「司法書士が知っておきたい表示の登記」

「司法書士が知っておきたい表示の登記」

2025年2月26日

『司法書士が知っておきたい表示の登記』土地家屋調査士 細野陽一氏

合筆・建物合併・合体登記が完了した際は登記識別情報が通知される。

古い履歴で旧の記載のある旧尺貫法による地積の表示が残っているが、単純な坪数の場合と尺貫法による畝・歩による表示が混在。

地目としての拝所。土地台帳からの転写の際。

分筆登記申請までの作業フローチャート

作業計画

資料調査

 土地・建物登記調査、地図・地積測量図調査

測量協力願い

 立入り許可・杭設置許可。測量後の立会い。

現地踏査

 既存境界線の有無、復元の与点の有無、土地の利用状況

基準点測量・補助基準点測量

現況測量

復元測量(境界立会い)

画地調整(境界点座標の推定)

境界仮杭設置(境界立会)立合証明書作成

境界測量(境界杭設置)

境界点間測量

図面作成

 一筆毎に地積測量図、現況平面図作成。

不動産調査報告書作成

分筆登記申請

 添付情報 地積測量図、筆界立会い証明書、不動産調査報告書。

測量機器の移り変わりについて。

平板測量・・・沖縄県において、昭和40年代から昭和50年代にこの方法で測量し、14条地図をほぼ整備。面積に誤差がある可能性。

トータルステーションと電子平板。・・・距離と角度が分かる。

 1990年代後半から徐々に人工衛星(GPS・GNSS)を使用した測量が始まり現在は世界測地系(公共座標)での測量成果が法務局からも求められている。

 受信機・・・位置(座標)が分かる。

 3Dスキャナやドローン。

地積測量図の読み方

 多角点等座標一覧表・・・測量の際に設置した機械点【多角点】

基本三角点等座標一覧表・・・世界測地系の根拠となる与点

建物の構造・・・建築新素材等の登場で既存の例示では分類できないものは登記官と相談となる。

建物の床面積・・・建築基準法と不動産登記法で面積の算出方法が異なる場合があるので(例:屋外階段やパイプスペースの扱いによる差異)建築確認済証や検査済証と表題登記の床面積が異なる場合がある。・・・金融機関への説明など。

各階平面図・・・家屋番号に、の、の記載があるか。

マンションの専有部分面積・・・区分建物の専有面積の算出は構造物の壁内で計算。

「司法書士が知っておきたい表示登記」土地家屋調査士 比嘉常博氏

表示登記の基本について

1 土地・建物の物理的な現況を明らかにする。

(『表示登記教材地目認定』・『表示登記教材建物認定』抜粋)

https://www.minji-houmu.jp/wp/syuppan_tosyo/syuppan_tosyo.html

2 表示に関する登記は登記官が職権ですることができる。(不動産登記法第28条)

3 不動産登記規則93条による実地調査

 登記官は表示に関する登記をする場合には不動産登記法29条の規定により実地調査を行わなければならない。ただし、土地家屋調査士が作成した不動産調査報告書で登記官が実地調査不要と認めたときは、この限りでない。

不動産登記規則111条(建物)。建物として登記可能な要件。プレハブ。ゴルフ練習場。農業用温床施設。

未登記建物の表題登記

 所有権証明情報として、近隣の成人の証言を提供した場合。

 被相続人を表題部所有者とする未登記建物の表題登記申請の場合、相続人のうちの1人が申請したとき。

軍用地内の地目変更登記について

 嘉手納飛行場・普天間飛行場・キャンプシールズ等は、防衛局より地籍調査による地図が法務局に収められていない為、分筆登記ができない土地が存在するため注意。軍用地内の土地の地目は基本的に「雑種地」に変更。そのため、軍用地内の土地であることを証明するため地料明細書(土地賃貸料算定調書及び土地明細書)が必要。通常、「田」や「畑」などの地目を変更する場合、現況証明書や非農地証明書が必要ですが、軍用地内の場合はこれらの証明書は不要。

 「田」や「畑」などの地目を変更する場合、現況が畑である黙認耕作地については、雑種地への地目変更登記が認められません。そのため、申請地が黙認耕作地でないことを確認するために、申請地の14条地図(地籍図)の読取り座標値を地理院地図やGoogleEarthの衛星写真にプロットして地籍重ね図を作成し、これを提出。

軍用地内の分筆登記について

 沖縄防衛局へ軍用地立ち入り許可申請が必要。事前に立ち入りが認められない地区であることが分かっている場合でも、立ち入り許可申請を行い、不許可の回答文書を発行してもらう必要がある(例: 嘉手納飛行場)。立ち入り許可申請後、回答文書が発行されるまでの期間は通常1か月程度。立ち入りを行う米軍側の都合により遅れる場合がある。

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