実行以外の目的のために使用してはならない。但し、本契約において企図されている行為を検討又は実行するために必要な限度で、本契約と同等の法律上又は契約上の守秘義務を負う各当事者及びその子会社の役員又は従業員、ファンドの出資者、弁護士、公認会計士、税理士、ファイナンシャルアドバイザーその他の専門家アドバイザーに対して秘密情報を開示する場合を除く。

2.        前項の規定は、以下の情報については適用されない。

(1)      開示された時点で既に公知となっていたもの

(2)      開示された後で、自らの責めに帰すべき事由によらずに公知となったもの

(3)      正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負わずに適法に開示されたもの

(4)      開示された時点で、既に適法に保有していたもの

(5)      開示された情報を使用することなく独自に開発したもの

3.        第1項にかかわらず、司法・行政機関等により要求された場合又は法的手続、届出その他類似の手続で要求された場合には、可能な限り速やかにその旨を開示した当事者に通知することを条件として、その限度において秘密情報を開示することができる。

第20条         (譲渡等の禁止)

1.        当事者は、他の全当事者の書面による事前の承諾を得ない限り、本契約上の地位又は本契約に基づく権利義務を、直接又は間接を問わず、第三者に譲渡等をしてはならない。2.        前項の規定にかかわらず、当事者は、本契約に従って自己の保有する発行会社の株式等を当事者以外の第三者に譲渡する場合(但し、支配権移転取引による場合を除く。)には、当該譲受人に本契約上の地位も併せて譲渡し、当該第三者を本契約の当事者とさせる。他の当事者は、かかる本契約上の地位の譲渡について予め承諾し、必要な協力を行う。

第21条         (費  用)

 本契約の準備、締結又は履行に関連して各自が支出する一切の費用については各当事者それぞれが負担する。

第22条         (準拠法及び合意管轄)

 本契約は、日本法に準拠し、日本法に従って解釈される。当事者は、本契約の履行又は解釈に関し紛争が生じた場合には、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。

第23条         (完全合意)

 本契約は、本契約に含まれる事項に関する当事者間の完全な合意を構成するものであり、書面によるか口頭によるかを問わず、かかる事項に関して当事者間又は当事者のうち一部の者の間で本契約締結前になされた全ての合意及び了解は全て失効する。

第24条         (誠実協議)

 当事者は、本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に関し何らかの疑義が生じた場合には、誠意をもって協議を行う。

(以下本頁余白)

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

発行会社

[住所]

株式会社●

[役職] [氏名]

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

経営株主

[住所]

[氏名]

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

普通株主

[住所]

[氏名]

 本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、各当事者それぞれ電子署名の上当該電磁的記録を保有する。

●年●月●日

投資家株主

[住所]

[名称]

[役職] [氏名]

別紙1

定  義

1.       「開示当事者」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

2.       「株式公開」とは、第13条第2項に規定する意味を有する。

3.       「株式等」とは、株式、新株予約権、新株予約権付社債その他株式の交付の請求若しくは取得が可能な証券又はこれらに類する権利をいう。

4.       「株式等の発行等」とは、ある会社による当該会社の株式等の発行、処分又は付与をいう。

5.       「関係者」とは、ある会社等につき、株式等の保有、融資等の与信、契約等、人的関係その他の原因を問わず、直接又は間接に、当該会社等によって実質的に支配され、当該会社等を実質的に支配し、又は当該会社等と実質的に共通の支配下にある者をいう。

6.       「株式保有割合」とは、発行会社のある時点における発行済みの取得請求権付株式、取得条項付株式、新株予約権、新株予約権付社債、その他その保有者若しくは当該会社の請求に基づき又は一定の事由の発生を条件として当該会社の普通株式に転換し又は当該会社の普通株式を取得し得る地位を伴う権利又は証券の全て(発行会社が保有するものを除く。)について、当該時点において発行会社の普通株式に転換され又はかかる権利又は証券に代えて当該会社の普通株式が取得されたものと仮定した状態を基準として算出されるある者の発行会社の普通株式の保有割合をいう。

7.       「関連当事者」とは、平成18年10月17日付企業会計基準委員会公表に係る企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」第5項第(3)号に規定する意味を有する。

