登記研究912号(令和6年2月号)テイハン
【論説・解説】
■「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(通達)」の解説(6)
法務省民事局民事第二課補佐官 三 枝 稔 宗
法務省民事局民事第二課補佐官 河 瀬 貴 之
法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 手 塚 久美子
法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清 水 玖 美
第2 本要領の概要
10 第10節 承認申請の審査
⑶ 第3 調査事項(承前)
申請土地が急傾斜地崩壊危険区域等に含まれていたとしても、それをもって直ちに不承認要件に該当するものではない。
竹。松くい虫。
⑷ 第4 承認、却下又は不承認の判断
⑸ 第5 標準処理期間
現状、全国一律8時間。
■「法務局における遺言書の保管等に関する省令及び法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則の一部を改正する省令の施行に伴う遺言書保管事務の取扱いについて(令和5年5月12日付け法務省民商第100号法務省民事局長通達)」の解説
法務省大臣官房司法法制部司法法制課法制審議会係長(前法務省民事局商事課遺言書保管第一係長) 新 谷 英 斗
法務省民事局商事課遺言書保管第一係長 菅 野 裕 紀
第1 はじめに
令和2年7月10日施行
法務局における遺言書の保管等に関する省令及び法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則の一部を改正する省令(令和5年法務省令第27号)、令和5年5月12日施行。
第2 添付書類の有効期間の廃止
3か月以上前の書類でも、移動がない場合などもあり、支障がない場合が多いと考えられます。また遺言者や受遺者などに移動があったとしても、ある時において一致していれば有効とした方が、受遺者などが多数の場合や外国に受遺者がいる場合であっても書類の取り直しなどが起こりにくく、合理的だと思います。
第3 法人でない社団又は財団による手続の明確化
第4 遺言書情報証明書の交付等の請求書の記載省略要件の改正
第5 遺言書保管所の管轄の拡大
遺言書情報システムでは、管轄区域に基づいて遺言書保管申請制度利用の可否判断を行っている。
法務局及び地方法務局の支局及び出張所設置規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=413M60000010012_20240226_506M60000010003
第四条 法務局、地方法務局又は支局の戸籍及び公証の事務に関する管轄区域は、別表第一の支局欄(同欄中括弧のつけてあるものは、本庁を示すものとする。)及び管轄区域欄によって示されるとおりとし、法務局、地方法務局、支局又は出張所の登記の事務(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成十年法律第百四号)第五条第一項(同法第十四条第一項において準用する場合を含む。)及び後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第二条第一項の事務を除く。)に関する管轄区域は、同表の出張所欄(同欄中括弧のつけてあるものは、本庁又は支局を示すものとする。)及び管轄区域欄によって示されるとおりとし、法務局、地方法務局、支局又は出張所の法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成三十年法律第七十三号)に定める遺言書の保管に関する事務に関する管轄区域は、別表第二の官署欄及び管轄区域欄によって示されるとおりとする。
■Q&A不動産表示登記(88)
(一社)テミス総合支援センター理事 都城市代表監査委員 新 井 克 美
第三章 建物(非区分建物)
第二節 各種の登記の申請
Q257 いずれも未登記の建物が合体した場合はどのような登記を申請するのか。
合体後の建物について、表題登記の申請(不動産登記法47条)。
建物図面、各階平面図・・・合体後の建物。
所有権証明情報・・・合体前の各建物に関するもの及び増築工事による場合はその工事に関するもの。
■民事信託の登記の諸問題(29)
渋 谷 陽一郎
父が委託者兼受益者であり、長男が受託者となっている民事信託で、受託者である長男が経営する会社の債務を担保するため、信託不動産に抵当権を設定するケース。父は長男が経営する会社の元経営者。
信託の目的の範囲内である場合で、信託法31条1項4号の行為を同法31条2号で許容できるときを想定します。抵当権設定登記の申請時、登記原因証明情報上、受託者、そして委託者兼受託者と、債務者との利害関係人性に関する事実(事情)を記す必要があるか。・・・記載しなかった場合に却下事由になることはないと考えます(不動産登記法25条、昭和41年5月16日 民事甲第1179号民事局長回答「信託の登記ある不動産についての抵当権設定登記申請の受理について」)。
信託の目的が、父の生活・介護・医療の支援である場合、受託者を経営者とする会社の債務を担保するための抵当権設定行為は、信託の目的の範囲内の受託者の行為となるのであろうか。について・・・本来は、会社の元経営者であった委託者兼受益者の意思を信託の目的に反映させる方が望ましいと思われます。ただし、信託の目的は信託行為全体を総合的に考慮して判断されるものであり、信託目録の信託の目的欄に記載がないことを理由に、信託目録の体系上の整合性がない、と判断される可能性は低いのではないかと考えます。
会社は信託の受益者ではないにも関わらず、かような信託財産の管理方法(受託者が代表取締役である会社の債務を担保するための信託不動産に対する抵当権設定およびその登記申請)を設定し得るのだろうか。について・・・設定し得ると考えます(信託法26条)。信託行為時の株主(社員)が誰なのか、は専門家が確認しておくべき事項だと思います。
登記手続上、形式判断を可能とするためには、受託者の権限は、昭和41年登記先例の事案(信託原簿)のような包括的なものでは足らず、具体的な権限として、その許容性が明確化されている必要がないだろうか。について
・・・同意です。
本来、当該第三者(会社)を受益者であるとすべきであるかもしれない。について・・・信託法2条7項の、その他の信託財産に係る給付、の中に担保設定が含まれるのであれば、受益者に該当すると考えます。
会社法施行下で使える登記先例──実務の便覧──(5)
平成20年10月2日法務省民商第2654号民事局商事課長通知「金融商品取引業者の登録に必要な資本金の額を満たしていないものの、金融商品取引業を行う旨を目的に掲げる株式会社の設立の登記の取扱いについて」
平成11年1月27日 法務省民四第137号民事局第四課長通知「債権管理回収業に関する特別措置法の施行に伴う登記事務の取扱いについて」
【法 令】
商業登記規則等の一部を改正する省令(令和5年6月12日法務省令第31号)
【訓令・通達・回答】
▽商業・法人登記関係
〔6219〕商業登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(令和5年6月12日付け法務省民商第113号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)
有限責任事業組合を無限責任組合員とする投資事業有限責任組合契約の効力発生の登記の申請は、投資事業有限責任組合契約書に当該有限責任事業組合を当該無限責任組合員として記載している場合に限り、受理。
〔6220〕商業登記等事務取扱手続準則の一部改正について(令和5年6月12日付け法務省民商第114号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)
〔6221〕商業・法人登記における印鑑関係事務取扱要領の一部改正について(令和5年6月12日付け法務省民商第115号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)
▽電子認証関係
〔6222〕「商業登記法等の一部を改正する法律等の施行に伴う電子認証事務の取扱いについて(平成12年9月29日付け法務省民四第2274号民事局長通達)」の一部改正について(令和5年6月12日付け法務省民商第116号法務局長、地方法務局長宛て法務省民事局長通達)