登記研究918号

登記研究918号(2024年8月号)、テイハン

https://www.teihan.co.jp/search/g17615.html

【論説・解説】

■後見登記等に関する法令の改正経緯等について(上)

法務省民事局民事第一課長 櫻 庭   倫

はじめに

第1 後見登記等に関する法律の改正経緯

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第43号)一部改正により、後見登記等ファイルおよび閉鎖登記ファイルについて、行政機関の保有する情報の公開に関する法律が適用除外になるとともに施行。

 中央省庁等改革関係法施行法

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/h146160.htm

 (後見登記等に関する法律の一部改正)

第三百三十条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項中「又はその支局若しくは出張所」を「若しくはこれらの支局又はこれらの出張所」に改める。

・支局、出張所の位置付けを明確化。

 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15520021213152.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第二十四条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

第十一条第二項に次のただし書を加える。

 ただし、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して前項各号の嘱託、申請又は請求をするときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。

・オンライン申請における現金納付が可能に。

後見登記等に関する法律

https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000152

(行政不服審査法の適用除外)

第十六条行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、前条第一項の審査請求については、適用しない。

特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/16620070331023.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第三百四十条 後見登記等に関する法律の一部を次のように改正する。

 第十一条第二項中「登記印紙」を「収入印紙」に改める。

非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

(後見登記等に関する法律の一部改正)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/17720110525053.htm

第百二十九条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第三号及び第四号中「氏名」の下に「又は名称」を加え、「(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)」を削り、同項第九号を次のように改める。

  九 家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第百二十七条第一項(同条第五項並びに同法第百三十五条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定により成年後見人等又は成年後見監督人等の職務の執行を停止する審判前の保全処分がされたときは、その旨

  第四条第一項中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 前号に規定する規定により成年後見人等又は成年後見監督人等の職務代行者を選任する審判前の保全処分がされたときは、その氏名又は名称及び住所

  第四条第二項中「後見等の開始の審判前の保全処分(政令で定めるものに限る。)」を「家事事件手続法第百二十六条第二項、第百三十四条第二項又は第百四十三条第二項の規定による審判前の保全処分(以下「後見命令等」と総称する。)」に、「政令で定める事項」を「次に掲げる事項」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 後見命令等の種別、審判前の保全処分をした裁判所、その審判前の保全処分の事件の表示及び発効の年月日

  二 財産の管理者の後見、保佐又は補助を受けるべきことを命ぜられた者(以下「後見命令等の本人」と総称する。)の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)

  三 財産の管理者の氏名又は名称及び住所

  四 家事事件手続法第百四十三条第二項の規定による審判前の保全処分において、財産の管理者の同意を得ることを要するものと定められた行為

  五 後見命令等が効力を失ったときは、その事由及び年月日

  六 登記番号

  第五条第三号及び第六号中「氏名」の下に「又は名称」を加え、「(法人にあっては、名称又は商号及び主たる事務所又は本店)」を削り、同条第九号を次のように改める。

  九 家事事件手続法第二百二十五条において準用する同法第百二十七条第一項の規定により任意後見人又は任意後見監督人の職務の執行を停止する審判前の保全処分がされたときは、その旨

  第五条中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 前号に規定する規定により任意後見監督人の職務代行者を選任する審判前の保全処分がされたときは、その氏名又は名称及び住所

  第六条中「第四条第二項」及び「政令で定める保全処分」を「後見命令等」に改める。

  第七条第一項第一号中「掲げる者」を「規定する者」に改め、同項第二号中「掲げる者」を「規定する者」に改め、同号を同項第四号とし、同項第一号の次に次の二号を加える。

  二 第四条第一項第十号に規定する職務代行者 同号に掲げる事項

  三 第四条第二項第二号又は第三号に規定する者 同項各号に掲げる事項

  第七条第一項に次の一号を加える。

  五 第五条第十号に規定する職務代行者 同号に掲げる事項

  第七条第二項中「成年被後見人等の親族」の下に「、後見命令等の本人の親族」を加える。

  第八条第二項中「前条第一項第二号」を「前条第一項第四号」に改める。

  第十条第一項第四号を次のように改める。

  四 自己を成年後見人等、成年後見監督人等又は任意後見監督人の職務代行者(退任したこれらの者を含む。)とする登記記録

  第十条第一項に次の三号を加える。

  五 自己を後見命令等の本人とする登記記録

  六 自己を財産の管理者(退任した者を含む。)とする登記記録

  七 自己の配偶者又は四親等内の親族を後見命令等の本人とする登記記録

  第十条第二項第一号中「若しくは」を「、後見命令等の本人又は」に改め、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る登記記録で政令で定めるもの」を削り、同項第三号中「成年被後見人等」の下に「又は後見命令等の本人」を加え、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る登記記録で政令で定めるもの」を削り、同条第三項第三号を次のように改める。