8.       「経営株主」とは、前文に規定する意味を有する。

9.       「契約等」とは、口頭、書面その他の媒体を問わず、法的拘束力を有する全ての合意をいう。

10.     「先買権」とは、第10条第1項に規定する意味を有する。

11.     「先買権行使株主等」とは、第10条第2項に規定する意味を有する。

12.     「先買権行使結果通知」とは、第10条第2項に規定する意味を有する。

13.     「参加日」とは、第18条第3項に規定する意味を有する。

14.     「残存譲渡対象株式等」とは、第10条第4項に規定する意味を有する。

15.     「支配権移転取引」とは、第11条に規定する意味を有する。

16.     「司法・行政機関等」とは、国内外の裁判所、仲裁人、仲裁機関、監督官庁その他の司法・行政機関、金融商品取引所及び自主規制機関(日本の公正取引委員会又は諸外国の独占禁止法・競争法関係当局を含む。)をいう。

17.     「受領当事者」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

18.     「譲渡相手方」とは、第10条に規定する意味を有する。

19.     「譲渡希望株主」とは、第10条に規定する意味を有する。

20.     「譲渡条件説明書」とは、第10条に規定する意味を有する。

21.     「譲渡対象株式等」とは、第10条に規定する意味を有する。

22.     「譲渡予定価格」とは、第10条に規定する意味を有する。

23.     「譲渡予定通知」とは、第10条に規定する意味を有する。

24.     「シリーズA投資契約」とは、第17条第1項に規定する意味を有する。

25.     「専門家等」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

26.     「損害等」とは、第15条に規定する意味を有する。

27.     「追加当事者」とは、第19条第2項に規定する意味を有する。

28.     「投資家株主」とは、表1に規定する意味を有する。

29.     「当事者」とは、前文に規定する意味を有する。

30.     「特別利害関係者等」とは、企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。その後の改正を含む。)第1条第31号に規定する意味を有する。

31.     「発行会社」とは、前文に規定する意味を有する。

32.     「反社会的行為」とは、以下のいずれかに該当する行為をいう。

(1)      暴力的な要求行為

(2)      法的な責任を超えた不当な要求行為

(3)      取引に関して脅迫的な言動をし、また暴力を用いる行為

(4)      風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて、第三者の信用を毀損し、又は第三者の業務を妨害する行為

(5)      その他前各号に準ずる行為

33.     「反社会的勢力」とは、以下のいずれかに該当する者をいう。

(1)      暴力団員等

(a)      暴力団(その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。以下同じ。)

(b)      暴力団員(暴力団の構成員をいう。以下同じ。)

(c)      暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者

(d)      暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがある者、又は暴力団若しくは暴力団員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与する者をいう。以下同じ。)

(e)      暴力団関係企業(暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行うなど暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与する企業又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。)

(f)       総会屋等(総会屋、会社ゴロ等企業等を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

(g)      社会運動等標ぼうゴロ(社会運動若しくは政治活動を仮装し、又は標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

(h)      特殊知能暴力集団等(本号(a)乃至(g)に掲げる者以外の、暴力団との関係を背景に、その威力を用い、又は暴力団と資金的なつながりを有し、構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいう。)

(i)       その他本号(a)乃至(h)に準ずる者

(2)      その他の関係者

(a)      前号(a)乃至(i)に該当する者(以下「暴力団員等」という。)が経営を支配していると認められる関係を有する者

(b)      暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有する者

(c)      自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有する者

(d)      暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有する者

(e)      役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有する者

34.     「秘密情報」とは、第19条第1項に規定する意味を有する。

35.     「普通株主」とは、表1に規定する意味を有する。

36.     「法令等」とは、法律、政令、省令若しくは府令、通達、規則、命令、条例、行政指導、金融商品取引所の規則及びその他の法規範をいう。

37.     「本契約」とは、前文に規定する意味を有する。

38.     「本契約締結日」とは、前文に規定する意味を有する。

39.     「みなし清算株主」とは、第12条第1項に規定する意味を有する。

40.     「優先引受権」とは、第8条第3項に規定する意味を有する。

41.     「優先引受通知」とは、第8条第2項に規定する意味を有する。

別紙3.1

経営株主の表明及び保証

(1)      (授  権)

 経営株主は、本契約の締結及び履行のために必要な権限及び能力を有している。経営株主は成年者であり、民法(明治29年法律第89号。その後の改正を含む。)上の後見、保佐又は補助が開始されておらず、その開始の審判の申立てもなされておらず、これらのおそれもない。

