(出典:日本M&AセンターHP2017/06/14閲覧)
M&Aコンサルタントの目
バトンタッチしやすい会社は、3つの準備ができている
【準備1. 社長業務の権限委譲を進めると同時にノウハウを把握する】
社長業務の権限委譲を進めながら、経営の肝となるノウハウについてはキーマン任せにせずに経営者が把握しておくことが大切です。
【準備2. M&Aへの反対を想定したとき、対処できるかどうか】
M&A=株の売買による経営権の移転です。株が売れる状態になっていることがM&Aのための条件になるわけです。
もっと言えば、相続などでの株式の分散はM&Aの意思決定においてハードルになってしまうということです。なるべくオーナー経営者に株式を集約しておきましょう。
【準備3. 直近の業績を試算表で把握できる状態にする】
すぐに試算表が出てくる会社は信頼され、結果として売れる会社になるのです。
【準備+1 経営者に認知症の傾向がある場合】
民事信託、家族信託を利用して株式や事業の名義を受託者に移しておく。
バトンタッチにかかる交渉は、ときに長時間を要することもあると思います。
もし途中で経営者、株主に認知症の傾向が出てきた場合は、最後に株式譲渡の契約ができなくなることも考えられます。
このような場面で民事信託、家族信託を利用する方法
(例)株主を委託者兼最初の受益者、
息子を受託者、次の受益者、
残余財産の帰属権利者を信託終了時の受益者、
信託目的を会社(事業)の売却として信託契約を締結する。
交渉に関しては、現経営者を同席してもらい、株式譲渡契約は受託者である息子が行う。
売却代金が信託財産に入金され、クロージング後に信託契約を終了し、株主が委託者兼最初の受益者が存命であれば、受託者が受益者に対して売却代金を引き渡す。