  三 自己が成年後見人等、成年後見監督人等又は任意後見監督人の職務代行者であった閉鎖登記記録

  第十条第三項に次の二号を加える。

  四 自己が後見命令等の本人であった閉鎖登記記録

  五 自己が財産の管理者であった閉鎖登記記録

  第十条第四項中「若しくは」を「、後見命令等の本人又は」に改め、「又は第四条第二項に規定する保全処分に係る閉鎖登記記録で政令で定めるもの」を削る。

・後見人等が法人であることを想定。

・政令から法律への引き上げ事項。

行政事件不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律法律第六十九号(平二六・六・一三)

https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_housei.nsf/html/housei/18620140613069.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第八十三条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「を不当とする」を「に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した」に改め、同条第三項中「登記官は、」の下に「処分についての」を、「ある」の下に「と認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきもの」を加え、同条第四項中「審査請求を理由がないと認めるときは」を「前項に規定する場合を除き」に改め、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、監督法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。

  第十五条第五項中「長は、」の下に「処分についての」を、「ある」の下に「と認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきもの」を加え、同条に次の二項を加える。

 6 法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。

 7 第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十五条第四項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「後見登記等に関する法律第十五条第四項の意見」とする。

・行政不服審査法の改正に伴う改正。

行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律

法律第五十一号(平二八・五・二七)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19020160527051.htm

(鉄道抵当法等の一部改正)

第五条 次に掲げる法律の規定中「第二条第三項」を「第二条第五項」に改める 

二十 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十四条

・行政機関の保有する情報の公開に関する法律の、保有個人情報の定義規定の移動に伴う改正。

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律

法律第十六号(令元・五・三一)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/19820190531016.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第五十六条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十一条第二項ただし書を削る。

・オンライン申請の場合の手数料納付手続に関する改正。

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律

法律第三十七号(令三・五・一九)

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20420210519037.htm

(後見登記等に関する法律の一部改正)

第三十五条 後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第十四条の見出しを「(個人情報の保護に関する法律の適用除外)」に改め、同条中「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第五項」を「個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項」に、「第四章」を「第五章第四節」に改める。

第2 後見登記等に関する政令の改正経緯

行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う法務省関係政令の整備に関する政令(平成13年政令第83条)

民間事業者による信書の送達に関する法律及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成14年政令第386号)

・費用、郵送事業者について法務省令で定めることが可能になる。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成15年政令第551号)

後見登記等に関する政令及び登記手数料令の一部を改正する命令(平成16年政令第69号)

・オンラインで登記事項証明書等の送付を請求した場合の手数料は、送付料を含む。

特別会計に関する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成23年政令第48条)

非訟事件手続法等の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成24年政令第197号)

行政不服審査法及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成27年政令第392号)

行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令

情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(令和元年政令第183号)

後見登記等に関する政令の一部の改正する政令(令和3年政令第33号)

・押印規定の削除。

個人情報の保護に関する法律施行令等の一部を改正する等の政令(令和3年政令第292号)

新連載 ポイント解説

■基礎から考える商業登記実務(第2回)

横浜地方法務局法人登記部門首席登記官 山 森 航 太

1 はじめに

株式会社の取締役の退任を証する書面いついて

商業登記法(取締役等の変更の登記)第五十四条4項

4第一項又は第二項に規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。

2 取締役の退任を証する書面が必要とされる理由

 退任事由と、退任事由が生じた日を証する。

3 取締役の権利義務の承継

 権利義務取締役について。会社法346条1項。 昭和43年12月24日最高裁判所第三小法廷判決昭和41(行ツ)65株式会社変更登記申請却下処分取消請求民集第22巻13号3334頁

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55059

日付について、登記研究102号P31、昭和31年4月6日民事甲第746号民事局長回答 「取締役の退任の日について」⑸ その他の退任事由による退任の場合

4 退任事由ごとの退任を証する書面の態様と基本的な要件及び留意点等

 ⑴ 任期の満了による退任の場合⑵ 辞任による退任の場合⑶ 解任による退任の場合⑷ 死亡による退任の場合

辞任について、登記研究204号P46、昭和39年10月3日民事甲第3197号民事局長回答「代表取締役の変更の登記について」

解任について、登記研究512号P64、昭和35年10月20日民事四発第197号民事局第四課回答「商法第二百五十八条第一項の規定により権利義務を有する取締役の解任について」

