登記研究927号(令和7年5月号)、テイハン
https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html
【論説・解説】商業・法人登記制度をめぐる動向と展望(3・完)
名古屋法務局長(前福岡法務局長) 土 手 敏 行
5 司法書士が知っておくべき商業・法人登記の取組
- 外国会社の登記
誹謗中傷の投稿者の情報の開示請求のため、海外SNS事業者への対応。課税。日本における代表者が法人である場合でも登記可能に解釈(令和4年6月24日付け法務省民商第307号商事課長通知)。日本における代表者住所を、弁護士事務所の所在場所にすることを可能に。
- 休眠会社の整理作業
周知ポスターの表現の移り変わり。過料には時効がない。継続の登記を申請する場合と、新たに合同会社を設立する場合の費用比較。
⑶ 役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて(令和2年3月23日付け法務省民商第65号商事課長通知)
会社への通知、仮処分の申立てがあった場合は登記留保から、登記した後、会社への通知へ処理変更。例外として、登記完了前に役員の地位を仮に定める仮処分命令の申立て(民事保全法23条)の写しが法務局に提供された場合、3か月程度登記を待つ。
6 司法書士が知っておくべき商業・法人登記の情報
- 商業・法人登記における各種証明制度の取扱い
有限責任事業組合(登記研究693号P165、平成17年7月26日法務省民二第1665号民事局長通達「有限責任事業組合契約に関する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて」)。投資事業有限責任事業組合(登記研究912号P129、令和5年6月12日法務省民商第113号法務省民事局長通達「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」)。
- 権利能力なき社団・財団の取扱い
供託と遺言書保管について可能(法務局における遺言書の保管等に関する省令33条2項1号)。民事訴訟と同じ扱い。
- 添付省略の動き
不動産登記について。会社が登記中でも、登記事項証明書が添付されている場合には、会社法人番号によって登記情報を検索しない運用。
民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(所有権の登記の登記事項の追加関係)(1)
東京地方裁判所判事(前法務省民事局付) 森 下 宏 輝、法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之、法務省民事局商事課補佐官(前法務省民事局民事第二課補佐官) 太 田 裕 介
第1 はじめに
第2 改正法(所有権の登記の登記事項の追加関係)の概要
第3 施行通達の解説
相続財産法人は氏名変更の登記により、死亡した自然人との権利主体の同一性が認められているから、不動産登記法73条の2の法人に該当しない。
設立準拠法国を証する情報を提供することが出来ない理由等を明らかにする情報・・・登記事項証明書の請求や登記情報提供サービスによる会社情報の請求等により確認した旨の内容が含まれる必要がある。
○第2部 所有権の登記の登記事項の追加に関する事務の取扱い
○第1 所有権の登記名義人が法人であるときの登記の申請関係
商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第132回)
一般社団法人商業登記倶楽部 最高顧問・名誉主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、日本司法書士会連合会顧問 神 﨑 満治郎
253 学校法人の代表業務執行理事の代表権の範囲の登記事項について
組合等登記令別表名称の欄5学校法人私立学校法第百五十二条第五項の法人の登記事項・・・代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、その定め。
https://laws.e-gov.go.jp/law/339CO0000000029
逐条解説不動産登記規則(56)
元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史
第106条 合筆の登記における表題部の記録方法
不動産登記規則
https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018
(合筆の登記における表題部の記録方法)
第百六条 登記官は、甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地を合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。
2 登記官は、前項の場合には、甲土地の登記記録の表題部に何番の土地に合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。
旧民法の相続と相続適格者の認定(1)
横浜地方法務局戸籍課 大 野 正 雄
はじめに
第1 相 続
1 相続登記と相続法制・戸籍法
民法施行法 第一条 民法施行前ニ生シタル事項ニ付テハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外民法ノ規定ヲ適用セス