(2)      (本契約の有効性及び執行可能性)

 本契約は、経営株主により、適法かつ有効に締結されており、経営株主以外の当事者により締結された時点で、経営株主の適法、有効かつ法的拘束力のある義務を構成し、法令等によりその履行が制限される場合を除き、各条項に従い経営株主に対して強制執行が可能である。

(3)      (違反の不存在)

 経営株主による本契約の締結及び履行は、適用ある法令等、許認可等、司法・行政機関等の判断等及び経営株主が当事者となっている他の契約に違反又は抵触しない。

(4)      (反社会的勢力)

 経営株主は、反社会的勢力との間で、経済的関係、取引関係、雇用関係、委任関係を問わず一切の関係がなく、かつ商行為、利益の供与又は授受その他一切の取引(一時的か継続的かを問わない。)を行っていない。また、経営株主及び発行会社は、直接又は間接に、一切の反社会的行為に関与していない。

以 上

別紙3.2

投資家株主の表明及び保証

(1)      (設立及び存続等)

 法人である投資家株主は、日本法に基づき適法かつ有効に設立又は組成され、かつ有効に存続する株式会社又は投資事業有限責任組合(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号。その後の改正を含む。以下同じ。)第2条第2項に規定される意味を有する。)であり、現在行っている事業に必要な権限及び権能を有している。

(2)      (授  権)

 株式会社又は投資事業有限責任組合である投資家株主は、本契約の締結及び履行のために必要な権限及び能力を有している。また、投資家株主は、本契約の締結及び履行について、適用ある法令等及び社内規則(投資事業有限責任組合である普通株主については、当該投資家株主に係る組合契約を含む。以下同じ。)上必要となる社内手続を全て履行している。

(3)      (本契約の有効性及び執行可能性)

 本契約は、投資家株主により適法かつ有効に締結されており、投資家株主以外の当事者により締結された時点で、投資家株主の適法、有効かつ法的拘束力のある義務を構成し、法令等によりその履行が制限される場合を除き、各条項に従い投資家株主に対して強制執行が可能である。

(4)      (違反の不存在)

 投資家株主による本契約の締結及び履行は、投資家株主の社内規則、適用ある法令等、許認可等、司法・行政機関等の判断等及び投資家株主が当事者となっている他の契約に違反又は抵触しない。

(5)      (反社会的勢力)

 投資家株主は、反社会的勢力との間で、経済的関係、取引関係、雇用関係、委任関係を問わず一切の関係がなく、かつ商行為、利益の供与又は授受その他一切の取引(一時的か継続的かを問わない。)を行っていない。また、投資家株主は、直接又は間接に、一切の反社会的行為に関与していない。

以 上

信渋谷陽一郎「託契約書の起案の作法(1)」

信託契約書から学ぶ民事信託支援業務6「信託契約書の起案の作法(1)」

司法書士 渋谷陽一郎  市民と法 No.146、2024年04月民事法研究会

・民事信託支援業務に関与した司法書士に対する苦情を聴く機会が増えた。・・・月に何回くらい聴くのか、気になりました。苦情内容は、報酬が高いことと、信託契約書の品質の低さのようです。

・信託財産の額の割合的算定を以前から批判されていて、私は何故なんだろうと思っていました。所有権移転登記申請だって、課税価額の高さに応じて、何千円か何万円か上げているので、それも割合的算定方法と近いのではないかというのが理由です。この記事で初めて知ったことは、著者は経済的利益に基づく、という部分を批判しているということです。ただ、登記も重なる部分があるんじゃないかな、と思います。

受益権の内容の記載がないことがあるそうです。

法律整序の前後を比較した信託の目的の例示。

。信託の目的が受益者の死亡に至るまで、継続的な生活支援、の場合、受益者の死亡に至るまで、受託者の信託事務遂行の義務を生じるのだろうか。受益者の生存中は信託の終了を拘束する制限となるのであろうか。・・・死亡までと記載されているので、義務は生じると思います。受益者が生存中であり、継続的な生活支援が必要とされる限度で、信託の終了を拘束する制限になると思います。

・信託の目的に受益者の氏名を記載すると、一身専属的な受益権となるか。・・・信託の目的に受益者の氏名が記載されていない場合、信託行為のその他の条項で受益者は特定されているので、信託の目的条項に氏名を記載したから一身専属的な受益権というのは難しく、信託行為全体を総合的に判断する必要があると思います。