登記研究188号P64、昭和38年5月18日民事甲第1356号民事局長回答「取締役及び監査役の任期満了による退任の日並びに株主総会の延期続行について」

登記研究154号P54、昭和35年8月16日民事四発第146号民事局第四課長心得回答「営業年度の変更による取締役の任期の短縮について」

有限会社の取締役について、登記研究392号P102、昭和54年12月8日 法務省民四第6104号民事局第四課長回答「取締役辞任の時期について」

 誰が、いつ、どの会社の取締役を辞任したのかを明らかにする必要がある。

登記研究313号P64、1973年12月20日第六部質疑・応答(5064~5068)◎五〇六七「株主総会議事録に取締役(又は監査役)の辞任の旨の記載があるときは、当該辞任取締役の署名等のされていないものであつても、それをもつて商業登記法第八一条第二項の退任を証する書面とすることができる。」

取締役が死亡又は行方不明の場合について、登記研究808号P111、平成27年2月20日法務省民商第18号法務省民事局長通達「商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

種類株主総会の議事録添付について。登記研究 662号P183、平成14年12月27日法務省民商第3239号民事局長通達「商法等の一部を改正する法律等の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」

権利義務取締役の死亡について、登記研究325号P73、1974年12月20日第六部質疑・応答(5120~5129)「取締役の変更の登記について」

5 おわりに

■商業登記倶楽部の実務相談室から見た商業・法人登記実務上の諸問題(第123回)

一般社団法人商業登記倶楽部代表理事・主宰者、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート理事、一般社団法人日本財産管理協会顧問、日本司法書士会連合会顧問、神 﨑 満治郎

244 商業登記法は制定されているのに、なぜ、法人登記法は制定されていないのか。

 法人の設立根拠法→登記手続法令。

■Q&A不動産表示登記(94)

(一社)テミス総合支援センター理事、都城市代表監査委員 新 井 克 美

第四章 建物(区分建物) 第一節 登記事項

  Q263 区分建物の登記記録はどんな仕組みになっているのか。

不動産登記規則(登記記録の編成)第四条3項

 3区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。

  Q264 区分建物における表示に関する登記事項とは何か。

不動産登記法

https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123#Mp-Ch_4-Se_2-Ss_3

(建物の表示に関する登記の登記事項)

第四十四条建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)

二家屋番号

三建物の種類、構造及び床面積

四建物の名称があるときは、その名称

五附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積

六建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨

七建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積

八建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称

九建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権

■逐条解説不動産登記規則(47)

元法務省民事局民事第二課地図企画官 小宮山 秀 史

第96条 職権による表示に関する登記の手続

不動産登記規則

https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018

(職権による表示に関する登記の手続)

第九十六条登記官は、職権で表示に関する登記をしようとするときは、職権表示登記等事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。

2登記官は、地図若しくは地図に準ずる図面を訂正しようとするとき(第十六条の申出により訂正するときを含む。)又は土地所在図、地積測量図、建物図面若しくは各階平面図を訂正しようとするとき(第八十八条の申出により訂正するときを含む。)は、職権表示登記等事件簿に事件の種別、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。

 地方税法

https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226#Mp-Ch_3-Se_2-Ss_4

(固定資産課税台帳の登録事項)第三百八十一条7項

7 市町村長は、登記簿に登記されるべき土地又は家屋が登記されていないため、又は地目その他登記されている事項が事実と相違するため課税上支障があると認める場合には、当該土地又は家屋の所在地を管轄する登記所にそのすべき登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとるべきことを申し出ることができる。この場合において、当該登記所は、その申出を相当と認めるときは、遅滞なく、その申出に係る登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとり、その申出を相当でないと認めるときは、遅滞なく、その旨を市町村長に通知しなければならない。

不動産登記法(分筆又は合筆の登記)第三十九条2項、3項

2登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。

3登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。

■商業登記の変遷(64)第8章 商業登記に関する判例の歩み 第1節 登記の効力 第2節 登記義務等

司法書士 鈴 木 龍 介(司法書士法人鈴木事務所)

 一般的効力と不実登記の効力。登記義務に関して登記の要否、登記期間、登記懈怠による過料。

登記研究495号P56、昭和44年3月6日民事甲第381号民事局長通達「議決権行使の代理人資格を株主に制限する定款の定めの効力について(商通第七〇号)」

■民事信託の登記の諸問題(35)