https://laws.e-gov.go.jp/law/131AC0000000011
登記研究35号P30、昭和25年10月7日民事甲第2682号民事局長回答「民法の応急的措置に関する法律施行前に開始した家督相続に関する件」
戸籍法改正附則第三条 旧法の規定による戸籍は、これを新法の規定による戸籍とみなす。ただし、新法施行後十年を経過したときは、旧法の規定による戸籍は、法務省令の定めるところにより、新法によつてこれを改製しなければならない。
② 旧法によつて定められた本籍は、新法によつて定められたものとみなす。
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224
戸主と筆頭者の違い・・・戸主権。
2 家督相続と遺産相続
民事信託の登記の諸問題(44)
渋 谷 陽一郎
第320 将来、受益者となるべきと指定された者の登記の要否
第321 秘匿の技巧の必要性はあるのか
委託者からみて、遺言を公開したいか、を考えてみると必要性は低いのではないかと考えます。
第322 相続を原因とする受益者変更の登記との関係
次順位の受益者として指定された者からみて、自身の住所氏名が登記されることの利益不利益は、その人によるのではないかと思います。公示されることによる営業や親類関係など。
第323 家族信託における受益者たる地位は相続されるのか─信託財産の場合との対比
第324 受益権の相続性の排除
信託法91条に基づく信託の場合、将来の受益者と指定された者の登記されることの効果・・・受益権の相続性廃除。
第325 家族信託における受益権の一身専属性
受益権の内容が一身専属的な内容である場合。
第326 受益権の譲渡性の原則と例外
信託の目的に個人の氏名を入れるなど、限定し過ぎると、受益権の内容も拘束されます。受益権の内容で定めた方が分かりやすいと感じます。
第327 信託目的の変更の限界
第328 受益者連続信託における受益権の一身専属性
受益権は譲渡性尾を有するのが原則であるが、受益者連続信託における中間の受益者が保有する受益者は、譲渡性が否定される93条1項の「性質がこれを許さないとき」として考えるべきなのだろうか。・・・信託の目的、受益権の内容により、後順位の受益者の指定の有無に限られないと考えます。
第329 一身専属的な受益権の相続性の有無
第330 受益権の一身専属性の判定─信託目的を例に
信託目的 高齢者の生活・介護の支援、について。・・・受益者ではなく、高齢者という文言を使うことがあるのか、分かりませんでした。
第331 祭祀財産は信託財産なのか
かような場合、祭祀財産を除いた部分の受益権は相続性がある、とすることができるのであろうか(受益権を分けられるのであろうか)。そもそも祭祀財産のような財産を信託し得るのか、という問題がある。について・・・受益権の内容を、祭祀財産の管理に要する費用請求権とするならば、祭祀財産の管理に必要な信託財産については、分けることが難しいと考えます。その他の財産については、信託行為により受益権を分けることは可能と考えます(道垣内弘人『信託法〔第2版〕: 現代民法別巻 (現代民法 別巻)』2022有斐閣P372)。
第332 祭祀財産の承継を信託目的にできるのか
第333 信託目的や受託者の権限の範囲
第334 若干の整理
【資 料】会社法施行下で使える登記先例――実務の便覧――(19)
登記研究728号P129、平成20年9月1日 法務省民商第2351号 民事局長通達「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて」
登記研究848号P164、2018年10月30日【質疑応答】〔7998〕「定款で議事録に署名し,又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事及び監事とする旨を定めた理事会設置一般社団法人について,押印義務のない前代表理事が,出席理事として理事会議事録に登記所に提出している印鑑を押印した場合における当該理事会に出席した監事の印鑑証明書の添付の要否について」
登記研究915号P151、2024年5月30日【質疑応答】〔8010〕「一般財団法人設立において、金銭による財産の拠出を設立者又は遺言執行者から委任を受けた設立時理事名義の口座に行った場合について」
登記研究915号P152、2024年5月30日【質疑応答】〔8011〕「公証人による定款の認証前に財産の拠出を履行した場合の財産の拠出の履行があったことを証する書面について」
設立に際して拠出したものと認められるか否か。
登記研究668号P141、平成15年4月22日法務省民商第1223号民事局商事課長通知「医療法人の理事長の就任による変更の登記の申請書に添付すべき書面について」
変更を証する書面。
登記研究528号P186、1992年1月30日【質疑応答】〔七二五五〕
「医療法人登記の目的及び業務の記載について」
クリニック名の記載など。
登記研究206号P60、昭和39年10月27日民事甲第3463号民事局長事務代理通達「学校法人の登記について」
目的欄の登記事項について。
【訓令・通達・回答】
▽不動産登記関係
〔6258〕不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(旧氏併記関係)(令和6年3月27日付け法務省民二第553号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)