信託法96条の受益権の質入れについて、たとえば、受益者の生活支援のための受益権に対しては一身専属的な受益権として質権設定が出来ないのか。・・・信託法96条は、会社法151条~の株式の質入れの規定に準じて規定されています(寺本昌広『逐条解説新しい信託法補訂版』)。ただし、会社法には、その性質がこれを許さないときは、この限りではない。という、ただし書きがありません。信託法のみに定められています。私は金銭債権が受益債権となっている場合は、債権質権の実行と捉え、差押え禁止財産(民事執行法152条)に該当する受益権か、考えることが出来るのではないかと思います。

・一般に、司法書士が受益権の内容を法律整序する場合、何気なく「受託者が相当と認める」としてしまう場合があろう。・・・一般的なのか、分かりませんでした。

・さいたま地川越支判令4・3・23WLJにおける受託者の裁量について。・・・まず、月々が赤字にならないように、原則として考えます。その後に受益者の希望する生活関連費用を聴きます。それで赤字にならないのなら、受託者は、裁量の余地なく、受益者の希望する生活関連費用を全額支払う義務があると思います。

信託フォーラム 2024年4月号

 信託フォーラム 2024年4月号特集1 公証実務から見た民事信託の現状と課題/特集2 特定信託受益権のステーブルコインとしての活用の現状と課題 vol.21、日本加除出版

https://www.kajo.co.jp/c/magazine/007/31010000021

巻頭言 民事信託の推進と権利擁護~横断的な対応と適正な規律に向けて~(日本司法書士会連合会 会長●小澤吉徳)

 司法書士行為規範から具体的な実務指針やガイドラインを策定中。

対 談 信託法研究と信託法学界のこれから(関西学院大学法学部教授●木村 仁×中央大学研究開発機構教授●新井 誠)

 裁量信託。

  当初受益者死亡後における財産の継続的承継時に発揮。

  銀行子会社と信託銀行本体の連携。

  民法や会社法、民事執行法などの基礎を理解していた方が良い。

法と政治72巻4号(2022年2月)「アメリカにおける信託のデカント: 2015年統一信託デカント法を中心に」

https://kwansei.repo.nii.ac.jp/records/30143

信託法研究 第44号(2019)「遺言代用信託の利用と課題:アメリカの撤回可能信託を中心に」

http://shintakuhogakkai.jp/journal/44%E5%8F%B7.html

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/http://shintakuhogakkai.jp/journal/pdf/studies_of_the_law_of_trust_vol44_part5-5.pdf.

特集1 公証実務から見た民事信託の現状と課題

日本公証人連合会における民事信託に係る取組(日本公証人連合会会長●小坂敏幸)

民事信託は令和2年と令和4年を比較すると78%増。

委託者への事前質問。

信託契約書のチェックポイント(浅草公証役場公証人●澤野芳夫)

 不動産は全部事項証明書ではなく、登記情報等の確認で良い。農地について、その現状によっては農業委員会や都道府県知事の許可を停止条件とすることも可能。

 借地権について、賃貸人への説明状況を口頭で確認。

 信託財産に属する金銭について、○○銀行○○支店普通預金、口座番号、の信託契約締結時の口座残高相当額の金銭、は可能。・・・特定していなくても良いと初めて知りました。

 委託者の地位

 委託者の地位は、委託者の死亡により受益権を取得する者に移転する。信託法上の委託者の権利は委託者に死亡により消滅する。・・・金銭の追加信託はどのような根拠で行うのか、分かりませんでした。 

 受益権の内容

 具体的な金額を定める場合、執行認諾文言を加えることに、法令上制限はない。

民事執行法22条5項 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

例・受益権の内容

  • 受託者は、毎月、生活費その他の費用として、受益者に対して50万円を支払う。
  • 受託者は、第1項の受益債務の不履行が生じた場合には、公正証書によって強制執行を受けることを承諾した。

という定めがされた場合、信託口口座の強制執行がされる(信託法21条1項1号、同条2項1号)。その後は、受益者が金融機関に行って取り立て(民事執行法155条)、取立完了届を裁判所へ提出。