渋 谷 陽一郎

 本当に重要なことは、将来、想定される登記申請が受理され、その時点における登記官の審査を経て、登記実行処分されることである。について・・・この考え方だと、表題登記と似ているのかなと思いました。個人的には、将来の連続性を保つことが最も重要なことなのかは分かりませんでした。重要なことの一つであると思います。

 委託者の地位を承継した者が、当初の委託者による錯誤更正の証明を代替できるのか(地位の承継は権利義務の承継を伴い、登記申請義務も負うと解釈できるが)という実務論点もある。について・・・可能と考えます。出来ないと考える場合、どのような構成を取るのか分かりませんでした。

 

【資 料】会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(11)

登記研究152号P46、昭和35年6月20日民事甲第1520号民事局長回答「定款所定の員数を欠く取締役会の決議の可否について」

 定款の取締役の数の規定を、取締役の死亡により満たしていなくても、会社法369条の出席議決権の過半数の要件規定を満たしていれば、有効な決議となる。

登記研究516号P75、1991年1月30日発行、吉戒 修一:法務省民事局第四課長、門野坂 修一:法務省民事局付、竹田 盛之輔:法務省民事局第四課補佐官、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、宮田 和一:法務省民事局第四課係長、吉越 満男:法務省民事局第四課係長、大河原 清人:法務省民事局第四課係長、堀  【論説・解説】 株式会社に関する先例をめぐって(36)

登記研究213号P62、昭和40年7月13日民事甲第1747号民事局長回答「法定数を欠く取締役会の決議に基づく変更登記申請の受理について」

登記研究227号P71、昭和41年8月31日民事甲第2527号民事局長電報回答「取締役会の定数の算定方法について」

 取締役会の決議について、開催が有効かどうか、決議が有効かどうかを考える。取締役会に出席した取締役は、原則として開会から閉会まで居ることが想定されている。開催が有効かどうかは、定款、法令の順に順守する必要がある。現存する取締役が会社法369条の議決に加わることができる取締役、となる。

登記研究450号P123、昭和60年3月15日法務省民四第1603号民事局第四課長回答「特別利害関係を有しない取締役一名による取締役会決議の効力について」

登記研究269号P70、昭和45年3月2日民事甲第876号民事局長回答 「取締役会の決議等について」

登記研究522号P39、1991年7月30日発行、吉戒 修一:法務省民事局第四課長、門野坂 修一:法務省民事局付、竹田 盛之輔:水戸地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、宮田 和一:法務大臣官房司法法制調査部(前法務省民事局第四課係長)、吉越 満男:法務省 【論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(37)

 利害関係を有する取締役は、会社法369条1項の議決に加わることができる取締役に含まれない(会社法369条2項)。

登記研究63号P34、昭和27年12月27日法務省民事甲第905号法務省民事局長通達「取締役会における代理出席の可否について(商通第十一号)」

 取締役は、業務執行権と監督義務(会社法348条3項4号など)がある。

登記研究140号P32、昭和34年4月21日民事甲第772号民事局長回答 「取締役会の決議が可否同数のときは議長が決する旨の定款の規定の効力について」

 議長に、取締役が持つ議決権以外の議決権を与えることは出来ない。

登記研究452号P109、昭和60年7月8日法務省民四第3951号民事局第四課長回答「外国文字をもって作成された取締役会議事録を添付した登記申請の受否について」

登記研究72号P34、昭和28年10月2日民事甲第1813号民事局長電信回答「株主総会等の議事録に関する出席取締役の署名について」

登記研究496号P23、1989年5月30日発行 柳田 幸三:法務省民事局第四課長、渋佐 愼吾:法務省民事局局付、山田 紘:富山地方法務局総務課長(前法務省民事局第四課補佐官)、門田 稔永:法務省民事局第四課補佐官、浅野 克男:人事院公平局調整課審理官(前法務省民事局第四課係長)、藤部 富美男:法務省民事 【第一部 論説・解説】株式会社に関する先例をめぐって(23)

 定款に署名の定めがある場合、議事録作成時に海外出張中や病気療養中のとき。(会社法施行規則72条3項)。

登記研究189号P68、昭和38年5月25日民事四発第118号民事局第四課長回答「商業登記申請書に添付する取締役会議事録の署名について」

登記研究877号P131、令和3年1月29日法務省民商第10号法務省民事局長通達「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」

 会社法348条2項を証する情報は、取締役会の署名又は記名押印の規定に準ずる。

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