遺産分割調停調書の記載と異なる相続登記
被相続人Aの相続関係図
相続人は、兄弟姉妹の3名。
相続財産は土地一筆と預金1,000万円。
遺産分割調停の内容(調停条項のうち、分割部分)
相続人C及びDは、目録記載の土地を、持分2分の1の割合で共有取得する。
相続人Bは、目録記載の預貯金を取得する。
遺産分割調停後、相続人C及びDは、土地を2筆に分筆。
その後、二つの土地(1番1と1番2)をそれぞれCが1番1、Dが1番2を相続登記することが出来るか。・・・出来ない。
登記研究567号P165
甲地及び乙地を共同相続人A・Bの共有とする旨の遺産分割の調停調書及びA・Bが作成した甲地をA、乙地をBの所有とする遺産分割協議書を添付して、甲地の相続人をA、乙地の相続人をBとする相続による所有権移転の登記の申請はできない。
登記研究204号P17昭和29年12月27日民事甲第2759号民事局長回答
遺産分割の審判により各相続人の相続財産が確定した場合には、その後に、相続人全員の合意の下に、当該審判の内容と異なった分割の協議が調ったとしても、当該分割協議によって、確定した審判の内容を動かすことはできないことから、当該遺産分割の協議は、審判によりいったん確定した権利を、更に移転若しくは共有物分割をするという効力があるにすぎない。
なので、
一度、1番1と1番2の土地を、C、Dが持分2分の1ずつ相続登記。
その後、1番1をCの単独所有とするD持分全部移転登記申請。原因として共有物分割(による交換)。1番2をDの単独所有とするC持分全部移転登記申請。原因として共有物分割(による交換)。単独所有にする方法は、税理士さんへの事前相談をしてから決定。