 このようなことを、毎月繰り返すことも出来る。例えば、2回同じく強制執行がされたら、受託者の任務終了事由(信託法56条1項ただし書)になるなどの規定で対応できるのかなと思いました。

 信託法164条1項ただし書による信託の終了の制限は、認められている。

「本信託の残余財産の帰属は、A及びBの遺産分割協議により決定する。」という複数の帰属者間の協議により信託財産は遺産を構成しないことから、これを遺産分割の対象とするのは誤り、との記載。

 残余財産の帰属権利者を(信託法182条1項2号)、「信託終了時の受益者」と定める。相談者死亡後に信託が終了した場合は、遺産分割によって受益権を取得した者が信託を終了させれば、信託終了時の受益者であるその者が帰属権となる。」と委託者の地位が受益者に承継されることを定め、肯定している考えもあります(日本司法書士会連合会民事信託等財産管理業務対策部「任意後見と民事信託を中心とした財産管理業務対応の手引き」2023、日本加除出版、P134)。受益権は遺産分割の対象となるのか、私には分かりませんでした。

公証人からみた民事信託の実務上・法律上の諸問題(丸の内公証役場公証人●原啓一郎)

受託者の契約不適合責任を信託行為に記載する場合

信託法91条の要件

任意後見契約の代理権目録に、信託に関する代理権を具体的に明記する。・・・私は信託行為に関しても、任意後見人が信託行為を尊重して欲しい事項について書きます。

信託契約公正証書作成手続上の留意点(霞ヶ関公証役場公証人●萩原秀紀)

 停止条件付信託契約の停止条件。2名以上の医師が、委託者について後見相当との診断書が作成されたとき。

 分別管理義務を果たす(信託口口座の開設)、対抗要件(不動産登記申請など)を得るための手続は、受託者のみで可能か。

特集2 特定信託受益権のステーブルコインとしての活用の現状と課題

ステーブルコインを巡る近時の法改正─特定信託受益権に関する制度を中心に

(元金融庁企画市場局総務課信用制度参事官室専門官●大野一行/金融庁企画市場局総務課信用制度参事官室係長●高橋俊介)

パーミッションレス型ブロックチェーン

https://www.hitachi.co.jp/products/it/blockchain/features/form/index.html

信託型ステーブルコインを巡る実務動向と法律上の諸問題

(三菱UFJ信託銀行株式会社デジタルアセット事業室調査役・弁護士●齊藤 彰)

資金移動業

暗号資産交換業

電子決済手段等取引業

全額要求払い預金・・・無利息・要求払い・決済サービスを提供できること」という3要件を満たし、ペイオフ解禁範囲拡大以降も、預金保険制度により全額が保護される普通預金と比較して、信託とすることで、利用者(受益者)の権利内容が明確になり、発行体(委託者)から受託者(信託会社)に財産が移転する。

特定信託受益権を活用したステーブルコインを巡る税務上の諸問題

(PwC税理士法人 公認会計士・税理士●鬼頭朱実)

第二種資金移動業者

資金決済に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=421AC0000000059

2条5項 この法律において「電子決済手段」とは、次に掲げるものをいう。

一 物品等を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されている通貨建資産に限り、有価証券、電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権、第三条第一項に規定する前払式支払手段その他これらに類するものとして内閣府令で定めるもの(流通性その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものを除く。)を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの(第三号に掲げるものに該当するものを除く。)

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの(次号に掲げるものに該当するものを除く。)

三 特定信託受益権

四 前三号に掲げるものに準ずるものとして内閣府令で定めるもの

 現状は、発行体が資金管理をしない第3号電子決済手段(信託型ステーブルコイン)を利用することが望ましい。

三菱UFJ信託、Promat、STANDAGE、Gincoが国産ステーブルコインの貿易決済活用で共同検討を開始

https://coinpost.jp/?p=507031

信託受益権の移転を消滅・発生と構成。

所得税法第二条

十七 有価証券 金融商品取引法第二条第一項に規定する有価証券その他これに準ずるもので政令で定めるものをいう。

家族信託への招待 第21回(弁護士●遠藤英嗣)

 相続時における債務控除の適用を確実に受けるために、信託期間を延ばす事例。

民事信託と登記 第12回(渋谷陽一郎)

日本法令実務研究会◆家族信託実務研究会【渋谷ゼミ】毎月第2火曜日 18:30~20:30、一般価格:16,500円(税込)

https://www.horei.co.jp/iec/seminars/view/626.html

 今後、渋谷陽一郎先生も同業を顧客としたビジネス目的の民事信託・家族信託実務家の批判は出来ません。今まで書いてきたことと実際にやっていることの整合性が取れているのか、分かりませんでした。

ここからはじめる! 民事信託実務入門 第6回(弁護士●金森健一)

 監督か支援か(士業からの視線)。

公益信託改正の動向( 弁護士●濱口博史)

公益法人インフォメーション

新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議 最終報告

https://www.koeki-info.go.jp/regulation/koueki_meeting.html

 主務官庁制の廃止。認可基準等を法律に明記。

事業承継・資産承継のために一般社団法人を活用した事例 ~委託者の想いを実現する民事信託~(司法書士・民事信託士●谷 松生)

 不動産の共有名義解消、資産管理法人設立。」

不動産取引における日本版エスクローの必要性と信託及び司法書士の役割 ─台湾の不動産取引におけるエスクローを参考にして(司法書士法人キャストグローバル代表社員、キャストグローバル信託株式会社代表取締役●上野興一)

 不動産取引のエスクローは、供託と何か似ているなと感じました。エスクロー会社の手数料が気になりました。

市民と法145号

市民と法145号2024年2月、民亊法務研究会

http://www.minjiho.com/shopdetail/000000001460/

 法律専門家による説明責任

 日本公証人連合会会長 小坂敏幸

家族信託に関する東京地判令和3・9・7金賞1640号40頁について。

・相続登記申請義務化時代の司法書士制度論(1)――AI 時代の司法書士原論――

 司法書士 長谷川清

相続人申告登記の申出(不動産登記法76条の3)は、義務の履行が主な目的。

司法書士の紛争解決支援業務における5号相談の活用(1)──離婚調停支援を例にして──

 司法書士 渋谷陽一郎

司法書士の判断による相談者への意見が押しつけになっているか、いないか。

等距離保持義務。説得の抑制。

[1]司法書士が行う財産管理──遺言書作成支援業務における創意工夫──

   一般社団法人日本財産管理協会代表理事・司法書士 大池雅実

遺言書作成の趣旨と目的の確認。

背景事情を遺言書に記載する。

預貯金すべて(今後取得するものを含む)、の括弧部分は必要か。・・・遺言の効力が発生するのは、原則として遺言者が亡くなった時(民法985条)なので、不要だと思いました。

○○市5丁目にある不動産全て、という指定も可能。

[2]相続における司法書士の財産管理業務

   司法書士 石橋孝之

固定資産税。相続債務としての固定資産税と、被相続人の積極財産として不動産の管理費用としての固定資産税。

 海外運用の金融商品で、年に一度の一定日にならないと解約できないものがあった。

 有価証券を換金して相続人に渡す場合の売却するタイミングを委任契約書等に記載。

[3]成年後見における財産管理──後見専門職が望む家庭裁判所の監督機能のあり方──

   司法書士・公認心理師 嶋田貴子

浪費への実際の対応について、本人の財産額で可能な限りで対応するしかないのかなと思いました。

[4]民事信託における財産管理

   司法書士 鈴木 望

P60、受益者候補者、は、おそらく受託者候補者の誤記。

P63、相談者の希望が、本人存命中の財産管理に加え、配偶者や子・孫に財産を贈与する、資産を承継させることの場合は、民事信託の活用が適している。・・・任意後見と遺言の利用でも目的を達成できるように思います。

 孤立・孤独社会と司法書士(7)――地域における障害者支援と司法書士――相模原市社会福祉事業団地域支援課・社会福祉士・公認心理師 北澤和美

映画「くちづけ」

https://www.toei-video.co.jp/special/kuchizuke/

P74、決められないという判断もご本人の意思、という捉え方に同意です。

アメリカのリハビリテーションカウンセラーの賃金。

https://www.bls.gov/oes/current/oes211015.htm

すぐに使える! 資産税の豆知識47

 相続税の税務調査を受ける際に納税者が注意すべき事柄について

 税理士 福壽一雄

国税総合管理システムと諸外国との情報交換制度を始めとする情報収集システムに集約されたデータを活用しながら、最終的には資産課税部門統括官の判断。P121、調査官には、お茶を出してあげましょう。お菓子はダメです。

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